JP2003057700A - 周期状分極反転構造の形成方法 - Google Patents

周期状分極反転構造の形成方法

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JP2003057700A JP2001246386A JP2001246386A JP2003057700A JP 2003057700 A JP2003057700 A JP 2003057700A JP 2001246386 A JP2001246386 A JP 2001246386A JP 2001246386 A JP2001246386 A JP 2001246386A JP 2003057700 A JP2003057700 A JP 2003057700A
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】分極反転領域の形状の乱れなどを防止し、良好
な形状の周期状分極反転構造を安定的に得ることのでき
る、新規な周期状分極反転構造の形成方法を提供する。 【解決手段】強誘電体単結晶基板1の主面1A上に、周
期状に配列された複数の電極片12−1〜12−7を有
する第1の電極12と、この第1の電極12に対向して
位置するように主面1A及び裏面1B上に、それぞれ第
2の電極3A及び3Bを配置する。第1の電極12にお
いて、各電極片は、最小の電極幅Wfを有する先端部F
と、最大の電極幅Wbを有する根元部Bとから構成さ
れ、先端側から根元側に向けて電極幅が増大した、テー
パー形状を呈する。そして、第1の電極12と第2の電
極3A及び3Bとの間に、所定の電圧を印加することに
よって、周期状分極反転構造4を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周期状分極反転構
造の形成方法に関し、詳しくは、ニオブ酸リチウムやタ
ンタル酸リチウムなどの強誘電体単結晶基板を用いるS
HG(Second Harmonic Generation)デバイス製造時にお
いて好適に用いることのできる、周期状分極反転構造の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷、光情報処理、及び光応用計測制御
分野などにおいては、小型の短波長光源の実現が強く望
まれており、この短波長光源を実現足らしめるものとし
てSHGデバイスが注目を浴びている。このSHGデバ
イスは、半導体レーザから出射された光を通過させるこ
とによって、非線型光学効果を利用して2次高調波を生
成する。この2次高調波は前記半導体レーザから出射さ
れた光に対して周波数が2倍であり、したがって波長は
1/2となっている。すなわち、前記SHGデバイスを
利用することによって、前記半導体レーザからの出射光
に対して1/2の波長を有する短波長の光を得ることが
できる。
【0003】前記SHGデバイスは、ニオブ酸リチウム
(以下、「LN」と略す場合がある)やタンタル酸リチ
ウム(以下、「LT」と略す場合がある)などの強誘電
体単結晶基板を具え、この基板内において光の進行方向
と略垂直に、分極状態が周期状に反転してなる分極構造
を有している。このような周期状分極反転構造は、一般
に以下のようにして形成する。
【0004】図1は、周期状分極反転構造の形成方法を
説明するための図であり、図2は、分極反転時に用いる
従来の櫛形形状の第1の電極を模式的に示す図である。
なお、特徴を明確にすべく、各部分の大きさや形状など
については、実際のものと異なるようにして描いてい
る。
【0005】最初に、LNやLTなどの、例えばオフカ
ット基板からなる強誘電体単結晶基板1の主面1A上
に、電極片2−1〜2−7を有する櫛形状の第1の電極
2と、この第1の電極2と対向するようにして主面1A
及び裏面1B上に、一様な平板状の第2の電極3A及び
3Bとを配置する。図2に示すように、櫛形状の第1の
電極2において、各電極片2−1〜2−7は、それぞれ
幅dを有し、配列周期Pで周期状に配列されている。
【0006】そして、第1の電極2と第2の電極3A及
び3Bとの間に所定の電圧V1及びV2を印加すると、
強誘電体単結晶基板1の分極方向Bと逆の分極方向Aを
有する分極反転域が、第1の電極2の各電極片から基板
の結晶方位に徐々に伸長し、分極方向が反転した、分極
