JP2003056585A - 転動体装填方法及び転動体装填装置 - Google Patents

転動体装填方法及び転動体装填装置

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JP2003056585A JP2001240952A JP2001240952A JP2003056585A JP 2003056585 A JP2003056585 A JP 2003056585A JP 2001240952 A JP2001240952 A JP 2001240952A JP 2001240952 A JP2001240952 A JP 2001240952A JP 2003056585 A JP2003056585 A JP 2003056585A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安価且つ短時間で、転動体を保持器に装填する
ことができる装填方法及び装填装置を提供する。 【解決手段】保持器100に嵌挿される嵌合部32及び
大径部31を有する段付状の部材からなる支持部材30
と、支持部材30の大径部31が嵌挿される嵌合穴23
を備えたガイド部材20と、支持部材30を上下動可能
に保持する保持手段50,55,58,59と、基台1
0と、支持部材とガイド部材とを位置決めする位置決め
手段36,53,57,54,55,58と、支持部材
30を上方に付勢する付勢手段60と、支持部材30に
支持された保持器100の上面に当接可能に設けられた
押え部材40とを備える。支持部材30の大径部31に
は、保持器100のポケット部に対応した保持穴33が
形成され、ガイド部材20には、保持穴33と対応する
位置の少なくとも一箇所に、干渉回避穴24が形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ころがり軸受の転
動体を保持する保持器に当該転動体を装填する方法及び
装置に関し、更に詳しくは、環状に形成された基部と、
該基部上にその周方向に沿って並設され、転動体を回転
可能に保持する複数の保持爪とを備えて成る保持器の、
前記保持爪間に転動体を装填する方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上述した保持器の一例を図9乃至図11
に示す。尚、図9は、当該保持器を示した平面図であ
り、図10は、図9における矢視IV−IV方向の断面
図であり、図11は、当該保持器の一部分を示した部分
斜視図である。これら図9乃至図11に示すように、こ
の保持器100は、環状に形成された基部101と、こ
の基部101上にその周方向に沿って並設された複数の
保持爪102とを備えて構成される。そして、各保持爪
102間には、転動体105が回転自在となるように挿
入,保持されるポケット部103が形成されている。
【0003】尚、保持爪102によって転動体105を
保持するように構成された保持器100としては、この
他に、図12に示したものなど各種のものが在る。
【0004】かかる保持器100への転動体105の装
填は、その構造から通常、保持器100の外側から前記
ポケット部103に転動体105を押し入れる態様が採
られており、これを自動的に行う装置として、従来、図
13に示すような装填装置が提案されている。
【0005】同図13に示すように、この装填装置11
0は、基台111と、この基台111に回転可能に支持
され、その上面が基台111の上面と同一平面上に位置
するように配設された回転テーブル112と、同じく前
記基台111に支持されて前記回転テーブル112と共
に回転するコレットチャック113と、このコレットチ
ャック113の側方に配設されたガイドプレート115
と、ガイドプレート115とコレットチャック113と
の間に転動体105を供給するシュート124と、前記
コレットチャック113を開閉駆動するチャック駆動装
置(図示せず)や、回転テーブル112及びコレットチ
ャック113を回転駆動する回転駆動装置(図示せず)
などを備えてなる。
【0006】前記コレットチャック113は、前記チャ
ック駆動装置(図示せず)の作動によってその外径が拡
縮するようになっており、保持器100の内周部に挿通
された状態で、外径が拡径せしめられることにより、保
持器100を把持する。
【0007】また、ガイドプレート115は、前記コレ
ットチャック113と対向する側面が図示する如き形状
の案内面116となっており、基台111上に固設され
たブラケット120によって支持され、このブラケット
120に植設されたピン117を中心として、矢示A−
B方向に揺動自在となっている。また、ガイドプレート
115には制止穴118が設けられる一方、ブラケット
120には制止穴118に挿通された状態で制止ピン1
19が植設されており、これら制止穴118と制止ピン
119との係合関係によってガイドプレート115の前
記揺動が規制される。更に、ガイドプレート115は、
一端が前記ブラケット120に係止され、他端が当該ガ
イドプレート115に係止された引張コイルバネ121
によって矢示A方向に付勢されている。
【0008】また、前記シュート124は、転動体10
5が転送される搬送路125を有しており、前記基台1
11の上面に対し適宜角度で傾斜した状態で配設され、
