JP2003052822A - 歯科用カートリッジ式電動注射装置における受け筒の取付装置 - Google Patents

歯科用カートリッジ式電動注射装置における受け筒の取付装置

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 薬液カートリッジを電動注射装置に装着する
のに使用される受け筒を透明なプラスチック材料で構成
し、注射中、薬液の注入量を外部のあらゆる方向から視
認でき、且つ受け筒に装着される注射針のカット面の向
きを望みに応じて簡単に変え得る歯科用カートリッジ式
電動注射装置における受け筒の取付装置を提供すること
にある。 【解決手段】 歯科用カートリッジ式電動注射装置は、
その取付部材5aの受け口5に差し込まれるようになっ
ていて、且つ薬液カートリッジ18を収容する透明なプ
ラスチック製の受け筒19を着脱自在に装着することの
できるアダプター9を含み、該アダプターは前記受け筒
の後端部を受け入れるためのソケット9cを有し、該ソ
ケットに対する前記受け筒の着脱自在の装着は、差し込
み継手によって行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、一般的には歯科用カー
トリッジ式電動注射装置に関し、特に、薬液カートリッ
ジを収容するようになった受け筒の取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電動注射装置では、金属製の受
け筒が注射装置のハウジングのノーズ部分に固着され
た、プランジャーロッドの支持部材に設けられた取付部
材の受け口に着脱自在に装着され、注射のたびに、受け
筒を受け口から外して薬液カートリッジを受け筒に差し
込み、再び、受け筒を受け口に取り付ける。受け筒には
覗き窓が直径方向に対向して設けられている。覗き窓
は、注射中、受け筒内の薬液カートリッジの様子、つま
り注射液の注入量を視認する上で重要な役割を果たして
いる。又注射針の先端はカット面による刃先を構成して
いて、これを患者の歯の側に向けて歯肉に刺すことが重
要である。
【0003】注射装置を扱う歯科医師の患者に対する処
置の姿勢や注射装置の持ち方等によって、覗き窓を通し
て薬液カートリッジを見る角度が変わるため覗き易い位
置に覗き窓を向き替えるとともに注射針の刃先を構成す
るカット面の向きを変えることが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、覗き窓の
向き及び注射針のカット面の向きを望みに応じて簡単に
変え得るように構成した金属製の受け筒の取付装置を備
えた歯科用カートリッジ式電動注射装置を既に提案し、
かつ商品として世に提供している。しかし、薬液カート
リッジの注射量の視認が、これを収容する金属製の受け
筒の覗き窓に頼る構成では、注射中、常に受け筒の覗き
窓を注視していなければならないと言う欠点がある。そ
こで、受け筒を透明な材料で構成して外部全体からその
中の薬液カートリッジの注射量を視認できるようにする
こと、及び、本出願人が市販している電動注射装置にた
やすく適用できるようにすること、の2つの課題が提起
された。本発明の目的は、そのような課題を解決する薬
液カートリッジ式電動注射器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、受け口
を有する取付部材と、受け口に差し込まれるアダプター
と、アダプターに着脱自在に装着され、薬液カートリッ
ジを収容するようになった透明なプラスチック製受け筒
と、を含み、取付部材が円周方向に間隔を隔てた複数の
ボール保持穴と、該ボール保持穴内に位置した係止ボー
ルと、を有し、前記アタプターが係止ボールを一部受け
入れるようになった環状溝を備え、互いに隣接した環状
カム面と逃げ面とを有し、係止ボールが環状溝と整合し
たとき、係止ボールの一部を環状溝に係止させるべく、
環状カム面が係止ボールを環状溝に向かって押す位置
と、係止ボールを環状溝から解放させるべく、逃げ面が
係止ボールと対向する位置との間を移動できる係止リン
グを含み、アダプターは中心ボア及び直径方向に対向し
た切欠き窓を有する、受け筒の後端部を受け入れるため
