JP2003053381A - 酪酸菌を用いた浄化槽用浄化剤、浄化槽およびその浄化方法 - Google Patents

酪酸菌を用いた浄化槽用浄化剤、浄化槽およびその浄化方法

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JP2003053381A JP2001245899A JP2001245899A JP2003053381A JP 2003053381 A JP2003053381 A JP 2003053381A JP 2001245899 A JP2001245899 A JP 2001245899A JP 2001245899 A JP2001245899 A JP 2001245899A JP 2003053381 A JP2003053381 A JP 2003053381A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酪酸菌を浄化剤として用いることにより、浄
化槽の臭気の抑制およびBODを低下させて浄化する浄
化槽およびその浄化方法を提供する。 【解決手段】 酪酸菌の機能を最大限発揮出来る条件環
境で、浄化槽に酪酸菌を含有する浄化剤を添加する方
法。添加した酪酸菌を処理槽内で最大限生育させるため
に処理槽内に酪酸菌を含む酪酸菌菌床を設置する。酪酸
菌菌床は柔軟な帯状体の側面に沿って設けた多数の繊維
に酪酸菌を含浸又は保有してなる帯状担体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酪酸菌を用いた浄
化槽用浄化剤、その浄化剤を用いた浄化槽および浄化槽
の浄化方法に関し、特に浄化槽の臭気の抑制およびBO
Dを低下させて浄化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家庭、施設や工場などで排出され
る生活排水、および生活排水と糞尿などからなる汚水
は、浄化槽により処理されている。このような浄化槽
は、通常、第1槽の嫌気濾床槽、第2槽の接触ばっ気槽
および第3槽の沈澱槽を有する。汚水は、流入管から第
1槽の嫌気濾床槽に流入し、第2槽の接触ばっ気槽およ
び第3槽の沈澱槽を通過して浄化され、流出管から放流
される。
【0003】第1槽の嫌気濾床槽は静止状態で嫌気性菌
が発育する状態に保持され、第2槽の接触ばっ気槽はば
っ気状態で好気性菌の発育環境となっており、第3槽の
沈澱槽は汚泥を沈澱させるために、再び嫌気性菌の発育
状態となっており、汚水はそれらの各槽の微生物により
浄化されて河川等に放流する過程が取られている。
【0004】浄化槽では微生物の力を利用して汚水を浄
化するが、微生物は各槽内でそれぞれの特徴をもった自
然発生的に生成した微生物を利用するか、その他の様々
な工夫、例えば、外部から微生物を投入したり、多孔質
セラミックの固形物を槽内に置き、槽内微生物の発生環
境を整える方法等が取られている。
【0005】また、浄化槽から発生する臭気を除くため
に、例えば、発生した悪臭成分を含有する空気を活性炭
により吸着する方法やアルカリ洗浄する方法、またはバ
チルス属細菌を担持させた生物脱臭材を充填した装置を
浄化槽の空間に設置して悪臭空気を除去する方法(特開
2001−70424号公報)、さらに汚水の流入管に
連通して設けられたオゾン供給管からオゾンを供給して
浄化槽中の悪臭を除去する方法(特開2001−795
77号公報)等が開示されている。これらにより、浄化
槽の臭気の抑制、油分解菌及び有機物分解菌によるBO
Dの低減化が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、浄化槽
は、微生物の作用により有機物を分解して汚水を浄化し
ているが、浄化槽からの臭気の発生を十分に抑制するこ
とはできず、また有機物の分解が十分に行なわれないた
めに、BODの低下が満足できないのが現状である。
