JP2003049821A - 軸部材の製造方法及び動圧軸受装置の製造方法 - Google Patents

軸部材の製造方法及び動圧軸受装置の製造方法

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JP2003049821A
JP2003049821A JP2001236392A JP2001236392A JP2003049821A JP 2003049821 A JP2003049821 A JP 2003049821A JP 2001236392 A JP2001236392 A JP 2001236392A JP 2001236392 A JP2001236392 A JP 2001236392A JP 2003049821 A JP2003049821 A JP 2003049821A
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screw
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dynamic pressure
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Masato Gomyo
五明  正人
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Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、軸部材及びスラスト動圧軸受
装置の品質を向上させつつ生産性を高めることを可能と
する。 【解決手段】 軸受部材21に、雌ネジ部21bを有す
る貫通孔21aを、軸方向に最大長となる下穴に基づい
て形成し、その貫通孔21aの雌ネジ部21bに螺着し
たネジ部材24のネジ頭部24bと、上記軸部材21の
一端部との間に、スラストプレート23を挟み込むよう
にして上記ネジ部材24により締め付け固定することに
よって、上記スラストプレート23の接合強度を大幅に
向上させるとともに、接着剤26の最低粘度を適宜に規
定して、スラストプレート固定ネジ24の螺合部とは反
対側の方向に接着剤が回転軸21の雌ネジ部21bに沿
って這い上がっていく現象を抑制し、スラストプレート
23と反対側の端部側からクランプ固定ネジを良好に螺
着可能としたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸に対して被固定
部材を固定するようにした軸部材の製造方法及び動圧軸
受装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、各種装置において、軸に対して
種々の被固定部材を固定することが行われている。例え
ば、図10に示されているようなハードディスク駆動装
置(HDD)に採用されている動圧軸受装置では、固定
部材としての軸受スリーブ(軸受部材)1内に、回転軸
(軸部材)2が回転自在に挿入されていて、これら軸受
スリーブ1の内周面と、回転軸2の外周面との間の微小
隙間内に、オイルや磁性流体などの潤滑流体が注入され
ていることによって、軸方向に離して2箇所のラジアル
軸受部RB,RBが構成されている。
【0003】そして、上記回転軸2に対して、圧入や焼
きバメなどの固定手段によって接合されたスラストプレ
ート3の軸方向両側の各端面と、上記軸受スリーブ1及
びその軸受スリーブ1に取り付けられたカウンタープレ
ート4との間においても、上述したラジアル軸受部RB
から連続して潤滑流体が注入されていて、そのスラスト
プレート3の軸方向両側に上下2箇所のスラスト軸受部
SBa,SBbが構成されている。
【0004】一方、前記回転軸2の図示上方側の部分に
は、記録ディスク5を保持するための回転ハブ6が圧入
・焼きバメなどにより接合されている一方、上記回転軸
2の図示上端部分には、ネジ部材8によりクランパ9が
固定されていて、そのクランパ9による軸方向の押圧力
で、上記記録ディスク5の保持が行われるようになって
いる。より詳細には、上記ネジ部材8のネジ頭部8aか
ら延出する雄ネジ部8bは、上記回転軸2の図示上端面
から図示下方に向かって形成された雌ネジ部2aに螺着
されていて、上記ネジ部材8のネジ頭部8aが、当該ネ
