JP2016029119A - 水性液体吸収性樹脂組成物 - Google Patents

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Langlong Yuksom
ランロン ヨクサン
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Yasuhiro Shindo
康浩 進藤
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Abstract

【課題】水性液体の吸収性、悪臭物質の吸着機能及び抗菌機能に優れ、水性液体を吸収後長時間経ても悪臭を発生させない消臭性に優れた水性液体吸収性樹脂組成物の提供。
【解決手段】キトサンのアミノ基の少なくとも一部と式(1)で表される化合物のカルボキシル基が反応してアミド結合を生成してなる変性キトサン(A)と、架橋ポリ(メタ)アクリル酸部分中和塩からなる水性液体吸収性樹脂(B)とを含有する水性液体吸収性樹脂組成物(C)。
Figure 2016029119

[a、b、c、d及びeは各々独立にH、ヒドロキシル基、C1〜12のアルキル基、C1〜12のヒドロキシアルキル基又はC1〜12のアルコキシ基]
【選択図】なし

Description

本発明は、水性液体吸収性樹脂組成物に関する。
水性液体吸収性樹脂は、自重の数十倍から数百倍の液体を吸収する特徴から、主に衛生用品等に広く使用されてきた。しかしながら、水性液体吸収性樹脂は、尿、経血、体液等の水性液体を吸収、保持するものの、それ自体は消臭機能をほとんど有していない。尿、血液、体液は特有の不快な臭気を有しており、更に空気及び/又はバクテリアによって腐敗しやすく、腐敗により悪臭を発散することから、吸収性能と消臭性能の両方を満足する材料の出現が要望されてきた。
吸収性能と消臭性能の両方を満足する材料として吸水性樹脂とゼオライトとの混合物等が提案されている(例えば特許文献1〜3)。しかし、特許文献1〜3に記載の吸水性樹脂とゼオライトとの混合物は、発生した悪臭は吸着することができるものの、吸水性樹脂及びゼオライトともに抗菌機能を持たないことから、微生物や菌類による尿や便等の分解や腐敗を抑制して分解生成物や腐敗による悪臭(例えば、尿が元になり菌に分解されて臭気を発するアンモニア臭、排便の中に含まれる大腸菌等に分解されて臭気を発するメチルメルカプタン臭、ジメチルジサルファイド臭、ジメチルトリサルファイド臭、インドール臭及びスカトール臭等)の発生を防止することができないという問題があった。
特開昭59−179114号公報 特開昭59−189854号公報 特開平8−176338号公報
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、水性液体の吸収性、悪臭物質の吸着機能及び抗菌機能に優れ、水性液体を吸収後長時間経っても悪臭を発生させることがない、消臭性に優れた水性液体吸収性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、キトサンのアミノ基の少なくとも一部と一般式(1)で表される化合物のカルボキシル基が反応してアミド結合を生成してなる変性キトサン(A)と、架橋ポリ(メタ)アクリル酸部分中和塩からなる水性液体吸収性樹脂(B)とを含有する水性液体吸収性樹脂組成物(C)である。
Figure 2016029119
式中、a、b、c、d及びeはそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)は、水性液体の吸収性、悪臭物質の吸着機能及び抗菌機能に優れるため、おむつやペットシート等の吸収性物品に適用した場合に、長時間使用した後でも悪臭を発生させることがなく使用時の肌へのストレスや、使用者及び周囲の人々への不快感を著しく低減することができる。
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)は、変性キトサン(A)と架橋ポリ(メタ)アクリル酸部分中和塩からなる水性液体吸収性樹脂(B)とを含有する。本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)は、変性キトサン(A)を含有することにより、悪臭物質の吸着機能及び抗菌機能に優れる。
本発明における変性キトサン(A)は、キトサンのアミノ基の少なくとも一部と一般式(1)で表される化合物のカルボキシル基が反応してアミド結合を生成してなる化合物である。
Figure 2016029119
一般式(1)におけるa、b、c、d及びeはそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基及び炭素数1〜12のアルコキシ基における炭素数1〜12のアルキル基としては、前記炭素数1〜12のアルキル基として例示したものと同様のものが挙げられる。
