JP2003055578A - フッ素系溶剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料 - Google Patents
フッ素系溶剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 取り扱いが容易で環境に優しい表面処理剤、
その処理剤で撥水撥油性粉体を製造する方法、化粧料用
撥水撥油性粉体、および、その粉体を配合した化粧料を
提供する。 【解決手段】 フッ素系リン酸エステルをフッ素系有機
溶剤を含む溶液中に溶解させた化粧料用粉体表面処理
剤。この処理剤を非フッ素系有機溶剤で希釈した溶液、
あるいは、原液そのものを、未処理粉体と混合攪拌する
粉体表面処理方法。その処理方法で処理して製造した化
粧料用粉体。その化粧料用粉体を配合した化粧料。
その処理剤で撥水撥油性粉体を製造する方法、化粧料用
撥水撥油性粉体、および、その粉体を配合した化粧料を
提供する。 【解決手段】 フッ素系リン酸エステルをフッ素系有機
溶剤を含む溶液中に溶解させた化粧料用粉体表面処理
剤。この処理剤を非フッ素系有機溶剤で希釈した溶液、
あるいは、原液そのものを、未処理粉体と混合攪拌する
粉体表面処理方法。その処理方法で処理して製造した化
粧料用粉体。その化粧料用粉体を配合した化粧料。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規のフッ素系溶
剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表
面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料
に関する。
剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表
面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料
に関する。
【０００２】
【従来の技術】粉体を含有する化粧料としては、ファン
デーション、おしろい、チークカラー、アイカラー、ボ
ディーパウダーなどがある。化粧料には、通常、体質顔
料、白色顔料、着色顔料と呼ばれる粉体が配合されてい
る。体質顔料はタルク、カオリン、雲母などの無機粉
体、蛋白質粉体、魚鱗箔などの有機粉体から成る。ま
た、白色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体、
着色顔料はベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄などの無機粉
体、レーキ、タール色素などの有機粉体から成る。上記
の粉体は通常、両親媒性であり、水にも油にもなじみや
すい性質を持つ。このため、このような粉体を配合する
化粧料は、水、および、汗、皮脂などの分泌物で濡れや
すく、濡れると本来その化粧料が有する色調が損なわれ
たり、透明化して地肌の色が出てきたり、発汗や顔の動
きで化粧膜が移動、凝集する、いわゆる、「化粧崩れ」
の現象が起こる。
デーション、おしろい、チークカラー、アイカラー、ボ
ディーパウダーなどがある。化粧料には、通常、体質顔
料、白色顔料、着色顔料と呼ばれる粉体が配合されてい
る。体質顔料はタルク、カオリン、雲母などの無機粉
体、蛋白質粉体、魚鱗箔などの有機粉体から成る。ま
た、白色顔料は酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体、
着色顔料はベンガラ、黒酸化鉄、黄酸化鉄などの無機粉
体、レーキ、タール色素などの有機粉体から成る。上記
の粉体は通常、両親媒性であり、水にも油にもなじみや
すい性質を持つ。このため、このような粉体を配合する
化粧料は、水、および、汗、皮脂などの分泌物で濡れや
すく、濡れると本来その化粧料が有する色調が損なわれ
たり、透明化して地肌の色が出てきたり、発汗や顔の動
きで化粧膜が移動、凝集する、いわゆる、「化粧崩れ」
の現象が起こる。
【０００３】従来より、水、汗による化粧崩れを防止す
る技術として、粉体をシリコーンで表面処理することに
より撥水性を付与することが一般的である。しかし、シ
リコーン処理粉体は、撥水性を有するが撥油性がないた
めに、皮脂による化粧崩れを防止することができなかっ
た。
る技術として、粉体をシリコーンで表面処理することに
より撥水性を付与することが一般的である。しかし、シ
リコーン処理粉体は、撥水性を有するが撥油性がないた
めに、皮脂による化粧崩れを防止することができなかっ
た。
【０００４】近年、皮脂による化粧崩れを防止するため
に、フッ素化合物で粉体を表面処理して、撥水撥油性を
