JP2003053971A - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド

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JP2003053971A
JP2003053971A JP2001245688A JP2001245688A JP2003053971A JP 2003053971 A JP2003053971 A JP 2003053971A JP 2001245688 A JP2001245688 A JP 2001245688A JP 2001245688 A JP2001245688 A JP 2001245688A JP 2003053971 A JP2003053971 A JP 2003053971A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤注入部に起因するケースの大型化を防
止し、ケースの膨潤に起因する不具合を防止する。 【解決手段】 ノズル開口側の先端面と該先端面とは反
対側の取付面とを有する樹脂製のケース3と、該ケース
3の収納空部に収納固定される振動子ユニットとを備え
たインクジェット式記録ヘッドにおいて、ケース3は、
取付面側に開放した空部18を有する基端側部分19
と、振動子ユニットの振動子側部分を収納可能な収納空
部16を有する先端側部分17とを備え、固定板背面を
部分的に固定板接着面21に接着し、空部18には、固
定板を接着する接着剤を注入するための接着剤注入部5
3を固定板の配置予定位置に臨ませて形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタやプロッ
タ等のインクジェット記録装置に用いられるインクジェ
ット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという。)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置に用いられる記
録ヘッドには、複数の圧電振動子を固定板上に列設した
振動子ユニットと、この振動子ユニットを収納可能な樹
脂製のケースとを有するものがある。上記の振動子ユニ
ットは、振動子接合面とは反対側の固定板背面がケース
の内壁面に接着されている。また、ケースの先端面には
ノズルプレートや弾性板を有する流路ユニットが接合さ
れ、この先端面とは反対側の取付面には、外部からのイ
ンクをケース内に導入するためのインク導入口やケース
と他の部材との位置決めを行う位置決め鞘管等が形成さ
れている。
【0003】固定板とケースとを接着するにあたり、固
定板とケースとの接着領域から接着剤が溢れてしまう
と、この溢れた接着剤が圧電振動子や弾性板に付着して
作動不良の原因となり得る。そこで、固定板とケースと
を接着する場合には、固定板の背面とケースの内壁面と
を極く接近させて配置した後、流動性を有する接着剤を
固定板とケースとの隙間に注入し、毛細管力によって接
着剤を接着領域に行き渡らせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、固定板とケ
ースを接着する接着剤は、ケースの取付面側に設けた接
着剤注入部を通じて固定板とケースとの間に注入され
る。例えば、収納空部における振動子列設方向の端部に
接着剤注入部を形成し、この接着剤注入部に所定量の接
着剤を吐出し、毛細管力によって固定板とケースとの間
に注入していた。しかし、この構成では、接着剤注入部
を振動子ユニットよりも振動子列設方向の外側に設ける
必要があり、接着剤注入部の分だけケースが大型化して
しまうという問題があった。
【0005】また、ケースの素材である樹脂には吸湿性
があり、高湿環境下に長時間に亘って曝されると膨潤し
てしまう。そして、ケースの内壁面に接合された振動子
ユニットは、ケースの膨潤によって傾倒する虞があり、
傾倒してしまうとインク滴の吐出特性が不安定になると
いう問題があった。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、接着剤注入部に起因するケ
ースの大型化を防止し、ケースの膨潤に起因する不具合
を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、ノズル開口側の先端面と該先端面とは反対側の
取付面とを有する樹脂製ケースと、複数の圧電振動子が
固定板上に列設され上記ケースに収納される振動子ユニ
ットとを備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
前記ケースは、上記取付面側に開放した空部を有する基
端側部分と、振動子ユニットの振動子側部分を収納可能
な収納空部を有する先端側部分とを備え、固定板背面を
部分的に上記収納空部の固定板接着面に接着し、前記空
部には、固定板を接着する接着剤を注入するための接着
剤注入部を固定板の配置予定位置に臨ませて形成したこ
とを特徴とするインクジェット式記録ヘッドである。
【0008】請求項2に記載のものは、前記接着剤注入
部は、固定板の配置予定位置に向けて縮幅した平面形状
の注入溝部を有することを特徴とする請求項1に記載の
インクジェット式記録ヘッドである。
【0009】請求項3に記載のものは、外部からのイン
