JPH0767961A - 注射器 - Google Patents

注射器

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Publication number
JPH0767961A
JPH0767961A JP6180952A JP18095294A JPH0767961A JP H0767961 A JPH0767961 A JP H0767961A JP 6180952 A JP6180952 A JP 6180952A JP 18095294 A JP18095294 A JP 18095294A JP H0767961 A JPH0767961 A JP H0767961A
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JP
Japan
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plunger
mounting member
injection needle
outer cylinder
syringe
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Pending
Application number
JP6180952A
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English (en)
Inventor
Masaru Saiki
勝 斉木
Katsutoshi Kurose
勝俊 黒瀬
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 注射針取付部材とプランジャーとの係合の解
除が容易であり、プランジャーを回転させても、取付部
材は外筒に過剰螺合せず、使用後に両者の離脱が容易で
あり、使用後の注射針の外筒内への収納も容易である注
射器を提供する。 【構成】 注射器1は、外筒5と、外筒5内に収納され
たプランジャー4と、外筒5の先端部内に螺合する注射
針取付部材3とを有する。取付部材3は、プランジャー
4と係合する係合部32を、プランジャー4は、係合部
32との係合部42を有する。取付部材3とプランジャ
ー4は、外筒5と取付部材3との螺合解除方向へのプラ
ンジャー4の回転を取付部材3に伝達する回転伝達手段
と、螺合方向へのプランジャー4の回転により、プラン
ジャーと取付部材との係合を解除する係合解除手段を有
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、患者への薬液の投与、
または、患者からの血液採取などに使用される注射器に
関する。より詳しくは、注射器使用後、先端に取り付け
られている注射針を内部に収納できる注射器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、患者への薬液の投与のため、
注射器が使用されている。注射器は、先端部にガスケッ
トを有するプランジャーと、このプランジャーを収納
し、先端に注射針取付部を有する外筒とからなるものが
一般的である。そして、医療技術者には、エイズ、肝炎
などの感染症への感染をより確実に予防することが求め
られてきている。しかし、注射器の注射針を患者より抜
去したとき、止血などの作業が必要な場合があり、抜去
された注射針にあまり注意を払うことができないという
のが現状である。このため、注射針の先端部に患者の血
液等が付着した状態で、注射針が放置され、止血などの
作業が終了した後、注射針にキャップ等を被嵌し、廃棄
するというのが一般的である。しかし、抜去時に、テー
ブルに置いたとき、また床などに落下すると血液感染の
原因となり、さらに、露出した注射針を指に刺すなどの
危険性もある。
【0003】そこで、最近では、注射針の保護機構を設
けた注射器が提案されている。具体的には、米国特許
4,978,340号明細書に開示されているものがあ
る。この注射器は、図14および図15に示すように、
外筒80と、該外筒80内に摺動可能に収納されたプラ
ンジャー90と、前記外筒80の先端部に螺合により着
脱自在に取り付けられた注射針取付部材95とを有して
いる。そして、注射針取付部材95は、前記プランジャ
ー90と係合するための取付部材側係合部96を有し、
プランジャー90は、外筒80の内壁に液密かつ摺動可
能なガスケット部91と、ガスケット部91より前方に
設けられ、取付部材側係合部96と係合するプランジャ
ー側係合部92とを有している。そして、注射針取付部
材95とプランジャー90は、外筒80と注射針取付部
材95との螺合が解除される方向にプランジャー90を
回転させると、その回転が取付部材95に伝達され、注
射針97を取り付けた状態の注射針取付部材95が、外
筒80より離脱し、プランジャー90を後方に移動する
ことにより、注射針97は、外筒80内に収納されるよ
うに構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記米国特許明細書に
示すものは、上述のように、注射針保護機構を有するた
め、使用後に安全に注射針を収納できる。この米国特許
明細書の注射器では、注射針取付部材95とプランジャ
ー90の係合は、注射針取付部材95に設けられた凹部
98とその内壁面に形成された多数のスプライン99
と、プランジャー90の先端部に形成された突出部92
およびその外周面に形成されたスプライン93によっ
て、係合および回転力の伝達機構を構成している。具体
的には、注射針取付部材95の凹部98内へのプランジ
ャー90の突出部92の進入により、両者は係合し、プ
ランジャー90の後方への移動にともない注射針取付部
