JP2004155747A - ガスクラスレート製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵・輸送に好適なガスクラスレートを効率よく生成でき、かつ装置を単純でコンパクトにできるガスクラスレートの製造方法および装置を得る。
【解決手段】原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程における反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程における反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば天然ガスなどの原料ガスと原料液(淡水、海水、不凍液等)とを反応させてガスクラスレートを製造するガスクラスレートの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスクラスレート(単に「クラスレート」と言う場合あり。なお、ホスト物質が水の場合にはガスハイドレートというが、本明細書においてガスクラスレートと言う場合にはガスハイドレートを含む。)は、ホスト分子が構成する籠状構造の内部に天然ガス、二酸化炭素などの気体分子を高濃度に包蔵する氷状の物質である。ガスクラスレート、主にガスハイドレートは、単位体積当たり多量の気体を包蔵でき、しかも、液化天然ガスに比較して、大気圧下比較的高温にて貯蔵・輸送できることから、天然ガス等の輸送、貯蔵への応用が注目されている。
このため、従来は天然に存在するガスハイドレートの利用に関する検討が中心であったが、近年この性質に着目してこれを工業的に製造する試みが行われている。
【0003】
従来行われていたガスハイドレート製造工程を概説すると、天然ガス等の原料ガスと水を、平衡曲線で示されるハイドレート生成範囲に気体と水の温度、圧力を保持し、両者を接触、溶解させることでガスハイドレートを生成する。生成されたいわゆるシャーベット状のガスハイドレートは、未反応のガスおよび原料水から分離脱水され、さらに凍結、成型等の各処理が行われ、貯蔵設備に貯蔵される。そして、必要に応じて貯蔵設備から搬出して輸送される。
【0004】
氷状の固体物質であるガスハイドレートの貯蔵・輸送を効率化するためには嵩密度(粉体や粒状の固体の単位体積当たりの重量)を大きくすることが必要である。
そして、嵩密度を大きくするためには、ガスハイドレートの粒子の大きさを変化させればよい。このような観点から、2個の圧力容器に設けた回転式攪拌機の回転速度を異ならせることにより、大小の結晶粒子を生成するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−302702号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術には以下のような問題点がある。
まず、2個の圧力容器に回転式攪拌機を設ける構成では装置が大型化するという問題がある。
また、圧力容器に設けた回転式攪拌機の回転速度を変化させるのみでは、十分に粒径を変化させることができるかは疑問である。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、貯蔵・輸送に好適なガスクラスレートを効率よく生成でき、かつ装置を単純でコンパクトにできるガスクラスレートの製造方法および装置を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスクラスレートの製造方法は、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程における反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにしたものである。
【0009】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを複数の反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程における前記複数の反応管路のそれぞれを流れる原料液の流速又は各反応経路に供給される原料ガス量のいずれか一方又は両方を異ならせることで各反応管路で生成されるガスクラスレートの粒径が異なるようにしたものである。
【0010】
また、本発明に係るガスクラスレートの製造装置は、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解されたものを冷却する反応管路と、該反応管路を流れる原料液の流速を変化させる流速制御手段を設けたものである。
【0011】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解されたものを冷却する複数の反応管路と、該複数の反応管路を流れる原料液の流速を制御する流速制御手段とを備え、前記複数の反応管路に流れる原料液の流速が異なるように前記流速制御手段を設定したものである。
【0012】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、該ラインミキサーに供給する原料ガスの流量を変化させるガス流量調整手段と、前記ラインミキサーで混合・溶解されたものを冷却する反応管路とを備えたものである。
【0013】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、 原料液と原料ガスをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、該ラインミキサーに供給する原料ガスの流量を調整するガス流量調整手段からなる溶解・混合装置を複数設け、それぞれの溶解・混合装置によって混合・溶解されたものを冷却する複数の反応管路を備え、該複数の反応管路を流れる原料ガスの流量が異なるように前記ガス流量制御手段を設定したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下の実施の形態においてはガスクラスレートの一態様であるガスハイドレートを例に挙げて説明する。
図5は本発明の一実施の形態のガスハイドレート製造工程の概要の説明図であり、原料ガスとして天然ガスを用いたものを示している。まず、図5に基づいてガスハイドレート製造工程の概要を説明する。
