JP2003056684A - 変速比無限大無段変速機のクリープ制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機のクリープ制御装置

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JP2003056684A
JP2003056684A JP2001241728A JP2001241728A JP2003056684A JP 2003056684 A JP2003056684 A JP 2003056684A JP 2001241728 A JP2001241728 A JP 2001241728A JP 2001241728 A JP2001241728 A JP 2001241728A JP 2003056684 A JP2003056684 A JP 2003056684A
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continuously variable
torque
ratio
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Yasushi Narita
靖史 成田
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 変速比無限大無段変速機のクリープ制御を、
ロークラッチのスリップ制御に頼ることなく、無段変速
機構の変速制御のみにより可能にして耐久性を高める。 【解決手段】 N→D切り換えに伴いロークラッチを締
結させて動力循環モードにするが、無段変速機構は中立
点における変速比icvt=GNPRTOに保持する。ブレーキ操
作による停車状態故にicvt=GNPRTOを継続するが、弱ク
リープトルクを発生させるため、トルクシフト補償量TS
RTOMFLが上昇し、ステップモータがLOW側へ動いて出力
軸トルクが発生する。(4)ではブレーキ力の低下により
僅か後退したのを遊星歯車組出力回転数Nrが0未満にな
ったことにより検出し、後退距離のことを示す後退時積
分量INTGOUT2を所定値TOUT1ずつの大きな割合で上昇さ
せる。これに伴いTSRTOMFLが上昇し、ステップモータも
更にLOW側へ動き、出力軸トルクが更に上昇して車両の
後退を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変速比無限大無段
変速機のクリープ制御装置、特に、選択レンジに逆行す
るような車両の移動を防止するクリープ制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】変速比無限大無段変速機(以下、IVT
とも言う)は通常、例えば特開平11−63203号公
報に記載され、図31に示すごとくトロイダル型無段変
速機やVベルト式無段変速機などの無段変速機構(以
下、CVTとも言う)aと遊星歯車組bとの組み合わせ
により構成する。そして遊星歯車組bの3要素の1つ
(図31ではキャリア)に一定変速機構cおよびローク
ラッチdを経て無段変速機構aへの入力回転を伝達する
ことにより、遊星歯車組bの他の1要素(図31ではサ
ンギヤ)を経て無段変速機構aの出力回転メンバより入
力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環動力の一
部を無段変速機構aの変速状態に応じ遊星歯車組aの残
りの1要素(図31ではリングギヤ)から取り出して出
力回転となす(動力循環モード)よう構成し、上記のロ
ークラッチdを解放してその代わりにハイクラッチeを
締結することにより、このハイクラッチeを経て無段変
速機構aの出力回転メンバからの無段変速機構aの動力
を直接取り出す(CVT直結モード)よう構成するのが
普通である。
【0003】かかる構成において変速比無限大無段変速
機の変速比(入力回転数Nin/出力回転数Nout)
は、該変速比の逆数である変速比無限大無段変速機(I
VT)の速度比Et(Nout/Nin)と無段変速機
構(CVT)aの変速比icvtとの関係として例示し
た図2のごとく、無段変速機構aの変速比icvtによ
り変速制御され得る。
【0004】更に付言するに、ロークラッチdおよびハ
イクラッチeの締結・解放切り換えにより行う動力循環
モードと直結モードとの間の伝動モード切り換えは、両
クラッチの駆動側回転メンバの回転数と被動側回転メン
バの回転数とが一致するモード切り換え(回転)同期点
RSPにおいて実行するが、IVT速度比Etがこの回
転同期点RSPよりも低速側の速度比にされる動力循環
モードでは無段変速機構aの変速比icvtを中立点G
NP対応の変速比GNPRTOにすることで、遊星歯車
組bのリングギヤへ伝わる回転を0にして変速比無限大
無段変速機の出力回転数Noutを0になし、伝動経路
が機械的に結合されたままの状態でIVT変速比(変速
機入力回転数/変速機出力回転数)が無限大(IVT速
度比Etが0)の中立状態(Nレンジで要求される)を
作り出すことができ、停車が可能である。
【0005】この動力循環モードで無段変速機構aが、
遊星歯車組bのリングギヤへの回転を0にするような変
速比GNPRTO(中立点GNP)よりも高速(ハイ)
側変速比である時は、変速比無限大無段変速機の出力回
転が逆向きとなってRレンジで要求される後退走行を可
能にし、無段変速機構aの変速比icvtが当該変速比
GNPRTO(中立点GNP)よりも低速(ロー)側変
速比であるほど、変速比無限大無段変速機の出力回転が
正転方向の回転数を増大されてD,Lレンジで要求され
る前進走行を可能にする。この前進走行中、無段変速機
構aの変速比icvtが上記回転同期点RSPに対応し
た変速比になると、動力循環モードにおいてハイクラッ
チeの駆動側および被駆動側回転メンバの回転数が相互
に一致し、この時にハイクラッチeを油圧の供給により
締結すると共にロークラッチdを油圧の排除により解放
することで、理論上ショックなしに動力循環モードから
直結モードに切り換えることができる。この直結モード
では、無段変速機構aのみによる変速が変速比無限大無
段変速機の変速に反映されることとなる。
【0006】なお、逆に直結モードから動力循環モード
への切り換えに際しても、上記の回転同期点RSPにお
いてロークラッチdの駆動側および被駆動側回転メンバ
の回転数が相互に一致し、この時にロークラッチdを締
結すると共にハイクラッチeを解放することで、理論上
ショックなしに当該モード切り換えを行うことができ
る。
【0007】ところで上記した通り変速比無限大無段変
速機は、IVT変速比が無限大(IVT速度比Etが
0)となる図2の中立点GNPにおいて停車状態を保つ
ことから、この停車状態において、トルクコンバータ付
きの自動変速機におけるようなクリープトルクを発生せ
ず、平坦路での微速走行や登坂路での後退防止を期待す
ることができない。
【0008】これがため従来、例えば特開2000−1
79669号公報に記載のごとく、IVT速度比Etが
中立点GNPよりも若干選択レンジに対応した車両進行
方向(D,Lレンジなら前進方向、Rレンジなら後退方
向)の値となるよう無段変速機構を中立点GNPよりも
若干ロー側(D,Lレンジでの前進時)またはハイ側
(Rレンジでの後退時)に変速させておき、これにより
クリープトルクが発生するようになし、そしてクリープ
トルク値の制御に際しては、当該動力循環モードを実現
するために締結させておくべきロークラッチを締結力の
加減によりスリップ状態にし、当該ロークラッチの締結
力制御によりクリープトルク値が所定値となるようにし
た技術が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のごとく
ロークラッチをスリップ状態にしてその締結力制御によ
りクリープトルク値を制御する従来の技術では、ローク
ラッチのスリップにより発熱の問題や耐久性に関する問
題が生じやすく、これらの問題は、勾配路や重車両のた
めに大きなクリープトルクが必要な場合に特に顕著にな
って、看過し得なくなることが懸念される。
【0010】また第2の問題として、必要なクリープト
ルク値を求めるに際して路面勾配を検出するセンサが必
要であり、コスト的にも不利になる。更に第3の問題と
して、必要なクリープトルク値を求めるときに路面勾配
を考慮しているが、車両重量を考慮していないために、
車両重量が変化したときにクリープトルクが不足して、
登坂路で車両が後退するなどの弊害を生ずる。
【0011】請求項1に記載の第1発明は、従来のよう
なロークラッチの締結力制御に頼ることなく、また路面
勾配センサなどのセンサを別途追加することなく、更に
車両重量の変化にかかわらず、無段変速機構の変速制御
のみにより要求通りのクリープ制御が実現されるように
して、前記従来装置の問題をことごとく解消した変速比
無限大無段変速機のクリープ制御装置を提案することを
目的とする。
【0012】請求項2に記載の第2発明は、選択レンジ
に対応した車両進行方向とは逆方向への車両の移動を検
知するという第1発明における要件を、変速比無限大無
段変速機の変速制御に不可欠なセンサからの信号に基づ
き達成し得るようにし、この点でもセンサなどの追加部
品の必要をなくしてコスト上の有利さを保ち得るように
すると共に、上記の移動が乗員に気づかないような極く
僅かなものである間に当該移動を検知して上記の作用効
果が奏し得られるようにした変速比無限大無段変速機の
クリープ制御装置を提案することを目的とする。
【0013】請求項3に記載の第3発明は、別の手段に
より第2発明と同様の作用効果を奏し得るようにした変
速比無限大無段変速機のクリープ制御装置を提案するこ
とを目的とする。
【0014】請求項4に記載の第4発明は、クリープ制
御用の基準となる目標出力トルクを基にこれからクリー
プトルク値を上昇させるようにすることで、クリープ制
御の応答性を一層高めた変速比無限大無段変速機のクリ
ープ制御装置を提案することを目的とする。
【0015】請求項5に記載の第5発明は、選択レンジ
に対応した車両進行方向とは逆方向への車両の移動を検
知する間、比較的高い応答でクリープトルクを増大させ
ることによりクリープ制御の応答性を確保するが、当該
車両の移動が収まった後は比較的低い応答でクリープト
ルクを低下させることにより、制御のハンチングを生ず
ることなくクリープ制御の高応答を実現し得るようにし
