JP2003055120A - 二酸化塩素組成物含有シート材 - Google Patents

二酸化塩素組成物含有シート材

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JP2003055120A
JP2003055120A JP2001245822A JP2001245822A JP2003055120A JP 2003055120 A JP2003055120 A JP 2003055120A JP 2001245822 A JP2001245822 A JP 2001245822A JP 2001245822 A JP2001245822 A JP 2001245822A JP 2003055120 A JP2003055120 A JP 2003055120A
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chlorine dioxide
sheet material
dioxide composition
composition
water
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Sanai Fujita
佐内 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化塩素ガスの発生量を自在にコントロー
ルでき、しかもその用途をより一層拡大できる形態とす
る。 【解決手段】 本発明の二酸化塩素組成物含有シート材
は、紙材、織布(繊維布)、不織布、プラスチックシー
ト乃至フィルムなどの柔軟性を備えたシート材1の表面
又は裏面に二酸化塩素組成物2を塗布して形成可能であ
る。二酸化塩素組成物には、焼成骨材、水、溶存二酸化
塩素、ゲル化剤(吸水性ポリマーや寒天など)及び糊材
を含有させる。このように二酸化塩素組成物中に焼成骨
材を配合することにより、二酸化塩素ガスの保持能力を
高めることができ、しかも加熱或いは風を送ることで二
酸化塩素ガスの放出を促すことができる。また、シート
形態としたことで使い勝手を高め、用途をより一層拡大
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二酸化塩素組成物
を含有してなるシート材に関し、詳しくは、二酸化塩素
組成物から蒸発する二酸化塩素ガスによって殺菌、抗
菌、防カビ、消臭などの各種効果を提供することができ
る二酸化塩素組成物含有シート材に関する。
【0002】
【従来の技術】二酸化塩素(ClO2)は、亜塩素酸ナ
トリウムと塩酸又はクエン酸などから生成される気体で
あり(分子量67.45、融点−59℃、沸点11
℃)、強力な酸化作用、消臭作用、殺菌作用などを有し
ている。中でも、二酸化塩素の殺菌力は塩素の2〜3倍
であると言われ、大腸菌、黄色ブドウ球菌、MRSA
(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、枯草菌、黒こうじ
カビ、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、O−157強
力、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)など、現在社
会的に問題となっている多くの菌に対してその効果を発
揮する。また、二酸化塩素は、通常濃度(250ppm
程度)であれば経口毒性に関して問題がないことが確認
されており、海外では水道水の消毒にも利用されてい
る。更には、消毒剤として広く知られる次亜塩素酸が有
機物と反応してトリハロメタンやダイオキシンなどを発
生するのに対し、二酸化塩素はこれが無いという点でも
注目されている。
【0003】その一方、二酸化塩素(ClO2)は、有
機物と激しく反応する不安定な面を有しており、従来、
貯蔵の困難性や発生装置の必要性からその用途は限られ
ていたが、米国において二酸化塩素をアルカリ性水溶液
に溶存させて安定化させる方法が開発され(米国特許第
