JP2000246281A - 活性汚泥処理の微生物相の再生及び体力増強方法 - Google Patents

活性汚泥処理の微生物相の再生及び体力増強方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性汚泥処理に於ける曝気槽の微生物相の状
態が悪化して、BOD及びCOD成分の除去率の低下が
連続して発生した場合に、速やかに微生物相を健全に再
生することができる、また、急激な汚濁負荷が掛かって
もバランスを崩すことのない強力な微生物相となるよう
にすることのできる、手間の掛からない安価な活性汚泥
処理に於ける微生物相の再生及び体力増強方法を提供す
ること。 【解決手段】 BOD及びCOD成分の除去率の低下を
起こしてきた活性汚泥処理装置の曝気槽に、好気性菌を
主体としこれに若干の通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共存
させた生物共生菌を投入して攪拌曝気し、曝気槽の微生
物相の再生とその体力の増強とを図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好気性の活性汚泥
処理に於いて、BOD及びCOD成分の除去率の低下を
起こしてきた曝気槽の微生物相の再生及び体力増強方
法、即ち、活性汚泥処理に於ける微生物相の再生及び体
力増強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】各種製造工場から排出される廃水は、一
般に、好気性の微生物相による活性汚泥処理によって浄
化される場合が多い。しかし製造工程から排出される廃
水の水質がほぼ一定であれば、安定した処理が可能であ
るが、時として、廃水中の各種汚濁成分の濃度が急激に
変動したり、pHの急激な変動が生じたり、油脂分が多量
に混入したりすると、活性汚泥処理装置の曝気槽に生息
し汚濁物質の浄化処理を司る微生物相にダメージを与え
ることとなって、次第に処理能力の低下、即ち、BOD
及びCOD成分の除去率の低下をきたすようになる。
【0003】また、中でも油脂分が多量に混入した場合
には問題は深刻で、曝気槽の表面がネバネバとした油膜
で覆われるようになり、槽内の溶存酸素量は低下し、次
第に嫌気性状態となって微生物相は死滅することにもな
る。
【0004】しかし、このような曝気槽の微生物相のダ
メージも少々のことであれば、その微生物相が持ってい
る自治作用や耐性によって回復することができるが、度
重なる急激な変動によって微生物相自体の体力が弱って
しまっている場合には、回復することができず、微生物
相の状態も変化して、BOD及びCOD成分の除去率の
低下する日が続くようになってくる。
【0005】一般にこのような活性汚泥処理の能力の低
下した状態、即ち、BOD及びCOD成分の除去率の低
下を起こすようになった状態はバルキング状態と呼ばれ
ているが、これは微生物相の状態の変化であるため、一
朝一夕に回復させることは極めてむずかしく、その回復
には数週間から数カ月もの期間がかかる場合もある。
【0006】このような状態になった時には、通常、先
ず、曝気槽に導入する原廃水の流入量を減少させて汚濁
物質の負荷量を軽減させるべきこととなるが、直ちに、
工場の稼働を部分的にも停止させることは容易にできる
ものではなく、曝気槽の微生物相には無理やり過酷な処
理が強いられることとなって、益々状態は悪化の一途を
たどることとなることが多い。
【0007】このようなバルキング状態発生の予防策及
び発生した場合の対応策には、これまでにもいろいろと
考えられている。例えば、その予防策としては、急激な
各種汚濁成分の濃度変化や急激なpHの変動には、曝気槽
に原廃水が導入される前段階の部位にセンサとアラーム
とを設置して、異常時には、センサからの検出信号に基
づいて警報を発するように構成し、これを受けた管理者
が手動により又は自動的に原廃水の流れを変え、バイパ
スによって別のピットに退避するようにすることであ
る。
【0008】また、油脂分の混入に対しては、曝気槽に
導入される前の段階で各種のオイルトラップを設けて除
去することが行われている。更に微生物相の体力強化と
しては、曝気槽に微生物の栄養剤として適量の窒素分や
リン分等を毎日添加する等の策が採られている。
【0009】一方、バルキング状態となってしまった場
合の対応策としては、前述のように、流入する汚濁負荷
を軽減し、空気を充分に送って溶存酸素量を確保し、栄
養剤として適量の窒素分とリン分とを加えて時間を掛け
て好気性主体の微生物相の回復を待つか、あるいは曝気
槽を空にして、新たに種汚泥を入れて、時間を掛けて微
生物相を馴養させる等の策が採られている。
【0010】しかし一旦バルキング状態となってしまっ