アルキル基、ヒドロキシアルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、消臭性の観点から1〜3であることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、桂皮酸、2−メチル系桂皮酸、3−メチル桂皮酸、4−メチル桂皮酸、2,3−ジメチル桂皮酸、2,4−ジメチル桂皮酸、2,5−ジメチル桂皮酸、3,4−ジメチル桂皮酸、3,5−ジメチル桂皮酸、2,6−ジメチル桂皮酸、4−tert−ブチル桂皮酸、4−プロピル桂皮酸、4−イソプロピル桂皮酸、4−エチル桂皮酸、4−イソブチル桂皮酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、2,3−ジヒドロキシ桂皮酸、2,4−ジヒドロキシ桂皮酸、3,4−ジヒドロキシ桂皮酸、3,5−ジヒドロキシ桂皮酸、2,6−ジヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシメチル桂皮酸、2−メトキシ桂皮酸、3−メトキシ桂皮酸、4−メトキシ桂皮酸、3,4−ジメトキシ桂皮酸、3,5−ジメトキシ桂皮酸、4−エトキシ桂皮酸、4−イソプロポキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−2−メチル桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メチル桂皮酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル桂皮酸、4−ヒドロキシ−2−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ桂皮酸、2,4,6−トリヒドロキシ桂皮酸、3,4及び5−トリヒドロキシ桂皮酸等が挙げられ、消臭性の観点から特に好ましいのは、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸である。
一般式(1)で表される化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるキトサンとしては、天然のものを用いてもよいし、ポリ−β1→4−N−アセチルグルコサミン構造を有するキチンを脱アセチル化して得られるものを用いてもよい。天然のキトサン及びキチンは、エビ、カニといった甲殻類の外皮等から公知の方法で得ることができる。キトサンは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるキトサンの脱アセチル化度は、一般式(1)で表される化合物による化学修飾の効果(消臭性)の観点から10〜100%であることが好ましく、更に好ましくは50〜100%である。
本発明において、キトサンのアミノ基の少なくとも一部と一般式(1)で表される化合物のカルボキシル基を反応させてアミド結合を形成させる方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
キトサンを酢酸水溶液に溶解させ一晩振とうさせる。得られたキトサン酢酸水溶液に対して、一般式(1)で表される化合物及び縮合剤としての、例えば、3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド・塩酸塩を溶解したエタノール溶液を滴下し、例えば40〜80℃の温度で1〜8時間撹拌する。その後、イオン交換水で透析し未反応の化合物を除去した後、凍結乾燥して変性キトサン(A)の乾燥物が得られる。
前記アミド化反応において、縮合剤としては、他の公知のもの[例えばジシクロヘキシルカルボジイミド]を使用できる。
反応前のキトサン中のアミノ基の数に対する一般式(1)で表される化合物との反応により生成した変性キトサン中のアミド基の数の比率を百分率で表した値(変性キトサン(A)における一般式(1)で表される化合物の導入率ともいう。)は、抗菌性の観点から0.1〜40%であることが好ましい。
変性キトサン(A)における一般式(1)で表される化合物の導入率は、反応温度、反応時間、キトサンと一般式(1)で表される化合物の仕込比率等で制御することができる。
本発明における変性キトサン(A)は、架橋処理を施して架橋構造体を形成させてもよい。
架橋構造体を形成するために使用される架橋剤は、キトサンが有するヒドロキシル基又はアミノ基と反応性を有するものであれば特に限定されず公知のものを使用することができる。
変性キトサンが有する水酸基と反応する架橋剤としては、分子内に環状部分を有するN−メチロール化合物(ジメチロールエチレン尿素及びジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等)及びポリカルボン酸(クエン酸トリカルバリル酸及びブタンテトラカルボン酸等)等が挙げられる。
変性キトサンが有するアミノ基と反応する架橋剤としては、エポキシ化合物(エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル及びグリセロールジグリシジルエーテル等)及び前記ポリカルボン酸等が挙げられる。