3123521号)、それ以来二酸化塩素の使い勝手は
格段に向上した。ちなみに、米国特許第3123521
号は、過酸化炭酸ナトリウム(Na226)水溶液に
溶解して安定化すると共にpH調整によって適当に二酸
化塩素ガスを発生させる方法を開示している。
【0004】その後も相次いで新たな二酸化塩素含有組
成物が提案されており、例えば、特開昭57−2210
2号は、寒天やゼラチンなどのゲル化剤と、水と、二酸
化塩素発生溶液を含むゲル組成物を開示し、特開昭61
−181532号は、安定化二酸化塩素水溶液と、カル
ボキシル基を含有する吸水性樹脂からなる安定化二酸化
塩素含有ゲル状組成物を開示し、さらに特開昭61−4
0803号は、安定化二酸化塩素水溶液、高吸水性樹脂
及び接着剤よりなるゲル状組成物を開示している。
【0005】また、特許第3110724号(特開平1
1−278808号)は、安定性を維持するために二酸
化塩素水溶液をアルカリ性に保持すると、該水溶液中で
は二酸化塩素がClO2 -イオンに解離することになり、
殺菌、消臭等の作用を発現する遊離二酸化塩素ガスの発
生が少なくなり、充分な殺菌・消臭効果が得られないと
いう問題を指摘し、かかる課題を解決するため、水に二
酸化塩素ガスを溶存させると共に、当該水溶液に亜塩素
酸リチウム等の亜塩素酸塩、及びクエン酸等のpH調整
剤又は酸性を示す界面活性剤を配合することにより、殺
菌、消臭等の作用を発現する遊離二酸化塩素を高濃度に
含有させつつこの濃度を長期間ほぼ一定に保つことを開
示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では二酸化塩素ガスの放出量を自在にコントロール
することが困難であり、特に人間の体の付近で使用する
ことを考えると二酸化塩素ガスの放出量が多すぎるとい
う問題を抱えていた。
【0007】また、従来のこの種の二酸化塩素組成物
は、もっぱら溶液か或いはゲル状の形で各種用途に使用
されており、その形態を工夫すれば二酸化塩素組成物の
用途を更に拡大することができるものと本発明者は考え
た。
【0008】そこで本発明は、不使用時には二酸化塩素
ガスの発生量を抑制でき、しかも使用時には必要充分な
量の二酸化塩素ガスを自在かつ容易に発生させることが
でき、更にはその用途をより一層拡大することができる
新たな形態の二酸化塩素組成物を提供せんとするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題解決のため、
本発明は、焼成骨材、水及び溶存二酸化塩素を含有して
なる二酸化塩素組成物をシート材に塗布又は含浸させて
なる二酸化塩素組成物含有シート材を提案する。
【0010】二酸化塩素組成物中に焼成骨材を配合する
ことにより、二酸化塩素ガスの保持能力を高めることが
でき、不使用時には二酸化塩素ガスの放出を極僅かに抑
えることができ、従来の二酸化塩素組成物よりもその消
費期限を長期化することができる。しかも、加熱したり
或いは風を吹き付けたりするだけで、二酸化塩素ガスの
放出(蒸発)を促すことができ、必要な時に必要充分な
量の二酸化塩素ガスを容易に発生させることができる。
また、焼成骨材を加えない場合に比べ、発生するガスの
抗菌効果を有意に高めることができることが確かめられ
ている。なぜ焼成骨材を配合すると二酸化塩素ガスの保
持能力及び抗菌効果を高めることができ、しかも熱や風
によって二酸化塩素ガスの放出を容易に促すことができ
るのかと言えば、焼成骨材は、内部に無数の気孔を有す
るポーラス状であるために大量の二酸化塩素ガスを保持
できる上、熱に極めて反応し易く、しかも元来高い抗菌
力を有する発生期のカルシウムを同時に大量に放出する
ことによる相乗効果を得られるためである。また、シー
ト材の形態とすることで、使い勝手を高めて二酸化塩素
組成物の用途をより一層拡大することができる。例え
ば、このシート材から小児用又は大人用のおむつ、靴の
中敷、生理用品(ナプキン)、布団、シーツ、マスク、
帽子など或いはこれらに貼着又は付着するシート材な