【0007】例えば、浄化槽へ流入する生活排水や糞尿
などの変化により汚水条件が変化したり、また装置の管
理が不適切のために浄化槽内の微生物からなる浄化菌群
の繁殖が不充分なことと、また浄化槽の管理をするため
に浄化槽内に沈殿した汚泥の抜き取りが定期的に行われ
る為に、浄化槽内に常住する微生物が定着できないこと
から、浄化槽から発生する臭気を十分に抑制することが
できず、またBODの低減が不十分であり、BODを低
減化させるのに大規模な浄化槽にしないと低減化できな
いとか、浄化槽から流出する流出水の濁度が落ちない等
の問題があるのが実態である。これは環境対策にとって
も重要な問題である。
【0008】本発明は、この様な従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、酪酸菌を浄化剤とし
て用いることにより、浄化槽の臭気の抑制およびBOD
を低下させて浄化することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
の発明は、酪酸菌を含有することを特徴とする浄化槽用
浄化剤である。前記酪酸菌が、酪酸菌粉末、酪酸菌培養
液、酪酸菌培養濾液および酪酸菌ペーストから選ばれた
少なくとも一種であるのが好ましい。
【0010】本発明の第二の発明は、上記の酪酸菌を含
有する浄化槽用浄化剤を供給する酪酸菌菌床を有するこ
とを特徴とする浄化槽である。
【0011】前記酪酸菌菌床が、嫌気濾床槽および接触
ばっ気槽の少なくとも一つに設けられているのが好まし
い。前記酪酸菌菌床が、柔軟な帯状体の側面に多数の繊
維を設けてなる帯状担体に酪酸菌を含浸又は保有してな
るものが好ましい。
【0012】本発明の第三の発明は、上記の酪酸菌を含
有する浄化槽用浄化剤を汚水に供給することを特徴とす
る浄化槽の浄化方法である。嫌気濾床槽および接触ばっ
気槽の少なくとも一つに、酪酸菌を含有する浄化槽用浄
化剤を供給するのが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の浄化槽用浄化剤は、酪酸菌を含有することを特
徴とする。本発明の浄化槽用浄化剤に用いられる酪酸菌
は、酪酸菌粉末、酪酸菌培養液、酪酸菌培養濾液および
酪酸菌ペーストから選ばれた少なくとも一種が好適であ
る。
【0014】酪酸菌は、偏性嫌気性菌で芽胞を形成する
グラム陽性の桿菌であり、0.5%ブドウ糖加普通寒天
培地で37℃、48時間培養し、その培養液を顕微鏡で
観察すると、ほとんど直線状か、まれにやや弯曲した桿
菌であり、卵形の芽胞を形成している。この芽胞の形成
により、耐熱性、耐酸性を有し、生菌は安定である。な
お、自然界においては10℃前後でも発育する。
【0015】酪酸菌には、クロストリヂウムブチリカム
(Clostridium butyricum)が用
いられる。
【0016】酪酸菌の培養液には、特に制限はなく、通
常の酪酸菌を培養した培養液を用いることができるが、
例えば糖類、アミノ酸、水等を主成分として含む液体培
地で、酪酸菌を35〜40℃で、24〜72時間培養し
たものが適している。
【0017】酪酸菌の培養液中には、酪酸菌の生菌の他
に、代謝産物である酪酸、酢酸、プロピオン酸等の有機
酸、および自己融解した菌体成分、アミラーゼ、各種ア
ミノ酸、各種ビタミン等が含有されている。
【0018】酪酸菌の培養液は、水分の含有量が95〜
98重量%と多いために、各種の分離機、例えば遠心分
離機、濃縮装置等により、固液分離を行ない過剰の水分
を除去する。具体的には、培養液を遠心分離機にかけ
て、酪酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、各種ビタミ
ン、各種アミノ酸、アミラーゼおよび菌体の一部を含む
液体部と、菌体及び培地の一部を含む固体部とに分離す
る。以下、液体部を酪酸菌培養濾液と称し、固体部を酪
酸菌ペーストと称する。酪酸菌ペーストの水分の含有量