た変速比無限大無段変速機のクリープ制御装置を提案す
ることを目的とする。
【0016】請求項6に記載の第6発明は、上記クリー
プトルクの増大時に原動機の回転数が低下してアイドル
振動が大きくなったり、原動機が停止したりする弊害を
回避し得るようにした変速比無限大無段変速機のクリー
プ制御装置を提案することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】これらの目的のため、先
ず第1発明による変速比無限大無段変速機のクリープ制
御装置は、変速比を無段階に変化させ得る無段変速機構
および遊星歯車組の組み合わせになり、原動機から無段
変速機構への入力回転をロークラッチの締結により遊星
歯車組の1要素に伝達する時、該遊星歯車組の他の1要
素を経て無段変速機構の出力回転メンバより入力回転メ
ンバに動力を循環させつつ、該循環動力の一部を無段変
速機構の変速状態に応じ前記遊星歯車組の残りの1要素
から取り出して、無限大変速比と、その前後における後
退変速比および前進変速比とを選択可能な動力循環モー
ドが選択されるようにした変速比無限大無段変速機にお
いて、車両の走行形態を指令するために選択したレンジ
に対応する車両進行方向とは逆方向への車両の移動を検
知して、前記選択レンジ対応の車両進行方向へのトルク
が増大するよう無段変速機構を変速制御するよう構成し
たことを特徴とするものである。
【0018】第2発明による変速比無限大無段変速機の
クリープ制御装置は、第1発明において、前記遊星歯車
組の少なくとも2つの回転メンバの回転数から残りの1
つの回転メンバの回転数を求め、該残りの1つの回転メ
ンバの回転数から前記選択レンジ対応の車両進行方向と
は逆方向への車両の移動を検知するよう構成したことを
特徴とするものである。
【0019】第3発明による変速比無限大無段変速機の
クリープ制御装置は、第1発明において、前記無段変速
機構の入出力回転数比と前記無限大変速比を実現するた
めの無段変速機構の変速比との対比により、前記選択レ
ンジ対応の車両進行方向とは逆方向への車両の移動を検
知するよう構成したことを特徴とするものである。
【0020】第4発明による変速比無限大無段変速機の
クリープ制御装置は、第1発明乃至第3発明のいずれか
において、車速ごとに定めたクリープ制御用の基準とな
る目標出力トルクを求め、前記選択レンジ対応の車両進
行方向とは逆方向への車両の移動を検知する間、該基準
目標出力トルクを第1の所定トルクずつ増大させ続けて
最終目標出力トルクとし、この最終目標出力トルクが得
られるような車速変化を生起させる無段変速機構の変速
制御を、前記選択レンジ対応の車両進行方向へのトルク
が増大するような無段変速機構の変速制御としたことを
特徴とするものである。
【0021】第5発明による変速比無限大無段変速機の
クリープ制御装置は、第4発明において、前記選択レン
ジ対応の車両進行方向への車両の移動を検知する間、前
記最終目標出力トルクを第2の所定トルクずつ低下させ
続け、第2の所定トルクを前記第1の所定トルクよりも
小さくしたことを特徴とするものである。
【0022】第6発明による変速比無限大無段変速機の
クリープ制御装置は、第1発明乃至第5発明にいずれか
において、前記選択レンジ対応の車両進行方向へのトル
クが増大するよう無段変速機構を変速制御する間、該ト
ルクの増大に応じて前記原動機の出力トルクを増大させ
るよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】
【発明の効果】変速比無限大無段変速機は、ロークラッ
チの締結時これを経て、原動機から無段変速機構への入
力回転が遊星歯車組の1要素に伝達され、同遊星歯車組
の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバより
入力回転メンバに動力を循環させつつ、この循環動力の
一部を無段変速機構の変速状態に応じ遊星歯車組の残り
の1要素から取り出すことができ、無限大変速比と、そ
の前後における後退変速比および前進変速比とを選択可
能な動力循環モードで動力伝達を行う。
【0024】ところで第1発明においては、車両の走行
形態を指令するために選択したレンジに対応する車両進
行方向とは逆方向への車両の移動が検知される間、選択
レンジ対応の車両進行方向へのトルクが増大するよう無
段変速機構を変速制御するため、上記車両の移動が収ま
るまでクリープトルクが増大してその値を要求値にする
ことができる。
【0025】従って第1発明によれば、従来のごとくロ
ークラッチをスリップ状態にしてその締結力制御により
クリープトルク値を制御することなく、無段変速機構の
変速制御のみによりクリープトルクを要求通りのものに
することができるため、ロークラッチのスリップに起因
した発熱の問題や耐久性に関する問題を、たとえ勾配路
や重車両のために大きなクリープトルクが必要な場合に
おいても生ずることがない。
【0026】しかも、選択レンジに対応する車両進行方
向とは逆方向への車両の移動が検知される間、クリープ
トルクが継続的に増大するよう無段変速機構を変速制御
するため、当該車両の移動が収まるまでクリープトルク
が増大してその値を最終的に要求値にし得ることとな
り、必要なクリープトルク値を求めるための路面勾配セ
ンサが不要であってコスト的に有利であると共に、上記
の最終的なクリープトルクが結果的に路面勾配だけでな
く車両重量をも考慮したものであることから、車両重量
が変化してもクリープトルク不足により登坂路で車両が
後退するなどの弊害を回避することができる。
【0027】第2発明においては、前記遊星歯車組の少
なくとも2つの回転メンバの回転数から残りの1つの回
転メンバの回転数を求め、該残りの1つの回転メンバの
回転数から前記選択レンジ対応の車両進行方向とは逆方
向への車両の移動を検知するため、以下の作用効果を奏
することができる。つまり、遊星歯車組の上記少なくと
も2つの回転メンバの回転数はそれぞれ、変速比無限大
無段変速機の変速制御に不可欠な無段変速機構の入出力
回転センサからの信号に基づき求めることができ、上記
車両の移動を検知するに際してセンサなどの追加部品を
必要としないため、この点でもコスト上の有利さを保ち
得る。
【0028】しかも、遊星歯車組の上記少なくとも2つ
の回転メンバが残りの1つの回転メンバに比べて小径で
あることから回転数が高く、これらの高い回転数から求
めた残りの1つの回転メンバの回転数をもとに上記車両
の移動を検知することから、その検知感度が高くて当該
車両の移動が乗員に気づかないような極く僅かなもので
ある間に当該移動を検知して上記の作用効果が奏し得ら
れるようにすることができる。
【0029】第3発明においては、無段変速機構の入出
力回転数比と無限大変速比を実現するための無段変速機
構の変速比との対比により、選択レンジ対応の車両進行
方向とは逆方向への車両の移動を検知するため、この場
合も第2発明と同様な作用効果を奏することができる。
つまり、無段変速機構の入出力回転数はそれぞれ、変速
比無限大無段変速機の変速制御に不可欠な無段変速機構
の入出力回転センサからの検出結果そのものであり、上
記車両の移動を検知するに際してセンサなどの追加部品
を必要としないため、第2発明と同様にこの点でもコス
ト上の有利さを保ち得る。
【0030】しかも、無段変速機構の入出力回転数比が
無限大変速比を実現するための無段変速機構の変速比か
ら少しずれただけで、選択レンジ対応の車両進行方向と
は逆方向への車両の移動を検知し得ることから、その検
知感度が高くて当該車両の移動が乗員に気づかないよう
な極く僅かなものである間に当該移動を検知して上記の
作用効果が奏し得られるようにすることができる。
【0031】第4発明においては、車速ごとに定めたク
リープ制御用の基準となる目標出力トルクを求め、選択
レンジ対応の車両進行方向とは逆方向への車両の移動を
検知する間、この基準目標出力トルクを第1の所定トル
クずつ増大させ続けて最終目標出力トルクとし、この最
終目標出力トルクが得られるような車速変化を生起させ
る無段変速機構の変速制御を、前記選択レンジ対応の車
両進行方向へのトルクが増大するような無段変速機構の
変速制御としたため、クリープ制御用の基準となる目標
出力トルクを基にこれからクリープトルク値を上昇させ
ることとなり、クリープ制御の応答性を一層高めること
ができる。
【0032】第5発明においては、選択レンジ対応の車
両進行方向への車両の移動を検知する間、上記最終目標
出力トルクを第2の所定トルクずつ低下させ続け、第2
の所定トルクを前記第1の所定トルクよりも小さくした
ため、選択レンジに対応した車両進行方向とは逆方向へ
の車両の移動を検知する間は、比較的高い応答でクリー
プトルクを増大させることによりクリープ制御の応答性
を確保するが、当該車両の移動が収まった後は比較的低
い応答でクリープトルクを低下させることとなり、制御
のハンチングを生ずることなくクリープ制御の高応答を
実現することができる。
【0033】第6発明においては、選択レンジ対応の車
両進行方向へのトルクが増大するよう無段変速機構を変
速制御する間、該トルクの増大に応じて原動機の出力ト
ルクを増大させるため、上記クリープトルクの増大時に
原動機の回転数が低下してアイドル振動が大きくなった
り、原動機が停止したりする弊害を回避することができ
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるクリープ制御装置を具えた変速比無限大無段変
速機を示す。この変速比無限大無段変速機(IVT)
は、エンジンを横置きに搭載したフロントエンジン・フ
ロントホイールドライブ車(FF車)用のトランスアク
スルとして構成したもので、原動機としてのエンジンE
NGから動力を伝達される入力軸1上に配したトロイダ
ル型無段変速機構2と、これに平行に配置した出力軸3
上の遊星歯車組4とを主たる構成要素とする。
【0035】トロイダル型無段変速機構2は、2個のト
ロイダル伝動ユニット5,6、つまり、フロント側トロ
イダル伝動ユニット5およびリヤ側トロイダル伝動ユニ
ット6を主たる構成要素とし、これらトロイダル伝動ユ
ニット5,6はそれぞれ、入力軸1に一体回転するよう
嵌合させた入力ディスク7と、これら入力ディスク間で
入力軸1上に回転自在に支持した出力ディスク8と、対
応する入出力ディスク7,8間で動力伝達を行うパワー
ローラ9とにより構成する。
