JP2004346184A - ガスハイドレートの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガスハイドレートの連続的製法及び装置の提供
【解決手段】ガスと水からガスハイドレートを製造する方法において、ガスと液体状のガス及び水を低温かつ高圧力下に混合した後、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に、ガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことを特徴とするガスハイドレートの製造方法及び装置。
【選択図】 なし
【解決手段】ガスと水からガスハイドレートを製造する方法において、ガスと液体状のガス及び水を低温かつ高圧力下に混合した後、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に、ガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことを特徴とするガスハイドレートの製造方法及び装置。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスハイドレートの製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水分子が水素結合によってかご状構造を形成し、かご状構造中の空隙にメタンなどのゲスト分子を取り込んで安定化し結晶化された、ガスハイドレートを形成することが知られている。メタンやその他の炭化水素は、メタンの圧力が400PSIで水の温度が0℃のときに水和物が形成される。このようにして形成されたガスハイドレートは、地下に埋蔵されており、エネルギー資源として注目されている(特許文献1)。
ところで、ガスハイドレートの生成には、前記の通り、低温・高圧条件を必要とすることが知られている。ハイドレート結晶の構造としては、3つの型が知られており、I型、II型、H型と記述される。具体的には、ハイドレートI型は、6X・2Y・46H2Oという化学式をとるといわれており、ゲスト分子(X、Y)には、メタンや二酸化炭素がなる。また、フロン系の温室効果ガスは主にII型のハイドレートを形成するといわれており、化学式は8X・16Y・136H2Oと表される。
近年、このハイドレートを形成させて、そのハイドレートを利用する応用技術についても、広く研究されている。例えば、地球温暖化の対策として、二酸化炭素を水又は海水と反応させてハイドレートを形成させて、海底に貯留することが検討されている(特許文献2)。また、フロンなどの温室効果ガスも、比較的低圧力でハイドレートを生成することから、新たな分離や回収の研究が行われている(非特許文献1)。また、メタンなどの天然ガスをハイドレート化して得られるクラスレートに包接された天然ガス構成分子の分子間距離は、天然ガスが緊密充填された場合のガスボンベ中における緊密充填された固体を生成しえることを意味しており、メタンハイドレートが安定して存在する条件下(−30℃・大気圧下)において、気体状態と比較して約1/170の体積にすることができる。このハイドレートの製造法を確立することにより、従来、天然ガスなどをすることで輸送や貯蔵が効率的になることが期待されている(特許文献3)。
ガスハイドレートの製造方法には、各種の方法が開発されている。天然ガスとガス混合させて、冷却手段を有し、水又は不凍液が充填されている筒状反応器中にノズルから噴射し、反応器内で生成したメタンハイドレートを反応器外へ取り出すもの(特許文献4)、ガス導入管を通してガスを、水又は不凍液が充填されている、冷却手段を有する筒状反応器中にノズルから供給し、反応器内で生成したメタンハイドレートを反応器外へ取り出すもの(特許文献5)、冷却手段を有する筒状反応器中にノズルから供給し、反応器内で生成したメタンハイドレートを反応器外へ取り出すもの(特許文献6)などが知られている。
これらの方法は、ハイドレートの生成の際には、攪拌が十分に行われる反応器が用いられる。これは、ハイドレートは水とゲスト分子のガスまたは液の界面でのみ生成することから、効率の良いハイドレートの生成には、攪拌操作あるいは、ガスと水が十分に接触することが必要とされるためである。
しかしながら、これらの方法では、生成するハイドレートは、必然的に、水の含有量が多くなり、脱水が必要となることが多い(特許文献7)。また、得られるハイドレートは、未反応のガスや水を多量に含有するものであり、ハイドレートを利用する場合には、効果的ではない。このようなことから、ハイドレートを合成する際に、未反応の反応原料を含有しない、細かい径で、効率よく目的物質であるガスハイドレートを製造する方法及びその製造装置の開発が必要とされている。
また、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを製造する方法において、原料水と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料水に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスハイドレートを生成する工程とを備えたことを特徴とするガスハイドレート製造方法が知られている(特許文献8)。この方法によれば、反応管は、単数又は複数の屈曲した管からなり、この管の周面を冷却するものである。この反応においては、反応を単純化された反応管内で進めることができるというものの、十分に反応を進行させることができない。また、この種の反応装置の混合手段としてねじれた形状の長板をもうけることも知られている(特許文献9)。この方法では、単にねじれた形状の長板が単純に連続的に続く構造のために、反応原料はねじれた形状の長板に沿って流れることになり、その結果、一方向への外側に向かう回転流を発生させることとなり、回転流の外側領域でハイドレートは形成され、流れの中心部には、未反応ガスが残存してしまう結果となり、前記の反応器と同様に十分な反応を進行させることができない。また、いずれの方法においても生成されるハイドレートによる管閉塞に対して十分な処置を取ることができない。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−25021号公報
【特許文献2】
特開2001−348584号公報
【特許文献3】
特開2001−348583号公報
【特許文献4】
特開2000−309548号公報
【特許文献5】
特開2000−302701号公報
【特許文献6】
特開2000−264852号公報
【特許文献7】
特開2001−348583号公報
【特許文献8】
特開2002−356685号公報
【特許文献9】
特開2003−55676号公報
【非特許文献1】
岡野ら, GHGT−6 proceedings, no. NCP−5
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ガスハイドレートの連続的製法及び装置に関し、原料ガスと水を製造部分において、これらの原料物質を十分に混合させ、製造を促進させることにより、未反応の反応原料を含有しないガスハイドレートを効率よく製造する方法及びその製造装置を提供することである。また、管内部に流れる流体を意図的に乱流にすることで、他の操作を加えることなく製造されるハイドレートによる管閉塞を抑制する製造方法および製造装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、前記課題を解決する手段について鋭意研究を進め、以下の知見を得た。
