JP2003051312A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JP2003051312A
JP2003051312A JP2001237631A JP2001237631A JP2003051312A JP 2003051312 A JP2003051312 A JP 2003051312A JP 2001237631 A JP2001237631 A JP 2001237631A JP 2001237631 A JP2001237631 A JP 2001237631A JP 2003051312 A JP2003051312 A JP 2003051312A
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Kentaro Nakahara
謙太郎 中原
Yukiko Morioka
森岡  由紀子
Jiro Iriyama
次郎 入山
Masahiro Suguro
雅博 須黒
Masaharu Sato
正春 佐藤
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    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー密度が高く、高容量で充放電サイ
クルの安定性、安全性に優れた新規な二次電池を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも正極2、負極1、電解質3を
構成要素とする二次電池において、正極、負極の少なく
とも一方の活物質として、その構造中に一般式(1)で
表される構造を酸化状態で、一般式(2)で表される構
造を還元状態で有する化合物を用いる。これにより、高
容量で安定性、安全性に優れた電池となる。 【化1】 (一般式(1)において、Y-は対アニオンを表す。) 【化2】 (一般式(2)において、X+は対カチオンを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は二次電池に関するも
のであり、特にエネルギー密度が高く、高容量で安定性
に優れた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ノート型パーソナルコンピュー
タ、携帯電話といった小型あるいは携帯電子機器の急速
な市場拡大に伴い、これらに用いられる電池に対して軽
量化、高容量化を求める要求が高まっている。この要求
に応えるために、リチウムイオン等のアルカリ金属イオ
ンを荷電担体とし、その電荷授受に伴う電気化学反応を
利用した二次電池が盛んに開発されている。なかでも、
リチウムイオン二次電池は、安定性に優れたエネルギー
密度の大きい高容量電池として種々の電子機器に利用さ
れている。このようなリチウムイオン二次電池は、活物
質として正極にマンガン酸リチウムやコバルト酸リチウ
ムといったリチウム含有遷移金属酸化物、負極に炭素を
用いたものであり、これら活物質へのリチウムイオンの
挿入、脱離反応を利用して充放電を行っている。
【0003】しかしながら、上述したリチウムイオン二
次電池は特に正極に比重の大きな金属酸化物を用いてい
るため、単位質量当たりの電池容量は充分とは言えず、
より軽量の電極材料を用いて高容量電池を開発しようと
する試みが検討されてきた。例えば、米国特許第4,8
33,048号公報、および特許第2715778号公
報には、ジスルフィド結合を有する有機化合物を正極に
用いた電池が開示されている。これはジスルフィド結合
の生成、解離を伴う電気化学的酸化還元反応を電池の原
理として利用したものである。この電池は硫黄や炭素と
いった比重の小さな元素を主成分とする電極材料から構
成されているため、高エネルギー密度の大容量電池とい
う点において一定の効果を奏している。しかし、解離し
た結合が再度結合する効率が小さいことや、活物質の電
解液への拡散のため、充放電サイクルを重ねると容量が
低下しやすいという欠点がある。
【0004】一方、同じく有機化合物を利用した電池と
して、導電性高分子を電極材料に用いた電池が提案され
ている。これは導電性高分子に対する電解質イオンのド
ープ、脱ドープ反応を原理とした電池である。ここで述
べるドープ反応とは、導電性高分子の酸化もしくは還元
によって生ずる荷電ソリトンやポーラロン等のエキシト
ンを、対イオンによって安定化させる反応のことであ
る。一方、脱ドープ反応とはその逆反応に相当し、対イ
オンによって安定化されたエキシトンを電気化学的に酸
化もしくは還元する反応のことを示している。
【0005】米国特許第4,442,187号公報に
は、上述のような導電性高分子を正極もしくは負極の材
料とする電池が開示されている。この電池は、炭素や窒
素といった比重の小さな元素のみから構成されたもので
あり、高容量電池として開発が期待された。しかし、導
電性高分子には、酸化還元によって生じるエキシトンが
π電子共役系の広い範囲に亘って非局在化し、それらが
相互作用するという性質がある。これは発生するエキシ
トンの濃度に限界をもたらすものであり、電池の容量を
制限するものである。このため、導電性高分子を電極材
料とする電池では軽量化という点で一定の効果を奏して
いるものの、大容量という点からは不充分である。
【0006】以上述べてきたように、高容量電池を実現
するために、遷移金属含有活物質を利用しない様々な電
池の提案がなされている。しかし、エネルギー密度が高
く、高容量で安定性に優れた電池は未だ得られていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、正極
に遷移金属酸化物を用いるリチウムイオン電池では、元
素の比重が大きいため、現状を上回る高容量電池の製造
が原理的に困難であった。このため、高容量電池を実現