材95も後方に移動する。また、注射針取付部材95お
よびプランジャー90の両者のスプラインの係合によ
り、プランジャー90の回転が注射針取付部材95に伝
達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この注射器では、プラ
ンジャー90を注射針取付部材95が外筒80より離脱
する方向と逆方向、つまり、注射針取付部材95が外筒
80に取り付けられる方向(注射針取付部材95と外筒
80との螺合が進行する方向)にプランジャー90を回
転させると、その回転力は係合するスプライン99,9
3によって、注射針取付部材95に伝達されるため、誤
って、使用後にプランジャー90を逆方向に回転させる
と注射針取付部材95と外筒80との係合が過剰に強く
なり、その後、両者を離脱する方向にプランジャー90
を回転させても、両者の係合が容易に解除しない危険性
がある。また、上記のように注射針取付部材95とプラ
ンジャー90とが共に軸方向に移動するための係合は、
それらの凹部98と突出部92との嵌合による係合であ
り、両者は、ある程度の係合力をもって係合しているこ
とが必要である。
【0006】そして、注射器内に薬液を導入するとき
は、注射器内に実質的に空気が存在しない状態とし、注
射針を薬液が収納されたバイアル瓶に挿入し、プランジ
ャーを引くことにより、注射器内部に薬液を流入させ
る。つまり、上記米国特許明細書の注射器では、使用時
には注射器取付部材95とプランジャー90とが強固に
係合し、薬液の導入の際に、プランジャー90が容易に
引けない危険性がある。また、そのように強固に係合し
た場合の解除手段もない。さらに、このときプランジャ
ー90を回転させてしまうと、一方向への回転は、注射
針取付部材95の外筒80からの離脱を生じ、他方向へ
の回転は、注射針取付部材95と外筒80との係合を強
化してしまう。
【0007】そこで、本発明の目的は、注射針取付部材
とプランジャーとの係合の解除が容易であり、薬液の導
入時などにプランジャーを後方に引くことができないと
いった危険性がなく、また、プランジャーを回転させて
も、注射針取付部材が外筒に過剰に螺合し、使用後に両
者の離脱が困難となることがなく、注射器としての使
用、および使用後の注射針の外筒内への収納を確実かつ
容易に行うことができる注射器を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、外筒と、該外筒内に摺動可能に収納されたプランジ
ャーと、前記外筒の先端部に螺合により着脱自在に取り
付けられた注射針取付部材とからなる注射器であり、前
記注射針取付部材は、前記プランジャーと係合するため
の取付部材側係合部を有し、前記プランジャーは、前記
外筒内壁に液密かつ摺動可能なガスケット部と、該ガス
ケット部より前方に設けられ、前記取付部材側係合部と
係合するプランジャー側係合部とを有し、前記注射針取
付部材と前記プランジャーは、前記外筒と前記注射針取
付部材との螺合を解除する方向へのプランジャーの回転
を前記注射針取付部材に伝達する回転伝達手段と、前記
注射針取付部材が前記外筒に螺合した状態での両者の螺
合方向へのプランジャーの回転により、前記プランジャ
ー側係合部と前記取付部材側係合部との係合を解除する
係合解除手段を有している注射器である。
【0009】そして、前記回転伝達手段は、前記外筒と
前記注射針取付部材とが螺合する方向へのプランジャー
の回転を前記注射針取付部材に伝達する機能を有してい
る。また、前記注射器は、前記外筒の内周面と前記注射
針取付部材の外周面との気密性を保持するための気密性
保持部材を有していることが好ましい。そして、前記気
密性保持部材は、前記注射針取付部材の外周面に取り付
けられたOリングであることが好ましい。また、前記気
密性保持部材は、前記注射針取付部材の外周面または外
筒の内周面に二色成形により形成されていてもよい。さ
らに、前記気密性保持部材は、前記外筒の内周面に取り
付けられたOリングであってもよい。さらに、前記外筒
の内周面および注射器取付部材の外周面は、後端方向に
拡径するテーパー面を有していることが好ましい。
【0010】そこで、本発明の注射器を図面に示した実
施例を用いて説明する。図1は、本発明の注射器の一実
施例の平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図で
あり、図3は、図2のB−B線断面図である。
【0011】注射器1は、外筒5と、外筒5内に摺動可
能に収納されたプランジャー4と、外筒5の先端部に螺
合により着脱自在に取り付けられた注射針取付部材3と
からなる。注射針取付部材3は、プランジャー4と係合
するための取付部材側係合部32(プランジャー係合部
32)を有し、プランジャー4は、外筒5の内壁に液密
かつ摺動可能なガスケット部40と、ガスケット部40
より前方に設けられ、取付部材側係合部32と係合する
プランジャー側係合部42(取付部材係合部42)とを
有し、注射針取付部材3とプランジャー4は、外筒5と
注射針取付部材3との螺合を解除する方向へのプランジ
ャー4の回転を注射針取付部材3に伝達する回転伝達手
段と、注射針取付部材3が外筒5に螺合した状態での両
者の螺合方向へのプランジャー4の回転により、プラン
ジャー側係合部42と取付部材側係合部32との係合を
解除する係合解除手段を有している。
【0012】本発明の注射器1は、外筒5と、外筒5内
に摺動可能に収納されたプランジャー4と、外筒5の先
端部に螺合により着脱自在に取り付けられた注射針取付
部材3とにより構成されている。そして、使用時には、
注射針取付部材3に注射針2が取り付けられる。また、
あらかじめ注射針2を取り付けたものでもよい。注射針
2は、薬液等の投与または血液の採取に際して、患者に
