JPH05320227A - 感光性高分子製造方法 - Google Patents

感光性高分子製造方法

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JPH05320227A
JPH05320227A JP13025892A JP13025892A JPH05320227A JP H05320227 A JPH05320227 A JP H05320227A JP 13025892 A JP13025892 A JP 13025892A JP 13025892 A JP13025892 A JP 13025892A JP H05320227 A JPH05320227 A JP H05320227A
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JP
Japan
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polymer
side chain
acid chloride
photosensitive
compound
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JP13025892A
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English (en)
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Masamitsu Uehara
正光 上原
Makoto Taniguchi
谷口  誠
Kazuhiko Kitamura
和彦 北村
Isao Ishii
勲 石井
Isao Mizuma
功 水間
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酸クロリド基を側鎖に含む高分子とアミノ基ま
たは水酸基を側鎖に含む感光性分子との反応により感光
性高分子を合成する。従来のモノマー重合では目的分子
量の高分子は得られなかったが、反応性高分子と感光材
料との反応により目的分子量の感光性高分子を合成す
る。 【構成】下記の方法により感光性高分子を合成する。○
は感光性材料を示す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光体に関する。更に
詳細には、特定波長の光照射によって、双極子モーメン
ト、濡れ性、吸収スペクトル等の物性変化が制御可能な
感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平1ー255857号公報には、光
照射に伴う可逆的な異性化によって濡れ性を変化させる
物質(以下、「感光性材料」という)を含んで構成され
た像形成体に、露光と現像を行い、像形成体の表面にイ
ンクを選択的に付着させ、このインク画像を記録媒体に
転写、定着して印刷物を作成する画像形成装置が記載さ
れている。該像形成体に用いるには、アゾベンゼン系、
スピロピラン系、スピロオキサジン系等の感光性材料を
ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリス
チレンのような高分子中に分散させていた。また、光異
性化状態の不安定な感光性材料は高分子側鎖に導入され
ることにより光異性化状態が安定することが知られてい
る。そこで、光異性化状態を安定させる目的で感光性材
料を高分子側鎖に導入する場合は、感光性材料を含むモ
ノマーの重合あるいは、感光性材料を含むモノマーと他
のモノマーの共重合により感光性材料を側鎖に含む感光
性高分子を合成し、該感光性高分子を像形成体として用
いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の画像形
成装置において、感光性材料を高分子中に分散させ像形
成体に用いた場合、感光性材料の光異性化状態が不安定
で、印刷物が不鮮明であった。また、光異性化状態を安
定化させる目的で感光性材料を含むモノマーの重合で感
光性高分子を合成した場合、高分子量の感光性高分子が
得られないため、該感光性高分子を像形成体に用いて
も、該感光性高分子がインクに溶解するという技術的課
題もあった。
【0004】以上のような技術課題を解決するために、
本発明の目的とするところは、感光性材料を側鎖に含む