クをケース内に導入するためのインク導入口を空部の底
面から突設し、該インク導入口を前記接着剤注入部と並
設したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
インクジェット式記録ヘッドである。
【0010】請求項4に記載のものは、前記固定板接着
面と注入溝部とを、固定板側から一段後退させた段差溝
部で連通し、該段差溝部のエッジにより、注入溝部に注
入された接着剤を接着面に誘導することを特徴とする請
求項2又は請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッ
ドである。
【0011】請求項5に記載のものは、前記接着剤注入
部を、固定板における中央から振動子列設方向にずれた
位置に設け、固定板背面に対向するケース内壁面につい
て、接着剤注入部から固定板側縁までの距離が短い側の
部分を、固定板側縁までの距離が長い側の部分よりも固
定板側から多く後退させてバッファ部を作製し、接着剤
注入部に注入された接着剤の一部をバッファ部に導き、
固定板接着面側に導入することを特徴とする請求項1か
ら請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッ
ドである。なお、「固定板側縁」とは、固定板の振動子
列設方向側の縁を意味する。
【0012】請求項6に記載のものは、前記樹脂が熱硬
化性樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項5
の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、記録ヘッドの全体構成につ
いて説明する。
【0014】図1及び図2に示すように、記録ヘッド1
は、共通インク室33から圧力室31を通ってノズル開
口29に至る一連のインク流路(図4参照)が形成され
た流路ユニット2と、該流路ユニット2が先端面に接着
され、先端面とは反対側の表面が取付面として機能する
樹脂製のケース3と、該ケース3内に収納される一対の
振動子ユニット4,4と、ドライバ基板5と、カートリ
ッジ接続部6等を備える。
【0015】上記の振動子ユニット4は、図3に示すよ
うに、圧電振動子群10と、この圧電振動子群10が接
合される固定板11と、圧電振動子群10に駆動信号を
供給するためのフレキシブルケーブル12とから構成さ
れる。
【0016】圧電振動子群10は、列状に設けられた複
数の圧電振動子13…を備える。各圧電振動子13…
は、列の両端に位置する一対のダミー振動子13a,1
3aと、これらのダミー振動子13a,13aの間に配
置された複数の駆動振動子13b…とから構成されてい
る。そして、各駆動振動子13b…は、例えば、50μ
m〜100μm程度の極めて細い幅の櫛歯状に切り分け
られ、合計180本設けられる。また、ダミー振動子1
3aは、駆動振動子13bよりも十分広い幅であり、駆
動振動子13bを衝撃等から保護する保護機能と、振動
子ユニット4を所定位置に位置付けるためのガイド機能
とを有する。
【0017】そして、各圧電振動子13…は、固定端部
を固定板11上に接合することにより、自由端部を固定
板11の先端面11aよりも外側に突出させている。即
ち、各圧電振動子13…は、所謂片持ち梁の状態で固定
板11上に列設されている。
【0018】フレキシブルケーブル12は、固定板11
とは反対側となる固定端部の側面で圧電振動子13と電
気的に接続されている。また、各圧電振動子13…を支
持する固定板11は、ケース3を構成する樹脂よりも高
い剛性、言い換えれば、圧電振動子13からの反力を受
け止め得る剛性を備えた板状部材であり、金属板が好適
に用いられる。本実施形態では、この固定板11を、厚
さ1mm程度のステンレス鋼によって構成している。
【0019】ケース3は、ケース本体14とフランジ部
15とから概略構成された部材であり、本実施形態で
は、熱硬化性樹脂の一種であるエポキシ樹脂によって作
製している。これは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂
は、一般的な樹脂よりも高い機械的強度を有しており、
圧電振動子13の振動を十分に受け止められるからであ
る。また、この種の熱硬化性樹脂は、線膨張係数が一般
的な樹脂よりも小さく、周囲の温度変化による変形が小
さいからである。そして、図4(a)及び図5に示すよ
うに、ケース本体14は、振動子ユニット4の振動子側
部分を収納可能な収納空部16を有する先端側部分17
と、取付面側に開放した空部18を内側に有する基端側
部分19とから構成されたブロック状の部分である。
【0020】先端側部分17は、先端面20(ユニット
接着面)に流路ユニット2が接着され、内部には上記の
収納空部16が形成されている。そして、この収納空部
16の内壁面(以下、固定板接着面21という。)に振
動子ユニット4の固定板11が接着される。また、この
先端側部分17は、高さがケース3の略2/3であり、
先端面20が略長方形状の外形をしたブロック状であ
る。一方、基端側部分19は、図5及び図6(a)に示
すように、先端側部分17との境界部から側方に延出さ
れた床板部22、及び、この床板部22の表面から起立
した起立部23を有する。そして、上記のフランジ部1
5は、起立部23の基端から側方に向けて延出されてい