方向Aを有する分極反転領域4Aと、元の分極方向Bを
有する分極領域4Bとからなる周期状分極反転構造4が
形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の方法
で形成される各電極片2−1〜2−7の先端部における
分極反転領域4Aの幅は、各電極片2−1〜2−7の幅
よりも増大する。これは、各電極片2−1〜2−7の縁
端には電荷が集中し易いという、いわゆる縁端効果によ
るもので、各電極片2−1〜2−7の幅よりも見かけ上
広い範囲で電流が基板1に印加されるためである。
【0008】したがって、通常は、図2に示すように各
電極片の幅dを配列周期Pよりも小さくし、分極反転領
域4Aの幅と分極領域4Bとの幅がほぼ等しくなるよう
にする。たとえば、特開平7−77712号公報には、
電極片の幅dを配列周期Pの1/2以下に設定すること
が記載されている。そして、実施例においては、電極幅
dを0.5μmとし、配列周期Pを3.0μmに設定し
て分極反転を行なうことが記載されている。
【0009】しかしながら、このように電極幅の小さい
電極片を有する櫛形状電極を用いて分極反転を行なった
場合、分極反転領域の形状が乱れたり、電極片間に分極
反転領域が形成されたりしまっていた。さらには、電極
基部において強誘電体単結晶基板に損傷を与える場合も
生じていた。その結果、良好な形状の分極反転領域、し
いては周期状分極反転構造を形成することができないで
いた。
【0010】本発明は、分極反転領域の形状の乱れなど
を防止し、良好な形状の周期状分極反転構造を安定的に
得ることのできる、新規な周期状分極反転構造の形成方
法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は、強誘電体単結晶基板の一表面上において、周
期状に配列された複数の電極片を有する第1の電極と、
この第1の電極と離隔し、対向して位置するように、前
記強誘電体単結晶基板の任意の表面上に第2の電極とを
配置し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に所定
の電圧を印加することにより、前記強誘電体単結晶基板
内に周期状の分極反転構造を形成する方法であって、前
記第1の電極の各電極片を、その幅が先端側から根元側
に向けて増大するように、テーパー状に形成したことを
特徴とする、周期状分極反転構造の形成方法に関する。
【0012】本発明者らは、図1に示すような電極幅の
小さい電極片を有する電極を用いて分極反転を行なった
場合に、良好な形状の分極反転領域、さらには周期状分
極反転構造が得られない理由について鋭意検討を実施し
た。その結果、電極幅が小さい場合はその電気抵抗が大
きくなるために、櫛形電極自体に所定の電圧を印加して
も、電極片の先端までに十分電流が流れなくなる。そし
て、電極片の先端には十分な大きさの電圧が印加されな
くなり、その結果、分極反転形状が乱れてしまう場合が
生じることを見出した。
【0013】さらに、電極片に均一に電圧が印加されな
いことに起因して、櫛形電極内の電圧分布が不均一にな
るとともに、所定の箇所に過度の電圧が印加されるよう
になる。この結果、電極片間に分極反転領域が形成され
たり、強誘電体単結晶基板に損傷を与えたりすることを
見出した。
【0014】そこで、本発明者らは、電極片の電気抵抗
を低減し、その先端にまで安定的に電流を流し、良好な
形状の周期状分極反転構造を形成すべく鋭意検討を実施
した。その結果、電極片の、根元側の幅を先端側の幅に
比して大きくし、前記電極片の幅が、前記先端側から前
記根元側に向けて増大するように、テーパー状に形成す
ることを想到した。
【0015】この場合においては、分極反転領域の幅を
制御すべく電極片の先端側の幅を小さくしても、その根
元側の幅はある程度の大きさを有し、かかる部分の電気
抵抗は低減される。したがって、前記電極片を有する櫛
形電極に対して所定の電圧を印加した場合、この電圧印
加に起因した電流は、電気抵抗に低減された前記電極片
の前記根元側を通過して前記電極片の先端まで安定的に
流れるようになる。その結果、前記電極片の前記先端か
ら安定的に分極反転領域が形成され、周期状分極反転領
域が形成されるようになる。
【0016】また、前記櫛形電極内における電圧分布も
均一になるとともに、所定の箇所に過度の電圧が印加さ