た場合には、曝気槽の微生物相の再生は基より、発生し
てくる原廃水を応急的に如何に処理して排出基準値以下
にして放流するか、あるいは工場の生産を停止して廃水
を出さないようにするか、企業としては早急な対応を迫
られることとなり、非常に大きな問題となってくる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の従来
例の不都合を解消し、好気性活性汚泥処理に於ける曝気
槽の微生物相の状態が変化して、BOD及びCOD成分
の除去率の低下が連続して発生した場合に、曝気槽の微
生物相を速やかに健全なものに再生できるようにし得、
かつ急激な汚濁負荷が掛かってもバランスを崩すことの
ない強力な微生物相となるようにし得る、手間の掛から
ない安価な活性汚泥処理に於ける微生物相の再生及び体
力増強方法を提供することを解決の課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、BOD及
びCOD成分の除去率の低下を起こしてきた活性汚泥処
理装置の曝気槽に、好気性菌を主体としこれに通性嫌気
性菌及び若干の嫌気性菌を共存させた生物共生菌を投入
して攪拌曝気し、上記曝気槽の微生物相の再生と微生物
相の体力の増強とを図る活性汚泥処理の微生物相の再生
及び体力増強方法である。
【0013】従って本発明の1の活性汚泥処理の微生物
相の再生及び体力増強方法によれば、前記のように、B
OD及びCOD成分の除去率の低下を起こした状況に於
いても、原廃水の導入量を減少させたり停止させること
なく、通常の運転を継続しながら原廃水を処理すること
ができると共に、曝気槽の微生物相を、短期間に手間を
掛けずに安価にかつ安全に健全な状態に再生し、活性汚
泥処理を正常に復帰させることができる。
【0014】曝気槽内が嫌気性状態、あるいは疑似嫌気
性状態となってしまい、導入された原廃水中の有機物が
膠質のようなもので包まれるような状況が発生している
ところでは、本発明者の観察によれば、好気性菌を投入
し、曝気処理を施しても膠質で包まれた有機物は殆ど上
記好気性菌による分解が行われることはなく、単に槽内
を処理廃水の移動に伴って移動するのみであり、ついに
は槽内の流れの乏しい下方の部位に沈殿堆積することに
なるものである。
【0015】ところが、以上のような状況の槽内に、好
気性菌に通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共生させた前記生
物共生菌を投入すると、前記の膠質に包まれた有機物の
分解が開始するに至り、良好な分解活動が継続し、BO
D及びCOD成分の除去率を所要レベルにまで回復し得
ることとなるものである。
【0016】これは、前記状況の槽内に前記生物共生菌
を投入すると、まず初めに、該生物共生菌中の嫌気性菌
及び通性嫌気性菌が作用して、前記有機物を包む膠質の
膜を破るとともに、内部の有機物の分解を開始させ、引
き続いて好気性菌が作用して有機物の分解を一層進め、
活性汚泥を正常に復帰させることになるからだと推定す
ることができる。
【0017】本発明の2は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、好気性菌60〜80%、通性嫌気性菌20
〜10%、嫌気性菌20〜10%の組成割合の菌群を採
用したものである。
【0018】従って本発明の2の活性汚泥処理の微生物
相の再生及び体力増強方法によれば、前記のように、B
OD及びCOD成分の除去率の低下を起こしてきた活性
汚泥処理装置の曝気槽に投入する菌群中の好気性菌、通
性嫌気性菌及び嫌気性菌の菌群の割合が適切になるた
め、本発明の1に関して説明した有機物の分解のプロセ
スが良好に行われ得ることとなるものである。この割合
は、繰り返し行われた実験の結果得られたものであり、
上記割合外では、良い結果は得られない。例えば、好気
性菌が、上記最小割合より少なくても、最大割合より多
すぎても良い結果は得られない。嫌気性菌及び通性嫌気
性菌については両者をあわせた割合が、その最大割合よ
り多すぎても最小割合より少なすぎても良い結果は得ら
れない。
【0019】本発明の3は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、導入される原廃水の温度が25〜35℃の
場合には、この温度域で活発に活動する中温菌を主とし
て採用し、導入される原廃水の温度が25℃以下の場合
には、この温度域で活発に活動する低温菌を主として採
用することとしたものである。
【0020】従って本発明の3の活性汚泥処理の微生物
相の再生及び体力増強方法によれば、前記好気性菌、通
性嫌気性菌及び嫌気性菌の各菌群に属する菌を、導入さ