するために、遷移金属含有活物質を利用しない様々な電
池の提案がなされているが、エネルギー密度が高く、高
容量で安定性に優れた電池は未だ得られていない。本発
明は、エネルギー密度が高く、高容量で充放電サイクル
の安定性に優れた新規な二次電池を提供することを課題
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、前記課題は、電極の活物質として、その構造中に
下記一般式(1)で表される構造を酸化状態で、下記一
般式(2)で表される構造を還元状態で有する化合物を
用いることにより解決できることを見いだした。
【化5】 (一般式(1)において、Y-は対アニオンを表す。)
【化6】 (一般式(2)において、X+は対カチオンを表す。)
【0009】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、下記(A)〜(D)に示す二次電池を提供する。
【0010】(A)少なくとも正極、負極および電解質
を構成要素とする二次電池において、正極および負極の
少なくとも一方の活物質が、その構造中に一般式(1)
で表される構造を酸化状態で、一般式(2)で表される
構造を還元状態で有する化合物であることを特徴とする
二次電池。
【0011】(B)少なくとも正極、負極および電解質
を構成要素とする二次電池において、正極および負極の
少なくとも一方の活物質が、2種以上の物質からなり、
そのうち少なくとも一つの物質が、酸化状態で一般式
(1)で表される構造、還元状態で一般式(2)で表さ
れる構造を有する化合物であることを特徴とする二次電
池。
【0012】(C)一般式(1)においてY-で表され
る対アニオンが、F-、Cl-、Br-、I-、PF6 -、C
lO4 -、BF4 -、Z−SO3 -、N(Z−SO32 -[Z
はCn2 n+1(nは1乃至8)、アルキル基、またはア
ルキル置換もしくは無置換の芳香族基を表す]のいずれ
かであることを特徴とする(A)、(B)の二次電池。
【0013】(D)一般式(2)においてX+で表され
る対カチオンが、H+、Li+、Na+のいずれかである
ことを特徴とする(A)〜(C)の二次電池。
【0014】すなわち、本発明は、上記の化合物が電極
活物質として優れていることを見出したものである。こ
の酸化還元反応は反応式(3)に示す通りである。
【化7】
【0015】本発明における充放電のメカニズムとして
は、本発明の活物質が電極反応によりカチオンイオンの
状態とアニオンイオンの状態に可逆的に変化して電荷を
蓄積する。この電極反応は、2電子が関与する酸化還元
反応であるため、高容量の蓄電が容易にできる。
【0016】本発明では、これらを活物質材料として用
いる電極は、正極または負極のいずれかに限定されるも
のではない。ただし、エネルギー密度の観点から、特に
正極の電極活物質として用いることが好ましい。本発明
において、電解質カチオン、電解質アニオンは特に限定
されないが、高容量が得られるという点から特に電解質
カチオンに関してはリチウムイオンが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の電池は、例えば図1に示
すような構成である。図1に示された電池は、負極1と
正極2とを電解質を含んだセパレータ3を介して重ね合
わせたものをラミネートフィルムを外装材として封止し
た構成である。本発明では、負極1、または正極2の電
極活物質の少なくとも一方の主たる成分がラジカル化合
物である。図2は図1のA−A’断面図であり、負極集
電体1−2、負極層1−1、電解質を含んだセパレータ
3、正極層2−1、正極集電体2−2を順に重ね合わせ
た構造である。本発明では電極の積層方法は特に限定さ
れず、正極、および負極が対向するように重ね合わせた
ものを多層積層したもの、重ね合わせたものを巻回した
もの等が利用できる。
【0018】本発明の活物質である一般式(1)で表さ
れる構造を酸化状態で、一般式(2)で表される構造を
還元状態でとる化合物としては、例えば反応式(4)の
ように酸化還元反応を行う化合物が挙げられる。
【化8】
【0019】本発明の電池において活物質は固体状態で
あっても、また、電解質へ溶解または分散した状態であ
ってもよい。ただし、固体状態で用いる場合、電解液へ
の溶解による容量低下が少ないため、電解液に対し不溶
性または低溶解性のものが好ましい。また、本発明の電
池において活物質は通常単独で用いられるが、二種類以
上を組み合わせて用いても良い。また、他の活物質と組
み合わせて用いても良い。
【0020】本発明の電池は正極または負極の一方の活
物質として本発明の活物質を用いる場合、もう一方の電
極層に電池の活物質として従来公知のものが利用でき
る。このようなものとして、例えば負極層に本発明の活
物質を用いる場合には正極層として金属酸化物粒子、ジ
スルフィド化合物、および導電性高分子等が用いられ
る。ここで、金属酸化物としては例えばLiMnO2
LixMn24(0<x<2)等のマンガン酸リチウム
あるいはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、M
nO2、LiCoO2、LiNiO2、あるいはLix2
5(0<x<2)等が、ジスルフィド化合物としては
ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4
−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリ
チオール等が、また、導電性高分子にはポリアセチレ
ン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポリピロール等が
挙げられる。本発明ではこれらの正極層材料を単独、も
しくは組み合わせて使用することもできる。
【0021】一方、正極層に本発明の活物質を用いた場