る。従って、この起立部23の表面及びフランジ部15
の表面が上記の取付面として機能する。また、これらの
床板部22と起立部23は、取付面側に開放した空部1
8を区画形成している。なお、このケース3について
は、後で詳しく説明する。
【0021】次に、流路ユニット2について説明する。
図4に示すように、流路ユニット2は、ノズルプレート
26、流路形成基板27、及び、弾性板28から構成さ
れ、ノズルプレート26を流路形成基板27の一方の表
面に、弾性板28をノズルプレート26とは反対側とな
る流路形成基板27の他方の表面にそれぞれ配置して積
層し、接着等により一体化することで構成されている。
【0022】上記のノズルプレート26は、ドット形成
密度に対応したピッチで複数のノズル開口29…を列状
に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実
施形態では、例えば180個のノズル開口29…を列状
に開設し、これらのノズル開口29…によってノズル列
30(図1参照)を構成している。そして、本実施形態
では、このノズル列30を横並びに2列設けている。
【0023】流路形成基板27は、各ノズル開口29…
に対応させて圧力室31…となる空部を隔壁で区画した
状態で複数形成すると共に、インク供給口32…となる
溝部及び共通インク室33となる空部を形成した板状の
部材である。そして、本実施形態の流路形成基板27
は、シリコンウェハーをエッチング処理することで作製
されている。
【0024】上記の圧力室31は、ノズル開口29…の
列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長
い室として形成されている。また、共通インク室33
は、インクカートリッジ(図示せず)に貯留されたイン
クを各圧力室31…に供給するための室であり、インク
供給口32…を通じて対応する各圧力室31…に連通し
ている。
【0025】弾性板28は、ステンレス鋼等の金属製の
支持板34上に弾性フィルム35をラミネート加工した
二重構造の複合板材であり、圧力室31となる空部の一
方の開口面を封止し、ダイヤフラム部として機能する。
また、共通インク室33となる空部の一方の開口面を封
止し、コンプライアンス部としても機能する。なお、本
実施形態における弾性フィルム35は、PPS(ポリフ
ェニレンサルファイド)製のフィルムを用いている。
【0026】そして、ダイヤフラム部として機能する部
分、すなわち圧力室31に対応した部分の支持板34に
エッチング加工を施し、圧電振動子13の自由端部の先
端を接合するための島部36…を残すように支持板34
を除去する。また、コンプライアンス部として機能する
部分、すなわち共通インク室33に対応する部分につい
ては、支持板34の部分をエッチング加工で除去して弾
性フィルム35だけにしている。
【0027】上記のドライバ基板5は、記録ヘッド1に
供給する各種信号用の電気配線と、信号ケーブルを接続
可能なコネクタとが形成された配線基板である。そし
て、このドライバ基板5は、ケース3における取付面に
重畳され、フレキシブルケーブル12の電気配線が半田
付け等によって接続される。また、側面に開口したコネ
クタには、制御装置(図示せず)からの信号ケーブルの
先端が挿入される。
【0028】上記のカートリッジ接続部6は、インクカ
ートリッジ(図示せず)が接続される部分であり、イン
クカートリッジ内に挿入されるインク供給針37…が複
数立設している。本実施形態では、ブラック、シアン、
マゼンタ、及び、イエローからなる4色のインクが用い
られるため、図1(b)に示すように、カートリッジ接
続部6には、ブラックインク用の第1インク供給針37
a、シアンインク用の第2インク供給針37b、マゼン
タインク用の第3インク供給針37c、及び、イエロー
インク用の第4インク供給針37dが立設される。そし
て、このカートリッジ接続部6は、図2に示すように、
パッキン38を挟んでドライバ基板5に積層状態で配設
されている。
【0029】次に、ケース3について詳細に説明する。
上記したように、ケース3は、ケース本体14とフラン
ジ部15とから概略構成されている。また、ケース本体
14は、収納空部16を有する先端側部分17と、取付
面側に開放した空部18を有する基端側部分19とから
構成されている。
【0030】まず、ケース本体14の先端側部分17に
ついて説明する。図5に示すように、先端側部分17の
先端面20には、溝部40と、逃げ凹部41,42と、
ピン保持部43とが形成されている。また、この先端面
20には、収納空部16の先端開口16aが開口してい
る。本実施形態では、先端面20における短辺側の略中
央に、長辺方向に沿って細幅の溝部40を形成し、この
溝部40を挟むようにして、先端開口16a,16aが
一対開口している。また、溝部40とは反対側となる先
端開口16aの側方に各逃げ凹部41,42を設けてい
る。また、ピン保持部43,43は、先端面20におけ
る2つの隅角部、詳しくは、一方の長辺の両端に位置す
る隅角部に設けられている。
【0031】上記の溝部40は、先端面20に塗布され
た接着剤の逃げ空間を形成する。また、上記の逃げ凹部
41,42は、先端面20よりも一段(例えば、0.3
mm)後退した部分であり、コンプライアンス部の可動
空間を形成する。なお、これらの逃げ凹部41,42
