JP2003054492A - 滑走艇 - Google Patents

滑走艇

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JP2003054492A
JP2003054492A JP2001248547A JP2001248547A JP2003054492A JP 2003054492 A JP2003054492 A JP 2003054492A JP 2001248547 A JP2001248547 A JP 2001248547A JP 2001248547 A JP2001248547 A JP 2001248547A JP 2003054492 A JP2003054492 A JP 2003054492A
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sponson
hull
generator
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JP2001248547A
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Keiji Shimoyama
敬次 下山
Kiyoaki Maeda
清明 前田
Kanji Kiyohara
寛治 清原
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 艇の旋回を助勢し、容易に操縦することが可
能な滑走艇を提供する。 【解決手段】 ハルHの両舷後部近傍であって、滑走時
の喫水線L2より上方の位置に、スポンソン1を配置す
る。このスポンソン1をその長手方向略中央部にて、ハ
ルHの側壁に貫通された枢軸により枢支し、揺動可能と
する。またスポンソン1をハンドル10に連結し、ハン
ドル10が反時計回りに回動せしめられたときには、左
舷のスポンソン1の前端を下降させ、右舷のスポンソン
1の前端を上昇させる。また、ハンドル10が時計回り
に回動せしめられたときには、左舷のスポンソン1の前
端を上昇させ、右舷のスポンソン1の前端を下降させ
る。これにより、左右のスポンソン1に発生する揚力の
大きさに差が生じ、艇体をヒールさせることが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水流を後方に噴出
してその反動で水上を航行するジェット推進型の滑走艇
(PWC:Personal Watercraft)に関し、特に、滑走時の
旋回能力が高い滑走艇に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】レジ
ャー,スポーツ,及びレスキュー等の用途として、所謂
ジェット推進型の滑走艇が近年多用されている。該滑走
艇は、一般的にハルの底面に設けられた吸水口から吸い
込んだ水を、ウォータージェットポンプで加圧・加速し
て噴射口から後方へ噴射することによって推進する。
【0003】このような滑走艇は、ライダーの操作によ
りハンドルに与えられた操舵角に応じて、前記噴射口の
後方に配置されたステアリングノズルを左右に揺動させ
るようになっている。これにより、ステアリングノズル
によって水の噴射方向が変化せしめられ、ハンドルの操
作に応じた方向へ艇を旋回させることが出来る。
【0004】また、上記滑走艇は、このようなライダー
のハンドル操作だけでなく、ライダーが意識的に身体を
旋回中心方向へ移動又は傾けることで重心移動を行い、
艇体を旋回中心方向へ傾倒(ヒール)させて所謂バンク
ターンを行うことにより、ライダーが艇を自在に旋回さ
せることが出来るようにもなっている。
【0005】ところが、上述の如き従来の滑走艇では、
バンクターンを行うために艇の操縦の熟練を要し、初心
者及び身体的なハンディキャップを有するライダー等に
とって、操縦が容易なものではなかった。
【0006】ところで、実開昭63−180495号公
報には、双胴船のトランサムボード後方下部の両舷に可
動フラップを夫々設け、旋回時に少なくとも一方の可動
フラップを水面下に没して、上向きの揚力を発生させ、
船体をヒールさせるような構成としたものが開示されて
いる。しかしながら、当該開示は、船型による復元力が
比較的大きく、本来船体のヒールを伴わない所謂フラッ
トターンによって旋回を行う双胴船において、その旋回
時に船体等に大きく作用する遠心力を、船体のヒールを
行わせるような揚力を発生することによって打ち消すた
めに、旋回方向とは反対側の可動フラップを降下すべく
構成してあるものであって、後述するように、バンクタ
ーンにより旋回する構造の滑走艇の旋回を助勢すること
を目的とする本発明とは、その目的とするところが全く
異なるものである。
【0007】また、実開昭63−180495号公報の
開示では、旋回時に少なくとも一方の可動フラップを水
面下に没するため、双胴船の進行に対する抵抗が発生し
て船体の進行速度が減少せしめられる。
【0008】本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたも
のであり、艇の旋回時に積極的に艇体を旋回中心方向へ
傾倒せしめ、艇の旋回を助勢して、初心者及び身体的な
ハンディキャップを有するライダーにも容易に旋回させ
ることが出来る滑走艇を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明の他の目的は、艇の進行速度
を減少させることなく艇の旋回を助勢し、中速及び高速
域での旋回能力を向上させた滑走艇を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を以
下のような構成からなる滑走艇によって解決することが
できる。
【0011】本発明に係る滑走艇は、滑走時の喫水線よ
りも高い位置にて、艇体の両舷の少なくとも一方から突
出せしめられ、滑走中の艇体に水が衝突して生じる波及
び/又は水の飛沫をその下面で受けて揚力を発生する揚
力発生体と、艇の旋回時に、該揚力発生体に発生する揚
力を変化させるべく、前記揚力発生体を動作させる動作
部とを備えることを特徴とする。
【0012】この場合、艇の旋回外側の揚力発生体に発
生する揚力を増加させるように、揚力発生体を動作させ
るべく、動作部を構成することにより、艇体の旋回外側
に大なる揚力を発生させることが出来、旋回内側が低く
なるように艇体をヒールさせることが出来る。
【0013】更に上記発明において、艇の旋回内側の揚
力発生体に発生する揚力を減少させるように、揚力発生
体を動作させるべく、動作部を構成することにより、艇
体の旋回内側に発生する揚力を減少させるので、艇体の
旋回外側にこれより大きな揚力が発生している場合に
は、艇体を旋回中心方向へヒールさせることが出来る。
【0014】また、例えば艇体の旋回外側に揚力発生体
を固定しておくようにして、艇体の旋回外側に揚力を生
じさせておき、艇体の旋回内側の揚力がこれより小さく
なるように、艇体の旋回内側の揚力発生体を動作させる
ことによっても、旋回中心方向へ艇体をヒールさせるこ
とが出来る。
【0015】上記発明によれば、このように艇体を旋回
中心方向へヒールさせて、艇の旋回を助勢するので、初
心者及び身体的なハンディキャップを有するライダー等
にも艇を容易に旋回させることが可能となる。
【0016】また、艇の進行時に艇体下部に沿って這い
上がる波及び/又は水の飛沫(スプレー)を揚力発生体
の下面で受けることにより、揚力を発生させる構成であ
るため、艇の進行に対する抵抗を殆ど発生させずに、艇