【0036】パワーローラ9はトロイダル伝動ユニット
5,6ごとに2個ずつ設け、これらを入力軸1を挟んで
その両側に対向配置すると共に、図示せざる個々のトラ
ニオンにピボットシャフト11を介して回転自在に支持
し、トラニオンを後で詳述する変速制御のため図示せざ
るピストンによりトラニオン軸線方向(図1の図面直角
方向)にストローク可能とする。
【0037】図1において、エンジンENGから入力軸
1に伝達されたエンジン回転は両入力ディスク7に達
し、入力ディスク7へのエンジン回転(変速機入力回
転)はパワーローラ9を介し出力ディスク8に伝達され
て、両出力ディスク8に固設したCVT出力歯車12か
ら取り出される。かかる伝動中、上記のピストンにより
トラニオンを同期してパワーローラ回転軸線と直交する
トラニオン軸線(首振り軸線)の方向に同位相でストロ
ークさせ、パワーローラ回転軸線が入出力ディスク7,
8の回転軸線と交差した平衡位置(非変速位置)から、
パワーローラ回転軸線が入出力ディスク7,8の回転軸
線からオフセットした変速位置にすると、パワーローラ
9が回転分力により首振り軸線の周りに同期して同位相
で傾転される。これにより、入出力ディスク7,8に対
するパワーローラ9の接触軌跡円半径が連続的に変化
し、入出力ディスク7,8間の伝動比(CVT変速比i
cvt)を無段階に変化させることができる。
【0038】なお、この変速に当たってトラニオンを上
記のごとくストロークさせるためのピストン両側圧は、
図3に示すコントロールバルブボディー21内のステッ
プモータ(変速アクチュエータ)22が指令CVT変速
比icvtoに対応したステップ位置DSRSTPに駆
動して図示せざる変速制御弁を中立位置から作動させる
ことにより生じさせる。そして当該ピストン両側圧間の
差圧による変速進行状態をサーボ系により上記の変速制
御弁にフィードバックし、CVT変速比icvtが指令
CVT変速比icvtoになったところで変速制御弁を
中立位置に戻して、パワーローラ9を上記オフセットが
0の非変速位置に戻すことにより、CVT変速比icv
tを当該指令変速比icvtoに維持することができ
る。
【0039】次いで、図1の出力軸3上に設ける遊星歯
車組4と、上記したトロイダル型無段変速機構2との関
連構成を説明する。遊星歯車組4のエンジンに近い前側
に動力循環クラッチとしてのロークラッチ31を隣接配
置し、遊星歯車組4のエンジンから遠い後側に歯車32
および無段変速機構(CVT)直結クラッチとしてのハ
イクラッチ33を順次隣接配置する。歯車32は出力軸
3上に回転自在に支持し、この歯車32とCVT出力歯
車12との間にアイドラギヤ34を噛合させる。
【0040】遊星歯車組4はサンギヤ4sと、キャリア
4cと、リングギヤ4rとよりなる単純遊星歯車組と
し、サンギヤ4sを出力軸3上に回転自在に支持して歯
車32に結合する。キャリア4cは、入力軸1への変速
機入力回転が一定変速比の減速歯車組35およびローク
ラッチ31を経て入力されるようにし、リングギヤ4r
は出力軸3に結合し、歯車32をハイクラッチ33によ
り出力軸3に結合可能とする。そして、出力軸3にファ
イナルドライブギヤ組36を介してディファレンシャル
ギヤ装置37を駆動結合する。
【0041】上記の構成とした図1に示す変速比無限大
無段変速機IVTの作用を次に説明する。図3に示すコ
ントロールバルブボディー21内にはステップモータ2
2の他に、ロークラッチ31の締結・解放を司るローク
ラッチソレノイド24およびハイクラッチ33の締結・
解放を司るハイクラッチソレノイド25を具え、ローク
ラッチソレノイド24はON時にロークラッチ圧の発生
によりロークラッチ31を締結し、ハイクラッチソレノ
イド25はON時にハイクラッチ圧の発生によりハイク
ラッチ33を締結するものとする。
【0042】ロークラッチソレノイド24のONにより
ロークラッチ31を締結し、ハイクラッチソレノイド2
5のOFFによりハイクラッチ33を解放すると、入力
軸1への変速機入力回転が減速歯車組35およびローク
ラッチ31を経て遊星歯車組4のキャリア4cに伝達さ
れる。キャリア4cに伝達された変速機入力回転はサン
ギヤ4sおよびリングギヤ4rに分配され、サンギヤ4
sに至った回転は歯車32、アイドラギヤ34およびC
VT出力歯車12を経て両トロイダル伝動ユニット5,
6の出力ディスク8から入力ディスク7および入力軸1
に循環され、この循環動力の一部を無段変速機構2の変
速状態に応じリングギヤ4rから出力軸3に伝達する動
力循環モードでの動力伝達が可能になる。
【0043】ロークラッチソレノイド24のOFFによ
りロークラッチ31を解放し、ハイクラッチソレノイド
25のONによりハイクラッチ33を締結すると、入力
軸1から両トロイダル伝動ユニット5,6の入力ディス
ク7、パワーローラ9、および出力ディスク8を経由し
てCVT出力歯車12、アイドラギヤ34および歯車3
2に達したトロイダル型無段変速機構2の出力回転がハ
イクラッチ33を経て出力軸3に達することとなり、ト
ロイダル型無段変速機構2の出力回転を直接出力軸3よ
り取り出すCVT直結モードでの動力伝達が可能とな
る。出力軸3への回転は、ファイナルドライブギヤ組3
6およびディファレンシャルギヤ装置37を経て図示せ
ざる駆動輪に達し、車両を走行させる。
【0044】動力循環モードでは図2に示すように、ト
ロイダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtを中
立点GNPに対応した変速比GNPRTOにしてリング
ギヤ4r(出力軸3)への回転が0になるようにするこ
とで、変速比無限大無段変速機の出力回転Noutが0
になり、伝動経路が機械的に結合されたままの状態で変
速比無限大無段変速機のIVT速度比(IVT変速比の
逆数)Et(変速機出力回転数Nout/変速機入力回
転数Nin)が0(IVT変速比Nin/Noutが無
限大)の状態(停車状態)を作り出すことができる。そ
して、この動力循環モードでトロイダル型無段変速機構
2がリングギヤ4r(出力軸3)への回転を0にするよ
うな変速比GNPRTO(中立点GNP)よりも高速
(ハイ)側変速比である時は、変速比無限大無段変速機
の出力回転数Noutが逆向きとなって後退走行(Rレ
ンジ)を可能にし、トロイダル型無段変速機構2のCV
T変速比icvtが当該変速比GNPRTO(中立点G
NP)よりも低速(ロー)側変速比であるほど、変速比
無限大無段変速機の出力回転数Noutが正転方向の回
転数を増大されて前進走行(D,Lレンジ)を可能にす
る。
【0045】従って、トロイダル型無段変速機構2のC
VT変速比icvtが上記低速側の或る変速比になる
と、動力循環モードにおいてサンギヤ4sおよびリング
ギヤ4rの回転数(ハイクラッチ33の駆動側および被
駆動側回転メンバの回転数)が相互に一致し(図2に回
転同期点RSPとして示す)、この時にハイクラッチ3
3を油圧の供給により締結すると共にロークラッチ31
を油圧の排除により解放することで、理論上ショックな
しに動力循環モードから直結モードに切り換えることが
できる。この直結モードでは、図2に示すようにトロイ
ダル型無段変速機構2のCVT変速比icvtを回転同
期点RSPよりも高速側変速比にするほど変速比無限大
無段変速機の出力回転数Noutが正転方向の回転数を
更に増大されて前進走行(Dレンジ)での高速前進が可
能になる。
【0046】なお、上記とは逆に直結モードから動力循
環モードへの切り換えに際しても、上記の回転同期点R
SPにおいてロークラッチ31の駆動側および被駆動側
回転メンバの回転数が相互に一致し、この時にロークラ
ッチ31を締結すると共にハイクラッチ33を解放する
ことで、理論上ショックなしに当該モード切り換えを行
うことができる。
【0047】ステップモータ22の駆動制御、ロークラ
ッチソレノイド24のON,OFF制御、およびハイク
ラッチソレノイド25のON,OFF制御は、図3に示
す変速機コントローラ41によりこれらを実行し、変速
機コントローラ41には入力軸1の回転数Ninを検出
する入力回転センサ42(図1参照)からの信号と、出
力軸3の回転数Noutを検出するIVT出力回転セン
サ43(図1参照)からの信号と、トロイダル型無段変
速機構2の出力回転数Ncvtを検出するCVT出力回
転センサ44(図1参照)からの信号と、エンジンスロ
ットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ45
からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ46か
らの信号を入力すると共に、セレクタレバーにより運転
者が選択した後退走行(R)レンジ、中立(N)レン
ジ、前進走行(D)レンジ、エンジンブレーキ(L)レ
ンジに係わる選択レンジ信号とを入力する。変速機コン
トローラ41には更に、運転者がブレーキペダルを踏み
込む制動中にONとなるブレーキスイッチ47からの信
号と、運転者アクセルペダルを釈放する時にONとなる
アイドルスイッチ48からの信号と、変速機作動油温T
EPを検出する油温センサ49からの信号とを入力す
る。
【0048】なお変速機コントローラ41は、エンジン
コントローラ51との間で必要情報を交換し得るよう通
信可能とし、変速機コントローラ41からエンジンコン
トローラ51へは、後で詳述するが後退時積分量INT
GOUT2、レンジ情報、伝動モードSFTMODEを
伝達し、エンジンコントローラ51から変速機コントロ
ーラ41へはアイドル回転数の制御中であることを示す
アイドル回転制御フラグを伝達する。
【0049】図3の変速機コントローラ41は、上記し
た各種入力情報をもとに図4に示す制御プログラムを、
例えば10msec毎の定時割り込みにより繰り返し実
行して、本発明によるクリープ制御用の変速制御を含む
変速比無限大無段変速機(IVT)の変速制御を以下の
ごとくに遂行する。なお本実施の形態においては簡単の
ため、クリープ制御用の変速制御をDレンジで行う場合
についてのみ説明するが、他の走行レンジにおいても同
様の考え方により適用し得ることはいうまでもない。
【0050】まず、ステップSlで上記各種入力情報を
読み込み、次に、ステップS2で図5のごとく遊星歯車
組4の出力回転数(リングギヤ4rの回転数)Nrをキ
ャリア4cとサンギヤ4sとの回転数差としてNr=
(1+α)(K1×Nin)−α(K2×Ncvt)の