穿刺して使用される。そして、この実施例の注射針2
は、図5に示すように、中空針21と、中空針ハブ22
とを有しており、ハブ22は、開口部22aと、リブ2
3を有している。
【0013】中空針21は、先端に穿刺用刃面を有して
おり、ステンレス等により形成されている。中空針21
はその後端部が図2に示すように、中空針ハブ22の内
部に挿入され、中空部が閉塞しない状態で、接着剤にて
液密に固着されている。中空針ハブ22は筒状に形成さ
れており、後端部には、後述する注射針取付部材3のハ
ブ取付部31aを挿入するたの開口部22aを有してい
る。また、この実施例の中空針ハブ22は、後端外面に
フランジを有しており、このフランジには、図5に示す
ように、軸方向に対して垂直方向に突出する2つのリブ
23が設けられている。このリブ23は、注射針取付部
材3の収納部31内に設けられた螺合部31bと螺合し
て、注射針2が取付部材3の収納部31より抜けてしま
うことを防止する。なお、この実施例では、注射針3の
後端開口部22aより、取付部材3の取付部31aを挿
入した状態で注射針2を右方向に回転させることによ
り、ハブ22のリブ23と注射針取付部材3の螺合部3
1bが螺合するように形成されている。また、この注射
針2は、中空針を保護するためのキャップ6を有してい
る。そして、中空針ハブ22を形成する材料としては、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポ
リスチレンなどの熱可塑性合成樹脂が使用でき、特に、
上記の樹脂であってかつある程度の透明性を有するもの
が好適である。
【0014】外筒5は、使用時には内部に薬液等を収納
するものであり、使用後には注射針2を内部に収納し
て、注射針2が外部に露出することを防止するように機
能する。この実施例では、外筒5は、図2または図5に
示すように、先端部が小径部となっており、その小径部
55の内面に形成された注射針取付部材3と係合するた
めの外筒側螺合部51と、小径部55と大径部56間に
位置する段差部57と、プランジャー係止部52と、把
持部53と、薬液および注射針収納空間54と、先端開
口部55と、後端開口部56とを有している。また、注
射針収納空間54は、図8に示すように、少なくとも注
射針収納時に、注射針の先端(刃先)が外部に露出しな
いように収納する長さを有している。つまし、ハブを含
めた注射針全体をこの収納空間54は収納できる長さと
容積を備えている。
【0015】注射針取付部材3と係合するための外筒側
螺合部51は、注射針取付部材3の取付部材側螺合部3
4と螺合して、取付部材3を外筒5の先端部内面に実質
的に液密に取り付けるためのものである。この実施例で
は、図2または図5に示すように、小径部55の内周面
に設けられており、取付部材3が左回りに回転されると
螺合するネジ山により形成されている。そして、段差部
57の内面は、図2に示すように、段差を有しており、
この段差部57の内面に、取付部材3の後端部に形成さ
れた環状フランジ36の先端面が密着し、液密性を高め
ている。
【0016】プランジャー係止部52は、プランジャー
4の環状リブ44と係合して、使用後、注射針2を外筒
5の内部(注射針収納部54)に収納した状態で、プラ
ンジャー4の軸方向の移動を防止するためのものであ
る。これにより、注射針2が外部に露出することがなく
なりより安全となる。この実施例では、プランジャー係
止部52は、図1または図2に示すように、外筒5の後
端部付近の外面にH字状のスリットを設け、それにより
形成される2つの片52a、52b、または52c、5
2dをそれぞれ内側に折り曲げてることにより形成され
ている。そして、この52aと52b、または52cと
52dとの間に形成される間隙に、プランジャー4の環
状リブ44が嵌入することにより、プランジャー4が固
定され、軸方向に移動することを防止する。さらに、外
筒5は、プランジャー4の押圧部43を押圧するに際し
て把持する把持部53a、53bと、注射針2を突出さ
せるための先端開口部55と、取付部材3およびプラン
ジャー4を内部に挿入するための後端開口部56を有し
ている。
【0017】注射針取付部材3は、注射針2を着脱自在
に取り付けるための部材であるとともに、使用後には、
後述するプランジャー4の軸方向後端側への移動に伴な
い、注射針2と共に後方に移動し、注射針2を外筒5の
注射針収納部54内に収納させるように機能するもので
ある。そして、この実施例の注射針取付部材3は、図
2、図5および図9に示すように、先端方向に突出する
中空状の注射針取付部(ハブ取付部)31と、プランジ
ャー4の先端部収納部と、取付部材側係合部32を形成
する環状リブ32と、プランジャーの回転を注射針取付
部材3に伝達する取付部材側回転力伝達部33と、外筒
5と取付部材3とを螺合させるための取付部材側螺合部
34と、後端開口部35と、後端部に設けられた環状フ
ランジ36を有している。そして、図2に示すように、
環状リブ32と、取付部材側回転力伝達部33とは、プ
ランジャー先端部収納部の内面に形成されている。ま
た、環状リブ32は、プランジャー先端部収納部の内面
に中心側に突出するように形成されている。取付部材側
係合部32は、環状リブでなく、点在する複数のリブに
より形成してもよい。
【0018】ハブ取付部31は、中空針ハブ22を液密
に取り付ける部位であり、この実施例では、図5に示す
ように、注射針取付部材3の中央部にて軸方向先端側に
突出するとともに、先端に向かって外径が縮径するテー
パー状となった突出部31により形成されている。さら
に、この突出部(取付部)31を被包する筒状部31a
を有している。取付部31のテーパーは、標準化された
中空針ハブ22の内面に形成されたテーパーとほぼ同じ