体をヒールさせることが出来る。
【0017】また、スロットルを閉じてウォータージェ
ットポンプからの水の噴射量を減少させ、推進力(スラ
スト)を減少させた場合であっても、艇体をヒールさせ
ることにより、艇を旋回させることが可能となる。
【0018】上記発明においては、艇の両舷に夫々揚力
発生体を設け、艇の旋回外側の揚力発生体に発生する揚
力を、艇の旋回内側の揚力発生体に発生する揚力よりも
相対的に大きくすべく、動作部によって、揚力発生体の
両方を動作させることが望ましい。このように構成する
ことにより、旋回内側の揚力発生体に発生する揚力を減
少させ、旋回外側の揚力発生体に発生する揚力を増加さ
せることが出来、この場合には、両揚力発生体に発生す
る揚力の差が顕著となり、旋回時の艇体をより大きく傾
倒させることが可能となる。
【0019】上記発明においては、揚力発生体に発生す
る揚力を増加又は減少させるべく、動作部によって、そ
の後端が下降又は上昇する方向へ、揚力発生体を傾斜さ
せることが望ましい。
【0020】一般的に、艇の後側へ向かうに従って、滑
走中の艇体に水が衝突することにより発生する波及び/
又は水の飛沫(スプレー)の水量が多くなり、また前後
方向に同一の位置では、下方へ向かうに従って、波及び
/又はスプレーが上昇する速度が大きくなる。従って、
その後端が下降する方向へ揚力発生体を傾斜させた場合
には、この揚力発生体への波及び/又はスプレーの衝突
力が増し、該揚力発生体に発生する揚力を増加させるこ
とが出来、一方、その後端が上昇する方向へ揚力発生体
を傾斜させた場合には、この揚力発生体への波及び/又
はスプレーの衝突力が減少し、該揚力発生体に発生する
揚力を減少させることが出来る。
【0021】上記発明においては、ハンドルに連結され
た回転軸の直径方向へ離隔した2箇所に、2つの連結体
の一端を夫々取り付け、これらの連結体の他端がその一
端に夫々連結された2つの枢軸の他端に、揚力発生体を
夫々固着し、2つの付勢手段によって、後端が下降する
方向へ前記揚力発生体を夫々付勢し、前記枢軸を、これ
に連結された連結体が前方へ移動した場合に、これに固
着された揚力発生体の後端を上昇させるように、前記連
結体の他端に夫々連結することが望ましい。このように
構成することにより、ハンドルが回動した場合に、一方
の連結体が前方へ移動し、他方の連結体が後方へ移動す
る。一方の連結体に連結された枢軸が、この連結体の前
方への移動とともに、該枢軸に固着された揚力発生体の
後端が上昇する方向へ、付勢手段の付勢力に抗して回動
する。また、他方の連結体に連結された枢軸は、付勢手
段の付勢力によって、該枢軸に固着された揚力発生体の
後端が下降する方向へ回動する。従って、簡単な構造
で、ハンドルの操作に応じて、両揚力発生体を傾斜させ
ることが出来る。
【0022】上記発明においては、揚力発生体に発生す
る揚力を増加又は減少させるべく、動作部によって、揚
力発生体を下降又は上昇させることが望ましい。このよ
うな構成とすることにより、揚力発生体を下降させた場
合には、この揚力発生体への波及び/又はスプレーの衝
突力が増し、該揚力発生体に発生する揚力を増加させる
ことが出来、一方、揚力発生体を上昇させた場合には、
この揚力発生体への波及び/又はスプレーの衝突力が減
少し、該揚力発生体に発生する揚力を減少させることが
出来る。
【0023】上記発明においては、揚力発生体に発生す
る揚力を増加又は減少させるべく、動作部によって、揚
力発生体を後方又は前方へ移動させることが望ましい。
このような構成とすることにより、揚力発生体を後方へ
移動させた場合には、この揚力発生体に衝突する波及び
/又はスプレーの水量が増し、該揚力発生体に発生する
揚力を増加させることが出来、一方、揚力発生体を前方
へ移動させた場合には、この揚力発生体に衝突する波及
び/又はスプレーの水量が減少し、該揚力発生体に発生
する揚力を減少させることが出来る。
【0024】上記発明においては、揚力発生体に発生す
る揚力を増加又は減少させるべく、動作部によって、揚
力発生体の艇体からの突出量を変化させることが望まし
い。このような構成とすることにより、その艇体からの
突出量が増加するように、揚力発生体を艇外へ進出させ
た場合には、この揚力発生体に衝突する波及び/又はス
プレーの水量が増し、該揚力発生体に発生する揚力を増
加させることが出来、一方、その艇体からの突出量が減
少するように、揚力発生体を艇内へ退入させた場合に
は、この揚力発生体に衝突する波及び/又はスプレーの
水量が減少し、該揚力発生体に発生する揚力を減少させ
ることが出来る。
【0025】また、この場合、揚力発生体を略水平方向
へ移動せしめることにより、揚力発生体の艇体からの突
出量を変化させるようにすることが望ましい。このよう
に構成することにより、艇外方向へ移動された揚力発生
体の艇体からの突出量が増加し、艇内方向へ移動された
揚力発生体の艇体からの突出量が減少するので、簡単な
構造で揚力発生体の艇体からの突出量を変化させること
が出来る。
【0026】また、上記発明においては、揚力発生体を
艇の前後方向に交差する方向の断面視で上に凸な円弧状
に湾曲された板状とし、揚力発生体をその湾曲に沿って
移動せしめることにより、揚力発生体の艇体からの突出
量を変化させるようにすることが望ましい。このように
構成することにより、艇体に沿って這い上がる波及び/
又はスプレーを揚力発生体の円弧の内側面で受けた後
に、これらの波及び/又はスプレーの方向を前記内側面
に沿って下方へ転向させるので、より大きな揚力を得る
ことが出来る。
【0027】上記発明においては、揚力発生体に発生す
る揚力を増加又は減少させるべく、動作部によって、揚
力発生体の前後方向の長さを変化させることが望まし
い。このような構成とすることにより、その前後方向の
長さが増加するように、揚力発生体を伸長させた場合に
は、この揚力発生体に衝突する波及び/又はスプレーの
水量が増し、該揚力発生体に発生する揚力を増加させる
ことが出来、一方、その前後方向の長さが減少するよう
に、揚力発生体を短縮させた場合には、この揚力発生体
に衝突する波及び/又はスプレーの水量が減少し、該揚
力発生体に発生する揚力を減少させることが出来る。
【0028】また、上記発明においては、揚力発生体
を、後端に開口を有する中空の第1揚力発生部分と、該
第1揚力発生部分にその一部又は全部を覆われた第2揚
力発生部分とを具備するものとし、第2揚力発生部分を
第1揚力発生部分の開口から進退させることにより、揚
力発生体の前後方向の長さを変化させるようにすること
が望ましい。このように構成することにより、第1揚力
発生部分の開口から第2揚力発生部分が進出せしめられ
た場合、揚力発生体の前後方向の長さが増加し、第1揚
力発生部分の開口から第2揚力発生部分が退入せしめら
れた場合、揚力発生体の前後方向の長さが減少するの
で、簡単な構造で揚力発生体の前後方向の長さを変化さ
せることが出来る。
【0029】上記発明においては、揚力発生体をスポン
ソンとすることが望ましい。滑走時の艇の姿勢を安定さ
せるために、滑走艇の両舷に設けられるスポンソンを、
揚力発生体として機能させることにより、揚力発生体を
別途設ける必要がなく、部品点数の増加を抑制し、コス
トの増大を抑制することが可能となる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係るジ
ェット推進型の滑走艇について、図面を参照しながら具
体的に説明する。
【0031】(第1実施形態)図1は、本発明の第1実
施形態に係る滑走艇の全体側面図、図2は、その平面図