演算により求める。ここでKl,K2はそれぞれ、無段
変速機構2の入力回転数Ninおよび出力回転数Ncv
tからキャリア4cおよびサンギヤ4sの回転数を求め
るための係数、αは遊星歯車組4の回転式に関連するサ
ンギヤ4sとリングギヤ4rの歯数比である。無段変速
機構2の変速比icvtが中立点GNP相当のGNPR
TOである時、遊星歯車組4の出力回転数Nrは0にな
り、プラス値ならば前進、マイナス値ならば後進を表
す。なお、遊星歯車組4の出力回転数(リングギヤ4r
の回転数)Nrは上記のような演算により求める代わり
に、直接センサで検出してもよいことは言うまでもな
い。
【0051】図4のステップS3では、図6に示すよう
にして図3に示すレンジ信号をもとに、現在の選択レン
ジが後退走行(R)レンジ、中立(N)レンジ、前進走
行(D)レンジ、エンジンブレーキ(L)レンジのどれ
かを判定する。ここで、レンジ信号が複数個ある場合や
存在しない場合は異常であるとして最後の正常な判断時
の判定レンジが選択されている判定する。ちなみに選択
レンジがNレンジのときは、ロークラッチ31およびハ
イクラッチ33の締結を行わないで停車状態を達成し、
R,D,Lレンジのときは、ロークラッチ31を締結し
た動力循環モードで中立点GNP(図2参照)を保つこ
とにより停車状態を達成するものとする。
【0052】図4のステップS4では図7に示すサブル
ーチンの実行により、変速機入力回転数NinとCVT
出力回転数Ncvtの比(Nin/Ncvt)である実
CVT変速比icvtを演算する。
【0053】図4のステップS5においては、後述のご
とくセットされて変速比無限大無段変速機の伝動モード
を示すSFTMODEをチェックし、SFTMODE=
0(Nレンジ制御中)か、SFTMODE=1(N→D
セレクト制御中)か、SFTMODE=2(D→Nセレ
クト制御中)か、SFTMODE=3(Dレンジクリー
プ制御中)か、SFTMODE=4(Dレンジ動力循環
走行制御中)か、それ以外の制御中かを判定する。
【0054】ステップS5においてSFTMODE=0
(Nレンジ制御中)と判定する時は、ステップS6にお
いて図8に示すサブルーチンの実行により以下のNレン
ジ制御を行う。まず図8のステップS21においてNレ
ンジ継続中か否かをチェックし、Nレンジでなくなった
時はステップS22において、DまたはLレンジ(前進
レンジ)が選択されているか否かを判断する。前進レン
ジであればステップS23においてSFTMODE=1
とし、図4のステップS5がステップS7を選択するこ
とようになしてN−Dセレクト制御が行われるように
し、前進レンジでなければステップS24においてSF
TMODE=−1とし、図4のステップS5がステップ
S11を選択するようになしてN−Rセレクト制御が行
われるようにする。
【0055】図8のステップS21においてNレンジ継
続中と判定する時は、ステップS25において、目標I
VT変速比IVTRTOの逆数(目標IVT速度比IN
VIVTRTO)=0とし、無段変速機構2の目標CV
T変速比RATIO0=GNPRTO(図2参照)と
し、変速比無限大無段変速機を中立(GNP)状態とな
るようにする。また当該Nレンジでは同じステップS2
5において、ロークラッチ31およびハイクラッチ33
を共に解放状態にしておき、これにより変速比無限大無
段変速機を動力伝達が行われない状態にすべく、目標ロ
ークラッチ圧DSRPRSLCおよび目標ハイクラッチ
圧DSRPRSHCを共に0にする。
【0056】次のステップS45においては、Nレンジ
のためトルクシフト補償の必要がないからトルクシフト
補償量TSRTOM=0にすると共に、トルクシフト補
償量のフィルタ処理値TSRTOMFLも0にする。更
にステップS27において、クリープ制御用の車速フィ
ードバック制御に備え、目標車速TGTVSP=0と
し、車速フィードバック補償量VSPFBRTO=0と
し、車速積分制御量VSPIntgR=0とする。
【0057】図4のステップS5でSFTMODE=1
(N→Dセレクト制御中)と判定する時は、ステップS
7において図9に示すサブルーチンの実行により以下の
N→Dセレクト制御を行う。先ず図9のステップS31
においてNレンジか否かをチェックし、Nレンジであれ
ばD→NセレクトであるからステップS32において、
このD→Nセレクトであることを示すようにSFTMO
DE=2として、次回図4のステップS5がステップS
8を選択するように(次回からD→Nセレクト制御が開
始されるように)なすと共に、ロークラッチ増圧量IN
TGND=0とし、N→Dセレクト制御時間を計測する
タイマNDTIMER=0としてN→Dセレクト制御を
終了させる。
【0058】ステップS31においてNレンジでないと
判定する時は、N→Dセレクト制御のためにステップS
33において、目標IVT変速比IVTRTOの逆数
(目標IVT速度比INVIVTRTO)=0とし、無
段変速機構2の目標CVT変速比RATIO0=GNP
RTO(図2参照)とし、これにより変速比無限大無段
変速機を中立(GNP)状態にしておく。また当該N→
Dセレクト制御では同じステップS33において、ハイ
クラッチ33を解放状態にしておくために目標ハイクラ
ッチ圧DSRPRSHCを0にする。
【0059】次のステップS34においては、N→Dセ
レクト制御のためトルクシフト補償の必要がないからト
ルクシフト補償量TSRTOM=0にすると共に、トル
クシフト補償量のフィルタ処理値TSRTOMFLも0
にする。上記の状態でステップS35〜ステップS45
の処理により、ロークラッチ31を解放状態から徐々に
締結させて変速比無限大無段変速機を動力循環モードに
するために、目標ロークラッチ圧DSRPRSLCをN
→D制御タイマNDTIMERによる計時下でシーケン
ス制御する。
【0060】N→D制御タイマNDTIMERはステッ
プS44で逐次インクリメントされて上記の計時を行
い、かかるN→D制御タイマNDTIMERの計時状態
に応じ順次ステップS35〜ステップS38で、N→D
セレクト制御時間が所定値1〜4に対応した設定時間だ
け経過したか否かをチェックする。所定値1に対応した
設定時間が経過するまでの間はステップS39におい
て、目標ロークラッチ圧DSRPRSLCをプリチャー
ジ圧用のND所定値1とし、所定値1に対応した設定時
間が経過して所定値2に対応した設定時間が経過するま
での間はステップS40において、目標ロークラッチ圧
DSRPRSLCをプリチャージ終了用の小さなND所
定値2とする。
【0061】所定値2に対応した設定時間が経過して所
定値3に対応した設定時間が経過するまでの間はステッ
プS41およびステップS42において、目標ロークラ
ッチ圧DSRPRSLCを以下のごとく徐々に上昇させ
る。つまり、ステップS41ではN→Dセレクト制御用
ロークラッチ増圧量INTGNDを所定量DELTAN
Dずつ上昇させ、ステップS42では目標ロークラッチ
圧DSRPRSLCをステップS40でのND所定値2
と増圧量INTGNDとの和値とし、これにより当該期
間中においては目標ロークラッチ圧DSRPRSLCを
ND所定値2から所定量DELTANDにより決まる割
合で上昇させることによりロークラッチ31の締結を進
行させる。
【0062】所定値3に対応した設定時間が経過して所
定値4に対応した設定時間が経過するまでの間はステッ
プS43において、目標ロークラッチ圧DSRPRSL
Cを最大値にセットし、ロークラッチ31を完全締結さ
せる。所定値4に対応した設定時間が経過した後はステ
ップS45において、INTGNDを0にすると共にN
DTIMERを0にして次回のN→Dセレクト制御に備
え、更にSFTMODEを3にして図4のステップS5
がステップS9によるクリープ制御を実行可能とする。
【0063】図4のステップS5でSFTMODE=2
(D→Nセレクト制御中)と判定する時は、ステップS
8において図10に示すサブルーチンの実行により以下
のD→Nセレクト制御を行う。先ず図10のステップS
51においてDレンジか否かをチェックし、Dレンジで
あればN→DセレクトであるからステップS52におい
て、このN→Dセレクトであることを示すようにSFT
MODE=1として、次回図4のステップS5がステッ
プS7を選択するように(次回からN→Dセレクト制御
が開始されるように)なすと共に、ロークラッチ増圧量
INTGDN=0とし、D→Nセレクト制御時間を計測
するタイマDNTIMER=0としてD→Nセレクト制
御を終了させる。
【0064】ステップS51においてDレンジでないと
判定する時は、D→Nセレクト制御のためにステップS
53において、目標IVT変速比IVTRTOの逆数
(目標IVT速度比INVIVTRTO)=0とし、無
段変速機構2の目標CVT変速比RATIO0=GNP
RTO(図2参照)とし、これにより変速比無限大無段
変速機を中立(GNP)状態にしておく。また当該D→
Nセレクト制御では同じステップS53において、ハイ
クラッチ33を解放状態にしておくために目標ハイクラ
ッチ圧DSRPRSHCを0にする。
【0065】次のステップS54においては、D→Nセ
レクト制御のためトルクシフト補償の必要がないからト
ルクシフト補償量TSRTOM=0にすると共に、トル
クシフト補償量のフィルタ処理値TSRTOMFLも0
にする。上記の状態でステップS55〜ステップS61
の処理により、ロークラッチ31を締結状態から徐々に
解放させて変速比無限大無段変速機をハイクラッチ33
の解放とで中立状態にするために、目標ロークラッチ圧
DSRPRSLCをD→N制御タイマDNTIMERに
よる計時下でシーケンス制御する。
【0066】D→N制御タイマDNTIMERはステッ
プS60で逐次インクリメントされて上記の計時を行
い、かかるD→N制御タイマDNTIMERの計時状態
に応じ順次ステップS55〜ステップS56で、D→N
セレクト制御時間が所定値1〜2に対応した設定時間だ
け経過したか否かをチェックする。所定値1に対応した
設定時間が経過するまでの間はステップS57におい
て、D→Nセレクト制御用ロークラッチ減圧量INTG
DNを所定量DELTADNずつ上昇させ、ステップS
58では目標ロークラッチ圧DSRPRSLCをDN所
定値1と減圧量INTGDNとの和値とし、これにより
当該期間中においては目標ロークラッチ圧DSRPRS
LCをDN所定値1から所定量DELTADNにより決
まる割合で低下させることによりロークラッチ31の解