ジ部材8の締め付け力によってクランパ9に圧接される
ことによってクランパ9の固定が行われるようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年におい
ては、装置の薄型化の要請に伴って、動圧軸受装置の軸
方向の高さが大幅に抑えられる傾向にあり、その分、上
述した回転軸2に対するスラストプレート3の軸方向の
接合長さも減じられることとなり、その結果、上記スラ
ストプレート3の接合強度が低下するおそれが発生して
いる。特に、モバイルなどのように持ち運びを前提とし
た装置では、落下時等における耐衝撃性を十分に確保し
なければならないことなどの理由から、上述したスラス
トプレート3の接合強度の低下が大きな問題になって来
ている。
【0006】また、前述した回転軸2に形成されたクラ
ンパ9を固定するための雌ネジ部2aは、回転軸2の図
示上端部側から軸線に沿うようにして開けられている
が、当該雌ネジ部2aは、止まり穴を構成するように形
成されている。すなわち、この雌ネジ部2aにおける図
示下端側の部位は、閉塞された穴底部をなすように形成
されていることから、その雌ネジ部2aの穴底部内に、
切り屑などの異物が堆積し易くなっている。そして、そ
の雌ネジ部2aの穴底部内に一旦堆積してしまった異物
は、清浄工程などを行っても完全には除去することがで
きず、それらの異物が、装置の使用中に外部飛散してし
まうと、例えば、清浄性を要求される記録ディスクに付
着することとなって、情報の記録・再生が不能になるな
どのような致命的な欠陥問題に発展しかねない。
【0007】さらに、装置の薄型化が進められてくる
と、上述した回転軸2に形成された雌ネジ部2aの下穴
の長さも短縮化されることとなる。その場合には、その
短縮化された下穴内に、同じく短縮化されたネジ切り用
のタップ工具を用いて雌ネジ部2aをネジ切り加工する
こととなるが、そのようにすると、ネジ成形時に、タッ
プ工具に大きな応力が負荷される結果となり、タップ工
具が折れ易くなったりするなどの問題が生じて生産性が
低下するおそれがある。このような問題は、上述したス
ラストプレート3を軸方向の上部側に設け、そのスラス
トプレート3を単なる軸の抜け止め板として用いるよう
にした構成においても同様に生じるものである。
【0008】そこで本発明は、簡易な構成で、スラスト
プレートなどの被固定部材の接合強度を高めることがで
きるとともに、清浄性、加工性に優れた軸部材の製造方
法及び動圧軸受装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1にかかる軸部材の製造方法では、軸に対し
て、軸方向の両端を連通する貫通孔を設けておくととも
に、その貫通孔の内壁部に雌ネジ部を形成しておき、上
記雌ネジ部に噛み合う雄ネジ部をネジ頭部から延出する
ように備えたネジ部材を、上記軸の貫通孔内に螺着し、
前記ネジ部材のネジ頭部と、前記軸の一端部との間に、
被固定部材を軸方向に挟み込み、上記ネジ部材の締め付
け力によって上記被固定部材の固定を行う一方、前記ネ
ジ部材の雄ネジ部と、前記軸側の雌ネジ部との螺着部の
少なくとも一部に、当該螺着部における隙間を封止する
接着剤を充填する製造方法であって、上記接着剤とし
て、塗布後の粘度が常時5Pa・s以上となる接着剤を
用いるようにしている。
【0010】このような軸部材の製造方法によれば、軸
に対するネジ部材の締め付け力によって、被固定部材が
強固に固定されることから、その被固定部材の接合強度
が大幅に向上される。また、ネジ部材の雄ネジ部と、軸
側の雌ネジ部との螺着部の少なくとも一部に、当該螺着
部における隙間を封止する接着剤を充填することから、
上記ネジ部材の弛みが接着剤によって防止されるように
なっている。そのときの接着剤は、ネジ部材側の雄ネジ
部と、軸側の雌ネジ部との螺着部の間部分に発生する毛
細管力及び濡れ拡張性の作用によって、上記螺着部内に
向かって良好に流入して充填されていくこととなるが、
特に本発明では、上記接着剤の最低粘度を適宜に規定し
ていることから、上記螺合部の内部側とは反対側の方向
に、軸部材の雌ネジ部に沿って接着剤が濡れ拡張性で這
い上がっていく現象が抑制されることとなる。その結
果、上記被固定部材と反対側の端部にネジ部材が螺着さ