ガスハイドレートを生成させる又は製造する際に、ガスハイドレートであるCO2液滴などの生成されるガスハイドレートの液滴を限りなく、微小化した状態で反応させると、全ての注入CO2をハイドレート化できると考えられる。しかしながら、この状態で、空の状態の管状の反応器に供給しても反応を十分に完結させることはできない。
微小化すると共に、或いは微小化された状態の下で、従来の方法で行われてきた攪拌などとは相違して板などの衝撃体にガスと水の混合流れをぶつけることにより、ガスと水の混合物を微小化することが考えられたが、その部分で流れが停止してしまい、連続的にハイドレートを一定の大きさで得られることができないことがわかった。
【0006】
そこで、高速の流れの連続流として供給し、その流れの途中にエレメントとなる複数の障害物を置いておき、その部分をすり抜けるようにして通過させると、生成されるCO2液滴によるガスハイドレートへの転換作用が増大することができ、同時にハイドレート薄膜の剥離が促進され、液滴表面に形成されたハイドレート薄膜を連続的に剥がしていくことが可能となり、全ての注入CO2から径の小さい細かいハイドレートが得られること、その際にガスと水の混合流を高速で低温高圧下に供給することが有効であることを見出した。
【0007】
ハイドレートを製造する際に、ハイドレート薄膜の剥離の現象が、既に知られている。この現象をハイドレート製造部分に積極的に利用することも有効である。この現象は、Tengら[Teng and Yamasaki; 1999]によって確認されている。液滴表面に形成されたハイドレート薄膜を連続的に剥がしていくことで、全ての注入CO2をハイドレート化できる(図6)というものである。これは、はく離される部分が細かい径のハイドレートを製造するものであるから、細かい径のハイドレートを製造しようとするときには、有効に利用することができると考えられる。
このような作用を行うことが可能なエレメントの選択と設置が必要とされる。
【0008】
反応装置の混合手段としてねじれた形状の長板を設けることも方法に関して、単にねじれた形状の長板が単純に連続的に続く構造のために、反応原料はねじれた形状の長板に沿って流れるだけであり、前記の微細化は達成できない。
今まで、検討してきた製造装置のエレメントに関して従来と相違する作用を可能とする形状の検討を行い、新たな形状について見出した。
【0009】
本発明者らは、ガスハイドレート製造・生成反応においては、混合攪拌を効果的に行うことが必要である点に着目し、送り方向に対して、捩れて回転動作を与えるエレメントに関し、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分にガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことができることを見出して、本発明を完成させた。
また、同時に流速を、速くするように調節することにより、前記のエレメントは一層良好に作用し、生成するCO2液滴であるハイドレートの直径を限りなく微小化することができ、転換及び剥離を行わせ、かつこれを反応に関与する原料のガスと水を高速で流すことにより、未反応物などを含まない状態で効率よく目的物質であるガスハイドレートを製造することができることを見つけたものである。
【0010】
以下の本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)ガスと水からガスハイドレートを製造する方法において、ガスと液体状のガス及び水を低温かつ高圧力下に混合した後、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に、ガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
(2)前記高速が乱流域を形成するものであることを特徴とする(1)記載のガスハイドレートの製造方法。
(3)ガスと水からガスハイドレートを製造する装置において、ガス供液体状ガス供給部及び水供給部、ガス及び水の混合部、ガスと水の反応部及び生成物分離部から構成され、ガス及び水の製造部は、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に固定されて設けられており、高速条件下にガス及び水が混合状態で導入され、ガスハイドレートとして取り出される構造であることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。
(4)前記高速条件が乱流域を形成するものであることを特徴とする(3)記載のガスハイドレートの製造装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガスハイドレート生成に関するものである。
本発明のガスハイドレートの生成に用いられるガスは、メタン、エタンなどの炭化水素、二酸化炭素、フロン系の温室効果ガス(R−22、HFC134aなどのフロンガス、SF6など)などガスハイドレートを生成することができるガスであれば、種類もガスか液体かの状態も問題とならない。これらは選択するガスに応じて温度、圧力を設定することで、目的とするガスハイドレートを得ることができる。本発明は、特定のハイドレートの製法及び装置に限定されるものではない。
【0012】
本発明を、以下に図を用いて説明する。
図1は、本発明の全体を示す図である。本発明における説明には液体のガスを使用する場合について述べるが、気体のガスを使用する場合にも適用できる。
図2は、ハイドレート製造部分を示す図である。
本発明の装置全体は、ハイドレート製造部分(反応器)1、反応ガスのホルダー2、水タンク3、及び混合器4、及び溶液取出部5から構成される。本発明では、実験用の装置であり、データ収集の目的から観察ユニット6が設けられている。これは、実装置において内容を観察するなどの必要がない場合には、省略してもよい。
ガスホルダー2には、ガスが圧力容器に充填されているものであり、ガスが液体で供給することができるために貯蔵の役割を果たしている。貯蔵を目的とすることから、加圧状態にあり、必要な圧力程度には加圧状態に保つことができる。圧力表示の設備が設置されている。炭酸ガスを用いる場合には、通常、圧力は、5.0MPaであり、温度は20℃である。
水タンク3には、ハイドレート生成用の水が貯蔵されている。ガスハイドレートに不純物を含有していてかまわない場合には、不純物を含む水であっても差し支えない。
これらの液体ガスと水は、混合器4内で混合されて、反応部分(ガスハイドレート製造部分)1に供給される。混合器4の構造は、液体と液体が接触できる構造のものである。液体ガスが供給されて液体の流れを形成しているところに液体である水が供給され、2液流体が形成される。低温で高圧状態が設定される。炭酸ガスを用いる場合には、低温かつ高圧状態としては、以下の条件が設定される。
「温度4℃、圧力7.0MPa。」
ハイドレート生成条件は、水−ガス−ハイドレートの三相平衡曲線に従うが、ハイドレートを実際に生成する際には三相平衡曲線から求められる温度、圧力よりも過冷却または加圧が必要とされる。例えば炭酸ガスにおける三相平衡曲線は以下のように知られている(E. D. Sloan, 1998)。
P [kPa] = exp(44.580−10246.28/T [K])(11℃から0℃まで)