天然ガスは、1〜10℃に冷却され重質成分がコンデンセートとして分離される(S1)。一方、水も1〜10℃に冷却され(S2)、この冷却水と天然ガスが1〜10℃、50気圧の状態で反応してガスハイドレートが生成される(S3)。生成されたスラリー状のガスハイドレートは分離脱水処理され高濃度スラリーまたは固体にされ(S4)、ここで分離された水及び未反応ガスは再び反応工程(S3)に戻される。
【0015】
分離脱水処理されたガスハイドレートは−15℃程度の温度で凍結処理される(S5)。この凍結処理はS4で分離脱水処理されたガスハイドレートの表面に付着した水分を凍結させて氷の殻を作ることにより、ガスハイドレートの安定化を図るためである。
凍結処理の後、50気圧から大気圧に減圧する減圧処理を行う(S6)。その後、凍結処理されたガスハイドレートをペレット状に成形処理し(S7)、サイロ等の貯蔵設備で貯蔵され(S8)、要求に応じてベルトコンベア等の積み出し設備で積み出し処理され(S9)、輸送船等の輸送装置で長距離輸送に供される(S10)。
以上がガスハイドレート製造工程の概要であるが、本実施の形態は上記の工程の中で水と天然ガスからスラリー状のガスハイドレートを生成する工程(S3)において工夫して、生成されるガスハイドレートの粒径を変化させるようにしたものである。以下、この点について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態の主要な構成機器を示した系統図である。まず、図1に基づいて本実施の形態の構成機器について説明する。
本実施の形態のガスハイドレート製造装置は、天然ガス等の原料ガスの圧力を昇圧するガス昇圧機1、2、原料水を供給する原料水ポンプ3、19、原料水と原料ガスを混合して原料ガスを原料水に溶解させるラインミキサー5、ラインミキサー5でミキシングされたものを冷却しながら流してガスハイドレートを生成する反応管路7、反応管路7で生成されたガスハイドレート、未反応ガス、原料水とを分離する分離器9とを備えている。
【0017】
各構成機器は図中矢印を付した実線で示した配管によって連結されている。ラインミキサー5に原料ガスを供給する配管ラインにはガス流量を調整するガス流量制御弁4が設けられている。そして、ガス流量制御手段4とラインミキサー5で本発明の熔解・混合装置を構成している。
ラインミキサー5から反応管路7に通ずる配管ラインには原料ガスが溶解した(微細気泡のガスを含む)原料水の流速を調整する流速制御弁6が設けられている。
また、分離器9には圧力検出器10が設置され、この圧力検出器10の信号によって分離器9に原料ガスを供給する配管ラインのバルブ12a及び分離器9のガスをラインミキサー5側に戻す配管ラインのバルブ12bが制御される。
【0018】
上記の各構成機器のうち主要なものの構成をさらに詳細に説明する。
本実施の形態のラインミキサー5は、図2(西華産業株式会社「OHRラインミキサー」カタログ第7頁より引用)に示すように、入り口側が大径で出口側が小径になった2段状の筒状体11からなり、この筒状体11の大径部11a中にガイドベーンと呼ばれる翼体13を有し、その先の小径部11b内に筒の内周面から中央に延びる複数のキノコ状の衝突体15を有している。
このようなラインミキサー5においては、原料水ポンプ3によってラインミキサー5に供給された原料水が翼体13によって旋回流となり、猛烈な遠心力によって外側へ押しやられ、それがキノコ状の衝突体15によってさらに強烈に攪拌され、その中に原料ガスが巻き込まれて超微細な気泡群に砕かれ、原料水と原料ガスとが混合される。これによって、原料ガスと原料水との接触面積が大きくなり原料ガスは原料水に効率よく溶け込む。
【0019】
反応管路7は屈曲した管からなり、この管の周面をチラー17で冷却するようになっている。このように、反応管路7を用いたことで、周囲からの冷却を効率よく行えるようになったので、従来一般的に行われていたように冷却コイル等によってガス・原料水を直接冷却する必要がなくなり、装置の構成が単純かつコンパクト化できる。
【0020】
反応管路7の具体例としては、原料ガスと原料液が流れる管路の周囲に冷媒が流れる通路を形成した二重管熱交換器や、シェル・アンド・チューブ熱交換器(多管円筒式熱交換器)などがある。
【0021】
なお、このような反応管路7を用いることができるのは、原料ガスと原料水の混合・溶解を予めラインミキサー5によって行い、反応管路7では冷却を中心に装置構成を考えることができるからである。すなわち、特許文献1に示される従来例では原料ガスと原料水の混合・溶解と反応冷却を槽状の耐圧容器内で行っていたため、混合・溶解には一定の広がりをもった空間が必要となり、冷却を反応槽の周囲からのみ行うことはできなかったのに対して、本実施の形態においては、原料ガスと原料水の混合・溶解と反応冷却とを分離したので、反応工程では冷却を中心に考えることができ、上記の例のように単純な構成での冷却が可能となるのである。
【0022】
分離器9は、ガスハイドレート、未反応ガス、原料水とを分離するものであるが、分離器9の例としては、デカンター、サイクロン、遠心分離器9、ベルトプレス、スクリュー濃縮・脱水機、回転ドライヤー等が考えられる。
【0023】
次に、以上のように構成された本実施の形態の装置によって粒径の異なるガスハイドレートを製造する方法を説明する。
原料ガスの圧力をガス昇圧機1によって所定の圧力に昇圧する。また、原料水も原料ポンプ3によって所定の圧力に昇圧する。昇圧された原料ガスはガス流量制御弁4によって制御されて一定量がラインミキサー5に供給され、同じくラインミキサー5に供給された原料水と共に、前述したメカニズムによって猛烈な勢いで混合される。このとき、原料ガスは微細気泡となって原料水の中に混じり込み、原料ガスの溶解が促進される。
【0024】
原料水に原料ガスが溶け込んだもの(未溶解の微細気泡も含んだ状態のもの)は流速制御弁6で一定流速に制御されて反応管路7に送られ、チラー17によって冷却されてガスハイドレートが生成される。そして、ここで生成されたガスハイドレートは未反応ガス、原料水と共に管路を流れてゆき分離器9に送られる。このようにしてある粒径のガスハイドレートが一定量生成される。