れることもなくなる。したがって、前記電極片間に分極
反転領域が形成されたり、強誘電体単結晶基板が損傷し
たりすることがなくなる。
【0017】なお、本発明の好ましい態様においては、
櫛形状の第1の電極における各電極片の、先端側におけ
る最小幅Wfと、根元側における最大幅Wbとの比(W
f/Wb)が4/5以下であることが好ましい。これに
よって、上記本発明の効果をより実効あらしめることが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、具体例を挙げな
がら発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】図3は、本発明の周期状分極反転構造の形
成方法おいて使用する、櫛形状の第1の電極の一例を示
す概観図である。図3に示す櫛形状の第1の電極は、電
極片12−1〜12−7を有しており、各電極片は先端
部Fと根元部Bとから構成されている。各電極片におい
て、先端部Fの幅はほぼ一様であり、根元部Bの幅は先
端部Fから基部に向けて増大している。そして、根元部
Bの幅は、総じて先端部Fの幅よりも大きくなってお
り、電極片全体としてテーパー状の形態を呈している。
【0020】各電極片の根元部Bは比較的大きな電極幅
を有し、電気抵抗が低減されている。したがって、櫛形
状の第1の電極に所定の電圧が印加された場合において
も、各電極片の、電気抵抗が減じられている根元部Bを
介して先端部Fまで十分に安定的に電流が流れるように
なる。したがって、各電極片の先端部Fより安定的に分
極反転領域、さらには周期状分極反転構造を形成するこ
とができる。
【0021】また、各電極片の、先端部Fにおける最小
幅Wf(この場合においては、先端部Fの幅)と、根元
部Bにおける最大幅Wbとの比(Wf/Wb)は、上述
したように4/5以下であることが好ましく、さらには
2/5以下であることが好ましい。これによって、比較
的大きな電極幅を有する根元部Bの電気抵抗を、先端部
Fの電気抵抗に比較して十分に小さくすることができ、
本発明をより実効あらしめることができる。
【0022】なお、各電極片の先端部Fの最小幅Wf
は、電極片の配列周期Pの1/2未満、さらには1/5
以下であることが好ましい。これによって、前述したよ
うに、形成すべき分極反転領域の幅と、反転することな
く残存した分極領域の幅とがほぼ同じになるように制御
することができる。したがって、均一な分極領域幅を有
する周期状分極反転構造を簡易に形成することができ
る。
【0023】また、この場合において、各電極片の根元
部Bの低電気抵抗化を実現足らしめるためには、各電極
片の根元部Bの最大幅Wbは、配列周期Pの1/2以
上、さらには3/5以上にする。
【0024】図4は、図3に示す櫛形状の第1の電極の
変形例を示す概観図である。図4に示す櫛形状の第1の
電極22は三角形状の電極片22−1〜22−7を有
し、各電極片の幅は先端側から根元側に向けて増大し、
テーパー状を呈している。すなわち、図4に示す第1の
電極22は、図3に示す第1の電極12と異なり、先端
部及び根元部などのように各部位毎に分割された構成の
電極片ではなく、電極幅が先端側から根元側に向けて連
続して変化する、連続的な構成の電極片を有する。
【0025】この場合においては、比較的大きな電圧を
印加した場合においても、この印加電圧に起因した電流
を各電極片の先端まで効率良く流すことができるように
なり、良好な形状かつ十分な深さを有する周期状分極反
転構造を形成することができる。
【0026】また、図4に示す櫛形状電極の各電極片の
先端は三角形の頂点に相当し、図3に示すような一定の
大きさを有しない。すなわち、この場合、各電極片の先
端側の最小幅Wfは限りなく零に近づき、(Wf/W
b)も限りなく零に近づくようになる。しかしながら、
各電極片の先端には電圧が集中するようになるため、よ
り小さい印加電圧でより深い周期状分極反転構造を形成
することができるようになる。
【0027】さらに、周期状分極反転構造を構成する分
極反転領域は、櫛形状電極の電極片の幅よりも拡大して
形成されるため、印加電圧の大きさなどを適宜に調節す
ることにより、任意の分極領域幅を有する周期状分極反
転構造を形成することができ、さらには均一な分極領域
幅を有する周期状分極反転構造を簡易に形成することが
できる。
【0028】なお、図3及び図4に示す櫛形状の第1の