その排出端が前記ガイドプレート115の案内面116
とコレットチャック113との間に臨んでいる。また、
回転テーブル112の上面には、下りテーパとなった内
テーパ面112aが形成されており、前記シュート12
4によって供給された転動体105が、この内テーパ面
112a及び前記ガイドプレート115の案内面116
の作用によってコレットチャック113側に導かれるよ
うになっている。
【0009】尚、図中の符号122はエアシリンダ、1
23はこのエアシリンダ122のピストンロッドに連結
された制止ロッドであり、エアシリンダ122の作動に
よって制止ロッド123の先端部が、シュート124の
搬送路125に対して進退し、当該搬送路125上を転
送される転動体105を制止するようになっている。
【0010】斯くして、この装填装置110によれば、
コレットチャック113によって保持器100が把持さ
れ、当該保持器100,コレットチャック113及び回
転テーブル112が矢示C方向に回転せしめられた状態
で、シュート124の排出端から所定個数(図示例では
11個)の転動体105が順次供給されると、供給され
た転動体105は、その先頭のものが回転テーブル11
2の内テーパ面112aの傾斜によって保持器100側
に導かれ、その一部が保持器100のポケット部103
内に進入した状態となる。
【0011】この状態で、保持器100等が更に矢示C
方向に回転すると、転動体105はガイドプレート11
5の案内面116に摺接し、この案内面116によって
保持器100側に押圧され、前記ポケット部103内に
挿入される。以後、同様にして、順次転動体105が保
持器100のポケット部103内に挿入される。そし
て、全てのポケット部103内に転動体105が挿入さ
れると、保持器100がコレットチャック113から取
り外され、次の保持器100がコレットチャック113
に装填され、以後同様にして、順次保持器100に転動
体105が装填される。
【0012】尚、シュート124から供給された転動体
105が、保持器100の保持爪102とガイドプレー
ト115との間に挟み込まれて、設定されたポケット部
103に挿入されなかった場合には、保持器100等の
矢示C方向への回転に伴って、ガイドプレート115が
矢示B方向に揺動し、これによって、転動体105が保
持爪102とガイドプレート115との間に噛み込まれ
るのが防止される。この場合、転動体105は、ガイド
プレート115の揺動動作によって、回転方向後ろ側の
ポケット部103に挿入される。また、この場合には、
保持器100が1回転する間に全てのポケット部103
に対して転動体105を挿入することができないため、
全てのポケット部103に転動体105が挿入されるま
で、回転テーブル112等が回転駆動される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した装
填装置110には、転動体105を自動的に保持器10
0に装填することができるという利点が有る反面、以下
に説明するような問題があった。
【0014】即ち、まず、上述した装填装置100は、
転動体105を自動装填する構成となっているので、上
記チャック駆動装置(図示せず)や回転駆動装置(図示
せず)などの駆動装置を要し、装置が大掛かりとなっ
て、その製造コストが高くなり、また、大きな設置スペ
ースを要するという問題がある。
【0015】また、転動体105を1個づつ保持器10
0に装填するように構成されているので、全ての転動体
105を保持器100に装填するまでに長時間を要する
という問題もある。特に、上述した如く、保持爪102
とガイドプレート115との間に転動体105が挟み込
まれた場合には、更に多くの時間を要することとなる。
【0016】本発明は、如上の実情に鑑みなされたもの
であって、保持器に転動体を装填するに当たり、これを
安価且つ短時間のうちに行い得る転動体の装填方法及び
装填装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記課題を
解決するための本発明の請求項1に記載した発明は、環
状に形成された基部と、該基部上にその周方向に沿って
並設され、転動体を回転可能に保持する複数の可撓性を
有する保持爪とを備えて成る保持器の、前記保持爪間に
形成されたポケット部に転動体を装填する方法であっ
て、前記保持器の外側であって、前記ポケット部に対応
した各位置に前記転動体を配置した後、配置された転動
体の内、少なくとも一つを残して、他の転動体を同時に
前記ポケット部に挿入し、しかる後、残った転動体を前
記ポケット部に挿入するようにしたことを特徴とする転
動体装填方法に係る。
【0018】前記保持爪間、即ち、前記ポケット部に転
動体を挿入する際、保持爪は転動体の押し込み力により
弾性変形して保持爪間の間隔が拡がり、これによって転
動体を前記ポケット部に挿入することができるようにな
る。しかるに、一度に全ての転動体を挿入しようした場
合、1つの保持爪にその隣接方向両側から転動体の均等
な押し込み力が作用して、保持爪に上記のような弾性変
形を起こさせることができない。このため、無理なく転
動体を挿入することができない。
【0019】そこで、本発明に係る転動体装填方法で
は、保持器の外側に配置した転動体の内、少なくとも一
つを残して、他の転動体を同時に前記ポケット部に挿入