架橋剤を用いずに、放射線(例えば、ガンマ線、X線又は電子ビームの放射線)及び/又は熱で架橋させてもよい。
本発明における水性液体吸収性樹脂(B)としては、水性液体吸収性樹脂として知られている、水溶性ビニルモノマー(a1)及び/又は加水分解により(a1)となるビニルモノマー(a2)並びに内部架橋剤(b)を必須構成単位とする架橋重合体であれば特に制限がなく、公知のもの、例えば、以下の(1)〜(16)の重合体等を用いることができる。
(1)特公昭53−46199号公報又は特公昭53−46200号公報等に記載のデンプン−アクリル酸(塩)グラフト架橋共重合体。
(2)特開昭55−133413号公報等に記載の水溶液重合(断熱重合、薄膜重合又は噴霧重合等)により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)。
(3)特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報又は特開平11−5808号公報等に記載の逆相懸濁重合により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)。
(4)特開昭52−14689号公報又は特開昭52−27455号公報等に記載のビニルエステルと不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体のケン化物。
(5)特開昭58−2312号公報又は特開昭61−36309号公報等に記載のアクリル酸(塩)とスルホ(スルホネート)基含有モノマーとの共重合体。
(6)米国特許第4389513号等に記載のイソブチレン−無水マレイン酸共重合架橋体のケン化物。
(7)特開昭46−43995号公報等に記載のデンプン−アクリロニトリル共重合体の加水分解物。
(8)米国特許第4650716号等に記載の架橋カルボキシメチルセルロース。
(9)高分子ゲルの最新動向(シーエムシー出版、2004年発行)等に記載のポリアルキレン(エチレン、プロピレン等)グリコール架橋体。
(10)高分子ゲルの最新動向(シーエムシー出版、2004年発行)等に記載のポリビニルアルコール架橋体。
(11)特開2003−48997号公報に記載のデンプン放射線架橋体。
(12)特開平9−85080号公報に記載のカルボキシル基含有架橋セルロース。
(13)特開平10−251402号公報に記載のポリアミノ酸放射線架橋体。
(14)特開2002−179770号公報に記載の架橋ポリアスパラギン酸。
(15)特開2001−120992号公報に記載の多糖類の多価金属イオン架橋体。
(16)特開2003−052742号公報、特開2003−082250号公報、特開2003−165883号公報、特開2003−176421号公報、特開2003−183528号公報、特開2003−192732号公報、特開2003−225565号公報、特開2003−238696号公報、特開2003−335970号公報、特開2004−091673号公報、特開2004−121400号公報、特開2004−123835号公報、特開2005−075982号公報、特開2005−095759号公報、特開2005−186015号公報、特開2005−186016号公報、特開2006−110545号公報、特開2006−122737号公報、特開2006−131767号公報、特開2006−160774号公報、特開2006−206777号公報、特開2006−219661号公報及び特開2007−069161等に記載された高性能吸水性樹脂[架橋ポリアクリル酸(塩)]。
これらの内、吸収性能の観点から(1)、(2)、(3)及び(16)が好ましく、更に好ましいのは(1)、(2)及び(16)、特に好ましいのは(2)及び(16)である。
尚、水性液体吸収性樹脂(B)は、表面架橋されていてもよい。
水性液体吸収性樹脂(B)の形状は特に制限はないが、不定形(破砕状)、真球状、板状及び棒状が好ましく、更に好ましいのは不定形(破砕状)、真球状及び板状、特に好ましくは不定形(破砕状)及び板状である。
水性液体吸収性樹脂(B)は、公知の方法(ふるい分け、粉砕後ふるい分け等)等により、粒径範囲を調整することができる。
水性液体吸収性樹脂(B)の重量平均粒子径は、100〜800μmが好ましく、更に好ましくは200〜500μm、特に好ましくは300〜400μmである。この範囲であると、水性液体吸収性樹脂組成物を用いた吸収性物品の耐モレ性が更に良好となる。
重量平均粒子径は、測定試料の粒度分布を測定し、対数確率紙[横軸:粒径、縦軸:累積含有量(重量%)]に、累積含有量と粒子径との関係をプロットし、累積含有量が50重量%に対応する粒子径を求めることにより得られる。粒度分布は、JIS Z 8815−1994に準拠して測定され、例えば、内径150mm、深さ45mmのふるい(目開き:710μm、500μm、300μm、150μm及び106μm)を、目開きの狭いふるいを下にして重ね、一番上の最も目開きの広い710μmのふるいの上に、測定試料50gを入れ、ふるい振動機にて10分間ふるい、各ふるいの上に残った測定試料の重量を測定し、最初の測定試料の重量に基づく各ふるいの上に残った測定試料の重量%を求めることによって測定される。