合には負極層としてグラファイトや非晶質カーボン、リ
チウムやリチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、ナト
リウム、ナトリウム合金、導電性高分子等を用いること
ができる。これらの形状としては特に限定されず、例え
ばリチウム金属では薄膜状のものに限らず、バルク状の
もの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状の
もの等であっても良い。また、これらの負極活物質を単
独、もしくは組み合わせて使用できる。
【0022】本発明の活物質を正極層に用いる場合、本
発明の活物質と従来公知の正極活物質とを組み合わせ複
合電極としてもよい。従来公知の正極活物質の例として
は、LiMnO2、LixMn24(0<x<2)等のマ
ンガン酸リチウムあるいはスピネル構造を有するマンガ
ン酸リチウム、MnO2、LiCoO2、LiNiO2
あるいはLix25(0<x<2)等が、ジスルフィ
ド化合物としてはジチオグリコール、2,5−ジメルカ
プト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−
2,4,6−トリチオール等が、また、導電性高分子に
はポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリアニリン、ポ
リピロール等が挙げられる。
【0023】本発明の活物質を負極層に用いる場合、本
発明の活物質と従来公知の負極活物質とを組み合わせ複
合電極としてもよい。従来公知の負極活物質の例として
は、グラファイトや非晶質カーボン、リチウムやリチウ
ム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、ナトリウム、ナトリ
ウム合金、導電性高分子等が挙げられる。
【0024】本発明では電極層を形成する際に、インピ
ーダンスを低下させる目的で、補助導電材やイオン伝導
補助材を混合させることもできる。これらの材料として
は、補助導電材としては、グラファイト、カーボンブラ
ック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、ポリアニ
リン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレ
ン、ポリアセン等の導電性高分子が挙げられ、イオン伝
導補助材としては高分子ゲル電解質、高分子固体電解質
等が挙げられる。
【0025】本発明では、各構成材料間の結びつきを強
めるために、結着剤を用いることもできる。このような
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラ
フルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重
合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、
各種ポリウレタン等の樹脂バインダーが挙げられる。
【0026】本発明では、電極反応をより潤滑に行うた
めに、酸化還元反応を助ける触媒を用いることもでき
る。このような触媒としては、ポリアニリン、ポリピロ
ール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等
の導電性高分子、ピリジン誘導体、ピロリドン誘導体、
ベンズイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、
アクリジン誘導体等の塩基性化合物、金属イオン錯体等
が挙げられる。
【0027】本発明では、負極集電体、正極集電体とし
て、ニッケルやアルミニウム、銅、金、銀、アルミニウ
ム合金、ステンレス鋼等の金属箔や金属平板、メッシュ
状電極、炭素電極等を用いることができる。また、集電
体に触媒効果を持たせたり、活物質と集電体とを化学結
合させたりしてもよい。一方、上記の正極、および負極
が接触しないように多孔質フィルムからなるセパレータ
ーや不織布を用いることもできる。
【0028】本発明において電解質は、負極層と正極層
の両極間の荷電担体輸送を行うものであり、一般には室
温で10-5〜10-1S/cmのイオン伝導性を有してい
る。本発明では、電解質としては、例えば電解質塩を溶
剤に溶解した電解液を利用することができる。本発明で
は電解質塩として、例えばLiPF6、LiClO4、L
iBF4、LiCF3SO3、Li(CF3SO22N、L
i(C25SO22N、Li(CF3SO23C、Li
(C25SO23C等の従来公知の材料を用いることが
できる。また、電解液の溶剤としては例えばエチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオ
キソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機
溶媒を用いることができる。本発明ではこれらの溶剤を
単独もしくは2種類以上混合して用いることもできる。
【0029】さらに、本発明では電解質として固体電解
質を用いることもできる。これら固体電解質に用いられ
る高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フ
ッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン
−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−
トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テ
トラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元
共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニ
トリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニト
リル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル
−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−
エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタ
クリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重
合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等
のアクリルニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキ
サイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共
重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の
重合体などが挙げられる。これらの高分子化合物に電解
液を含ませてゲル状にしたものを用いても、高分子化合
物のみをそのまま用いても良い。
【0030】本発明において、電池の形状は特に限定さ
れず、従来公知の形状とすることができる。電池形状と
しては、電極積層体、あるいは巻回体を金属ケース、樹
脂ケース、あるいはアルミニウム箔などの金属箔と合成
樹脂フィルムからなるラミネートフィルム等によって封
止したもの等が挙げられ、円筒型、角型、コイン型、お
よびシート型等で作製されるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0031】本発明の電池の製造方法は特に限定され
ず、材料に応じて様々な方法を用いることができる。例
えば、活物質に溶剤を加えスラリー状にして電極集電体
に塗布し、加熱もしくは常温で溶剤を揮発させたのち
に、対極、セパレータを挟んで積層または巻回して外装
体で包み、電解液を注入して封止するといった方法であ
る。溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テルなどのエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等の
アミン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
炭化水素系、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲ
ン系炭化水素等が挙げられる。
【0032】本発明において、電極からのリードの取り
出し、外装等のその他の製造条件は二次電池の製造方法
として従来公知の方法を用いることができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の詳細について実施例により具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0034】(実施例1)ガス精製装置を備えたドライ
ボックス中でアルゴン雰囲気下、フッ化ビニリデン−ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体60mgに1mol/
lのLiPF6電解質塩を含むエチレンカーボネート/
ジエチルカーボネート混合溶液(混合比1:1)からな
る電解液140mgを混合し、ここへテトラヒドロフラ
ン1.2gを加えて溶解した。これにより、ゲル電解質
のテトラヒドロフラン溶液を作製した。
【0035】つづいて、ガラス製容器に化学式(A)
【化9】 の構造を有する化合物を30mg、補助導電剤としてグ
ラファイト粉末60mg、イオン導電補助剤としてゲル
電解質のテトラヒドロフラン溶液200mgを加えて、
混合した。その後、テトラヒドロフラン1gを加えて全
体が均一になるまで3分間さらに混合したところ、黒色
のスラリーが得られた。得られたスラリー200mgを
リード線を備えたアルミ箔(面積:1.5cm×1.5
cm、厚さ100μm)の表面に滴下し、ワイヤーバー
で全体が均一な厚さになるように展開した。室温で12
0分間放置したところ、溶剤のテトラヒドロフランが気
化し、アルミ箔上に化学式(A)の構造を有する化合物
を含む有機化合物の層が形成された。
【0036】次に、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体600mgに1mol/lのLiP
6電解質塩を含むエチレンカーボネート/ジエチルカ
ーボネート混合溶液(混合比1:1)からなる電解液1
400mgを混合し、テトラヒドロフラン11.3gを
加えて室温で撹拌した。フッ化ビニリデン−ヘキサフル
オロプロピレン共重合体が溶解した後、ガラス板上に塗
布し、厚さが1mmとなるようにした。1時間放置し、
溶剤のテトラヒドロフランを自然乾燥させると、ガラス
板上に厚さ150μmのゲル電解質膜が得られた。
【0037】その後、化学式(A)の構造を有する化合
物を含む有機化合物の層を形成したアルミ箔に、ゲルを
含浸した不織布を積層し、さらにリード線を備えたリチ
ウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜
厚20μm)を重ね合わせた。全体を厚さ5mmのポリ
テトラフルオロエチレン製シートで鋏み、圧力を加えて
電池を作製した。
【0038】以上のように作製した正極活物質として化
学式(A)の構造を有する化合物、負極活物質として金
属リチウムを用いた電池を用いて、0.1mAの定電流
で放電を行った。その結果、電圧は3.2V付近から
2.8V付近まで約6時間保たれた。この間の平均電圧
