JP2007268444A - 光応答性金属イオン吸着材料および金属イオン回収方法 - Google Patents

光応答性金属イオン吸着材料および金属イオン回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光照射による金属脱離効率の高い透明な膜を形成でき、かつ水中で金属イオンを吸着できる金属イオン吸着材料を提供する。
【解決手段】置換インドール環と酸素又は硫黄含有ベンゾ複素環を有する(メタ)アクリル酸エステルと、親水基を有しかつ置換または非置換のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、架橋剤とを含む単量体成分を共重合させた共重合体を含む光応答性金属イオン吸着材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、光応答性金属イオン吸着材料と、それを用いた金属イオン回収方法に関する。
近年、工場等から排出される産業廃液や産業廃棄物から、効率良く金属イオン、特に鉛イオン等の重金属イオンを回収する方法が、環境汚染防止、産業廃棄物の減量、資源再利用の理由から望まれている。
金属イオンを含む廃液を浄化する方法として、中和凝集沈殿法・硫化ソーダ法・重金属捕集剤法・フェライト法等が実用化されている。これらの方法で廃液を処理した後、金属を回収するステップ、さらに再利用するステップが設けられている。
このうち、重金属捕集剤法は、重金属イオンと錯化合物を形成する捕集剤(例えばシアン化合物)を用いる。捕集処理後の捕集剤に吸着した金属イオンを回収するには、該捕集剤が一般に溶液に可溶なため、捕集剤を酸化処理等の化学反応処理を経て金属イオンから分離した後、金属を陽イオンとして溶液中に単離させて精製・回収している。
上記のような捕集剤による重金属捕集後の重金属回収ステップにおける化学反応処理の実施にあたっては、専門的な知識や技術が要求されるだけでなく、煩雑な操作と、それによる長い処理時間や多大な処理コストとを要した。
そこで、化合物への光の照射の有無により可逆的に変色するフォトクロミック化合物とふっ化アルコールとのセグメントを有する共重合体を含み、光照射に応答して溶液中の金属イオンの捕集と回収との両機能を備える金属イオン吸着材料が提案された(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−053185号公報
しかし、上記の吸着材料は不透明であるため、金属イオンを吸着材料から脱離させて回収するために光を照射する際に、内部まで光が照射されにくく、吸着材料内部に錯形成している金属イオンの脱離効率が低い、という問題点があった。
また、一般的には、回収すべき金属イオンは水溶液の形態で提供されることが多い。しかし上記の吸着材料の場合、有機溶媒を一切含まない水溶液中では金属イオンがフォトクロミック化合物と錯形成しないため、アルコール等の極性溶媒を水溶液に添加する必要があった。このため、極性溶媒を含んだ溶液の取り扱い及び廃棄には注意を要した。
本発明の目的は、照射した光が充分に行き渡り金属イオンを効率良く回収できるように透明な膜を形成でき、かつ金属イオンが有機溶媒を含まない水溶液中で錯形成できる吸着材料を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)に関する。
(1)下式(1)および下式(2)で示される少なくとも一方の基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、
親水基を有しかつ置換基を有することができるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、
架橋剤とを含む単量体成分を共重合させてなる共重合体を含むことを特徴とする光応答性金属イオン吸着材料。
Figure 2007268444
(ただし、式(1)、(2)中、RおよびRは独立に水素原子またはCH基であり、Rはアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基またはアミド基であり、Xは炭素原子または窒素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子であり、ベンゼン環に結合している水素原子は置換されていてもよい。)
(2) 前記親水基がヒドロキシル基である前記(1)記載の光応答性金属イオン吸着材料。
(3) 前記共重合体は下式(3)に示すセグメント(a)およびセグメント(b)を含む前記(1)または(2)記載の光応答性金属イオン吸着材料。
Figure 2007268444