次に、今生成したのとは異なる粒径のガスハイドレートを生成する方法について説明する。
【0025】
異なる粒径のガスハイドレートを生成するには、各制御弁4,6を調整することになるが、ここで各制御弁を調整したときに粒径が変化するメカニズムについて説明する。
その前提として、反応管路7におけるハイドレート生成のメカニズムを説明する。ラインミキサー5によって、原料ガスと原料水が混合され、原料ガスは微細気泡となり、原料水に溶解して原料水全体が平衡濃度に到達する。
【0026】
原料水が平衡濃度に到達すると、反応管路7の圧力Pがハイドレート生成最低圧力P0より高く、反応管路7の各部の温度Tがハイドレート生成最高温度T0より低くなるように設定しているので、ガスハイドレートの生成が開始される。ガスハイドレートの生成には発熱を伴うことになるが、発熱量に相当する熱量をチラー17の冷却で奪うことで、反応管路7の温度はハイドレート生成最高温度T0より低い温度に保たれる。なお、冷却しすぎると原料水が凝固して反応管路7内の流れが阻害されるので、チラー17での冷却能力は、原料水が凝固点以下にならないように設定されている。
【0027】
ガスハイドレートが生成されると溶解ガス濃度が下がり、平衡濃度になるまで原料ガスがさらに溶け込み、平衡濃度以上になるとさらにガスハイドレートが生成される。このとき、後から生成されるガスハイドレートは先に生成されたものに結合して粒径の大きいものに成長していく。生成されたガスハイドレートは反応管路7内を流れてゆき、原料水、未反応ガス(全量ハイドレート化した場合には未反応ガスはない)と共に、分離器9に送られる。
【0028】
以上のようなガスハイドレート生成メカニズムにおいて、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を速くした場合には、反応管路7を流れるガスハイドレートの速度が増し、反応管路7の上流側で生成されたガスハイドレートが反応管路7に滞留する時間が短くなる。そのため、上流側で生成されたガスハイドレートの結晶が成長する時間が短くなり、その結果、粒径の小さいガスハイドレートが分離器9に送られることになる。
【0029】
逆に、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を遅くした場合には、反応管路7の上流側で生成されたガスハイドレートが反応管路7に滞留する時間が長くなる。そのため、上流側で生成されたガスハイドレートの結晶が成長する時間が長くなり、その結果、粒径の大きいガスハイドレートが分離器9に送られることになる。
【0030】
また、ガス流量制御弁4を調整してガス流量を少なくすると、反応管路7の上流側で原料水に溶け込んだ原料ガスがハイドレート化して、下流側に流れたとしても供給される原料ガスの量が少ないので、下流側では原料水に溶け込む原料ガスがなく、既に生成されたガスハイドレートの結晶が成長することなく、分離器9まで送られることになる。その結果、生成されたガスハイドレートの粒径は小さくなる。
【0031】
逆に、ガス流量制御弁4を調整してガス流量を多くすると、原料水に溶け込んだ原料ガスが反応管路7の上流側でハイドレート化し、下流側に行くにしたがってさらに原料ガスガスが原料水に溶け込み、既に生成されたガスハイドレートの結晶が成長して分離器9に送られることになる。その結果、生成されたガスハイドレートの粒径は大きくなる。
【0032】
以上の説明から明らかなように、生成されるガスハイドレートの粒径を小さくするには、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を速くする、又はガス流量制御弁4を調整してガス流量を少なくする、又はこの両方をすればよい。
逆に、生成されるガスハイドレートの粒径を大きくするには、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を遅くする、又はガス流量制御弁4を調整してガス流量を多くする、又はこの両方をすればよい。
【0033】
各制御弁4,6の調整は一定の時間毎に手動で行ってもよいし、あるいは予め設定した時間毎に各制御弁4,6を制御するような制御手段を設けて自動制御してもよい。
【0034】
以上のように各制御弁4,6を調整することにより、分離器9には粒径の異なるガスハイドレートが送られ、ガスハイドレート、未反応ガス、原料水に分離される。分離された原料水はポンプ19によって再びラインミキサー5に供給され、未反応の原料ガスはガス昇圧機2によって所定の圧力に昇圧されてラインミキサー5に供給される。
一方、生成されたガスハイドレートは分離器9から取り出され、後処理工程(図5におけるS5以降の工程)に送られる。このとき、粒径の異なるガスハイドレートが混合されることになるので、脱水、成型したときの体積充填効率が高まり嵩密度が高くなるので輸送コストを低減できる。
【0035】
なお、分離器9においては、分離器9内の水位がレベル計21で検知され、分離器9内の水位が一定レベル以上になるように制御されている。これは、ガスが原料水戻しラインに流入しないように、原料水に封水効果をもたせるためである。そして、封水に不要な原料水は原料水ポンプ19によって所定の圧力に昇圧されてラインミキサー5に供給される。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ガス流量制御弁4、流速制御弁6を設け、これらの各制御弁4,6を所定の時間毎に調整するようにしたので、粒径の異なるガスハイドレートが連続的に生成される。
また、本実施の形態では、原料水と原料ガスの反応を管路で移動させながら行うようにしたので、このガスハイドレート生成工程では、すべてのもの(生成されたガスハイドレート、未反応ガス、原料水)が一旦分離器9まで送られることになり、ガスハイドレートのみを取り出す仕組みが不要であり、装置の構成が単純化できるという効果もある。
【0037】
さらに、原料ガスの原料水への溶解を、筒体からなるラインミキサー5で連続的に行うようにしたので、省スペースでかつ効率的に行うことができる。