れる原廃水の温度に対応させ、その温度域で活発に活動
するそれを採用することとしたので、より効率よく有機
物等の分解活動が行い得られ、スピーディに微生物相の
再生及び体力増強の結果を得ることができるものであ
る。
【0021】本発明の4は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、原廃水の基質の濃度に応じた菌濃度のそれ
を投入することとしたものである。
【0022】従って本発明の4の活性汚泥処理の微生物
相の再生及び体力増強方法によれば、原廃水の基質濃度
に応じて菌濃度を調節し、例えば、基質濃度が高い場合
にも、キャリアの量を増加させないで、必要な量の生物
共生菌を投入することとしたので、処理対象の廃水中に
要分解物質を増加させないで済むものである。
【0023】前記生物共生菌は、キャリアに吸着固定さ
せて用いるものであるが、基質の濃度が高い場合、例え
ば、蛋白質、炭水化物、脂肪、窒素分、燐分等の濃度が
高い場合には、投入する生物共生菌の割合も増加させる
必要が生じる。しかし、単に、その投入量を増加したの
では、キャリアの投入量も同時に増加する問題が生じ
る。即ち、キャリアもまた要分解対象となるものであ
り、これが必要以上に増加するのは、云うまでもなく、
好ましくない。従って生物共生菌の力価、即ち、その濃
度を、基質の濃度に対応するものとしてキャリアに吸着
固定させて用いるようにしたものであり、こうすること
により、無用な要分解物を増加させずに効率よく活性汚
泥処理ができるものとなる。
【0024】本発明の5は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、好気性菌を主体とする酵母菌、子嚢菌及び
セルロース分解菌と、通性嫌気性菌を主体とする蛋白質
分解菌、乳酸菌及び枯草菌と、嫌気性菌を主体とする光
合成菌、窒素固定菌、酢酸菌及び酪酸菌とを含む菌群
を、キャリアに吸着固定させて共生させ、適用対象の原
廃水の基質濃度に対応する菌濃度に培養した複合微生物
菌を採用したものである。
【0025】本発明の5の活性汚泥処理の微生物相の再
生及び体力増強方法によれば、生物共生菌を構成するの
に必要な好気性菌、通性嫌気性菌及び嫌気性菌の菌群に
ついて以上の各種の菌群を選択したため、前記のよう
に、BOD及びCOD成分の除去率の低下を起こした状
況の曝気槽中に、これらを投入することにより、前記し
た嫌気性菌及び通性嫌気性菌の作用及び好気性菌の作
用、即ち、前者の膠質に包まれた有機物の分解及びその
後の有機物の酸化分解の作用を効率良く行うことがで
き、その結果、BOD及びCOD成分の除去率を所要レ
ベルにまでスピーディに回復し得ることとなるものであ
る。
【0026】また以上の菌群によって構成される生物共
生菌を採用した場合は、有機物の分解に於いて、悪臭ガ
スの発生がなく、二酸化炭素と水とに効率的に分解され
るので、汚泥の発生が極めて少ないものとなって、汚泥
処理の負荷を軽減させるものとなる。
【0027】更にまた以上の菌群によって構成される生
物共生菌は、安全性が確保できるものであり、曝気槽に
投入され、活動を開始すると、該曝気槽の中で新たな生
物共生菌を生体合成するので、該曝気槽の微生物相は原
廃水の変動に対して耐性のある良好な状態となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を詳細に
説明する。本発明の活性汚泥処理の微生物相の再生及び
体力増強方法は、既存の好気性の活性汚泥処理に於いて
その曝気槽に適用することができるものである。
【0029】ここで対象とする活性汚泥処理は、一般に
知られているものであって、特に説明を要するものとは
思われないが、都合上、要点のみを説明すると、通常、
処理装置としては、原廃水を導入する原水槽、原廃水を
曝気する曝気槽、曝気によって発生した汚泥を沈降分離
する沈殿槽、沈殿槽の上澄みを貯留する放流槽及び沈殿
槽で沈降させた汚泥を貯留する汚泥槽、更に汚泥を処理
する付帯装置として汚泥の水分を脱水する汚泥脱水機及
び脱水汚泥を焼却する焼却炉等からなる一連の設備であ
る。
【0030】前記曝気槽は、そのピットの容量としては
原廃水の発生量と曝気槽に於ける必要曝気処理時間とに
よって決められるもので、通常は原廃水が槽内で4〜6
時間程度滞留して処理されるように設計されている。
【0031】また前記曝気槽内には、原廃水を攪拌する
攪拌装置及び槽内の原廃水に溶存酸素を供給する散気管
等の空気を送り込む装置、更に運転管理に必要な水量
計、溶存酸素計、pH計及び温度計等が付設されている。
【0032】活性汚泥処理による廃水中の汚濁物質の浄
化は、主として廃水中の有機物質、即ち、BOD成分を