ど、すなわち人間或いは動物の体に接触するか或いは近
接する位置で使用する製品を製造すれば、体温によって
その製品中の二酸化塩素組成物が保温されて二酸化塩素
ガスが自然に発生するから、これを普通に使用するだけ
で殺菌・抗菌効果、消臭効果などの各種作用効果を得る
ことができる。
【0011】本発明の二酸化塩素組成物含有シート材
は、例えばシート材の表裏一側面或いは両側面に二酸化
塩素組成物を塗布又は含浸させるようにして構成するこ
とが可能である。また、シート材間に二酸化塩素組成物
を介在させるように構成することも可能である。また、
袋状に形成したシート材内部に二酸化塩素組成物を介在
させ、少なくとも一方のシート面に穴を設け、この穴を
塞ぐようにテープ材を剥離可能に貼着して構成すること
も可能である。このような構成であれば、使用する際に
当該テープ材を剥がして穴を露出することにより、より
多くの二酸化塩素ガスを当該穴から集中的に放出させる
ことができるから、ターゲットの消臭、殺菌,抗菌をよ
り効果的に行なうことができる。なお、本発明の二酸化
塩素組成物含有シート材におけるシート材とは、上述の
ように単層シート材は勿論、複層のシート材も、更には
袋状に形成したシート材も包含するものであり、厚みに
関しても限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0013】本発明の二酸化塩素組成物含有シート材
は、焼成骨材、水及び溶存二酸化塩素を含有してなる二
酸化塩素組成物をシート材に塗布又は含浸させることに
より製造することができる。
【0014】この際、二酸化塩素組成物は、例えば「二
酸化塩素水溶液」に「焼成骨材」を含有させたものを使
用することができるが、シート材に塗布するためには適
度の粘着力が必要であるため、塗布用の「二酸化塩素組
成物」としては、更に「ゲル化剤」或いは「糊材」、好
ましくはこれら両方を加えて粘着力を確保するのが好ま
しい。
【0015】(焼成骨材)上記の「焼成骨材」として
は、動物(哺乳類、魚類、鳥類含む)の骨、貝殻及びサ
ンゴからなる群から選択される1種或いは2種類以上を
焼成したものを用いることができ、中でも、牛、馬、羊
等の草食動物の硬骨を主体とする動物の骨を焼成したも
のが好ましい。なお、豚、猪等は軟骨が多いため、製造
途中の煮沸工程で大部分が溶けてしまう可能性がある。
また、実際に混入する焼成骨材の形態としては、破砕片
状、粒子状、或いは粉状であるのが好ましい。
【0016】ここで、焼成骨材の具体的な製造方法の一
例について説明する。畜産場等で廃棄された生骨を適度
な大きさに切断し、煮沸する。煮沸は、生骨を圧力釜
(圧縮釜)に投入し、5気圧前後の圧力をかけて約20
0〜400℃で60分間程度煮沸する。煮沸工程は、に
かわ、脂肪、骨ずい等の有機物を骨から分離除去するた
めの工程であり、この煮沸工程によって骨の外側のみな
らず気孔内に付着している有機物を骨から略分離除去す
ることができる。煮沸する際、圧力釜の中にカセイソー
ダ又は製造済みの骨粉を混入して煮沸すれば、カセイソ
ーダや水酸化カリウム等のアルカリの作用で有機物が鹸
化されて水に溶けやすくなり、有機物の分離作用が促進
されて骨から除去されやすくなるから、煮沸時間を短縮
することができる。また、煮沸後の骨には水または熱水
をかけて有機物その他の汚れを落としておくのが好まし
い。次に、煮沸した骨材を900°C〜1100°C前
後で焼成する。但し、焼成する前に、煮沸後の骨を凍結
庫(冷凍庫)等内で凍結させ、凍結した骨が粉砕した後
に焼成するようにしてもよい。煮沸後の骨は気孔の中に
多数の水分が残存しているため凍結し易く、凍結した骨
は粉砕し易い。焼成した骨材は、冷却後、パウダー機に
かけて20〜200メッシュ前後、特に好ましくは50
〜100メッシュの粉状の骨粉に粉砕するのが好まし
い。以上の製造方法によれば、例えば牛骨を原料とした
場合であれば原料生骨の重量比約40%の骨粉を得るこ
とができ、当該骨粉は、カルシウム(約33重量%)を
主成分とし、リン(約16.7%)、バリウム(約1.