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)における変性キトサン(A)の含有量は、抗菌性の観点から水性液体吸収性樹脂(B)の重量に基づいて、好ましくは0.001〜30重量%、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.5〜10%、最も好ましくは0.1〜5%である。
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)は、変性キトサン(A)を水性液体吸収性樹脂(B)に対して表面コーティング及び/又は内部混合することによって得ることができる。
変性キトサン(A)を水性液体吸収性樹脂(B)表面にコーティングする段階としては特に限定されず、(B)の粉砕工程、乾燥工程、表面架橋工程及び/又はこれらの工程の前後等で水系溶媒に溶解させた変性キトサン(A)をキャストし、水系溶媒を蒸発乾燥させることにより得ることができる。更に、前記の表面にコーティングを繰り返すことで多層構造(交互積層法)にすることもできる。
変性キトサン(A)と水性液体吸収性樹脂(B)とを内部混合する段階としては特に限定されず、(B)の重合工程、粉砕工程、乾燥工程、表面架橋工程及び/又はこれらの工程の前後等で混合することができる。
混合する変性キトサン(A)の形状としては特に限定されず、粒子状、ペレット状及びスポンジ状等のものを使用することができる。
変性キトサン(A)と水性液体吸収性樹脂(B)とを均一混合するのに使用される装置は、通常の混合機でよく、例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、V型混合機、ミンチ混合機、リボン型混合機、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、コニカルブレンダー及びロールミキサー等が挙げられる。
変性キトサン(A)と水性液体吸収性樹脂(B)とを均一混合する際の温度は特に限定されないが、30〜100℃が好ましく、更に好ましくは40〜80℃、特に好ましくは50〜60℃である。
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)には、必要により任意の段階[水性液体吸収性樹脂(B)の製造工程の内、重合工程、粉砕工程、乾燥工程、表面架橋工程及び/又はこれらの工程の前後等]において、添加物を添加することができる。添加物としては、公知(例えば特開2003−225565号公報)の添加剤(防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、消臭剤及び有機質繊維状物等)等が使用でき、これらの1種又は2種以上を併用してもよい。
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)は、繊維、不織布及び織物からなる群から選択される少なくとも1種と共に用いて吸収体とすることができる。従って、本発明の吸収体は、本発明の水性液体吸収性樹脂組成物、並びに繊維、不織布及び織物からなる群から選択される少なくとも1種からなり、衛生用品材料、化粧品材料、食品材料、生活用品材料、医薬品材料、医薬部外品材料、医療材料又は衣料材料に用いられる。
繊維、不織布又は織物としては各種フラッフパルプや綿状パルプ等、従来から吸収性物品に使用されている繊維状物[原料(針葉樹及び広葉樹等)、製造方法[ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ及びケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等]、漂白方法等については特に限定されない。]等が挙げられる。また、前記の繊維状物の他に、水に膨潤しない合成繊維も単独あるいは上記のフラッフパルプや綿状パルプ等と併用して使用できる。合成繊維としては、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維及びポリプロピレン系繊維等)、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維等)、ポリオレフィン・ポリエステル複合繊維、ポリアミド系繊維及びポリアクリロニトリル系繊維等が挙げられる。
また、この吸収体は吸収性物品に好適に使用される。吸収性物品としては、衛生用品[紙おむつ(子供用紙おむつ及び大人用紙おむつ等)、ナプキン(生理用ナプキン等)、創傷被覆剤、嘔吐物吸収用エチケット袋、紙タオル、パッド(失禁者用パット及び手術用アンダーパット等)及びペットシート(ペットシート及び保温シート等)等]及び各種の家庭用又はび産業用の吸収シート(鮮度保持シート及びドリップ吸収シート等)が挙げられる。