高分子量の感光性高分子を合成し、該感光性高分子を特
開平1ー255857号公報記載の画像形成装置の像形
成体に用いることにより、鮮明で美しい印刷物を得るこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性高分子製
造方法は、高分子側鎖に有する酸クロリド基と、アミノ
基または水酸基を有する感光性材料の該アミノ基または
水酸基との反応で合成されることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の上記構成によれば、特定波長の光照射
にともなう感光性材料の可逆的な光異性化によって、双
極子モーメント、濡れ性、吸収スペクトル等の物性変化
の微調節が可能になる。また、本発明の感光性高分子を
画像形成装置の像形成体に応用すると、感光性材料の光
異性化状態を安定化させ、鮮明な印刷物が得られる。
【0007】
【実施例】本発明の感光性高分子製造方法を以下に示し
た。
【0008】
【化4】
【0009】アミノ基,水酸基に結合している○は感光
性材料を示す。
【0010】酸クロリド基を側鎖に含む高分子と、アミ
ノ基または水酸基を有する感光性材料との反応により、
酸アミド結合またはエステル結合を生成し、感光性材料
は高分子側鎖に導入される。本発明の目的は、感光性高
分子を画像形成装置の像形成体に使用することにあるか
ら、像形成体に使用できば、全ての高分子側鎖で酸クロ
リド基と感光性材料との反応が起きても起きていなくて
もよい。また、さらに他の種類の感光性材料や感光性材
料以外の材料を側鎖に導入して、感光性高分子の物性を
調節してもよい。感光性材料としては、濡れ性変化を伴
う光異性化が可能であれば特に制限はないが例えば、シ
スートランス異性化分子であるアゾベンゼン系、スチル
ベン系化合物誘導体、開ー閉環異性化分子であるスピロ
ピラン系、スピロオキサジン系、フルギド系化合物誘導
体、あるいはニトロベンジル、トリフェニルメタノー
ル、インジゴ、ジヒドロプレン、アニル化合物等が適宜
用いられる。また、本発明で、高分子側鎖に導入される
感光性材料は1種類に限定するものではなく、目的に応
じて感光性材料を適宜複数種類選択してもよい。高分子
主鎖としては、側鎖に酸クロリド基が含まれていれば特
に制限はない。ポリアクリル酸クロリド、ポリメタクリ
ル酸クロリド等を適宜用いればよい。
【0011】実施例−1 次に、本発明の感光性高分子製造方法を具体的に説明す
る。本発明によって合成された感光性高分子が化合物1
である。
【0012】
【化5】
【0013】化合物1においてX,Yがそれぞれ水素に
対応した構造について、その合成方法を述べる。化合物
1はポリアクリル酸クロリドとp−アミノアゾベンゼン
の反応により合成される。化合物1中に存在している酸
クロリド基は、側鎖での反応が100%でないことを示
している。ポリアクリル酸クロリドはポリサイエンス
(株)製を用いた。数平均分子量は約120万、重合度
約13000。p−アミノアゾベンゼン9.2g(0.
044モル)とトリエチルアミン0.022molを酢
酸エチル100mlに溶解した。前記ポリアクリル酸ク
ロリド2g(側鎖酸クロリド基約0.022mol)を
酢酸エチル20mlに溶解した。p−アミノアゾベンゼ
ンの酢酸エチル溶液を常温で攪はんしながら、ポリアク
リル酸クロリドの酢酸エチル溶液を滴下する。滴下時間
は約30分。滴下終了後、約3時間常温で攪はんした
後、80℃まで加温して2時間攪はんした。攪はん終了
後、トリエチルアミン塩酸塩の白色沈澱を濾過により除
去し、濾液を約4倍量の石油エーテルに流し込むとポリ
マーの沈澱が生成する。ポリマーの沈澱を濾過し、少量
のテトラヒドロフラン(THF)に溶かし、溶液を石油
エーテルに流し込みポリマー沈澱を濾過する。生成した
ポリマーに対して以上の操作を3回行い、ポリマーを精
製した。乾燥させた合成ポリマーを元素分析したとこ
ろ、感光材料であるアゾベンゼンのポリマー側鎖導入率
は60%であった。よって、分子量約120万のポリア
クリル酸クロリドでは約78000個の酸クロリド基が
反応している。合成ポリマー中には未反応の酸クロリド
基が残存している。残存の酸クロリド基は必要があれば
メタノールやエタノール等のアルコールとの反応によ
り、エステル結合に変換させることも出来る。化合物1
を画像形成装置の像形成体に応用したところ、インクに