は、コンプライアンス部の可動空間を確保するので、大
気開放されていることが好ましい。本実施形態では、一
端が逃げ凹部41,42内に連通し、他端が基端側部分
19の空部18に連通する大気開放路を逃げ凹部41,
42毎に設けている。
【0032】上記の収納空部16は、振動子ユニット4
の振動子側部分を収納する部分であり、図4(a),図
7,図8に示すように、ケース本体14の先端側部分1
7内に、ケース3の高さ方向を貫通するように形成され
ている。この収納空部16は、圧電振動子13の自由端
部が挿入される振動子挿入部44と、固定板11におけ
る各圧電振動子13…との接合部分が挿入される固定板
挿入部45とから構成されている。
【0033】そして、固定板背面に対向する側の固定板
挿入部45の壁面は、振動子挿入部44の壁面よりも後
退している。また、固定板挿入部45の底面は固定板接
着面21側が一段高い階段状であり、振動子ユニット4
の収納状態において、固定板11の先端面11aは上段
の上面(以下、先端当接面46という)に当接する。
【0034】固定板挿入部45における振動子列設方向
の両端部には、一対の位置決めリブ47,47が形成さ
れている。これらの位置決めリブ47,47は、ケース
3の高さ方向に細長い突条(筋状突起)であり、収納空
部16内における固定板11の位置を規定する。即ち、
この位置決めリブ47では、固定板11側の面が位置決
め基準面47aとして機能し、ケース3内に収納された
振動子ユニット4の固定板背面に当接する。
【0035】固定板挿入部45における固定板11側の
面は、上記の固定板接着面21とである。この固定板接
着面21は、横長の矩形状であり、固定板11の幅に略
等しい。また、固定板接着面21の高さは、固定板11
と圧電振動子13との接合領域Xに対応して設定され、
この接合領域Xが含まれる高さ(図4(a)に符号Yで
示す高さ)に設定されている。
【0036】そして、固定板接着面21と上記の位置決
め基準面47aとのクリアランスは極く狭く設定され、
例えば0.05mmに設定されている。従って、固定板
背面を位置決め基準面47aに当接させると、固定板接
着面21と固定板11との間には0.05mmの極く狭
い隙間が形成される。
【0037】ところで、固定板11に関し、空部18に
露出している部分は、ケース3に接着されず、機械的に
縁が切られている。これは、ケース3と固定板11との
膨潤度合いの違いに起因する不具合を解消するためであ
る。
【0038】即ち、ケース3を構成する熱硬化性樹脂
(エポキシ樹脂)は、高湿環境下に長期間に亘って曝さ
れると、空気中の水分を吸収して膨潤する。一方、固定
板11を構成する金属板(ステンレス鋼)は、吸湿性が
ないので高湿環境下に長期間に亘って曝されても膨潤す
ることはない。このため、固定板11の背面全体をケー
ス3側に接着してしまうと、記録ヘッド1を高湿環境下
に長期間曝した場合に、ケース3の膨潤に伴って振動子
ユニット4に機械的なストレスが加わって不具合が生じ
る虞がある。例えば、振動子先端面が島部36から離隔
する方向に移動し、ダイヤフラム部を引っ張ってしまっ
たり、振動子先端面と島部36とが剥離してしまったり
する。
【0039】そして、本実施形態のように、ケース本体
14の基端側部分19に空部18を、先端側部分17に
は振動子ユニット4用の収納空部16をそれぞれ設け、
固定板背面の先端側領域を接着する構成にすると、固定
板11の非接着領域である空部18側において、固定板
11とケース3との機械的な縁が切られる。このため、
ケース3が膨潤しても、このケース3の膨潤によって固
定板11が受ける機械的なストレスを少なくすることが
できる。従って、振動子ユニット4の移動に起因する不
具合を防止することができる。
【0040】さらに、固定板接着面21に接着されてい
る固定板11の先端側領域Yは、上記したように圧電振
動子13と固定板11との接合領域Xを含むように設定
されている。このため、圧電振動子13の運動に伴う反
力を受けるのに最低限必要な領域が確保でき、インク滴
の吐出特性を損なわずに圧電振動子13の接続信頼性を
高めることもできる。
【0041】次に、ケース本体14の基端側部分19に
ついて説明する。図5及び図6に示すように、この基端
側部分19は、先端側部分17との境界部から側方に向
けて延設された床板部22と、床板部22の表面から取
付面側に起立した起立部23を有している。起立部23
は、床板部22の周縁を一周するように設けられ、その
内側に取付面側に開放した空部18を区画形成する。言
い換えれば、この空部18は、ケース3における取付面
を部分的に先端面20側に後退させることで形成されて
いる。
【0042】そして、起立部23は、ケース3と他の部
材、例えば、パッキン38の回転を防止するための回転
防止ボス50,50や、ドライバ基板5、パッキン3
8、及び、カートリッジ接続部6同士の位置を合わせる
ための位置決め鞘管51,51を形成するための基台と
しても機能している。また、この起立部23上の所定位
置には、シアンインクをケース3内に導入するための第
2インク導入口52bと、イエローインクをケース3内
に導入するための第4インク導入口52dとが形成され
ている。
【0043】上記の空部18は、左右略中央の収納空部
16の形成位置から、左右一側の第1空部18Aと左右
他側の第2空部18Bとに二分されている。