に形成されている。そして、このハブ取付部31の中心
部には、軸方向に貫通する貫通路が設けられており、使
用時には、この貫通路に薬液または血液等が流通する。
さらに、取付部31を被包する筒状部31aは、その内
面に、前述した中空針ハブ係合用螺合部31bを有して
おり、この螺合部31bが中空針ハブ22のリブ23と
螺合することにより、注射針2が取付部31より、離脱
することを防止する。
【0019】取付部材側係合部を形成する環状リブ32
は、後述するプランジャー4の先端部に形成された凸部
42(環状凸部)と係合し、使用後、注射針2を外筒5
内部に収納する際、プランジャー4の軸方向後端方向の
移動に伴って、注射針が取り付けられた状態の注射針取
付部材3を後端方向に移動させるためのものである。そ
して、このリブ32と凸部42との係合は、着脱自在な
ものであり、後述する取付部材3の取付部材側螺合部3
4と外筒5の外筒側螺合部51とが螺合状態にある時
(具体的には、薬液または血液を吸引するために、プラ
ンジャー4を軸方向後端方向に移動させる際)には、容
易この係合が解除できる程度に係合している。凸部42
は、図2および図5に示すように、環状に形成されてい
る。このように環状に形成されていることが好ましい
が、連続しない複数の凸部であってもよい。
【0020】そして、注射針取付部材3とプランジャー
4は、外筒5と注射針取付部材3との螺合を解除する方
向へのプランジャー4の回転を注射針取付部材3に伝達
する回転伝達手段と、注射針取付部材3が外筒5に螺合
した状態で、螺合する方向へのプランジャー4の回転に
より、プランジャー側係合部42と取付部材側係合部3
2との係合を解除する係合解除手段を有している。この
点については、後述する。
【0021】注射針取付部材3は、図9に示すように、
この部材3を外筒5に着脱自在にとりつけるための注射
針取付部材側螺合部34を有しており、外筒5の外筒側
螺合部51と螺合して、取付部材3は外筒5に実質的に
液密に取り付けられる。この実施例では、図2、図5お
よび図9に示すように、取付部材側螺合部34は、取付
部材3の外周面の中央部付近に設けられており、左回り
に回転させると螺合するネジ溝により形成されている。
また、取付部材3は、プランジャー4の先端部を挿入す
るために後端部に開口部35を有している。この開口部
35は、プランジャー先端部収納部の開口部でもある。
そして、取付部材3の後端に形成された環状フランジ3
6は、取付部材3と外筒5との螺合部が螺合したとき、
外筒5の段差部57の内面に密着し、より高い液密性を
形成する。
【0022】プランジャー4は、外筒5内部に液密に、
かつ軸方向に摺動可能に収納されており、使用時には、
軸方向に移動して、薬液等の吸引、注入を行うよう機能
する。さらに、使用後には、軸方向後端方向に移動し
て、注射針2を外筒5内に収納するよう機能する。そし
て、この実施例のプランジャー4は、図2または図5に
示すように、外筒5の内面に液密に摺動するガスケット
部40と、プランジャー4の回転を注射針取付部材3に
伝達するためのプランジャー回転力伝達部41を構成す
る軸方向に伸びるリブ41と、取付部材3と係合するた
めのプランジャー側係合部42を形成する凸部42と、
プランジャー4の後端に設けられた押圧部43と、外筒
5のプランジャー係止部52と係合する環状リブ44と
を有している。
【0023】ガスケット部40は、外側面に設けられた
リブが外筒5の内面に摺動可能で、かつ、液密状態で当
接している。このガスケット40を形成する材料として
は、注射器のガスケットに一般的に用いられている材料
が使用でき、例えば、ラテックスゴム、シリコンゴム、
イソプレンゴムなどのゴム材料、SBS、SEBS、ポ
リウレタンなどのエラストマーなどが使用される。な
お、この実施例のガスケット部40は、上記形成材料に
て筒状に成形した後、プランジャー4の先端側から被嵌
して取り付けられているが、筒状ガスケット部40の内
周面とプランジャー4の外周面との液密性を保持するた
めに、プランジャー4の外周面に二色成形により形成さ
れていることが好ましい。
【0024】先端部に設けられた凸部42は、取付部材
3の環状リブ32と係合し、使用後、注射針2を外筒5
内部に収納する際、プランジャー4の軸方向後端方向の
移動に伴って、注射針取付部材3および注射針2を後端
方向に移動させるためのものである。この実施例では、
凸部42は、図2または図5に示すように、プランジャ
ー4の最先端に設けられた拡径部で形成されており、こ
の拡径部の外径が、取付部材3の環状リブ32が形成す
る内径より若干大きく形成されている。このため、図2
に示すように、凸部42は、取付部材3の環状リブ32
を乗り越え、環状リブ32の前方空間に進入すると、凸
部42とリブ32が係合する。そして、この凸部42
は、図5に示すように、後述する取付部材3の螺合部3
4と外筒5の螺合部51とが螺合状態にある時(より具
体的には、薬液または血液を吸引するために、プランジ
ャー4を軸方向後端方向に移動させる際)には、容易に
係合が解除できるように、軸方向に若干の円みを有する
形状であることが好ましい。そして、プランジャー4
は、薬液注入時に押圧する部位である押圧部43を有し
ている。
【0025】プランジャー4のリブ44(環状リブ)
は、外筒5のプランジャー係止部52と係合して、使用
後、注射針2を外筒5の内部(注射針収納部54)に収
納した状態で、プランジャー4の軸方向の移動を防止す
るためのものである。これにより、使用後、注射針2が
外部に飛び出すことを防止できより安全となる。この実
施例では、図2または図5に示すように、環状リブ44
は、軸方向に対して垂直方向に突出する環状凸部44を
形成している。なお、リブ44の周縁部は、プランジャ