P [kPa] = exp(18.594−3161.41/T [K])(0℃から−25℃まで)
これらの式でも込められる温度以下、または圧力以上の条件であればよい。過冷却状態にするには、ジャケットによる熱交換操作により、又、加圧状態については流体に加圧することにより容易に達成される。
混合器に供給される液状ガスと水の割合は任意に定めることができる。一般には、その混合割合は0.8〜20vol/vol%(0.2〜3.0mol/mol%)の範囲である。
液状であるガスの量及び水の量の量比により生成されるガスハイドレートの量及び未反応ガス及び未反応の水の量が決定される。
反応部分1内には、液状ガスと水からなる混合流体の流れが、螺旋状に流れを形成するように、流路に沿って固定されたエレメントが設置されている(図2)。
エレメントの形状は、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメント(図3)と、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数からなる構造をしている(図2)。ガスと水の流れは、エレメントに沿って進行方向に移動することにより、混合、転換及び攪拌された状態を導き出す。
実際にエレメントを製作するときには、金属板が用いられる。しかしなら、この形状を作り出すことは、ねじることにより製造されることも行われるが、この形状とするために切削、鋳型に入れて鋳造するなどして製造されることもある。接合部は溶接される。
材料は、主にステンレスであるが、硝子やテフロン(登録商標)が使用されることもある。滑らかな表面とする。必要に応じてライニングを施す。
エレメントの数は、適宜選択することができるが、少なくとも2個或いはそれ以上は必要である。この数は多い方が良好な結果が得られる。
この部分に流入し、エレメントの作用により混合、転換及び攪拌された状態で反応するガスとハイドレートは高速で通すことが重要である。この高速条件により、原料物質の混合攪拌作用と反応の促進作用をもたらすものである。
本発明における高速とは、0.08m/sec以上の状態を意味する。また、0.28m/sec以上では一般に乱流域の状態を意味し、それ以下は層流域である。反応器内部を流れる全流体を基準とするRe数で表現すると、乱流とは2300以上の状態である。層流域における流体も、反応器内部のエレメントの設置により流体は乱され、乱流状態となる。0.08m/sec未満では満足な結果を得ることができない。
【0013】
液体ガスと水からなる混合流体からガスハイドレートを生成させる、特にその径が小さいものを形成させるには、螺旋状のエレメントが、効果的に作用する。
エレメントにより液体の混合物に与えられる攪拌に必要とされる3つの以下の作用が与えられる。すなわち、反転、分割、転換である。
反転作用は、液体の入った瓶を振るような状態を、気体ガスと水の混合物により管内に作り出す。液体の進行方向が反転するものである。
分割作用は、液体ガスと水の混合物の液体を分ける効果がある。
転換作用は、液体ガスと水の混合物の流体の位置を変える作用がある。
この3つの作用がエレメントの働きにより同時に起こることにより、均一な攪拌が達成される。
攪拌に必要な駆動力は、流体の流れによるものなので、所要動力は流体がエレメントを通過したときの圧力損失に応じて必要となるもののみであり、ほかに外部からの動力供給を必要としない。その結果、他にエネルギーを加えることなく、簡単に流体を攪拌することが可能である。
また、この状態ではハイドレート生成反応は、界面積の増加と水流れへの非常に均一な液体ガス分散の達成により飛躍的に促進される。
液滴の平均径について、本発明で用いられるエレメントの効果を確認するために、エレメントを設けない場合と比較すると、図5で示す通りである。
この図から明らかなように、エレメントの存在下に本発明で形成されるガスハイドレートの平均径は、細かくその分布範囲も狭まっているものである。
エレメントの数を増加させることは、細かい径の混合物を形成するうえで好ましいことである。
【0014】
【実施例】
以下に具体例で、本発明の内容を説明する。
しかしながら、本発明は上述したようにこれに限定されるものではない。
実施例1
図1及び2に示す装置を用いてハイドレートの製造を行った。ハイドレート製造分には、エレメントを内蔵するスタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテッド製3/8−N10−522N)を1または2本使用した。このエレメント製造部分は、内管10.9mm、長さ210mmであり、エレメントは1本につき12個設置されている。1つのエレメントのピッチ(縦横の比)は1.5である。全ての素材はSUS316である。
装置全体(図1の点線部分)は、一定温度4℃に冷却してある。低温4℃・高圧7.0MPa下で液体CO2とイオン交換水をスタティックミキサーにそれぞれの高圧ポンプによって一定量供給した。液体CO2の純度は、99.9%以上であり(昭和炭酸)、水はイオン交換された水を用いた。液体CO2と水は、あらかじめ実験条件温度まで冷却した。液体CO2の流量は、高圧ポンプ(日本精密製NP−AX−70)によって11.5から93.4ml/minに調節された。水は高圧ポンプ(富士ポンプ製2JN224−10V)で472から2981ml/minまで変化させた。
スタティックミキサーを通過した後の混合流体の状態を観察部でビデオ撮影した。粒子径は撮影した画像から測定された。観察部は内径10.6mm、長さ300mmあり、ポリカーボネートで特別に作成された。混合流体の温度は冷却ジャケットによってコントロールし、ジャケット内に冷却用水(エチレングリコール水溶液)を循環させた。温度は精度±0.1K、圧力は精度±0.01MPaで制御された。
【0015】
生成するガスハイドレートの径を細かくするためには、液体ガスと水から形成される連続相の流速を速めて高速とすることが必要である。具体的には、液体ガス及び水の流れのRe数、We数を大きくすることである。Re数で言えば、乱流域を形成するようにすることが重要である。
このことをエレメントの作用を通じて調べると以下の通りである。
図4aは空管(エレメントを設置しない場合)に液体CO2−水混合流体を流した後の混合状態、図4bはエレメントを設置したハイドレート反応部分用いた場合の混合状態を示す。
どちらの場合も表面にハイドレート膜を有する液体CO2液滴の分散流となった。連続相(水)流速や液体CO2流速を調節することによって、常に上図のような液体CO2液滴分散流が得られた。
液体CO2液滴分散流が常に得られるのは、管内径基準の連続相のレイノルズ数(Re)が2300以上のとき、すなわち連続相が乱流である場合であった。Re < 2300の層流域のときには、表面にハイドレート膜を有した液体CO2液滴が会合し、plug流となった。
なお、使用条件は、以下の通りである。
圧力 7.0MPa, 温度 277K, 液体CO2 flow 46.6ml/min, 水流量 2.06L/min。
この結果から、エレメントの作用及び乱流域で液体ガスと水を流すことが有効であることがわかる。
【0016】
生成するガスハイドレートの液滴の平均径は、Sauter平均径(SMD)で表すことができる。SMDは式1のように定義される。
ここで、Niは直径Diを有する液滴数である。