対する溶解性はなく、感光性材料の光異性化状態が安定
していて、非常に鮮明で美しい印刷物を得ることができ
た。
【0014】また、ポリアクリル酸クロリドとp−ヒド
ロキシアゾベンゼンの反応においてはエステル結合を生
成し、アゾベンゼンを高分子側鎖に導入することができ
た。合成された感光性高分子を画像形成装置の像形成体
に応用すると化合物1の場合と同様に鮮明な印刷物を得
ることができた。さらに、化合物1のX,YをF,B
r,NO2 ,CN,CH3 ,C25,CF3 にしても、
同様に鮮明な印刷物を得た。
【0015】比較例−1 実施例−1の比較例として、アゾベンゼンを側鎖に含む
モノマーの重合による感光性高分子の合成を述べる。化
合物2(パラフェニルアゾアクリルアニリド:PAA
N)、化合物3(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト:HEMA)は共重合に用いるモノマーである。
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】化合物2の合成法を述べる。化合物2は、
47.34g(0.24mol)のp−アミノアゾベン
ゼンと29.14g(0.288mol)のトリエチル
アミンを240mlの酢酸エチルに溶解し、ここに2
6.07g(0.288mol)のアクリル酸クロリド
を滴下することにより合成した。反応液を濃縮、濾過、
水洗することにより、約40gの粗製物を得た。粗製物
をエタノールー水の1:1混合溶媒で2回再結晶し、約
21gの化合物2の精製物を得た。前記精製物の赤外吸
収スペクトルにおいて、第2級酸アミドの吸収ピークが
1650cm-1及び1550cm-1付近に確認できるこ
とで、精製物が化合物2であることは明らかである。ま
た、化合物2は通常トランス体構造で安定化し350n
m付近の光照射により光異性化しシス体構造をとる。シ
ス体構造に対して、450nm以上の光を照射すること
により、トランス体に異性化した。
【0019】化合物2のみの重合では重合率が極めて低
いので、化合物3との共重合を行なう。化合物2と化合
物3の共重合の方法を述べる。化合物2を3.719g
(0.0148mol)、化合物3を0.677g
(0.0052mol)、α,α’ーアゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)0.33g(0.0002mo
l)及びジメチルホルムアミド(DMF)20mlを窒
素気流下で仕込み、冷却脱気と窒素置換を行なった。溶
液を攪はんしつつ60℃に加熱し約13時間反応させ
た。反応液を酢酸エチル−ジエチルエーテル(1:1)
360mlに注ぐとオレンジ色のポリマーが沈澱する。
このポリマーを濾過し、さらにTHFに溶解し、酢酸エ
チルージエチルエーテル(1:1)で再沈澱させる操作
を4回繰り返すことにより精製し、0.63gのポリマ
ーを得た。数平均分子量は33100であった。また、
元素分析によると化合物2:化合物3の重合比率は6
0:40であった。よって、分子量33100の合成ポ
リマーでは97個の化合物2がポリマー中に取り込まれ
ている。化合物2と化合物3の共重合による合成ポリマ
ーを画像形成装置の像形成体に使用したところ、該合成
ポリマーはインクへの溶解性を示し、鮮明な印刷物は得
られなかった。
【0020】実施例−1において合成されたポリマー
(化合物1)と比較すると、比較例−1のモノマーの重
合で合成される感光性高分子はアゾベンゼンの側鎖導入
率は同じ60%でありながら分子量が小さく、しかもイ
ンクへの溶解性を示した。よって、アゾベンゼンを側鎖
に含む感光性高分子を合成するには、実施例−1の酸ク
ロリド基を側鎖に含む高分子とアミノアゾベンゼンとの
反応が有効である。また実施例−1に於てポリマーの分
子量を調節するには、反応に用いるポリアクリル酸クロ
リドの分子量を選択する事で感光性高分子の分子量を調
節できる。
【0021】実施例−2 本発明によって合成される第2の感光性高分子が化合物
4である。
【0022】
【化8】
【0023】化合物4の合成は、まず1,3,3ートリ
メチルインドリノー6’ーヒドロキシースピロベンゾピ
ランの合成を行なった。51.06g(0.37mo
l)の2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドと64.