れる場合に、上述した接着剤の這い上がりによってネジ
部材の螺着できなくなるような事態が良好に回避され
る。
【0011】また、請求項2にかかる軸部材の製造方法
では、上記請求項1に加えて、接着剤の最高粘度を適宜
に規定していることから、接着剤の注入時における流動
性が良好に確保されることとなり、接着剤の注入作業が
極めて円滑に行われるようになっている。
【0012】さらに、請求項3にかかる軸部材の製造方
法では、上記請求項1における接着剤として、ネジ部材
の螺着部の略全長にわたって接着剤が充填可能な程度の
粘度を有する接着剤を用いるようにしていることから、
上述した作用が確実に確保されるようになっている。
【0013】さらにまた、請求項4にかかる動圧軸受装
置の製造方法では、軸部材に、軸方向の両端を連通した
貫通孔を設けておくとともに、その貫通孔の内壁部に雌
ネジ部を形成しておき、上記雌ネジ部に噛み合う雄ネジ
部をネジ頭部から延出するように備えたネジ部材を、上
記軸部材の貫通孔内に螺着し、前記ネジ部材のネジ頭部
と、前記軸部材の一端部との間に前記スラストプレート
を軸方向に挟み込んで、上記ネジ部材の締め付け力によ
り上記スラストプレートの固定を行う一方、前記ネジ部
材の雄ネジ部と、前記軸部材側の雌ネジ部との螺着部の
少なくとも一部に、当該螺着部における隙間を封止して
前記潤滑流体の外部漏れを防止する接着剤を充填する製
造方法であって、上記接着剤として、塗布後の粘度が常
時5Pa・s以上となる接着剤を用いるようにしてい
る。
【0014】このような動圧軸受装置の製造方法によれ
ば、軸部材に対するネジ部材の締め付け力によって、ス
ラストプレートが強固に固定されることから、上記スラ
ストプレートの接合強度が大幅に向上される。また、ネ
ジ部材の雄ネジ部と、軸部材側の雌ネジ部との螺着部の
少なくとも一部に、当該螺着部における隙間を封止して
前記潤滑流体の外部漏れを防止する接着剤を充填するこ
とから、貫通孔を通って外部流出しようとする潤滑流体
の封止が行われるとともに、上記ネジ部材の弛みが、上
記接着剤によって防止されるようになっている。そのと
きの接着剤は、ネジ部材側の雄ネジ部と、軸部材側の雌
ネジ部との螺着部の間部分に発生する毛細管力及び濡れ
拡張性の作用によって、上記螺着部内に向かって良好に
流入して充填されていくこととなるが、特に本発明で
は、上記接着剤の最低粘度を常時5Pa・s以上に規定
していることから、上記螺合部の内部側とは反対側の方
向に、軸部材の雌ネジ部に沿って接着剤が濡れ拡張性で
這い上がっていく現象が抑制されることとなる。その結
果、上記軸部材におけるスラストプレートと反対側の端
部に螺着されるクランプ用ネジ部材が、上述した接着剤
の這い上がりによって螺着できなくなるような事態が良
好に回避される。
【0015】また、請求項5にかかる動圧軸受装置の製
造方法では、上記請求項4に加えて、接着剤の最高粘度
を適宜に規定していることから、接着剤の注入時におけ
る流動性が良好に確保されることとなり、接着剤の注入
作業が極めて円滑に行われるようになっている。
【0016】さらに、請求項6にかかる動圧軸受装置の
製造方法では、上記請求項4における接着剤として、ネ
ジ部材の螺着部の略全長にわたって接着剤が充填可能な
程度の粘度を有する接着剤を用いるようにしていること
から、上述した作用が確実に確保されるようになってい
る。
【0017】さらにまた、請求項7にかかる動圧軸受装
置の製造方法では、上記請求項4に加えて、スラストプ
レートとネジ部材との接合部位に、ネジ部材と軸部材側
との螺着部における毛細管力を低減して接着剤の外部漏
れを防止する空間部を設けるようにしていることから、
接着剤を注入するときの外部漏れが良好に防止されるよ
うになっている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、本
発明を適用したハードディスク駆動装置(HDD)の全
体構造の説明とともに図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1に示されている軸回転のHDDスピン
ドルモータの全体は、固定部材としてのステータ組10
と、そのステータ組10に対して図示上側から組み付け
られた回転部材としてのロータ組20とから構成されて