(ただし、式(3)中、R、R、RおよびRは独立に水素原子またはCH基であり、Rはアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基またはアミド基であり、(a)中のベンゼン環に結合している水素原子は置換されていてもよい。Rはヒドロキシル基を有する置換または非置換のアルキル基であり、Xは炭素原子または窒素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。)
(4) 前記共重合体が水に不溶な成形体である前記(1)〜(3)のいずれか記載の光応答性金属イオン吸着材料。
(5) 前記共重合体が、1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)または1´,3´,3´−トリメチル−6−(アクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)と、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと架橋剤とを共重合させてなる共重合体である前記(1)〜(4)のいずれか記載の光応答性金属イオン吸着材料。
(6) 前記(1)〜(5)のいずれか記載の光応答性金属イオン吸着材料を用いて金属イオンを含む水溶液から前記金属イオンを回収用溶媒中へ回収することを特徴とする金属イオン回収方法。
(7) 前記光応答性金属イオン吸着材料の共重合体と、金属イオンとを、暗所下で錯形成させる工程と、可視光を照射して金属イオンを共重合体から脱離させる工程とを含み、前記錯形成させる工程では、金属イオンを含む水溶液を、光応答性金属イオン吸着材料からなる膜とを接触させる前記(6)記載の金属イオン回収方法。
本発明によれば、照射した光が透明な吸着材料の全体に充分に行き渡るため、高い効率で吸着材料から金属イオンを脱離して回収することができる。さらに水中で金属イオンを吸着できるため、水以外の極性溶媒を添加する操作が不要であり、また金属イオン捕集時の溶液及び金属イオン回収後の廃棄する溶液の安全性が向上する。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の光応答性金属イオン吸着材料に含まれる共重合体は、下式(1)および下式(2)で示される基の少なくとも一方を有する(メタ)アクリル酸エステルと、
親水基を有しかつ置換基を有することができるアルキル基を有する、(メタ)アクリル酸エステルと、
架橋剤とを含む単量体成分を共重合させてなる。
Figure 2007268444
(ただし、式(1)、(2)中、RおよびRは独立に水素原子またはCH基であり、Rはアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基またはアミド基である。ベンゼン環に結合している水素原子は置換されていてもよい。Xは炭素原子または窒素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。)
式(1)、式(2)で示される基は金属イオンと可逆的に錯形成する部位を有する基であり、親水基を有しかつ置換基を有することができるアルキル基は、共重合体に親水性を付与して水中での金属イオンの錯形成を促進する。
(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方を示す。
のアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、ドデシル基等が例示される。
式(1)、(2)中のベンゼン環に結合している水素原子は置換されていてもよい。この場合の置換基は例えばメチル基、メトキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、等が例示され、金属イオンとの錯形成効率の点からは、置換しないかまたはメトキシ基、メチル基、アミノ基等の電子供与性の置換基が好ましい。置換する場合の置換基数は、1つのベンゼン環に1または2が好ましい。
前記共重合体は、下記式(3)で示される、(a)のセグメントと、(b)のセグメントとを有することが好ましい。
Figure 2007268444
式(3)中、R、R、RおよびRは独立に水素原子またはCH基であり、Rはアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基またはアミド基である。(a)中のベンゼン環に結合している水素原子は、式(1)、(2)で述べたように置換されていてもよい。Rのアルキル基は、具体的にはメチル基、エチル基、ドデシル基等が例示される。Rはヒドロキシル基を有する置換または非置換のアルキル基である。
Xは炭素原子または窒素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。
