JP2003053185A - 光応答性金属イオン吸着材料および金属イオン回収方法 - Google Patents
光応答性金属イオン吸着材料および金属イオン回収方法Info
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Abstract
を備え、かつ操作が簡便な金属イオン吸着材料を提供す
る。 【解決手段】 下式(1)に示すセグメント(a)およ
びセグメント(b)を必須セグメントとする共重合体を
含む光応答性金属イオン吸着材料。 【化1】 ただし、式(1)中、R1、R2、R3およびR4は独
立にHまたはCH3であり、R5はアルキル基またはア
ミド基であり、R6はフッ化アルキル基であり、Xは素
原子、窒素原子または硫黄原子であり、Yは酸素原子ま
たは硫黄原子である。
Description
着材料と、それを用いた金属イオン回収方法に関する。
産業廃棄物から、効率良く金属イオン、特に鉛イオン等
の重金属イオンを回収する方法が、環境汚染防止、産業
廃棄物の減量、資源再利用の理由から望まれている。金
属イオンを含む廃液を浄化する方法として、中和凝集沈
殿法・硫化ソーダ法・重金属捕集剤法・フェライト法等
が実用化されている。これらの方法で廃液を処理した
後、金属を回収するステップ、さらに再利用するステッ
プが設けられている。このうち、重金属捕集剤法は、重
金属イオンと錯化合物を形成する捕集剤(例えばシアン
化合物)を用いる。捕集処理後の捕集剤に吸着した金属
イオンを回収するには、該捕集剤が一般に溶液に可溶な
ため、捕集剤を酸化処理等の化学反応処理を経て金属イ
オンから分離した後、金属を陽イオンとして溶液中に単
離させて精製・回収している。
よる重金属捕集後の重金属回収ステップにおける化学反
応処理の実施にあたっては、専門的な知識や技術が要求
されるだけでなく、煩雑な操作と、それによる長い処理
時間や多大な処理コストとを要するという問題があっ
た。したがって、本発明の目的は、溶液中の金属イオン
の捕集と回収の両機能を備え、操作が簡便な金属イオン
吸着材料を提供することにある。本発明者は、化合物へ
の光の照射の有無により可逆的に変色するフォトクロミ
ズムを示す化合物(以下、フォトクロミック化合物とい
う。)に、金属イオンが可視光照射に応答して可逆的に
錯形成して吸着することに着目し、諸条件を確立して本
発明に至った。
式(1)に示すセグメント(a)およびセグメント
(b)を必須セグメントとする共重合体を含む光応答性
金属イオン吸着材料を要旨とする。
立にHまたはCH3であり、R5はアルキル基またはア
ミド基であり、R6はフッ化アルキル基であり、Xは炭
素原子、窒素原子または硫黄原子であり、Yは酸素原子
または硫黄原子である。
吸着材料の共重合体と、金属イオンとを、暗所下で錯形
成させる工程と、可視光を照射して金属イオンを共重合
体から遊離させる工程とを含むことを特徴とする金属イ
オン回収方法を要旨とする。
ンを可逆的に液中で吸着し、かつ可逆的に変色するフォ
トクロミック化合物として、本発明では、メロシアニン
構造を取り得るスピロピランやスピロオキサジン分子を
利用する。すなわち、本発明の金属イオン吸着材料に含
まれる共重合体は、上記式(1)で示される、(a)の
セグメントすなわちスピロピランセグメントまたはスピ
ロオキサジンセグメントと、(b)のセグメントすなわ
ちフッ化アルコールセグメントとを、必須セグメントと
する。式(1)中、R1、R2、R3およびR4は独立
にHまたはCH3であり、重合体は、R1およびR2が
Hであればアクリレート共重合体、CH3であればメタ
クリレート重合体である。
R5は、具体的にはメチル基、エチル基、ドデシル基等
が例示される。R6は、アルキル基の少なくとも1つの
水素原子がフッ素で置換されているフッ化アルキル基で
ある。R6は、例えば−(CF2)6CH2CH3のよう
に、フッ化アルコールセグメントの水酸基に近い位置の
水素がフッ化されているのが好ましく、ペルフルオロア
ルキル基であればさらに好ましい。R6は、具体的には
トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペル
フルオロオクチル基、ペルフルオロドデシル基等が例示