03%),ナトリウム(約0.76%),イオウ(約
0.64%)、他にマグネシウム、カリウム、塩素、ア
ミン、鉄等を含有する。また、粒子の内外に渡って無数
の微小気孔が連通存在し、イオン化すればカルシウム、
ナトリウム等によりアルカリ性を呈する。
【0017】(二酸化塩素水溶液)「二酸化塩素水溶
液」としては、二酸化塩素を水中にバブリングするなど
して溶解させてなる水溶液、二酸化塩素を過酸化炭酸ナ
トリウム水溶液或いは過炭酸ナトリウム水溶液などのア
ルカリ性水溶液に溶解してなる水溶液、これらの水溶液
にpH調整剤を加えてなる水溶液、二酸化塩素を亜塩素
酸塩水溶液に溶解してなる水溶液、この水溶液にクエン
酸等のpH調整剤を加えてなる水溶液、或いはその他従
来公知の安定化二酸化塩素水溶液等を用いることができ
る。中でも、二酸化塩素を亜塩素酸塩水溶液に溶解し、
これにクエン酸等のpH調整剤或いは酸性を示す界面活
性剤を加えてなる水溶液は、溶存二酸化塩素を高濃度に
含有し、殺菌、消臭等の作用を発現する遊離二酸化塩素
ガスの発生を十分に発生させることができる点で好まし
い。
【0018】ここで、「二酸化塩素を亜塩素酸塩水溶液
に溶解し、これにクエン酸等のpH調整剤或いは酸性を
示す界面活性剤を加えてなる水溶液」について説明する
と、「亜塩素酸塩」としては、亜塩素酸リチウム、亜塩
素酸ナトリウム及び亜塩素酸カリウムから選ばれる少な
くとも1種の亜塩素酸アルカリ金属塩、或いは、亜塩素
酸カルシウム、亜塩素酸バリウム及び亜塩素酸マグネシ
ウムから選ばれる少なくとも1種の亜塩素酸アルカリ土
類金属塩を用いることができる。「pH調整剤」として
は、クエン酸が好適であるが、その他の当業界で使用さ
れているpH調整剤を用いることもできる。また、「酸
性を示す界面活性剤」としては、ショ糖脂肪酸エステ
ル、クエン酸ナトリウム、プロピレングリコール及びエ
タノールよりなる混合界面活性剤[ショクセンSE(三
菱化学フーズ社製)]が用いられるが、その他の当業界
で使用されている「酸性を示す界面活性剤」を用いるこ
ともできる。かかる水溶液は、具体的には、亜塩素酸リ
チウムを水に溶解して50000ppm程度の「亜塩素
酸塩水溶液」を調製する一方、二酸化塩素ガスを水中に
バブリングして2500ppm程度の「二酸化塩素水溶
液」を調製し、更には、亜塩素酸リチュウムを水に溶解
して10000ppm程度の亜塩素酸リチウム水溶液を
調製した後、これにクエン酸を溶解してクエン酸を含有
する「クエン酸含有亜塩素酸リチウム水溶液」を調製す
る。次に、前記「亜塩素酸リチウム水溶液」、前記「二
酸化塩素水溶液」及び前記「クエン酸含有亜塩素酸リチ
ウム水溶液」を混合し、室温で十分に攪拌して得ること
ができる。なお、このようにして得られる二酸化塩素水
溶液については、特開平11−278808号内の[0
032]〜[0037][0045][0057]〜[005
9]及び[0062]〜[0076]に詳しく開示されてお
り、商品名「ピュアプロセス505」(株式会社ビジネ
スプラン製)として市販されている。
【0019】(ゲル化剤)「ゲル化剤」としては、吸水
性ポリマー、寒天、ゼラチン、水ガラスからなる群から
選択される1種或いは2種類以上を用いることができる
が、目に見えて減少していくという観点から「寒天」を
用いるのが最も好ましい。
【0020】なお、「吸水性ポリマー」としては、吸水
倍率約50〜500g/g程度の吸水性を備えたポリマ
ーであれば用いることが可能であり、例えば澱粉−アク
リロニトリルグラフト重合体加水分解物や澱粉−アクリ
ル酸グラフト重合体などの澱粉系吸水性ポリマー、セル
ロース−アクリロニトリルグラフト重合体やセルロース
−スチレンスルホン酸グラフト共重合体などのセルロー
ス系吸水性ポリマー、多糖類系吸水性ポリマーやコラー
ゲンなどのたんぱく質系吸水性ポリマー、ポリビニルア
ルコール架橋重合体やポリビニルアルコール−ポリアク
リル酸塩共重合体などのポリビニルアルコール系吸水性
ポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体やアクリル
酸ナトリウム−ビニルアルコール共重合体などのアクリ
ル系吸水性ポリマー、イソブチレン−マレイン酸共重合
体や無水マレイン酸などのマレイン酸系吸水性ポリマ