セグメント(a)とセグメント(b)と、架橋剤との重合は、ブロック状の共重合であっても、交互やランダムな共重合であっても良く、特に限定されない。また、セグメント(a)またはセグメント(b)の複数種類を併用した共重合体であってもよい。
可視光照射に応答して金属イオンを可逆的に液中で吸着・脱離する、式(1)または(2)の基を有するフォトクロミック化合物として、本発明では、メロシアニン構造を取り得るスピロピラン化合物やスピロオキサジン化合物を使用する。
以下、式(1)および(2)でXが炭素原子でYが酸素原子の場合、すなわち共重合体がセグメント(a)としてスピロピラン系セグメントを有する場合について説明する。
スピロピランは、異性化により、電気的に中性な無色のスピロピラン構造体と、分子内に双性イオンを有するメロシアニン構造体とをとり得る。両者は可視光照射によって液中で可逆的に異性化する。スピロピラン構造体と、メロシアニン構造体との異性化の例を次の式(4)に示す。このスピロピランの挙動はエステル結合しさらに共重合しても同様である。また、式(1)、(2)のどちらの基でエステル結合しても同様の挙動を示す。
Figure 2007268444
式(4)中、R〜R、X、Yは式(1)、(2)と共通である。なお、Xが窒素原子の場合はスピロオキサジンである。Rは水素原子または1価の置換基である。
そして、暗所下では、前記スピロピラン構造がメロシアニン構造体をとるため、共重合体は着色している。このとき、前記液中に金属の陽イオンが溶存していると、メロシアニン構造における酸素原子すなわち式(3)、式(4)におけるY原子は、電子密度が高く、この部位で、陽イオンである金属イオンと錯形成を生じる。
この錯形成はメロシアニン構造体が可視光(>420nm)照射によりスピロピラン構造体に戻ると解消する。すなわち、上記暗所下にあったメロシアニン構造体に、外部から可視光を照射すると、メロシアニン構造体が閉環してスピロピラン構造体に異性化する。この構造体は無色であり、これまで錯形成により吸着していた金属イオンは、脱離して液中に遊離する。
次に、可視光の照射を停止してスピロピラン構造体を暗所下に置くと、再度、メロシアニン構造となり、遊離していた金属イオンと錯形成し、かつ着色する。
暗所下とするには、紫外光の照射で代用しても良い。ここで、次に可視光を照射するときは同時に紫外光照射を停止する。
本発明の光応答性金属イオン吸着材料は、この可逆的に錯形成する基を有する共重合体を含むことにより、金属イオン溶液から金属イオンを吸着させて回収することができる。
具体的には、1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)(以下、SPMAともいう。)を共重合体のための単量体成分として使用するのが好ましい。ここで、メタクリロイル基はアクリロイル基でもよい。
次に、親水基を有しかつ置換基を有することができるアルキル基について説明する。この基は、式(3)のセグメント(b)中のRで示される。本発明においては、共重合体が、例えばヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから得られる(b)のようなセグメントを有することにより、共重合体の親水性が増すと考えられる。親水性が増すことにより、金属イオンを含む溶液の溶媒が水のみであっても、金属イオンとセグメント(a)とが吸着することができるため、従来吸着のために添加していたアルコール等が不要となる。これにより、吸着操作が簡便化され、さらに、金属イオン回収後の溶液の廃棄処理の安全性が向上し、コストも低減される。
は親水基を有するアルキル基であり、置換されていてもよい。アルキル基は分枝状、環状であってもよい。親水基は、ヒドロキシル基、アミノ基、オキシエチレン基等が例示され、ヒドロキシル基が好ましい。親水基の数は特に制限されず、Rの炭素数、セグメント(a)および(b)の共重合比等による金属イオン吸着・脱離効率を考慮して適宜選択される。置換基はアリール基、ビニル基等の炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニルオキシ等の置換されたオキシ基、ニトロ基、カルボニル基、イミノ基等が例示される。
はヒドロキシアルキル基が好ましく、モノヒドロキシプロピル基、モノヒドロキシヒドロキシエチル基が原料入手の点で好ましい。ここで、ヒドロキシル基の位置は特に限定されず、例えばモノヒドロキシプロピル基の場合、1−ヒドロキシプロピル基と2−ヒドロキシプロピル基のいずれでもよい。これらの単量体成分として、モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを使用できる。