12g(0.37mol)の1,3,3ートリメチルー
2ーメチレンインドリンをTHF中で還流温度で約5時
間反応させた。その間に生成する水は共沸により除い
た。反応液を水酸化ナトリウム水溶液で洗い、さらに水
で洗った後、減圧下でTHFを留去した。得られた生成
物をシクロヘキサンから再結晶することにより62.2
gの1,3,3−トリメチルインドリノー6’ーヒドロ
キシスピロベンゾピランの粉末を得た。次に、1,3,
3−トリメチルインドリノー6’ーヒドロキシスピロベ
ンゾピラン12.9g(0.044mol),ポリメタ
クリル酸クロリド2.3g(側鎖酸クロリド基約0.0
22mol)とトリエチルアミン0.022molを酢
酸エチル中で反応させた。常温で3時間反応させた後、
さらに3時間還流温度で反応させた。攪はん終了後、ト
リエチルアミン塩酸塩の白色沈澱を濾過で除去し、濾液
を約4倍量の石油エーテルに流し込むとポリマーの沈澱
が生成する。ポリマーの沈澱を濾過し、少量のTHFに
溶かし、溶液を石油エーテルに流し込み生成するポリマ
ー沈澱を濾過する。生成したポリマーに対して以上の操
作を3回行い、ポリマーを精製した。精製ポリマーの赤
外吸収スペクトルの測定において1750cm-1付近に
エステル結合のピークを確認した。よって、1,3,3
−トリメチルインドリノー6’ーヒドロキシスピロベン
ゾピランはポリマー側鎖に導入されている。乾燥させた
合成ポリマーを元素分析したところ、感光材料である
1,3,3−トリメチルインドリノー6’ーヒドロキシ
スピロベンゾピランのポリマー側鎖導入率は約50%で
あった。よって、数分子量約140万のポリメタクリル
酸クロリドでは約6000個の酸クロリド基が反応して
いる。合成ポリマー中には未反応の酸クロリド基が残存
している。残存の酸クロリド基は必要があればメタノー
ルやエタノール等のアルコールとの反応により、エステ
ル結合に変換させることも出来る。化合物4を画像形成
装置の像形成体に用いたところ、化合物4のインクへの
溶解性は確認されず、鮮明な印刷物を得ることができ
た。
【0024】また、1,3,3ートリメチルインドリノ
ー6’ーアミノースピロベンゾピランとポリメタクリル
酸クロリドの反応では、アミノ基と酸クロリド基の反応
から酸アミド結合を生成した。よって、スピロベンゾピ
ランは高分子側鎖に約50%導入され、感光性高分子を
得た。前記感光性高分子を画像形成装置の像形成体に応
用したところ鮮明な印刷物を得た。
【0025】比較例−2 実施例−2の比較例として、スピロベンゾピランを側鎖
に含むモノマーの重合で感光性高分子を合成した例を述
べる。化合物5は、重合に用いたモノマーである。
【0026】
【化9】
【0027】化合物5の合成方法を述べる。実施例−2
において合成した1,3,3ートリメチルインドリノー
6’ーヒドロキシスピロベンゾピラン35.2g(0.
12mol)とトリエチルアミン12.1g(0.12
mol)を酢酸エチルに溶解させ、メタクリル酸クロリ
ド10.5g(0.1mol)の酢酸エチル溶液を滴下
することにより合成した。前記合成物の赤外吸収スペク
トルによりエステル結合のピークを1750cm-1に確
認し、化合物5であることを確認した。
【0028】化合物5のみでの重合したポリマーは分子
量は2000〜3000程度が限度あり、水溶性があり
画像形成装置の像形成体には応用できない。そこで、化
合物5とHEMAとの共重合によりポリマーを合成し
た。化合物5とHEMAをDMFに溶かし、AIBNを
重合開始剤に用いて共重合させた感光性高分子を得た。
該感光性高分子の数平均分子量は約1万で化合物5と化
合物3(HEMA)の重合比率はほぼ50:50であっ
た。しかし、該感光性高分子に於いてもインクへの溶解
性があり、画像形成装置の像形成体には応用できなかっ
た。
【0029】よって、スピロベンゾピランをポリマー側
鎖に導入するには、モノマーの重合から合成するよりも
酸クロリド基を側鎖に含む高分子と1,3,3ートリメ
チルインドリノー6’ーヒドロキシスピロベンゾピラン
の反応で合成する方が、側鎖導入率が同じ50%であっ
ても、高分子量化が可能である。また、実施例−2では
酸クロリド基を側鎖に含む高分子の分子量を選択するこ
とにより、合成される感光性高分子の分子量を調節でき
る。
【0030】ここで、本発明の感光体の光異性化の可逆
的な制御の方法を述べる。本発明で合成される感光性高
分子は、特定波長の光照射により可逆的に異性化し、高
分子の物性を可逆的に制御するものである。制御の方法
としては照射波長、強度、照射時間、さらには感光基の