し、しかる後、残った転動体を前記ポケット部に挿入す
るようにしたのである。
【0020】転動体の挿入されない保持爪間を設定する
ことで、かかる保持爪が干渉回避の役割を成し、この結
果、他の保持爪に作用する隣接方向両側からの転動体の
押し込み力が不均一となって保持爪に弾性変形を生起さ
せることが可能となり、これにより、無理なく転動体を
挿入することができるようになる。そして、保持爪と転
動体との間には若干の隙間が設定されているので、残り
の転動体を挿入する際には、かかる隙間の累積分だけ保
持爪が弾性変形可能であり、かかる弾性変形によって残
りの転動体を無理なく保持爪間に挿入することができ
る。
【0021】このように、本発明に係る転動体装填方法
によれば、一度に複数の転動体を保持器に装填すること
ができるので、上述した従来の装填方法に比べて、より
短い時間で転動体を装填することができる。
【0022】かかる転動体装填方法は、請求項2に記載
した装置発明によって、これを好適に実施することがで
きる。即ち、請求項2に記載した発明は、環状に形成さ
れた基部と、該基部上にその周方向に沿って並設され、
転動体を回転可能に保持する複数の可撓性を有する保持
爪とを備えて成る保持器の、前記保持爪間に形成された
ポケット部に転動体を装填する装置であって、前記保持
器の基部内周部に嵌挿される嵌合部、及び該嵌合部より
径の大きい大径部を有する段付状の部材からなり、前記
嵌合部に嵌挿された前記保持器を支持する支持部材と、
前記支持部材の大径部が嵌挿される嵌合穴を備えたガイ
ド部材と、前記支持部材を上下動可能に保持する保持手
段と、前記ガイド部材及び保持手段が固着される基台
と、前記支持部材とガイド部材との間の周方向の位置関
係を位置決めする位置決め手段と前記支持部材を上方に
付勢する付勢手段と、前記支持部材に支持された保持器
の上面に当接可能に設けられた押え部材とを備えてな
り、前記支持部材の大径部には、前記保持器のポケット
部中心位置と同一角度ピッチで保持穴が形成され、該保
持穴は、その中心軸が前記支持部材の中心軸と並行に形
成されるとともに、前記大径部の上端面及び外周面に開
口するように形成されて、前記転動体が前記大径部の外
側から穴内部に進退可能と成っており、前記ガイド部材
には、その上端面から前記嵌合穴に向けて下りテーパと
なった内テーパが形成されるとともに、前記保持穴と対
応する位置の少なくとも一箇所に、前記上端面及び嵌合
穴内周面に開口する干渉回避穴が形成され、該干渉回避
穴は、その中心軸が前記嵌合穴の中心軸と並行に形成さ
れて、前記転動体が前記上端面及び内周面側から穴内部
に進退可能と成っており、更に、前記位置決め手段が、
前記保持穴と前記干渉回避穴とが相互に対向するよう
に、前記支持部材とガイド部材とを位置決めするように
構成されてなることを特徴とする転動体装填装置に係
る。
【0023】この転動体装填装置によれば、以下のよう
にして、転動体が保持器に装填される。尚、最初の状態
では、前記支持部材は、その大径部がガイド部材の嵌合
穴に下方から嵌挿されて、その嵌合部が少なくとも前記
嵌合穴より上方に突出した状態となっており、更に、前
記保持穴がガイド部材の内テーパ面と対向した状態とな
っている。
【0024】まず、ガイド部材の嵌合穴に嵌挿された支
持部材の各保持穴に、転動体を適宜装填する。このと
き、転動体は、ガイド部材の内テーパ面に当接した状態
となる。ついで、支持部材の嵌合部に保持器を装着し、
保持器の把持爪間(ポケット部)と前記保持穴及びこれ
に装填された転動体との位置合わせを行う。
【0025】次に、押え部材を、その下面が保持器上面
と当接するように当該保持器上に載置した後、当該押え
部材を下方に押し下げる。これにより、保持器及びこれ
を支持する支持部材は、付勢手段の付勢力に抗して下方
に移動する。その際、ガイド部材に形成の干渉回避穴と
非対向の保持穴に挿入された転動体は、前記内テーパ面
に案内されて保持器のポケット部に進入し、更なる保持
器及び支持部材の下方移動に伴って、ポケット部の内上
面によって上方への移動が規制されつつ、前記内テーパ
面に案内されて、前記ポケット部に押し込まれ、同部に
装填される。
【0026】一方、前記干渉回避穴と対向する保持穴に
挿入された転動体は、支持部材の下方移動によって前記
干渉回避穴内に進入し、更に、支持部材が下方に移動す
ると、干渉回避穴底部に至り、かかる穴底縁部の作用に
よりこれに案内されてポケット部に進入し、更なる保持
器及び支持部材の下方移動に伴って、ポケット部の内上
面により上方への移動が規制されつつ、前記穴底縁部に
よって前記ポケット部に押し込まれ、同部に装填され
る。
【0027】上述したように、転動体の挿入されない保
持爪間(ポケット部)を設定することで、かかる保持爪
が干渉回避の役割を成し、この結果、他の保持爪に作用
する隣接方向両側からの転動体の押し込み力が不均一と
なって保持爪に弾性変形を生起させることが可能とな
り、これにより、干渉回避穴と非対向の保持穴に挿入さ
れた複数の転動体を無理なくポケット部に挿入すること
が可能となる。一方、干渉回避穴と対向する保持穴に挿
入された転動体については、保持爪と転動体との間に設
定された隙間によって保持爪が弾性変形可能であり、か
かる弾性変形によって無理なく保持爪間に挿入される。
【0028】斯くして、この転動体装填装置によれば、
まず、ガイド部材に形成の干渉回避穴と非対向の保持穴
