JP2003055677A - ガスハイドレートの製造方法および製造装置 - Google Patents

ガスハイドレートの製造方法および製造装置

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JP2003055677A
JP2003055677A JP2001247625A JP2001247625A JP2003055677A JP 2003055677 A JP2003055677 A JP 2003055677A JP 2001247625 A JP2001247625 A JP 2001247625A JP 2001247625 A JP2001247625 A JP 2001247625A JP 2003055677 A JP2003055677 A JP 2003055677A
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gas
gas hydrate
production
tank
bubbles
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Application number
JP2001247625A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kato
裕一 加藤
Takashi Arai
新井  敬
Shigeru Nagamori
茂 永森
Junji Ono
純二 小野
Tomoharu Okui
智治 奥井
Tatsuji Kawasaki
達治 川崎
Taiji Yokoi
泰治 横井
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸送や貯蔵の際の利便性に優れた高濃度のガ
スハイドレートを製造する方法およびそのための装置を
提供すること。 【解決手段】 所定圧力および所定温度の下で水と原料
ガスとを反応させてガスハイドレートを製造するガスハ
イドレートの製造装置100は、水に原料ガスを気泡と
して導入する多孔板13を備えた第1の生成槽11と、
第1の生成槽11における多孔板13よりも径の大きな
気泡を導入する多孔板23を備えた第2の生成槽21
と、第1の生成槽11で生成した細粒ガスハイドレート
55および第2の生成槽21で生成した粗粒ガスハイド
レート56を混合する混合槽31とを備えており、粒径
の異なるガスハイドレートの混合物57を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスハイドレート
の製造方法および製造装置に関し、より詳細には、例え
ば、天然ガス、メタンガス、炭酸ガス等からガスハイド
レートを製造する方法およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスハイドレートは、水分子とガス分子
からなる氷状の固体物質であり、水分子により形成され
るかご状構造の内部にガス分子を取り込んだ構造の水和
物である。このガスハイドレートは、高いガス包蔵性、
大きな生成・解離熱、小さな温度変化による高い圧力の
発生、ハイドレート化ガスの選択性等の性質を有するた
め、例えば天然ガス等の輸送・貯蔵手段や、蓄熱システ
ム、アクチュエータ、ガスの分離回収等多様な用途での
利用が注目されており、研究が行われている。
【0003】このガスハイドレートの輸送、貯蔵は、バ
ルク(粉状)やスラリーの形態で行われるが、ガスハイ
ドレートの粒径が非常に小さいこと、および粒径が比較
的均一であることから、バルクの場合には充填密度が小
さくなり、スラリーの場合には流動性を確保するための
体積濃度が約0.15以下となって輸送や貯蔵の効率が
非常に低いという問題があった。
【0004】このため、特開2000−302702号
公報では、原料ガスと水等を第1の圧力容器に供給し、
高速攪拌してメタンハイドレートの微結晶を生成させ、
また、原料ガスと水等を第2の圧力容器に供給し、遅い
攪拌速度で攪拌して粒径の大きいメタンハイドレート結
晶を析出させ、次いで両者を混合するガスハイドレート
の製造方法の発明が記載されている。この特開2000
−302702号公報の技術は、粒径の異なる2種のガ
スハイドレートを製造して混合するものであり、輸送等
に好適なガスハイドレートを提供する優れた方法である
が、攪拌速度によって粒径の制御を行うものであるた
め、特に高速攪拌には相応の動力を必要とし、また生成
槽となる圧力容器も最低二つ以上必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、輸送や貯蔵