放を進行させる。
【0067】所定値1に対応した設定時間が経過して所
定値2に対応した設定時間が経過するまでの間はステッ
プS59において、目標ロークラッチ圧DSRPRSL
Cを0にセットし、ロークラッチ31を完全に解放させ
る。所定値2に対応した設定時間が経過した後はステッ
プS61において、INTGDNを0にすると共にDN
TIMERを0にして次回のD→Nセレクト制御に備
え、更にSFTMODEを0にして図4のステップS5
がステップS6によるNレンジ制御を実行可能とする。
【0068】図4のステップS5でSFTMODE=3
(Dレンジクリープ制御中)と判定する時は、ステップ
S9において図11に示すサブルーチンの実行により以
下のDレンジクリープ制御を行う。ここでのクリープ制
御は、車速のフィードバック制御により所定のクリープ
トルクが発生するようなものとして示したが、この代わ
りに車両の加速度やその他の制御因子を用いたフィード
バック制御でも同様の目的を達成し得ることは言うまで
もない。
【0069】先ず図11のステップS71においてはN
レンジか否かをチェックし、NレンジであればD→Nセ
レクト制御が必要であるからステップS72においてS
FTMODE=2とし、図4のステップS5が次回から
ステップS8を選択してD→Nセレクト制御を実行し得
るようになし、次にステップS73で、後で詳述するク
リープ制御用の後退時積分量INTGOUT2を0とす
る。ステップS71においてNレンジでないと判定した
時はステップS74で、スロットル開度TVOが微少所
定値TVO(1)以上か否か、若しくはアイドルスイッ
チ48がOFFか否かにより、アクセルペダルの踏み込
みが行われているか否かを判定すると共に、ステップS
75で車速VSPが設定車速VSP(1)以上か否かに
より車両の走行中は否かをチェックする。
【0070】アクセルペダルの踏み込みが行われていた
り、車両の走行中である間はクリープ制御が不要であっ
て、Dレンジ動力循環モードでの走行制御が要求されて
いるから、制御をステップS76に進めてSFTMOD
Eを4とし、これにより図4のステップS5がステップ
S10を選択して当該要求が達成されるようにした後、
ステップS73を実行してクリープ制御用の後退時積分
量INTGOUT2を0とする。ステップS74および
ステップS75においてアクセルペダルを釈放した状態
での停車中と判別する時は、制御をステップS77以後
に進めて本発明が目的とするクリープ制御を以下のごと
くに行う。
【0071】つまりステップS77では、図12に示す
サブルーチンの実行により変速比無限大無段変速機の最
終的に目標とすべき到達入力回転数DSRREVを算出
する。図12のサブルーチンでは通常の変速制御で行わ
れていると同じ手法により、先ず選択レンジに対応した
変速マップを選択し、次いで当該選択した図13に例示
するDレンジ変速マップをもとに変速機出力回転数No
ut(車速VSPでもよい)およびスロットル開度TV
Oから到達入力回転数DSRREVを検索する。
【0072】図11のステップS78においては、図1
4に示すサブルーチンを実行して到達IVT変速比DI
VTRTOおよび到達IVT速度比INVDIVTRT
Oを算出する。図14のサブルーチンでは 先ず到達入
力回転数DSRREVを変速機出力回転数Noutで除
算して到達IVT変速比DIVTRTOを求め、次いで
到達IVT変速比DIVTRTOの逆数である到達IV
T速度比INVDIVTRTOを算出する。
【0073】次いで図11のステップS79において、
これら到達IVT変速比DIVTRTOおよび到達IV
T速度比INVDIVTRTOを所定時定数のフィルタ
ーに通して過渡的な目標である時々刻々の目標IVT変
速比IVTRTOおよびその逆数である目標IVT速度
比INVIVTRTOを求める。
【0074】上記ステップS79での目標IVT変速比
IVTRTOおよび目標IVT速度比INVIVTRT
Oの演算は、図15に示すサブルーチンにより以下のご
とくにこれを行う。まず最初のステップで、スロットル
開度TVOや車速VSPなどの運転状態に基づいて、図
示しないマップや関数等から、到達IVT変速比DIV
TRTOおよび到達IVT速度比INVDIVTRTO
をどのような変速応答で達成するかを定めるための変速
時定数TgTMを演算する。次のステップでは、到達I
VT変速比DIVTRTOと前回の目標IVT変速比I
VTRTOとの偏差に上記の変速時定数TgTMを乗じ
たものから、次のようにして目標IVT変速比IVTR
TOを演算する。 IVTRTO=IVTRTO+TgTM(DIVTRT0 −IVTRTO) 次のステップでは、同様にして目標IVT変速比の逆数
である目標IVT速度比INVIVTRTOを、 INVIVTRTO =INVIVTRTO+TgTM×(INVDIVTRT0−INVIVTR
TO ) により演算する。なお、上記変速時定数TgTMは1次
のローパスフィルタで構成されるが、2次などのローパ
スフィルタであってもよい。
【0075】上記のようにして求めた目標IVT変速比
の逆数である目標IVT速度比INVIVTRTOは、
図2に示すIVT速度比Etの目標値であり、この目標
値を決定した後に図11のステップS80で、図2のマ
ップをもとに目標IVT速度比INVIVTRTO(I
VT速度比Etの目標値)から目標CVT変速比RAT
IO0を検索して求める。
【0076】図11のステップS81においては、図1
6に示すサブルーチンの実行によりクリープ制御用の目
標出力トルクTGTTOを算出する。図16のサブルー
チンでは先ずステップS90において、ブレーキスイッ
チ47がON(制動中)かOFF(非制動中)かに応じ
て例えば図17のごとくに定めた基準となる目標出力ト
ルク基準マップ値TGTTOMを変速機出力回転数No
utから検索する。図17に示す目標出力トルク基準マ
ップ値TGTTOMについて付言するに、出力回転数N
outが低いほど目標出力トルク基準マップ値TGTT
OMが大きくなるよう、またブレーキスイッチOFF時
には車両の走行抵抗(0%勾配の平坦路)よりも十分大
きなクリープトルクが得られる(車両がきちんと前進す
る)よう、またブレーキスイッチON時には走行抵抗
(0%勾配の平坦路)よりも小さくなる(適度な減速を
与える)ように設定する。
【0077】次のステップS91では、目標出力トルク
基準マップ値TGTTOMを時定数がKTOのローパス
フィルタに通して次式で表される目標出力トルク基準値
TGTTO2を求める。 TGTTO2=TGTTO2+KTO×(TGTTOM
−TGTTO2) かようにして目標出力トルク基準値TGTTO2を求め
ることにより、ブレーキ操作のON/OFFが繰り返し
行われても目標出力トルク基準値TGTTO2が滑らか
に変化することになり、フィードバック制御時の運転性
の悪化を防止することができる。
【0078】ステップS92では、図4のステップS2
で求めた遊星歯車組出力回転数Nrが0未満か否かによ
り、ブレーキスイッチのON,OFFに頼ることなく車
両が後退しているか否かを判定する。車両が後退してい
れば、ステップS93において後退距離のことを示す後
退時積分量INTGOUT2を次式により算出して、 INTGOUT2=INTGOUT2+所定値TOUT
l 後退時積分量INTGOUT2を所定値TOUTlずつ
増大させる。ステップS94およびステップS95で
は、INTGOUT2≦上限値であると判別する間、後
退時積分量INTGOUT2を上式の演算結果のままと
し、INTGOUT2>上限値となったら後退時積分量
INTGOUT2をこの上限値に保つ。
【0079】ステップS92で車両が後退していないと
判定する場合は、ステップS96において後退時積分量
INTGOUT2を次式により算出して、 INTGOUT2=INTGOUT2−所定値TOUT
2 後退時積分量INTGOUT2を所定値TOUT2ずつ
減少させる。ステップS97およびステップS98で
は、INTGOUT2≧0であると判別する間、後退時
積分量INTGOUT2を上式の演算結果のままとし、
INTGOUT2<0(下限値)となったら後退時積分
量INTGOUT2を0に保つ。ここで、車両が後退し
ていない場合における後退時積分量INTGOUT2の
上記減少用所定値TOUT2は、車両が後退している場
合の後退時積分量INTGOUT2の増大用所定値TO
UT1よりも小さくし、後退時積分量INTGOUT2
が減少する時はこの減少が増大時に比べ極めてゆっくり
と減少するようになす。
【0080】ステップS99では、ステップS91にお
ける目標出力トルク基準値TGTTO2と、ステップS
96における後退時積分量INTGOUT2を出力トル
クに換算するための所定値KOUTと、上記のようにし
て求めた後退時積分量INTGOUT2とから、クリー
プ制御用の目標出力トルクTGTTOを次式 TGTTO=TGTTO2+KOUT×INTGOUT
2 により演算する。この目標出力トルクTGTTOは、車
両の後退が検出される限りにおいて上限まで大きくなっ
て、対応する大きなクリープトルクを発生させるような
変速を生起させるための目標であり、結果としてDレン
ジでの進行方向とは逆方向への車両の移動を防止するク
リープ制御が可能となる。
【0081】なお当該クリープ制御により車両の後退が
発生しない状態になると、ステップS96〜ステップS
98においてクリープトルクが減少されることになる
が、ステップS96における減少用所定値TOUT2が
ステップS93における増大用所定値TOUT1よりも
小さくして、クリープトルクの減少がクリープトルクの
増大よりも極めてゆっくりと行われるため、クリープト
ルクのハンチング周期が十分に長いことから制御のハン
チングを生ずることはない。
【0082】図11のステップS82においては、図1
8に示すサブルーチンの実行によりクリープ制御用の目
標出力トルクTGTTOに対応した目標加速度TGTG
DATAを求めると共に、当該目標加速度TGTGDA
TAを発生させるための目標車速TGTVSPを算出す
る。図18のサブルーチンでは、先ずステップS111
において目標加速度TGTGDATAを次式により算出
する。 TGTGDATA=(TGTTO−TORL)×KCO
NV ここでTORLは車両の走行抵抗を示す値であり、車速
VSPに応じた風損分、路面勾配による抵抗分などを含
んでいる。またKCONVは車両重量、タイヤ径などの