金属イオン吸着材料において、セグメント(a)とセグメント(b)との重合比は、セグメント(b)の親水性、膜に要求される厚み等に合わせて適宜選択される。セグメント(a)が多ければ、セグメント(a)内の金属イオンとの錯形成部位の数も単純に増加する一方、共重合体の透明性は劣化する傾向がある。また、セグメント(b)が多ければ、共重合体の親水性増加により金属イオンが前記錯形成部位へ吸着しやすくなるが、セグメント(b)に金属イオンが吸着する(以下、物理吸着という。)量も増加してしまう傾向がある。なお、前記透明性の劣化により照射光が行き渡らず金属イオンが脱離しにくくなるおそれがあるが、吸着材料の膜等の厚みを薄く成形すれば透明性を向上できる。
例えば、セグメント(a)にSPMA、セグメント(b)にモノヒドロキシプロピルメタクリレート(以下、HPMAともいう。)を使用して膜厚150μmのフィルムとする場合、SPMA:HPMAはmol比で10:90をSPMAが超えない比率であれば、共重合体の透明性を実用上充分に維持できるため好ましい。さらにこの場合、SPMA:HPMAが1:99から5:95までの範囲を中心とした配合比が、金属イオン吸着率及び脱離率の点で、より好ましい。
架橋剤は、エチレングリコールジメタクリレート等の一般に用いられる架橋剤を使用できる。架橋剤は共重合体を透明でかつ水に不溶とするために用いられ、含有量は共重合成分中、数モル%程度で充分である。
さらに、共重合体中には、以上に挙げた以外の単量体成分を必要に応じて吸着材料の吸着・脱離作用を妨げない範囲で含んで重合しても良い。これには、例えば親水性を付与する単量体成分、光増感剤、可撓剤等が挙げられる。
以上の共重合成分を重合して共重合体を作製する際に、膜状、粒状、糸状、網状など任意の形状の成形体に成形することができる。膜状のものが作製時の厚みの調整が容易であり、また金属イオンの溶液と接触させやすいため好ましい。
本発明の金属イオン回収方法は、光応答性吸着材料を用いて金属イオンを含む水溶液から前記金属イオンを回収用溶媒中へ回収する。
例えば、前記光応答性金属イオン吸着材料の共重合体と、金属イオンとを、暗所下で錯形成させる工程と、可視光を照射して金属イオンを共重合体から脱離させる工程とを含む。ここで、前記錯形成させる工程では、金属イオンを含む水溶液を、光応答性金属イオン吸着材料からなる膜とを接触させるのが好ましい。
このように錯形成させて共重合体に金属イオンを吸着させた状態で、膜状の吸着材料を取り出して回収用溶媒と接触させる。次に可視光をこの吸着材料に照射して、回収用溶媒中に金属イオンを遊離させれば金属イオンを回収できる。回収用溶媒は水が好ましい。
金属イオン回収方法の実施態様の一例として、2価の鉛イオンを、SPMAとHPMAと架橋剤との共重合体(以下、P(SPMA−HPMA)ともいう。)である金属イオン吸着材料を用いて回収する回収方法を以下に説明する。
図1に、フィルム状に形成した共重合体P(SPMA−HPMA)の紫外可視吸収スペクトルの例を示す。
まず、暗所下で純水中の共重合体の紫外可視吸収スペクトルは、図1の曲線(a)に示すように550nm付近に吸収を有する。これは共重合体のセグメント(a)が、ある程度安定にスピロピラン開環体(メロシアニン構造体)をとっていることを示す。
なお、これに可視光(>420nm)を照射すると図1の曲線(b)に示すように吸収は減衰する。これは、式(4)において左方向で示すように、メロシアニン構造体から、閉環のスピロピラン構造体へ光異性化したことを示す。
鉛イオンを吸着させる工程として、同じ共重合体フィルムを暗所下で、二価の鉛イオンを含む水溶液に浸漬する。金属イオンを含む水溶液と共重合体フィルムとの接触方法は、浸漬のほかに、前記水溶液をチューブ状の共重合体内を通過させる等の方法が挙げられる。鉛イオンは暗所下のメロシアニン構造体と錯形成して共重合体に吸着される。これにより、紫外可視吸収スペクトルは図1の曲線(c)に示すように、420〜430nm付近に吸収を示す。この状態の共重合体フィルムでは、金属イオンと錯形成したメロシアニン構造体と錯形成していないメロシアニン構造体(550nm)と、スピロピラン構造体との三者間の平衡が存在する。
次いで、暗所下を維持したまま、この鉛イオンが吸着している状態の共重合体フィルムを鉛イオン水溶液から取り出し、必要に応じて水分をふき取った後、回収用溶媒に浸漬させる。
次いで、遊離させる工程として、上記の鉛イオンが吸着している共重合体フィルムに可視光を照射すると、メロシアニン構造体からスピロピラン構造体への光異性化と共に、錯形成していた鉛イオンが、共重合体フィルムから脱離し、回収用溶媒中に遊離して回収される。このときの紫外可視吸収スペクトルは図1の曲線(d)に示すようにどちらの吸収も減衰する。
共重合体フィルムを回収用溶媒から取り出して、回収された鉛イオンの溶液が得られる。この溶液を、鉛イオンの各種処理工程に供することができる。