付与することが提案されている。例えば、特開昭６２−
２５００７４号公報は、フッ素化合物にパーフルオロア
ルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩を用いるこ
とを開示しており、既に実用化されている。しかし、こ
のフッ素化合物は安全性の観点から好ましくないジエタ
ノールアミンを含有する。これを除去するために、粉体
を水中で表面処理した後、濾過、洗浄する工程が必須で
あり、製造工程が複雑になる問題があった。
に、フッ素化合物で粉体を表面処理して、撥水撥油性を
付与することが提案されている。例えば、特開昭６２−
２５００７４号公報は、フッ素化合物にパーフルオロア
ルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩を用いるこ
とを開示しており、既に実用化されている。しかし、こ
のフッ素化合物は安全性の観点から好ましくないジエタ
ノールアミンを含有する。これを除去するために、粉体
を水中で表面処理した後、濾過、洗浄する工程が必須で
あり、製造工程が複雑になる問題があった。
【０００５】これに対し、パーフルオロアルキルリン酸
エステルを中和せずに酸のまま用いる技術が特公平7-14
855号公報に開示されており、それを溶解する溶媒とし
て、『ヘキサン、エタノール、イソプロピルエーテル、
イソプロピルアルコール、酢酸エチル、R113 のような
フロン類』が例示されている。しかし、ここに挙げられ
た非フッ素系溶剤を用いてもパーフルオロアルキルリン
酸エステルを20重量%以上の高濃度で溶解させることは
不可能であった。R113を併用することで溶解するが、こ
の溶剤は特定フロンであり、環境に及ぼす影響が深刻で
ある。このために、既に製造が終了しており、利用は現
実的ではない。
エステルを中和せずに酸のまま用いる技術が特公平7-14
855号公報に開示されており、それを溶解する溶媒とし
て、『ヘキサン、エタノール、イソプロピルエーテル、
イソプロピルアルコール、酢酸エチル、R113 のような
フロン類』が例示されている。しかし、ここに挙げられ
た非フッ素系溶剤を用いてもパーフルオロアルキルリン
酸エステルを20重量%以上の高濃度で溶解させることは
不可能であった。R113を併用することで溶解するが、こ
の溶剤は特定フロンであり、環境に及ぼす影響が深刻で
ある。このために、既に製造が終了しており、利用は現
実的ではない。
【０００６】WO00-56820公報は、製造例において、パー
フルオロアルキルリン酸エステルのジエタノールアミン
塩を水に溶解することを開示している。この方法は、残
存するジエタノールアミンが亜硝酸塩との反応で発ガン
性のニトロソアミンに変化する欠点がある。
フルオロアルキルリン酸エステルのジエタノールアミン
塩を水に溶解することを開示している。この方法は、残
存するジエタノールアミンが亜硝酸塩との反応で発ガン
性のニトロソアミンに変化する欠点がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、取り
扱いが容易で、環境に優しい表面処理剤を提供すること
にある。さらに、撥水撥油性に優れた化粧料用撥水撥油
性粉体を製造する方法と粉体、および、その粉体を配合
した化粧料を提供することにある。
扱いが容易で、環境に優しい表面処理剤を提供すること
にある。さらに、撥水撥油性に優れた化粧料用撥水撥油
性粉体を製造する方法と粉体、および、その粉体を配合
した化粧料を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸の状態のフ
ッ素系リン酸エステルを固形分濃度２０〜９０重量％と
なるように、フッ素系有機溶剤を１０〜１００重量％含
有する溶剤中に、溶解させた表面処理剤を提供する。さ
らに、この処理剤を非フッ素系有機溶剤で希釈した溶
液、あるいは、原液そのものを、未処理粉体と混合攪拌
する粉体表面処理方法、その処理方法で処理して製造し
た化粧料用粉体、その化粧料用粉体を配合した化粧料を
提供する。
ッ素系リン酸エステルを固形分濃度２０〜９０重量％と
なるように、フッ素系有機溶剤を１０〜１００重量％含
有する溶剤中に、溶解させた表面処理剤を提供する。さ
らに、この処理剤を非フッ素系有機溶剤で希釈した溶
液、あるいは、原液そのものを、未処理粉体と混合攪拌
する粉体表面処理方法、その処理方法で処理して製造し
た化粧料用粉体、その化粧料用粉体を配合した化粧料を
提供する。
【０００９】本発明において使用するフッ素系リン酸エ
ステルは、一般式（1）： [Rf-Ａ-O]nPO(OH)3-n （1） ［式中、Ｒfは炭素数６〜１６のポリフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基、Ａは炭素数１