のソケットを有し、ソケットに対する受け筒の着脱自在
の装着は、差し込み継手によって行われる、歯科用カー
トリッジ式電動注射装置における受け筒の取付装置を提
供することによって達成される。
【0006】本発明の好ましい実施形態では、差し込み
継手は、アダプターのソケットの内面に形成され、切欠
き窓から右回りに延び、直径方向に対向して位置した一
対の溝と、受け筒の外面に形成され、前記溝に係合する
ようになった直径方向に対向して位置した一対の突起
と、からなる。
【0007】本発明の好ましい実施形態は、係止リング
の環状カム面が係止ボールと対向する位置に係止リング
を常時押すコイルスプリングを更に含む。
【0008】更に、本発明によれば、アダプターを受け
口に差し込んだとき、アダプターの差し込み位置を決定
する手段が設けられ、該手段は受け口の先端に係合する
ようになったアダプターのソケット部分の肩からなる。
【0009】
【作用】係止リングをその逃げ面が係止ボールと対向す
る位置へコイルスプリングの作用に抗して押すと、係止
ボールが逃げ面に向かって半径方向外方に移動可能にな
るから、アダプターを受け口から取り外したり装着した
りすることができ、係止リングから手を離せば、コイル
スプリングの作用で係止リングは元の位置に押し戻さ
れ、環状カム面が係止ボールに係合してこれをアダプタ
ーの環状溝に向かって半径方向内方に押し込み、それに
よってアダプターの受け口からの抜け留めがなされる。
シダプターはその状態で回転可能であり、従って受け筒
に装着される注射針のカット面の向きを望み通りに変え
ることができる。
【0010】
【発明の実施形態】図面を参照して本発明による歯科用
カートリッジ式電動注射装置の実施形態を説明する。図
1及び2において、本発明による電動注射装置は、その
ハウジング1のノーズ部分2に適当な方法で固着され且
つプランジャーロッド3を摺動自在に支持するための支
持部材4の先端にねじで連結された取付部材5aを含
む。プランジャーロッド3は駆動装置(図示せず)によ
って極めて低速で前進駆動されるようになっている。参
照番号6は取付部材5aに螺着されたハウジングの保持
キャップである。図2から明らかなように、取付部材5
aは円周方向に間隔を隔てた複数のボール保持穴7と、
該ボール保持穴7内に位置した係止ボール8と、を有し
ている。金属製のアダプター9が取付部材5aの受け口
5に差し込まれるようになっている。アダプター9は、
中心ボア9a及び直径方向に対向した切欠き窓9bを有
するソケット9cを有し、更に、係止ボール8を一部受
け入れるようになった環状溝12を外周に備えている。
アダプター9の受け口5への差し込み深さは、受け口5
の先端に係合するソケット部分の肩10によって制限さ
れる。
【0011】取付部材5aの外周面には係止リング13
が設けられ、係止リング13は互いに隣接した環状カム
面14と逃げ面15を有し、且つ係止ボール8が環状溝
12と整合したとき、環状カム面14が係止ボール8の
一部を環状溝12に係止させるべく、係止ボール8を環
状溝12に向かって押す位置と、係止ボール8を環状溝
12から解放させるべく、逃げ面15が係止ボール8と
対向した位置との間を移動できる。係止ボール8をアダ
プター9の環状溝12から解放する位置への係止リング
13の移動は注射装置のハウジング側に向かう方向であ
る。コイルスプング16が係止リング13の環状カム面
の肩と取付部材5aの外周面に形成された肩5’との間
に介在されていて、係止リング13を、その環状カム面
14が係止ボール8と対向する位置に、即ち注射装置か
ら遠ざかる方向に常時押すようになっている。参照番号
17はストップリングであって、係止リング13の逃げ
面15の側で取付部材5aの外周面に形成された円周溝
に嵌め込まれていて、コイルスプリング16で押される
係止リング13を適所に保持するのに役立つ。
【0012】薬液カートリッジ18を収容し、且つアダ
プター9のソケット9cに着脱自在に装着されるように
なった透明なプラスチック製の受け筒19が設けられ
る。受け筒19のプラスチック材料は、耐滅菌性を考慮
すると、ポリエーラルサルホン酸樹脂やポリカーボネー