される。Xは炭素原子、窒素原子または硫黄原子であ
り、Yは酸素原子または硫黄原子である。セグメント
(a)とセグメント(b)との重合は、ブロック状の重
合であっても、交互の重合であっても良く、特に限定さ
れない。以下、Xが炭素原子でYが酸素原子の場合、す
なわちメロシアニン構造のために共重合体がセグメント
(a)としてスピロピランセグメントを有する場合につ
いて説明する。
ントは、電気的に中性な無色のスピロピラン構造体と、
分子内に双性イオンを有するメロシアニン構造体とに、
可視光照射によって液中で可逆的に異性化する光応答性
を有する。スピロピラン構造体と、メロシアニン構造体
とを次の式(2)に示す。なお、式(2)中、Mは陽イ
オン化できる金属を示し、R1〜R6、X、Yは式
(1)と同様である。
記スピロピランセグメントが異性化して、メロシアニン
構造体をとるため着色している。このとき、前記液中に
金属Mの陽イオンが溶存していると、メロシアニン構造
における酸素原子すなわち式(1)、式(2)における
Y原子は、電子密度が高く、この部位で、陽イオンであ
る金属イオンと式(2)に示すように、錯形成を生じ
る。
(>420nm)照射によりスピロピラン構造体に戻る
と解消する。すなわち、上記暗所下にあった共重合体
に、外部から可視光を照射すると、メロシアニン構造体
が閉環してスピロピラン構造体に異性化するため、共重
合体は無色(白色)となる。そして、これまで錯形成し
ていた金属イオンは、液中に遊離する。次に、可視光の
照射を停止し、共重合体を暗所下に置くと、再度、共重
合体中のスピロピランセグメントはメロシアニン構造と
なり、遊離していた金属イオンと錯形成し、かつ共重合
体は再度着色する。本発明の光応答性金属イオン吸着材
料は、この可逆的な錯形成及び変色をおこなう共重合体
を含むことにより、金属イオン溶液から金属イオンを吸
着させて回収することができる。
重合体に金属イオンを吸着させたまま、濾別等で固液分
離して共重合体を取り出し、次に可視光を照射して金属
イオンを遊離させればよい。このためには、共重合体
は、少なくとも錯形成時に、液に不溶または難溶である
のが好ましく、不溶であればより好ましい。
ンセグメント(a)の共重合体中含有率は、70mol
%以下であるのが好ましい。70mol%以下であれ
ば、共重合物が、各種溶剤中で実用可能な程度の上記不
溶性または難溶性を示すことができる。また、スピロピ
ランセグメントは金属イオンと錯形成する部位を有する
ため、該含有率が少なくなると錯形成される金属イオン
量も減少する。よって、共重合体中のスピロピランセグ
メントの含有率は、不溶性と錯形成能とに合わせて適宜
選択される。セグメント(a)の含有率は、例えばセグ
メント(a)とセグメント(b)からなる共重合体の場
合は、モル比でのセグメント(a)/(セグメント
(a)+セグメント(b))に相当する。
上記共重合体単独であっても、共重合体の吸着作用を妨
げない範囲で他の成分が含まれていても良い。
答性金属イオン吸着材料の共重合体と金属イオンとを暗
所下で錯形成させる工程と、可視光を照射して金属イオ
ンを共重合体から遊離させる工程とを含む。ここで、例
えば、錯形成させて該共重合体に金属イオンを吸着させ
た状態で、固液分離して共重合体を取り出し、次に可視
光をこの共重合体に照射して、別の液中に金属イオンを
遊離させれば金属イオンを回収できる。
難溶であるのが好ましく、この液のための溶剤として
は、水、アルコール類、トルエン、アセトニトリル等が
挙げられ、溶解しやすいフッ化アルコール類以外の溶剤
を、特に制限なく単独でまたは2種以上で使用できる。
液の形態で提供されることが多い。共重合体と金属イオ
ンとの吸着能を上昇させるためには、水の割合は少ない
ほど好ましい。このため、金属イオン水溶液と金属イオ
ン吸着材料とで錯形成させる場合は、さらに水以外の極
性溶媒を加えて混合するのが好ましい。水以外の極性溶
媒を添加して、水が極性溶媒中で90容量%以下になる
ように調整した極性溶媒中で錯形成を行うのが好まし
い。水以外の極性溶媒としては、メタノール、エタノー
ル等のアルコール類、アセトニトリル等が例示され、特
に、揮発性の点でメタノールが好ましく、安全性の点で