ー、ビニルピロリドン系吸水性ポリマー、ポリエチレン
グリコール・ジアクリレート架橋重合体などのポリエー
テル系吸水性ポリマー、エステル縮合系吸水性ポリマ
ー、アミド縮合系吸水性ポリマーを使用することが可能
である。中でも、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合
体加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体などの
澱粉系吸水性ポリマー、セルロース−アクリロニトリル
グラフト重合体やセルロース−スチレンスルホン酸グラ
フト共重合体などのセルロース系吸水性ポリマーなどを
用いるのが好ましい。この吸水性ポリマーの形態は、パ
ウダー状、ビーズ状、ゲル状など任意の形態で用いるこ
とができる。吸水性ポリマーは、亜塩酸イオン1%水溶
液100ml当たり3gを目安として配合すればよく、
具体的には純粋二酸化塩素液剤に対して1〜10重量%
配合すればよい。
【0021】吸水性ポリマーを配合しない場合には、ゲ
ル化補助剤を加えることによってゲル化を促進させるよ
うにしてもよい。ゲル化補助剤としては、セルロース誘
導体、或いはアルカリ、アルカリ土類金属塩を挙げるこ
とができる。但し、ゲル化補助剤は必ずしも加えなくて
もよい。また、アルコール類を添加すれば均質化を促進
することができるが、酢酸に変化する課題を抱えてい
る。
【0022】吸水性ポリマー以外のゲル化剤の配合量
は、亜塩素酸イオン1%水溶液100ml当たり2%を
目安として配合すればよく、寒天であれば純粋二酸化塩
素液剤に対して2〜20重量%配合すればよい。その一
方、吸水性ポリマーと共に用いる場合には、吸水性ポリ
マー重量の約20%を目安として配合すればよく、寒天
であれば純粋二酸化塩素液剤に対して0.2〜2重量%
配合すればよい。
【0023】(糊材)「糊材」としては、コーンスター
チ、片栗粉、澱粉などの天然糊材群から選択される1種
或いは2種類以上、中でも特にコーンスターチや片栗粉
を好ましく用いることができる。これら糊材の配合量
は、全重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜3
0重量%配合するようにするのが好ましい。
【0024】ここで、二酸化塩素組成物の製造方法の一
例について説明する。但し、本発明で使用する二酸化塩
素組成物の製造が下記例に限定されるものではない。
【0025】溶存二酸化塩素ガス250〜1000pp
m、焼成骨材粉5〜15重量%、糊材3〜30重量%を
含有する水溶液を作成する一方、寒天を熱湯に10〜3
0重量%溶かし、寒天が固まり始める頃すなわち30〜
50℃まで冷えたところでこの寒天溶液に対して10〜
50重量%の前記水溶液を加えるようにすれば、適度な
粘着力を備えた二酸化塩素組成物を製造することができ
る。なお、上記の数値は一例を示したものであって、用
途等に応じて適宜変更することが可能である。
【0026】より具体的には、溶存二酸化塩素ガス50
0ppm、亜塩素酸塩10,000ppm、pH5.6
からなる純粋二酸化塩素水溶液(「ピュアプロセス50
5」株式会社ビジネスプラン製)1,000mlに牛骨
焼成粉100g及びコーンスターチ50gを入れて攪拌
し「牛骨焼成粉含有二酸化塩素水溶液」を調製する。
【0027】なお、これらの数値は一例である。例え
ば、牛骨焼成粉含有量は二酸化塩素ガスの放出量(速
度)に合わせて適宜変更するのが好ましい。すなわち、
牛骨焼成粉の量を多くすれば放出速度を低下させること
ができる。また、牛骨焼成粉としては、牛生骨を焼成し
やすい大きさにカッティングした後、圧力釜(圧縮釜)
に投入して約300℃で約90分間煮沸し、次いで、焼
成炉にて約1100℃で約90分間焼成し、そのまま炉
内で自然冷却させ、そして粉砕機で200〜600me
shに粉砕したものを使用するのが好ましい。
【0028】他方、寒天溶液の方は、寒天20gを約8
0℃のお湯100mlに溶かし、寒天が固まり始める頃
すなわち30〜50℃まで冷えたところで、前記の「牛
骨焼成粉含有二酸化塩素水溶液」10mlを加えて攪拌
し、その後放置すれば、本発明の「二酸化塩素組成物」
を得ることができる。上記の数値も一例を示したもので