微生物によって食させて処理するものであって、対象が
微生物であるために、その生息環境を調えることが大切
で、特に温度、pH、溶存酸素量、栄養源の窒素分や燐分
及び各種汚濁負荷量を一定範囲の下で運転することが必
要となっている。
【0033】しかし工場等の廃水発生源から排出されて
くる原廃水は、常に一定の水質で排出されてくることは
稀で、時として、例えば、製造工程でのトラブルの発生
時や定期的な補修の時等には、各種汚濁物質の増加とな
って、急激なpHの変動や、急激なBOD及びCOD成分
の増加や、急激な油脂分の増加等となって、一定範囲の
管理下での運転から大幅に外れてしまうことがある。
【0034】このような状態の時には、センサにより異
常を検出して、前記原廃水を一時バイパスして別のピッ
トへ導入させる等の対策が必要となるが、廃水量の多い
工場や、バイパスさせて一時貯留するピットを持たない
ところでは、仕方なく処理を継続させてしまうために、
曝気槽の微生物相に大きなダメージを与えてしまうこと
になって、その結果としてBOD及びCOD成分の除去
率の低下が続くようになる。
【0035】またこのような状態になった時には、前述
のように、早めに曝気槽に導入する原廃水の流入量を減
少させて汚濁物質の負荷量を軽減させ、充分な溶存酸素
量の下で、窒素分や燐分等の栄養剤を与えて養生させて
やること等の処置が必要となる。
【0036】しかし、このような状況の下で使用するた
めのバイパス設備をもたない工場では、工場の稼働を部
分的に停止することもままならず、曝気槽の微生物相に
は、益々過酷な処理が強いられることとなって曝気槽の
状態の悪化が続き、曝気槽には糸状菌が多く見られるよ
うになり、次第に嫌気性となって曝気槽の色相も変化し
て前述のようにバルキング状態になってしまうのであ
る。
【0037】本発明では、前記曝気槽にこのような悪化
傾向の現象が現れ始めた場合に、曝気槽に対して、好気
性菌を主体としこれに通性嫌気性菌及び若干の嫌気性菌
を共存させた生物共生菌を投入して攪拌曝気し、こうし
て曝気槽中の微生物相の再生又は回復と微生物相の体力
増強とを付与させるものである。
【0038】ここで前記生物共生菌について説明する。
前記生物共生菌は、自然界に存在する無数の微生物群の
中から、浄化に有効な好気性、通性嫌気性及び嫌気性の
菌群を厳選したものであって、対象となる原廃水の温度
に応じて、例えば、原廃水の温度が25〜35℃の範囲
であれば中温菌の中から、温度が25℃以下であれば低
温菌の中から選択して用いるものである。
【0039】またこれらの菌群は、主として好気性菌群
を含む酵母菌、子嚢菌及びセルロース分解菌と、主とし
て通性嫌気性菌群を含む蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草
菌等と、主として嫌気性菌群を含む光合成菌、窒素固定
菌、酢酸菌及び酪酸菌とを共生させた複合微生物菌群で
ある。
【0040】更にまたこれらの菌群は、好気性菌群が6
0〜80%程度、通性嫌気性菌群が20〜10%程度、
嫌気性菌群が20〜10%程度に含まれるものが有効で
ある。
【0041】これらの複合微生物菌群は、共生培養し、
その際のキャリアとして、例えば、玄米の粉、米糠、ふ
すま、繊維素類及びゼオライトの単独又は複数種を組み
合わせたものと、プロティン、コーン粉末、窒素無機
物、ビタミン類及びミネラル類の単独又は複数種を組み
合わせたものとを混合してなるものに吸着固定させるも
のであり、またこれらの菌群は、これらのキャリアに植
え付けて共生培養しつつ、徐々に水分割合を低下させ、
休眠状態で坦持する。これらの休眠中の菌は、曝気槽の
原廃水中に投入されると、すぐに活動を再開することと
なる。
【0042】上記キャリアに吸着させる菌群の濃度(力
価)は、適用対象となる原廃水の基質濃度に応じて決定
することとし、これは主としてキャリアに菌を植え付け
る際の菌原液(種菌から醸造して得たもの)の濃度を調
節することによって行う。例えば、本発明者の醸造した
菌原液を用いた場合で、通常の場合は、キャリア10Kg
に対して菌原液700ccの割合で菌を植え付けている。
これに対して菌群の濃度(力価)を高める必要のある場
合は、その必要に応じて菌原液の割合を高めることとす
る。植え付ける際の菌原液の濃度を高くすれば、培養が
完了し、水分割合を低下させて休眠状態にした時の菌濃
度は必ずしも比例して高くなるとまでは云えないが、概
ねそれに応じて高くなる。
【0043】なお原廃水に投入する菌群の濃度の基準は
実験的に定めることができる。例えば、一定の条件で醸
造した菌原液を一定のキャリアに植え付けて一定の条件
で培養固定した菌群を一定の基質条件(濃度)の原廃水
に一定量投入して実験を繰り返すことにより、そのよう