これらの内、本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C)が排尿後時間経過による菌の繁殖を防ぎ、また悪臭の発生を防ぐという効果を奏することから、衛生用品に好適であり、更に紙おむつ、パッド、生理用ナプキン及びペットシート、特に紙おむつ及びペットシートに適している。
吸収体及び吸収性物品の構造及び製造方法等は、公知のもの[例えば、特開2003−225565号公報及び特開2005−186016号公報]と同様である。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特記しない限り、部は重量部を示す。
<製造例1>
キトサン10部を1v/v%酢酸水溶液823.3部に溶解させて一晩室温で振とうさせた。そこにエタノール211.3部に4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸12.1部及び3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド・塩酸塩9.7部を溶解させたエタノール溶液を滴下し、60℃条件下で3時間反応させた。
反応終了後、得られた水溶液をイオン交換水で2日間透析処理し、10000rpmで30分間遠心処理した。その後、凍結乾燥することで変性キトサン(A−1)11.2部を得た。変性キトサン(A−1)における4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸の導入率は37%であった。
尚、変性キトサンにおける4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸の導入率は、ニンヒドリンアッセイにより求めた。すなわち、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸を導入したキトサンを1v/v%酢酸水溶液に0.1重量%の濃度で溶解させた。得られた酢酸水溶液0.5mlに対して、pH5.5の酢酸緩衝液0.5ml、ニンヒドリン試薬[ニンヒドリン(Fisher Scientific社製)をジメチルホルムアミドに50mg/mlの濃度で溶解したもの]2mlを添加した。沸騰した水浴に30分間浸漬した後、室温冷却して測定試料とした。4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸を導入したキトサンに代えて、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸を導入していないキトサンを1v/v%酢酸水溶液に0.1重量%の濃度で溶解させたこと以外は同様に行い、ブランク試料を得た。測定試料及びブランク試料をUV−vis分光光度計(Shimadzu社製「UV−2450 spectrometer」)を用いて、570nmの波長領域の吸光度を測定することにより変性前後のキトサンのアミノ基の含有量を求め、4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸の導入率を算出した。
容器に得られた変性キトサン(A−1)1.0部とイオン交換水99.0部を加え、常温で8時間撹拌することで、変性キトサンと水の混合液(A−1)を得た。
<製造例2>
アクリル酸ナトリウム88部、アクリル酸22.85部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.3部及び脱イオン水293を攪拌・混合しながら、温度を1〜2℃に保ち、この混合液中に窒素を流入して、混合液中の溶存酸素濃量を0.5ppm以下とした。引き続き、この混合液に、1重量%過酸化水素水溶液0.3部、0.2重量%アスコルビン酸水溶液0.8部及び2重量%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液0.8部を添加・混合して重合を開始させ、反応液が80℃に達した後、重合温度80±2℃で約5時間重合することにより、含水樹脂(ゲル1)を得た。
この含水樹脂(ゲル1)400部をミンチ機(目皿穴径:6mm、飯塚工業(株)製 12VR−400K)にて25℃で5分間細断した後、通気型バンド乾燥機(135℃、2.0m/秒;井上金属工業(株)製)で乾燥し、乾燥重合体を得た。
この乾燥重合体をジューサーミキサー(National MX−X53、松下電器(株)製)で粉砕し、目開き150及び710μmのふるいを用いて150〜710μmの粒子径範囲に調整した後、この100部を高速攪拌(ホソカワミクロン(株)製、高速攪拌タービュライザーミキサー:回転数2000rpm)しながらエチレングリコールジグリシジルエーテルの1重量%水/メタノール混合溶液(水/メタノールの重量比=60/40)の5.5部をスプレー噴霧しながら添加・混合し、140℃で30分間静置し加熱架橋(表面架橋)することにより水性液体吸収性樹脂(B−1)を得た。得られた水性液体吸収性樹脂(B−1)に、親水性フュームドシリカ「AEROSIL200」(日本アエロジル社製)0.5部を添加・混合して水性液体吸収性樹脂組成物(C0)を得た。
<実施例1>