あって、用途等に応じて適宜変更することが可能であ
る。
【0029】以上のように焼成骨材を配合してなる「二
酸化塩素組成物」は、二酸化塩素ガスの保持能力に優れ
て、不使用時には二酸化塩素ガスの放出量を抑えること
ができる一方、加熱或いは送風によって二酸化塩素ガス
の放出(蒸発)を促すことができ、所望量の二酸化塩素
ガスを供給することができる。例えば、約40℃以上に
加熱すれば(35℃でも充分)、二酸化塩素ガスの放出
を促すことができ、約60℃以上に加熱すれば激しく放
出させることができる。また、シロッコファン等で二酸
化塩素組成物の表面に風を当てれば二酸化塩素ガスを含
んだ風を風下に送ることができ、ターゲットの殺菌・抗
菌などを行なうことができる。この際、加熱しながら送
風するようにすれば、より多量の二酸化塩素ガスと発生
期のカルシウムを送風することができる。したがって、
不使用時は二酸化塩素ガスの放出量を抑えることがで
き、使用時には必要十分な量の二酸化塩素ガスを自在か
つ容易に供給することができる。更に、本発明で使用す
る二酸化塩素組成物は、焼成骨材を配合したことにより
二酸化塩素ガスの殺菌力を高めることができることが確
かめられている。すなわち、二酸化塩素水溶液に吸水性
ポリマーのみを混合した二酸化塩素組成物では“白癬
菌”(水虫の原因菌であり、死滅させることが難しい
菌)を死滅させることができなかったのに対し、本発明
の二酸化塩素組成物を用いたところ当該“白癬菌”を死
滅させることができた事実がある。従って、靴の中敷や
げた箱内に敷設するシート材として有効に使用すること
ができる。また、上記の如く製造した二酸化塩素組成物
適度は、適度な粘着性を備えているから、どのようなシ
ート材に対しても容易に塗布することができる。
【0030】(シート材)上記「二酸化塩素組成物」を
塗布又は含浸するシート材としては、シート材(フィル
ム材含む)の形態であれば特にその素材は限定しない。
中でも紙材、織布(繊維布)、不織布、プラスチックシ
ート乃至フィルムなどの柔軟性を備えたシート材である
のが好ましい。また、プラスチックシート等の気密性を
維持できるシート材を袋状に形成してその内部に二酸化
塩素組成物を塗布するようにすれば、不使用時の二酸化
塩素ガス放散を確実に抑えることができる。
【0031】(二酸化塩素組成物含有シート材)二酸化
塩素組成物含有シート材は、例えば、図1に示すよう
に、シート材1の表面又は裏面に二酸化塩素組成物2を
塗布することにより形成することができる。また、図2
及び図3に示すように、シート材1、1間に二酸化塩素
組成物2を介在させるように形成することもできる。
【0032】更に図4に示すように、シート材1を袋状
に形成し、その内部に二酸化塩素組成物2を介在させる
とともに、一方のシート面1aに穴3(大きさ及び数は
目的に沿って適宜調製すればよい。)を設け、この穴3
を塞ぐようにシート面1aの外側面にテープ材4を剥離
可能に貼着し、反対側のシート面1bの外側面には両面
テープ材5(テープ材5a、粘着剤5b及び離型紙5c
の3層構造)を貼着して貼着用シート材6を製造するこ
とができる。この貼着用シート材6は、例えば、おむつ
や生理用品(ナプキン)の外側にパンツをはく場合に、
図5(A)に示すように、テープ材4と両面テープ材5
の離型紙5cを剥がし、図5(B)に示すように、パン
ツ10の内側のちょうどお尻に当たる部分に貼着用シー
ト材6を貼着して穴3をおむつの尻部或いは生理用品
(ナプキン)に当接させる。すると、体温によって二酸
化塩素組成物から自然に二酸化塩素ガスの発生が促さ
れ、穴3を介して二酸化塩素ガスはおむつの尻部や生理
用品(ナプキン)に放出するようになるから効果的に消
臭を図ることができる。また、敷布団やシーツに上記の
貼着用シート材6を貼着しておけば、緑膿菌などの床ず
れ(褥そう)菌と呼ばれる菌の発生を防止することがで
きるから床ずれ(褥そう)を抑制することができる。
【0033】なお、本発明の二酸化塩素組成物含有シー
ト材は、例えばシート材から製造することができるあら
ゆる製品の製造に用いることができる。中でも、人間或
いは動物の体に接触するか或いは近接する位置で使用す
る製品、例えば、小児用又は大人用のおむつ、靴の中
敷、生理用品(ナプキン)、布団、シーツ、マスク、帽