【0044】第1空部18A内には、ブラックインクを
導入するための第1インク導入口52aと、振動子ユニ
ット4の固定板11を収納空部16の接着面に接着する
際に、接着剤を注入するための第1接着剤注入部53と
を設けている。
【0045】第1インク導入口52aは、振動子ユニッ
ト4における振動子列設方向の略中央(即ち、固定板1
1の幅方向略中央)であって固定板11の配置予定位置
に近接させて設けている。そして、この第1インク導入
口52は、空部18の底面(即ち、床板部22の表面)
から取付面側に突設され、その突端は取付面よりも外側
に突出している。また、第1インク導入口52aは、空
部18の底面から取付面の高さまでの基台部と、この基
台部の表面から突出した口部とからなり、基台部の直径
が口部の直径よりも大きい2段の筒状部として形成され
ている。
【0046】上記の第1接着剤注入部53は、固定板1
1の配置予定位置に臨ませて形成されている。詳しく
は、第1インク導入口52aと起立部23との間に、第
1インク導入口52aに隣接させて設けている。この第
1接着剤注入部53も空部18の底面から取付面側に突
設している。なお、第1接着剤注入部53における突端
面は、取付面よりも一段低い高さに形成されている。
【0047】この第1接着剤注入部53は、接着剤を注
入するための注入溝部54と、接着剤の流路となる段差
溝部55と、固定板接着面21に導入される前の接着剤
を一時的に貯留する接着剤溜部56とを有する。
【0048】注入溝部54は、固定板11の配置予定位
置に向けて縮幅した略ホームベース状の平面形状を有し
ており、配置予定位置側に向けて溝の深さが増大してい
る。また、接着剤溜部56は、注入溝部54と固定板1
1の配置予定位置との間に、固定板11側に開放した広
幅の凹溝として形成されている。
【0049】段差溝部55は、接着剤溜部56の表面を
部分的に一段後退させることで形成された矩形状断面の
筋状凹溝として形成されている。この段差溝部55は、
一端が注入溝部54の出口、具体的には、ホームベース
の先端部分に連通し、他端が固定板接着面21における
取付面側の縁部に連通している。即ち、図8に示すよう
に、この段差溝部55は、注入溝部54からケースの高
さ方向に延設され、固定板接着面21の直前で固定板接
着面21側に屈曲している。また、段差溝部55の他端
55aは固定板接着面21内に開口している。本実施形
態では、この他端55aの両側縁を区画する固定板接着
面21の縁部21a,21aを部分的に注入溝部54側
に突出させることで、他端55aを固定板接着面21内
に開口させている。なお、段差溝部55の他端55aを
固定板接着面21の縁部(段差平面58a)から先端面
19側に後退させることで、この他端55aを固定板接
着面21内に開口させてもよい。
【0050】そして、振動子ユニット4の固定板11を
固定板接着面21に接着する際には、振動子ユニット4
の振動子側部分を収納空部16内に挿入し、固定板背面
を位置決め基準面47aに当接させて位置を決める。振
動子ユニット4の位置が決まったならば、接着剤注入装
置のノズルを注入溝部54に臨ませ、このノズルから所
定量の接着剤を注入溝部54内に注入する。
【0051】ここで、本実施形態では、注入溝部54の
開口形状を固定板11側に縮幅した略ホームベース状と
したので、接着剤注入装置のノズルを注入溝部54に臨
ませた際に、このノズルの先端を固定板11から離隔さ
せることができる。これにより、ノズルが固定板11に
接触し、振動子ユニット4の位置をずらしてしまう不具
合を防止できる。その結果、振動子ユニット4の接着作
業における効率化が図れる。
【0052】また、第1接着剤注入部53は、第1空部
18A内に形成されているので、その分だけケース3の
外形を小さくすることができる。これにより、記録ヘッ
ド1の小型化に寄与する。
【0053】ところで、上記の第1インク導入口52a
は、固定板11の幅方向略中央に配置されている。この
ため、第1接着剤注入部53は、固定板11の中央から
振動子列設方向にずれた位置に設けられる。そして、第
1接着剤注入部53に注入された接着剤は、固定板接着
面21と固定板背面との隙間を面方向に均等に広がるの
で、何も対策を施さなかった場合には、第1接着剤注入
部53から固定板側縁(即ち、振動子列設方向側の縁)
までの距離が短い側については、固定板側縁までの距離
が長い側よりも短時間で接着剤が行き渡ってしまう。こ
の場合、固定板側縁までの距離が長い側に接着剤が行き
渡った時点において、固定板側縁までの距離が短い側か
ら接着剤が溢れ出してしまう虞がある。
【0054】本実施形態では、このような問題点に着目
し、固定板背面に対向するケース3の内壁面、詳しく
は、固定板接着面21の取付面側に隣接する内壁面に関
し、第1接着剤注入部53から固定板側縁までの距離が
短い側の部分を、固定板側縁までの距離が長い側の部分
よりも固定板背面から多く後退させてバッファ部57を
作製している。図7の例では、第1接着剤注入部53か
ら固定板側縁までの距離L1,L2とを比較すると、距
離L1の方が長く距離L2の方が短い。このため、距離
L2に対応する側の第2内壁面59を、距離L1に対応
する第1内壁面58よりも多く(深く)後退させてい
る。
【0055】具体的には、第1内壁面58については固
定板背面から約0.5mm後退させているのに対し、第