に挿入された転動体が保持器に装填され、しかる後、前
記干渉回避穴と対向する保持穴に挿入された転動体が保
持器に装填される。
【0029】そして、以上のようにして保持器に転動体
が装填された後、押え部材による負荷を解除する。これ
により、支持部材が付勢手段の付勢力によって上昇し
て、原位置に復帰する。この後、転動体の装填された保
持器を支持部材から取り外す。
【0030】このように、本発明に係る転動体装填装置
によれば、一度に複数の転動体を保持器に装填すること
ができるので、上述した従来の装填装置に比べて、より
短い時間で転動体を装填することができる。また、従来
の装填装置におけるようなチャック駆動装置や回転駆動
装置などの駆動装置が不要であることから、装置の大き
さがコンパクトであり、そのため設置スペースが小さく
て足り、また、製造コストが安価であるという利点があ
る。
【0031】尚、前記押え部材は、請求項3に記載した
発明のように、これを駆動手段によって上下動させるよ
うにすると良い。このようにすれば、転動体装填作業の
一部自動化が図られ、当該作業の効率化を図ることがで
きる。
【0032】また、上述したように、転動体は、支持部
材及び保持器とガイド部材との相対移動によって保持器
に装填される。したがって、請求項4に記載した発明の
ように、支持部材及び保持器を固定し、ガイド部材をこ
れに対して上下動させるようにしても、請求項2に記載
した発明と同様の効果が奏される。
【0033】即ち、請求項4に記載した発明は、環状に
形成された基部と、該基部上にその周方向に沿って並設
され、転動体を回転可能に保持する複数の可撓性を有す
る保持爪とを備えて成る保持器の、前記保持爪間に形成
されたポケット部に転動体を装填する装置であって、前
記保持器の基部内周部に嵌挿される嵌合部、及び該嵌合
部より径の大きい大径部を有する段付状の部材からな
り、前記嵌合部に嵌挿された前記保持器を支持する支持
部材と、前記支持部材の大径部が嵌挿される嵌合穴を備
え、且つ前記支持部材に対して上下動可能に設けられた
ガイド部材と、前記支持部材が固着される基台と、前記
支持部材とガイド部材との間の周方向の位置関係を位置
決めする位置決め手段と、前記支持部材に支持された保
持器の上面に当接可能に設けられた押え部材と、前記保
持器上面に当接した押え部材と支持部材との位置関係を
保持する保持手段とを備えてなり、前記支持部材の大径
部には、前記保持器のポケット部中心位置と同一角度ピ
ッチで保持穴が形成され、該保持穴は、その中心軸が前
記支持部材の中心軸と並行に形成されるとともに、前記
大径部の上端面及び外周面に開口するように形成され
て、前記転動体が前記大径部の外側から穴内部に進退可
能と成っており、前記ガイド部材には、その上端面から
前記嵌合穴に向けて下りテーパとなった内テーパが形成
されるとともに、前記保持穴と対応する位置の少なくと
も一箇所に、前記上端面及び嵌合穴内周面に開口する干
渉回避穴が形成され、該干渉回避穴は、その中心軸が前
記嵌合穴の中心軸と並行に形成されて、前記転動体が前
記上端面及び内周面側から穴内部に進退可能と成ってお
り、更に、前記位置決め手段が、前記保持穴と前記干渉
回避穴とが相互に対向するように、前記支持部材とガイ
ド部材とを位置決めするように構成されてなることを特
徴とする転動体装填装置に係る。
【0034】そして、この請求項4に記載した発明にお
いても同様に、請求項5に記載した発明の如く、前記押
え部材を駆動手段によって上下動させるようにすると良
い。このようにすれば、転動体装填作業の一部自動化が
図られ、当該作業の効率化を図ることができる。
【0035】また、本発明の請求項6に記載した発明
は、上記請求項2乃至5記載のいずれかの転動体装填装
置において、前記保持器と当接する前記押え部材当接面
の、当接時に前記支持部材の保持穴と対応する位置に、
前記転動体との接触を回避する凹溝を放射状且つ前記押
え部材の外周面に開口するように形成したことを特徴と
する転動体装填装置に係る。
【0036】転動体が保持器に装填されたときに、転動
体の上面が保持爪の上端より上方に突出するように構成
されたものである場合には、押し下げ部材により保持器
を押し下げて、当該転動体をポケット部に装填させる際
に、転動体が押し下げ部材の下面と干渉する。そこで、
請求項6記載の発明のように、前記押え部材当接面の、
当接時に前記支持部材の保持穴と対応する位置に凹溝を
形成すれば、転動体がポケット部に進入する際の、当該
転動体上面と押え部材下面との干渉が、前記凹溝によっ
て解消される。
【0037】また、本発明の請求項7に記載した発明
は、上記請求項6記載の転動体装填装置において、前記
押え部材を前記保持器に当接させた際、前記押え部材の
当接面に形成された凹溝と、前記支持部材の保持穴とが
相互に対向するように、前記押え部材と前記支持部材と
間の位置関係を位置決めする第2の位置決め手段を設け
たことを特徴とする転動体装填装置に係る。
【0038】この発明によれば、押え部材当接面を保持
器上面に当接させる際に、押え部材当接面に形成された
凹溝と、支持部材の保持穴とを、容易に位置合わせする
ことができる。
【0039】尚、本発明における保持器は金属製や樹脂
製からなるもの含み、可撓性を有する保持爪とは、保持
爪が、そのポケット部に外側から転動体を押し入れる