図4に示した実験条件でのSauter平均径は、空管のときに1.63mm、エレメントを設けたとき0.40mmであった。CO2および水の流速が異なる実験においても、エレメントを用いた場合にSMDが小さくなる傾向が見られた。この結果は、液滴がエレメントによって攪拌され、分裂していることを示すものである。
図5は、図4で示す実験結果の液滴径分布を示す図である。
エレメントの効果により、均一で、より細かい液滴が低温高圧条件下において形成されていることを確認できた。液滴表面でのハイドレート形成は非常に速いので、分裂後の液滴が表面にハイドレートが形成される前に再結合することはないと考えられる。
【0017】
液体CO2液滴の形成には、主に表面張力による力と流体力学的力によって決定されるので、Sauter平均径はWeber数(We)で整理できる。Weber数は式2のように定義される。
ここで、σは界面張力であり、エレメントを用いた場合のWe数は、Dをミキサー直径(D0)、ρを連続相密度、uを流体の平均線速度として求められる。
いま、液滴表面には径と比べて無視できるほど薄いCO2ハイドレートが形成されていると考えると、外部流体の水と接するのはハイドレートである。水−CO2ハイドレート間とCO2ハイドレート−液体CO2間の界面張力は、水−液体CO2間の界面張力0.029 N/m(266〜285K)より約26%小さい。
したがって、0.0215 N/mとなる。本発明の実験条件における液体CO2の平均モル分率は最大でも0.06であるので、連続相として考えた場合、液体CO2の密度への影響は無視できる。
以上の条件の下、SMDをWe数によって整理した(図7)。
いずれの場合もSMDはWe数の関数、SMD/D0 = AWeB、として整理することができた。このように、SMDはWe数によって支配されていることがわかる。
これらの結果から、ハイドレート生成条件下でCO2液滴を限りなく微小化していくことで、全ての注入CO2をハイドレート化できると考えられる。ハイドレート液滴を細かくする効果は、連続相流速の増大(We数の増加)のほかに、エレメントによる作用が非常に支配的であることがわかる。この効果には、エレメントの作用のうち、転換作用が非常に影響を与えていると考えられている。したがって、転換作用が増大する条件を作り出せればよいことになる。もう一つ考えられることとして、前記のハイドレート薄膜の剥離がある。この現象は、Tengら[Teng and Yamasaki; 1999]によって確認されている。液滴表面に形成されたハイドレート薄膜を連続的に剥がしていくことで、全ての注入CO2をハイドレート化できる(図6)と考えられる。
この剥離現象が起こっているときには、液滴表面に大きな物理的力が加わっている。このような効果を増大させるためには、液滴と流体の間の剪断力を増大させる必要がある。このように、エレメントによる転換作用の増大と剪断力の増大を考慮して条件を設定すれば、分散した液体CO2をすべてハイドレート化することが可能であると考えられる。
【0018】
前記の実験では、ハイドレートは液滴表面に形成されるのみであった。連続ハイドレート装置として確立するためには、注入したCO2全量がハイドレートにならなければならない。全てをハイドレート化するためには攪拌効果を増加させる必要がある。これらを達成するための最も簡単な方法としては2つある。1つは水の流速の増加、もう一つはエレメント数の増加である。
【0019】
はじめに水の流速について検討した。上述のようにWe数は連続相の流速の関数とみることができるので、水の流速を増加させるとWe数を増加させることになる。結果として液滴−連続相界面における剪断力を増加させたことになる。図8は水の流速増加に伴う混合流体の状態の変化を示す。実験条件は、スタティックミキサーを1基装備した装置を用い、圧力7MPa、温度277K、CO2流量46.6ml/minである。図の中に示したレイノルズ数(Re)は、管の内径基準の水の流速についての値である。水の流速が増加するにつれて液滴径が減少していき、We = 148.4(Re = 5807)のときには膜状のCO2ハイドレートが流体中を浮遊するようになった。この結果は、水の流速を増加させることによってエレメントによる攪拌効果の増大が得られ、結果として液滴の細分化と表面ハイドレート膜の剥離が起こったことを示している。この結果は我々の予測と一致する。
次にエレメント数について検討した。図9にはエレメント数が24個(エレメントを有する装置を2基)のときの観察部での流体の状態を示した。いずれの条件でも、混合流体中に膜状のCO2ハイドレートの浮遊が認められた。We = 148.4(Re = 5807)のときには、エレメント数を増大することによって全てのCO2をハイドレート化できることが確認された。エレメント数の増加によっても転換作用と剪断力の効果を増大させることが可能であり、我々の予測と一致する。このようなハイドレート化現象は、CO2濃度が増加しても一様に見られ、特に連続相が乱流となる流速では、管がハイドレートによって閉塞されることなく、一定の速度で連続的にハイドレートを生成できることが確認された。
【0020】
エレメント数を12以下の場合の効果やその設置方法を詳細に検討することにより、連続ハイドレート化に関してさらに適切な条件が設定できると考えられる。
エレメント数を増加させることにより、水の流量が層流域の場合にも連続してハイドレート塊(細かい径のハイドレートが凝集したもの)が生成された(図10)。これは、圧力7MPa、温度277Kの条件下、液体CO2(流量96.4ml/min)と水(0.47L/min)がスタティックミキサー2基通過後の混合流体の状態である。特にCO2濃度が高くなると、そのハイドレート塊を徐々に集めることによって、より大きなハイドレート塊を作ることも可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、水の流速とエレメント数を適切に選択することによって、高圧・低温条件下でスタティックミキサーを用い、注入した全ての液体CO2を容易にハイドレートにすることが可能である。特に連続相の水の流量が乱流域になるところでは効果的にハイドレート分散流が生成され、層流域になるところではハイドレート塊が生成される。
本発明の連続ハイドレート形成装置では、エレメントを有するハイドレート製造装置を用いることにより、注入したゲスト分子(CO2)は、実験条件を適切に選択することで容易に全てを連続的にハイドレート化することが可能であった。スタティックミキサーによる攪拌のためのエネルギー損失は外部から取り入れる必要はなく、エレメントによる圧力損失に依存するもののみであるので、非常に省エネルギーなハイドレート連続生成装置である。これにより、ハイドレートを連続生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイドレート製造装置全体図
【図2】反応器部分を示す図
【図3】エレメントを示す図
【図4】混合流体の状態を示す図
【図5】液滴径分布を示す図
【図6】ハイドレート膜の剥離現象を示す図
【図7】SMDとWe数の関係を示す図
【図8】We数の変化に伴う分散CO2の変化を示す図
【図9】We数、Re数の変化とハイドレート化の関係を示す図
【図10】ハイドレート塊の生成を示す図
【符号の説明】
1 ハイドレート製造部分
2 反応ガスのホルダー
3 水タンク
4 混合器
5 ハイドレート取出部
6 観察ユニット