である。図1,図2において、Aは艇体であり、該艇体
Aは、ハルHとその上方を覆うデッキDとから構成され
ている。これらハルHとデッキDとを全周で接続するラ
インはガンネルラインGと呼ばれ、本実施形態では、こ
のガンネルラインGは、本滑走艇の喫水線L(非滑走状
態の喫水線)より上方に位置されている。
【0032】上記デッキDの中央よりやや後部には、図
2に示すように、艇体Aの上面に前後方向に延びる、平
面視において略長方形の開口16が形成され、該開口1
6を上方から覆う態様に騎乗用シートSが取り付けられ
ている。また、上記シートS下方のハルHとデッキDと
に囲まれた空間20内に、エンジンEが配置されてい
る。
【0033】上記エンジンEは、多気筒(例えば3気
筒)を備え、図1に示すように、そのクランクシャフト
10bが艇体Aの前後方向に沿って配置されている。ク
ランクシャフト10bの出力端は、ウォータージェット
ポンプPのポンプ軸にプロペラ軸15を介して回転自在
に連結されている。ウォータージェットポンプPのポン
プ軸には、インペラ21が取着され、該インペラ21
は、その外周方をポンプケーシング21Cにより覆われ
ている。
【0034】ハルHの底面には、吸水口17が設けら
れ、該吸水口17から取り入れられた水を吸水通路を介
してウォータージェットポンプPへ送り込み、該ウォー
タージェットポンプPは、送り込まれた水を加圧・加速
し、通水断面積が後方へいくに従って小さくされたポン
プノズル(噴出部)21Rを通じてその後端の噴射口2
1Kから吐出し、推進力を得るようになっている。な
お、図1において、21Vはインペラ21後方の水流を
整流するための静翼である。
【0035】また、図1,図2において、10はバー式
の操舵ハンドルであり、該ハンドル10は、上記ポンプ
ノズル21R後方にて図示しない揺動軸により左右への
揺動自在に設けられたステアリングノズル18と連動す
るようになっている。従って、ライダーが、ハンドル1
0を時計方向又は反時計方向に回動操作することによっ
て、ステアリングノズル18を逆方向に揺動させ、ウォ
ータージェットポンプPが推進力を発生している間、艇
を所望する方向に転舵することができるようになってい
る。
【0036】図1に示すように、上記ステアリングノズ
ル18の上後方には、ボウル形状の後進用ディフレクタ
ー19が、略水平配置された揺動軸19aを中心として
下方へ揺動可能に設けられている。このディフレクター
19をステアリングノズル18後方の下方位置へ揺動動
作せしめ、ステアリングノズル18から後方に吐出され
た水を前方に転向させることによって、前進から後進に
切り換えるようになっている。
【0037】更に、図1,図2において、12は後側デ
ッキであり、該後側デッキ12には、後側ハッチカバー
29が開閉自在に設けられ、該ハッチカバー29の下方
に小容量の後側コンパートメント(図示せず)が設けら
れている。23は前側ハッチカバーであり、該ハッチカ
バー23の下方には、備品等のための前側コンパートメ
ント(図示せず)が設けられている。上記前側ハッチカ
バー23の上方には、別のハッチカバー25が設けられ
て二層式とされ、該ハッチカバー25の内側へは、その
後端に設けられた開口(図示せず)からライフジャケッ
ト等を収納することができるようになっている。
【0038】また、ハルHの後部両舷から夫々側方へ突
出するように、前後方向に長い2つのスポンソン1が設
けられている。図3及び図4は、第1実施形態に係る滑
走艇のスポンソン1の配置位置を示す側面図及び部分断
面背面図である。スポンソン1は、ガンネルラインGよ
り下方であって、喫水線L2(滑走状態の喫水線)より
上方の位置に設けられており、図3に示す如く、先端側
が細い側面視略砲弾型をなしている。また、スポンソン
1の平面視形状は、先端へ向かって細くなるように、外
側縁部が傾斜している。更に、スポンソン1の縦断面形
状は、図4に示す如く、外側へ向かって細くなってお
り、外側の頂点がやや下方へ垂下した如き丸みを帯びた
略三角形状をなしている。また、スポンソン1の下面に
は丸みを帯びた凹部が長手方向に沿って設けられてい
る。
【0039】図5及び図6は、スポンソン1の取り付け
状態を示す部分拡大側面図及び部分拡大平面断面図であ
る。図5,図6に示す如く、スポンソン1のハルH側の
側面の長手方向中央部には、枢軸41の一端が固着され
ている。枢軸41は、ハルHの側部を貫通しており、ハ
ルHの内側に突出した枢軸41の他端には、角棒状の接
続部材42が、スポンソン1と略平行に取り付けられて
いる。これにより、スポンソン1と接続部材42とは、
枢軸41を中心として、ハルHに対して一体的に回動す
ることが可能となっている。また、枢軸41及びハルH
は、シール部材によって水密が保たれており、ハルHの
内部への浸水が防止されている。
【0040】また、枢軸41の他端は、接続部材42の
長手方向中央よりやや後端側で接続されており、接続部
材42の先端部近傍の下面には、上記ハンドル10に一
端(先端)が連結されたケーブル状の連結体3の他端
(後端)が接続されている。図1,図2に示すように、
ハンドル10は、シートSの前方に斜めに設けられた回
転軸51の上端に取り付けられており、この回転軸51
の下端部近傍には、ハンドル10と略平行な棒状の連結
部52が設けられている。この連結部52の両端には、
連結体3の一端が夫々取り付けられている。また、2つ
の連結体3は、その中間部で互いに交差して、連結部5
2の左側の端部に連結された連結体3の後端が右舷側の
接続部材42に取り付けられており、連結部52の右側
の端部に連結された連結体3の後端が左舷側の接続部材
42に取り付けられている。
【0041】ハンドル10が中立状態のとき、連結部5
2の両端は、前後方向の略同一位置にあり、このとき、
2つの接続部材42は夫々略水平となっている。このと
き接続部材42は、バネ44の圧縮力によって、その先
端が上方へ押し上げられるように付勢されているが、連
結体3に作用する張力により、この付勢力による上方へ
の移動が阻止され、接続部材42の略水平状態が維持さ
れる。これによって、両舷のスポンソン1も夫々略水平
な状態が維持されている。
【0042】ハンドル10が反時計方向へ回動された場
合、これに伴って連結部52の右側の端部が前方へ、左
側の端部が後方へ移動する。これによって、連結部52
の右側の端部に接続された連結体3の先端が前方へ引っ
張られ、この力が連結体3の後端に伝達されて、左舷側
の接続部材42の先端が、バネ44の付勢力に抗して下
方へ引き下げられる。そして、枢軸41を中心にして、
左舷側のスポンソン1が、その先端が下方へ移動する方
向へ回動する。
【0043】一方、連結部52の左側の端部に接続され
た連結体3の先端は、後方へ移動する。この移動量だ
け、右舷側の接続部材42の先端がバネ44の付勢力に
よって押し上げられ、右舷側のスポンソン1が、枢軸4
1を中心にして、その先端が上方へ移動する方向へ回動
する。
【0044】ハンドル10が時計方向へ回動された場合
には、これとは反対の動作により、右舷側のスポンソン
1が、枢軸41を中心にして、その先端が下方へ移動す
る方向へ回動し、左舷側のスポンソン1が、枢軸41を
中心にして、その先端が上方へ移動する方向へ回動する
こととなる。
【0045】滑走中の滑走艇のハルHには水が衝突し、
ハルHの表面に沿って這い上がる波及びスプレーが発生
する。このような波及びスプレーとして水面から上方へ
巻き上げられる水の量は、艇の後部へ向けて多くなり、
また水面に近くなるほど多くなる。図7(a)〜(c)