の際の利便性に優れた高濃度のガスハイドレートを製造
する方法およびそのための装置を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載のガスハイドレートの製造方法の発
明は、所定圧力および所定温度の下、生成槽内で水と原
料ガスとを反応させてガスハイドレートを製造するガス
ハイドレートの製造方法であって、前記生成槽内の水に
原料ガスを気泡として導入するとともに、該気泡を異な
る2つ以上の径に制御することにより異なる2つ以上の
粒径のガスハイドレートを生成させて、該異なる2つ以
上の粒径のガスハイドレートを均一に混合することを特
徴とする。この特徴によれば、水中に導入する原料ガス
の気泡径を制御することにより、簡易な機構で異なる粒
径のガスハイドレートを容易に生成させることができる
とともに、粒径の異なるガスハイドレートを均一に混合
することによって、輸送や貯蔵に適した高密度のガスハ
イドレートを製造することができる。
【0007】請求項2に記載のガスハイドレート製造装
置の発明は、所定圧力および所定温度の下、水と原料ガ
スとを反応させてガスハイドレートを製造する1つまた
は2つ以上の生成槽と、前記生成槽内の水に原料ガスを
導入して、異なる2つ以上の径の気泡を発生させる散気
手段と、該異なる2つ以上の径の気泡からそれぞれ生成
する、異なる2つ以上の粒径のガスハイドレートを均一
に混合する混合手段と、を備えたことを特徴とする。こ
の特徴によれば、それぞれ発生させる気泡径が異なる2
つ以上の散気手段により粒径の異なるガスハイドレート
を生成させて混合するものであるため、比較的簡易な装
置構成で輸送や貯蔵に適した高密度のガスハイドレート
を効率的に製造することができる。
【0008】請求項3に記載のガスハイドレート製造装
置の発明は、請求項2において、2つ以上の生成槽に、
発生させる気泡径が異なる散気手段をそれぞれ配備した
ことを特徴とする。この特徴によれば、2つ以上の生成
槽に、発生させる気泡径が異なる散気手段を別々に配備
したので、生成槽ごとに別々の粒径のガスハイドレート
を生成させた後に混合することが可能であり、粒径の異
なるガスハイドレートの混合比などの調整を容易に行う
ことができる。
【0009】請求項4に記載のガスハイドレート製造装
置の発明は、請求項2または3において、前記散気手段
が前記生成槽下部に設けられた多孔板であることを特徴
とする。この特徴によれば、散気手段として生成槽下部
に多孔板を設けたことにより、簡易な機構で効率よくガ
スハイドレート粒径の制御を行うことができる。
【0010】請求項5に記載のガスハイドレート製造装
置の発明は、所定圧力および所定温度の下、生成槽内で
水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを製造す
るガスハイドレートの製造装置であって、水に原料ガス
を所定径の気泡として導入する散気手段を備えた第1の
生成槽と、前記第1の生成槽における散気手段よりも径
の大きな気泡を導入する散気手段を備えた第2の生成槽
と、前記生成槽でそれぞれ生成した粒径の異なるガスハ
イドレートを混合するための混合手段と、を備えたこと
を特徴とする。この特徴によれば、第1の生成槽、第2
の生成槽および混合手段を備えた構成とすることによ
り、例えば細粒と粗粒などの大小粒径の異なるガスハイ
ドレート混合物を効率よく製造することができる。
【0011】請求項6に記載のガスハイドレート製造装
置の発明は、さらに、前記第2の生成槽における散気手
段よりも径の大きな気泡を導入する散気手段を備えた第
3の生成槽を備えたことを特徴とする。この特徴によれ
ば、さらに第3の生成槽を備えた構成とすることによ
り、例えば細粒と中粒と粗粒などの粒径の異なる3種の
ガスハイドレート混合物を効率よく製造することができ
る。
【0012】請求項7に記載のガスハイドレート製造装
置の発明は、請求項5または6において、前記散気手段
が前記生成槽下部に設けられた多孔板であることを特徴
とする。この特徴によれば、散気手段として生成槽下部
に多孔板を設けたことにより、簡易な機構で効率よくガ
スハイドレート粒径の制御を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明方法でガスハイドレートの
製造に用いる原料ガスの種類は所定の圧力、温度条件で
ガスハイドレートを形成するものであれば特に限定され