情報を含んだ換算係数である。なお加速度を算出する方
法は従来から公知のものであり、それに準じた計算とす
る。
【0083】次のステップS112では、目標加速度T
GTGDATAを次式により積分して目標車速TGTV
SPを算出する。 TGTVSP=TGTVSP+KGTOVSP×TGT
DATA ここでKGTOVSPは加速度から車速への換算係数で
ある。
【0084】次いでステップS113において、ブレー
キスイッチ47がONであるか否かを判定し、ブレーキ
スイッチ47がONでなければステップS114におい
て、図19に示すブレーキスイッチOFF用マップをも
とに車速VSPから目標車速限界値TGTVSPLIM
を検索した後、ステップS115およびステップS11
6において、目標車速TGTVSPが限界値TGTVS
PLIM未満である間目標車速TGTVSPをステップ
S112での演算結果のままとするが、目標車速TGT
VSPが限界値TGTVSPLIM以上になる時目標車
速TGTVSPを限界値TGTVSPLIMに保つ。
【0085】ステップS113でブレーキスイッチ47
がONと判定する時は、ステップS117において、図
19に示すブレーキスイッチON用マップをもとに車速
VSPから目標車速限界値TGTVSPLIMを検索し
た後、ステップS118およびステップS119におい
て、目標車速TGTVSPが限界値TGTVSPLIM
を越えている間目標車速TGTVSPをステップS11
2での演算結果のままとするが、目標車速TGTVSP
が限界値TGTVSPLIM以下になる時目標車速TG
TVSPを限界値TGTVSPLIMに保つ。ここで図
19に示すブレーキスイッチOFF用マップおよびブレ
ーキスイッチON用マップは、出力回転数Nout(車
速VSP)に対して相対回転(車速)差が生じるよう、
ブレーキスイッチ47のON/OFFに応じて設定す
る。ブレーキスイッチOFFなら実車速からさらに車両
が加速するように(但し所定車速以上では減速とな
る)、またブレーキスイッチONなら車両が減速するよ
うに設定する。
【0086】図11のステップS83においては、車速
VSP≦所定車速(2)かどうかを判断し、所定車速
(2)以下の場合ステップS84においてブレーキスイ
ッチ47がONか否かを判定する。車速VSP≦所定車
速(2)、且つブレーキスイッチ47がONと判定する
時は、制動により車両がほぼ停止していてクリープ制御
が不要であるから、ステップS85において目標IVT
速度比INVIVTRTOを0にすると共に目標CVT
変速比RATIO0をGNPRTO(図2参照)にし、
また車速フィードバック補償量VSPFBRTOを0に
すると共に車速積分制御量VSPIntgRを0にして
クリープ制御の再開に備える。
【0087】ステップS83において車速VSP≦所定
車速(2)でないと判定するクリープ走行中や、ステッ
プS84でほぼ停車中ながらブレーキスイッチ47がO
FFと判定するクリープ制御の要求中である場合は、ス
テップS86において図20のサブルーチンの実行によ
り車速フィードバック補償量VSPFBRTOを以下の
ごとくに求める。図20のサブルーチンでは、先ず図1
8のようにして求めた目標車速TGTVSPから実車速
VSPを差し引いて車速偏差VSPERRを求める。次
に、車速偏差VSPERRをもとに積分制御定数Kiv
および比例制御定数Kpvを用いて、次式により車速積
分制御量VSPIntgRおよび車速フイードバック補
償量VSPFBRTOを順次に算出する。 VSPIntgR=VSPIntgR+VSPERR×
Kiv VSPFBRTO=VSPERR×Kpv+VSPIn
tgR なお車速フイードバック補償量VSPFBRTOは、上
記のPIフイードバック制御に代えて他のフィードバッ
ク制御方式を用いて求めてもよい。
【0088】ステップS85またはステップS86の実
行後はステップS87において、図21のサブルーチン
を実行することによりクリープ制御時トルクシフト補償
量CRPRTOMを求める。図21のサブルーチンで
は、図22に示すような2次元マップをもとに目標出力
トルクTGTTOおよび目標CVT変速比RATIO0
からクリープ制御時トルクシフト補償量CRPRTOM
を検索する。トルクシフト補償量は通常、入力トルクと
CVT変速比との2次元マップとして与えるのが常套で
あるが、図22のクリープ制御時トルクシフト補償量マ
ップは出力トルクと変速比との2次元マップとした。入
力トルクと出力トルクは、変速比がわかれば1対1の関
係となるのでこの方法を用い得る。
【0089】ところでクリープ制御は中立点GNP近傍
で行われることになるから、クリープ制御時トルクシフ
ト補償量マップは図22のような2次元マップでなく、
図23のように目標CVT変速比RATIO0が中立点
に対応したGNPRTO近傍の変速比であるときのデー
タのみをマップ化して、変速比を省略した1次元マップ
としても差し支えない。
【0090】図11のステップS88においては、クリ
ープ制御時トルクシフト補償量CRPRTOMを時定数
がKTSのローパスフィルタに通し、次式で表されるフ
ィルタ処理後のトルクシフト補償量TSRTOMFLを
求める。 TSRTOMFL=TSRTOMFL+KTS×(CR
PRTOM−TSRTOMFL) 次のステップS89においては、動力循環モードが達成
されるようハイクラッチ33を解放すると共にロークラ
ッチ31を締結させるために、目標ハイクラッチ圧DS
RPRSHCを0にすると共に目標ロークラッチ圧DS
RPRSLCを最大値にする。
【0091】以上によりクリープ制御中における無段変
速機構2のCVT変速比としては、ステップS80で求
めた変速マップ上の目標CVT変速比RATIO0と、
ステップS86で求めたクリープ制御のための車速フィ
ードバック補償量VSPFBRTOと、ステップS87
で求めたトルクシフト補償量CRPRTOM(最終的に
はステップS88で求めたそのフィルタ処理値TSRT
OMFL)が求められ、これらが以下に説明する図4の
ステップS12(詳細は図24のサブルーチン)でクリ
ープ制御に反映される。
【0092】上記したようなDレンジ動力循環モードで
のクリープ制御を含む、伝動モードごとの制御が図4の
ステップS6〜ステップS11(ステップS10のDレ
ンジ動力循環走行制御およびステップS11のその他の
制御は発明と関係ないため省略)において実行された後
は、ステップS12〜S14においてこれらの演算結果
を実現するための信号を出力する。但し以下では、ステ
ップS9でのクリープ制御用の演算結果を受けてこれを
実現するための変速制御について詳述するのみとする。
【0093】ステップS12は、変速比を決定するステ
ップモータ22の目標駆動位置(目標ステップ数)を求
めるための処理で、図24のサブルーチンを実行して当
該処理を行う。図24のサブルーチンでは、先ずステッ
プS121において無段変速機構2の目標CVT変速比
RATIO0に車速フィードバック補償量VSPFBR
TOを加算してクリープ制御用に補正した目標CVT変
速比RATIO0を算出し、車速VSPを目標車速TG
TVSPに一致させて狙いとするクリープトルクを発生
させるための補正済み目標CVT変速比RATIO0を
求める。
【0094】次のステップS122においては、目標C
VT変速比RATIO0から実CVT変速比icvtを
差し引いてCVT変速比偏差ERRを求める。ステップ
S123においては、CVT変速比偏差ERRをもとに
積分制御定数Kiおよび比例制御定数Kpを用いて、次
式によりCVT変速比積分制御量IntgRおよびCV
T変速比フイードバック補償量FBRTOを順次に算出
する。 IntgR=IntgR+ERR×Ki FBRTO=ERR×Kp+IntgR なおCVT変速比フイードバック補償量FBRTOは、
上記のPIフイードバック制御に代えて他のフィードバ
ック制御方式を用いて求めてもよい。
【0095】ステップS124では、最終目標CVT変
速比icvtoを、ステップS1212における補正済
み目標CVT変速比RATIO0と、ステップS123
におけるCVT変速比フイードバック補償量FBRTO
と、ステップS88(図11参照)におけるトルクシフ
ト補償量のフィルタ処理値TSRTOMFLとの合算に
より、 icvto =RATIO0+FBRTO+TSRTO
MFL として求める。
【0096】ステップS125においては、最終目標C
VT変速比icvtoから図25のマップをもとに、最
終目標CVT変速比icvtoを実現するためのステッ
プモータ22の目標ステップ数DSRSTPOを検索す
る。更にステップS126において、IVTの油温TE
Pから図26の油温補正マップをもとに油温補正ステッ
プ数CSTEPを検索し、これにより油温変化によるC
VT変速比とステップ数との関係のずれを補正する。そ
してステップS127で、温度補正した最終目標ステッ
プ数DSRSTPを次式 DSRSTP=DSRSTPO+CSTEP の演算により求める。
【0097】図4のステップS13では、図27のよう
にして前記した目標ロークラッチ圧DSRPRSLCお
よび目標ハイクラッチ圧DSRPRSHCを実現するた
めのロークラッチソレノイド24およびハイクラッチソ
レノイド25の駆動デューティを図28のマップに基づ
き検索する。そして図4のステップS14において、ス
テップモータ22を上記の目標駆動位置(目標ステップ
数)DSRSTPとなるよう駆動すると共に、上記のデ
ューティ比に応じロークラッチソレノイド24およびハ
イクラッチソレノイド25を駆動する。
【0098】図4のステップS15においては、エンジ
ンコントローラ51へ図3に示すごとく前記の後退時積
分量INTGOUT2や、選択レンジ情報や、伝動モー
ドSFTMODEなどのアイドル回転制御データを送信
する。エンジンコントローラ51はこれらに呼応して、
クリープトルクの増大時にエンジンがエンストしたり大
きなアイドル振動を発生することのないようエンジンE
NGの出力を増大させ(図29にECMで示す)、かか
るアイドル回転制御中であることを示すフラグを図3に
示すごとく変速機コントローラ41に送信するものとす
【0099】前記のIVT比制御モードを送信し、エン
ジンコントローラ51はIVT比制御モードに応じて、
IVT比制御モード=1の時タイマ制御下で徐々にエン
ジンのトルクダウン量を増大し、IVT比制御モード=
2の時エンジンのトルクダウン量を最大にし、IVT比