ー係止部52と係合できるものであればよく、環状のも
のに限られない。例えば、歯車状などの連続しない凸部
であってもよい。そして、図8に示すように、外筒5の
後端部付近に形成される2つの片52a、52b、また
は52c、52dの間隙に、このリブ44が嵌入するこ
とにより、プランジャー4が外筒5に固定され軸方向の
移動が防止される。なお、外筒5、取付部材3、プラン
ジャー4の形成材料としては、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの熱可塑
性合成樹脂が使用できる。また、外筒5は、上記の樹脂
であってかつある程度の透明性を有するものが好適であ
る。
【0026】そして、注射針取付部材3とプランジャー
4は、外筒5と注射針取付部材3との螺合を解除する方
向へのプランジャー4の回転を注射針取付部材3に伝達
する回転伝達手段と、注射針取付部材3が外筒5に螺合
した状態で、螺合する方向へのプランジャー4の回転に
より、プランジャー側係合部42と取付部材側係合部3
2との係合を解除する係合解除手段を有している。
【0027】まず、注射針取付部材3とプランジャー4
とで形成されている外筒5と注射針取付部材3との螺合
を解除する方向へのプランジャー4の回転を注射針取付
部材3に伝達する回転伝達手段について説明する。回転
伝達手段は、注射器1の使用後、取付部材3がプランジ
ャー4の先端部に係合した状態で、取付部材3と外筒5
の螺合を解除させ、外筒5より取付部材3を取り外す
(離脱させる)ための手段である。この実施例の注射器
1では、回転伝達手段は、取付部材3に設けられた取付
部材側プランジャー回転力伝達部33と、プランジャー
4に設けられたプランジャー側回転力伝達部41により
構成されている。
【0028】具体的には、プランジャー側回転力伝達部
41は、図3および図5に示すように、プランジャー4
の先端部付近の外周面に、90度間隔で設けられた4つ
の軸方向に伸びる回転力伝達用リブ41により形成され
ている。また、取付部材側回転力伝達部33は、図3に
示すように、取付部材3の内面から内側方向に突出する
とともに軸方向に伸びる4つの回転力伝達用凸部33で
形成されている。そして、プランジャー4を回転させる
と、取付部材3の回転力伝達用凸部33の側面と、プラ
ンジャー4の回転力伝達用リブ41の側面が当接し、プ
ランジャー4にて与えた回転力が取付部材3に伝達さ
れ、プランジャー4の回転に伴って取付部材3も回転す
る。そして、この回転力伝達用リブ41および回転力伝
達用凸部33により、プランジャー3にて与えられたプ
ランジャー3の右および左のいずれの方向の回転力も取
付部材3に伝達される。
【0029】このため、使用時にもし、外筒5と取付部
材3との螺合が緩んでいた場合は、、プランジャー4を
所定の方向に回転させることにより、取付部材3を回転
させ、取付部材側螺合部34と外筒側螺合部51を螺合
状態とすることができる。そして、使用後には、プラン
ジャー4と取付部材3との先端部の係合部を係合させ、
さらに、プランジャー4を取付部材側螺合部34と外筒
側螺合部51との螺合が解除される方向に回転させるこ
とにより、取付部材3を逆回転させ、両者の螺合部34
と螺合部51との螺合状態を解除し、さらに、プランジ
ャー5を後方に引くことにより、図8に示すように、注
射針2を外筒5内部に収納可能することができる。
【0030】なお、この実施例の注射器1では、図5お
よび図9に示すように、取付部材3と外筒5との螺合機
構(ネジ機構)と、取付部材3と中空針ハブ22との螺
合機構(ネジ機構)が、いわゆる逆ネジになっている。
つまり、取付部材3の中空針ハブ螺合部31bに中空針
ハブ22を螺合させるように、注射針2を回転させて取
付部材3の筒状部31a内に挿入し、両者がある程度の
力で螺合すると、注射針2にて与えられた回転力より取
付部材3が回転し、この回転により、取付部材3と外筒
5との螺合が進行するので、使用時にもし、外筒5と取
付部材3との螺合が緩んでいた場合は、注射針2を回転
させることにより、取付部材側螺合部34と外筒側螺合
部51との螺合を確実なものとすることもできる。
【0031】次に、注射針取付部材3が外筒5に螺合し
た状態で、螺合する方向へのプランジャー4の回転によ
り、プランジャー側係合部42と取付部材側係合部32
との係合を解除する係合解除手段について説明する。こ
の係合解除手段は、プランジャー4が、誤って取付部材
側螺合部34と外筒側螺合部51との螺合が、強固に進
行するように回転されたとき、プランジャー4と取付部
材3との係合を解除し、プランジャー4の回転力を取付
部材3に伝達しないようにするためのものである。取付
部材側螺合部34と外筒側螺合部51との螺合が、強固
に進行すると、使用後にその解除が困難となる危険性が
ある。この実施例の注射器1では、プランジャー係合解
除手段は、取付部材に設けられた取付部材側プランジャ
ー回転力伝達部33の先端部33aと、プランジャーに
設けられたプランジャー側回転力伝達部41の先端部4
1aにより構成されている。
【0032】具体的には、図4に示すように、それぞれ
の先端が軸方向に対してほぼ同角度をもって削り取られ
た傾斜部となったプランジャー側係合解除部41aと取
付部材側係合解除部33aを有している。なお、係合解
除部は、上記のように取付部材側プランジャー回転力伝
達部33とプランジャー側回転力伝達部41の両者に設
けることが、好ましいが、どちらか一方に設けてもよ
い。
【0033】そして、この係合解除部41a,33aを
有することにより、図4(C)に示すように、プランジ
ャー4を矢印B方向(取付部材側螺合部34と外筒側螺
合部51との螺合が進行する方向)に回転させると、取
付部材3の係合解除部33aにより形成された傾斜面に