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスハイドレートの製造方法及び製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水分子が水素結合によってかご状構造を形成し、かご状構造中の空隙にメタンなどのゲスト分子を取り込んで安定化し結晶化された、ガスハイドレートを形成することが知られている。メタンやその他の炭化水素は、メタンの圧力が400PSIで水の温度が0℃のときに水和物が形成される。このようにして形成されたガスハイドレートは、地下に埋蔵されており、エネルギー資源として注目されている(特許文献1)。
ところで、ガスハイドレートの生成には、前記の通り、低温・高圧条件を必要とすることが知られている。ハイドレート結晶の構造としては、3つの型が知られており、I型、II型、H型と記述される。具体的には、ハイドレートI型は、6X・2Y・46H2Oという化学式をとるといわれており、ゲスト分子(X、Y)には、メタンや二酸化炭素がなる。また、フロン系の温室効果ガスは主にII型のハイドレートを形成するといわれており、化学式は8X・16Y・136H2Oと表される。
近年、このハイドレートを形成させて、そのハイドレートを利用する応用技術についても、広く研究されている。例えば、地球温暖化の対策として、二酸化炭素を水又は海水と反応させてハイドレートを形成させて、海底に貯留することが検討されている(特許文献2)。また、フロンなどの温室効果ガスも、比較的低圧力でハイドレートを生成することから、新たな分離や回収の研究が行われている(非特許文献1)。また、メタンなどの天然ガスをハイドレート化して得られるクラスレートに包接された天然ガス構成分子の分子間距離は、天然ガスが緊密充填された場合のガスボンベ中における緊密充填された固体を生成しえることを意味しており、メタンハイドレートが安定して存在する条件下(−30℃・大気圧下)において、気体状態と比較して約1/170の体積にすることができる。このハイドレートの製造法を確立することにより、従来、天然ガスなどをすることで輸送や貯蔵が効率的になることが期待されている(特許文献3)。
ガスハイドレートの製造方法には、各種の方法が開発されている。天然ガスとガス混合させて、冷却手段を有し、水又は不凍液が充填されている筒状反応器中にノズルから噴射し、反応器内で生成したメタンハイドレートを反応器外へ取り出すもの(特許文献4)、ガス導入管を通してガスを、水又は不凍液が充填されている、冷却手段を有する筒状反応器中にノズルから供給し、反応器内で生成したメタンハイドレートを反応器外へ取り出すもの(特許文献5)、冷却手段を有する筒状反応器中にノズルから供給し、反応器内で生成したメタンハイドレートを反応器外へ取り出すもの(特許文献6)などが知られている。
これらの方法は、ハイドレートの生成の際には、攪拌が十分に行われる反応器が用いられる。これは、ハイドレートは水とゲスト分子のガスまたは液の界面でのみ生成することから、効率の良いハイドレートの生成には、攪拌操作あるいは、ガスと水が十分に接触することが必要とされるためである。
しかしながら、これらの方法では、生成するハイドレートは、必然的に、水の含有量が多くなり、脱水が必要となることが多い(特許文献7)。また、得られるハイドレートは、未反応のガスや水を多量に含有するものであり、ハイドレートを利用する場合には、効果的ではない。このようなことから、ハイドレートを合成する際に、未反応の反応原料を含有しない、細かい径で、効率よく目的物質であるガスハイドレートを製造する方法及びその製造装置の開発が必要とされている。
また、原料水と原料ガスとを反応させてガスハイドレートを製造する方法において、原料水と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料水に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスハイドレートを生成する工程とを備えたことを特徴とするガスハイドレート製造方法が知られている(特許文献8)。この方法によれば、反応管は、単数又は複数の屈曲した管からなり、この管の周面を冷却するものである。この反応においては、反応を単純化された反応管内で進めることができるというものの、十分に反応を進行させることができない。また、この種の反応装置の混合手段としてねじれた形状の長板をもうけることも知られている(特許文献9)。この方法では、単にねじれた形状の長板が単純に連続的に続く構造のために、反応原料はねじれた形状の長板に沿って流れることになり、その結果、一方向への外側に向かう回転流を発生させることとなり、回転流の外側領域でハイドレートは形成され、流れの中心部には、未反応ガスが残存してしまう結果となり、前記の反応器と同様に十分な反応を進行させることができない。また、いずれの方法においても生成されるハイドレートによる管閉塞に対して十分な処置を取ることができない。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−25021号公報
【特許文献2】
特開2001−348584号公報
【特許文献3】
特開2001−348583号公報
【特許文献4】
特開2000−309548号公報
【特許文献5】
特開2000−302701号公報
【特許文献6】
特開2000−264852号公報
【特許文献7】
特開2001−348583号公報
【特許文献8】
特開2002−356685号公報
【特許文献9】
特開2003−55676号公報
【非特許文献1】
岡野ら, GHGT−6 proceedings, no. NCP−5
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ガスハイドレートの連続的製法及び装置に関し、原料ガスと水を製造部分において、これらの原料物質を十分に混合させ、製造を促進させることにより、未反応の反応原料を含有しないガスハイドレートを効率よく製造する方法及びその製造装置を提供することである。また、管内部に流れる流体を意図的に乱流にすることで、他の操作を加えることなく製造されるハイドレートによる管閉塞を抑制する製造方法および製造装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者らは、前記課題を解決する手段について鋭意研究を進め、以下の知見を得た。
ガスハイドレートを生成させる又は製造する際に、ガスハイドレートであるCO2液滴などの生成されるガスハイドレートの液滴を限りなく、微小化した状態で反応させると、全ての注入CO2をハイドレート化できると考えられる。しかしながら、この状態で、空の状態の管状の反応器に供給しても反応を十分に完結させることはできない。
微小化すると共に、或いは微小化された状態の下で、従来の方法で行われてきた攪拌などとは相違して板などの衝撃体にガスと水の混合流れをぶつけることにより、ガスと水の混合物を微小化することが考えられたが、その部分で流れが停止してしまい、連続的にハイドレートを一定の大きさで得られることができないことがわかった。
【0006】
そこで、高速の流れの連続流として供給し、その流れの途中にエレメントとなる複数の障害物を置いておき、その部分をすり抜けるようにして通過させると、生成されるCO2液滴によるガスハイドレートへの転換作用が増大することができ、同時にハイドレート薄膜の剥離が促進され、液滴表面に形成されたハイドレート薄膜を連続的に剥がしていくことが可能となり、全ての注入CO2から径の小さい細かいハイドレートが得られること、その際にガスと水の混合流を高速で低温高圧下に供給することが有効であることを見出した。