際、転動体を挿入可能な程度の撓み性を有していること
を意味する。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本実施形態
に係る転動体装填装置を一部断面で示した正面図であ
り、図2は、図1における矢視I方向の側面図であり、
図3は、図2の平面図である。また、本例では、図9乃
至図11に示した保持器100に転動体105を装填す
る例を例示する。
【0041】図1乃至図3に示すように、本例の転動体
装填装置1は、架台2、この架台2上に配設された基台
10、基台10に固設されたガイド部材20、ガイド部
材20に係合する支持部材30、支持部材30に係合可
能に設けられた押え部材40などを備えてなる。
【0042】図1及び図2に示すように、前記基台10
は、前記架台2上に固設される下プレート11と、この
下プレート11上に適宜間隔で立設された一対の脚部材
13,14と、この脚部材13,14上に固設された上
プレート12からなる。前記上プレート12には、嵌合
穴12aが形成されており、前記ガイド部材20の下端
部がこの嵌合穴12aに嵌合された状態で、当該上プレ
ート12上に固定されている。また、下プレート11に
も嵌合穴11aが形成されており、軸受58がこの嵌合
穴11aに下方から嵌挿された状態で当該下プレート1
1に固定されている。
【0043】図1及び図4に示すように、前記ガイド部
材20は、嵌合穴23を備えた円筒状の部材であり、こ
の嵌合穴23に前記支持部材30が嵌挿される。また、
ガイド部材20の上面には、前記嵌合穴23に向けて下
りテーパとなった第1のテーパ面21が形成され、更
に、この第1のテーパ面21の内側に、これより急傾斜
となった第2のテーパ面22が形成されている。また、
図3にも示すように、この第2のテーパ面22には、そ
の周方向3箇所に、横断面略半円状の干渉回避穴24が
嵌合穴23の中心軸に沿って穿設されている。この干渉
回避穴24は、前記第2のテーパ面22及び嵌合穴23
の内周面に開口しており、前記転動体105が、第2の
テーパ面22及び嵌合穴23の内周面側から当該干渉回
避穴24内に進退可能となっている。
【0044】前記支持部材30は、前記ガイド部材20
の嵌合穴23に嵌挿される大径部31、及び前記保持器
100の内周部が嵌合,装着される小径部(嵌合部)3
2を備えた段付円筒状の部材からなり、その下端部に
は、前記ガイド部材20下面に当接して、その前記嵌合
穴23に嵌挿された当該支持部材30の上方への移動を
制止するフランジ状の係止部34が形成されている。
【0045】また、前記大径部31は、前記係止部34
が前記ガイド部材20下面に当接した状態で、その上端
部が前記ガイド部材20に形成された前記第2のテーパ
面22の上端よりも上方に位置するようになっており、
その肩部には、図9乃至図11に示した保持器100の
ポケット部103の配置角度ピッチと同じ角度ピッチ
で、横断面略半円状の保持穴33が当該大径部31の中
心軸に沿って穿設されている。この保持穴33は、大径
部31の上端面及び外周面に開口しており、前記転動体
105が、大径部31の上端面及び外周面側から当該保
持穴33内に進退可能となっている。
【0046】また、支持部材30の上端面には前記押え
部材40と係合する係合ロッド37が突設され、更にそ
の近傍には位置決めピン38が突設される一方、下面中
心位置には軸継手50の上端部51が嵌挿される嵌合穴
35が穿設され、また、当該下面に開口する位置決め溝
36が形成されている。
【0047】前記軸継手50は、その上端部51が小径
となった段付円筒状の部材からなり、下面中心位置には
スプライン軸55の先端部56が嵌挿される嵌合穴52
が穿設されている。また、大径部の上端面には、前記支
持部材30の下面に形成された位置決め溝36に挿入さ
れる位置決めピン53が突設されている。
【0048】前記スプライン軸55は、前記下プレート
11に固設された軸受58のスプライン穴に挿通され、
更に、その下端部が、前記軸受58の下方に配設された
円筒状のホルダ59内に挿入され、このホルダ59内に
配設された圧縮コイルバネ60によって、上方に付勢さ
れた状態で、しかも上下動可能に、これら軸受58及び
ホルダ59により保持されている。また、このスプライ
ン軸55と前記軸継手50とは、スプライン軸55の先
端部61に植設されたキー57及び軸継手50に螺着さ
れたネジ54によって、相互にその回転方向の位置関係
が位置決めされている。
【0049】斯くして、支持部材30は、軸継手50,
スプライン軸55,ホルダ59及び圧縮コイルバネ60
によって支持され、位置決め溝36と位置決めピン53
との係合関係、キー57とネジ54との係合関係、及び
スプライン軸55と軸受58との係合関係によって、そ
の保持穴33がガイド部材20に形成された干渉回避穴
24と対向するように、ガイド部材20に対して位置決
めされる。
【0050】図1及び図4に示すように、前記押え部材
40は、下面中心位置に嵌合穴41が穿設された段付円
筒状の部材からなり、この嵌合穴41にはスリーブ37
が圧入されている。スリーブ37の下面には位置決め溝
46が形成されており、更に、その中心穴46に前記係
合ロッド37が嵌挿されるようになっている。また、押
え部材40の下面43は、前記支持部材30に装着され
た前記保持器100の上面に当接する当接面になってお
