JP2003055187A5 - - Google Patents

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【特許請求の範囲】
【請求項1】1)1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物と2)中空アクリル樹脂粉体とを含有することを特徴とする、マッサージ用の化粧料。
【請求項2】1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物が、メチルシロキサン網状重合体、ジメチルポリシロキサンエラストマー及びトリメチルシロキシ珪酸から選ばれる1種乃至は2種以上である、請求項1に記載のマッサージ用の化粧料。
【請求項3】クラッキング・フォーム剤形であること特徴とする、請求項1又は2に記載のマッサージ用の化粧料。
【請求項4】クラッキング・フォームが低沸点の液化天然ガスによって形成されるものであることを特徴とする、請求項3に記載のマッサージ用の化粧料。
一方、1)1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物と2)中空アクリル樹脂粉体とを含有することを特徴とする、マッサージ用の化粧料は知られていないし、この様な構成を採ることにより、ベタツキ感、ぬめり感、脂っぽさを感じさせずにマッサージ時の摩擦低減が為しうる化粧料を提供できることも全く知られていなかった。更に加えてクラッキング・フォーム剤形を取ることにより、マッサージ効果も向上しうることも知られていなかった。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、オイルを主体とした化粧料によらない、マッサ
ージ時の摩擦低減手段を求めて、鋭意研究を重ねた結果、
1)1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物と2)中空アクリル樹脂粉体とを含有することを特徴とする、マッサージ用の化粧料がその様な特性を備えていることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す技術に関するものである。
(1)1)1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物と2)中空アクリル樹脂粉体とを含有することを特徴とする、マッサージ用の化粧料。
(2)1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物が、メチルシロキサン網状重合体、ジメチルポリシロキサンエラストマー及びトリメチルシロキシ珪酸から選ばれる1種乃至は2種以上である、(1)に記載のマッサージ用の化粧料。
(3)クラッキング・フォーム剤形であること特徴とする、(1)又は(2)に記載のマッサージ用の化粧料。
(4)クラッキング・フォームが低沸点の液化天然ガスによって形成されるものであることを特徴とする、(3)に記載のマッサージ用の化粧料。
以下、本発明について更に詳細に説明を加える。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明のマッサージ用の化粧料の必須成分である1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物
本発明のマッサージ用の化粧料は、1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物を必須成分として含有することを特徴とする。かかる有機珪素化合物としては、1気圧20℃で固体の状態であり、通常化粧料で使用されているものであれば、特段の限定無く使用することが出来る。この様なものの内、好ましいものは、テトラメトキシシロキサンやメチルトリメトキシシロキサンの存在下ジメトキシジメチルシロキサンを重合させ、所望によりトリメチルメトキシシロキサンでエンドキャッピングして得られる、メチルシロキサン網状重合体やトリメチルシロキシ珪酸、ジメトキシジメチルシロキサンを高重合度で重合させた、高重合度ジメチルポリシロキサン或いはジメチルポリシロキサンエラストマー等が例示でき、この内、トリメチルシロキシ珪酸が好ましく、該トリメチルシロキシ珪酸はデカメチルシクロペンタシロキサンなどの揮発性シリコーンに50重量%程度の濃度で可溶化して使用することが好ましい。かかる1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。かかる1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物は水溶性高分子のぬめり感やベタツキ感を緩和する作用を発揮する。この様な1気圧20℃で固体の有機珪酸化合物の本発明のマッサージ用の化粧料に於ける好ましい含有量は、総量で化粧料全量に対して、0.005〜0.5重量%であり、更に好ましくは0.05〜0.3重量%である。これは少なすぎると水溶性高分子のぬめり感やベタツキ感を抑えることが出来ず、マッサージの効果を向上できない場合があり、多すぎると系そのものの安定性を損なう場合があるからである。
(2)本発明のマッサージ用の化粧料の必須成分である中空アクリル樹脂
