JP2003054117A - インクジェット記録用紙及びこれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用紙及びこれを用いたインクジェット記録方法

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JP2003054117A
JP2003054117A JP2001247435A JP2001247435A JP2003054117A JP 2003054117 A JP2003054117 A JP 2003054117A JP 2001247435 A JP2001247435 A JP 2001247435A JP 2001247435 A JP2001247435 A JP 2001247435A JP 2003054117 A JP2003054117 A JP 2003054117A
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clark stiffness
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JP2001247435A
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Koichi Yanagiuchi
晃一 柳内
Sadaichi Otani
貞一 大谷
Susumu Hagisawa
進 萩澤
Atsushi Ono
敦 小野
Norifumi Tanaka
憲文 田中
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】全面印刷においてもインクヘッドと記録紙との
接触が起こらず、高い画質を与える全面印刷に適したイ
ンクジェット記録媒体を提供すること。 【解決手段】紙支持体にインク受理層を設けたインクジ
ェット記録用紙において、1)紙支持体にCD方向の水
中伸度(JAPPAN TAPPI No.27A法)
が1.5〜0%の紙、又は片艶紙を用い、2)記録用紙
の搬送方向のクラークこわさが20〜80(cm/1
00)であり、3)搬送方向のクラークこわさと搬送方
向に直行する方向のクラークこわさの比が1.4以上で
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の所属する技術分野】本発明は、インクジェット
用記録用紙に関し、特に全面印刷に適したインクジェッ
ト用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式はフルカラー化
が容易なことや印字騒音が少ないことなどから近年急速
に普及してきた。この方式はノズルから記録媒体に向け
てインク液滴を高速で吐き出させるものであり、インク
中に多量の溶媒を含む。従って、記録媒体としては速や
かにインクを吸収する必要がある。また、最近のコンピ
ュータやデジタルカメラの普及により、銀塩写真に近い
画像が求められるようになってきている。そこで、イン
クジェット記録用紙には高い発色性、解像度及び色再現
性が必要となっている。
【0003】インクジェット記録用紙においては、当初
は一色で文字記録をおこなっていた。文字情報を記録す
る場合、印字物をファイリングすること、記録情報を見
やすくすること、更にはプリンター搬送性のために記録
用紙端部の余白は必要不可欠であった。その後、インク
ジェット記録方式においてカラー化が進み、文字情報の
みならず画像の記録に適するものとして使用されるよう
になったが、この場合も用紙の端部(前後左右)に余白
を設けて記録されていた。
【0004】近年はインクジェット記録画像の画質がさ
らに向上し、写真に匹敵する画像を得ることができるよ
うになると、従来の銀塩写真で行われていたことがイン
クジェット記録で行われるようになった。特にデジタル
カメラの普及によりこの傾向は加速している。このよう
な状況下、余白を全く持たない、すなわち、記録用紙の
全面にインクジェット記録方式にて画像を記録したいと
いう要望が起こってきた。本発明において、全面印刷と
いう用語は、記録用紙の端部(前後左右)に余白を持た
ず、記録紙全面に記録することを示す。
【0005】インクジェット印刷後のカールやコックリ
ングを防止する方法として、特開平3−38376号公
報、特開平7−276786号公報には、インク噴射部
分の動作方向にJAPAN TAPPI No27に規定
される水中伸度が2.0%以下であるインクジェット記
録用紙が開示されており、特開平3−199081号公