は60〜90重量%の範囲である。
【0019】また、本発明においては、上記の酪酸菌培
養液または酪酸菌ペーストを乾燥した酪酸菌粉末を用い
ることもできる。その乾燥方法の種類により、乾燥に適
応する様に水分の含有量を調製してもよい。水分含有量
を調製する方法は、例えば、上記の酪酸菌ペーストを濃
縮したり、コーンスターチなどの粉状物を添加すること
により行なうことができる。これにより、水分含有量を
20〜85重量%の範囲に調整する。なお、この水分含
有量の調整を行なわないで、乾燥に用いてもよい。
【0020】酪酸菌は、整腸剤、動物薬、飼料添加物、
飼料添加剤として利用されている。酪酸菌は、有機物等
の分解能力があり、また発育増殖の過程でヒト、動植
物、微生物にとって有用物を放出することに特徴があ
る。
【0021】本発明者らは、酪酸菌は、人体に対して整
腸作用が認められていること、またウシ、トリ、ブタ等
の家畜の飼料に混和して投与すると、排便中のアミン、
アンモニアの異臭気を抑制することができることから、
浄化槽中に流入する有機物や糞便などに対しても、上記
と同様に浄化槽内を動物の腸管と同様の仕組みによる浄
化が行なわれ、浄化槽の安定的な浄化処理が可能となる
ものと推察し、研究を行なった結果、本発明に達したも
のである。
【0022】本発明は、浄化槽に酪酸菌を添加すること
により、酪酸菌の有機物等の分解能力を利用すること、
および酪酸菌の発育増殖の過程で放出する微生物にとっ
ての有用物が、浄化槽に酪酸菌を添加することにより、
浄化槽内の嫌気性菌や好気性菌の発育条件をより好適な
条件とし、微生物の働きを増加させて浄化槽の浄化を増
長することの相乗作用を利用することを特徴とする。
【0023】すなわち、酪酸菌の最大の特徴は芽胞から
栄養体になり発育増殖する際に炭酸ガスと共に酪酸、酢
酸、プロイオン酸等の有機酸、及び微量の各種ビタミ
ン、アミノ酸、アミラーゼ等の微生物にとっても有用物
質を放出することから、該有用物質が浄化槽内の微生物
の働きを増加させるものと推察される。
【0024】浄化槽内には、例えばラッパ虫、ツリガネ
虫、スグレア、その他の多数の微生物が成育しており、
微生物の代表として、酵母、乳酸菌、枯草菌等が挙げら
れるが、これらの菌類を初めとするその他の菌類を含め
て、酪酸菌を添加することにより、活性化されること
を、後述の実施例に示す様に、本発明者は実験的に確認
した。また、酪酸菌は、有機物等の分解能力があること
を、後述の試験例に示す様に本発明者は実験的に確認し
た。
【0025】本発明の浄化槽用浄化剤は、酪酸菌を含有
することを特徴とするが、酪酸菌としては、例えば酪酸
菌粉末、酪酸菌培養液、酪酸菌培養濾液および酪酸菌ペ
ーストから選ばれた少なくとも一種が用いられる。
【0026】次に、本発明の浄化槽について説明する。
本発明の浄化槽は、上記の酪酸菌を含有する浄化槽用浄
化剤を含む酪酸菌菌床を有することを特徴とする。
【0027】図1は本発明の浄化槽の一例を示す概略断
面図である。同図1において、浄化槽1は、嫌気濾床槽
2、接触ばっ気槽3、沈澱槽4および消毒槽5から構成
されている。汚水6は、流入管7より嫌気濾床槽2に流
入し、嫌気濾床槽2の嫌気性菌により有機物の分解処理
が行われた後、処理された汚水6は隔壁8aを通って接
触ばっ気槽3へ移動する。接触ばっ気槽3では、空気が
送風機9から散気管10を通ってばっ気が行なわれ、空
気の存在下で好気性菌により有機物の分解処理が行われ
た後、処理された汚水6は隔壁8bを通って沈澱槽4へ
移動する。沈澱槽4において、処理された汚水6の固形
物の汚泥の沈澱が行われた後、処理された汚水6の上澄
液が隔壁8cの上端を通って消毒槽5へ移動する。消毒
槽5では、上澄液の滅菌を行なって流出管11を通って
処理済の汚水を外部へ排出する。
【0028】上記の浄化槽において、沈澱槽4で沈澱し
た汚泥は1部は余剰汚泥として回収されるが、汚泥は返
送汚泥12として、嫌気濾床槽2へ返送され、各槽で汚