また、原料ガスの原料水への溶解を反応槽とは別のラインミキサー5によって行うようにした結果、特許文献に示されるような大径の反応槽に代えてパイプ状の反応管路7を用いることができ、管路の周面を冷却するという単純かつコンパクトな冷却手段が可能となる。
しかも、ラインミキサー5による原料ガスの溶解、反応管路7におけるガスハイドレートの生成のいずれも連続的に行うようにしているので、ガスハイドレートの製造効率を飛躍的に高めることができる。
【0038】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2の主要な構成機器を示した系統図であり、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態においては、2本の反応管路7a、7bを設け、それぞれの入り口側に流速制御弁6a、6bをそれぞれ設けたものである。
【0039】
上記構成の本実施の形態においては、流速制御弁6a、6bを調整することにより、各反応管路7a、7bを流れる流体の流速を変えることができる。これによって、粒径の異なるガスハイドレートが同時に生成でき、これら粒径の異なるガスハイドレートが分離器9に送られることになる。
【0040】
なお、上記の例では、各反応管路7a、7bを流れる流体の流速を変える手段として、流速制御弁6a、6bを用いた例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば2本の反応管路7a、7bの管径を異ならせるようにしてもよい。
【0041】
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3の主要な構成機器を示した系統図であり、図1、図3と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態においては、2個のラインミキサー5a、5b、2本の反応管路7a、7b、2個の分離器9a、9bを設け、ラインミキサー5a、5bの入り口側にガス流量調整弁4a,4b及び流速調整弁6a、6bをそれぞれ設けたものである。
【0042】
上記構成の本実施の形態においては、ガス流量調整弁4a,4b及び流速調整弁6a、6bを調整することにより、各反応管路7a、7bを流れる流体の流速、ガス流量を変えることができる。これによって、粒径の異なるガスハイドレートが同時に生成でき、これら粒径の異なるガスハイドレートが分離器9a,9bに送られることになる。
各分離器9a、9bに送られたガスハイドレートは図5の成型工程(S7)までの段階で混合される。
【0043】
本実施の形態においては、ガス流量調整弁4a,4b及び流速調整弁6a、6bを設け、ガス流量及び流体(原料水)の流速の両方を変化できるようにしたので、きめの細かい粒径制御が可能である。
【0044】
なお、上記実施の形態1〜3の説明においては各工程における温度、圧力について特に明示しないが、一例としては図5で示したものを挙げることができる。ただ、各工程における温度、圧力は種々の条件によって最適値が選択される。
また、上記の実施の形態においては、原料ガスとしてメタンガスを主成分とする天然ガスについて説明したが、その他の例として、エタン、プロパン、ブタン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等がある。
【0045】
さらに、ラインミキサーの他の例としては、筒状体の途中を細くして負圧を発生させることにより、原料ガスを吸引して混合するいわゆるベンチュリ管方式のものであってもよいし、またあるいは円錐または円錐台状の容器内の旋回流を利用して気液混合するようなもの、例えば特開2000−447号公報に開示された旋回式微細気泡発生装置のようなものでもよい。要するに、本明細書におけるラインミキサーとは、ライン上にあって気液を連続的に混合できるものを広く含む。
また、上記の実施の形態においては反応管路7の例として、単数または2本の屈曲管を示したが、3本以上の屈曲管を用いてもよい。そうすれば、さらに粒径が異なるガスハイドレートを同時に生成できる。また、屈曲管に代えて直管を用いてもよい。
【0046】
また、上記の実施の形態においては、原料水の種類を明示しなかったが、例えば、淡水、海水、不凍液等が考えられる。また、原料水に代えて、液体ホスト物質やホスト物質溶液のような原料液を用いることも考えられる。その場合に生成される物質の名称はガスハイドレートではなく、ガスクラスレートであることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程において反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにしたので、貯蔵・輸送に好適なガスクラスレートを効率よく生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の工程図である。
【図2】本発明の一実施の形態のラインミキサー5の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の他の態様の説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態の他の態様の説明図である。
【図5】本発明のガスハイドレート製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1、2 ガス昇圧機
3、19 原料水ポンプ
4 ガス流量制御弁
5 ラインミキサー
6 流速制御弁
7 反応管路
9 分離器
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば天然ガスなどの原料ガスと原料液(淡水、海水、不凍液等)とを反応させてガスクラスレートを製造するガスクラスレートの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスクラスレート(単に「クラスレート」と言う場合あり。なお、ホスト物質が水の場合にはガスハイドレートというが、本明細書においてガスクラスレートと言う場合にはガスハイドレートを含む。)は、ホスト分子が構成する籠状構造の内部に天然ガス、二酸化炭素などの気体分子を高濃度に包蔵する氷状の物質である。ガスクラスレート、主にガスハイドレートは、単位体積当たり多量の気体を包蔵でき、しかも、液化天然ガスに比較して、大気圧下比較的高温にて貯蔵・輸送できることから、天然ガス等の輸送、貯蔵への応用が注目されている。