製造例1で得られた変性キトサンと水の混合液(A−1)50.0部を容器に入れて600rpmの撹拌速度で撹拌しながら、製造例2で得られた水性液体吸収性樹脂組成物(C0)10.0部を一気に投入して、撹拌混合した。得られたゲル状物をステンレス製トレイに拡げて、130℃の循風乾燥機で3時間乾燥し、凝集乾燥物をロールミルで解砕して、表面に変性キトサン(A−1)がコーティングされた本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C−1)を得た。
<実施例2>
「変性キトサンと水の混合液(A−1)50.0部」を「変性キトサンと水の混合液(A−1)10.0部及びイオン交換水40.0部」に代える以外は実施例1と同様にして、表面に変性キトサン(A−1)がコーティングされた本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C−2)を得た。
<実施例3>
「変性キトサンと水の混合液(A−1)50.0部」を「変性キトサンと水の混合液(A−1)1.0部及びイオン交換水49.0部」に代える以外は実施例1と同様にして、表面に変性キトサン(A−1)がコーティングされた本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C−3)を得た。
<比較例1>
製造例2で得られた水性液体吸収性樹脂組成物(C0)をそのまま比較用として用いた。
<比較例2>
製造例2で得られた水性液体吸収性樹脂組成物(C0)10.0部に、消臭性物質としての「ミズカナイトAP」(水澤化学工業株式会社製)0.10部を添加・混合することにより比較用の水性液体吸収性樹脂組成物(C’−1)を得た。
実施例1〜3で得られた本発明の水性液体吸収性樹脂組成物(C−1)〜(C−3)、並びに比較例1、2として、比較用としての製造例2で得られた水性液体吸収性樹脂組成物(C0)及び比較用の水性液体吸収性樹脂組成物(C’−1)を用いて、以下の方法により抗菌性試験を行った。結果を表1に示す。
<抗菌性試験方法>
(1)オートクレーブで121℃、15分間湿熱滅菌処理した液体培地[ミュラーヒントンブイヨン2.2g、ブドウ糖0.2g及び人工尿(イオン交換水97.1部、尿素2.0部、塩化ナトリウム0.8部、硫酸マグネシウム七水和物0.08部、塩化カルシウム二水和物0.03部)]100ml及び水性液体吸水性樹脂組成物1.0gを200ml三角フラスコに加えて、オートクレーブで121℃、15分間湿熱滅菌した後、60分間、振盪培養器で攪拌(37℃、127rpmから135rpm)した。
(2)上記三角フラスコに2.0×10cell/mlの大腸菌液0.5mlを加え、再び振盪培養器で攪拌(37℃、127rpmから135rpm)し、6時間後の菌数を測定した。
Figure 2016029119
本発明の水性液体吸収性樹脂組成物は、衛生用品[紙おむつ(子供用紙おむつ及び大人用紙おむつ等)、ナプキン(生理用ナプキン等)、創傷被覆剤、嘔吐物吸収用エチケット袋、紙タオル、パッド(失禁者用パット及び手術用アンダーパット等)及びペットシート(ペットシート及び保温シート等)等]及び各種の家庭用又は産業用の吸収シート(鮮度保持シート及びドリップ吸収シート等)の吸収性物品に適用でき、本発明の水性液体吸収性樹脂組成物が排尿後時間経過による菌の繁殖を防ぎ、また悪臭の発生を防ぐという効果を奏することから、特に紙おむつ、パッド、生理用ナプキン及びペットシート等の衛生用品に好適である。

Claims (7)

  1. キトサンのアミノ基の少なくとも一部と一般式(1)で表される化合物のカルボキシル基が反応してアミド結合を生成してなる変性キトサン(A)と、架橋ポリ(メタ)アクリル酸部分中和塩からなる水性液体吸収性樹脂(B)とを含有する水性液体吸収性樹脂組成物(C)。
    Figure 2016029119
    [式中、a、b、c、d及びeはそれぞれ独立に水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。]
  2. 前記キトサンの脱アセチル化度が、10〜100%である請求項1記載の水性液体吸収性樹脂組成物。
  3. 前記キトサンのアミノ基の0.1〜40%が、前記一般式(1)で表される化合物のカルボキシル基と反応してなる請求項1又は2記載の水性液体吸収性樹脂組成物。
  4. 前記変性キトサン(A)が、架橋構造体である請求項1〜3のいずれか記載の水性液体吸収性樹脂組成物。
  5. 前記変性キトサン(A)の含有量が、前記水性液体吸収性樹脂(B)の重量に基づいて0.001〜30重量%である請求項1〜4のいずれか記載の水性液体吸収性樹脂組成物。
  6. 粒子状である請求項1〜5のいずれか記載の水性液体吸収性樹脂組成物。
  7. 衛生用品材料、化粧品材料、食品材料、生活用品材料、医薬品材料、医薬部外品材料、医療材料又は衣料材料に用いられる請求項1〜6のいずれか記載の水性液体吸収性樹脂組成物。
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