り、更に、当該下面(当接面)43には、図5及び図6
に示すように、凹溝42が、当該押え部材40の外周面
に開口するように放射状に形成されている。
【0051】斯くして、押え部材40は、スリーブ37
の中心穴46に前記係合ロッド37を嵌挿せることで、
支持部材30に対して係合し、前記位置決めピン38が
位置決め溝46に挿入されるように、支持部材30に対
する回転位置を調整することで、その前記凹溝42が支
持部材30の保持穴33と対向するようになっている。
尚、前記凹溝42の深さは、転動体105が装填された
保持器100に前記当接面43が当接したときに、当該
転動体105と干渉しない深さとなっている。
【0052】次に、以上の構成を備えた本例の転動体装
填装置1により、前記保持器100に転動体105を装
填する手順について、図7を用いて説明する。
【0053】まず、前記支持部材30の各保持穴33
に、転動体105(105a,105b)を装填する。
このとき、転動体105(105a,105b)は、ガ
イド部材20に形成された第1のテーパ面21によって
案内され、スムーズに各保持穴内に装填される。そし
て、転動体105(105a,105b)は、ガイド部
材20の第2のテーパ面22に当接した状態となる。
【0054】次に、支持部材30の小径部(嵌合部)3
2に保持器100を装着して、保持器100のポケット
部103と前記保持穴33及びこれに装填された転動体
105(105a,105b)との位置合わせを行った
後、押え部材40を、そのスリーブ44に係合ロッド3
7が嵌挿されるように、支持部材30に係合せしめ、つ
いで、前記位置決めピン38が位置決め溝46に挿入さ
れるように、支持部材30に対する回転位置を調整した
後、その下面43が保持器100の上面と当接するよう
に当該保持器100上に載置する。これにより、押え部
材40の凹溝42が支持部材30の保持穴33と対向し
た状態となる。
【0055】このようにして、転動体105(105
a,105b)を保持穴33に装填し、保持器100を
支持部材30に装着した後、当該支持部材30に押え部
材40を係合せしめた状態を図7(a)に示す。
【0056】次に、押え部材40を下方に押し下げる。
これにより、保持器100及びこれを支持する支持部材
30が、圧縮コイルバネ60の付勢力に抗して下方に移
動する。その際、ガイド部材20に形成の干渉回避穴2
4と非対向の保持穴33に挿入された転動体105a
は、第2のテーパ面22に案内されて保持器100のポ
ケット部103に進入し、更なる保持器100及び支持
部材30の下方移動に伴って、ポケット部103の内上
面によって上方への移動が規制されつつ、前記第2のテ
ーパ面22に案内されて、前記ポケット部103に押し
込まれ、同部に装填される。
【0057】一方、前記干渉回避穴24と対向する保持
穴33に挿入された転動体105bは、支持部材30の
下方移動によって前記干渉回避穴24内に進入した後、
干渉回避穴24底部に至り、かかる穴底縁部に案内され
てポケット部に進入した状態となる。尚、この状態で
は、干渉回避穴24と対向する保持穴33に挿入された
転動体105bは、完全には前記ポケット部103内に
装填されていない。この状態を図7(b)に示す。
【0058】そして、保持器100及び支持部材30が
更に下方に移動すると、干渉回避穴24と対向する保持
穴33に挿入された転動体105bは、ポケット部10
3の内上面によって上方への移動が規制されつつ、前記
穴底縁部によって前記ポケット部103に押し込まれ、
同部に装填される。この状態を図7(c)に示す。
【0059】次に、以上のようにして、全ての転動体1
05が保持器100に装填された後、押え部材40によ
る負荷を解除する。これにより、支持部材30が圧縮コ
イルバネ60の付勢力によって上昇して、原位置に復帰
する。この後、転動体105の装填された保持器100
を支持部材30から取り外す。
【0060】このように、この転動体装填装置1によれ
ば、まず、ガイド部材20に形成の干渉回避穴24と非
対向の保持穴33に挿入された転動体105aが保持器
100に装填され、しかる後、前記干渉回避穴24と対
向する保持穴33に挿入された転動体105bが保持器
100に装填される。
【0061】一度に全ての転動体105を保持器100
に装填しようとすると、保持爪102にその隣接方向両
側から均等な力が作用して、無理なく転動体105を挿
入することが困難であるが、転動体105の挿入されな
いポケット部103を設定することで、同部の保持爪1
02が干渉回避の役割を成し、この結果、他の保持爪1
02に作用する隣接方向両側から作用する力が不均一と
なって保持爪102に弾性変形を生起させることが可能
となり、これにより、干渉回避穴24と非対向の保持穴
33に挿入された複数の転動体105aを無理なくポケ
ット部103に挿入することが可能となる。一方、干渉
回避穴24と対向する保持穴33に挿入された転動体1
05bについては、既に装填された転動体105と保持
爪102との間に隙間が設定されているので、当該保持
爪102はかかる隙間によって弾性変形可能であり、か
かる弾性変形によって無理なくポケット部103に挿入
される。
【0062】以上詳述したように、本例の転動体装填装
置1によれば、一度に複数の転動体105を保持器10