【0007】
ハイドレートを製造する際に、ハイドレート薄膜の剥離の現象が、既に知られている。この現象をハイドレート製造部分に積極的に利用することも有効である。この現象は、Tengら[Teng and Yamasaki; 1999]によって確認されている。液滴表面に形成されたハイドレート薄膜を連続的に剥がしていくことで、全ての注入CO2をハイドレート化できる(図6)というものである。これは、はく離される部分が細かい径のハイドレートを製造するものであるから、細かい径のハイドレートを製造しようとするときには、有効に利用することができると考えられる。
このような作用を行うことが可能なエレメントの選択と設置が必要とされる。
【0008】
反応装置の混合手段としてねじれた形状の長板を設けることも方法に関して、単にねじれた形状の長板が単純に連続的に続く構造のために、反応原料はねじれた形状の長板に沿って流れるだけであり、前記の微細化は達成できない。
今まで、検討してきた製造装置のエレメントに関して従来と相違する作用を可能とする形状の検討を行い、新たな形状について見出した。
【0009】
本発明者らは、ガスハイドレート製造・生成反応においては、混合攪拌を効果的に行うことが必要である点に着目し、送り方向に対して、捩れて回転動作を与えるエレメントに関し、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分にガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことができることを見出して、本発明を完成させた。
また、同時に流速を、速くするように調節することにより、前記のエレメントは一層良好に作用し、生成するCO2液滴であるハイドレートの直径を限りなく微小化することができ、転換及び剥離を行わせ、かつこれを反応に関与する原料のガスと水を高速で流すことにより、未反応物などを含まない状態で効率よく目的物質であるガスハイドレートを製造することができることを見つけたものである。
【0010】
以下の本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)ガスと水からガスハイドレートを製造する方法において、ガスと液体状のガス及び水を低温かつ高圧力下に混合した後、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に、ガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
(2)前記高速が乱流域を形成するものであることを特徴とする(1)記載のガスハイドレートの製造方法。
(3)ガスと水からガスハイドレートを製造する装置において、ガス供液体状ガス供給部及び水供給部、ガス及び水の混合部、ガスと水の反応部及び生成物分離部から構成され、ガス及び水の製造部は、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に固定されて設けられており、高速条件下にガス及び水が混合状態で導入され、ガスハイドレートとして取り出される構造であることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。
(4)前記高速条件が乱流域を形成するものであることを特徴とする(3)記載のガスハイドレートの製造装置。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、ガスハイドレート生成に関するものである。
本発明のガスハイドレートの生成に用いられるガスは、メタン、エタンなどの炭化水素、二酸化炭素、フロン系の温室効果ガス(R−22、HFC134aなどのフロンガス、SF6など)などガスハイドレートを生成することができるガスであれば、種類もガスか液体かの状態も問題とならない。これらは選択するガスに応じて温度、圧力を設定することで、目的とするガスハイドレートを得ることができる。本発明は、特定のハイドレートの製法及び装置に限定されるものではない。
【0012】
本発明を、以下に図を用いて説明する。
図1は、本発明の全体を示す図である。本発明における説明には液体のガスを使用する場合について述べるが、気体のガスを使用する場合にも適用できる。
図2は、ハイドレート製造部分を示す図である。
本発明の装置全体は、ハイドレート製造部分(反応器)1、反応ガスのホルダー2、水タンク3、及び混合器4、及び溶液取出部5から構成される。本発明では、実験用の装置であり、データ収集の目的から観察ユニット6が設けられている。これは、実装置において内容を観察するなどの必要がない場合には、省略してもよい。
ガスホルダー2には、ガスが圧力容器に充填されているものであり、ガスが液体で供給することができるために貯蔵の役割を果たしている。貯蔵を目的とすることから、加圧状態にあり、必要な圧力程度には加圧状態に保つことができる。圧力表示の設備が設置されている。炭酸ガスを用いる場合には、通常、圧力は、5.0MPaであり、温度は20℃である。
水タンク3には、ハイドレート生成用の水が貯蔵されている。ガスハイドレートに不純物を含有していてかまわない場合には、不純物を含む水であっても差し支えない。
これらの液体ガスと水は、混合器4内で混合されて、反応部分(ガスハイドレート製造部分)1に供給される。混合器4の構造は、液体と液体が接触できる構造のものである。液体ガスが供給されて液体の流れを形成しているところに液体である水が供給され、2液流体が形成される。低温で高圧状態が設定される。炭酸ガスを用いる場合には、低温かつ高圧状態としては、以下の条件が設定される。
「温度4℃、圧力7.0MPa。」
ハイドレート生成条件は、水−ガス−ハイドレートの三相平衡曲線に従うが、ハイドレートを実際に生成する際には三相平衡曲線から求められる温度、圧力よりも過冷却または加圧が必要とされる。例えば炭酸ガスにおける三相平衡曲線は以下のように知られている(E. D. Sloan, 1998)。
P [kPa] = exp(44.580−10246.28/T [K])(11℃から0℃まで)
P [kPa] = exp(18.594−3161.41/T [K])(0℃から−25℃まで)
これらの式でも込められる温度以下、または圧力以上の条件であればよい。過冷却状態にするには、ジャケットによる熱交換操作により、又、加圧状態については流体に加圧することにより容易に達成される。
混合器に供給される液状ガスと水の割合は任意に定めることができる。一般には、その混合割合は0.8〜20vol/vol%(0.2〜3.0mol/mol%)の範囲である。
液状であるガスの量及び水の量の量比により生成されるガスハイドレートの量及び未反応ガス及び未反応の水の量が決定される。
反応部分1内には、液状ガスと水からなる混合流体の流れが、螺旋状に流れを形成するように、流路に沿って固定されたエレメントが設置されている(図2)。
エレメントの形状は、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメント(図3)と、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数からなる構造をしている(図2)。ガスと水の流れは、エレメントに沿って進行方向に移動することにより、混合、転換及び攪拌された状態を導き出す。