は、第1実施形態に係る滑走艇のスポンソン1の位置と
これに発生する揚力との関係を示す模式図である。図7
(a)に示す如く、スポンソン1が略水平な状態では、
水面から巻き上げられる波及びスプレーをスポンソン1
の下面で受けることにより、このスポンソン1には揚力
F1が発生する。なお、図7(a)〜(c)において、
矢符の長さは揚力の大きさに対応させてある。
【0046】これに対して、図7(b)に示す如く、ス
ポンソン1の先端を上昇させた場合には、スポンソン1
の後部が下降し、水面に近づくため、この後部で受ける
波及びスプレーの水量が増加し、略水平な状態のスポン
ソン1に発生する揚力F1よりも大きい揚力F2がスポ
ンソン1に生じる。
【0047】また、図7(c)に示す如く、スポンソン
1の先端を下降させた場合には、スポンソン1の後部が
上昇し、水面から更に離れるため、この後部で受ける波
及びスプレーの水量が減少し、略水平な状態のスポンソ
ン1に発生する揚力F1よりも小さい揚力F3がスポン
ソン1に生じることとなる。
【0048】本発明者らは、基準位置のスポンソン1に
発生する揚力と、基準位置から先端が上昇する方向へ3
°だけ傾斜させたスポンソン1に発生する揚力とを測定
し、測定結果を比較する実験を行った。そして、この実
験の結果、基準位置にあるスポンソン1に発生する揚力
の約1.5倍の揚力が傾斜させたスポンソン1に発生し
ていることを確認した。
【0049】従って、左舷方向へ旋回する場合、即ちハ
ンドル10が反時計回りに回動された場合には、先端が
上昇する右舷側のスポンソン1に生じる揚力は増加し、
先端が下降する左舷側のスポンソン1に生じる揚力は減
少するので、右舷側のスポンソン1に生じる揚力の方が
左舷側のスポンソン1に生じる揚力よりも相対的に大き
くなり、右舷側が上昇するように艇体Aがヒールする。
【0050】また、右舷方向へ旋回する場合、即ちハン
ドル10が時計回りに回動された場合には、右舷側のス
ポンソン1の先端が下降し、左舷側のスポンソン1の先
端が上昇して、左舷側のスポンソン1に生じる揚力の方
が右舷側のスポンソン1に生じる揚力よりも相対的に大
きくなり、左舷側が上昇するように艇体Aがヒールす
る。
【0051】なお、本実施形態においては、ハンドル1
0が中立状態のとき、連結体3に作用する張力と、バネ
44の圧縮力とが均衡することにより、スポンソン1の
略水平状態を維持し、艇の旋回時には、旋回外側のバネ
44の付勢力により、スポンソン1を、その前端が上昇
するように傾斜させる構成について述べたが、これに限
定されるものではなく、例えば、接続部材42が略水平
状態のときに、その上面に当接するストッパをハルHの
内面から突設しておき、接続部材42がこのストッパに
当接することにより、スポンソン1の略水平状態を維持
し、この状態からその先端を上昇させないように構成し
てもよい。
【0052】(第2実施形態)図8及び図9は、第2実
施形態に係る滑走艇の側面図及び平面図である。第2実
施形態に係る滑走艇は、連結体3の後端がカム機構又は
リンク機構等を用いた昇降機構6に連結されており、こ
の昇降機構6がスポンソン1に連結されている。昇降機
構6には、バネ(図示せず)が内蔵されており、このバ
ネによる復元力と、連結体3による張力とが均衡し、ハ
ンドル10が中立状態のときに、図8中の実線で示すよ
うに、ハルHの側面と船底面との境界の稜線にスポンソ
ン1の下面が整合する位置(基準位置)に、スポンソン
1が保持されるようになっている。
【0053】連結体3が昇降機構6の外側へ引張られた
場合には、前記バネによる付勢力に抗して、図8中の二
点鎖線で示すように、スポンソン1が略水平状態を保っ
たまま基準位置より上方の上限位置までの間で上昇せし
められる。また、連結体3の引張り力が小さくなった場
合には、前記バネによる付勢力によって、図8中の二点
鎖線で示すように、スポンソン1が略水平状態を保った
まま基準位置より下方の下限位置までの間で下降せしめ
られる。
【0054】その他、第2実施形態に係る滑走艇のその
他の構成は、第1実施形態に係る滑走艇の構成と同様で
あるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0055】従って、ハンドル10が反時計方向へ回動
された場合、これに伴って連結部52の右側の端部が前
方へ、左側の端部が後方へ移動する。これによって、連
結部52の右側の端部に接続された連結体3の先端が前
方へ引っ張られ、この力が連結体3の後端を介して前記
昇降機構6へ伝達されて、左舷側のスポンソン1が上昇
せしめられる。
【0056】一方、連結部52の左側の端部に接続され
た連結体3の先端は、後方へ移動する。これによりこの
連結体3への引張り力が小さくなり、この連結体3に連
結されている右舷側の昇降機構6によって、右舷側のス
ポンソン1が下降せしめられる。
【0057】ハンドル10が時計方向へ回動された場合
には、これとは反対の動作により、右舷側のスポンソン
1が上昇せしめられ、左舷側のスポンソン1が下降せし
められることとなる。
【0058】図10(a)〜(c)は、第2実施形態に
係る滑走艇のスポンソン1の位置とこれに発生する揚力
との関係を示す模式図である。図10(a)に示す如
く、スポンソン1が基準位置にある状態では、水面から
巻き上げられる波及びスプレーをスポンソン1の下面で
受けることにより、このスポンソン1には揚力F21が
発生する。なお、図10(a)〜(c)において、矢符
の長さは揚力の大きさに対応させてある。
【0059】これに対して、図10(b)に示す如く、
スポンソン1が基準位置から下降した場合には、スポン
ソン1が水面に近づくため、スポンソン1が受ける波及
びスプレーの水量が増加し、基準位置のスポンソン1に
発生する揚力F21よりも大きい揚力F22がスポンソ
ン1に生じる。
【0060】また、図10(c)に示す如く、スポンソ
ン1が基準位置から上昇した場合には、スポンソン1が
水面から更に離れるため、スポンソン1が受ける波及び
スプレーの水量が減少し、基準位置のスポンソン1に発
生する揚力F21よりも小さい揚力F23がスポンソン
1に生じることとなる。
【0061】本発明者らは、基準位置のスポンソン1に
発生する揚力と、基準位置から20mmだけ下降させた
スポンソン1に発生する揚力とを測定し、測定結果を比
較する実験を行った。そして、この実験の結果、基準位
置にあるスポンソン1に発生する揚力の約1.6倍の揚
力が下降させたスポンソン1に発生していることを確認
した。
【0062】従って、左舷方向へ旋回する場合、即ちハ
ンドル10が反時計回りに回動された場合には、下降す
る右舷側のスポンソン1に生じる揚力は増加し、上昇す
る左舷側のスポンソン1に生じる揚力は減少するので、
右舷側のスポンソン1に生じる揚力の方が左舷側のスポ
ンソン1に生じる揚力よりも相対的に大きくなり、右舷
側が上昇するように艇体Aがヒールする。
【0063】また、右舷方向へ旋回する場合、即ちハン
ドル10が時計回りに回動された場合には、右舷側のス
ポンソン1が上昇し、左舷側のスポンソン1が下降し
て、左舷側のスポンソン1に生じる揚力の方が右舷側の
スポンソン1に生じる揚力よりも相対的に大きくなり、
左舷側が上昇するように艇体Aがヒールする。
【0064】(第3実施形態)図11及び図12は、第
3実施形態に係る滑走艇の側面図及び平面図である。第
3実施形態に係る滑走艇は、連結体3の後端がカム機構
又はリンク機構等を用いた移動機構7に連結されてお
り、この移動機構7がスポンソン1に連結されている。