ず、例えばメタン、天然ガス(メタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等の混合ガス)、炭酸ガス(二酸化炭素)等
を挙げることができる。本発明では、上記原料ガスを水
中に気泡として導入し、所定圧力および所定温度の下で
ガスハイドレートを生成させる。ここで、ガスハイドレ
ート生成に必要な圧力や温度条件はガスの種類により異
なるが、いずれも既知の条件で実施できる。
【0014】本発明のガスハイドレート製造方法におい
ては、水中に導入される原料ガスの気泡径(気泡の大き
さ)を制御することにより、異なる粒径のガスハイドレ
ートを生成させるものである。気泡径は、例えば多孔板
や散気管を介して散気させる方法であれば、孔の大きさ
により調節することができる。気泡径を制御することに
より、異なる粒径のガスハイドレートを生成させること
が可能になる理由は、以下のとおりである。
【0015】一般に、所定条件の下で水と接触したガス
は、水に溶解した後水和してガスハイドレートを生成す
る。水中に導入された気泡の場合は、水との接触面(す
なわち気泡表面)で水に溶解して気泡周囲に一定のガス
溶存領域を形成すると考えられる。図3に示すように、
気泡51の径が大きい場合[図3(a)]には気泡周囲
の溶存領域53も大きくなるため、ガスハイドレート生
成反応は比較的広範囲で同時に進行することになる。一
方、気泡51の径が小さい場合[図3(b)]には、気
泡周囲の溶存領域53は小さくなるため、ガスハイドレ
ート生成反応が進行する範囲も小さいものとなる。ここ
で、気泡51は浮力により水中を上昇していくため、溶
存領域の大きな大径の気泡の周囲では、ガスハイドレー
ト生成が溶存領域全体に渡り短時間で行われるため、粒
径の大きなガスハイドレートが生成するが、小径の気泡
の周囲では、ガス溶存領域が小さいため、粒径の小さな
ガスハイドレートが生成することになる。このように、
本発明の製造方法では、気泡径の大小による溶存領域の
差異を利用して、生成するガスハイドレートの粒径を制
御するものである。従って、例えば、気泡の径を大、
中、小に調節すれば、ガスハイドレートの粒径もそれぞ
れ大径、中径、小径に制御できる。ここで、ガスハイド
レートの製造においては完全な粒径の制御は不可能であ
り、一定範囲の粒径分布をとることから、製造過程で不
可避に生成してしまう所定粒径以外の粒径のものも含
め、上記粒径の相違は平均粒径を基準とした比較で区別
できればよい。
【0016】異なる粒径のガスハイドレートを組み合わ
せて混合物とする場合の例としては、粗粒の平均半径を
とした場合の細粒の平均半径を0.4R〜0.6
に制御することが挙げられ、特に、R(細粒の平
均半径)/R(粗粒の平均半径)を0.52〜0.5
3程度にすることが好ましい。粗粒と細粒との粒径の比
を上記の範囲とすることにより、混合物とした場合のガ
スハイドレート粒子間の無駄な空隙を極少とすることが
でき、密度の高い混合物が得られる。また、この場合の
粗粒と細粒との混合比は、例えば、粗粒80〜90重量
%程度で、細粒10〜20重量%程度であり、好ましく
は粗粒86〜88重量%で、細粒12〜14重量%であ
る。前記粒径比の下で粗粒と細粒との配合比を上記の範
囲とすることにより、粒径制御の効果が十分に発揮さ
れ、ガスハイドレートを高密度化することができる。
【0017】また、別の組み合わせの例として、実質的
に粗粒、中粒および細粒からなる粒径の異なったガスハ
イドレートを均一に混合した混合物を挙げることができ
る。この混合物では、粗粒の平均半径をRとした場合
の中粒の平均半径を0.4R 〜0.6R、細粒の平
均半径を0.2R〜0.3Rに制御することが挙げ
られる。特に、R(中粒の平均半径)/R(粗粒の
平均半径)を0.41〜0.42程度、かつR(細粒
の平均半径)/R(粗粒の平均半径)を0.22〜
0.23程度にすることが好ましい。粗粒と中粒と細粒
との平均粒径の比を上記の範囲とすることにより、混合
物とした場合のガスハイドレート粒子間の無駄な空隙を
極少とすることができ、密度の高い混合物が得られる。
また、この場合の粗粒と中粒と細粒との混合比は、粗粒
90〜94重量%程度、中粒5〜8重量%程度、細粒1
〜2重量%程度とすることができ、好ましくは粗粒92
〜93重量%、中粒6〜7重量%、細粒1〜2重量%で
ある。前記粒径比の下で粗粒と中粒と細粒との配合比を
上記の範囲とすることにより、前記粒径制御の効果が十
分に発揮されガスハイドレートを高密度化することがで
きる。
【0018】以上のように、本発明では、ガスハイドレ
ートの粒径に加え、配合比率をも制御することによっ
て、より高密度化を図ることが可能になる。