0に装填することができるので、上述した従来の装填装
置110に比べて、より短い時間で転動体105を装填
することができる。また、従来の装填装置110におけ
るようなチャック駆動装置や回転駆動装置などの駆動装
置が不要であることから、装置の大きさがコンパクトで
あり、そのため設置スペースが小さくて足り、また、製
造コストが安価であるという利点がある。
【0063】また、押え部材40の下面43に、放射状
の凹溝42を形成しているので、転動体105が保持器
100に装填されたときに、転動体105の上面が保持
爪102の上端より上方に突出するように構成されたも
のであっても、当該転動体105をポケット部103に
装填させる際の、当該転動体105上面と押え部材40
の下面43との干渉を、前記凹溝42によって解消する
ことができる。
【0064】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限
定されるものではない。例えば、上述の例では、干渉回
避穴24を3箇所に設けたが、これは少なくとも1箇所
に形成されていれば足り、その数は何ら限定されるもの
ではない。
【0065】また、前記押え部材40を上下動させる駆
動手段を設け、この駆動手段によって、前記押え部材4
0を上下動させるようにしても良い。このようにすれ
ば、転動体105の装填作業を一部自動化することがで
き、当該作業の効率化を図ることができる。
【0066】また、上記説明から容易に理解されるよう
に、転動体105は、支持部材30及び保持器100と
ガイド部材20との相対移動によって保持器100に装
填される。したがって、支持部材30及び保持器100
を固定し、ガイド部材20をこれに対して上下動させる
ようにしても、上記と同様にして保持器100に転動体
105を装填することができる。かかる装置の概略構成
を図8に示す。
【0067】同図8に示すように、この転動体装填装置
70は、上記支持部材30が基台10の上プレート12
上に固設され、上記ガイド部材20が支持部材30に対
して上下動可能に外嵌せしめられるとともに、上記押え
部材40が駆動シリンダ71によって上下駆動されるよ
うに構成されてなる。尚、ガイド部材20と支持部材3
0とは、例えば、キーとキー溝との係合関係などによ
り、上記保持穴33と干渉回避穴24とが相互に対向す
るように、位置決めされている。また、駆動シリンダ7
1は、適宜構造体に支持されている。
【0068】斯くして、この転動体装填装置70によれ
ば、まず、前記支持部材30の各保持穴33に転動体1
05を装填した後、前記駆動シリンダ71を駆動して、
押え部材40を下方に移動させ、その下面43を保持器
100の上面に当接せしめる。これにより、支持部材3
0及び保持器100が固定されるとともに、押え部材4
0と支持部材30とは、その位置関係が保持された状態
となる。しかる後、ガイド部材20を上方に移動させる
と、上記と同様にして、転動体105が保持器100に
装填される。
【0069】尚、この転動体装填装置70においても、
前記ガイド部材20を上下動させる駆動手段を設け、こ
の駆動手段によって、前記ガイド部材20を上下動させ
るようにしても良い。このようにすれば、転動体105
の装填作業を一部自動化することができ、当該作業の効
率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る転動体装填装置を一
部断面で示した正面図である。
【図2】図1における矢視I方向の側面図である。
【図3】図2の平面図である。
【図4】図1に示した転動体装填装置の一部を拡大して
示した拡大図である。
【図5】図1における矢視II−II方向の底面図であ
る。
【図6】図1における矢視III方向の側面図である。
【図7】本実施形態の転動体装填装置による転動体装填
手順を示した説明図である。
【図8】本発明の他の形態に係る転動体装填装置を一部
断面で示した正面図である。
【図9】一例に係る保持器を示した平面図である。
【図10】図9における矢視IV−IV方向の断面図で
ある。
【図11】図9に示した保持器の部分斜視図である。
【図12】他の例に係る保持器を示した斜視図である。
【図13】従来例に係る転動体装填装置を示した平面図
である。
【符号の説明】 1 転動体装填装置 2 架台 10 基台 20 ガイド部材 22 第2のテーパ面 23 嵌合穴 24 干渉回避穴 30 支持部材 31 大径部 32 小径部(嵌合部) 33 保持穴 36 位置決め溝 38 位置決めピン 40 押え部材 42 凹溝 43 下面(当接面) 46 位置決め溝 53 位置決めピン 54 ネジ 55 スプライン軸 57 キー 58 軸受 60 圧縮コイルバネ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に形成された基部と、該基部上にそ
    の周方向に沿って並設され、転動体を回転可能に保持す
    る複数の可撓性を有する保持爪とを備えて成る保持器
    の、前記保持爪間に形成されたポケット部に転動体を装
    填する方法であって、 前記保持器の外側であって、前記ポケット部に対応した
    各位置に前記転動体を 配置した後、配置された転動体の内、少なくとも一つを
    残して、他の転動体を同時に前記ポケット部に挿入し、 しかる後、残った転動体を前記ポケット部に挿入するよ