泥に含有されている菌により再び有機物の分解処理が行
われる。また、接触ばっ気槽3から嫌気濾床槽2へ循環
水13が返送される。
【0029】また、嫌気濾床槽2は、1槽または2槽か
ら形成されているものでもよく、2槽から形成されてい
ると、第1槽で汚水6に含まれている固形物の沈澱が行
われ、第2槽で嫌気性菌により有機物の分解処理が行わ
れるので好ましい。
【0030】21は酪酸菌を含有する浄化槽用浄化剤を
含む酪酸菌菌床である。図1では、酪酸菌菌床21は嫌
気濾床槽2に設けられているが、接触ばっ気槽3に設け
られていてもよく、または嫌気濾床槽2および接触ばっ
気槽3の両方に設けられていてもよい。
【0031】図2および図3は本発明に用いられる酪酸
菌菌床の一例を示す概略図である。同図2に示す酪酸菌
菌床21は、柔軟な帯状体22の側面に沿って設けた多
数の繊維23に酪酸菌を含浸又は保有してなる帯状担体
24からなるものである。繊維23は軽く耐水性がある
ものであれよく、ポリエステル繊維などの耐腐蝕性、耐
久性がある化学繊維、合成樹脂繊維等を用いることがで
きる。中央の柔軟な帯状体22には、例えば、布、網、
ゴム状体などを用いることができる。多数の繊維23
は、柔軟な帯状体22の側面に固定されている。図3
は、図2よりも繊維23が多い酪酸菌菌床21を示す。
酪酸菌菌床は、形状を螺旋状に加工して菌床量を増加し
て設置するのが好ましい。
【0032】上記の酪酸菌菌床21は、酪酸菌を含有す
る溶液に浸漬して酪酸菌や、必要に応じてその他の有益
物を付着した後、嫌気濾床槽2および接触ばっ気槽3
(以下、処理槽と記す)の水中に浸漬して使用する。酪
酸菌菌床21は菌床として作用し、自然界で海草が海中
で流動しながら有機物を効率よく補足するのと同様の原
理により、処理槽内に浮遊している有機物を高効率で補
足可能にするために、表面積を増加するために微細な繊
維をツリー状に水中でゆったりと漂わせ水流に委せるこ
とにより、菌層の厚さを均一に保つなど浄化作用を長期
間安定に保つものである。
【0033】また、本発明に用いられる酪酸菌菌床に
は、従来の菌床として用いられているもの、例えば波
板、網筒、縄、セラミック石等を用いるこがもきるが、
上記の図2および図3に示す酪酸菌菌床はそれらに比較
し機能は大幅に優れている。
【0034】本発明において、浄化槽内に添加する浄化
槽用浄化剤の添加量は、処理される汚水の種類により異
なるが、例えば処理槽中の汚水量30m3に対して、芽
胞となった菌1ml中に104 〜107 個を含む酪酸菌
培養液として好ましくは50L(リットル)〜150
L、さらに好ましくは100L〜150Lの範囲であ
る。また、酪酸菌粉末、酪酸菌培養濾液および酪酸菌ペ
ーストの場合も、上記の添加量に換算して同様の量を添
加すればよい。
【0035】処理槽中に上記の酪酸菌培養液を添加する
と、酪酸菌は他の菌と同様に汚水中の有機物を栄養とし
て繁殖し、沈澱槽で沈澱した汚泥に含有されるが、沈澱
槽で沈澱した汚泥は返送汚泥として、嫌気濾床槽2およ
び接触ばっ気槽3へ返送され、各槽で汚泥に含有されて
いる酪酸菌は再び有機物の分解処理に利用される。した
がって、最初に浄化槽に酪酸菌を含有する浄化槽用浄化
剤を添加した後は、酪酸菌の効果が低下した時に補充す
ればよい。
【0036】また、浄化槽に流入する汚水の糞尿の中に
も酪酸菌が含まれているが、浄化槽における、その酪酸
菌の量はほとんど無いに等しい僅かな量である。
【0037】本発明において、酪酸菌は、用途別に処理
水質に最適な純正化菌を培養槽で培養し、酪酸菌菌床の
菌床に保持させて処理槽に設置するか、または培養槽で
の培養時条件として培養槽内にあらかじめ菌床を設置し
ておいて、汚水に最適な酪酸菌の培養を行ってもよい。
【0038】本発明は、上記の酪酸菌を含有する浄化槽
用浄化剤を、浄化槽の処理槽に供給することにより汚水
の浄化を行うことができる。
【0039】嫌気濾床槽の汚水に酪酸菌菌床により、ま