移動機構7には、バネ(図示せず)が内蔵されており、
このバネによる復元力と、連結体3による張力とが均衡
し、ハンドル10が中立状態のときに、図11中の実線
で示すように、スポンソン1の後端が、ハルHの後端か
ら距離D1だけ前方に離隔した位置(基準位置)に、ス
ポンソン1が保持されるようになっている。
【0065】連結体3が移動機構7の外側へ引張られた
場合には、前記バネによる付勢力に抗して、図11中の
二点鎖線で示すように、スポンソン1の後端がハルHの
後端から距離D2(>D1)だけ前方に離隔した第1位
置まで、スポンソン1が略水平状態を保ったまま前方へ
移動せしめられる。また、連結体3の引張り力が小さく
なった場合には、前記バネによる付勢力によって、図1
1中の二点鎖線で示すように、スポンソン1の後端がハ
ルHの後端から距離D3だけ後方に突出した第2位置ま
で、スポンソン1が略水平状態を保ったまま後方へ移動
せしめられる。
【0066】その他、第3実施形態に係る滑走艇のその
他の構成は、第1実施形態に係る滑走艇の構成と同様で
あるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0067】従って、ハンドル10が反時計方向へ回動
された場合、これに伴って連結部52の右側の端部が前
方へ、左側の端部が後方へ移動する。これによって、連
結部52の右側の端部に接続された連結体3の先端が前
方へ引っ張られ、この力が連結体3の後端を介して前記
移動機構7へ伝達されて、左舷側のスポンソン1が前方
へ移動せしめられる。
【0068】一方、連結部52の左側の端部に接続され
た連結体3の先端は、後方へ移動する。これによりこの
連結体3への引張り力が小さくなり、この連結体3に連
結されている右舷側の移動機構7によって、右舷側のス
ポンソン1が後方へ移動せしめられる。
【0069】ハンドル10が時計方向へ回動された場合
には、これとは反対の動作により、右舷側のスポンソン
1が前方へ移動せしめられ、左舷側のスポンソン1が後
方へ移動せしめられることとなる。
【0070】図13(a)〜(c)は、第3実施形態に
係る滑走艇のスポンソン1の位置とこれに発生する揚力
との関係を示す模式図である。図13(a)に示す如
く、スポンソン1が基準位置にある状態では、水面から
巻き上げられる波及びスプレーをスポンソン1の下面で
受けることにより、このスポンソン1には揚力F31が
発生する。なお、図13(a)〜(c)において、矢符
の長さは揚力の大きさに対応させてある。
【0071】これに対して、図13(b)に示す如く、
スポンソン1が基準位置から後方へ移動した場合には、
スポンソン1が受ける波及びスプレーの水量が増加し、
基準位置のスポンソン1に発生する揚力F31よりも大
きい揚力F32がスポンソン1に生じる。
【0072】また、図13(c)に示す如く、スポンソ
ン1が基準位置から前方へ移動した場合には、スポンソ
ン1が受ける波及びスプレーの水量が減少し、基準位置
のスポンソン1に発生する揚力F31よりも小さい揚力
F33がスポンソン1に生じることとなる。
【0073】本発明者らは、基準位置のスポンソン1に
発生する揚力と、基準位置から30mmだけ後方へ移動
させたスポンソン1に発生する揚力とを測定し、測定結
果を比較する実験を行った。そして、この実験の結果、
基準位置にあるスポンソン1に発生する揚力の約1.7
倍の揚力が後方へ移動させたスポンソン1に発生してい
ることを確認した。
【0074】従って、左舷方向へ旋回する場合、即ちハ
ンドル10が反時計回りに回動された場合には、後退す
る右舷側のスポンソン1に生じる揚力は増加し、前進す
る左舷側のスポンソン1に生じる揚力は減少するので、
右舷側のスポンソン1に生じる揚力の方が左舷側のスポ
ンソン1に生じる揚力よりも相対的に大きくなり、右舷
側が上昇するように艇体Aがヒールする。
【0075】また、右舷方向へ旋回する場合、即ちハン
ドル10が時計回りに回動された場合には、右舷側のス
ポンソン1が前進し、左舷側のスポンソン1が後退し
て、左舷側のスポンソン1に生じる揚力の方が右舷側の
スポンソン1に生じる揚力よりも相対的に大きくなり、
左舷側が上昇するように艇体Aがヒールする。
【0076】(第4実施形態)図14及び図15は、第
4実施形態に係る滑走艇の平面図及び背面図である。第
4実施形態に係る滑走艇のスポンソン1は、角板状をな
しており、その一側端の断面形状が、外側へ向かって細
くなっており、外側の頂点がやや下方へ垂下した如き丸
みを帯びた略三角形状とされている。また、一側端近傍
の下面には丸みを帯びた凹部がこの一側端に沿って設け
られている。
【0077】一方、ハルHの側壁には、前後方向へ長い
孔が設けられており、前記一側端がハルHの外側へ突出
するように、スポンソン1がこの孔に貫通せしめられて
いる。また、第4実施形態に係る滑走艇は、連結体3の
後端が歯車機構,カム機構又はリンク機構等を用いた入
出機構8に連結されており、この入出機構8がスポンソ
ン1のハルHの内側に突入した部分に連結されている。
入出機構8には、バネ(図示せず)が内蔵されており、
このバネによる復元力と、連結体3による張力とが均衡
し、ハンドル10が中立状態のときに、図中の実線で示
すように、ハルHの側面から距離W1だけスポンソン1
が突出する状態(基準状態)に、スポンソン1が保持さ
れるようになっている。
【0078】連結体3が入出機構8の外側へ引張られた
場合には、前記バネによる付勢力に抗して、図中の二点
鎖線で示すように、ハルHの側面から距離W2(<W
1)だけスポンソン1が突出する第1状態までの間で、
スポンソン1が略水平状態を保ったまま横方向へ移動せ
しめられる。また、連結体3の引張り力が小さくなった
場合には、前記バネによる付勢力によって、図中の二点
鎖線で示すように、ハルHの側面から距離W3(>W
1)だけスポンソン1が突出する第2状態までの間で、
スポンソン1が略水平状態を保ったまま横方向へ移動せ
しめられる。
【0079】その他、第4実施形態に係る滑走艇のその
他の構成は、第1実施形態に係る滑走艇の構成と同様で
あるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0080】従って、ハンドル10が反時計方向へ回動
された場合、これに伴って連結部52の右側の端部が前
方へ、左側の端部が後方へ移動する。これによって、連
結部52の右側の端部に接続された連結体3の先端が前
方へ引っ張られ、この力が連結体3の後端を介して前記
入出機構8へ伝達されて、左舷側のスポンソン1がハル
Hの内部へ退入せしめられる。
【0081】一方、連結部52の左側の端部に接続され
た連結体3の先端は、後方へ移動する。これによりこの
連結体3への引張り力が小さくなり、この連結体3に連
結されている右舷側の入出機構8によって、右舷側のス
ポンソン1がハルHの外部へ進出せしめられる。
【0082】ハンドル10が時計方向へ回動された場合
には、これとは反対の動作により、右舷側のスポンソン
1がハルHの内部へ退入せしめられ、左舷側のスポンソ
ン1がハルHの外部へ進出せしめられることとなる。
【0083】図16(a)〜(c)は、第4実施形態に
係る滑走艇のスポンソン1の位置とこれに発生する揚力
との関係を示す模式図である。図16(a)に示す如
く、スポンソン1が基準状態とされた場合では、水面か
ら巻き上げられる波及びスプレーをスポンソン1の下面
で受けることにより、このスポンソン1には揚力F41
が発生する。なお、図16(a)〜(c)において、矢
符の長さは揚力の大きさに対応させてある。