電極は、公知の電極材料から構成することができる。
【0029】本発明の周期状分極反転構造の形成方法に
おいては、例えば、図1に示すように、LNやLTのオ
フカット基板からなる強誘電体単結晶基板1の主面1A
上に、前述した電極片2−1〜2−7を有する櫛形状の
第1の電極2に代えて、図3又は図4に示す第1の電極
12又は22を形成する。そして、この第1の電極12
又は22と対向するようにして平板状の第2の電極3A
及び3Bを形成する。その後、第1の電極12又は22
と第2の電極3A及び3Bとの間に所定の電圧を印加し
て分極反転を生ぜしめ、周期状分極反転構造4を形成す
る。
【0030】図3及び図4に示す本発明の方法に用いる
櫛形状の第1の電極12及び22においては、電極片
の、拡大された電極幅を有し電気抵抗が低減された根元
側を通じて、先端側に十分に電流を流すことができる。
さらに、各電極片の先端側の電極幅が狭小化されている
ために、各電極片の先端には電荷を集中させることがで
きる。したがって、第1の電極12及び22の先端に対
しては実質的に大きな電流を印加することができ、より
深い周期状分極反転構造を簡易に形成することができる
ようになる。
【0031】実際に、図3及び図4に示すような櫛形状
の第1の電極を用いた場合、5度のオフカット基板にお
いて2.5μm以上の深さの周期状分極反転構造を得る
ことができる。
【0032】図1に示すような強誘電体単結晶基板1内
に周期状分極反転構造4を作製した後は、櫛形形状の第
1の電極12又は22、並びに平板状の第2の電極3A
及び3Bは、弗硝酸でそれぞれ取り除かれる。
【0033】図5は、周期状分極反転構造が形成された
強誘電体単結晶基板に、光導波路を形成した状態を示す
図である。なお、簡略化のため、図5においては、強誘
電体単結晶基板の、周期状分極反転構造が形成された部
分のみを示している。
【0034】図3又は図4に示す櫛形状の第1の電極を
用い、図1に示すようにして周期状分極反転構造が形成
された強誘電体単結晶基板を得た後、これを実際のSH
Gデバイスなどとして用いるためには、図5に示すよう
に、プロトン交換法などによって周期状分極反転構造4
内に光導波路5を形成して、所定の光導波路素子10を
作製する。その後、光導波路素子10を実装し、光ファ
イバなどを接続することによって、目的とするSHGデ
バイスなどを得る。
【0035】図6〜図8は、周期状分極反転構造が形成
された強誘電体単結晶基板を用いて、リッジ構造型の光
導波路素子を形成するための工程を説明するための図で
ある。
【0036】最初に、図6に示すように、周期状分極反
転構造4の形成された強誘電体単結晶基板1を、主面1
Aが下側になるようにして、支持基板11と接着層12
を介して貼り合わせる。次いで、強誘電体単結晶基板1
に裏面1Bから研削加工及び研摩加工を施すことによ
り、図7に示すように、周期状分極反転構造4が露出す
るまで薄板化する。その後、ダイシング加工、あるいは
所定のマスクを介してレーザ加工を行ない、強誘電体単
結晶基板1の両側部分を所定の厚さを残して除去し、図
8に示すようなリッジ型の光導波路15を有する、リッ
ジ構造型の光導波路素子20を得る。
【0037】その後、光導波路素子20を実装し、光フ
ァイバなどを接続することによって、目的とするSHG
デバイスなどを得る。
【0038】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。 (実施例)最初に、厚さ0.5mmのMgOドープLN
単結晶の5度オフYカット板を強誘電体単結晶基板1と
して用い、この基板の主面1A上に、図3に示すような
構成の、Taからなる櫛形状の第1の電極12を形成し
た。ここで、各電極片の、先端部Fの長さを50μm、
根元部Bの長さを50μmとし、先端部Fにおける最小
幅Wfを0.4μm、根元部Bにおける最大幅Wbを
1.6μmとした。また、配列周期Pは2.8μmとし
た。
【0039】次いで、第1の電極12と対向するように
して、主面1A上に、同じくTaからなる平板状の第2
の電極3Aを形成するととともに、裏面1B上に同じく
平板状の電極3Bを形成した。その後、第1の電極12
と第2の電極3A及び3Bとの間に、所定の電圧を印加
して周期状分極反転構造4を形成した。なお、第1の電
極12と主面1A上の電極3A間には電圧を印加せず、