    うにしたことを特徴とする転動体装填方法。
  2. 【請求項2】 環状に形成された基部と、該基部上にそ
    の周方向に沿って並設され、転動体を回転可能に保持す
    る複数の可撓性を有する保持爪とを備えて成る保持器
    の、前記保持爪間に形成されたポケット部に転動体を装
    填する装置であって、 前記保持器の基部内周部に嵌挿される嵌合部、及び該嵌
    合部より径の大きい大径部を有する段付状の部材からな
    り、前記嵌合部に嵌挿された前記保持器を支持する支持
    部材と、 前記支持部材の大径部が嵌挿される嵌合穴を備えたガイ
    ド部材と、 前記支持部材を上下動可能に保持する保持手段と、 前記ガイド部材及び保持手段が固着される基台と、 前記支持部材とガイド部材との間の周方向の位置関係を
    位置決めする位置決め手段と、 前記支持部材を上方に付勢する付勢手段と、 前記支持部材に支持された保持器の上面に当接可能に設
    けられた押え部材とを備えてなり、 前記支持部材の大径部には、前記保持器のポケット部中
    心位置と同一角度ピッチで保持穴が形成され、該保持穴
    は、その中心軸が前記支持部材の中心軸と並行に形成さ
    れるとともに、前記大径部の上端面及び外周面に開口す
    るように形成されて、前記転動体が前記大径部の外側か
    ら穴内部に進退可能と成っており、 前記ガイド部材には、その上端面から前記嵌合穴に向け
    て下りテーパとなった内テーパが形成されるとともに、
    前記保持穴と対応する位置の少なくとも一箇所に、前記
    上端面及び嵌合穴内周面に開口する干渉回避穴が形成さ
    れ、該干渉回避穴は、その中心軸が前記嵌合穴の中心軸
    と並行に形成されて、前記転動体が前記上端面及び内周
    面側から穴内部に進退可能と成っており、 更に、前記位置決め手段が、前記保持穴と前記干渉回避
    穴とが相互に対向するように、前記支持部材とガイド部
    材とを位置決めするように構成されてなることを特徴と
    する転動体装填装置。
  3. 【請求項3】 前記押え部材を上下動せしめる駆動手段
    を更に備えてなる請求項2記載の転動体装填装置。
  4. 【請求項4】 環状に形成された基部と、該基部上にそ
    の周方向に沿って並設され、転動体を回転可能に保持す
    る複数の可撓性を有する保持爪とを備えて成る保持器
    の、前記保持爪間に形成されたポケット部に転動体を装
    填する装置であって、 前記保持器の基部内周部に嵌挿される嵌合部、及び該嵌
    合部より径の大きい大径部を有する段付状の部材からな
    り、前記嵌合部に嵌挿された前記保持器を支持する支持
    部材と、 前記支持部材の大径部が嵌挿される嵌合穴を備え、且つ
    前記支持部材に対して上下動可能に設けられたガイド部
    材と、 前記支持部材が固着される基台と、 前記支持部材とガイド部材との間の周方向の位置関係を
    位置決めする位置決め手段と、 前記支持部材に支持された保持器の上面に当接可能に設
    けられた押え部材と、 前記保持器上面に当接した押え部材と支持部材との位置
    関係を保持する保持手段とを備えてなり、 前記支持部材の大径部には、前記保持器のポケット部中
    心位置と同一角度ピッチで保持穴が形成され、該保持穴
    は、その中心軸が前記支持部材の中心軸と並行に形成さ
    れるとともに、前記大径部の上端面及び外周面に開口す
    るように形成されて、前記転動体が前記大径部の外側か
    ら穴内部に進退可能と成っており、 前記ガイド部材には、その上端面から前記嵌合穴に向け
    て下りテーパとなった内テーパが形成されるとともに、
    前記保持穴と対応する位置の少なくとも一箇所に、前記
    上端面及び嵌合穴内周面に開口する干渉回避穴が形成さ
    れ、該干渉回避穴は、その中心軸が前記嵌合穴の中心軸
    と並行に形成されて、前記転動体が前記上端面及び内周
    面側から穴内部に進退可能と成っており、 更に、前記位置決め手段が、前記保持穴と前記干渉回避
    穴とが相互に対向するように、前記支持部材とガイド部
    材とを位置決めするように構成されてなることを特徴と
    する転動体装填装置。
  5. 【請求項5】 前記ガイド部材を上下動せしめる駆動手
    段を更に備えてなる請求項4記載の転動体装填装置。
  6. 【請求項6】 前記保持器と当接する前記押え部材当接
    面の、当接時に前記支持部材の保持穴と対応する位置
    に、前記転動体との接触を回避する凹溝を放射状且つ前
    記押え部材の外周面に開口するように形成したことを特
    徴とする請求項2乃至5記載のいずれかの転動体装填装
    置。
  7. 【請求項7】 前記押え部材を前記保持器に当接させた
    際、前記押え部材の当接面に形成された凹溝と、前記支
    持部材の保持穴とが相互に対向するように、前記押え部
    材と前記支持部材と間の位置関係を位置決めする第2の
    位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項6記載の
    転動体装填装置。
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