【0084】これに対して、図16(b)に示す如く、
スポンソン1が基準状態からハルHの外部へ進出した場
合には、スポンソン1のハルHの外部に突出している部
分の下面の面積が増加するため、スポンソン1が受ける
波及びスプレーの水量が増加し、基準位置のスポンソン
1に発生する揚力F41よりも大きい揚力F42がスポ
ンソン1に生じる。
【0085】また、図16(c)に示す如く、スポンソ
ン1が基準状態からハルHの内部へ退入した場合には、
スポンソン1のハルHの外部に突出している部分の下面
の面積が減少するため、スポンソン1が受ける波及びス
プレーの水量が減少し、基準位置のスポンソン1に発生
する揚力F41よりも小さい揚力F43がスポンソン1
に生じることとなる。
【0086】従って、左舷方向へ旋回する場合、即ちハ
ンドル10が反時計回りに回動された場合には、ハルH
の外側への突出量が増加する右舷側のスポンソン1に生
じる揚力は増加し、この突出量が減少する左舷側のスポ
ンソン1に生じる揚力は減少するので、右舷側のスポン
ソン1に生じる揚力の方が左舷側のスポンソン1に生じ
る揚力よりも相対的に大きくなり、右舷側が上昇するよ
うに艇体Aがヒールする。
【0087】また、右舷方向へ旋回する場合、即ちハン
ドル10が時計回りに回動された場合には、右舷側のス
ポンソン1の突出量が増加し、左舷側のスポンソン1の
突出量が減少して、左舷側のスポンソン1に生じる揚力
の方が右舷側のスポンソン1に生じる揚力よりも相対的
に大きくなり、左舷側が上昇するように艇体Aがヒール
する。
【0088】なお、本実施形態においては、スポンソン
1を1つの板状の部材とし、このスポンソン1をハルH
の側面に対して進退させる構成について述べたが、これ
に限定されるものではなく、例えば、スポンソン1が、
その一端がハルHの側面に固定され、他端が開口してい
る中空の第1揚力発生部分と、その一部が第1揚力発生
部分の開口から突出する第2揚力発生部分とを有し、こ
の第2揚力発生部分を、第1揚力発生部分に対して横方
向へ進退させることにより、スポンソン1のハルHから
の突出量を増減する構成としても良い。
【0089】(第5実施形態)図17及び図18は、第
5実施形態に係る滑走艇の平面図及び背面図である。第
5実施形態に係る滑走艇のスポンソン1は、略円弧状に
湾曲した板状をなしている。
【0090】スポンソン1は、その湾曲の内側を下方へ
向けて、中心軸が前後方向へ延びるように配されてお
り、また一側端がハルHの外側へ突出するように、ハル
Hの側壁に設けられた孔に貫通せしめられている。ま
た、第5実施形態に係る滑走艇は、連結体3の後端が歯
車機構,カム機構又はリンク機構等を用いた入出機構8
1に連結されており、この入出機構81がスポンソン1
のハルHの内側に突入した部分に連結されている。入出
機構81には、バネ(図示せず)が内蔵されており、こ
のバネによる復元力と、連結体3による張力とが均衡
し、ハンドル10が中立状態のときに、図中の実線で示
すように、ハルHの側面からその円弧に沿った距離A1
だけスポンソン1が突出する状態(基準状態)に、スポ
ンソン1が保持されるようになっている。
【0091】連結体3が入出機構81の外側へ引張られ
た場合には、前記バネによる付勢力に抗して、図中の二
点鎖線で示すように、ハルHの側面からその円弧に沿っ
た距離A2(<A1)だけスポンソン1が突出する状態
(第1状態)までの間で、スポンソン1が円弧方向へ移
動せしめられる。また、連結体3の引張り力が小さくな
った場合には、前記バネによる付勢力によって、図中の
二点鎖線で示すように、ハルHの側面からその円弧に沿
った距離A3(>A1)だけスポンソン1が突出する状
態(第2状態)までの間で、スポンソン1が円弧方向へ
移動せしめられる。
【0092】その他、第5実施形態に係る滑走艇のその
他の構成は、第1実施形態に係る滑走艇の構成と同様で
あるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0093】従って、ハンドル10が反時計方向へ回動
された場合、これに伴って連結部52の右側の端部が前
方へ、左側の端部が後方へ移動する。これによって、連
結部52の右側の端部に接続された連結体3の先端が前
方へ引っ張られ、この力が連結体3の後端を介して前記
入出機構81へ伝達されて、左舷側のスポンソン1がハ
ルHの内部へ円弧に沿って退入せしめられる。
【0094】一方、連結部52の左側の端部に接続され
た連結体3の先端は、後方へ移動する。これによりこの
連結体3への引張り力が小さくなり、この連結体3に連
結されている右舷側の入出機構81によって、右舷側の
スポンソン1がハルHの外部へ円弧に沿って進出せしめ
られる。
【0095】ハンドル10が時計方向へ回動された場合
には、これとは反対の動作により、右舷側のスポンソン
1がハルHの内部へ退入せしめられ、左舷側のスポンソ
ン1がハルHの外部へ進出せしめられることとなる。
【0096】図19(a)〜(c)は、第5実施形態に
係る滑走艇のスポンソン1の位置とこれに発生する揚力
との関係を示す模式図である。図19(a)に示す如
く、スポンソン1が基準状態とされた場合では、水面か
ら巻き上げられる波及びスプレーをスポンソン1の下面
で受けることにより、このスポンソン1には揚力F51
が発生する。また、スポンソン1の下面が内側へ湾曲し
ているため、ハルHの表面に沿って這い上がる波及びス
プレーが横方向へ離脱することを防止し、揚力を効果的
に発生させることが出来る。なお、図19(a)〜
(c)において、矢符の長さは揚力の大きさに対応させ
てある。
【0097】これに対して、図19(b)に示す如く、
スポンソン1が基準状態からハルHの外部へ進出した場
合には、スポンソン1のハルHの外部に突出している部
分の下面の面積が増加するため、スポンソン1が受ける
波及びスプレーの水量が増加し、基準状態のスポンソン
1に発生する揚力F51よりも大きい揚力F52がスポ
ンソン1に生じる。この場合のスポンソン1は、基準状
態のスポンソン1の外側端から、円弧方向へ延長された
ような状態となる。従って、スポンソン1のハルHの付
近の部分は、ハルHの側面に対して、基準状態のスポン
ソン1と同様の位置関係を保っており、基準状態のスポ
ンソン1と同様に、ハルHの表面に沿って這い上がる波
及びスプレーが横方向へ離脱することを防止する。しか
も、延長部分によって、基準状態のスポンソン1では受
けることが出来なかった波及びスプレーを受けることが
出来、更に揚力を効果的に発生させることが出来る。
【0098】また、図19(c)に示す如く、スポンソ
ン1が基準状態からハルHの内部へ退入した場合には、
スポンソン1のハルHの外部に突出している部分の下面
の面積が減少するため、スポンソン1が受ける波及びス
プレーの水量が減少し、基準状態のスポンソン1に発生
する揚力F51よりも小さい揚力F53がスポンソン1
に生じることとなる。
【0099】従って、左舷方向へ旋回する場合、即ちハ
ンドル10が反時計回りに回動された場合には、ハルH
の外側への突出量が増加する右舷側のスポンソン1に生
じる揚力は増加し、この突出量が減少する左舷側のスポ
ンソン1に生じる揚力は減少するので、右舷側のスポン
ソン1に生じる揚力の方が左舷側のスポンソン1に生じ
る揚力よりも相対的に大きくなり、右舷側が上昇するよ
うに艇体Aがヒールする。
【0100】また、右舷方向へ旋回する場合、即ちハン
ドル10が時計回りに回動された場合には、右舷側のス
ポンソン1の突出量が増加し、左舷側のスポンソン1の