第1の電極12と裏面1B上の電極3B間にのみ電圧を
印加しても、周期状分極反転構造4を得ることができ
た。
【0040】(比較例)実施例と同様に、厚さ0.5m
mのMgOドープLN単結晶の5度オフYカット基板を
強誘電体単結晶基板1として用い、この基板1の主面1
A上に図2に示すような、Taからなる従来の櫛形状の
第1の電極2を形成した。ここで、各電極片の、電極幅
dを0.4μm、長さLを100μmとし、配列周期P
は2.8μmとした。
【0041】次いで、第1の電極2と対向するようにし
て、主面1A上に同じくTaからなる平板状の第2の電
極3を形成した。その後、第1の電極12と第2の電極
3A及び3Bとの間に、所定の電圧を印加して周期状分
極反転構造4を形成した。
【0042】図9は、実施例において形成した周期状分
極反転構造4の光学顕微鏡写真であり、図10及び11
は、比較例において形成した周期状分極反転構造4の光
学顕微鏡写真である。なお、各図においては、第1の電
極2又は12、並びに第2の電極3A及び3Bを、弗硝
酸溶液を用いて除去した後の状態を示す。
【0043】図9から明らかなように、本発明に従った
実施例においては、ほぼ均一な分極領域幅を有する周期
状分極反転構造4が形成されていることが分かる。一
方、従来の方法に従った比較例においては、図10に示
すように、櫛形状の第1の電極の電極片間において、分
極反転領域が形成されていることが分かる。さらに、別
の場合には、図11から明らかなように、櫛形状の第1
の電極の基部が位置する部分において基板損傷が生じて
いた。
【0044】すなわち、本発明に従った実施例において
は、櫛形状の第1の電極12における各電極片の根元部
Bを介して、各電極片の先端まで十分に電流が流れ、強
誘電体単結晶基板1に対して均一な電圧が印加され、良
好な形状の周期状分極反転構造が形成されたことが分か
る。一方、従来の方法に従った比較例においては、櫛形
状の第1の電極2における各電極片の先端まで十分に電
流が流れることなく、第1の電極2内において不均一な
電圧分布、並びに電極基部において電圧が過度に集中し
ていることが分かる。
【0045】また、実施例において、強誘電体単結晶基
板1内に形成された周期状分極反転構造の、主面1Aか
らの深さを実測したところ2.5μmであることが判明
し、従来に比し十分大きな深さを有する周期状分極反転
構造4を形成できることも判明した。
【0046】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形
態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は
上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸
脱しない範囲において、あらゆる変更や変形が可能であ
る。例えば、上記においては、強誘電体単結晶基板1
を、例えばMgOドープのLN単結晶の5度オフカット
板から構成する場合について示しているが、本発明は、
例えばLN単結晶の任意のオフカット基板、、並びにX
カット基板、Yカット基板、Zカット基板から構成する
場合についても用いることができる。
【0047】また、図1においては、主面1A及び裏面
1B上において、櫛形状の第1の電極12と対向するよ
うに第2の電極3A及び3Bを形成しているが、LN単
結晶のXカット基板又はYカット基板を用いる場合は、
裏面1B上に第2の電極3Bを形成することなく、主面
1A上において第2の電極3Aのみを形成することによ
って、目的とする周期状分極反転構造を作製することが
できる。
【0048】さらに、LN単結晶のZカット基板又は上
述したオフカット基板を用いる場合は、主面1A上に第
2の電極3Aを形成することなく、裏面1B上に第2の
電極3Bのみを形成することによって、目的とする周期
状分極反転構造を作製することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分極反転領域の形状の乱れなどを防止し、良好な形状の
周期状分極反転構造を安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】周期状分極反転構造の形成方法を説明するため
の図である。
【図2】分極反転時に用いる従来の櫛形形状の第1の電