【0019】本発明において、粒径の異なるガスハイド
レート、例えば粗粒と細粒、または粗粒と中粒と細粒
は、例えば攪拌等の混合手段により全体にわたり均一に
混合される。このように均一に混合することにより、粗
粒ガスハイドレート同士の間隙を中粒や細粒のガスハイ
ドレートが満たすように混合物が高密度化する。
【0020】本発明のガスハイドレート混合物の形態
は、例えば、バルク状態、スラリー状態等にすることが
できる。バルク状態であれば、粗粒の間隙に細粒や中粒
が充填されることにより、従来40重量%程度とされて
いた貯槽への充填率を60重量%以上にすることが可能
になる。また、スラリー状態とした場合には、従来15
重量%程度が限界とされてきた流動可能な体積濃度を3
0重量%以上まで高めることが可能であることに加え、
必要な流動性を維持したガスハイドレート混合物スラリ
ーとなる。
【0021】図1は、本発明製造方法によるガスハイド
レート混合物の製造に適したガスハイドレート製造装置
100であり、主要な構成として細粒生成槽11、粗粒
生成槽21、混合槽31およびガスハイドレート貯槽4
1を備えている。
【0022】細粒生成槽11は、熱交換器等の冷却手段
(図示せず)を備え、内部を所定の温度および圧力に調
節できるように設計された耐圧容器により構成されてお
り、槽内の下部に細孔を有する多孔板13が配備され、
中心部には液相の攪拌を行う混合手段としての攪拌機1
7が設けられている。攪拌機17は、細粒生成槽11内
部の熱分布を均一にしてガスハイドレート生成熱を熱交
換器により効率的に除去できるようにする上で設置する
ことが好ましい。
【0023】細粒径のガスハイドレートを製造する方法
の一例として、細粒生成槽11では、水供給配管18か
ら槽内に導入し所定液量で貯留した水に、ガス供給配管
19からガスを槽内に供給するとともに、多孔板13の
細孔を介して小気泡として水中に散気させる。小気泡は
浮力によって上昇しながら水と接触して、所定圧力と温
度の下で所望の細粒径のガスハイドレートを生成させ
る。このような条件で生成した細粒ガスハイドレート5
5は、細粒生成槽11内の水相上部に浮上する。具体的
な温度、圧力、反応時間、多孔板13の細孔径や気泡
径、ガス流量などの条件は、目的とする細粒の大きさに
応じて設定することができる。
【0024】粗粒生成槽21は、前記細粒生成槽11と
同様に熱交換器等の冷却手段(図示せず)を備え、内部
を所定の温度および圧力に調節できるように設計された
耐圧容器により構成されており、槽内の下部に前記多孔
板13よりも大きな孔径を有する多孔板23が配備さ
れ、中心部には液相の攪拌を行う混合手段としての攪拌
機27が設けられている。この攪拌機27は、粗粒生成
槽21内部の熱分布を均一にしてガスハイドレート生成
熱を熱交換器により効率的に除去できるようにする上で
設置することが好ましく、攪拌速度は細粒生成槽11に
おける攪拌器17と同じ程度でよい。
【0025】粗粒径のガスハイドレートを製造する方法
の一例として、粗粒生成槽21では、水供給配管28か
ら槽内に導入し所定液量で貯留した水中に、ガス供給配
管29からガスを槽内に供給するとともに、多孔板23
の孔(多孔板13よりも孔径が大きい)を介して前記小
気泡より大きな気泡として水中に散気させる。この大き
めの気泡は、浮力によって上昇しながら水と接触して、
所定圧力と温度の下で所望の粗粒径のガスハイドレート
を生成させる。このような条件で生成した粗粒ガスハイ
ドレート56は、生成容器内の水相上部に浮上する。具
体的な温度、圧力、反応時間、気泡径や多孔板23の孔
径、ガス流量などの条件は、目的とする粗粒の大きさに
応じて設定することができる。
【0026】生成した細粒ガスハイドレート55および
粗粒ガスハイドレート56は、抜出ポンプ14、24の
作用によりそれぞれ排出して所定比率で混合槽31へ導
入する。この混合槽31は、混合手段として攪拌機32
を備えており、細粒ガスハイドレート55および粗粒ガ
スハイドレート56は均一に、すなわち、全体にわたり
粗粒ガスハイドレート同士の間隙を細粒ガスハイドレー
トが埋めるように混合される。これによって、高密度充
填型のガスハイドレート混合物57が得られ、バルク状
態での取り扱いにおいては高密度充填型のガスハイドレ
ートとなり、スラリー化した場合は高濃度のガスハイド
レートスラリーとなる。
【0027】図1の装置では、粗粒と細粒とを混合・攪
拌した後のガスハイドレート混合物57を、ポンプ34
により貯槽41へ流送する構成になっており、貯槽41
において安定した状態で貯蔵される。必要に応じて貯槽