突出量が減少して、左舷側のスポンソン1に生じる揚力
の方が右舷側のスポンソン1に生じる揚力よりも相対的
に大きくなり、左舷側が上昇するように艇体Aがヒール
する。
【0101】(第6実施形態)図20及び図21は、第
6実施形態に係る滑走艇の側面図及び平面図である。第
6実施形態に係る滑走艇のスポンソン1は、中空となっ
ており、後端が開口している前後に長い第1揚力発生部
分1Aと、一部が前記開口から突出するように、第1揚
力発生部分に挿入された前後に長い第2揚力発生部分1
Bとを備えている。第2揚力発生部分1Bの長手方向に
交差する方向の断面形状は、第1揚力発生部分1Aの開
口と略同一の形状とされており、第2揚力発生部分1B
は、シール部材によって第1揚力発生部分1Aに対して
水密に取り付けられている。
【0102】また、第6実施形態に係る滑走艇は、連結
体3の後端が歯車機構,カム機構又はリンク機構等を用
いた入出機構82に連結されており、この入出機構82
が、ハルHの側壁に設けられた孔を通じて、前記第2揚
力発生部分1Bに連結されている。入出機構82には、
バネ(図示せず)が内蔵されており、このバネによる復
元力と、連結体3による張力とが均衡し、ハンドル10
が中立状態のときに、図中の実線で示すように、第1揚
力発生部分1Aの後端から距離L61だけ第2揚力発生
部分1Bが突出する状態(基準状態)に、第2揚力発生
部分1Bが保持されるようになっている。
【0103】連結体3が入出機構82の外側へ引張られ
た場合には、前記バネによる付勢力に抗して、図中の二
点鎖線で示すように、第1揚力発生部分1Aの後端から
距離L62(<L61)だけ第2揚力発生部分1Bが突
出する第1状態までの間で、第2揚力発生部分1Bが略
水平状態を保ったまま長手方向へ移動せしめられる。ま
た、連結体3の引張り力が小さくなった場合には、前記
バネによる付勢力によって、図中の二点鎖線で示すよう
に、第1揚力発生部分1Aの後端から距離L63(>L
61)だけ第2揚力発生部分1Bが突出する第2状態ま
での間で、第2揚力発生部分1Bが略水平状態を保った
まま横方向へ移動せしめられる。
【0104】その他、第6実施形態に係る滑走艇のその
他の構成は、第1実施形態に係る滑走艇の構成と同様で
あるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0105】従って、ハンドル10が反時計方向へ回動
された場合、これに伴って連結部52の右側の端部が前
方へ、左側の端部が後方へ移動する。これによって、連
結部52の右側の端部に接続された連結体3の先端が前
方へ引っ張られ、この力が連結体3の後端を介して前記
入出機構82へ伝達されて、左舷側の第2揚力発生部分
1Bが第1揚力発生部分1Aの内部へ退入せしめられ、
スポンソン1の長さが減少する。
【0106】一方、連結部52の左側の端部に接続され
た連結体3の先端は、後方へ移動する。これによりこの
連結体3への引張り力が小さくなり、この連結体3に連
結されている右舷側の入出機構82によって、右舷側の
第2揚力発生部分1Bが第1揚力発生部分1Aの外部へ
進出せしめられ、スポンソン1の長さが増加する。
【0107】ハンドル10が時計方向へ回動された場合
には、これとは反対の動作により、右舷側の第2揚力発
生部分1Bが第1揚力発生部分1Aの内部へ退入せしめ
られ、左舷側の第2揚力発生部分1Bが第1揚力発生部
分1Aの外部へ進出せしめられることとなる。
【0108】図22(a)〜(c)は、第6実施形態に
係る滑走艇のスポンソン1の位置とこれに発生する揚力
との関係を示す模式図である。図22(a)に示す如
く、第2揚力発生部分1Bが基準状態とされた場合、水
面から巻き上げられる波及びスプレーをスポンソン1の
下面で受けることにより、このスポンソン1には揚力F
61が発生する。なお、図22(a)〜(c)におい
て、矢符の長さは揚力の大きさに対応させてある。
【0109】これに対して、図22(b)に示す如く、
第2揚力発生部分1Bが基準状態から第1揚力発生部分
1Aの外部へ進出し、スポンソン1の長さが増加した場
合には、スポンソン1の下面の面積が増加するため、ス
ポンソン1が受ける波及びスプレーの水量が増加し、基
準状態のスポンソン1に発生する揚力F61よりも大き
い揚力F62がスポンソン1に生じる。
【0110】また、図22(c)に示す如く、第2揚力
発生部分1Bが基準状態から第1揚力発生部分1Aの内
部へ退入し、スポンソン1の長さが減少した場合には、
スポンソン1の下面の面積が減少するため、スポンソン
1が受ける波及びスプレーの水量が減少し、基準状態の
スポンソン1に発生する揚力F61よりも小さい揚力F
63がスポンソン1に生じることとなる。
【0111】従って、左舷方向へ旋回する場合、即ちハ
ンドル10が反時計回りに回動された場合には、長さが
増加する右舷側のスポンソン1に生じる揚力は増加し、
長さが減少する左舷側のスポンソン1に生じる揚力は減
少するので、右舷側のスポンソン1に生じる揚力の方が
左舷側のスポンソン1に生じる揚力よりも相対的に大き
くなり、右舷側が上昇するように艇体Aがヒールする。
【0112】また、右舷方向へ旋回する場合、即ちハン
ドル10が時計回りに回動された場合には、右舷側のス
ポンソン1の長さが増加し、左舷側のスポンソン1の長
さが減少して、左舷側のスポンソン1に生じる揚力の方
が右舷側のスポンソン1に生じる揚力よりも相対的に大
きくなり、左舷側が上昇するように艇体Aがヒールす
る。
【0113】なお、本発明に係る滑走艇の動作機構及び
構成は、第1〜第6実施形態に示したものに限定される
ものでないことはいうまでもない。
【0114】また、第1〜第6実施形態においては、ス
ポンソン1をハンドル10の操作に応じて機械的に動作
させる構成について述べたが、これに限定されるもので
はなく、例えば、スポンソン1を操作するための操作ボ
タンを設けておき、この操作ボタンが押下された場合
に、CPU,電動モータ等の電気的な装置によって、ス
ポンソン1を動作させる構成としてもよいことはいうま
でもない。
【0115】また、第1〜第6実施形態においては、ス
ポンソン1を揚力発生体として用いる構成について述べ
たが、これに限定されるものではなく、スポンソン1と
は別個に揚力発生体を設ける構成としてもよいことはい
うまでもない。
【0116】
【発明の効果】本発明に係る滑走艇による場合は、滑走
時の喫水線よりも高い位置にて艇体の両舷から突出せし
められ、滑走中の艇体に水が衝突して生じる波及び/又
は水の飛沫をその下面で受けて揚力を発生する2つの揚
力発生体を備えさせ、艇の旋回時に、旋回外側の揚力発
生体に発生する揚力を、旋回内側の揚力発生体に発生す
る揚力よりも相対的に大きくすべく、ハンドルの操作に
応じて前記揚力発生体の位置、若しくは艇体からの突出
量又は前後方向の長さ等の前記揚力発生体の状態を変化
させることにより、艇の旋回時に積極的に艇体を旋回中
心方向へ傾倒せしめることが可能となり、艇の旋回を助
勢して、初心者及び身体的なハンディキャップを有する
ライダーにも容易に操縦することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇の全体側
面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇の平面図
である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇のスポン
ソンの配置位置を示す側面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇のスポン
ソンの配置位置を示す部分断面背面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇のスポン
ソンの取り付け状態を示す部分拡大側面図である。
【図6】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇のスポン
ソンの取り付け状態を示す部分拡大平面断面図である。
【図7】 本発明の第1実施形態に係る滑走艇のスポン
ソンの位置とこれに発生する揚力との関係を示す模式図
である。
【図8】 本発明の第2実施形態に係る滑走艇の側面図
である。
【図9】 本発明の第2実施形態に係る滑走艇の平面図
である。
【図10】 本発明の第2実施形態に係る滑走艇のスポ
ンソンの位置とこれに発生する揚力との関係を示す模式
図である。
【図11】 本発明の第3実施形態に係る滑走艇の側面
図である。
【図12】 本発明の第3実施形態に係る滑走艇の平面
図である。
【図13】 本発明の第3実施形態に係る滑走艇のスポ
ンソンの位置とこれに発生する揚力との関係を示す模式
図である。
【図14】 本発明の第4実施形態に係る滑走艇の平面
図である。
【図15】 本発明の第4実施形態に係る滑走艇の背面
図である。
【図16】 本発明の第4実施形態に係る滑走艇のスポ
ンソンの位置とこれに発生する揚力との関係を示す模式
図である。
【図17】 本発明の第5実施形態に係る滑走艇の平面
図である。
【図18】 本発明の第5実施形態に係る滑走艇の背面
図である。
【図19】 本発明の第5実施形態に係る滑走艇のスポ
ンソンの位置とこれに発生する揚力との関係を示す模式
図である。
【図20】 本発明の第6実施形態に係る滑走艇の側面
図である。
【図21】 本発明の第6実施形態に係る滑走艇の平面
図である。
【図22】 本発明の第6実施形態に係る滑走艇のスポ
ンソンの位置とこれに発生する揚力との関係を示す模式
図である。
【符号の説明】
1 スポンソン 1A 第1揚力発生部分 1B 第2揚力発生部分 3 連結体 10 ハンドル 41 枢軸 42 接続部材 44 バネ 51 回転軸 52 連結部 6 昇降機構(動作部) 7 移動機構(動作部) 8,81,82 入出機構(動作部) L2 喫水線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清原 寛治 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑走時の喫水線よりも高い位置にて、艇
    体の両舷の少なくとも一方から突出せしめられ、滑走中
    の艇体に水が衝突して生じる波及び/又は水の飛沫をそ
    の下面で受けて揚力を発生する揚力発生体と、艇の旋回
    時に、該揚力発生体に発生する揚力を変化させるべく、
    前記揚力発生体を動作させる動作部とを備えることを特
    徴とする滑走艇。
  2. 【請求項2】 前記動作部は、艇の旋回外側の揚力発生
    体に発生する揚力を増加させるように、前記揚力発生体
    を動作させるべくなしてあることを特徴とする請求項1
    に記載の滑走艇。
  3. 【請求項3】 前記動作部は、艇の旋回内側の揚力発生
    体に発生する揚力を減少させるように、前記揚力発生体
    を動作させるべくなしてあることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の滑走艇。
  4. 【請求項4】 前記揚力発生体は、艇の両舷に夫々設け
    られており、前記動作部は、艇の旋回外側の揚力発生体
    に発生する揚力を、艇の旋回内側の揚力発生体に発生す
    る揚力よりも相対的に大きくするように、前記揚力発生
    体の両方を動作させるべくなしてあることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れかに記載の滑走艇。
  5. 【請求項5】 前記動作部は、前記揚力発生体に発生す
    る揚力を増加又は減少させるべく、その後端が下降又は
    上昇する方向へ、前記揚力発生体を傾斜させることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の滑走艇。
  6. 【請求項6】 前記動作部は、ハンドルに連結された回
    転軸の直径方向へ離隔した2箇所に夫々の一端が取り付
    けられた2つの連結体と、該連結体の他端がその一端に
    夫々連結され、他端に前記揚力発生体が夫々固着された
    2つの枢軸と、後端が下降する方向へ前記揚力発生体を
    夫々付勢する2つの付勢手段とを具備し、前記枢軸は、
    連結された連結体が前方へ移動した場合に、固着された
    揚力発生体の後端を上昇させるように、前記連結体の他
    端に夫々連結されていることを特徴とする請求項5に記
    載の滑走艇。
  7. 【請求項7】 前記動作部は、前記揚力発生体に発生す
    る揚力を増加又は減少させるべく、前記揚力発生体を下
    降又は上昇させることを特徴とする請求項1乃至4の何
    れかに記載の滑走艇。
  8. 【請求項8】 前記動作部は、前記揚力発生体に発生す
    る揚力を増加又は減少させるべく、前記揚力発生体を後
    方又は前方へ移動させることを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載の滑走艇。
  9. 【請求項9】 前記動作部は、前記揚力発生体に発生す
    る揚力を増加又は減少させるべく、前記揚力発生体の艇
    体からの突出量を変化させることを特徴とする請求項1
    乃至4の何れかに記載の滑走艇。
  10. 【請求項10】 前記動作部は、前記揚力発生体を略水
    平方向へ移動せしめることにより、前記揚力発生体の艇
    体からの突出量を変化させるべくなしてあることを特徴
    とする請求項9に記載の滑走艇。
  11. 【請求項11】 前記揚力発生体は、艇の前後方向に交
    差する方向の断面視で上に凸な円弧状に湾曲された板状
    をなしており、前記動作部は、前記揚力発生体をその湾
    曲に沿って移動せしめることにより、前記揚力発生体の
    艇体からの突出量を変化させるべくなしてあることを特
    徴とする請求項9に記載の滑走艇。
  12. 【請求項12】 前記動作部は、前記揚力発生体に発生
    する揚力を増加又は減少させるべく、前記揚力発生体の
    前後方向の長さを変化させることを特徴とする請求項1
    乃至4の何れかに記載の滑走艇。
  13. 【請求項13】 前記揚力発生体は、後端に開口を有す
    る中空の第1揚力発生部分と、該第1揚力発生部分にそ
    の一部又は全部を覆われた第2揚力発生部分とを具備
    し、前記動作部は、前記第2揚力発生部分を前記第1揚
    力発生部分の開口から進退させることにより、前記揚力
    発生体の前後方向の長さを変化させるべくなしてあるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の滑走艇。
  14. 【請求項14】 前記揚力発生体は、スポンソンである
    ことを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の滑
    走艇。
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