な菌群の有効性の程度が明らかとなり、これを菌濃度の
基準値とすることができる。こうして一定の基質濃度の
原廃水に有効に作用する菌の濃度の基準が定まれば、原
廃水の基質濃度を、基準とした上記一定の基質濃度と比
較し、それを上回る場合には、それに応じて菌濃度を高
めれば良いこととなる。菌濃度は、既述のように、キャ
リアに植え付ける菌原液の割合を高めることによって、
高めることができる。
【0044】また、この複合微生物菌群は、自然界に存
在する浄化に有効に働く菌であって、いずれにしても安
全な菌群を選択するものである。
【0045】以上の生物共生菌による浄化のメカニズム
は、自然界で行われている微生物群の働きによる有効な
浄化作用を見いだし、これを人工的に効果的に行わしめ
るものである。本発明者の知見によれば、各種有機物
は、好気性菌による酸化活動と嫌気性菌による還元活動
の繰り返しによって分解されるものであり、本発明に於
いては、前記生物共生菌中に含まれる好気性、通性嫌気
性及び嫌気性の菌群によって、それぞれ役割分担されて
酸化・還元の作用が行われ、対象の原廃水中の各種有機
物の分解が行われるものである。更に前記生物共生菌
は、このような活動に伴って新たな生体合成が行われ、
増殖が繰り返され、安定した浄化作用が継続することと
なるものである。
【0046】なおこのような生物共生菌による効果的な
活動が行われるためには、環境設定因子として、温度、
pH、溶存酸素量、栄養塩バランス、微量元素及び酵素等
が適したものであることが必要である。
【0047】しかして本発明に於いては、既述のよう
に、対象となる原廃水の温度によって用いる菌を選択す
る。原廃水が10℃を下回る低温の場合には、低温菌の
中でも低温を好む好冷菌を採用することができる。
【0048】原廃水のpHは5.5〜8.5程度が、溶存
酸素量は1〜1.5ppm 程度がそれぞれ好適な条件であ
り、適合していない場合は調節する。
【0049】一方、栄養塩バランスとしては適量の窒素
及び燐の塩類が好気性の下における酸化分解に必要であ
る。また、微量元素としてはカリウム、ナトリウム、カ
ルシウム及びマグネシウム等の元素が、微生物の生育と
代謝において外部の環境変化に対し生体内浸透圧を一定
に保つ浸透圧調整作用や酵素を活性化する触媒作用に必
要である。
【0050】更に、重炭酸塩や燐酸塩等も生体内のpHを
一定に保つ緩衝作用を付与することから必要となる。更
にまた酵素も各種菌の好気性の下における酸化分解に重
要な役割を担っている。
【0051】このような生物共生菌による有機物の分解
作用は、その過程において悪臭ガスの発生がなく、有機
物は水と二酸化炭素に効果的に分解されるので、汚泥の
発生が極めて少ないことが特徴となっている。
【0052】このような生物共生菌の曝気槽への添加量
は、前記のようにして本発明者が培養したそれの場合
で、BOD汚濁負荷量(kg/日)に対してキャリア共々
3〜4%程度に毎日添加するのが適当である。またBO
D汚濁負荷が高い(基質濃度が高い)場合には、既述の
ように、菌の力価(濃度)を高めて添加することが、キ
ャリアの量の影響を受けることが軽減されるので好まし
い。更に曝気槽の状態の回復が確認されても、しばら
く、例えば、1週間程度は継続して添加することが微生
物相に体力を付けてやる上からも必要である。
【0053】次に、BOD及びCOD成分の除去率の低
下が連続して発生し、曝気槽の微生物相に異常が見られ
るようになった時の生物共生菌による処理方法について
説明する。
【0054】通常、活性汚泥処理に於いては、日常のパ
トロールによって、曝気槽の色や臭いや泡等を観察した
り、曝気槽で処理中の曝気溶液を1リットルのメスシリ
ンダに採取し、30分間静置して活性汚泥の沈降性(S
V)を計る等を行って、曝気槽の状態の良好な時の様子
を把握しておくことが重要である。
【0055】こうして現状との対比により状態の変化を
視覚や嗅覚で感じ取ることと、活性汚泥処理前後の廃水
のpH、BOD、COD、SSの値及びBOD、COD、
SSの除去率の値とから変化をいち早く読み取ることで
ある。
【0056】一般にBOD、COD及びSSの測定は、
1週間に2回程度の測定としているところが多いが、曝
気槽の状態変化をいち早く見つけるには、毎日測定して
おくことが好ましい。通常、良好な時の状態との変化が
3日間続いた場合には、要注意状態で、4〜5日以上続
くようになったら早急に手当てが必要と見るべきであ
る。この状態で更に放置しておくと曝気槽の微生物相の
回復には長期間を要することとなり、酷い時には、種汚
泥から微生物相の作り直しとなってしまうこともある。
【0057】このような状態になった場合には、早急に
曝気槽のpHを6.0〜8.0に、溶存酸素量を1〜1.