エタノールが好ましい。
して、上記式(2)に沿って、2価の鉛イオンを、共重
合体が1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタクリ
ロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,
2´−インドール)および3−ペルフルオロオクチル−
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの共重合体であ
る金属イオン吸着材料で吸着する際の、金属イオン吸着
材料の変化を以下に説明する。
1(容量比)の混合溶剤と、金属イオン吸着材料とを暗
所下で混合すると、金属イオン吸着材料の共重合体は青
色に呈色して溶けずに沈殿する。これは共重合体中にメ
ロシアニン構造がある程度安定に存在していることを示
す。次に、吸着させる工程として、上記混合物に、2価
鉛イオンの水溶液を、メタノールが液中で10容量%以
上になるように暗所下で添加する。共重合体は迅速に青
色から黄色へ変化し、鉛イオンは式(2)のようにメロ
シアニン構造体と錯体を形成して吸着される。さらに、
遊離させる工程として、可視光(>420nm)を照射
すると、共重合物の沈殿は黄色から無色(白色)に変化
する。これは、式(2)において左方向で示すように、
メロシアニン構造体からスピロピラン構造体への光異性
化と共に、錯形成していた鉛イオンが液中に遊離したこ
とを示す。そして、上記光照射を中止して暗所下とする
と、式(2)において右方向で示すように、迅速に黄色
に戻り、再度メロシアニン構造体へと異性化すると共に
鉛イオンと再度錯形成する。上記いずれの段階でも共重
合体は殆ど液中に溶けずに沈殿している。以上のよう
に、金属イオンの吸着は目視により色と濃度で判断でき
る。
属イオン吸着材料と極性溶媒、好ましくは水以外の極性
溶媒とに、金属イオン水溶液を添加する方法の他、逆に
金属イオン水溶液に、極性溶媒および共重合体を添加す
る方法、カラム等により連続的に金属イオン溶液と吸着
剤とを接触させる方法も挙げられ、特に制限されない。
照射時間と同様に光の照射強度にも対応するため、例え
ば、可視光の照射強度や照射時間により、共重合体から
の金属イオンの遊離速度を制御することができる。ま
た、暗所下とする際に、紫外光の照射で代用しても良
く、ここで、次に可視光を照射する際は同時に紫外光照
射を停止する。
る金属イオンとしては、鉛(II)、亜鉛(II)、銅(I
I)、ニッケル(II)、パラジウム(III)、リチウム
(I)等が例示され、式(2)には2価のイオンが示さ
れているが、特に価数に限定はない。
下、SPMAという。)として1´,3´,3´−トリ
メチル−6−(メタクリロイルオキシ)スピロ(2H−
1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)、フッ化ア
ルコールのメタクリレート(以下、FHMAという。)
として3−ペルフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレートを使用した場合について説明した
が、他のスピロピラン、他のフッ化アルコール、アクリ
レートを使用した式(1)の共重合体も、同様な光応答
性の金属イオン吸着を示す。また、スピロピランは式
(1)におけるセグメント(a)のXが炭素原子、Yが
酸素原子の場合であるが、他のX、Yの組み合わせの場
合も同様である。さらに、共重合体中には、式(1)の
(a)および(b)のセグメント以外に、必要に応じ
て、他のセグメントを含んでも良い。これには、例えば
エチレン性不飽和基を有する化合物を使用できる。
明する。なお、本実施例により本発明を限定するもので
はない。 (スピロピランメタクリレート(SPMA)の合成) (1) 1´,3´,3´−トリメチル−6−ヒドロキシ
スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドー
ル) 4.72g(0.0161mol)(ACROS ORG
ANICS社製、純度99%、FW 293.37、品番42192
-0050)をトルエン(関東化学社製、特級、純度99.