実際にエレメントを製作するときには、金属板が用いられる。しかしなら、この形状を作り出すことは、ねじることにより製造されることも行われるが、この形状とするために切削、鋳型に入れて鋳造するなどして製造されることもある。接合部は溶接される。
材料は、主にステンレスであるが、硝子やテフロン(登録商標)が使用されることもある。滑らかな表面とする。必要に応じてライニングを施す。
エレメントの数は、適宜選択することができるが、少なくとも2個或いはそれ以上は必要である。この数は多い方が良好な結果が得られる。
この部分に流入し、エレメントの作用により混合、転換及び攪拌された状態で反応するガスとハイドレートは高速で通すことが重要である。この高速条件により、原料物質の混合攪拌作用と反応の促進作用をもたらすものである。
本発明における高速とは、0.08m/sec以上の状態を意味する。また、0.28m/sec以上では一般に乱流域の状態を意味し、それ以下は層流域である。反応器内部を流れる全流体を基準とするRe数で表現すると、乱流とは2300以上の状態である。層流域における流体も、反応器内部のエレメントの設置により流体は乱され、乱流状態となる。0.08m/sec未満では満足な結果を得ることができない。
【0013】
液体ガスと水からなる混合流体からガスハイドレートを生成させる、特にその径が小さいものを形成させるには、螺旋状のエレメントが、効果的に作用する。
エレメントにより液体の混合物に与えられる攪拌に必要とされる3つの以下の作用が与えられる。すなわち、反転、分割、転換である。
反転作用は、液体の入った瓶を振るような状態を、気体ガスと水の混合物により管内に作り出す。液体の進行方向が反転するものである。
分割作用は、液体ガスと水の混合物の液体を分ける効果がある。
転換作用は、液体ガスと水の混合物の流体の位置を変える作用がある。
この3つの作用がエレメントの働きにより同時に起こることにより、均一な攪拌が達成される。
攪拌に必要な駆動力は、流体の流れによるものなので、所要動力は流体がエレメントを通過したときの圧力損失に応じて必要となるもののみであり、ほかに外部からの動力供給を必要としない。その結果、他にエネルギーを加えることなく、簡単に流体を攪拌することが可能である。
また、この状態ではハイドレート生成反応は、界面積の増加と水流れへの非常に均一な液体ガス分散の達成により飛躍的に促進される。
液滴の平均径について、本発明で用いられるエレメントの効果を確認するために、エレメントを設けない場合と比較すると、図5で示す通りである。
この図から明らかなように、エレメントの存在下に本発明で形成されるガスハイドレートの平均径は、細かくその分布範囲も狭まっているものである。
エレメントの数を増加させることは、細かい径の混合物を形成するうえで好ましいことである。
【0014】
【実施例】
以下に具体例で、本発明の内容を説明する。
しかしながら、本発明は上述したようにこれに限定されるものではない。
実施例1
図1及び2に示す装置を用いてハイドレートの製造を行った。ハイドレート製造分には、エレメントを内蔵するスタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテッド製3/8−N10−522N)を1または2本使用した。このエレメント製造部分は、内管10.9mm、長さ210mmであり、エレメントは1本につき12個設置されている。1つのエレメントのピッチ(縦横の比)は1.5である。全ての素材はSUS316である。
装置全体(図1の点線部分)は、一定温度4℃に冷却してある。低温4℃・高圧7.0MPa下で液体CO2とイオン交換水をスタティックミキサーにそれぞれの高圧ポンプによって一定量供給した。液体CO2の純度は、99.9%以上であり(昭和炭酸)、水はイオン交換された水を用いた。液体CO2と水は、あらかじめ実験条件温度まで冷却した。液体CO2の流量は、高圧ポンプ(日本精密製NP−AX−70)によって11.5から93.4ml/minに調節された。水は高圧ポンプ(富士ポンプ製2JN224−10V)で472から2981ml/minまで変化させた。
スタティックミキサーを通過した後の混合流体の状態を観察部でビデオ撮影した。粒子径は撮影した画像から測定された。観察部は内径10.6mm、長さ300mmあり、ポリカーボネートで特別に作成された。混合流体の温度は冷却ジャケットによってコントロールし、ジャケット内に冷却用水(エチレングリコール水溶液)を循環させた。温度は精度±0.1K、圧力は精度±0.01MPaで制御された。
【0015】
生成するガスハイドレートの径を細かくするためには、液体ガスと水から形成される連続相の流速を速めて高速とすることが必要である。具体的には、液体ガス及び水の流れのRe数、We数を大きくすることである。Re数で言えば、乱流域を形成するようにすることが重要である。
このことをエレメントの作用を通じて調べると以下の通りである。
図4aは空管(エレメントを設置しない場合)に液体CO2−水混合流体を流した後の混合状態、図4bはエレメントを設置したハイドレート反応部分用いた場合の混合状態を示す。
どちらの場合も表面にハイドレート膜を有する液体CO2液滴の分散流となった。連続相(水)流速や液体CO2流速を調節することによって、常に上図のような液体CO2液滴分散流が得られた。
液体CO2液滴分散流が常に得られるのは、管内径基準の連続相のレイノルズ数(Re)が2300以上のとき、すなわち連続相が乱流である場合であった。Re < 2300の層流域のときには、表面にハイドレート膜を有した液体CO2液滴が会合し、plug流となった。
なお、使用条件は、以下の通りである。
圧力 7.0MPa, 温度 277K, 液体CO2 flow 46.6ml/min, 水流量 2.06L/min。
この結果から、エレメントの作用及び乱流域で液体ガスと水を流すことが有効であることがわかる。
【0016】
生成するガスハイドレートの液滴の平均径は、Sauter平均径(SMD)で表すことができる。SMDは式1のように定義される。
ここで、Niは直径Diを有する液滴数である。
図4に示した実験条件でのSauter平均径は、空管のときに1.63mm、エレメントを設けたとき0.40mmであった。CO2および水の流速が異なる実験においても、エレメントを用いた場合にSMDが小さくなる傾向が見られた。この結果は、液滴がエレメントによって攪拌され、分裂していることを示すものである。
図5は、図4で示す実験結果の液滴径分布を示す図である。
エレメントの効果により、均一で、より細かい液滴が低温高圧条件下において形成されていることを確認できた。液滴表面でのハイドレート形成は非常に速いので、分裂後の液滴が表面にハイドレートが形成される前に再結合することはないと考えられる。
【0017】
液体CO2液滴の形成には、主に表面張力による力と流体力学的力によって決定されるので、Sauter平均径はWeber数(We)で整理できる。Weber数は式2のように定義される。
ここで、σは界面張力であり、エレメントを用いた場合のWe数は、Dをミキサー直径(D0)、ρを連続相密度、uを流体の平均線速度として求められる。
いま、液滴表面には径と比べて無視できるほど薄いCO2ハイドレートが形成されていると考えると、外部流体の水と接するのはハイドレートである。水−CO2ハイドレート間とCO2ハイドレート−液体CO2間の界面張力は、水−液体CO2間の界面張力0.029 N/m(266〜285K)より約26%小さい。