制御モード=3の時タイマ制御下で徐々にエンジンのト
ルクダウン量を0にする。かかるエンジンのトルクダウ
ンにより、アップシフトモード切り換え時における所定
の変速ショック軽減が行われるが、ダウンシフト時のよ
うに変速ショックの軽減に際しては逆にエンジンのトル
クアップが要求されることもある。
【0100】上記した実施の形態になる変速比無限大無
段変速機のクリープ制御に係わる動作タイムチャートを
図29に例示する。図29は、登坂路において車両がN
レンジにされ、且つブレーキ操作により停車されている
状態から、瞬時t1に選択レンジがNレンジからDレン
ジに切り換えられ、当該レンジ切り換えに伴うロークラ
ッチ圧の上昇(ロークラッチ31の締結)が瞬時t2に
終了し、瞬時t3にブレーキ操作力の低下で車両が後退
し、瞬時t4にブレーキ操作を止め、瞬時t5にクリー
プ制御を中止して動力循環モードでの走行制御に移行し
た場合のタイムチャートである。なお以下では、t1ま
でを(1)期間、t1〜t2を(2)期間、t2〜t3
を(3)期間、t3〜t4を(4)期間、t4以後を
(5)期間として説明することとする。
【0101】(1)期間においては、Nレンジ故にステ
ップS6でのNレンジ制御によりロークラッチ31およ
びハイクラッチ34が共に解放されていて、変速比無限
大無段変速機は動力伝達を行わない中立状態であり、併
せて無段変速機構2のCVT変速比icvtも中立点
(GNP)における変速比GNPRTO(図2参照)に
保持されている。 (2)期間においては、NレンジからDレンジへのレン
ジ切り換えに伴いステップS7でのN→Dセレクト制御
によりロークラッチ31が徐々に締結され、変速比無限
大無段変速機を動力循環モードとなす。しかしてこの間
も無段変速機構2のCVT変速比icvtは、中立点
(GNP)における変速比GNPRTO(図2参照)に
保持されている。
【0102】(3)間においては、ブレーキ操作により
停車が達成されているため、図11のステップS83、
ステップS84がステップS85を選択する結果、無段
変速機構2のCVT変速比icvtを、中立点(GN
P)における変速比GNPRTO(図2参照)に保持す
る制御が継続される。ところで(3)期間においては弱
クリープトルクを発生させるため、トルクシフト補償量
TSRTOMFLが上昇し、ステップモータ22がLO
W側へ動き、出力軸トルクが発生する。
【0103】(4)期間においては、ブレーキスイッチ
47がONのままではあるが、ブレーキペダル踏力が弱
まって車両が極く僅かに後退したことにより以下の制御
がなされる。つまりこの後退は、ステップS92で遊星
歯車組出力回転数Nrが0未満になったことにより検出
し、この時ステップS93の演算により直ちに後退時積
分量INTGOUT2が所定値TOUT1ずつの大きな
割合で上昇し、この上昇は遊星歯車組出力回転数Nrが
0以上となるまで継続される。
【0104】これに伴いトルクシフト補償量TSRTO
MFLが上昇し、ステップモータ22も更にLOW側へ
動き、出力軸トルクがさらに上昇する。これによりクリ
ープトルクが上昇して車両の後退を即座に防止すること
ができ、登坂路でクリープトルクを用いたヒルホールド
(停車)状態となる。またトルク上昇時にエンストする
のを防止するため、後退時積分量INTGOUT2に応
じたエンジントルク補正量ECMだけエンジントルクの
増大させるよう、エンジン吸気量などの加減によりエン
ジン出力制御を行う。
【0105】クリープトルクの上昇により後退が防止さ
れた後は、ステップS92がNr≧0を検知してステッ
プS96を選択し、後退時積分量INTGOUT2を所
定値TOUT2ずつのゆっくりとした割合で低下させる
ことから、ハンチング周期が長くなり、運転者がハンチ
ングによる違和感を感じることがなくなる。
【0106】(5)期間においては、ブレーキスイッチ
47がONからOFFになったため、非制動時のクリー
プ制御を行う。つまり、前述のように目標出力トルクT
GTTO、目標加速度TGTGDATA、目標車速TG
TVSP、車速フィードバック補償量FBRTO、トル
クシフト補償量TSRTOMFL、目標CVT変速比R
ATIO0、最終目標CVT変速比icvto、ステッ
プモータ駆動位置DSRSTPの計算が順次に行われ、
クリープ制御が実現される。なお、途中で車速VSPが
所定車速VSP(1)になる瞬時t5に、ステップS7
5が通常の動力循環走行モードへの移行を行わせ、クリ
ープ制御を終了する。
【0107】上記した実施の形態においては説明を判り
易くするために敢えて、N→Dセレクト制御中は出力軸
トルクが発生しないようにしたが、ステップS7中に目
標トルクを演算するように構成すればN→Dセレクト制
御中から出力軸トルクを発生させることができる。
【0108】図30は本発明の他の実施の形態を示し、
本実施の形態においては図16のステップS92をステ
ップS100に置換して構成し、車両の後退を実CVT
変速比icvtに基づいて検知するようになす。つまり
ステップS110においては、図29にも示すが、CV
T変速比icvtが中立点GNPにおける変速比GNP
RTO(図2参照)から所定値βを差し引いた設定値
(GNPRTO−β)未満になったか否かにより車両の
後退を判定する。
【0109】いずれの実施の形態においても、選択した
レンジに対応した車両進行方向(図示ではDレンジに対
応した前進)とは逆方向への車両の移動が検知される
間、選択レンジ対応の車両進行方向へのトルクが増大す
るよう無段変速機構2を変速制御するため、上記車両の
移動が収まるまでクリープトルクが増大してその値を要
求値にすることができる。従って、従来のようにローク
ラッチをスリップ状態にしてその締結力制御によりクリ
ープトルク値を制御することなく、無段変速機構2の変
速制御のみによりクリープトルクを要求通りのものにす
ることができることとなり、ロークラッチのスリップに
起因した発熱の問題や耐久性に関する問題を、たとえ勾
配路や重車両のために大きなクリープトルクが必要な場
合においても生ずることがない。
【0110】しかも、上記逆方向への車両の移動が検知
される間、クリープトルクが継続的に増大するよう無段
変速機構2を変速制御するため、当該車両の移動が収ま
るまでクリープトルクが増大してその値を最終的に要求
値にし得ることとなり、必要なクリープトルク値を求め
るための路面勾配センサが不要であってコスト的に有利
であると共に、上記の最終的なクリープトルクが結果的
に路面勾配だけでなく車両重量をも考慮したものである
ことから、車両重量が変化してもクリープトルク不足に
より登坂路で車両が後退するなどの弊害を回避すること
ができる。
【0111】また前者の実施の形態においては、無段変
速機構2の入出力回転を入力される遊星歯車組4の2つ
の回転メンバ4c、4sの回転数から残りの1つの回転
メンバ4rの回転数Nrを求め、この回転数Nrが0未
満になった時に上記逆方向への車両の移動があったと判
定するため、以下の作用効果を奏することができる。つ
まり、遊星歯車組4の上記2つの回転メンバ4c,4s
の回転数はそれぞれ、変速比無限大無段変速機の変速制
御に不可欠な無段変速機構の入出力回転センサ42,4
4からの信号に基づき求めることができ、上記車両の移
動を検知するに際してセンサなどの追加部品を必要とし
ないため、この点でもコスト上の有利さを保ち得る。
【0112】しかも、遊星歯車組4の上記2つの回転メ
ンバ4c、4sが残りの1つの回転メンバ4rに比べて
小径であることから回転数が高く、これらの高い回転数
から求めた残りの1つの回転メンバの回転数Nrをもと
に上記車両の移動を検知することから、その検知感度が
高くて当該車両の移動が乗員に気づかないような極く僅
かなものである間に当該移動を検知して上記の作用効果
が奏し得られるようにすることができる。
【0113】また後者の実施の形態においては、無段変
速機構2の入出力回転数比icvtと中立点GNPにお
ける無限大変速比を実現するための無段変速機構の変速
比GNPRTOとの対比(icvt<GNPRTO−
β)により上記逆方向への車両の移動を検知するため、
この場合も上記したと同様な作用効果を奏することがで
きる。つまり、無段変速機構2の入出力回転数Nin,
Ncvtはそれぞれ、変速比無限大無段変速機の変速制
御に不可欠な無段変速機構の入出力回転センサ42,4
4からの検出結果そのものであり、上記車両の移動を検
知するに際してセンサなどの追加部品を必要としないた
め、この点でもコスト上の有利さを保ち得る。
【0114】しかも、無段変速機構2の入出力回転数比
icvtが無限大変速比を実現するための無段変速機構
の変速比GNPRTOから少しずれただけで、上記逆方
向への車両の移動を検知し得ることから、その検知感度
が高くて当該車両の移動が乗員に気づかないような極く
僅かなものである間に当該移動を検知して上記の作用効
果が奏し得られるようにすることができる。
【0115】またいずれの実施の形態においても、ステ
ップS90で車速ごとのクリープ制御用基準目標出力ト
ルクTGTTOMを求め、上記逆方向への車両の移動を
検知する間、ステップS93でこの基準目標出力トルク
TGTTOMを第1の所定トルクTOUT1ずつ増大さ
せ続けてステップS99におけるように最終目標出力ト
ルクTGTTOを求め、この最終目標出力トルクTGT
TOが得られるような車速変化を生起させる無段変速機
構2の変速制御を、上記選択レンジ対応の車両進行方向
へのトルクが増大するような無段変速機構2の変速制御
としたため、クリープ制御用の基準となる目標出力トル
クTGTTOMを基にこれからクリープトルク値を上昇
させることとなり、クリープ制御の応答性を一層高める
ことができる。
【0116】なお上記では、図11のステップS80で
求めた目標CVT変速比RATO0を補正して(図24
のステップS121)、ステップS81で求めたクリー
プ制御用目標出力トルクTGTTOを発生させるための
目標車速TGTVSP(ステップS82)を実現するこ
ととしたが、この代わりに、目標CVT変速比RATO
0を求めるためにその前段階で図11のステップS78
やステップS79において算出した到達IVT変速比D
IVTRTOや目標IVT変速比IVTRTOを補正し
ても、クリープ制御用目標出力トルクTGTTOを発生
させるための目標車速TGTVSPを実現し得ることは
言うまでもない。
【0117】なお上記実施の形態においては、無段変速
機構がトロイダル型無段変速機構2である場合について