たは酪酸菌をそのまま添加すると、次第に嫌気濾床槽か
らCO2 ガス等の気泡が発生し、酪酸菌による作用が認
められる。これは酪酸菌による有機物の分解および在来
微生物との相乗作用による有機物の分解により発生する
ものと推察される。特に、汚水から発生するアンモニ
ア、硫化水素などの分解に有効であり、異臭気の発生を
防止することができる。
【0040】また、本発明における浄化槽用浄化剤の酪
酸菌は、既に稼動中の浄化槽の場合には、浄化槽の処理
槽内の常在菌の繁殖を促進し、更に酪酸菌自らもアンモ
ニア臭抑制菌でもあるために、二重の効果を発揮するこ
とができる。
【0041】浄化槽の処理槽内で、常在菌と酪酸菌の機
能を最大限発揮出来る条件環境としては、温度が20〜
40℃、pHが4.5〜8.0の範囲が好ましい。
【0042】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0043】試験例1 酪酸菌の培養液を用いて、酪酸菌が有機物を分解する無
機化能力の試験を行った。使用菌株として、クロストリ
ヂウムブチリカム(Clostridium buty
ricum)を使用して培養した酪酸菌の培養液を用い
て、下記の表1に示す条件で試験を行った。
【0044】
【表1】
【0045】(注)標準汚泥処理装置は、一般に使用さ
れている標準活性汚泥処理方式のものを示した。
【0046】上記の結果より、酪酸菌の培養液は、標準
汚泥処理装置の4.3倍の有機物の無機化能力があるこ
とが認められた。実際の汚泥処理装置とは条件が異なる
が、酪酸菌には大きな有機物の分解能力があり、浄化槽
への適用が可能である。
【0047】試験例2 ビーカー試験により、浄化槽常在菌と酪酸菌の培養液を
用いて、酪酸菌が有機物を分解する無機化能力の試験を
行った。使用菌株として、クロストリヂウムブチリカム
(Clostridium butyricum)を使
用して培養した酪酸菌の培養液を用いて、下記の表2に
示す条件で試験を行った。
【0048】
【表2】
【0049】上記の結果より、酪酸菌が有機物の無機化
作用を活発に行うことが認められた。また、浄化槽常在
菌と酪酸菌の相乗活性化効果が発揮されたことが認めら
れた。
【0050】実施例1 浄化槽管理会社が管理し、既に稼動している、図1に示
す様な合併浄化槽に、酪酸菌を添加して、汚水中の有機
物の浄化試験を行った。酪酸菌の培養液を、浄化槽の嫌
気濾床槽に、図2に示す酪酸菌菌床を用いて添加した。
下記の表3に示す条件で試験を行った。
【0051】
【表3】
【0052】(注) (1)BODは、標準希釈法により測定した値を示す。 (2)臭気指数は、臭気定量鑑定法により測定した値を
示す。
【0053】上記の稼動中の浄化槽においては、浄化槽
管理会社が管理技術を駆使しても負荷(有機物)が多
く、BODおよび臭気指数等を規制値(BODは20p
pm以下)内に抑えることが困難であったが、酪酸菌を
添加した結果、浄化槽在来菌と酪酸菌の相乗作用および
酪酸菌の活性化が図られ、BODは平均60pppmが
20ppmに低下し、臭気指数は平均1000が100
に低下した。
【0054】実施例2 浄化槽管理会社が管理し、既に稼動している、図1に示
す様な合併浄化槽に、酪酸菌を添加して、汚水中の有機
物の浄化試験を行った。酪酸菌の培養液を、浄化槽の嫌
気濾床槽にそのまま添加した。下記の表4に示す条件で
試験を行った。
【0055】
【表4】
【0056】上記の稼動中の浄化槽においては、浄化槽
管理会社が管理技術を駆使しても負荷(有機物)が多
く、BODおよび臭気指数等を規制値内に抑えることが
困難であったが、酪酸菌を添加した結果、浄化槽在来菌
と酪酸菌の相乗作用および酪酸菌の活性化が図られ、B
ODは平均50pppmが14ppmに低下し、臭気指
数は平均800が50に低下した。
【0057】実施例3 浄化槽管理会社が管理し、既に稼動している、図1に示