極を模式的に示す図である。
【図3】図3は、本発明の周期状分極反転構造の形成方
法おいて使用する、櫛形状の第1の電極の一例を示す概
観図である。
【図4】図3に示す櫛形状の第1の電極の変形例を示す
概観図である。
【図5】周期状分極反転構造が形成された強誘電体単結
晶基板に、光導波路を形成した状態を示す図である。
【図6】周期状分極反転構造が形成された強誘電体基板
を用いて、リッジ構造型の光導波路素子を形成する方法
を説明するための一工程図である。
【図7】図7に示す工程の次の工程を示す図である。
【図8】図8に示す工程の次の工程を示す図である。
【図9】本発明の方法に従って形成した周期状分極反転
構造の光学顕微鏡写真である。
【図10】従来の方法に従って形成した周期状分極反転
構造の光学顕微鏡写真である。
【図11】従来の方法に従って形成した周期状分極反転
構造の光学顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 強誘電体単結晶基板、2,12,22 第1の電
極、3A、3B 第2の電極、4 周期状分極反転構
造、5,15 光導波路、10,20 光導波路素子、
11 支持基板、12 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2K002 AA01 AA04 AA06 AB12 BA01 CA03 DA06 EA07 FA26 FA27 HA20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体単結晶基板の一表面上において、
    周期状に配列された複数の電極片を有する第1の電極
    と、この第1の電極と離隔し、対向して位置するよう
    に、前記強誘電体単結晶基板の任意の表面上に第2の電
    極とを配置し、前記第1の電極と前記第2の電極との間
    に所定の電圧を印加することにより、前記強誘電体単結
    晶基板内に周期状の分極反転構造を形成する方法であっ
    て、 前記第1の電極の各電極片を、その幅が先端側から根元
    側に向けて増大するように、テーパー状に形成したこと
    を特徴とする、周期状分極反転構造の形成方法。
  2. 【請求項2】前記各電極片の、前記先端側における最小
    幅Wfと、前記根元側における最大幅Wbとの比(Wf
    /Wb)が4/5以下であることを特徴とする、請求項
    1に記載の周期状分極反転構造の製造方法。
  3. 【請求項3】前記各電極片の前記最小幅Wfが、前記電
    極片の配列周期Pの1/2未満であることを特徴とす
    る、請求項2に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  4. 【請求項4】前記各電極片の前記最大幅Wbが、前記電
    極片の配列周期Pの1/2以上であることを特徴とす
    る、請求項3に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  5. 【請求項5】前記第1の電極と前記第2の電極とは、前
    記強誘電単結晶基板の同一表面上に配置することを特徴
    とする、請求項1〜4のいずれか一に記載の周期状分極
    反転構造の形成方法。
  6. 【請求項6】前記第1の電極と前記第2の電極とは、そ
    れぞれ前記強誘電体単結晶基板の相対向する異なる表面
    上に配置することを特徴とする、請求項1〜4のいずれ
    か一に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
  7. 【請求項7】前記第2の電極は、前記第1の電極と同一
    平面上、及びこの平面と相対向する異なる表面上に配置
    することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記
    載の周期状分極反転構造の形成方法。
  8. 【請求項8】前記周期状分極反転構造の、前記第1の電
    極が形成された前記強誘電体単結晶基板表面からの深さ
    が、1.0μm以上であることを特徴とする、請求項5
    に記載の周期状分極反転構造の形成方法。
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