回収用溶媒から取り出した共重合体を暗所下に戻すと、式(4)において右方向で示すように、共重合体は再度メロシアニン構造体へと異性化すると共に鉛イオンと再度錯形成する。以上のように、共重合体は金属イオン回収に繰り返し使用できる。
金属イオンの吸着・脱離は目視により色と濃度で判断することができる。上記共重合体の光応答性は、光の照射時間と同様に光の照射強度にも対応するため、例えば、可視光の照射強度や照射時間により、共重合体からの金属イオンの遊離速度を制御することができる。
また、前記共重合体P(SPMA−HPMA)の蛍光スペクトルを観測すると、暗所下、金属イオン水溶液中の共重合体は、λem540nmの強い蛍光を示す。この蛍光色は緑色であり、励起光はλex450nmの青い光である。このとき共重合体内の開環体(メロシアニン構造)には金属イオンが吸着している。これに可視光を当てると蛍光及び励起光の強度はいずれも下がる。このとき、閉環とともに金属イオンは脱離する。
一方、前記共重合体は、暗所下、純水中ではλem625nmの、観測に充分な程度の強さの蛍光を発する。すなわち金属イオンが無いと暗所下の蛍光色は緑でなく赤になる。このとき励起光はλex580nmである。可視光を当てると同様に蛍光及び励起光の強度は下がる。また、金属イオン水溶液中、純水中ともに、可視光照射を停止してまた暗所下に置くと、共重合体は可逆的に蛍光を発する。
すなわち、光照射して得られる閉環体(スピロピラン構造体)は蛍光は示さないが、暗所下での開環体は蛍光を示す。錯形成時の蛍光は緑であり、形成していないときの蛍光は赤である。これにより、本発明の吸着材料は、水溶液中に金属イオンが含まれているかどうかのセンサーとして利用することもできる。
本発明の吸着材料及び回収方法により、溶液中から吸着して回収できる金属イオンの金属種は、鉛、亜鉛、銅、ニッケル、パラジウム、リチウム、カドミウム、クロム、水銀、ベリリウム、バナジウム、マンガン、コバルト、鉄、金、銀、白金等が例示される。特に金属イオンの価数に限定はない。金属イオンは金属錯イオンも含むものとする。
以上、SPMAとHPMA、を使用した場合について説明したが、セグメント(b)として他のアクリレート、メタクリレートを使用した式(3)の共重合体も、同様な光応答性の金属イオン吸着を示す。また、スピロピランとは式(3)におけるセグメント(a)のXが炭素原子、Yが酸素原子の場合であるが、式(1)、(2)で示される、他のX、Yの組み合わせの場合も同様に光応答性の金属イオン吸着を示す。
以下に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、本実施例により本発明を限定するものではない。なお、実施例中では、鉛イオン水溶液として過塩素酸鉛三水塩の水溶液を使用した。
(スピロピランメタクリレート(SPMA)の合成)
(1) スピロピランとして、1´,3´,3´−トリメチル−6−ヒドロキシスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール) 4.72g(0.0161mol)(ACROS ORGANICS社製、純度99%、Fw 293.37、品番42192-0050)を、トルエン(関東化学株式会社製(蒸留後使用)、特級、純度99.5%、沸点110.625℃) 28.3ミリリットルに溶解させた。
(2) メタクリル酸クロライド(ACROS ORGANICS社製、760mmHgの沸点95〜96℃) 1.84g(0.0176mol)を、トルエン(同上) 14.2ミリリットルに溶解させた。
(3) 別に、トリエチルアミン(以下、TEAという。)(和光純薬工業株式会社製(蒸留後使用)、純度99%、品番202-02646) 1.79g(0.0114mol)を用意した。また、アンモニア(関東化学株式会社製、純度28.0〜30.0%、品番01266-00) 400ミリリットルの純水 100ミリリットル溶液を1単位として、5単位用意した。
(4) 二口なすフラスコ内に上記(1)で得たスピロピランのトルエン溶液と、上記(3)のTEAとを投入し、二口なすフラスコの一つの口には球入冷却器、もう一方の口には円筒型分液ロートを装着した。二口なすフラスコを60℃に保温しながら円筒型分液ロートで上記(2)のメタクリル酸クロライドのトルエン溶液を少しずつ滴下した後、24時間反応させた。なお、この反応で発生した塩酸は、TEAで中和された。24時間後に、反応溶液から未反応のメタクリル酸クロライドとTEAを取り除くために、反応溶液をトルエン100ミリリットルで希釈し、次いで分液ロート内に移して上記(3)のアンモニア水溶液を1単位加えた。分液ロートを振り混ぜ、静置して下層のアンモニア水溶液を取り出し、残りの(3)のアンモニア水溶液の1単位を加え、同様にして分液を計5回繰り返した。