ト樹脂からなるのが好ましいが、他の樹脂、例えば、ポ
リサルホン樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレートなどを使用しても良い。ソケッ
ト9cに対する受け筒19の着脱自在の装着は、差し込
み継手によって行われるのがよい。差し込み継手は、ア
ダプター9のソケット9cの内面に形成され、切欠き窓
9bから右回りに略120°延び、直径方向に対向して
位置した一対の溝9dと、受け筒19の後端の外面に形
成され、前記溝9dに係合するようになった直径方向に
対向して位置した一対の突起19aと、からなる。
【0013】尚、図2において、参照番号4’は、薬液
カートリッジを収容した受け筒19がアダプター9のソ
ケット9cに装着されるとき、カートリッジにより、ア
ダプター9の中心ボア9aの中に移動可能に受け入れら
れたスリーブ20を介して、その後端フランジ面で押さ
れて注射装置の駆動装置を作動状態に操作する制御ロッ
ドである。スリーブ20は、合成樹脂製のものであって
もよいが、好ましくはアダプターと同様に金属製であ
る。
【0014】薬液カートリッジ18は、図2から明らか
な様に、先端に口金18aで保持され、受け筒19の先
端に装着される注射針21で刺し通されるゴム栓18b
と、カートリッジの後端に嵌着され、注射装置のプラン
ジャーロッド3で押され、カートリッジ内の注射液を注
射針21を通して射出させるためのプランジャーゴム1
8cとを有している。注射針21はその先端がカット面
22によって構成された刃先を有する。
【0015】注射装置の使用に当たり、アダプター9が
受け口5に装着されているものとすると、薬液カートリ
ッジ18を受け筒19に差し込んでから、受け筒19
を、その突起19aがアダプター9のソケット9cの切
欠き窓9bに入り込む様に、アダプター9のソケット9
cに差し込み、次いで、受け筒19を右回りに略120
°廻す。すると、突起19aがソケット9cの溝9dに
係合して受け筒19をアダプター9のソケット9cに固
定する。受け筒19がソケット9cに差し込まれる際、
受け筒19の後端部分がアダプター9の中心ボア9aの
中に挿入され、そのことによって、先に述べた様に、ス
リーブ20を移動させ、その後端フランジ面で制御ロッ
ド4’を押して注射装置の駆動装置を作動状態に操作す
る。
【0016】注射針21を受け筒19の先端に装着する
とき、その内針がカートリッジ18のゴム栓18bに刺
し通されて注射針21は薬液カートリッジ18の内部と
連通する。かくして、プランジャーロッド3を働かせて
薬液カートリッジ18のプランジャーゴム18cを押す
ことにより注射液を注射針から射出させることができ
る。この際、受け筒19が透明な材料で形成されている
ため、注射液の注入量をあらゆる方向から視認すること
ができる。加えて、ソケット9cに切欠き窓9bが形成
されているため、ソケットに受け筒が装着されていると
き、受け筒内の薬液カートリッジの一部が切欠き窓を通
して露出し、従って、注射の初期においても、薬液カー
トリッジソケットの薬液の注入の様子を視認することが
できる。
【0017】もしも、アダプター9を単独に或いはそれ
に装着されている受け筒と一緒に受け口5から取り外し
たければ、係止リング13をその逃げ面15が係止ボー
ル8と対向する位置へコイルスプリング16の作用に抗
して押せばよい。すると、係止リング13の環状カム面
14が係止ボール8から離れて逃げ面15がそこに位置
する結果、係止ボール8は半径方向外方に自由になり、
アダプター9を受け口5に対して抜き差しするだけで受
け口から取り外したり装着したりすることができる。ア
ダプター9を受け口5から取り外すとき、スリーブ20
もアダプターと一緒に受け口から抜けるようにスリーブ
20は図2及び図4から十分理解できるように、アダプ
ターの中心ボア9aの直径拡大部とスリーブのフランジ
との係合によってアダプター内に保持されるのが望まし
い。
【0018】アダプター9を受け口5に装着する場合に
は、アダプター9を受け口5に差し込み、しかる後、係
止リング13から手を離せば、コイルスプリング16の
作用で係止リング13は元の位置に押し戻され、環状カ