報には、MD方向(マシンディレクション、抄紙方向)
の水中伸度がCD方向(クロスディレクション、抄紙方
向と直角の方向)の水中伸度の1.3倍以下であるイン
クジェット記録用用紙が開示されている。また、第31
34644号特許(特開平7−186519号公報)に
は、基材上に塗工剤を4〜10g/mの範囲で塗工し
た記録紙において、基材の超音波伝播速度法による繊維
配向比を1.35以下とするとともに記録紙の印字面層
と反印字面層のCD方向の収縮率の差が±0.1%以内
に調製された記録紙が開示されている。
【0006】また、特開平7−32722号公報、特開
平7−52528号公報には、搬送方向のクラーク剛直
度が20〜100cm/100であるインクジェット
記録用紙が開示されており、プリンターの搬送性が改善
されている。しかし、単にこれらの技術だけでは全面印
刷における記録面の汚れを解消、又は著しく改善するこ
とはできなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録用
紙に全面印刷を行うと、画像が汚れるという問題がしば
しば生じ、この解決が望まれていた。この問題に関し、
研究を進めた結果、全面印刷においてはしばしば記録ヘ
ッドが記録用紙と接触するために、未乾燥の記録部分が
記録ヘッドと擦れることによって画像が汚れていること
が明らかになった。そこで、本発明の目的は、全面印刷
においても記録ヘッドと記録用紙が接触せず、画像汚れ
が発生しない、又は著しく改善された全面印刷用インク
ジェット記録用紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヘッド擦
れが起こらず、全面印刷に適したインクジェット記録用
紙について鋭意研究を重ねた結果、全面印刷時にヘッド
擦れが生じるのは紙上部(記録開始時の印字部)、紙中
央部(記録途中)及び紙下部(記録終了期の印字部)の
3つのケースがあること、各々の原因は異なり、紙上部
のヘッド擦れは印字時にインクジェット記録用紙がイン
クを吸収することによるカールの発生が、紙中央部のそ
れはコックリングが、紙下部のそれは紙のクラークこわ
さが高いことが主要な原因であることを見出した。
【0009】すなわち、全面印刷においては搬送されて
きた記録用紙の前端部にインクが噴射される。すると記
録用紙の記録表面のみならず、用紙の前端断面にもイン
クが浸透しカールが生じる。記録用紙前端部はロールな
どで抑えるものがないため、カールは急速に大きくな
り、記録ヘッドと用紙表面が接触し汚れが生じる。
【0010】また、用紙の左右端部にも記録を行うた
め、左右端部はロール等で抑えるものがない。このた
め、インク吸収により記録用紙のコックリング(記録用
紙のぼこつき)が発生し易くなり、コックリングの高い
部分が記録ヘッドと接触し、汚れを生じる。更に、記録
終了時には搬送される記録用紙の後端部は、やはりロー
ル等の抑えるものがなく前端部の場合と同様大きなカー
ルの発生がある。また、用紙の剛度が大きい場合は記録
用紙の後端部が跳ね上がって、記録ヘッドと接触し汚れ
が発生する。
【0011】そして、これら原因の異なるヘッド擦れを
総合的に改善するため、更に研究を進めた結果、本発明
に到達した。上記ヘッドこすれを解決する本発明の記録
用紙は(1)紙支持体にインク受理層を設けてなるイン
クジェット記録用紙において、前記紙支持体のCD方向
の水中伸度(JAPPAN TAPPI No.27A
法)が1.5〜0%、かつ印字時搬送方向のクラークこ
わさが20〜80(cm/100)であり、かつ前記
印字時搬送方向のクラークこわさと前記印字時搬送方向
と直行する方向のクラークこわさの比が1.4以上であ
ることを特徴とするインクジェット記録用紙である。
【0012】また、(2)紙支持体にインク受理層を設
けてなるインクジェット記録用紙において、前記紙支持
体が片艶紙であり、かつ印字時搬送方向のクラークこわ
さが20〜80(cm/100)であり、かつ前記印
字時搬送方向のクラークこわさと前記印字時搬送方向と
直行する方向のクラークこわさの比が1.4以上である
ことを特徴とするインクジェット記録用紙である。ま
た、(3)記録用紙の坪量が100g/m以下である
(1)又は(2)のインクジェット記録用紙である。さ
らに、本発明の記録方法は(1)〜(3)のインクジェ
ット記録用紙を用いて、記録用紙全面に記録を行うこと
を特徴とするインクジェット記録方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <支持体>本発明に用いられる紙支持体は木材パルプと