このため、従来は天然に存在するガスハイドレートの利用に関する検討が中心であったが、近年この性質に着目してこれを工業的に製造する試みが行われている。
【0003】
従来行われていたガスハイドレート製造工程を概説すると、天然ガス等の原料ガスと水を、平衡曲線で示されるハイドレート生成範囲に気体と水の温度、圧力を保持し、両者を接触、溶解させることでガスハイドレートを生成する。生成されたいわゆるシャーベット状のガスハイドレートは、未反応のガスおよび原料水から分離脱水され、さらに凍結、成型等の各処理が行われ、貯蔵設備に貯蔵される。そして、必要に応じて貯蔵設備から搬出して輸送される。
【0004】
氷状の固体物質であるガスハイドレートの貯蔵・輸送を効率化するためには嵩密度(粉体や粒状の固体の単位体積当たりの重量)を大きくすることが必要である。
そして、嵩密度を大きくするためには、ガスハイドレートの粒子の大きさを変化させればよい。このような観点から、2個の圧力容器に設けた回転式攪拌機の回転速度を異ならせることにより、大小の結晶粒子を生成するようにしたものがある(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−302702号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術には以下のような問題点がある。
まず、2個の圧力容器に回転式攪拌機を設ける構成では装置が大型化するという問題がある。
また、圧力容器に設けた回転式攪拌機の回転速度を変化させるのみでは、十分に粒径を変化させることができるかは疑問である。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、貯蔵・輸送に好適なガスクラスレートを効率よく生成でき、かつ装置を単純でコンパクトにできるガスクラスレートの製造方法および装置を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスクラスレートの製造方法は、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程における反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにしたものである。
【0009】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを複数の反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程における前記複数の反応管路のそれぞれを流れる原料液の流速又は各反応経路に供給される原料ガス量のいずれか一方又は両方を異ならせることで各反応管路で生成されるガスクラスレートの粒径が異なるようにしたものである。
【0010】
また、本発明に係るガスクラスレートの製造装置は、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解されたものを冷却する反応管路と、該反応管路を流れる原料液の流速を変化させる流速制御手段を設けたものである。
【0011】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解されたものを冷却する複数の反応管路と、該複数の反応管路を流れる原料液の流速を制御する流速制御手段とを備え、前記複数の反応管路に流れる原料液の流速が異なるように前記流速制御手段を設定したものである。
【0012】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、該ラインミキサーに供給する原料ガスの流量を変化させるガス流量調整手段と、前記ラインミキサーで混合・溶解されたものを冷却する反応管路とを備えたものである。
【0013】
また、原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造するものにおいて、 原料液と原料ガスをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、該ラインミキサーに供給する原料ガスの流量を調整するガス流量調整手段からなる溶解・混合装置を複数設け、それぞれの溶解・混合装置によって混合・溶解されたものを冷却する複数の反応管路を備え、該複数の反応管路を流れる原料ガスの流量が異なるように前記ガス流量制御手段を設定したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下の実施の形態においてはガスクラスレートの一態様であるガスハイドレートを例に挙げて説明する。
図5は本発明の一実施の形態のガスハイドレート製造工程の概要の説明図であり、原料ガスとして天然ガスを用いたものを示している。まず、図5に基づいてガスハイドレート製造工程の概要を説明する。
天然ガスは、1〜10℃に冷却され重質成分がコンデンセートとして分離される(S1)。一方、水も1〜10℃に冷却され(S2)、この冷却水と天然ガスが1〜10℃、50気圧の状態で反応してガスハイドレートが生成される(S3)。生成されたスラリー状のガスハイドレートは分離脱水処理され高濃度スラリーまたは固体にされ(S4)、ここで分離された水及び未反応ガスは再び反応工程(S3)に戻される。
【0015】
分離脱水処理されたガスハイドレートは−15℃程度の温度で凍結処理される(S5)。この凍結処理はS4で分離脱水処理されたガスハイドレートの表面に付着した水分を凍結させて氷の殻を作ることにより、ガスハイドレートの安定化を図るためである。
凍結処理の後、50気圧から大気圧に減圧する減圧処理を行う(S6)。その後、凍結処理されたガスハイドレートをペレット状に成形処理し(S7)、サイロ等の貯蔵設備で貯蔵され(S8)、要求に応じてベルトコンベア等の積み出し設備で積み出し処理され(S9)、輸送船等の輸送装置で長距離輸送に供される(S10)。