(5) アンモニア水溶液の代わりに純水を100ミリリットル加え、同様にしてpHが7になるまで計5回分液を繰り返した。
(6) 分液ロート上層の液を、エバポレータによりトルエンを蒸発させ、次いで減圧乾燥させた。これによって得られた褐色固体をジクロロメタンに溶かしてカラムクロマトグラフィにかけ、不純物を分離した。カラムはシリカゲル(関東化学株式会社製、品番:9385-4M、Rf:0.86)、展開溶媒はジクロロメタンを使用した。
(7) カラムから排出した液を、エバポレータでジクロロメタンを蒸発させ、次いで減圧乾燥させてSPMA単量体である、1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)を1.11g(収率23.5%)得た。
(共重合体の合成)
<実施例1〜3>
上記で得たSPMA単量体 (分子量361.44)と、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA、和光純薬工業株式会社製、分子量144.17)を表1に示す実施例1〜3の各重合比に対応する量で用意した。
他に、DMF 0.4ミリリットル、重合開始剤AIBN 9.1mg(SPMAとHPMAの合計モル数の1/60)、架橋剤エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA、1.6μl、SPMAとHPMAの合計モル数の0.25%)、精製用メタノール、超純水(ミリポア社製、WR600A、WAX3、TOC:18〜30ppb、18.2MΩ・cm)を用意した。
(表1)
実施例1 実施例2 実施例3
SPMA:HPMA
(モル%比) 1:99 5:95 10:90
SPMA(g) 0.0120 0.0602 0.1205
HPMA(g) 0.4758 0.4565 0.4325
HPMA(ml) 0.4606 0.4420 0.4187
まず、HPMAを沸点72℃、圧力6mmHg、オイルバス設定温度81℃で、EGDMAを沸点70℃、圧力3mmHg、オイルバス設定温度100℃で、DMFを沸点62℃、圧力0.5mmHg、オイルバス設定温度82℃で、それぞれ減圧蒸留した。
サンプルびんに、DMFを入れた後、SPMA、AIBN、EGDMAを入れ、攪拌した後に、HPMAを入れた。
前記びん内に純窒素を30分間フローした。
760mm×520mmのガラス板の外形にあわせて切断したフッ素樹脂シート(デュポン社製、厚さ100μm)を2枚重ね、中央を560mm×320mmの長方形にくりぬいた。
上記フロー後の液を注射器にとり、先端の注射針を上記2枚のフッ素樹脂シート、さらに2枚の上記ガラス板に挟み、ガラス板をクリップで固定した。注射針から液をシートのくりぬき部分に注入し、加熱器内で2.5時間80℃で加熱した。
加熱により液が固化して得られたフィルムをガラス板から剥離し、メタノールに1週間浸漬して精製した後、超純水中で1日浸漬して精製し、真空乾燥させて共重合体P(SPMA−HPMA)のフィルムを得た。このフィルムは水に不溶であった。膜厚は、重合比1:99のフィルムが160μm、重合比5:95のフィルムが170μm、重合比10:90のフィルムが180μmであった。
<実施例4〜6>
HPMAのかわりに2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAという。和光純薬工業株式会社製、分子量130.14)を用いた以外は実施例1〜3と同様にして共重合体P(SPMA−HEMA)のフィルムを製造した。フィルムの厚みは重合比1:99のフィルムが155μm、重合比5:95のフィルムが170μm、重合比10:90のフィルムが180μmであった。
<実施例7>
SPMA:HEMAを20:80として実施例4〜6と同様にして共重合体P(SPMA−HEMA)のフィルムを製造した。フィルムの厚みは180μmであった。
<実施例8>
ガラス板に挟むフッ素樹脂シートを1枚のみとした以外は実施例7と同様にして共重合体P(SPMA−HEMA)のフィルムを製造した。フィルムの厚みは90μmであった。
<合成例1〜2>
SPMAを用いずに、P(HPMA)およびP(HEMA)のフィルムをそれぞれ製造した。
(共重合体の光応答性)
上記実施例1で得た共重合体P(SPMA−HPMA)フィルム(共重合比1:99)の紫外可視吸収スペクトルを図1に示す。
まず、純水中暗所下でフィルムの紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、図1の曲線(a)に示すように550nm付近にスピロピラン開環体(メロシアニン構造体)由来の吸収帯が出現した。
これに可視光を照射すると図1の曲線(b)に示すように吸収帯は減衰した。