プランジャー4の係合解除部41aにより形成された傾
斜面が当接し、プランジャー4にて与えられた回転力の
方向が変更され、ごく弱い回転力を取付部材3に伝達す
る。そして、取付部材3に回転抵抗があると(取付部材
3が外筒5と螺合していると)、係合解除部33aの傾
斜面を滑るように係合解除部41aの傾斜面が移動し、
この結果プランジャー4がごくわずか後方に移動する。
そして、プランジャー4の先端部と取付部材3の内面に
形成された係合部42と係合部32との係合が解除され
る。これにより、さらにプランジャー4を矢印B方向に
回転させても、回転力は取付部材には伝達されなくな
る。
【0034】また、この実施例では、図4、特に図4
(B)に示すように、プランジャー4を矢印A方向(取
付部材側螺合部34と外筒側螺合部51との螺合が解除
される方向)に回転させると、取付部材3の回転力伝達
部33とプランジャーの回転力伝達部41の側面が当接
し、両者の係合解除部33aと係合解除部41aとは当
接しない、このため、矢印A方向へのプランジャー4に
て与えた回転力は、取付部材3に確実に伝達されると共
に、矢印A方向にプランジャー4を回転させても、プラ
ンジャー4の先端部と取付部材3の内面に形成された係
合部42と係合部32との係合が解除されない。
【0035】なお、この実施例では、プランジャー4を
左回りに回転させると、螺合部34と螺合部51とが螺
合状態となり、取付部材3が外筒5の内面に液密に取り
付けられ、プランジャー4を右回りに回転させると、第
1の螺合部34と第2の螺合部51との螺合状態が解除
され、リブ32と先端凸部42の係合により、注射針2
が外筒5の注射針収納部54に収納可能な状態となる。
係合解除部33aは、図4に示すように、第1の回転手
段33の先端部を、軸方向に対して所定角度で削り取っ
た鋭角部に形成されている。この所定角としては、20
゜〜80゜が好ましく、特に、45゜〜60゜が好まし
い。
【0036】つぎに、本発明の注射器の他の実施例を、
図6および図7に示した注射器7を用いて説明する。注
射器7と注射器1との相違は、注射器7が筒状部31a
およびその内面に形成された中空針ハブ係合部31bを
有していない点と、プランジャー係止部が、別部材であ
る係止部材71により形成されている点のみであり、他
は同じである。具体的には、図6に示すように、注射器
7は、内面に螺合部31bを備えた筒状部31aを有し
ておらず、注射針2は取付部31aに軸方向後端方向
(図6中右方向)に押圧して取り付けるように構成され
ている。また、注射針7は、図7に示すように、外筒5
の後端部付近に設けられた係止部材被嵌部72内に、下
方に突出する2つの係止片71a、71bを有する係止
部材71を被嵌して形成された係止手段を有している。
そして、2つの係止片71a、71bが、ガスケット4
0とリブ44と間に嵌入され、プランジャー4の軸方向
の移動を防止し、収納した注射針2を外部に露出させな
いように機能する。
【0037】さらに、本発明の注射器の他の実施例を、
図10および図11に示した注射器8を用いて説明す
る。注射器8と注射器1との相違は、注射器8が外筒5
の内周面と注射針取付部材3の外周面との気密性を保持
するための気密性保持部材9を有している点と、外筒5
の内周面と注射器取付部材3の外周面の両者の接触部分
にテーパー面を有している点であり他は同じである。
【0038】そして、この実施例の気密性保持部材は、
図10に示すように、Oリング9で形成されている。O
リングを形成する材料としては、例えば、シリコーンゴ
ム、イソプレンゴム、加硫化ゴム、SBSエラストマ
ー、SEBSエラストマー、ポリウレタンエラストマ
ー、ポリオレフィンエラストマーなどのエラストマーが
好適に使用できる。
【0039】具体的には、図11に示すように、Oリン
グ9は、注射針取付部材3の外周面後部付近、より詳し
くは注射針取付部材3の外周面で、かつ、注射針取付部
材3の後端部に形成された環状フランジ36の先端側隣
接部に取り付けられている。そして、Oリング9は、外
筒側螺合部51と取付部材側螺合部34の螺合時には、
外筒5の内周面および注射針取付部材3の外周面(より
具体的には、環状フランジ36の先端側側面と外筒5の
段差部57の後端側側面)との間に挟圧されている。こ
のため、外筒5の内周面と注射針取付部材3の外周面と
の間隙は、Oリングで形成される気密性保持部材9によ
り遮断されるので、この間隙を介して、プランジャー押
圧時に薬液が外部に漏れたり、プランジャー引張時にエ
アが注射器8内に吸引されてしまうことを防止できる。
【0040】また、この実施例の注射器8は、外筒5の
内周面および注射針取付部材3の外周面に後端方向に向
かって拡径するテーパー面10,11を有している。具
体的には、このテーパー面10は外筒5の内周面の後部
付近、より詳しくは外筒側螺合部51の後方部に形成さ
れている。また、テーパー面11は、注射針取付部材3
の外周面の後部付近、より詳しくは注射針取付部材3の
取付部材側螺合部34の後方部に形成されている。そし
て、外筒側螺合部51と取付部材側螺合部34とが螺合
し、気密性保持部材3が外筒5の内周面と注射針取付部
材3の外周面との間に挟圧された状態で、外筒5のテー
パー面10と注射器取付部材3のテーパー面11とが当
接するように構成されている。これにより、外筒5の内
周面と注射針取付部材3の外周面の間の気密性が確実と
なる。
【0041】そして、テーパー面10およびテーパー面
11のテーパー角は同一であることが好ましい。これに
より、外筒5と注射針取付部材3との螺合時に、外筒5
の内周面と注射針取付部材3の外周面を面接触させるこ
とができ、気密性をより確実に保持できる。ただし、本
発明の注射針はこれに限定されるものではなく、一方の