以上がガスハイドレート製造工程の概要であるが、本実施の形態は上記の工程の中で水と天然ガスからスラリー状のガスハイドレートを生成する工程(S3)において工夫して、生成されるガスハイドレートの粒径を変化させるようにしたものである。以下、この点について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態の主要な構成機器を示した系統図である。まず、図1に基づいて本実施の形態の構成機器について説明する。
本実施の形態のガスハイドレート製造装置は、天然ガス等の原料ガスの圧力を昇圧するガス昇圧機1、2、原料水を供給する原料水ポンプ3、19、原料水と原料ガスを混合して原料ガスを原料水に溶解させるラインミキサー5、ラインミキサー5でミキシングされたものを冷却しながら流してガスハイドレートを生成する反応管路7、反応管路7で生成されたガスハイドレート、未反応ガス、原料水とを分離する分離器9とを備えている。
【0017】
各構成機器は図中矢印を付した実線で示した配管によって連結されている。ラインミキサー5に原料ガスを供給する配管ラインにはガス流量を調整するガス流量制御弁4が設けられている。そして、ガス流量制御手段4とラインミキサー5で本発明の熔解・混合装置を構成している。
ラインミキサー5から反応管路7に通ずる配管ラインには原料ガスが溶解した(微細気泡のガスを含む)原料水の流速を調整する流速制御弁6が設けられている。
また、分離器9には圧力検出器10が設置され、この圧力検出器10の信号によって分離器9に原料ガスを供給する配管ラインのバルブ12a及び分離器9のガスをラインミキサー5側に戻す配管ラインのバルブ12bが制御される。
【0018】
上記の各構成機器のうち主要なものの構成をさらに詳細に説明する。
本実施の形態のラインミキサー5は、図2(西華産業株式会社「OHRラインミキサー」カタログ第7頁より引用)に示すように、入り口側が大径で出口側が小径になった2段状の筒状体11からなり、この筒状体11の大径部11a中にガイドベーンと呼ばれる翼体13を有し、その先の小径部11b内に筒の内周面から中央に延びる複数のキノコ状の衝突体15を有している。
このようなラインミキサー5においては、原料水ポンプ3によってラインミキサー5に供給された原料水が翼体13によって旋回流となり、猛烈な遠心力によって外側へ押しやられ、それがキノコ状の衝突体15によってさらに強烈に攪拌され、その中に原料ガスが巻き込まれて超微細な気泡群に砕かれ、原料水と原料ガスとが混合される。これによって、原料ガスと原料水との接触面積が大きくなり原料ガスは原料水に効率よく溶け込む。
【0019】
反応管路7は屈曲した管からなり、この管の周面をチラー17で冷却するようになっている。このように、反応管路7を用いたことで、周囲からの冷却を効率よく行えるようになったので、従来一般的に行われていたように冷却コイル等によってガス・原料水を直接冷却する必要がなくなり、装置の構成が単純かつコンパクト化できる。
【0020】
反応管路7の具体例としては、原料ガスと原料液が流れる管路の周囲に冷媒が流れる通路を形成した二重管熱交換器や、シェル・アンド・チューブ熱交換器(多管円筒式熱交換器)などがある。
【0021】
なお、このような反応管路7を用いることができるのは、原料ガスと原料水の混合・溶解を予めラインミキサー5によって行い、反応管路7では冷却を中心に装置構成を考えることができるからである。すなわち、特許文献1に示される従来例では原料ガスと原料水の混合・溶解と反応冷却を槽状の耐圧容器内で行っていたため、混合・溶解には一定の広がりをもった空間が必要となり、冷却を反応槽の周囲からのみ行うことはできなかったのに対して、本実施の形態においては、原料ガスと原料水の混合・溶解と反応冷却とを分離したので、反応工程では冷却を中心に考えることができ、上記の例のように単純な構成での冷却が可能となるのである。
【0022】
分離器9は、ガスハイドレート、未反応ガス、原料水とを分離するものであるが、分離器9の例としては、デカンター、サイクロン、遠心分離器9、ベルトプレス、スクリュー濃縮・脱水機、回転ドライヤー等が考えられる。
【0023】
次に、以上のように構成された本実施の形態の装置によって粒径の異なるガスハイドレートを製造する方法を説明する。
原料ガスの圧力をガス昇圧機1によって所定の圧力に昇圧する。また、原料水も原料ポンプ3によって所定の圧力に昇圧する。昇圧された原料ガスはガス流量制御弁4によって制御されて一定量がラインミキサー5に供給され、同じくラインミキサー5に供給された原料水と共に、前述したメカニズムによって猛烈な勢いで混合される。このとき、原料ガスは微細気泡となって原料水の中に混じり込み、原料ガスの溶解が促進される。
【0024】
原料水に原料ガスが溶け込んだもの(未溶解の微細気泡も含んだ状態のもの)は流速制御弁6で一定流速に制御されて反応管路7に送られ、チラー17によって冷却されてガスハイドレートが生成される。そして、ここで生成されたガスハイドレートは未反応ガス、原料水と共に管路を流れてゆき分離器9に送られる。このようにしてある粒径のガスハイドレートが一定量生成される。
次に、今生成したのとは異なる粒径のガスハイドレートを生成する方法について説明する。
【0025】
異なる粒径のガスハイドレートを生成するには、各制御弁4,6を調整することになるが、ここで各制御弁を調整したときに粒径が変化するメカニズムについて説明する。
その前提として、反応管路7におけるハイドレート生成のメカニズムを説明する。ラインミキサー5によって、原料ガスと原料水が混合され、原料ガスは微細気泡となり、原料水に溶解して原料水全体が平衡濃度に到達する。
【0026】
原料水が平衡濃度に到達すると、反応管路7の圧力Pがハイドレート生成最低圧力P0より高く、反応管路7の各部の温度Tがハイドレート生成最高温度T0より低くなるように設定しているので、ガスハイドレートの生成が開始される。ガスハイドレートの生成には発熱を伴うことになるが、発熱量に相当する熱量をチラー17の冷却で奪うことで、反応管路7の温度はハイドレート生成最高温度T0より低い温度に保たれる。なお、冷却しすぎると原料水が凝固して反応管路7内の流れが阻害されるので、チラー17での冷却能力は、原料水が凝固点以下にならないように設定されている。
【0027】