子など、或いはこれらに貼着して使用するシート材を製
造すれば、上記の如く体温によって二酸化塩素組成物が
保温されて二酸化塩素ガスが自然に発生するから、それ
を普通に使用しているだけで殺菌・抗菌効果、消臭効果
などの各種作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る二酸化塩素組成物含
有シート材の構成例を示した断面図である。
【図2】 図1の例とは異なる二酸化塩素組成物含有シ
ート材の構成例を示した断面図である。
【図3】 図2の例とも異なる二酸化塩素組成物含有シ
ート材の構成例を示した断面図である。
【図4】 更に図3の例とも異なる二酸化塩素組成物含
有シート材の構成例を示した断面図である。
【図5】 図5に示した二酸化塩素組成物含有シート材
の使用状態を示した図であり、(A)は両面テープ材を
剥がした状態を示した斜視図、(B)は貼着用シート材
をパンツの内側に貼着した状態を示した断面図である。
【符号の説明】
1 シート材 2 二酸化塩素組成物 3 穴 4 テープ材 5 両面テープ材 6 貼着用シート材 10 パンツ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 9/01 A61L 9/01 F // C01B 11/02 C01B 11/02 A (72)発明者 藤田 佐内 埼玉県所沢市小手指町4−12−1 グリー ンパーク小手指107 Fターム(参考) 4C080 AA06 BB02 BB05 BB08 CC01 HH01 JJ06 KK02 LL03 LL06 LL10 MM09 NN01 NN22 NN23 NN28 NN30 QQ16 4H011 AA02 AA03 BA01 BB18 BC03 BC06 BC08 BC18 BC19 BC23 DA13 DH02 DH03 DH08 DH10 DH11 DH19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成骨材、水及び溶存二酸化塩素を含有
    してなる二酸化塩素組成物をシート材に塗布又は含浸し
    てなる二酸化塩素組成物含有シート材。
  2. 【請求項2】 二酸化塩素組成物は、焼成骨材、水、溶
    存二酸化塩素及びゲル化剤を含有してなるものである請
    求項1に記載の二酸化塩素組成物含有シート材。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤は、吸水性ポリマー、寒天、ゼ
    ラチン、水ガラスからなる群から選択される1種或いは
    2種類以上である請求項2に記載の二酸化塩素組成物含
    有シート材。
  4. 【請求項4】 二酸化塩素組成物は、上記ゲル化剤に加
    えて或いはその代わりに糊材を含有するものである請求
    項1〜3のいずれかに記載の二酸化塩素組成物含有シー
    ト材。
  5. 【請求項5】 糊材は、コーンスターチ、片栗粉、澱粉
    からなる群から選択される1種或いは2種類以上である
    請求項4に記載の二酸化塩素組成物含有シート材。
  6. 【請求項6】 シート材は、紙材、織布、不織布、プラ
    スチックフィルム乃至シートなどの柔軟性シート材であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化塩素組成物含
    有シート材。
  7. 【請求項7】 シート材間に二酸化塩素組成物を介在し
    てなる構成を備えた請求項1〜6のいずれかに記載の二
    酸化塩素組成物含有シート材。
  8. 【請求項8】 袋状に形成したシート材内部に二酸化塩
    素組成物を介在させ、少なくとも一方のシート面に穴を
    設け、この穴を塞ぐようにテープ材を剥離可能に貼着し
    てなる構成を備えた請求項1〜7のいずれかに記載の二
    酸化塩素組成物含有シート材。
  9. 【請求項9】 人間或いは動物の体に接触するか或いは
    近接する位置で使用することを特徴とする請求項1〜8
    のいずれかに記載の二酸化塩素組成物含有シート材。
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