5%、沸点110.625℃) 28ミリリットルに溶
解させた。 (2) メタクリル酸クロライド(ACROS ORGANICS社製、
760mmHgの沸点95〜96℃) 1.84g
(0.0176mol)を、トルエン(同上) 14ミ
リリットルに溶解させた。 (3) 別に、トリエチルアミン(以下、TEAとい
う。)(和光純薬社製、純度99%、品番202-02646)
1.79g(0.0114mol)を用意した。ま
た、アンモニア(関東化学社製、純度28.0〜30.
0%、品番01266-00)400ミリリットルの純水 10
0ミリリットル溶液を1単位として、5単位用意した。 (4) 二口なすフラスコ内に上記(1)で得たスピロピラン
のトルエン溶液と、上記(3)のTEAとを投入し、二口
なすフラスコの一つの口には球入冷却器、もう一方の口
には円筒型分液ロートを装着した。二口なすフラスコを
60℃に保温しながら円筒型分液ロートで上記(2)のメ
タクリル酸クロライドのトルエン溶液を少しずつ滴下し
た後、24時間反応させた。なお、この反応で発生した
塩酸は、TEAで中和された。24時間後に、反応溶液
から未反応のメタクリル酸クロライドとTEAを取り除
くために、反応溶液をトルエン100ミリリットルで希
釈し、次いで分液ロート内に移して上記(3)のアンモニ
ア水溶液を1単位加えた。分液ロートを振り混ぜ、静置
して下層のアンモニア水溶液を取り出し、残りの(3)の
アンモニア水溶液の1単位を加え、同様にして分液を計
5回繰り返した。 (5) アンモニア水溶液の代わりに純水を100ミリリ
ットル加え、同様にしてpHが7になるまで計5回分液
を繰り返した。 (6) 分液ロート上層の液を、エバポレータによりトル
エンを蒸発させ、次いで減圧乾燥させた。これによって
得られた褐色固体をジクロロメタンに溶かしてカラムク
ロマトグラフィにかけ、不純物を分離した。カラムはシ
リカゲル(関東化学社製、品番:9385-4M、Rf:0.
86)、展開溶媒はジクロロメタンを使用した。 (7) カラムから排出した液を、エバポレータでジクロ
ロメタンを蒸発させ、次いで減圧乾燥させてSPMA単
量体である、1´,3´,3´−トリメチル−6−(メ
タクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン
−2,2´−インドール)を1.11g(収率23.5
%)得た。
量体の1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタクリ
ロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,
2´−インドール) (分子量361.44)を500
mg(1.38mmol)用意した。また、フッ化アル
コールのメタクリレート(FHMA)として3−ペルフ
ルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト(分子量562.22)をSPMAと等モル比の78
0mg(1.39mmol)用意した。他に、DMSO
6ミリリットル、重合開始剤AIBN 5.7mg
(SPMAとFHMAの合計モル数の1/80)、重合
禁止剤ハイドロキノン(東京化成工業社製、99.0
%、品番H0186) 15mg、純水を用意した。
Oの3ミリリットルずつに溶かして得た2種の溶液を、
一つの口には球入冷却器、もう一方の口にはゴム栓付き
パスツールピペットを装着した二口なす形フラスコに入
れて混合した。前記フラスコ内に乾燥窒素をパスツール
ピペットから20分間フローさせて装置内から湿気およ
び空気を除去した。オイルバスでフラスコの温度を60
℃に上げ、重合開始剤を加えて3時間反応させた後、重
合禁止剤を加えて反応を止めた。
に少しずつ滴下して沈殿精製した。この沈殿を、ろ紙で
濾別し、さらにメタノール中で再沈殿処理した後、減圧
乾燥して1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタク
リロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−
2,2´−インドール)と3−ペルフルオロオクチル−
2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとの共重合体