説明したが、無段変速機構がVベルト式無段変速機構で
ある場合においても本発明は同様の考え方により適用し
て同様の作用効果を奏し得ることことは言うまでもな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になるクリープ制御装
置を具えた変速比無限大無段変速機の伝動系を示す略線
図である。
【図2】 同変速比無限大無段変速機の変速制御特性
を、その速度比と無段変速機構の変速比との関係として
示した線図である。
【図3】 同変速比無限大無段変速機の変速制御系を示
すシステム図である。
【図4】 同変速制御系における変速機コントローラが
実行する変速制御プログラムの全体を示すフローチャー
トである。
【図5】 同変速制御プログラム内における遊星歯車組
出力回転数の算出処理を示すサブルーチンのフローチャ
ートである。
【図6】 同変速制御プログラム内における選択レンジ
判定処理を示すサブルーチンのフローチャートである。
【図7】 同変速制御プログラムにおけるCVT変速比
演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】 同変速制御プログラムにおけるNレンジ制御
処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 同変速制御プログラムにおけるN→Dセレク
ト制御処理のサブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図10】 同変速制御プログラムにおけるD→Nセレ
クト制御処理のサブルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図11】 同変速制御プログラムにおけるDレンジク
リープ制御処理のサブルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図12】 同Dレンジクリープ制御における目標入力
回転数演算処理のサブルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図13】 同目標入力回転数演算処理に当たって用い
る変速マップ図である。
【図14】 同Dレンジクリープ制御における到達IV
T変速比および到達IVT速度比の算出処理に係わるサ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【図15】 同Dレンジクリープ制御における目標IV
T変速比および目標IVT速度比の算出処理に係わるサ
ブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】 同Dレンジクリープ制御におけるクリープ
制御用目標出力トルクの算出処理に係わるサブルーチン
を示すフローチャートである。
【図17】 同目標出力トルクの基準マップ値を示す線
図である。
【図18】 同Dレンジクリープ制御における目標車速
の算出処理に係わるサブルーチンを示すフローチャート
である。
【図19】 同目標車速の限界特性を示す線図である。
【図20】 同Dレンジクリープ制御における車速フィ
ードバック補償量の算出処理に係わるサブルーチンを示
すフローチャートである。
【図21】 同Dレンジクリープ制御におけるトルクシ
フト補償量の算出処理に係わるサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図22】 クリープ制御用トルクシフト補償量の2次
元マップ図である。
【図23】 クリープ制御用トルクシフト補償量の1次
元マップ図である。
【図24】 図4に示す変速制御プログラムにおけるス
テップモータ駆動位置算出処理のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図25】 CVT変速比とステップモータ駆動位置と
の関係を示す線図である。
【図26】 変速機作動油温ごとのステップモータ駆動
位置補償量を示す線図である。
【図27】 図4に示す変速制御プログラムにおけるク
ラッチソレノイド駆動デューティ算出処理のサブルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図28】 クラッチ圧とソレノイド駆動デューティと
の関係を示す線図である。
【図29】 クリープ制御の動作タイムチャートであ
る。
【図30】 本発明の他の実施の形態になるクリープ制
御装置を示す、図16と同様なサブルーチンのフローチ
ャートである。
【図31】 変速比無限大無段変速機の動力伝達経路を
模式的に示す概略線図である。
【符号の説明】
ENG エンジン(原動機) 1 入力軸 2 トロイダル型無段変速機構 3 出力軸 4 遊星歯車組 5 トロイダル伝動ユニット 6 トロイダル伝動ユニット 7 入力ディスク 8 出力ディスク 9 パワーローラ 11 ピボットシャフト 12 CVT出力歯車 21 コントロールバルブボディー 22 ステップモータ 24 ロークラッチソレノイド 25 ハイクラッチソレノイド 31 ロークラッチ 32 歯車 33 ハイクラッチ 34 アイドラギヤ 35 減速歯車組 36 ファイナルドライブギヤ組 37 ディファレンシャルギヤ装置 41 変速機コントローラ 42 変速機入力回転センサ 43 変速機出力回転センサ 44 CVT出力回転センサ 45 スロットル開度センサ 46 車速センサ 47 ブレーキスイッチ 48 アイドルスイッチ 49 油温センサ 51 エンジンコントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 Fターム(参考) 3J552 MA09 MA29 NA01 NB01 PA20 PA42 PA45 PA62 RB02 RB03 RB08 RB22 SA44 SB05 TA01 TB05 TB09 UA08 VA32W VA37W VA39W VA39Y VA62W VA64Z VA65Z VA66Z VA67Z VA74W VB01W VC03Z VD02Z VD11Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速比を無段階に変化させ得る無段変速
    機構および遊星歯車組の組み合わせになり、 原動機から無段変速機構への入力回転をロークラッチの
    締結により遊星歯車組の1要素に伝達する時、該遊星歯
    車組の他の1要素を経て無段変速機構の出力回転メンバ
    より入力回転メンバに動力を循環させつつ、該循環動力
    の一部を無段変速機構の変速状態に応じ前記遊星歯車組
    の残りの1要素から取り出して、無限大変速比と、その
    前後における後退変速比および前進変速比とを選択可能
    な動力循環モードが選択されるようにした変速比無限大
    無段変速機において、 車両の走行形態を指令するために選択したレンジに対応
    する車両進行方向とは逆方向への車両の移動を検知し
    て、前記選択レンジ対応の車両進行方向へのトルクが増
    大するよう無段変速機構を変速制御するよう構成したこ
    とを特徴とする変速比無限大無段変速機のクリープ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記遊星歯車組の少
    なくとも2つの回転メンバの回転数から残りの1つの回
    転メンバの回転数を求め、該残りの1つの回転メンバの
    回転数から前記選択レンジ対応の車両進行方向とは逆方
    向への車両の移動を検知するよう構成したことを特徴と
    する変速比無限大無段変速機のクリープ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記無段変速機構の
    入出力回転数比と前記無限大変速比を実現するための無
    段変速機構の変速比との対比により、前記選択レンジ対
    応の車両進行方向とは逆方向への車両の移動を検知する
    よう構成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機
    のクリープ制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項におい
    て、車速ごとに定めたクリープ制御用の基準となる目標
    出力トルクを求め、前記選択レンジ対応の車両進行方向
    とは逆方向への車両の移動を検知する間、該基準目標出
    力トルクを第1の所定トルクずつ増大させ続けて最終目
    標出力トルクとし、この最終目標出力トルクが得られる
    ような車速変化を生起させる無段変速機構の変速制御
    を、前記選択レンジ対応の車両進行方向へのトルクが増
    大するような無段変速機構の変速制御としたことを特徴
    とする変速比無限大無段変速機のクリープ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記選択レンジ対応
    の車両進行方向への車両の移動を検知する間、前記最終
    目標出力トルクを第2の所定トルクずつ低下させ続け、
    第2の所定トルクを前記第1の所定トルクよりも小さく
    したことを特徴とする変速比無限大無段変速機のクリー
    プ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項におい
    て、前記選択レンジ対応の車両進行方向へのトルクが増
    大するよう無段変速機構を変速制御する間、該トルクの
    増大に応じて前記原動機の出力トルクを増大させるよう
    構成したことを特徴とする変速比無限大無段変速機のク
    リープ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008512621A (ja) * 2004-09-10 2008-04-24 ルノー・エス・アー・エス 自動車の自動変速機の複数の動作モードの、特に自動車のブレーキが作動されないアイドル前進に対する制御方法および関連する装置
CN112109711A (zh) * 2020-09-14 2020-12-22 恒大新能源汽车投资控股集团有限公司 车辆蠕行控制方法、装置、电子设备及存储介质

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