5ppm に、それぞれコントロールして、原廃水を導入し
ながら攪拌を続け、前記生物共生菌を、曝気槽に、原廃
水のBOD汚濁負荷量(kg/日)に対して一定割合、例
えば、既述のように、本発明者の培養したそれの場合
で、キャリア共々3〜4%程度になるように添加する。
前記生物共生菌の添加は毎日行い、状態が回復しても1
週間〜10日間程度は継続して添加することが、曝気槽
の微生物相に体力を付けることからも好ましい。
【0058】曝気槽の微生物相は、前記生物共生菌が加
わって少しずつ状態が回復する方向に向かい、処理水の
BOD、COD、SSの値及び廃水のBOD、COD、
SSの除去率が向上してくる。また前記生物共生菌を添
加することによって曝気槽の微生物相には新たな生物共
生菌が生体合成によって生じてくるので、微生物相は次
第に耐性のある良好な状態となって行くものである。
【0059】
【実施例】次に実施例1及び実施例2によって本発明を
具体的に説明するが、これは本発明の効果を説明するた
めのものであって、これによって本発明が限定されるも
のではない。
【0060】<実施例1>食品加工工場の凝集沈殿処理
後の原廃水(排水量140m3/日)の水質が、廃水温度
28℃、pH5.5、BOD850ppm 、COD380pp
m 、SS360ppm 、N−ヘキサン抽出物75ppm に対
して、通常の好気性の活性汚泥処理法によって処理を行
っていた。
【0061】しかし活性汚泥処理後の水質がBOD90
〜120ppm 、COD70〜140ppm 、SS70〜1
40ppm と処理状態が劣ってきた状態が5日間続いたの
で、異常と察知して、曝気槽に下記組成の生物共生菌
(菌濃度はほぼ基準濃度)をキャリア共々4.2kg投入
(BOD汚濁負荷量に対して3.5%添加)し、pHを
6.0〜8.0、溶存酸素量を1〜1.5ppm にそれぞ
れ管理し、原廃水を導入して攪拌曝気しながら活性汚泥
処理を継続した。前記生物共生菌の投入は、毎日キャリ
ア共々4.2kgを10日間続けて投入し、曝気槽の状態
の観察と処理後の水質試験を行った。
【0062】[実施例1の生物共生菌の組成]好気性菌
として酵母菌、子嚢菌及びセルロース分解菌の中から、
通性嫌気性菌として蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草菌の
中から、嫌気性菌として光合成菌、窒素固定菌及び酢酸
菌の中から、それぞれ菌群を選定し、好気性菌群を65
%、通性嫌気性菌群を20%、嫌気性菌群を15%の割
合で配合した。いずれも中温菌に属する菌群を選んだ。
これらの菌群を共生させて培養し、キャリアとして玄米
の粉及びふすま並びにプロティン、コーン粉末、ビタミ
ン類及びミネラル類を混合したものに吸着固定させた。
上記生物共生菌については、実施例1の処理に先立っ
て、魚類のヒメダカによる急性毒性試験及びマウスによ
る経口急性毒性試験によって安全であることを確認し
た。
【0063】<実施例2>羊毛処理工場の原廃水(排水
量1270m3/日)の水質が、廃水温度26℃、pH8.