2内壁面59については固定板背面から約1mm後退さ
せてバッファ部57としている。そして、固定板11の
接着時においては、第1接着剤注入部53に注入された
接着剤の一部をこのバッファ部57に導き、バッファ部
57で保持させてから固定板接着面21側に導入する。
【0056】このような構成を採ることにより、固定板
接着面21に関し、固定板側縁までの距離が短い側と固
定板側縁までの距離が長い側とで、接着剤を均等に行き
渡らせることができる。また、接着剤の余剰分をこのバ
ッファ部57に保持することもできる。なお、この点に
ついては、後で詳しく説明する。
【0057】次に、上記の第2空部18側の構成につい
て説明する。この第2空部18内には、マゼンタインク
を導入するための第3インク導入口52cと、固定板1
1を内壁面に接着する際に、接着剤を注入するための第
2接着剤注入部60とを設けている。
【0058】第3インク導入口52cは、上記の第1イ
ンク導入口52aと同じ構成である。即ち、この第3イ
ンク導入口52cも、第2空部18Bの底面から取付面
の高さまでの基台部と、この基台部の表面から突出した
口部とからなる2段の筒状部として形成されている。そ
して、第3インク導入口52cは、振動子ユニット4に
おける振動子列設方向の略中央であって固定板11の配
置予定場所に近接させて形成される。また、第3インク
導入口52cは、第2空部18Bの底面から取付面側に
突設され、その突端は取付面よりも外側に突出してい
る。
【0059】第2接着剤注入部60は、第3インク導入
口52cと、第4インク導入口52dの基台となる起立
部23との間に、固定板11の配置予定位置に臨ませて
形成されている。この第2接着剤注入部60は、上記の
第1接着剤注入部53と同様な構成である。即ち、第2
接着剤注入部60も、第2空部18Bの底面から取付面
側に突設され、接着剤を注入するための注入溝部と、一
端が注入溝部に連通し他端が固定板接着面21に開口し
た段差溝部と、固定板背面側に開放した接着剤溜部とを
有する。また、固定板背面に対向するケース3の内壁面
にはバッファ部57を形成している。
【0060】なお、第2接着剤注入部60の構成、及
び、第2空部18B側のバッファ部57の構成について
は、上記した第1空部18A側と同様であるので、その
説明は省略する。
【0061】次に、記録ヘッド1の製造方法について、
振動子ユニット4のケース3への接着工程を中心に説明
する。
【0062】まず、先端面20を上向きにした状態でケ
ース3を治具上に載置し、先端面20に接着層を形成す
る。接着層を形成したならば、先端面20の上に流路ユ
ニット2を載置する。流路ユニット2を載置したならば
ケース3を反転し、流路ユニット2を下に向けてケース
3と流路ユニット2の接合体を治具上に載置する。接合
体を治具上に載置したならば、振動子ユニット4の振動
子側部分をケース3の収納空部16内に収納する。
【0063】ここでは、各圧電振動子13…の先端面に
接着剤を付着させた後に、各圧電振動子13…の先端面
を先頭にして振動子ユニット4を収納空部16内に挿入
する。そして、位置決め基準面47aに固定板11の背
面を、先端当接面46に固定板11の先端面11aをそ
れぞれ当接させて位置を決める。振動子ユニット4の位
置が決まったならば、接着剤注入部53,60の注入溝
部54に接着剤を注入する。
【0064】注入溝部54に注入された接着剤は、ま
ず、段差溝部55のエッジを伝わって流下し、固定板接
着面21における取付面側に誘導される。そして、エッ
ジを伝わった接着剤に続いて、注入溝部54内の接着剤
が段差溝部55を流下する。この流下した接着剤は、接
着剤溜部56の下端部、つまり、固定板接着面21に近
い側に溜まる。ここで、本実施形態では、段差溝部55
のエッジにより接着剤を積極的に誘導しているので、接
着剤を速やか且つ確実に固定板接着面21側に導くこと
ができる。
【0065】さらに、段差溝部55の他端55aが固定
板接着面21内に開口しているので、段差溝部55のエ
ッジを伝わってきた接着剤は、この他端55aから直接
的に固定板接着面21内に広がる。このため、注入され
た接着剤を、固定板接着面21と固定板背面との隙間内
に、迅速に且つ確実に注入することができる。仮に、段
差溝部55の他端55aを第1内壁面58の位置で開口
させた構成では、この他端55aから流出した接着剤
は、第1内壁面58と固定板接着面21との間の段差平
面58a(図8参照)を通ってから固定板接着面21に
伝わる。このため、段差平面58aの通過時間分だけ余
計に時間がかかってしまう。
【0066】接着剤を注入したならば、ケース3の上下
を反転させ、流路ユニット2側の先端面20を上側に、
取付面を下側に向ける。これにより、接着剤溜部56に
溜まった接着剤は、図9(a)に符号Iのハッチング領
域で示すように、その一部が毛細管力によって固定板接
着面21側に浸透し、その一部が毛細管力によってケー
ス3の第1内壁面58側に浸透する。さらに、溜まった
接着剤の一部は、上記のバッファ部57(つまり、第2
内壁面59側)にも流出する。しかし、このバッファ部
57は固定板11の背面から約1mm後退しているの
で、バッファ部57に流入した接着剤には作用する毛細
管力は、第1内壁面58側に流入した接着剤に作用する
毛細管力よりも弱い。このため、固定板接着面21側や