別に、実施例1で得たフィルムを暗所下で、フィルム内のSPMAと等量モルの二価の鉛イオンの水溶液に投入したところ、図1の曲線(c)に示すようにスピロピラン開環体と鉛イオンの錯形成由来の420〜430nm付近に吸収を示した。次いで、これに可視光を照射すると、図1の曲線(d)に示すようにどちらの吸収も減衰して曲線(b)と同様となった。可視光照射を停止すると再度吸収が現れた。これにより、可逆的なSPMAの光応答性が確認された。
実施例4で得た共重合体P(SPMA−HEMA)フィルムでも、同様の紫外可視吸収スペクトルの挙動が測定された。この光照射と暗所との繰り返しによる、共重合体P(SPMA−HEMA)フィルムの420nmにおける吸光度の変化を30回繰り返し観測したところ、1回目から30回目までほぼ同一であり、耐久性に優れることがわかった。
(鉛イオンの吸着脱離率)
二価の鉛イオンPb2+の10μM、20μM、30μMおよび40μM水溶液を矩形波ボルタンメトリ(SWV)に供して、鉛イオンの液中濃度を得るために電流−濃度の検量線を求めた。
Pb2+の40μM水溶液をSWVに供した。結果のグラフを図2の曲線(a)に示す。
実施例1で得た共重合体P(SPMA−HPMA)フィルム(共重合比1:99)を、SPMAが鉛イオンの10倍のモル量になるような量で、上記鉛イオン40μM水溶液を満たした測定容器側面内に暗所下で貼付し、暗所下で保持した後、SWVに供した。結果のグラフを図2の曲線(b)に示す。
次に可視光をこれに照射してSWVに供した。結果のグラフを図2の曲線(c)に示す。さらに光照射を止めて暗所下とすると曲線(b)に戻ることを確認した。
合成例1の重合体P(HPMA)フィルムを同様に鉛イオン40μM水溶液に投入してSWVに供した。結果のグラフを図2の曲線(d)に示す。
図2の曲線(a)に示すように、Pb2+の40μM水溶液の還元電位は−0.50V、還元電流値は4.7μAであった。(a)と(b)との電流差はフィルムに吸着された鉛イオン量を示し、検量線から算出したところ、水溶液中の鉛イオンのうちフィルムへ吸着した鉛イオンは71%であった。
(c)と(b)との電流差は脱離して水溶液中に戻った鉛イオン量を示し、算出したところ、フィルムへ吸着された鉛イオンのうち脱離したのは71%であった。
(a)と(d)との電流差はHPMAに吸着された鉛イオン量を示し、算出したところ、水溶液中の鉛イオンのうちHPMAへ吸着した鉛イオンは20%であった。
さらに、(c)と(d)との電流値がほぼ等しいことから、フィルムのうちSPMAに吸着した鉛イオンは、殆どが脱離したことがわかり、この脱離率は99%と高い脱離効率を示した。
実施例2〜6のフィルムについても同様に鉛イオンの吸着脱離率を測定した。これらの結果を表2および表3に示す。
(表2)
実施例1 実施例2 実施例3
SP:HP
(モル%比) 1:99 5:95 10:90
SPとHPへの吸着率[%] 71 60 57
上記吸着分の脱離率[%] 71 81 68
物理吸着(HPへの吸着)率[%] 20 5.5 5.1
SPへの吸着率[%] 64 58 55
SPへの吸着分の脱離率[%] 99 90 74
(表3)
実施例4 実施例5 実施例6
SP:HE
(モル%比) 1:99 5:95 10:90
SPとHEへの吸着率[%] 70 67 57
上記吸着分の脱離率[%] 41 50 43
物理吸着(HEへの吸着)率[%] 42 21 8.7
SPへの吸着率[%] 51 42 47
SPへの吸着分の脱離率[%] 100 72 51
表2、3から、共重合体内でSPMAの割合が高いと、光照射の際にフィルム内部まで光が届きにくく、脱離されない鉛イオンが増加して脱離率が低下することがわかる。一方、共重合体内で親水性のHPMAやHEMAの割合が高いと、これらに鉛イオンが吸着する物理吸着量も高くなることがわかる。さらに、P(SPMA−HPMA)とP(SPMA−HEMA)とを比較しても、親水性の高いP(SPMA−HEMA)は物理吸着量が高いことがわかる。
(フィルム厚さと金属イオン脱離率)
実施例7で作製した厚さ180μmのP(SPMA−HEMA)フィルム1枚と、実施例8で作製した厚さ90μmのP(SPMA−HEMA)フィルム2枚とで、それぞれ上記と同様にしてSWVにより鉛イオンの吸着・脱離率を測定した。なお、フィルム2枚は並べて測定した。
結果を図3に示す。図3の(a)が厚さ180μmのフィルム1枚、(b)が厚さ90μmのフィルム2枚である。それぞれの曲線(a)〜(d)は、図2の曲線(a)〜(d)と同じ測定条件であり、物理吸着量(d)測定にはP(HPMA)フィルムの代わりに合成例2のP(HEMA)フィルムを使用した。
図3から、薄いフィルムにすることによりフィルム内部に光が当たりやすくなり、曲線(c)で示される鉛イオン脱離量が向上したのがわかる。