テーパー面のテーパー角が小さく、言い換えれば、一方
のテーパー面の方がよりなだらかに拡径するように形成
されていてもよい。これにより、テーパー面10のテー
パー角をテーパー面11のテーパー角より大きく形成し
た場合には、外筒5の内周面と注射針取付部材3の外周
面とが、取付部材3のテーパー面11の先端で環状に線
接触することとなり、また、テーパー面10のテーパー
角をテーパー面11のテーパー角より小さく形成した場
合には、外筒5の内周面と注射針取付部材3の外周面と
が、取付部材3のテーパー面11の後端で環状に線接触
することとなる。そして、この線接触により、外筒5の
内周面と注射針取付部材3の外周面との間の気密性を保
持させてもよい。なお、外筒5の内周面および注射針取
付部材3の外周面全体をテーパー面としてもよく、ま
た、外筒5の内周面または注射針取付部材3の外周面の
いずれか一方にテーパー面を形成してもよい。
【0042】さらに、本発明の注射器の他の実施例を、
図12および図13に示した注射器12を用いて説明す
る。注射器12と注射器8との相違は、注射針取付部材
3の外周面に取り付けられたOリング9の代わりに、注
射針取付部材3の外周面後部付近に二色成形により固着
された気密性保持部材13を有する点のみであり他は同
じである。機密維持性部材の形成材料としては、前記エ
ラストマーが好適に使用され、特に、前記エラストマー
であり、かつ注射針取付部材の形成材料と融着性を備え
るものが好適である。なお、気密性保持部材13は、注
射針取付部材3の外周面ではなく、外筒5の内周面に取
り付けられていてもよい。具体的には、外筒5の段差部
57の内側面に前記エラストマーにて二色成形により環
状の気密性保持部材を形成することが考えられる。機密
維持性部材の形成材料としては、前記エラストマーが好
適に使用され、特に、前記エラストマーであり、かつ外
筒の形成材料と融着性を備えるものが好適である。この
ように二色成形により機密維持性部材を取り付けること
により、両者がずれることおよび両者間で剥離すること
がなく好適である。
【0043】つぎに、本発明の注射針1の組み立て方法
を、図5を用いて説明する。本発明の注射針1を組み立
てるには、まず、外筒5の後端開口部56より、注射針
取付部材3を注射針取付部31が設けられている側が先
端方向となるように挿入する。ついで、プランジャー4
を挿入して、取付部材3の開口部35にプランジャー4
の先端部を挿入した状態で、外筒5内部の先端まで押圧
していく。そして、プランジャー4を若干先端方向に押
圧しながら、左回りに約半回転させる。この時、取付部
材3の内面に設けられた回転力伝達部33とプランジャ
ー4の先端部に設けられた回転力伝達部41とが係合
し、プランジャー4の回転に伴って取付部材3が回転
し、取付部材3の回転により、取付部材3の螺合部34
と外筒5の先端内面に形成された螺合部51とが螺合
し、取付部材3が外筒5の先端内面に液密に取り付けら
れる。
【0044】つぎに、注射針2の開口部22aを、外筒
5の先端開口部55より、若干突出する取付部材3のハ
ブ取付部31に挿入して、後端方向に若干押圧しなが
ら、右回りに約半回転させる。この時、注射針2のリブ
23と取付部材3の螺合部31bが螺合するため、注射
針2は取付部31aより離脱しないように取り付けられ
る。そして、注射針2にキャップ部6を被嵌して組み立
て完了である。このように、本発明の注射器1は、各部
を軸方向に移動させ、さらに若干押圧しながら回転させ
るだけで組み立てることができる。
【0045】
【作用】つぎに、本発明の注射器の作用を、図1、図2
および図8を用いて説明する。本発明の注射器1は、提
供される状態では、注射針2が取り付けられた状態のも
のと、別個に注射針2を準備し取り付ける場合とがあ
り、注射針2が取り付けられていない場合には、図1ま
たは図2に示す状態の注射器1のキャップ部6を右回り
に回転させ、両者の螺合部を螺合させ、注射針2を取付
部材3の取付部31に取り付ける。そして、上述のよう
に、この実施例の注射器1では、図5および図9に示す
ように、取付部材3と外筒5との螺合機構(ネジ機構)
と、取付部材3と中空針ハブ22との螺合機構(ネジ機
構)が、いわゆる逆ネジになっているので、注射針2を
回転させて取付部材3の筒状部31a内に挿入すること
により、取付部材側螺合部34と外筒側螺合部51との
螺合が確実なものとなる。そして、キャップ部6を取り
外し、プランジャー4を軸方向後端方向に移動させて、
注射針を薬液が収納されたバイアル瓶に挿入し、薬液の
吸入を行う。吸入が終了したら、プランジャー4を軸方
向先端方向に移動させて、注射器1内の空気を除去した
後、患者に穿刺し、薬液の投与を行う。
【0046】薬液の投与完了後、つまり、プランジャー
4が、外筒5内部の先端部に達したら(図1または図2
の状態となったら)、患者より注射器を取り外し、プラ
ンジャー4を若干軸方向先端方向に押圧しながら、右回
りに回転させる。この時、取付部材3の内面に設けられ
た回転力伝達部33とプランジャー4の先端部に設けら
れた回転力伝達部41とが当接し、プランジャー4の回
転に伴って取付部材3が回転し、取付部材3の回転によ
り、取付部材3の螺合部34と外筒5の先端内面に形成
された螺合部51との螺合が解除される。
【0047】そして、プランジャー4を軸方向後端方向
に移動させると、取付部材3の環状リブ32とプランジ
ャー4の凸部42の係合により、注射針2は取付部材3
とともに、プランジャー4に伴って軸方向後端方向に移
動し、外筒5の注射針収納部54に収納される。さら
に、図8に示すように、プランジャー4を外筒5の後端
部付近まで移動させることにより、プランジャー4のガ
スケット部より若干後方に設けられた環状リブ44の周
縁部の一部が、外筒5のプランジャー係止部52aと5