第1内壁面58側よりもゆっくりと広がってゆく。従っ
て、バッファ部57側の固定板接着面21については、
第1内壁面58側の固定板接着面21よりも接着剤の広
がる速度が遅くなる。
【0067】これに対し、仮に、バッファ部57を設け
なかった場合、例えば、図9(b)に示すように、ケー
ス3の第1内壁面58´側における固定板背面からのク
リアランスと、第2内壁面59´側における固定板背面
からのクリアランスとを揃えた場合には、符号I´で示
すように、注入された接着剤は、第1内壁面58´内と
第2内壁面59´内とを略均等に広がる。
【0068】さらに時間が経過すると、毛細管力によっ
て接着剤は固定板接着面21上を固定板11の側縁に向
かって広がってゆく。この場合も、接着剤の広がり方
は、バッファ部57の作用によって第1内壁面58側と
第2内壁面59側とで差があり、図9(a)に符号I
I,III,IVで示すように、第1内壁面58側の移
動速度の方が第2内壁面59側の移動速度よりも速い。
その結果、符号Vで示すように、第1内壁面58側の位
置決めリブ47の取付面側端部まで接着剤が到達するタ
イミングと、第2内壁面59側の位置決めリブ47の取
付面側端部まで接着剤が到達するタイミングとを揃える
ことができる。即ち、第1内壁面58側と第2内壁面5
9側とで接着剤を均等に行き渡らせることができる。さ
らに、余剰な接着剤をバッファ部57で保持することも
できる。
【0069】なお、バッファ部57を設けなかった場合
には、図9(b)に符号II´〜IV´で示すように、
注入された接着剤は、第1内壁面58´内と第2内壁面
59´内とを略均等に広がる。その結果、符号V´で示
すように、第1内壁面58´側の位置決めリブ47の取
付面側端部まで接着剤が到達するタイミングにおいて、
第2内壁面59´側の位置決めリブ47周辺には過剰な
接着剤が充填されてしまっている。このように、位置決
めリブ47周辺が過剰な接着剤で充填されてしまうと、
この部分の接着剤が固定板11の側縁及び収納空部16
のエッジ等を伝わって圧電振動子13に付着してしまう
等、好ましくない。
【0070】そして、固定板接着面21が接着剤で満た
されたならば、接着剤を硬化させて各部を接着する。こ
の場合、ケース3のフランジ部15側を治具側に押しつ
けることで、ケース3を流路ユニット2側に押圧する。
また、この押圧状態で加熱することにより接着剤を硬化
させる。
【0071】ところで、本発明は、上記した実施形態に
限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づ
いて種々の変更が可能である。
【0072】例えば、ケース本体14に関し、上記実施
形態では、基端側部分19は先端側部分17よりも側方
に張り出していたが、この形状に限らない。例えば、ケ
ース本体14を直方体ブロック状とし、取付面を部分的
にケースの先端面側に後退させて空部を形成してもよ
い。この場合、空部の底面を区画する部分が本発明にお
ける床板部として機能し、空部の側面を区画する部分が
本発明における起立部として機能する。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。
【0074】即ち、ケースの基端側部分には取付面側に
開放した空部を設け、該空部には着剤注入部を固定板の
配置予定位置に臨ませて形成したので、接着剤注入部を
取付面の中央側に設けることができ、ケースの小型化が
図れ、記録ヘッドの小型化に寄与する。
【0075】また、ケースの先端側部分には、振動子ユ
ニットの振動子側部分を収納可能な収納空部を設け、振
動子接合面とは反対側の固定板背面を部分的に収納空部
の固定板接着面に接着したので、固定板における空部側
の部分は非接着領域となり、ケースとの機械的な縁が切
れる。このため、吸湿によってケースが膨潤しても非接
着領域では固定板がケースによる膨潤の影響を受け難く
なり、ケースの膨潤に起因する不具合を防止することが
できる。
【0076】また、接着剤注入部が、固定板の配置予定
位置に向けて縮幅した平面形状の注入溝部を有する場合
には、接着剤を注入するためのノズルを臨ませた際に、
このノズルの先端を固定板から離隔させることができ
る。このため、ノズルが固定板に接触する不具合を防止
でき、接着作業の効率化が図れる。
【0077】また、外部からのインクをケース内に導入
するインク導入口を空部の底面から突設し、該インク導
入口を接着剤注入部と並設した場合には、基端側部分に
設けた空部を有効に活用することができる。
【0078】また、固定板接着面と注入溝部とを固定板
側から一段後退させた段差溝部で連通し、該段差溝部の
エッジにより、注入溝部に注入された接着剤を接着面に
誘導した場合には、接着剤を速やか且つ確実に固定板接
着面側に導くことができる。
【0079】また、固定板背面に対向するケースの内壁
面にバッファ部を作製し、接着剤注入部に注入された接
着剤の一部をバッファ部に導き、固定板接着面側に導入
するようにした場合には、接着剤注入部からの距離が短
い側と長い側とで、接着剤を均等に行き渡らせることが
できる。
【0080】また、ケースを熱硬化性樹脂で構成した場
合には、振動子ユニットの運動エネルギーを十分に受け
止めることができるし、周囲温度の変化に対する変形が
少ない。このため、記録ヘッドの信頼性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録ヘッドの外観を示す斜視図であり、(a)