填料を主成分として構成される。木材パルプとしてはLB
KP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、C
MP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等のパルプ
を含み、必要に応じて従来公知の填料やバインダー及び
サイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各
種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄
紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を
形成した後に、乾燥させて得ることができる。本発明に
おいてはJAPAN TAPPI No.27 A法に
よる水中伸度がCD方向で1.5〜0%、好ましくは
1.2〜0%である紙支持体を使用する。
【0014】紙支持体を得るには、紙匹形成後の乾燥工
程にて、ドライヤー等を用いて湿紙(紙匹)を乾燥す
る。このとき、シリンダードライヤーを用いて湿紙を乾
燥する場合は、CD方向に対して非拘束乾燥となるた
め、紙のCD方向水中伸度は1.5%を超え、コックリ
ングが大きくなり、好ましくない。片艶紙のようにヤン
キードライヤーを用いて乾燥する場合は、CD方向に対
して拘束乾燥を行うことになり、紙支持体の水中伸度を
小さくすることができ、結果、インクジェット記録によ
るコックリングは小さくなる。
【0015】<クラークこわさ>本発明において、イン
クジェット記録用紙のインクジェット記録時搬送方向の
クラークこわさは、20〜80cm/100の範囲が
好ましく、20〜70cm/100の範囲であること
が更に好ましい。搬送方向のクラークこわさが80cm
/100より大きいと紙下部におけるヘッド擦れが解
消しにくく、搬送方向のクラークこわさが20cm
100より小さい場合は、紙の腰が弱すぎるため、小さ
な外力が加わっただけで変形し、搬送ガイドにおける折
れ曲がりが発生しやすくなる。
【0016】また、インクジェット記録用紙の搬送方向
のクラークこわさと搬送方向と直角方向のクラークこわ
さの比は1.4〜2.0の範囲であることが好ましく、
1.4〜1.8の範囲であることが更に好ましい。クラ
ークこわさの比が1.4より小さいと、印字後のカール
を搬送方向に制御しにくくなる。反対にクラークこわさ
の比が2.0より大きいと、コックリング由来の紙中央
部のヘッド擦れの改善が困難になる。
【0017】インクジェット記録用紙のインクジェット
記録時搬送方向のクラークこわさ、及び、インクジェッ
ト記録時搬送方向のクラークこわさと搬送方向と直角方
向のクラークこわさの比を上記の範囲に制御して、印字
後のカールを搬送方向に生じやすくすることにより、全
面印刷に好適なインクジェット記録用紙を得ることがで
きると考えられる。
【0018】本発明においてクラークこわさはJIS
P8143に従って測定する。インクジェット記録用紙
のクラークこわさは紙支持体のクラークこわさの影響が
大きい。このため、紙支持体のクラークこわさを変える
ことで記録用紙のクラークこわさを調整することが有効
である。また、インク受理層塗工後に行うカレンダー処
理において、カレンダー圧を変更する(圧が高い程クラ
ークこわさは減少する)などの方法での調整も可能であ
る。
【0019】紙支持体のクラークこわさの大きさを変え
るには、パルプの叩解を進める(濾水度を下げるとクラ
ークこわさは減少する)、紙料中の填料の比率を変更す
る(填料比率を上げるとクラークこわさが減少する)こ
とができ、またクラークこわさのMD/CD比を変える
には、抄紙時のJ/W(ジェット/ワイヤー)比を変更
する(一般に、抄紙機にはJ/W比が1に近いところで
クラークこわさのMD/CD比が最小になる点が存在
し、その点よりJ/W比を大きくしても小さくしてもM
D/CD比は増加する)、紙料をヘッドボックスからワ
イヤーへ噴射する角度を変更する(ワイヤーに近い、つ
まり角度が大きくなるとMD/CD比が大きくなる。フ
ェルト面は変わらないが、ワイヤー面のMD/CD比が
大きくなるため、結果としてMD/CD比増加)などで
対処することができる。
【0020】紙支持体のMD方向のクラークこわさが7
5cm/100以下であり、かつ、MD方向のクラー
クこわさとCD方向のクラークこわさの比は1.3〜
2.0の範囲であることが好ましい。特に、MD方向の
クラークこわさが75cm/100以下であり、か
つ、MD方向のクラークこわさとCD方向のクラークこ