ム面14が係止ボール8に係合してこれを受け筒9の環
状溝12に向かって半径方向内方に押し込み、それによ
って受け筒の受け口からの抜け留めがなされる。
【0019】アダプター9が受け口5に装着されている
とき、アダプター9は自身の周りに回転可能であり、従
って、アダプター9を注射装置に対して手で廻すことに
よって、受け筒19の先端に装着された注射針21のカ
ット面22を望み通りに変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による歯科用カートリッジ式注射装置の
実施形態の全体の外観斜視図である。
【図2】受け筒を装着したアダプターを受け口に連結す
る機構を示す本発明による注射装置の一部の断面図であ
る。
【図3】図2の線3−3における断面図である。
【図4】アダプターの正面から見た斜視図である。
【図5】アダプターのソケット部分の横断面図である。
【図6】受け筒の斜視図である。
【符号の説明】
5a 取付部材 5 受け口 7 ボール保持穴 8 係止ボール 9 金属製のアダプター 9a 中心ボア 9b 切欠き窓 9c ソケット 9d 溝 10 肩 12 環状溝 13 係止リング 14 環状カム面 15 逃げ面 16 コイルスプング 18 薬液カートリッジ 19 透明なプラスチック製の受け筒 19a 突起
フロントページの続き (72)発明者 宍戸 義弘 神奈川県横浜市都筑区東山田町1568−41 有限会社 宍戸精工内 Fターム(参考) 4C066 AA10 BB01 CC01 DD12 EE14 FF05 HH02 HH27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受け口を有する取付部材と、前記受け口
    に差し込まれるアダプターと、該アダプターに着脱自在
    に装着され、薬液カートリッジを収容するようになった
    透明なプラスチック製受け筒と、を含み、前記取付部材
    が円周方向に間隔を隔てた複数のボール保持穴と、該ボ
    ール保持穴内に位置した係止ボールと、を有し、前記ア
    タプターが前記係止ボールを一部受け入れるようになっ
    た環状溝を備え、互いに隣接した環状カム面と逃げ面と
    を有し、前記係止ボールが前記環状溝と整合したとき、
    前記係止ボールの一部を前記環状溝に係止させるべく、
    前記環状カム面が前記係止ボールを前記環状溝に向かっ
    て押す位置と、前記係止ボールを前記環状溝から解放さ
    せるべく、前記逃げ面が前記係止ボールと対向する位置
    との間を移動できる係止リングを含み、前記アダプター
    は中心ボア及び直径方向に対向した切欠き窓を有する、
    前記受け筒の後端部を受け入れるためのソケットを有
    し、該ソケットに対する前記受け筒の着脱自在の装着
    は、差し込み継手によって行われる、歯科用カートリッ
    ジ式電動注射装置における受け筒の取付装置。
  2. 【請求項2】 前記差し込み継手は、アダプターのソケ
    ットの内面に形成され、切欠き窓から右回りに延び、直
    径方向に対向して位置した一対の溝と、受け筒の外面に
    形成され、前記溝に係合するようになった直径方向に対
    向して位置した一対の突起と、からなる、請求項1に記
    載の歯科用カートリッジ式電動注射装置における受け筒
    の取付装置。
  3. 【請求項3】 前記係止リングの前記環状カム面が前記
    係止ボールと対向する位置に前記係止リングを常時押す
    コイルスプリングを更に含む、請求項1に記載の歯科用
    カートリッジ式電動注射装置における受け筒の取付装
    置。
  4. 【請求項4】 前記アダプターを前記受け口に差し込ん
    だとき、前記アダプターの差し込み位置を決定する手段
    が設けられ、該手段は前記受け口の先端に係合するよう
    になった前記アダプターのソケット部分の肩からなる、
    請求項1に記載の歯科用カートリッジ式電動注射装置に
    おける受け筒の取付装置。
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