〜４のアルキレン基、
ステルは、一般式（1）： [Rf-Ａ-O]nPO(OH)3-n （1） ［式中、Ｒfは炭素数６〜１６のポリフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基、Ａは炭素数１
〜４のアルキレン基、
【化３】
（但し、Ｒ１は炭素数１〜４のアルキル基、Ｒ２は炭素
数１〜４のアルキレン基である）、もしくは、
数１〜４のアルキレン基である）、もしくは、
【化４】
であり、ｎは１〜３の数を示す。］で示される。
【００１０】式（１）中のＲｆにおいて、ポリフルオロ
アルキル基の炭素数は６〜１６、例えば８〜１２であっ
てよい。ポリフルオロアルキル基は、パーフルオロアル
キル基であってよい。
アルキル基の炭素数は６〜１６、例えば８〜１２であっ
てよい。ポリフルオロアルキル基は、パーフルオロアル
キル基であってよい。
【００１１】パーフルオロポリエーテル基の具体例とし
ては、Ｆ(ＣＦ(ＣＦ３)ＣＦ２Ｏ)ｎＣＦ２ＣＦ２−、CF
３O(CF(CF３)CF２O)ｎ(CF２O)ｍCF２−、ＣＦ３Ｏ(ＣＦ
２ＣＦ２Ｏ)ｎ(ＣＦ２Ｏ)ｍＣＦ２−、Ｆ(ＣＦ２ＣＦ２
ＣＦ２Ｏ)ｎＣＦ２ＣＦ２−などが挙げられる。パーフ
ルオロポリエーテル基の数平均分子量（１９Ｆ−ＮＭＲ
により測定）は、１，０００〜１０，０００の範囲であ
ることが好ましい。フッ素系リン酸エステルは混合物で
あってよい。
ては、Ｆ(ＣＦ(ＣＦ３)ＣＦ２Ｏ)ｎＣＦ２ＣＦ２−、CF
３O(CF(CF３)CF２O)ｎ(CF２O)ｍCF２−、ＣＦ３Ｏ(ＣＦ
２ＣＦ２Ｏ)ｎ(ＣＦ２Ｏ)ｍＣＦ２−、Ｆ(ＣＦ２ＣＦ２
ＣＦ２Ｏ)ｎＣＦ２ＣＦ２−などが挙げられる。パーフ
ルオロポリエーテル基の数平均分子量（１９Ｆ−ＮＭＲ
により測定）は、１，０００〜１０，０００の範囲であ
ることが好ましい。フッ素系リン酸エステルは混合物で
あってよい。
【００１２】フッ素系有機溶剤を含有する溶剤に、式
（1）のフッ素系リン酸エステルを、固形分濃度で２０
〜９０重量％となるように溶解できる。固形分濃度２０
重量％未満では処理剤の輸送時のコストが高くなり、９
０重量％を越えると処理剤の粘性が高すぎて表面処理時
の取り扱い性が悪くなる。フッ素系リン酸エステルの固
形分は、２０〜９０重量％、例えば３０〜５０重量％で
あってよい。
（1）のフッ素系リン酸エステルを、固形分濃度で２０
〜９０重量％となるように溶解できる。固形分濃度２０
重量％未満では処理剤の輸送時のコストが高くなり、９
０重量％を越えると処理剤の粘性が高すぎて表面処理時
の取り扱い性が悪くなる。フッ素系リン酸エステルの固
形分は、２０〜９０重量％、例えば３０〜５０重量％で
あってよい。
【００１３】本発明において使用するフッ素系有機溶剤
は、フッ素系炭化水素、例えば、塩素化フッ素化炭化水
素（特に、炭素数２〜５）、特にHCFC225（ジクロロペ
ンタフルオロプロパン）、および／または、HCFC141b
（ジクロロフルオロエタン）、および／または、フッ素
系エーテル、例えば、ハイドロフルオロエーテル、特に C4F9OCnH2n+1 (2) [ｎは、１〜４の数を示す。]で示されるハイドロフルオ
ロエーテルであることが好ましい。
は、フッ素系炭化水素、例えば、塩素化フッ素化炭化水
素（特に、炭素数２〜５）、特にHCFC225（ジクロロペ
ンタフルオロプロパン）、および／または、HCFC141b
（ジクロロフルオロエタン）、および／または、フッ素
系エーテル、例えば、ハイドロフルオロエーテル、特に C4F9OCnH2n+1 (2) [ｎは、１〜４の数を示す。]で示されるハイドロフルオ
ロエーテルであることが好ましい。
【００１４】HCFC225は、例えば旭硝子株式会社から市
販されているものを、HCFC141bは、例えばダイキン工業
株式会社から市販されているものを使用できる。C4F9OC
nH2n+1は、住友スリーエム株式会社製HFE7100(化学式C4
F9OCH3)あるいはHFE7200(化学式C4F9OC2H5)を使用でき
る。
販されているものを、HCFC141bは、例えばダイキン工業
株式会社から市販されているものを使用できる。C4F9OC
nH2n+1は、住友スリーエム株式会社製HFE7100(化学式C4
F9OCH3)あるいはHFE7200(化学式C4F9OC2H5)を使用でき
る。
【００１５】本発明では、フッ素系有機溶剤に、イソプ
ロパノール、エタノール、イソプロピルエーテル、イソ
パラフィンなどの非フッ素系有機溶剤を併用することに
より、相溶性を向上し、さらには高価なフッ素系有機溶
剤の使用を低減しコストを低下することができる。