41には、製造したガスハイドレート混合物57を均一
な状態に維持するための攪拌機42を設けることもでき
る。
【0028】図1の装置では、細粒生成槽11および粗
粒生成槽21は、別々の容器としたが、圧力等の条件が
許す場合には、例えば一体型容器に隔壁を介して細粒生
成槽11と粗粒生成槽21を隣接配置する構成にするこ
とも可能である。
【0029】また、粗粒、中粒、細粒の三成分系の場合
でも、上記に準じた装置構成および方法により、高濃度
のガスハイドレート混合物57を製造することができ
る。
【0030】図2は、本発明の第2実施形態に係るガス
ハイドレート製造装置101を示す図面であり、主要な
構成としてガスハイドレート混合物生成槽61およびガ
スハイドレート貯槽41を備えている。ここでは、ガス
ハイドレート混合物生成槽61に、第1実施形態の製造
装置における細粒生成槽11、粗粒生成槽21および混
合槽31の役割を持たせることにより、装置構成を著し
く簡素なものとすることが可能になった。
【0031】ガスハイドレート混合物生成槽61は、熱
交換器等の冷却手段(図示せず)を備え、内部を所定の
温度および圧力に調節できるように設計された耐圧容器
により構成されており、槽内の下部に第1の散気手段と
して細孔を有する多孔板13および第2の散気手段とし
て前記多孔板13よりも大きな孔径を有する多孔板23
が、生成槽61の断面を所定の面積比率で占めるように
区分して配備されている。この多孔板13と多孔板23
の面積の比率は、例えば細粒ガスハイドレート55と粗
粒ガスハイドレート56が好適な比率で生成されるよう
に設定することができる。ガスハイドレート混合物生成
槽61の中心部には液相の上部および下部に当る位置に
攪拌翼を備えた混合手段としての攪拌機67が設けられ
ている。この攪拌機67は、ガスハイドレート混合物生
成槽61内部の熱分布を均一にしてガスハイドレート生
成熱を熱交換器により効率的に除去できるようにすると
ともに、液相上部では生成した細粒ガスハイドレート5
5および粗粒ガスハイドレート56を攪拌して均一に混
合する機能を有するものである。
【0032】ガスハイドレート混合物57を製造する方
法の一例として、ガスハイドレート混合物生成槽61で
は、水供給配管68から槽内に導入し所定液量で貯留し
た水に、ガス供給配管69からガスを槽内に供給すると
ともに、多孔板13の細孔より小さな気泡として、同時
に多孔板23の粗孔より大きな気泡として、それぞれ水
中に散気させる。小さな気泡は浮力によって上昇しなが
ら水と接触して、所定圧力と温度の下で所望の細粒ガス
ハイドレート55を生成させ、同様に大きな気泡は粗粒
ガスハイドレート56を生成させる。このような条件で
生成した細粒ガスハイドレート55および粗粒ガスハイ
ドレート56は、生成容器内の水相上部に分散し、ここ
で攪拌混合されて均一なガスハイドレート混合物57が
得られる。具体的な温度、圧力、反応時間、多孔板1
3、23の径や気泡径、ガス流量などの条件は、目的と
する細粒および粗粒の大きさに応じて設定することがで
きる。生成したガスハイドレート混合物57は、抜出ポ
ンプ64の作用により槽外へ排出して回収する。粗粒、
中粒および細粒のガスハイドレート混合物を製造する場
合には、前記多孔板として、大、中および小の孔を有す
るものを所定面積比率で設置すればよい。
【0033】このように、本第2実施形態では、ガスハ
イドレート混合物生成槽61内に孔径の異なる多孔板1
3、23を配備することにより、細粒ガスハイドレート
55、粗粒ガスハイドレート56を同時に所望の比率で
生成させて混合物として回収することができるととも
に、装置構成を著しく簡素化できる。第2実施形態にお
ける他の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一
の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
【実施例】次に実施例等を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれによって何ら制約されるもので
はない。
【0035】実施例1 図1に示す構成のガスハイドレート製造装置により、天
然ガスと水とを原料にして天然ガスハイドレート混合物
を製造した。
【0036】粗粒の製造においては、温度、圧力および
気泡径を調整することによって、平均半径が約0.5m
mになるように制御した。同様に、細粒の製造において
は、平均半径が約0.25mmになるように制御した。
粗粒と細粒との平均半径の比(R/R)は、約0.