したがって、0.0215 N/mとなる。本発明の実験条件における液体CO2の平均モル分率は最大でも0.06であるので、連続相として考えた場合、液体CO2の密度への影響は無視できる。
以上の条件の下、SMDをWe数によって整理した(図7)。
いずれの場合もSMDはWe数の関数、SMD/D0 = AWeB、として整理することができた。このように、SMDはWe数によって支配されていることがわかる。
これらの結果から、ハイドレート生成条件下でCO2液滴を限りなく微小化していくことで、全ての注入CO2をハイドレート化できると考えられる。ハイドレート液滴を細かくする効果は、連続相流速の増大(We数の増加)のほかに、エレメントによる作用が非常に支配的であることがわかる。この効果には、エレメントの作用のうち、転換作用が非常に影響を与えていると考えられている。したがって、転換作用が増大する条件を作り出せればよいことになる。もう一つ考えられることとして、前記のハイドレート薄膜の剥離がある。この現象は、Tengら[Teng and Yamasaki; 1999]によって確認されている。液滴表面に形成されたハイドレート薄膜を連続的に剥がしていくことで、全ての注入CO2をハイドレート化できる(図6)と考えられる。
この剥離現象が起こっているときには、液滴表面に大きな物理的力が加わっている。このような効果を増大させるためには、液滴と流体の間の剪断力を増大させる必要がある。このように、エレメントによる転換作用の増大と剪断力の増大を考慮して条件を設定すれば、分散した液体CO2をすべてハイドレート化することが可能であると考えられる。
【0018】
前記の実験では、ハイドレートは液滴表面に形成されるのみであった。連続ハイドレート装置として確立するためには、注入したCO2全量がハイドレートにならなければならない。全てをハイドレート化するためには攪拌効果を増加させる必要がある。これらを達成するための最も簡単な方法としては2つある。1つは水の流速の増加、もう一つはエレメント数の増加である。
【0019】
はじめに水の流速について検討した。上述のようにWe数は連続相の流速の関数とみることができるので、水の流速を増加させるとWe数を増加させることになる。結果として液滴−連続相界面における剪断力を増加させたことになる。図8は水の流速増加に伴う混合流体の状態の変化を示す。実験条件は、スタティックミキサーを1基装備した装置を用い、圧力7MPa、温度277K、CO2流量46.6ml/minである。図の中に示したレイノルズ数(Re)は、管の内径基準の水の流速についての値である。水の流速が増加するにつれて液滴径が減少していき、We = 148.4(Re = 5807)のときには膜状のCO2ハイドレートが流体中を浮遊するようになった。この結果は、水の流速を増加させることによってエレメントによる攪拌効果の増大が得られ、結果として液滴の細分化と表面ハイドレート膜の剥離が起こったことを示している。この結果は我々の予測と一致する。
次にエレメント数について検討した。図9にはエレメント数が24個(エレメントを有する装置を2基)のときの観察部での流体の状態を示した。いずれの条件でも、混合流体中に膜状のCO2ハイドレートの浮遊が認められた。We = 148.4(Re = 5807)のときには、エレメント数を増大することによって全てのCO2をハイドレート化できることが確認された。エレメント数の増加によっても転換作用と剪断力の効果を増大させることが可能であり、我々の予測と一致する。このようなハイドレート化現象は、CO2濃度が増加しても一様に見られ、特に連続相が乱流となる流速では、管がハイドレートによって閉塞されることなく、一定の速度で連続的にハイドレートを生成できることが確認された。
【0020】
エレメント数を12以下の場合の効果やその設置方法を詳細に検討することにより、連続ハイドレート化に関してさらに適切な条件が設定できると考えられる。
エレメント数を増加させることにより、水の流量が層流域の場合にも連続してハイドレート塊(細かい径のハイドレートが凝集したもの)が生成された(図10)。これは、圧力7MPa、温度277Kの条件下、液体CO2(流量96.4ml/min)と水(0.47L/min)がスタティックミキサー2基通過後の混合流体の状態である。特にCO2濃度が高くなると、そのハイドレート塊を徐々に集めることによって、より大きなハイドレート塊を作ることも可能である。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、水の流速とエレメント数を適切に選択することによって、高圧・低温条件下でスタティックミキサーを用い、注入した全ての液体CO2を容易にハイドレートにすることが可能である。特に連続相の水の流量が乱流域になるところでは効果的にハイドレート分散流が生成され、層流域になるところではハイドレート塊が生成される。
本発明の連続ハイドレート形成装置では、エレメントを有するハイドレート製造装置を用いることにより、注入したゲスト分子(CO2)は、実験条件を適切に選択することで容易に全てを連続的にハイドレート化することが可能であった。スタティックミキサーによる攪拌のためのエネルギー損失は外部から取り入れる必要はなく、エレメントによる圧力損失に依存するもののみであるので、非常に省エネルギーなハイドレート連続生成装置である。これにより、ハイドレートを連続生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイドレート製造装置全体図
【図2】反応器部分を示す図
【図3】エレメントを示す図
【図4】混合流体の状態を示す図
【図5】液滴径分布を示す図
【図6】ハイドレート膜の剥離現象を示す図
【図7】SMDとWe数の関係を示す図
【図8】We数の変化に伴う分散CO2の変化を示す図
【図9】We数、Re数の変化とハイドレート化の関係を示す図
【図10】ハイドレート塊の生成を示す図
【符号の説明】
1 ハイドレート製造部分
2 反応ガスのホルダー
3 水タンク
4 混合器
5 ハイドレート取出部
6 観察ユニット
Claims (4)
- ガスと水からガスハイドレートを製造する方法において、ガスと液体状のガス及び水を低温かつ高圧力下に混合した後、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に、ガスと水からガスハイドレートを、高速下に導入した後に、ガスハイドレートとして取り出すことを特徴とするガスハイドレートの製造方法。
- 前記高速が乱流域を形成するものであることを特徴とする請求項1記載のガスハイドレートの製造方法。
- ガスと水からガスハイドレートを製造する装置において、ガス供液体状ガス供給部及び水供給部、ガス及び水の混合部、ガスと水の反応部及び生成物分離部から構成され、ガス及び水の製造部は、長方形の板をねじった場合に得られる形状のエレメントと、前記エレメントを管径方向に対して90度向きを変えた状態で結合させる組み合わせを一対とする基本単位のエレメントを、複数固定設置されている管状部分に固定されて設けられており、高速条件下にガス及び水が混合状態で導入され、ガスハイドレートとして取り出される構造であることを特徴とするガスハイドレートの製造装置。
- 前記高速条件が乱流域を形成するものであることを特徴とする請求項3記載のガスハイドレートの製造装置。
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