ロパノール、エタノール、イソプロピルエーテル、イソ
パラフィンなどの非フッ素系有機溶剤を併用することに
より、相溶性を向上し、さらには高価なフッ素系有機溶
剤の使用を低減しコストを低下することができる。
【００１６】フッ素系リン酸エステルを溶解する溶剤中
に、フッ素系有機溶剤は、１０〜１００重量％、例えば
５０〜１００重量％の量で存在してよい。
に、フッ素系有機溶剤は、１０〜１００重量％、例えば
５０〜１００重量％の量で存在してよい。
【００１７】本発明の表面処理剤は、非フッ素系有機溶
剤で希釈して、またはそのままで希釈しないで、（未処
理の）粉体と混合攪拌して、粉体に表面処理する。
剤で希釈して、またはそのままで希釈しないで、（未処
理の）粉体と混合攪拌して、粉体に表面処理する。
【００１８】本発明の表面処理剤は、例えば、粉体、ガ
ラス、繊維、紙、木材、金属、石などの種々の基材を表
面処理することが可能であるが、とりわけ、化粧料用粉
体の表面処理に適している。
ラス、繊維、紙、木材、金属、石などの種々の基材を表
面処理することが可能であるが、とりわけ、化粧料用粉
体の表面処理に適している。
【００１９】本発明の表面処理剤で処理される化粧料用
粉体は、化粧料で汎用される粉体であれば特に限定され
ない。例えば、タルク、カオリン、セリサイト、マイ
カ、雲母チタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウ
ム、一酸化亜鉛、二酸化亜鉛、重質もしくは軽質炭酸カ
ルシウム、第２燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、シリカゲル、カーボ
ンブラック、酸化アンチモン、ケイ酸アルミン酸マグネ
シウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成雲母
などの無機粉体。蛋白質粉末、魚鱗箔、金属石鹸、ター
ル色素、レーキなどの有機粉末などが挙げられる。
粉体は、化粧料で汎用される粉体であれば特に限定され
ない。例えば、タルク、カオリン、セリサイト、マイ
カ、雲母チタン、酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウ
ム、一酸化亜鉛、二酸化亜鉛、重質もしくは軽質炭酸カ
ルシウム、第２燐酸カルシウム、水酸化アルミニウム、
硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、シリカゲル、カーボ
ンブラック、酸化アンチモン、ケイ酸アルミン酸マグネ
シウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成雲母
などの無機粉体。蛋白質粉末、魚鱗箔、金属石鹸、ター
ル色素、レーキなどの有機粉末などが挙げられる。
【００２０】本発明の表面処理剤は、湿式法、または、
乾式法で粉体の表面に付着させるが、より均一に表面処
理するためには、湿式法の方が好ましい。具体的には、
表面処理剤をイソプロパノール、エタノール、イソプロ
ピルエーテル、イソパラフィンなどの非フッ素系有機溶
剤で希釈した溶液に粉体を混合し、室温、あるいは、加
熱下で粉体が溶液で均一に濡れるまで撹拌する。このと
きの撹拌には、ヘンシェルミキサー、振動式ボールミ
ル、回転式ボールミル、スーパーミキサー、プラネタリ
ーミキサーなどの撹拌装置が使用される。ラボスケール
で撹拌するときは、家庭用のジューサーミキサーを用い
ても良い。溶液中のフッ素系リン酸エステルの固形分濃
度は、特に限定されないが、粉体混合時の撹拌の際に、
粘度が高くなりすぎないように調製する。撹拌後、真空
状態、あるいは、加熱して有機溶剤を留去し、上記の撹
拌装置で処理粉体を均一に分散する。ラボスケールで撹
拌するときは、家庭用のジューサーミキサー、あるい
は、スピードカッターを用いても良い。
乾式法で粉体の表面に付着させるが、より均一に表面処
理するためには、湿式法の方が好ましい。具体的には、
表面処理剤をイソプロパノール、エタノール、イソプロ
ピルエーテル、イソパラフィンなどの非フッ素系有機溶
剤で希釈した溶液に粉体を混合し、室温、あるいは、加
熱下で粉体が溶液で均一に濡れるまで撹拌する。このと
きの撹拌には、ヘンシェルミキサー、振動式ボールミ
ル、回転式ボールミル、スーパーミキサー、プラネタリ
ーミキサーなどの撹拌装置が使用される。ラボスケール
で撹拌するときは、家庭用のジューサーミキサーを用い
ても良い。溶液中のフッ素系リン酸エステルの固形分濃
度は、特に限定されないが、粉体混合時の撹拌の際に、
粘度が高くなりすぎないように調製する。撹拌後、真空
状態、あるいは、加熱して有機溶剤を留去し、上記の撹
拌装置で処理粉体を均一に分散する。ラボスケールで撹