種類、感光基の側鎖導入率、高分子の分子量の選択によ
って行う。
【0031】光異性化の波長の制御による塗れ性の制御
の方法を簡単に説明する。感光性材料は、λ1波長の光
照射により通常安定なA構造からB構造に光異性化し、
塗れ性が大きくなり、さらにλ2波長の光照射によりB
構造からA構造に可逆的に光異性化する。例えばアゾベ
ンゼン系化合物などが感光性材料に対応する。
【0032】
【数1】
【0033】以上ような性質の感光性材料を側鎖に含む
感光性高分子を用いた場合は、λ1の波長の光照射によ
り感光性材料をB構造に光異性化させる。光異性化した
感光性材料はλ2波長の光照射により可逆的にA構造に
戻り、塗れ性を小さくする。ここでλ1、λ2、の波長
は同じあるいは異なっていてもよい。
【0034】例えば、本実施例1における化合物1にお
いては、λ1が350nm付近の紫外光であれば高分子
側鎖のアゾベンゼンがトランス体からシス体に光異性化
し、次に450nm以上のλ2によりアゾベンゼンはシ
ス体からトランス体に光異性化した。
【0035】また、感光性材料の高分子側鎖導入率の選
択、λ1、λ2波長の光照射時間、強度の選択で更に段
階的な塗れ性変化が実現できる。以上のような性質か
ら、本発明の感光体は特開平1ー255857号記載の
画像形成装置の像形成体として利用することが出来た。
【0036】ここで、特開平1ー255587号記載の
画像形成装置を図1を用いて簡単に説明する。基体1上
に本発明の感光性高分子製造方法によって合成された感
光性高分子を塗布してなる像形成体2は、円筒形をなす
ドラムであり、矢印3の方向へ回転駆動される。像形成
体2は、露光器4による選択的露光によって感光性材料
が光異性化し、像形成体2上に潜像が形成された。形成
された潜像は、現像装置5を通過するときにインク6に
よって顕像化された。この場合は、選択的露光により光
異性化された潜像7部分の塗れ性が、非露光部分よりも
大きくなるような感光体を用いたため、選択的な露光部
分7のみに選択的に極性のインクが付着した。しかし、
これは本発明を限定するものではなく選択的露光により
光の照射部分の塗れ性が小さくなるような感光体を光可
逆異性化層に用いてもよい。
【0037】したがって、露光器4の選択的露光によっ
て、ネガ像を得る場合はインクを極性溶媒とし、ポジ像
を得る場合にはインクを非極性溶媒にすればよい。ここ
で、現像装置5は、インク供給器8とインクカートリッ
ジ9とから構成されており、インク6は複数のローラお
よびローラ面の粗さによってインク厚を調整て像形成体
2の表面に供給される。そしてこの像形成体2は、像形
成体2と同期して移動している記録媒体10と接触し、
圧力定着機11によって、インク画像が像形成体2から
記録媒体10に転写、定着され、非常に鮮明な印刷物得
た。転写を終えた像形成体2は、表面の未転写インクを
クリーニング装置12によって除去された。その後、像
形成体2は、イレーズランプ13の光照射によって可逆
的に光異性化し、露光器4による光照射前の状態に戻さ
れた。
【0038】本発明によって合成される感光性高分子を
前記のような画像形成体装置に利用する際には、感光性
高分子を適当な溶媒に分散させたものを基体1上に塗
布、吹き付けるなどの処理を行なうことにより用いるこ
とができた。さらに、像形成体2中に有機ニッケル錯
体、ヒンダートアミン系、ビスセバケート系等の分光増
感剤や、可逆的または不可逆的の連鎖反応のトリガ−材
料を混入させてもよい。あるいは、感光性高分子の側鎖
に、分光増感剤のような光異性化を起こさないさらに他
の種類の感光性材料を導入して、照射光のエネルギー吸
収率を大きくして、その効果で、感光性材料の光異性化
を効果的に行なってもよい。この際にも、高分子側鎖の
酸クロリド基とアミノ基または水酸基を含む分光増感剤
等の反応によって簡単に、高分子側鎖に導入できる。
【0039】
【発明の効果】本発明の感光性高分子の製造方法によれ
ば、目的の感光材料を目的の分子量の高分子側鎖に導入
できる。具体的には、反応に用いる酸クロリド基を側鎖
に持った高分子の分子量の選択、感光性材料の対高分子
モル比の選択、反応条件の選択によって、合成される感
光性高分子の分子量、感光性材料導入率を非常に広範囲
に制御できる。これは、従来の感光性材料を含むモノマ
ーの重合では合成が不可能であった感光性高分子の合成
を可能にするものである。本発明の感光性高分子製造方
法で合成された感光性高分子を画像形成装置の像形成体
に応用したところ非常に鮮明で美しい印刷物を得た。そ
れは、使用するインクに対して、最適の濡れ性を示す感