5であった。
【0037】得られた天然ガスハイドレートの粗粒と細
粒とを85:15の混合比で混合することにより、本発
明天然ガスハイドレート混合物スラリーを製造した。こ
のガスハイドレート混合物は、貯蔵槽における充填密度
が、30%であった。
【0038】比較例1 実施例1で製造した粗粒の天然ガスハイドレートを以っ
て比較例1とした。この天然ガスハイドレートは貯蔵槽
における充填密度が20〜25%であった。
【0039】比較例2 実施例1で製造した細粒の天然ガスハイドレートを以っ
て比較例2とした。この天然ガスハイドレートは貯蔵槽
における充填密度が10〜15%であった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、大きさの異なるガスハ
イドレートを所望の粒径比および混合比で均一に混合し
てなる高密度で輸送や貯蔵に便利なガスハイドレート混
合物を簡易な装置構成で容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガスハイドレート製造装置の第1実施形
態の説明に供する図面。
【図2】本発明ガスハイドレート製造装置の第2実施形
態の説明に供する図面。
【図3】水中における原料ガスの気泡の状態を説明に供
する模式図であり、(a)は大気泡、(b)は小気泡に
それぞれ溶存領域が生じている状態を示す。
【符号の説明】
11 細粒生成槽 14 抜出ポンプ 15 駆動部 17 攪拌機 18 水供給配管 19 ガス供給配管 21 粗粒生成槽 23 多孔板 24 抜出ポンプ 25 駆動部 27 攪拌機 28 水供給配管 29 ガス供給配管 31 混合槽 32 攪拌機 34 抜出ポンプ 35 駆動部 36 攪拌軸 37 攪拌翼 41 貯槽 42 攪拌機 45 モーター 46 攪拌軸 47 翼 51 気泡 53 ガス溶存領域 55 細粒ガスハイドレート 56 粗粒ガスハイドレート 57 ガスハイドレート混合物 61 ガスハイドレート混合物生成槽 64 抜出ポンプ 65 駆動部 67 攪拌機 68 水供給配管 69 ガス供給配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 7/20 C07C 9/04 9/04 C10L 3/00 A (72)発明者 新井 敬 千葉県市原市八幡海岸通1番地 三井造船 株式会社千葉事業所内 (72)発明者 永森 茂 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 小野 純二 東京都中央区築地5丁目6番4号 三井造 船株式会社内 (72)発明者 奥井 智治 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 川崎 達治 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 横井 泰治 東京都港区海岸1丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 Fターム(参考) 4G046 JA04 JB03 4H006 AA02 AA04 AC93 BD81 BE60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定圧力および所定温度の下、生成槽内
    で水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを製造
    するガスハイドレートの製造方法であって、 前記生成槽内の水に原料ガスを気泡として導入するとと
    もに、該気泡を異なる2つ以上の気泡径に制御すること
    により、異なる2つ以上の粒径のガスハイドレートを生
    成させて、 該異なる2つ以上の粒径のガスハイドレートを均一に混
    合することを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 所定圧力および所定温度の下、水と原料
    ガスとを反応させてガスハイドレートを製造する1つま
    たは2つ以上の生成槽と、 前記生成槽内の水に原料ガスを導入して、2つ以上の異
    なる径の気泡を発生させる散気手段と、 該2つ以上の異なる径の気泡からそれぞれ生成する、2
    つ以上の異なる粒径のガスハイドレートを均一に混合す
    る混合手段と、を備えたガスハイドレートの製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、2つ以上の生成槽
    に、発生させる気泡径が異なる散気手段をそれぞれ配備
    したことを特徴とする、ガスハイドレート製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、前記散気手
    段が前記生成槽下部に設けられた多孔板であることを特
    徴とする、ガスハイドレート製造装置。
  5. 【請求項5】 所定圧力および所定温度の下、生成槽内
    で水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを製造
    するガスハイドレートの製造装置であって、 水に原料ガスを所定径の気泡として導入する散気手段を
    備えた第1の生成槽と、 前記第1の生成槽における散気手段よりも径の大きな気
    泡を導入する散気手段を備えた第2の生成槽と、 前記生成槽でそれぞれ生成した粒径の異なるガスハイド
    レートを混合するための混合手段と、を備えたことを特
    徴とする、ガスハイドレート製造装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記第2の生成槽における散気
    手段よりも径の大きな気泡を導入する散気手段を備えた
    第3の生成槽を備えたことを特徴とする、ガスハイドレ
    ート製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6において、前記散気手
    段が前記生成槽下部に設けられた多孔板であることを特
    徴とする、ガスハイドレート製造装置。
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