拌するときは、家庭用のジューサーミキサー、あるい
は、スピードカッターを用いても良い。
【００２１】本発明では、表面処理の際に必要ならば、
使用感を改質するための適当な薬剤を併用しても良い。
粉体の使用感を改質するための薬剤としては、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサ
ン、レシチン、Ｎ−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、シ
リコーン、キトサン、コラーゲン、ワックスなどが例示
される。
使用感を改質するための適当な薬剤を併用しても良い。
粉体の使用感を改質するための薬剤としては、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサ
ン、レシチン、Ｎ−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸、シ
リコーン、キトサン、コラーゲン、ワックスなどが例示
される。
【００２２】本発明の化粧料では、化粧料用撥水撥油性
粉体に加えて、通常、化粧料に汎用される原料を配合し
ても良い。例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マ
イクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャン
デリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコールなどの固形・
半固形油分；スクワラン、流動パラフィン、エステル
油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油
などの流動油分；パーフルオロポリエーテル、パーフル
オロデカリン、パーフルオロオクタンなどのフッ素系油
剤；水溶性および油溶性ポリマー、界面活性剤、有機染
料等の色剤、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、
増粘剤、ｐＨ調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血
行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などが
使用される。本発明の化粧料用粉体の量は、化粧料に対
して、一般に０．１〜１００重量％、例えば５〜９０重
量％であってよい。
粉体に加えて、通常、化粧料に汎用される原料を配合し
ても良い。例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マ
イクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャン
デリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコールなどの固形・
半固形油分；スクワラン、流動パラフィン、エステル
油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油
などの流動油分；パーフルオロポリエーテル、パーフル
オロデカリン、パーフルオロオクタンなどのフッ素系油
剤；水溶性および油溶性ポリマー、界面活性剤、有機染
料等の色剤、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、色素、
増粘剤、ｐＨ調整剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血
行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などが
使用される。本発明の化粧料用粉体の量は、化粧料に対
して、一般に０．１〜１００重量％、例えば５〜９０重
量％であってよい。
【００２３】本発明の化粧料は、通常の方法に従って製
造することができ、ファンデーション、おしろい、アイ
カラー、チークカラーなどのメークアップ化粧品、ボデ
ィパウダー、ベビーパウダーなどのボディー化粧品、サ
ンスクリーンクリーム、サンスクリーンローションなど
の日焼け止め化粧品などに適用することができる。
造することができ、ファンデーション、おしろい、アイ
カラー、チークカラーなどのメークアップ化粧品、ボデ
ィパウダー、ベビーパウダーなどのボディー化粧品、サ
ンスクリーンクリーム、サンスクリーンローションなど
の日焼け止め化粧品などに適用することができる。
【００２４】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。実施例１[CmF2m+1-CH2CH2-O]nPO(OH)3-n[式中、m