光性材料を、最適の分子量の高分子側鎖に導入できるか
らである。その結果、従来では使用不可能であったイン
クにつても画像形成装置での使用を可能にするという効
果もあった。
【0040】さらに、本発明の感光性高分子製造方法で
は次に示す様な効果もあった。従来の感光性材料を含む
モノマーの重合では、はじめに感光性材料を含むモノマ
ーを合成し、次に該モノマーの重合をしていた。つま
り、感光性材料が反応に用いられてから、2段階の反応
であり、感光性材料の損失量が非常に多かった。しか
し、本発明の感光性高分子製造方法によれば、感光性材
料が反応に用いられてから1段階で合成するために感光
性材料の損失量は非常に少ない。これは、高価な感光性
材料を用いて感光性高分子を合成する場合に特に有効で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって合成される感光性高分子を像形
成体に応用した、画像形成装置を示した図。
【符号の説明】
2 像形成体 4 露光器 5 現像装置器 10 記録媒体 12 クリーニング装置 13 イレーズランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 勲 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内 (72)発明者 水間 功 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子の側鎖に有する酸クロリド基と、ア
    ミノ基または水酸基を有する感光性材料の該アミノ基ま
    たは水酸基との反応で合成されることを特徴とする、感
    光性高分子製造方法。
  2. 【請求項2】下記一般式で示される高分子の側鎖に有す
    る酸クロリド基と、アミノ基または水酸基を有する感光
    性材料の該アミノ基または水酸基との反応で合成される
    ことを特徴とする、感光性高分子製造方法。(但し、j
    は2以上の整数を示し、k,l,m,nは0以上の10
    以下の整数を示す。) 【化1】
  3. 【請求項3】ポリアクリル酸クロリドの側鎖の酸クロリ
    ド基と、アミノ基または水酸基を有する感光性材料の該
    アミノ基または水酸基との反応で合成されることを特徴
    とする、感光性高分子製造方法。
  4. 【請求項4】ポリメタクリル酸クロリドの側鎖の酸クロ
    リド基と、アミノ基または水酸基を有する感光性材料の
    該アミノ基または水酸基との反応で合成されることを特
    徴とする、感光性高分子製造方法。
  5. 【請求項5】高分子の側鎖に有する酸クロリド基と、下
    記一般式で示されるアゾベンゼン化合物のアミノ基また
    は水酸基との反応で合成されることを特徴とする、感光
    性高分子製造方法。(ただし、X,YはH,F,Br,
    NO2 , CN,CH3 ,C25,CF3 を示し、Zは
    NH2 またはOHを示す。) 【化2】
  6. 【請求項6】高分子の側鎖に有する酸クロリド基と、下
    記一般式で示されるスピロベンゾピランのアミノ基また
    は水酸基との反応で合成されることを特徴とする、感光
    性高分子製造方法。(但し、ZはNH2 またはOHを示
    す。) 【化3】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998012238A1 (fr) * 1996-09-18 1998-03-26 Clariant International Ltd. Polymer absorbant la lumiere, procede de synthese de ce polymere, et composition filmogene et film antireflexion prepares au moye n de ce polymere
US6321652B1 (en) 1997-02-06 2001-11-27 Star Micronics Co., Ltd. Image forming and plate making method and apparatus
WO2001063345A3 (en) * 2000-02-23 2001-11-29 Univ Pittsburgh Photochemically controlled photonic crystal diffraction
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