は約3.0Vであった。その後、2.8Vから1.5V
に急激に低下した。さらに4.0〜2.0Vの範囲で充
放電を10回繰り返した。その結果、繰り返し充放電を
行っても放電時に3.2V付近から2.8V付近まで約
6時間保たれ、その後2.8Vから2.0Vに急激に低
下することが繰り返された。
【0039】(実施例2)実施例1と同様の方法で電池
を作製した。ただし、化学式(A)の構造を有する化合
物の代わりに、化学式(B)
【化10】 の構造を有する化合物を用いた。この電池を用い0.1
mAの定電流で4.2Vになるまで充電を行った。つづ
いて、0.1mAの定電流で放電を行った。その結果、
電圧は3.2V付近から2.8V付近まで約10時間保
たれた。この間の平均電圧は約3.0Vであった。その
後、2.8Vから1.5Vに急激に低下した。さらに
4.0〜2.0Vの範囲で充放電を10回繰り返した。
その結果、繰り返し充放電を行っても放電時に3.2V
付近から2.8V付近まで約10時間保たれ、その後
2.8Vから2.0Vに急激に低下することが繰り返さ
れた。
【0040】(参考例)実施例1と同様の方法で電池を
作製した。ただし、化学式(A)の構造を有する化合物
は用いなかった。この電池を用い4.2Vまで0.1m
Aの定電流で充電を行ったところ、電圧は4.2Vまで
に急激に上昇した。さらに、この電池を用い、0.1m
Aの定電流で放電を行った。その結果、電圧は1.5V
に急激に低下した。さらに4.0〜1.5Vの範囲で充
放電を10回繰り返した。その結果、繰り返し充放電を
行うと、充電時に電圧は急激に上昇し、放電時に電圧は
急激に低下することが繰り返された。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、活物質
として、その構造中に一般式(1)で表される構造を酸
化状態で、一般式(2)で表される構造を還元状態で有
する化合物を用いた新規な電池を提案したものである。
これにより、電極活物質として重金属を含まない軽くて
安全な元素から構成される電池を作製することを可能と
するものであり、また、エネルギー密度が高く、高容量
で安定性に優れた電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池の構成の一例を示す正面図であ
る。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【符号の説明】
1・・・負極、1−1・・・負極層、1−2・・・負極
集電体、2・・・正極、2−1・・・正極層、2−2・
・・正極集電体、3・・・電解質を含むセパレータ、4
・・・負極端子、5・・・正極端子、6・・・ラミネー
トフィルム
フロントページの続き (72)発明者 森岡 由紀子 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 入山 次郎 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 須黒 雅博 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 佐藤 正春 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK01 AK02 AK03 AK15 AK16 AL06 AL12 AL13 AL15 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ04 HJ02 5H050 AA02 AA07 BA16 BA17 CA02 CA07 CA08 CA09 CA19 CA22 CB08 CB09 CB12 CB22 HA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも正極、負極および電解質を構
    成要素とする二次電池において、正極および負極の少な
    くとも一方の活物質が、その構造中に一般式(1)で表
    される構造を酸化状態で、一般式(2)で表される構造
    を還元状態で有する化合物であることを特徴とする二次
    電池。 【化1】 (一般式(1)において、Y-は対アニオンを表す。) 【化2】 (一般式(2)において、X+は対カチオンを表す。)
  2. 【請求項2】 少なくとも正極、負極および電解質を構
    成要素とする二次電池において、正極および負極の少な
    くとも一方の活物質が、2種以上の物質からなり、その
    うち少なくとも一つの物質が、酸化状態で一般式(1)
    で表される構造、還元状態で一般式(2)で表される構
    造を有する化合物であることを特徴とする二次電池。 【化3】 (一般式(1)において、Y-は対アニオンを表す。) 【化4】 (一般式(2)において、X+は対カチオンを表す。)
  3. 【請求項3】 一般式(1)においてY-で表される対
    アニオンが、F-、Cl-、Br-、I-、PF6 -、ClO
    4 -、BF4 -、Z−SO3 -、N(Z−SO32 -[ZはCn
    2n+1(nは1乃至8)、アルキル基、またはアルキル
    置換もしくは無置換の芳香族基を表す]のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電
    池。
  4. 【請求項4】 一般式(2)においてX+で表される対
    カチオンが、H+、Li+、Na+のいずれかであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の請求
    項1または2に記載の二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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