図1は本発明の実施例において共重合体P(SPMA−HPMA)の紫外可視吸収スペクトルを測定したグラフであり、曲線(a)は純水中暗所下、曲線(b)は純水中可視光照射、曲線(c)は鉛イオン水溶液中暗所下、曲線(d)は鉛イオン水溶液中可視光照射のスペクトルである。 図2は本発明の実施例において鉛イオンの液中濃度を矩形波ボルタンメトリで測定したグラフであり、曲線(a)はPb2+水溶液、曲線(b)は前記水溶液に共重合体P(SPMA−HPMA)フィルムを暗所で添加したもの、曲線(c)は前記フィルムに可視光を照射したもの、曲線(d)は重合体P(HPMA)フィルムをPb2+水溶液に添加したものの還元電流値を示す。 図3は本発明の実施例において鉛イオンの液中濃度を矩形波ボルタンメトリで測定したグラフである。図3の(a)の曲線(a)はPb2+水溶液、曲線(b)は前記水溶液に厚さ180μmのP(SPMA−HEMA)フィルム1枚を暗所で加えたもの、曲線(c)は次いで前記フィルムに可視光を照射したもの、曲線(d)は重合体P(HEMA)フィルムをPb水溶液に加えたものの還元電流値を示す。図3の(b)は、曲線(b)および曲線(c)で前記水溶液に厚さ90μmのP(SPMA−HEMA)フィルム2枚を用いた以外は図3の(a)と同じである。

Claims (7)

  1. 下式(1)および下式(2)で示される少なくとも一方の基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、
    親水基を有しかつ置換基を有することができるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、
    架橋剤とを含む単量体成分を共重合させてなる共重合体を含むことを特徴とする光応答性金属イオン吸着材料。
    Figure 2007268444
    (ただし、式(1)、(2)中、RおよびRは独立に水素原子またはCH基であり、Rはアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基またはアミド基であり、Xは炭素原子または窒素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子であり、ベンゼン環に結合している水素原子は置換されていてもよい。)
  2. 前記親水基がヒドロキシル基である請求項1記載の光応答性金属イオン吸着材料。
  3. 前記共重合体は下式(3)に示すセグメント(a)およびセグメント(b)を含む請求項1または2記載の光応答性金属イオン吸着材料。
    Figure 2007268444
    (ただし、式(3)中、R、R、RおよびRは独立に水素原子またはCH基であり、Rはアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基またはアミド基であり、(a)中のベンゼン環に結合している水素原子は置換されていてもよい。Rはヒドロキシル基を有する置換または非置換のアルキル基であり、Xは炭素原子または窒素原子であり、Yは酸素原子または硫黄原子である。)
  4. 前記共重合体が水に不溶な成形体である請求項1〜3のいずれか記載の光応答性金属イオン吸着材料。
  5. 前記共重合体が、1´,3´,3´−トリメチル−6−(メタクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)または1´,3´,3´−トリメチル−6−(アクリロイルオキシ)スピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2´−インドール)と、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートまたはヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと架橋剤とを共重合させてなる共重合体である請求項1〜4のいずれか記載の光応答性金属イオン吸着材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の光応答性金属イオン吸着材料を用いて金属イオンを含む水溶液から前記金属イオンを回収用溶媒中へ回収することを特徴とする金属イオン回収方法。
  7. 前記光応答性金属イオン吸着材料の共重合体と、金属イオンとを、暗所下で錯形成させる工程と、
    可視光を照射して金属イオンを共重合体から脱離させる工程とを含み、前記錯形成させる工程では、金属イオンを含む水溶液を、光応答性金属イオン吸着材料からなる膜とを接触させる請求項6記載の金属イオン回収方法。

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