ガスハイドレートが生成されると溶解ガス濃度が下がり、平衡濃度になるまで原料ガスがさらに溶け込み、平衡濃度以上になるとさらにガスハイドレートが生成される。このとき、後から生成されるガスハイドレートは先に生成されたものに結合して粒径の大きいものに成長していく。生成されたガスハイドレートは反応管路7内を流れてゆき、原料水、未反応ガス(全量ハイドレート化した場合には未反応ガスはない)と共に、分離器9に送られる。
【0028】
以上のようなガスハイドレート生成メカニズムにおいて、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を速くした場合には、反応管路7を流れるガスハイドレートの速度が増し、反応管路7の上流側で生成されたガスハイドレートが反応管路7に滞留する時間が短くなる。そのため、上流側で生成されたガスハイドレートの結晶が成長する時間が短くなり、その結果、粒径の小さいガスハイドレートが分離器9に送られることになる。
【0029】
逆に、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を遅くした場合には、反応管路7の上流側で生成されたガスハイドレートが反応管路7に滞留する時間が長くなる。そのため、上流側で生成されたガスハイドレートの結晶が成長する時間が長くなり、その結果、粒径の大きいガスハイドレートが分離器9に送られることになる。
【0030】
また、ガス流量制御弁4を調整してガス流量を少なくすると、反応管路7の上流側で原料水に溶け込んだ原料ガスがハイドレート化して、下流側に流れたとしても供給される原料ガスの量が少ないので、下流側では原料水に溶け込む原料ガスがなく、既に生成されたガスハイドレートの結晶が成長することなく、分離器9まで送られることになる。その結果、生成されたガスハイドレートの粒径は小さくなる。
【0031】
逆に、ガス流量制御弁4を調整してガス流量を多くすると、原料水に溶け込んだ原料ガスが反応管路7の上流側でハイドレート化し、下流側に行くにしたがってさらに原料ガスガスが原料水に溶け込み、既に生成されたガスハイドレートの結晶が成長して分離器9に送られることになる。その結果、生成されたガスハイドレートの粒径は大きくなる。
【0032】
以上の説明から明らかなように、生成されるガスハイドレートの粒径を小さくするには、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を速くする、又はガス流量制御弁4を調整してガス流量を少なくする、又はこの両方をすればよい。
逆に、生成されるガスハイドレートの粒径を大きくするには、流速制御弁6を調整して反応管路7を流れる流体の流速を遅くする、又はガス流量制御弁4を調整してガス流量を多くする、又はこの両方をすればよい。
【0033】
各制御弁4,6の調整は一定の時間毎に手動で行ってもよいし、あるいは予め設定した時間毎に各制御弁4,6を制御するような制御手段を設けて自動制御してもよい。
【0034】
以上のように各制御弁4,6を調整することにより、分離器9には粒径の異なるガスハイドレートが送られ、ガスハイドレート、未反応ガス、原料水に分離される。分離された原料水はポンプ19によって再びラインミキサー5に供給され、未反応の原料ガスはガス昇圧機2によって所定の圧力に昇圧されてラインミキサー5に供給される。
一方、生成されたガスハイドレートは分離器9から取り出され、後処理工程(図5におけるS5以降の工程)に送られる。このとき、粒径の異なるガスハイドレートが混合されることになるので、脱水、成型したときの体積充填効率が高まり嵩密度が高くなるので輸送コストを低減できる。
【0035】
なお、分離器9においては、分離器9内の水位がレベル計21で検知され、分離器9内の水位が一定レベル以上になるように制御されている。これは、ガスが原料水戻しラインに流入しないように、原料水に封水効果をもたせるためである。そして、封水に不要な原料水は原料水ポンプ19によって所定の圧力に昇圧されてラインミキサー5に供給される。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ガス流量制御弁4、流速制御弁6を設け、これらの各制御弁4,6を所定の時間毎に調整するようにしたので、粒径の異なるガスハイドレートが連続的に生成される。
また、本実施の形態では、原料水と原料ガスの反応を管路で移動させながら行うようにしたので、このガスハイドレート生成工程では、すべてのもの(生成されたガスハイドレート、未反応ガス、原料水)が一旦分離器9まで送られることになり、ガスハイドレートのみを取り出す仕組みが不要であり、装置の構成が単純化できるという効果もある。
【0037】
さらに、原料ガスの原料水への溶解を、筒体からなるラインミキサー5で連続的に行うようにしたので、省スペースでかつ効率的に行うことができる。
また、原料ガスの原料水への溶解を反応槽とは別のラインミキサー5によって行うようにした結果、特許文献に示されるような大径の反応槽に代えてパイプ状の反応管路7を用いることができ、管路の周面を冷却するという単純かつコンパクトな冷却手段が可能となる。
しかも、ラインミキサー5による原料ガスの溶解、反応管路7におけるガスハイドレートの生成のいずれも連続的に行うようにしているので、ガスハイドレートの製造効率を飛躍的に高めることができる。
【0038】
実施の形態2.
図3は本発明の実施の形態2の主要な構成機器を示した系統図であり、図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態においては、2本の反応管路7a、7bを設け、それぞれの入り口側に流速制御弁6a、6bをそれぞれ設けたものである。
【0039】
上記構成の本実施の形態においては、流速制御弁6a、6bを調整することにより、各反応管路7a、7bを流れる流体の流速を変えることができる。これによって、粒径の異なるガスハイドレートが同時に生成でき、これら粒径の異なるガスハイドレートが分離器9に送られることになる。
【0040】
なお、上記の例では、各反応管路7a、7bを流れる流体の流速を変える手段として、流速制御弁6a、6bを用いた例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば2本の反応管路7a、7bの管径を異ならせるようにしてもよい。
【0041】
実施の形態3.