2bの間、および52cと52dとの間に嵌入し、プラ
ンジャー4が外筒5に固定され、軸方向に移動すること
が防止される。このように、本発明の注射器1は、注射
針2に直接触れることなく、外筒内に収納できるので、
また、プランジャーを回転させることにより、取付部材
3と外筒5との係合が確実に解除されるので、外筒内へ
の注射針の収納作業も容易である。さらに、上記のよう
に、注射針収納後、プランジャーが外筒に固定されるの
で、再び注射針2が外部に飛び出すことがなく、さら
に、中空針21に付着した血液等が外部に露出すること
がないので安全である。
【0048】
【発明の効果】本発明の注射器は、外筒と、該外筒内に
摺動可能に収納されたプランジャーと、前記外筒の先端
部に螺合により着脱自在に取り付けられた注射針取付部
材とからなる注射器であり、前記注射針取付部材は、前
記プランジャーと係合するための取付部材側係合部を有
し、前記プランジャーは、前記外筒内壁に液密かつ摺動
可能なガスケット部と、該ガスケット部より前方に設け
られ、前記取付部材側係合部と係合するプランジャー側
係合部とを有し、前記注射針取付部材と前記プランジャ
ーは、前記外筒と前記注射針取付部材との螺合を解除す
る方向へのプランジャーの回転を前記注射針取付部材に
伝達する回転伝達手段と、前記注射針取付部材が前記外
筒に螺合した状態で、螺合する方向へのプランジャーの
回転により、前記プランジャー側係合部と前記取付部材
側係合部との係合を解除する係合解除手段を有している
注射器であるので、注射針取付部材とプランジャーとの
係合の解除が容易であり、薬液の導入時などにプランジ
ャーを後方に引くことができないといった危険性がな
く、また、プランジャーを回転させても、注射針取付部
材が外筒に過剰に螺合し、使用後に両者の離脱が困難と
なることがなく、注射器としての使用、および使用後の
注射針の外筒内への収納を確実かつ容易に行うことがで
きる。
【0049】さらに、前記外筒の内周面と前記注射針取
付部材の外周面との気密性を保持するための気密性保持
部材を有しているものとすれば、外筒と注射針取付部材
との間での液漏れなどを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の注射器の一実施例の平面図で
ある。
【図2】図2は、図1のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図2のB−B線縦断面図である。
【図4】図4は、プランジャーと、注射針取付部材との
回転伝達手段および係合解除手段の作用を説明するため
の説明図である。
【図5】図5は、本発明の注射器の組立方法を説明する
ための説明図である。
【図6】図6は、本発明の注射器の他の実施例の部分断
面図である。
【図7】図7は、図6に示した実施例の部分斜視図であ
る。
【図8】図8は、本発明の注射器の作用を説明するため
の説明図である。
【図9】図9は、本発明の注射器に用いられる注射針取
付部材の側面図である。
【図10】図10は、本発明の注射器の他の実施例の断
面図である。
【図11】図11は、図10の部分拡大断面図である。
【図12】図12は、本発明の注射器の他の実施例の断
面図である。
【図13】図13は、図12の部分拡大断面図である。
【図14】図14は、従来の注射器の先端部付近の拡大
断面図である。
【図15】図15は、図14に示した注射器のプランジ
ャーの外観図である。
【符号の説明】
1 注射器 2 注射針 21 中空針 22 中空針ハブ 22a 開口部 23 凸部 3 注射針取付部材 31 注射針取付部(ハブ取付部) 31a 筒状部 31b 螺合部 32 取付部材側係合部(リブ) 33 取付部材側回転力伝達部 33a 係合解除部 34 取付部材側螺合部 35 開口部 4 プランジャー 40 ガスケット部 41 プランジャー側回転力伝達部 41a 係合解除部 42 プランジャー側係合部(凸部) 43 押圧部 44 環状リブ 5 外筒 51 外筒側螺合部 52 プランジャー係止部 54 注射針収納部 55 先端開口部 56 後端開口部 6 キャップ 7 注射器 71 係止部材 71a 係止片 71b 係止片 72 係止部材被嵌部 9 気密性保持部材 10 テーパー面 11 テーパー面 13 気密性保持部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外筒と、該外筒内に摺動可能に収納され
    たプランジャーと、前記外筒の先端部に螺合により着脱
    自在に取り付けられた注射針取付部材とからなる注射器
    であり、前記注射針取付部材は、前記プランジャーと係
    合するための取付部材側係合部を有し、前記プランジャ
    ーは、前記外筒内壁に液密かつ摺動可能なガスケット部
    と、該ガスケット部より前方に設けられ、前記取付部材
    側係合部と係合するプランジャー側係合部とを有し、前
    記注射針取付部材と前記プランジャーは、前記外筒と前
    記注射針取付部材との螺合を解除する方向へのプランジ
    ャーの回転を前記注射針取付部材に伝達する回転伝達手
    段と、前記注射針取付部材が前記外筒に螺合した状態で
    の両者の螺合方向へのプランジャーの回転により、前記
    プランジャー側係合部と前記取付部材側係合部との係合
    を解除する係合解除手段を有していることを特徴とする
    注射器。
  2. 【請求項2】 前記注射器は、前記外筒の内周面と前記
    注射針取付部材の外周面との気密性を保持するための気
    密性保持部材を有している請求項1に記載の注射器。
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