わさの比は1.3〜1.7の範囲であることが好まし
い。
【0021】<インク受理層>インク受理層に用いる顔
料としては合成シリカ、アルミナやアルミナ水和物(ア
ルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、
珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウ
ム、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、硫酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、炭酸亜鉛、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム等
の無機顔料はもとより、プラスチックピグメント、尿素
樹脂等の有機顔料等も使用することが出来るが、コスト
と高いインク吸収性の点から、合成シリカが好ましく用
いられる。
【0022】また、インク受理層には、塗膜としての特
性を維持するために結着剤を有していることが好まし
い。結着剤としては、例えばポリビニルアルコール及び
その変性物、酢酸ビニル、酸化デンプン、エーテル化デ
ンプン、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、カルボキシメ
チルセルロース、SBラテックス、NBラテックス、ア
クリルラテックス、エチレン酢酸ビニル系ラテックス、
ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂等が使用でき
る。本発明においては、これらの結着剤の少なくとも1
種を使用することができるが、その配合部数は、前記し
た顔料100重量部に対し、5〜60部であることが好
ましい。結着剤の配合部数が少ないと表面強度が不十分
となり、多すぎるとインク吸収性が不十分となる。
【0023】また必要に応じて、顔料及び結着剤の他
に、サイズ剤、界面活性剤、耐水化剤、顔料分散剤、増
粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、着色染料、着
色顔料、蛍光染料、防腐剤、湿潤紙力増強剤、保水剤な
どを適宜添加することができる。
【0024】インク受理層を支持体上に設ける方法とし
ては、一般的な塗工装置である各種ブレードコーター、
ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、
ゲートロールコーター、カーテンコーター、ショートド
ゥエルコーター、グラビアコーター、フレキソグラビア
コーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシンまた
はオフマシンで使用することができる。
【0025】インク受理層の塗工量は、3〜30g/m
であることが好ましく、5〜20g/mがより好ま
しい。塗工量がこの範囲より小さいとインクの初期吸収
が不充分となりやすく、かつ均一な被覆層を得ることが
困難になり、一方塗工量がこの範囲より大きいとインク
受理層の強度が不足し、断裁時の粉落ちなどが問題とな
りやすくなる。また、インク受理層を設けた後にマシン
カレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー等
のカレンダー装置で表面処理することも可能である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳述する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また、
以下の実施例におけるクラークこわさの測定では、抄紙
方向をMD、抄紙方向と直角の方向をCDで表す。
【0027】(実施例1) <紙支持体(以下原紙とする)の抄造>広葉樹漂白クラ
フトパルプ95重量%と針葉樹漂白クラフトパルプ5重
量%とを混合叩解し、濾水度を450mlに調整したパ
ルプにカチオン化デンプン2重量部、アニオン化ポリア
クリルアミド0.1重量部、アルキルケテンダイマー乳
化物0.3重量部を添加し、J/W比103%で長網抄
紙機で紙匹を形成した。3段のウエットプレスを行い、
乾燥パートで2段の緊度プレスを行った後ヤンキードラ
イヤーにて乾燥した。次いで酸化デンプン4%とポリビ
ニルアルコール0.5%の混合液を用い、サイズプレス
で乾燥重量が3.5g/mとなるように塗布し、乾燥
した後マシンカレンダー処理して、坪量75g/m
片艶紙を製造した。原紙のMDクラークこわさは72.