図4は本発明の実施の形態3の主要な構成機器を示した系統図であり、図1、図3と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態においては、2個のラインミキサー5a、5b、2本の反応管路7a、7b、2個の分離器9a、9bを設け、ラインミキサー5a、5bの入り口側にガス流量調整弁4a,4b及び流速調整弁6a、6bをそれぞれ設けたものである。
【0042】
上記構成の本実施の形態においては、ガス流量調整弁4a,4b及び流速調整弁6a、6bを調整することにより、各反応管路7a、7bを流れる流体の流速、ガス流量を変えることができる。これによって、粒径の異なるガスハイドレートが同時に生成でき、これら粒径の異なるガスハイドレートが分離器9a,9bに送られることになる。
各分離器9a、9bに送られたガスハイドレートは図5の成型工程(S7)までの段階で混合される。
【0043】
本実施の形態においては、ガス流量調整弁4a,4b及び流速調整弁6a、6bを設け、ガス流量及び流体(原料水)の流速の両方を変化できるようにしたので、きめの細かい粒径制御が可能である。
【0044】
なお、上記実施の形態1〜3の説明においては各工程における温度、圧力について特に明示しないが、一例としては図5で示したものを挙げることができる。ただ、各工程における温度、圧力は種々の条件によって最適値が選択される。
また、上記の実施の形態においては、原料ガスとしてメタンガスを主成分とする天然ガスについて説明したが、その他の例として、エタン、プロパン、ブタン、クリプトン、キセノン、二酸化炭素等がある。
【0045】
さらに、ラインミキサーの他の例としては、筒状体の途中を細くして負圧を発生させることにより、原料ガスを吸引して混合するいわゆるベンチュリ管方式のものであってもよいし、またあるいは円錐または円錐台状の容器内の旋回流を利用して気液混合するようなもの、例えば特開2000−447号公報に開示された旋回式微細気泡発生装置のようなものでもよい。要するに、本明細書におけるラインミキサーとは、ライン上にあって気液を連続的に混合できるものを広く含む。
また、上記の実施の形態においては反応管路7の例として、単数または2本の屈曲管を示したが、3本以上の屈曲管を用いてもよい。そうすれば、さらに粒径が異なるガスハイドレートを同時に生成できる。また、屈曲管に代えて直管を用いてもよい。
【0046】
また、上記の実施の形態においては、原料水の種類を明示しなかったが、例えば、淡水、海水、不凍液等が考えられる。また、原料水に代えて、液体ホスト物質やホスト物質溶液のような原料液を用いることも考えられる。その場合に生成される物質の名称はガスハイドレートではなく、ガスクラスレートであることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、該ガスクラスレート生成工程において反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにしたので、貯蔵・輸送に好適なガスクラスレートを効率よく生成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の工程図である。
【図2】本発明の一実施の形態のラインミキサー5の説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態の他の態様の説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態の他の態様の説明図である。
【図5】本発明のガスハイドレート製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1、2 ガス昇圧機
3、19 原料水ポンプ
4 ガス流量制御弁
5 ラインミキサー
6 流速制御弁
7 反応管路
9 分離器
Claims (6)
- 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、
原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、
該ガスクラスレート生成工程における反応管路を流れる原料液の流速又は供給する原料ガス量のいずれか一方又は両方を変化させることで生成されるガスクラスレートの粒径を変化させるようにしたことを特徴とするガスクラスレート製造方法。 - 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する方法において、
原料液と原料ガスとをライン途中で混合して原料ガスを原料液に溶解させる混合・溶解工程と、混合・溶解されたものを複数の反応管路に流しながら冷却してガスクラスレートを生成するガスクラスレート生成工程とを備え、
該ガスクラスレート生成工程における前記複数の反応管路のそれぞれを流れる原料液の流速又は各反応経路に供給される原料ガス量のいずれか一方又は両方を異ならせることで各反応管路で生成されるガスクラスレートの粒径が異なるようにしたことを特徴とするガスクラスレート製造方法。 - 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する装置において、
原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解されたものを冷却する反応管路と、該反応管路を流れる原料液の流速を変化させる流速制御手段を設けたことを特徴とするガスクラスレート製造装置。 - 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する装置において、
原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、混合・溶解されたものを冷却する複数の反応管路と、該複数の反応管路を流れる原料液の流速を制御する流速制御手段とを備え、前記複数の反応管路に流れる原料液の流速が異なるように前記流速制御手段を設定したことを特徴とするガスクラスレート製造装置。 - 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する装置において、
原料液と原料ガスとをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、該ラインミキサーに供給する原料ガスの流量を変化させるガス流量調整手段と、前記ラインミキサーで混合・溶解されたものを冷却する反応管路とを備えたことを特徴とするガスクラスレート製造装置。 - 原料液と原料ガスとを反応させてガスクラスレートを製造する装置において、
原料液と原料ガスをライン途中において混合して原料ガスを原料液に溶解させるラインミキサーと、該ラインミキサーに供給する原料ガスの流量を調整するガス流量調整手段からなる溶解・混合装置を複数設け、それぞれの溶解・混合装置によって混合・溶解されたものを冷却する複数の反応管路を備え、該複数の反応管路を流れる原料ガスの流量が異なるように前記ガス流量制御手段を設定したことを特徴とするガスクラスレート製造装置。
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