=8 50重量%、m=10 30重量%、m=12 20重量%、n=1 35
mol%、n=2 60mol%、n=3 5mol%]のフッ素系リン酸エス
テルを、HCFC225 30重量%、HCFC141b 20重量%、C4F9O
C2H5 10重量%、イソプロピルアルコール40重量%の混合
溶媒に、固形分が40重量%となるように希釈し、約80℃
で加熱した後、室温に冷却した。フッ素系リン酸エステ
ルは透明に溶解した。
する。実施例１[CmF2m+1-CH2CH2-O]nPO(OH)3-n[式中、m
=8 50重量%、m=10 30重量%、m=12 20重量%、n=1 35
mol%、n=2 60mol%、n=3 5mol%]のフッ素系リン酸エス
テルを、HCFC225 30重量%、HCFC141b 20重量%、C4F9O
C2H5 10重量%、イソプロピルアルコール40重量%の混合
溶媒に、固形分が40重量%となるように希釈し、約80℃
で加熱した後、室温に冷却した。フッ素系リン酸エステ
ルは透明に溶解した。
【００２５】比較例１ 実施例１のフッ素系リン酸エス
テルをイソプロピルアルコールに固形分が40重量%とな
るように希釈し、約80℃で加熱した後、室温に冷却し
た。フッ素系リン酸エステルは溶解せず析出した。
テルをイソプロピルアルコールに固形分が40重量%とな
るように希釈し、約80℃で加熱した後、室温に冷却し
た。フッ素系リン酸エステルは溶解せず析出した。
【００２６】実施例２
実施例１のフッ素系リン酸エステル溶液を以下の方法
で、下表の混合粉体に処理した。フッ素系リン酸エステ
ル溶液４ｇをイソプロパノール１２０ｇに６０℃で加熱
溶解した。この溶液と混合粉体４０ｇをジューサーミキ
サーにいれ３０秒間攪拌した。粉体分散液をアルミバッ
トに流し込み、一昼夜、乾燥機（６０℃）中で乾燥させ
た。溶剤が乾燥後、さらに１３０℃で３時間加熱した。
で、下表の混合粉体に処理した。フッ素系リン酸エステ
ル溶液４ｇをイソプロパノール１２０ｇに６０℃で加熱
溶解した。この溶液と混合粉体４０ｇをジューサーミキ
サーにいれ３０秒間攪拌した。粉体分散液をアルミバッ
トに流し込み、一昼夜、乾燥機（６０℃）中で乾燥させ
た。溶剤が乾燥後、さらに１３０℃で３時間加熱した。
【００２７】
【表１】表１
【００２８】濾紙の上に表面処理した混合粉体を均一に
塗布し、水または所定の油を滴下することにより撥水撥
油性の評価をした。表1に示す表面張力の異なる８種類
の油を滴下して、１分後にしみこまない油の点数を撥油
性とした。
塗布し、水または所定の油を滴下することにより撥水撥
油性の評価をした。表1に示す表面張力の異なる８種類
の油を滴下して、１分後にしみこまない油の点数を撥油
性とした。
【００２９】
【表２】
【００３０】実施例2で調製したフッ素処理粉体は水を
はじき、撥油性は6点であった。
はじき、撥油性は6点であった。
【００３１】実施例３および比較例２
以下の実施例および比較例で得られた化粧料の性能は次
のように評価した。化粧持ちを次の基準で評価した。 ◎：非常に良い ○：良い △：普通 ×：悪い ××：非常に悪い 評価は官能評価の専門パネラー５名が行い、その平均を
結果とした。実施例2の混合粉体を実施例3で用い、表面
処理しないものを比較例2で用いた。
のように評価した。化粧持ちを次の基準で評価した。 ◎：非常に良い ○：良い △：普通 ×：悪い ××：非常に悪い 評価は官能評価の専門パネラー５名が行い、その平均を
結果とした。実施例2の混合粉体を実施例3で用い、表面
処理しないものを比較例2で用いた。
【００３２】製法：成分(1)〜(4)をアトマイザーで混合
粉砕し、これをヘンシェルミキサーに移して、成分
(5)、(6)を加え、均一に混合した。これを金型に入れ、
プレス成型して、パウダリーファンデーションとした。
粉砕し、これをヘンシェルミキサーに移して、成分
(5)、(6)を加え、均一に混合した。これを金型に入れ、
プレス成型して、パウダリーファンデーションとした。
【００３３】
【表３】表３
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Ｆターム(参考） 4C083 AB232 AB242 AB432 AB442
AC482 AC811 AC901 AD072
AD152 BB25 CC12 EE50
FF01
4H020 BA21
4J037 AA02 AA09 AA11 AA15 AA18
AA21 AA22 AA24 AA26 AA27
CB01 CB07 CB22 DD25 EE02
EE28 EE43
Claims (6)