8、CDクラークこわさは47.4でMD/CD比は
1.54であった。
【0028】<インク受理層:下層>合成非晶質シリカ
(ファインシールX−37B:トクヤマ(株)製)10
0部、ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ
製)25部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(スミカ
フレックス7400 住友化学製)4部、スチレンアク
リル樹脂(ポリマロン360、荒川化学工業製)2部、
染料定着剤(ポリフィックス700、昭和高分子製)8
部、消泡剤(SNデフォーマー480、サンノプコ製)
0.3部、ブルーイング剤0.005部、蛍光染料0.
5部及び希釈水等を適宜添加した、固形分が20%のカ
ラーを、バーブレードコーターを用いて塗工量が10g
/mとなるように塗工した。紙中水分率が4.5%と
なるまで乾燥し、アンダー塗工紙を得た。
【0029】<インク受理層:上層>合成非晶質シリカ
(ファインシールX−60:トクヤマ(株)製)100
部、ポリビニルアルコール(PVA−117、クラレ
製)33部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(スミカ
フレックス7400 住友化学製)5部、ポリアミン系
染料定着剤(ポリフィックス700、昭和高分子製)8
部、消泡剤(SNデフォーマー480、サンノプコ製)
0.3部、ブルーイング剤0.01部、蛍光染料を0.
8部及び希釈水を適宜添加した固形分18%のカラーを
バーブレードコーターを用いて塗工量8g/mとなる
ように塗工した。紙中水分率5%となるまで乾燥し、線
圧80kg/cmの条件でソフトカレンダー処理してイ
ンクジェット記録媒体を得た。このインクジェット記録
媒体のMDクラークこわさは62.1cm/100、
CDクラークこわさは36.2cm/100でMD/
CD比は1.72であった。
【0030】(実施例2) <原紙の抄造>実施例1と同様にして原紙を抄造し、坪
量80gの原紙を得た。これのMDクラークこわさは7
1.3cm/100、CDクラークこわさは54.2
cm/100でそのMD/CD比は1.32であっ
た。 <インクジェット記録用紙の製造>実施例1と同一のカ
ラーを上層・下層とも同量塗工し、実施例と同じ条件で
ソフトカレンダー処理してインクジェット記録用紙を得
た。このインクジェット記録用紙のMDクラークこわさ
は62.5cm/100、CDクラークこわさは4
3.0cm/100でそのMD/CD比は1.45で
あった。
【0031】(比較例1) <原紙の抄造>実施例1と同様の紙料を用い、J/W比
99%とした以外は実施例1と同様にして坪量80gの
原紙を抄造した。MDクラークこわさは75.5cm
/100、CDクラークこわさは56.0cm/10
0でそのMD/CD比は1.35であった。 <インクジェット記録用紙の製造>実施例1と同一のカ
ラーを上層・下層とも同量塗工し、実施例1と同じ条件
でソフトカレンダー処理してインクジェット記録用紙を
得た。このインクジェット記録用紙のMDクラークこわ
さは68.5cm/100、CDクラークこわさは4
9.7cm/100でそのMD/CD比は1.38で
あった。
【0032】(比較例2) <原紙の抄造>実施例1と同様の紙料を用いて、J/W
比99%とした以外は実施例1と同様にして坪量95g
の原紙を抄造した。MDクラークこわさは126.0c
/100、CDクラークこわさは87.0cm
100でそのMD/CD比は1.45であった。 <インクジェット記録用紙の製造>実施例1と同一のカ
ラーを上層・下層とも同量塗工し、実施例1と同じ条件
でソフトカレンダー処理してインクジェット記録用紙を
得た。このインクジェット記録用紙のMDクラークこわ
さは95.3cm/100、CDクラークこわさは6
4.6cm/100でそのMD/CD比は1.48で
あった。
【0033】(比較例3) <原紙の抄造>実施例1と同様の紙料を用いて、J/W
比99%としたこと、緊度プレス後の湿紙の乾燥には、
シリンダードライヤーを用い、片艶でない基紙とした以
外は実施例1と同様にして坪量86gの原紙を抄造し
た。原紙のMDクラークこわさは131.7cm/1
00、CDクラークこわさは64.3cm/100で
そのMD/CD比は2.05であった。 <インクジェット記録用紙の製造>実施例1と同一のカ
ラーを上層・下層とも同量塗工し、実施例1と同じ条件
でソフトカレンダー処理してインクジェット記録用紙を
得た。このインクジェット記録用紙のMDクラークこわ
さは87.7cm/100、CDクラークこわさは4
5.2cm/100でそのMD/CD比は1.94で
あった。
【0034】<評価方法>以下の方法で得られたインク