4、BOD900ppm 、COD300ppm 、SS180
ppm 、N−ヘキサン抽出物90ppm に対して、通常の好
気性の活性汚泥処理法によって処理を行っていた。
【0064】しかし活性汚泥処理後の水質がBOD10
0〜140ppm 、COD70〜85ppm 、SS40〜6
0ppm と処理状態が劣ってきた状態が5日間続いたの
で、異常と察知して、曝気槽に下記組成の菌の力価(菌
濃度)を通常のほぼ3倍に高めた生物共生菌をキャリア
共々12kg投入(BOD汚濁負荷量に対して通常の力価
換算で3.2%添加)し、pHを6.0〜8.0、溶存酸
素量を1〜1.5ppm にそれぞれ管理し、原廃水を導入
して攪拌曝気しながら活性汚泥処理を継続した。また、
前記生物共生菌の投入は、毎日キャリア共々12kgを1
0日間続けて投入し、曝気槽の状態の観察と処理後の水
質試験を行った。
【0065】[実施例2の生物共生菌の組成]好気性菌
として酵母菌、子嚢菌及びセルロース分解菌の中から、
通性嫌気性菌として蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草菌の
中から、嫌気性菌として光合成菌、窒素固定菌及び酪酸
菌の中から、それぞれ菌群を選定し、好気性菌群を70
%、通性嫌気性菌群を15%、嫌気性菌群を15%の割
合で配合した。いずれも中温菌を選定した。これらの菌
群を共生させて、菌を植え付ける際の原液量(本発明者
が醸造したもの)で前記した基準値の3倍を添加して培
養し、キャリアとして玄米の粉及びふすま並びにプロテ
ィン、コーン粉末、ビタミン類及びミネラル類を混合し
たものに吸着固定させた。また、上記生物共生菌につい
ても、実施例2の処理に先立って、魚類のヒメダカによ
る急性毒性試験及びマウスによる経口急性毒性試験によ
って安全であることを確認した。
【0066】実施例1及び実施例2に於いて、それぞれ
の原廃水の水質データと、それぞれの曝気槽に前記組成
の生物共生菌を投入する前の水質データと、前記組成の
生物共生菌を投入7日後の水質データとを、次に示す測
定項目及び測定方法によって測定して、それぞれ表1及
び表2にまとめた。
【0067】<測定項目及び測定方法> 1.排水量の測定 市販の流量計により測定する。 2.pHの測定 JIS K0102 12.1に基づき測定する。 3.BODの測定 JIS K0102 21に基づき測定する。 4.CODの測定 JIS K0102 17に基づき測定する。 5.SSの測定 S46環告59付表8に基づき測定する。 6.N−ヘキサン抽出物質の測定 S49環告64付表5に基づき測定する。 7.曝気槽に於ける臭いの判定 曝気槽に於ける運転中の臭いを嗅覚によって嗅ぎ分け表
現する。
【0068】
【表1】
【0069】表1に示した実施例1の生物共生菌の投入
前後の水質試験の結果から分かるように、生物共生菌の
投入前の弱い腐敗臭が、投入後は活性汚泥処理特有のや
や甘酸っぱい臭いに変わってきており、はっきりと状態
が好転したことが感覚的に分かる。また生物共生菌の投
入前後のBOD、COD及びSSのそれぞれの値を見て
も数値が下がってきており、はっきりした効果が出てい
ることが分かる。
【0070】
【表2】
【0071】表2に示すように、生物共生菌の投入前の
弱い腐敗臭が、投入後は活性汚泥処理特有のやや甘酸っ
ぱい臭いに変わってきており、実施例2に於いてもはっ
きりと状態が好転したことが感覚的に分かる。また、水
質試験結果に於いても生物共生菌の投入前後のBOD、
COD及びSSのそれぞれの値を見ても数値が下がって
きており、ここでもはっきりした効果が出ていることが
分かる。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の1の活性汚
泥処理の微生物相の再生及び体力増強方法によれば、原
廃水の導入量を減少させたり停止させることなく、通常
の運転を継続しながら原廃水を処理することができると
共に、曝気槽の微生物相を、短期間に手間をかけずに安
価にかつ安全に健全な状態に再生し、活性汚泥処理を正
常に復帰させることができる。
【0073】曝気槽内が、前記のような嫌気性状態、あ
るいは疑似嫌気性状態となってしまい、導入された原廃
水中の有機物が膠質のようなもので包まれるような状況
が発生してしまった場合、そのような状況の槽内であっ
ても、好気性菌に通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共生させ
た前記生物共生菌を投入すると、前記膠質に包まれた有
機物の分解が開始するに至り、良好な分解活動が継続
し、BOD及びCOD成分の除去率を所要レベルにまで
回復し得ることとなるものである。
【0074】これは、前記状況の槽内に前記生物共生菌
を投入すると、まず初めに、該菌中の嫌気性菌及び通性
嫌気性菌が作用して、前記有機物を包む膠質の膜を破る
とともに内部の有機物の分解を開始させ、引き続いて好
気性菌が作用して有機物の分解を一層進め、活性汚泥を
正常に復帰させることになるからであると推定すること
ができる。
【0075】本発明の2は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、好気性菌60〜80%、通性嫌気性菌20
〜10%、嫌気性菌20〜10%の組成割合の菌群を採
用したものであり、それ故、本発明の2によれば、BO
D及びCOD成分の除去率の低下を起こしてきた活性汚
泥処理装置の曝気槽に投入する菌群中の好気性菌、通性