は流路ユニット側から見た状態を、(b)はカートリッ
ジ接続部側から見た状態をそれぞれ示す。
【図2】記録ヘッドの分解斜視図である。
【図3】振動子ユニットの説明図である。
【図4】(a)は振動子ユニットの接着状態を説明する
部分拡大断面図、(b)は流路ユニットを説明する部分
拡大断面図である。
【図5】ケースを先端面側から見た斜視図である。
【図6】(a)はケースをフランジ部側から見た斜視
図、(b)は第1接着剤注入部付近の拡大図である。
【図7】図6(a)におけるA−A断面図である。
【図8】図6(a)におけるA−A線で切断した斜視図
である。
【図9】接着剤が浸透する様子を説明する図であり、
(a)はバッファ部を有する構成での様子を、(b)は
バッファ部を有さない比較例での様子をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 インクジェット式記録ヘッド 2 流路ユニット 3 ケース 4 振動子ユニット 5 ドライバ基板 6 カートリッジ接続部 10 圧電振動子群 11 固定板 12 フレキシブルケーブル 13 圧電振動子 14 ケース本体 15 フランジ部 16 収納空部 17 先端側部分 18 空部 19 基端側部分 20 ケースの先端面 21 固定板接着面 22 床板部 23 起立部 26 ノズルプレート 27 流路形成基板 28 弾性板 29 ノズル開口 30 ノズル列 31 圧力室 32 インク供給口 33 共通インク室 34 支持板 35 弾性フィルム 36 島部 37 インク供給針 38 パッキン 40 溝部 41,42 逃げ凹部 43 ピン保持部 44 振動子挿入部 45 固定板挿入部 46 先端当接面 47 位置決めリブ 50 回転防止ボス 51 位置決め鞘管 52a〜52d インク導入口 53 第1接着剤注入部 54 注入溝部 55 段差溝部 56 接着剤溜部 57 バッファ部 58 第1内壁面 59 第2内壁面 60 第2接着剤注入部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口側の先端面と該先端面とは反
    対側の取付面とを有する樹脂製ケースと、複数の圧電振
    動子が固定板上に列設され上記ケースに収納される振動
    子ユニットとを備えたインクジェット式記録ヘッドにお
    いて、 前記ケースは、上記取付面側に開放した空部を有する基
    端側部分と、振動子ユニットの振動子側部分を収納可能
    な収納空部を有する先端側部分とを備え、固定板背面を
    部分的に上記収納空部の固定板接着面に接着し、 前記空部には、固定板を接着する接着剤を注入するため
    の接着剤注入部を固定板の配置予定位置に臨ませて形成
    したことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記接着剤注入部は、固定板の配置予定
    位置に向けて縮幅した平面形状の注入溝部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 外部からのインクをケース内に導入する
    ためのインク導入口を空部の底面から突設し、該インク
    導入口を前記接着剤注入部と並設したことを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のインクジェット式記録ヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 前記固定板接着面と注入溝部とを、固定
    板側から一段後退させた段差溝部で連通し、該段差溝部
    のエッジにより、注入溝部に注入された接着剤を接着面
    に誘導することを特徴とする請求項2又は請求項3に記
    載のインクジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記接着剤注入部を、固定板における中
    央から振動子列設方向にずれた位置に設け、 固定板背面に対向するケース内壁面について、接着剤注
    入部から固定板側縁までの距離が短い側の部分を、固定
    板側縁までの距離が長い側の部分よりも固定板側から多
    く後退させてバッファ部を作製し、 接着剤注入部に注入された接着剤の一部をバッファ部に
    導き、固定板接着面側に導入することを特徴とする請求
    項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記
    録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記樹脂が熱硬化性樹脂であることを特
    徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のインク
    ジェット式記録ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009083368A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドの製造方法、及び、液体噴射ヘッド

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