本発明のマッサージ用の化粧料は中空アクリル樹脂を含有することを特徴とする。中空のアクリル樹脂は既に数種類のものが化粧料用の原料として販売されており、本発明ではそれを使用することが出来る。勿論アクリル酸アルキルやメタクリル酸アルキルなどのアクリル系樹脂モノマーをコアセルベーション法に従って重合させて製造し用いることも可能であるが、市販品を使用することが、品質の安定性の見地から好ましい。この様な市販の中空アクリル樹脂粉体としては、メタクリル酸メチルとエチレングリコールメチルメタアクリレートの共重合体であるチュウクウビーズ(松本油脂株式会社)が特に好ましく例示できる。本発明のマッサージ用の化粧料に於いては、かかる中空アクリル樹脂粉体は天然ガスのリザーバーとなり、クラッキングを持続させる作用を有すると同時に球体効果による摩擦低減作用も有する。本発明のマッサージ用の化粧料に於いては、かかる中空アクリル樹脂は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る本発明のマッサージ用の化粧料に於ける、かかる中空アクリル樹脂粉体の好ましい含有量は、総量で化粧料全量に対して、0.01〜1重量%であり、更に好ましくは0.1〜0.5重量%である。これは少なすぎると、摩擦低減作用やリザーバー作用が得られない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり系の安定性を損なう場合があるからである。
(3)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、上記必須成分を含むことを特徴とし、クラッキング・フォーム剤形を好ましく取るものである。本発明の化粧料は、前記必須成分である、1)有機珪素化合物と2)中空アクリル樹脂粉体以外に、通常化粧料で使用される任意の成分を含有することが出来る。かかる任意の成分としては、スクワランや流動パラフィン、固形パラフィンなどの炭化水素類、ホホバ油やゲイロウなどのエステル類、ステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸類、ベヘニルアルコールやセタノール、オレイルアルコールなどの高級アルコール類、牛脂やオリーブオイル等のトリグリセライド類、ステアリン酸モノグリセリド、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンステアレート等の非イオン界面活性剤、ソジウムラウリルステアレートなどのアニオン界面活性剤、4級アルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、結晶セルロース等の粉体類、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマーの塩、アクリル酸・メタクリル酸(C10〜30)アルキルコポリマーの塩、ポリアクリル酸の塩、ベントナイト、キサンタンガムやヒドロキシプロピルセルロースなどの増粘剤、ビタミンやグリチルリチンなどの有効成分などが好ましく例示できる。これらの内,好ましいものは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘作用を有する水溶性高分子である。これらはクラッキング・フォーム剤形において、クラッキングの程度を好ましく調節するからである。本発明の化粧料に於けるかかる水溶性高分子の好ましい含有量は、0.05〜1重量%であり、更に好ましくは、0.1〜0.5重量%である。これは、少なすぎても、多すぎてもクラッキング特性が損なわれる場合があるためである。更に、クラッキング・フォーム剤形を具現化するためには、噴出用のガスとして低沸点液化天然ガスを使用することも好ましい。低沸点液化天然ガスの低沸点とは、液化天然ガス及びその分留物の内、沸点が低いものの総称を意味し、大凡の好ましい基準としては、20℃における圧力が0.1〜0.2MPa、更に好ましくは、0.12〜0.18MPaのものが例示できる。これはこの圧が高すぎても低すぎても好ましいクラッキング・フォーム剤形とならない場合があるためである。この様な特性の液化天然ガスは、その構成を80%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上をノルマルブタンとすることにより調整できる。かかる低沸点液化天然ガスを、前記天然ガスを含む化粧料全量に対して60〜80重量%、更に好ましくは62〜68重量%になるように含有させることにより、クラッキング・フォーム剤形とすることが出来る。ここで、クラッキング・フォーム剤形とは、噴出したフォームが「パチパチ」と音を立ててはじける形態の剤形のことを意味し、又、本発明に於いては、ガス成分以外のエタノールなどの水より沸点の低い成分から選ばれる1種乃至は2種以上を含有させることも、クールダウン効果を増強させるので好適である。本発明の化粧料における水より沸点の低い成分の好ましい含有量は、化粧料全量に対して、総量で1〜10重量%であり、更に好ましくは5〜8重量%である。又、乳化剤としては、ポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基とを有する分岐アルコールのエーテルが好ましく例示でき、中でもPOE(30)POP(6)デシルテトラデシルエーテル特に好ましく例示できる。このものの好ましい含有量は0.01〜0.5重量%である。このものはこの範囲に於いてクラッキングに好ましい泡を形成しめる。本発明の化粧料は、上記必須成分と任意の成分とを常法に従って処理することにより製造することが出来る。かくして得られた化粧料は、塗布時に摩擦を著しく軽減し、且つ、その摩擦係数の変化を小さくさせる作用を有する。
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