(以下、P(SPMA−FHMA)という。) 720
mg(収率56.2%)を得た。この共重合体中の各セ
グメントのモル比を、元素分析の結果から算出したとこ
ろ、SPMA:FHMAは56:44(スピロピランセ
グメント含有率が56mol%)であった。
A) 9.0mgを、メタノール9ミリリットルおよび
純水1ミリリットルの混合溶剤に添加し、暗所、室温で
撹拌したところ、共重合体は液中に溶けずに沈殿して薄
い青色を呈した。次にPb(II)を、濃度が4.0×1
0−5Mとなるように液に添加し(過塩素酸鉛三水塩と
して約0.2mg)、暗所、室温で撹拌したところ、共
重合体の沈殿の色が薄青色から黄色ヘ変化した(式
(2)メロシアニン構造体参照)。充分に変化した後、
可視光(>420nm)を照射した。沈殿は白く変化し
た(式(2)スピロピラン構造体参照)が、光照射を止
めて暗所下とすると再度黄色に戻った(式(2)メロシ
アニン構造体参照)。この光照射と暗所との繰り返しに
よる、共重合体の色の変化は、繰り返し観測された。
よび暗所状態の鉛イオンの液中濃度を、矩形波ボルタン
メトリで電気化学的に定量した。図1にそのグラフを示
す。図1中、プロットは可視光(>420nm)を照
射した状態(式(2)スピロピラン構造体参照)、プロ
ットはの光照射を止めて暗所とした状態(式(2)
メロシアニン構造体参照)である。図1から、鉛イオン
吸着による液中の鉛イオン濃度の増減が確認された。
が、可視光照射に応答して、可逆的に液中の金属イオン
を吸着すると共に、可逆的に呈色が変化する。そして、
金属イオン吸着は色と濃度で目視でも判断できる。これ
により、金属イオンを簡便な操作により容易に、かつ効
率良く回収することができる。また、金属イオン吸着材
料から金属イオンを遊離させた後の金属イオン吸着材料
は、繰り返し使用でき、低コストで稼動できる。さら
に、可視光は低エネルギーであるため吸着材料の劣化が
少ない。
矩形波ボルタンメトリで測定したグラフであり、は光
応答性金属イオン吸着材料が沈殿している極性溶媒中
に、2価の鉛イオンを添加して可視光照射した状態、
はを暗所下に置いた状態である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下式(1)に示すセグメント(a)およ
びセグメント(b)を必須セグメントとする共重合体を
含むことを特徴とする光応答性金属イオン吸着材料。 【化1】 (ただし、式(1)中、R1、R2、R3およびR4は
独立にHまたはCH3であり、R5はアルキル基または
アミド基であり、R6はフッ化アルキル基であり、Xは
炭素原子、窒素原子または硫黄原子であり、Yは酸素原
子または硫黄原子である。) - 【請求項2】 前記セグメント(a)の共重合体中含有
率が70mol%以下である請求項1記載の光応答性金
属イオン吸着材料。 - 【請求項3】 前記共重合体が極性溶媒に不溶または難
溶である請求項1または2記載の光応答性金属イオン吸
着材料。 - 【請求項4】 前記共重合体が、1´,3´,3´−ト
リメチル−6−(メタクリロイルオキシ)スピロ(2H
−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)と、3−
ペルフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタク
リレートとの共重合体である請求項1〜3のいずれか記
載の光応答性金属イオン吸着材料。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の光応答性
金属イオン吸着材料の共重合体と、金属イオンとを、暗
所下で錯形成させる工程と、可視光を照射して金属イオ
ンを共重合体から遊離させる工程とを含むことを特徴と
する金属イオン回収方法。 - 【請求項6】 前記錯形成させる工程では、金属イオン
水溶液と、水以外の極性溶媒と光応答性金属イオン吸着
材料とを混合する請求項5記載の金属イオン回収方法。 - 【請求項7】 前記錯形成させる工程は、水が90容量
%以下である極性溶媒中で行う請求項5または6記載の
金属イオン回収方法。
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