す様な合併浄化槽に、酪酸菌を添加して、汚水中の有機
物の浄化試験を行った。下記の表5に示す条件で試験を
行った。
【0058】
【表5】
【0059】上記の稼動中の浄化槽においては、浄化槽
管理会社が管理技術を駆使しても負荷(有機物)が多
く、BODおよび臭気指数等を規制値内に抑えることが
困難であったが、酪酸菌を添加した結果、浄化槽在来菌
と酪酸菌の相乗作用および酪酸菌の活性化が図られ、B
ODは平均45pppmが17ppmに低下し、臭気指
数は平均1000が100に低下した。
【0060】実施例4 浄化槽管理会社が管理し、既に稼動している、図1に示
す様な合併浄化槽に、酪酸菌を添加して、汚水中の有機
物の浄化試験を行った。下記の表6に示す条件で試験を
行った。
【0061】
【表6】
【0062】上記の稼動中の浄化槽いおいては、浄化槽
管理会社が管理技術を駆使しても負荷(有機物)が多
く、BODおよび臭気指数等を規制値内に抑えることが
困難であったが、酪酸菌を添加した結果、浄化槽在来菌
と酪酸菌の相乗作用および酪酸菌の活性化が図られ、B
ODは平均50pppmが20ppmに低下し、臭気指
数は平均1000が100に低下した。
【0063】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、酪
酸菌を浄化槽の浄化剤として用いることにより、浄化槽
の臭気の抑制およびBODを低下させて浄化することが
できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄化槽の一例を示す概略断面図であ
る。
【図2】本発明に用いられる酪酸菌菌床の一例を示す概
略図である。
【図3】本発明に用いられる酪酸菌菌床の他の例を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 浄化槽 2 嫌気濾床槽 3 接触ばっ気槽 4 沈澱槽 5 消毒槽 6 汚水 7 流入管 8a,8b,8c 隔壁 9 送風機 10 散気管 11 流出管 12 返送汚泥 13 循環水 21 酪酸菌菌床 22 柔軟な帯状体 23 繊維 24 帯状担体
フロントページの続き Fターム(参考) 4D003 AA01 AB07 BA01 CA02 DA18 EA30 EA38 4D027 AA02 AA20 AB03 AB12 4D040 BB04 BB42 BB65 BB82 DD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酪酸菌を含有することを特徴とする浄化
    槽用浄化剤。
  2. 【請求項2】 前記酪酸菌が、酪酸菌粉末、酪酸菌培養
    液、酪酸菌培養濾液および酪酸菌ペーストから選ばれた
    少なくとも一種である請求項1記載の浄化槽用浄化剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の酪酸菌を含有する浄化槽
    用浄化剤を供給する酪酸菌菌床を有することを特徴とす
    る浄化槽。
  4. 【請求項4】 前記酪酸菌菌床が、嫌気濾床槽および接
    触ばっ気槽の少なくとも一つに設けられている請求項3
    記載の浄化槽。
  5. 【請求項5】 前記酪酸菌菌床が、柔軟な帯状体の側面
    に多数の繊維を設けてなる帯状担体に酪酸菌を含浸又は
    保有してなる請求項3または4記載の浄化槽。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の酪酸菌を含有する浄化槽
    用浄化剤を汚水に供給することを特徴とする浄化槽の浄
    化方法。
  7. 【請求項7】 嫌気濾床槽および接触ばっ気槽の少なく
    とも一つに、酪酸菌を含有する浄化槽用浄化剤を供給す
    る請求項6記載の浄化槽の浄化方法。
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