嫌気性菌及び嫌気性菌の菌群の割合が適切になるため、
本発明の1に関して説明した有機物の分解のプロセスが
良好に行われ得ることとなるものである。
【0076】本発明の3は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、導入される原廃水の温度が25〜35℃の
場合には、この温度域で活発に活動する中温菌を主とし
て採用し、導入される原廃水の温度が25℃以下の場合
には、この温度域で活発に活動する低温菌を主として採
用することとしたものであり、それ故、本発明の3によ
れば、前記好気性菌、通性嫌気性菌及び嫌気性菌の各菌
群に属する菌を、導入される原廃水の温度に対応させ、
その温度で活発に活動するそれを採用することとしたの
で、より効率よく有機物等の分解活動が行い得られ、ス
ピーディに微生物相の再生及び体力増強の結果を得るこ
とができるものである。
【0077】本発明の4は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、原廃水の基質の濃度に応じた菌濃度のそれ
を投入することとしたものであり、それ故、本発明の4
によれば、原廃水の基質濃度に応じて菌濃度を調節し、
例えば、基質濃度が高い場合にも、キャリアの量を増加
させないで、必要な量の生物共生菌を投入することとし
たので、処理対象の廃水中に要分解物質を増加させない
で済むものである。
【0078】本発明の5は、本発明1の活性汚泥処理の
微生物相の再生及び体力増強方法に於いて、前記生物共
生菌として、好気性菌を主体とする酵母菌、子嚢菌及び
セルロース分解菌と、通性嫌気性菌を主体とする蛋白質
分解菌、乳酸菌及び枯草菌と、嫌気性菌を主体とする光
合成菌、窒素固定菌、酢酸菌及び酪酸菌とを含む菌群
を、キャリアに吸着固定させて共生させ、適用対象の原
廃水の基質濃度に対応する菌濃度に培養した複合微生物
菌を採用したものであり、それ故、本発明の5によれ
ば、生物共生菌を構成するのに必要な好気性菌、通性嫌
気性菌及び嫌気性菌の菌群について以上の各種の菌群を
選択したため、前記のように、BOD及びCOD成分の
除去率の低下を起こした状況の曝気槽中に、これらを投
入することにより、前記した嫌気性菌及び通性嫌気性菌
の作用及び好気性菌の作用、即ち、前者による膠質に包
まれた有機物の分解及び後者によるその後の有機物の酸
化分解の作用を効率良く行うことができ、その結果、B
OD及びCOD成分の除去率を所要レベルにまでスピー
ディに回復し得ることとなるものである。
【0079】また以上の菌群によって構成される生物共
生菌を採用した場合は、有機物の分解に於いて、悪臭ガ
スの発生がなく、二酸化炭素と水とに効率的に分解され
るので、汚泥の発生が極めて少ないものとなって、汚泥
処理の負荷を軽減させるものとなる。
【0080】更にまた以上の菌群によって構成される生
物共生菌は、安全性が確保できるものであり、曝気槽に
投入され、活動を開始すると、該曝気槽の中で新たな生
物共生菌を生体合成するので、該曝気槽の微生物相は原
廃水の変動に対して耐性のある良好な状態となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (C12N 1/00 C12R 1:125) (C12N 1/00 C12R 1:645)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 BOD及びCOD成分の除去率の低下を
    起こしてきた活性汚泥処理装置の曝気槽に、好気性菌を
    主体としこれに通性嫌気性菌及び若干の嫌気性菌を共存
    させた生物共生菌を投入して攪拌曝気し、上記曝気槽の
    微生物相の再生と微生物相の体力の増強とを図る活性汚
    泥処理の微生物相の再生及び体力増強方法。
  2. 【請求項2】 前記生物共生菌として、好気性菌60〜
    80%、通性嫌気性菌20〜10%、嫌気性菌20〜1
    0%の組成割合の菌群を採用した請求項1の活性汚泥処
    理の微生物相の再生及び体力増強方法。
  3. 【請求項3】 前記生物共生菌として、導入される原廃
    水の温度が25〜35℃の場合には、この温度域で活発
    に活動する中温菌を主として採用し、導入される原廃水
    の温度が25℃以下の場合には、この温度域で活発に活
    動する低温菌を主として採用することとした請求項1又
    は2の活性汚泥処理の微生物相の再生及び体力増強方
    法。
  4. 【請求項4】 前記生物共生菌として、原廃水の基質の
    濃度に応じた菌濃度のそれを投入することとした請求項
    1、2又は3の活性汚泥処理の微生物相の再生及び体力
    増強方法。
  5. 【請求項5】 前記生物共生菌として、好気性菌を主体
    とする酵母菌、子嚢菌及びセルロース分解菌と、通性嫌
    気性菌を主体とする蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草菌
    と、嫌気性菌を主体とする光合成菌、窒素固定菌、酢酸
    菌及び酪酸菌とを含む菌群を、キャリアに吸着固定させ
    て共生させ、適用対象の原廃水の基質濃度に対応する菌
    濃度に培養した複合微生物菌を採用した請求項1、2又
    は3の活性汚泥処理の微生物相の再生及び体力増強方
    法。
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