ジェット記録用紙の評価を行った。 発色性:ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各ベ
タ画像を印字し、マクベス反射濃度計RD−914で測
定した値を合計し評価した。 ヘッド擦れの有無:セイコーエプソン製インクジェット
プリンターPM−800Cを用い、A4サイズの紙の全
面に緑色のベタ印字し、次の基準により評価した。 ○:ヘッド擦れによる汚れが全く見られない △:ヘッド擦れによる汚れが僅かに見られる ×:ヘッド擦れによる汚れが肉眼ではっきり見える なお、いずれの記録用紙も、MD方向が搬送方向になる
ように印字を行った。評価結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】表1の結果から次のことが分かる。ま
ず、インクジェット記録用紙のクラークこわさのMD/
CD比が1.4未満である比較例1では、印字後カール
をMD方向に起こしやすくすることが不充分であるた
め、印字上端でのヘッド擦れが解消されていない。MD
方向のクラークこわさが大きい比較例2では、記録用紙
下端が給紙ロールを通過した後の反動が大きくなるため
に、印字下端でのヘッド擦れが解消されていない。片艶
でない紙を基紙に用いた比較例3では、インク吸収時の
コックリングが大きくなるため印字中央部でのヘッド擦
れが解消されていない。逆に、実施例1、2では印字上
端、中央、下端の何れにおいてもヘッド擦れが見られな
い。以上のことから明らかなように、本発明のインクジ
ェット記録媒体は、良好な印字性能を保持しつつ、ヘッ
ド擦れの解消がなされており、全面印刷に適したもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩澤 進 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 小野 敦 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 (72)発明者 田中 憲文 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内 Fターム(参考) 2C056 EA04 FC06 2H086 BA19 BA41 4L055 AA02 AA03 AC06 AG48 AG59 AG64 AG89 AH02 AH13 AH37 AJ01 AJ04 BD07 BE09 CF03 EA07 EA08 EA09 FA18 FA30 GA09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体にインク受理層を設けてなるイン
    クジェット記録用紙において、前記紙支持体のCD方向
    の水中伸度(JAPAN TAPPI No.27 A
    法)が1.5〜0%であり、かつ印字時搬送方向のクラ
    ークこわさが20〜80(cm/100)であり、か
    つ前記印字時搬送方向のクラークこわさと前記印字時搬
    送方向と直行する方向のクラークこわさの比が1.4以
    上であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】紙支持体にインク受理層を設けてなるイン
    クジェット記録用紙において、前記紙支持体が片艶紙で
    あり、かつ印字時搬送方向のクラークこわさが20〜8
    0(cm/100)であり、かつ前記印字時搬送方向
    のクラークこわさと前記印字時搬送方向と直行する方向
    のクラークこわさの比が1.4以上であることを特徴と
    するインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】インクジェット記録用紙の坪量が100g
    /m以下であること特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載されたインクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載されたイン
    クジェット記録用紙を用いて、記録用紙全面に記録を行
    うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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JP2006028661A (ja) * 2004-07-13 2006-02-02 Fuji Xerox Co Ltd 記録用紙及びこれを用いた画像記録方法
JP2012030573A (ja) * 2010-06-29 2012-02-16 Canon Inc インクジェット記録媒体

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