- 【請求項１】 一般式（1）： [Rf-A-O]nPO(OH)3-n （1） ［式中、Ｒfは炭素数６〜１６のポリフルオロアルキル
基もしくはパーフルオロポリエーテル基、Ａは炭素数１
〜４のアルキレン基、 【化１】 （但し、Ｒ１は炭素数１〜４のアルキル基、Ｒ２は炭素
数１〜４のアルキレン基である）、もしくは、 【化２】 であり、ｎは１〜３の数を示す。］で示されるフッ素系
リン酸エステルを、固形分濃度２０〜９０重量％となる
ように、フッ素系有機溶剤を１０〜１００重量％含有す
る溶剤中に、溶解させた粉体表面処理剤。 - 【請求項２】 フッ素系有機溶剤が、フッ素系炭化水素
および／またはフッ素系エーテルである請求項１に記載
の表面処理剤。 - 【請求項３】 フッ素系有機溶剤が、HCFC225（ジクロ
ロペンタフルオロプロパン）、および／または、HCFC14
1b（ジクロロフルオロエタン）、および／または、C4F9
OCnH2n+1 (2)[ｎは、１〜４の数を示す。]で示さ
れるハイドロフルオロエーテルである請求項１に記載の
表面処理剤。 - 【請求項４】 請求項１の処理剤を非フッ素系有機溶剤
で希釈した溶液、あるいは、原液そのものを、未処理粉
体と混合攪拌する粉体表面処理方法。 - 【請求項５】 請求項４の処理方法で処理して製造した
化粧料用粉体。 - 【請求項６】 請求項５の粉体を配合した化粧料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001250354A JP2003055578A (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | フッ素系溶剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001250354A JP2003055578A (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | フッ素系溶剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003055578A true JP2003055578A (ja) | 2003-02-26 |
Family
ID=19079188
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001250354A Pending JP2003055578A (ja) | 2001-08-21 | 2001-08-21 | フッ素系溶剤に溶解した表面処理剤、該表面処理剤を用いた粉体表面処理方法、化粧料用撥水撥油性粉体、および、化粧料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2003055578A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016043118A1 (ja) * | 2014-09-17 | 2016-03-24 | 旭硝子株式会社 | ペルフルオロポリエーテル基含有ホスフェート化合物を含む基材用の表面処理剤 |
-
2001
- 2001-08-21 JP JP2001250354A patent/JP2003055578A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016043118A1 (ja) * | 2014-09-17 | 2016-03-24 | 旭硝子株式会社 | ペルフルオロポリエーテル基含有ホスフェート化合物を含む基材用の表面処理剤 |
| JPWO2016043118A1 (ja) * | 2014-09-17 | 2017-07-27 | 旭硝子株式会社 | ペルフルオロポリエーテル基含有ホスフェート化合物を含む基材用の表面処理剤 |
| US10239997B2 (en) | 2014-09-17 | 2019-03-26 | AGC Inc. | Surface treatment agent for substrate, comprising perfluoropolyether group-containing phosphate compound |
| US10836862B2 (en) | 2014-09-17 | 2020-11-17 | AGC Inc. | Surface treatment agent for substrate, comprising perfluoropolyether group-containing phosphate compound |
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