いる。そのうちのステータ組10は、図示を省略した固
定基台側にネジ止めされる固定フレーム11を有してい
る。この固定フレーム11は、軽量化を図るためにアル
ミ系金属材料から形成されているが、当該固定フレーム
11の略中央部分に立設するようにして形成された環状
の軸受ホルダー12の内周面側に、中空円筒状に形成さ
れた固定軸受部材としての軸受スリーブ13が、圧入又
は焼嵌めによって上記軸受ホルダー12に接合されてい
る。この軸受スリーブ13は、小径の孔加工等を容易化
するためにリン青銅などの銅系材料から形成されてい
る。
【0020】また、前記軸受ホルダー12の外周取付面
には、電磁鋼板の積層体からなるステータコア14が嵌
着されている。このステータコア14に設けられた各突
極部には、駆動コイル15がそれぞれ巻回されている。
【0021】さらに、上記軸受スリーブ13に設けられ
た中心孔内には、上述したロータ組20を構成する回転
軸21が回転自在に挿入されている。すなわち、上記軸
受スリーブ13の内周壁部に形成された動圧面に対し
て、上記回転軸21の外周面に形成された動圧面が、半
径方向に近接対向するように配置されており、それらの
微小隙間部分にラジアル動圧軸受部RBが構成されてい
る。より詳細には、上記ラジアル動圧軸受部RBにおけ
る軸受スリーブ13側の動圧面と、回転軸21側の動圧
面とは、数μmの微少隙間を介して周状に対向配置され
ており、その微少隙間からなる軸受空間内に、潤滑オイ
ルや磁性流体やエアー等の潤滑流体が軸方向に連続する
ように注入又は介在されている。
【0022】さらに、上記軸受スリーブ13及び回転軸
21の両動圧面の少なくとも一方側には、図示を省略し
た例えばへリングボーン形状のラジアル動圧発生用溝
が、軸方向に2ブロックに分けられて環状に凹設されて
おり、回転時に、当該ラジアル動圧発生用溝のポンピン
グ作用により潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤
滑流体の動圧によって、上記回転軸21とともに後述す
る回転ハブ22がラジアル方向に、上記軸受スリーブ1
3に対して非接触状態で軸支持される構成になされてい
る。
【0023】また、上記各ラジアル動圧軸受部RBを構
成している軸受空間の図示上端部分に、毛細管シール部
RSが配置されている。この毛細管シール部RSは、上
記回転軸21又は軸受スリーブ13側に形成された傾斜
面によって、隙間を軸受外方側に向かって徐々に拡大さ
せたものであって、例えば20μmから300μmの隙
間を有するように設定されている。この毛細管シール部
RSには、モータの回転・停止のいずれの場合にも上記
潤滑流体の液面が位置するように構成されている。
【0024】さらに、上記回転軸21とともにロータ組
20を構成している回転ハブ22は、アルミ系金属から
なる略カップ状部材からなり、当該回転ハブ22の中心
部分に設けられた接合穴22aが、上記回転軸21の図
示上端部分に対して圧入又は焼嵌めによって一体的に接
合されている。そして、この回転ハブ22には、図示を
省略したクランパ(図11中の符号9参照)により、磁
気ディスク等の記録媒体が固定されるようになってい
る。
【0025】上記回転ハブ22は、記録媒体ディスクを
外周部に搭載する略円筒状の胴部22bを有していると
ともに、この胴部22bの図示下側の内周壁面側に、バ
ックヨークを介して環状駆動マグネット22cが取り付
けられている。この環状駆動マグネット22cは、前述
したステータコア14の外周側端面に対して環状に対向
するように近接配置されている。
【0026】一方、図2〜図5にも示されているよう
に、前記回転軸21の図示下端側の先端部分には、円盤
状のスラストプレート23が、後述するプレート固定ネ
ジ24により固着されている。このスラストプレート2
3は、上述した軸受スリーブ13の図示下端側の中心部
分に凹設された円筒状の窪み部13a(図1参照)内に
収容されるように配置されていて、その軸受スリーブ1
3の窪み部13a内において、上記スラストプレート2
3の図示上側面に設けられた動圧面が、軸受スリーブ1
3に設けられた動圧面に対して、軸方向に近接するよう
に対向配置されている。そして、上記スラストプレート
23の図示上側の動圧面には、例えば図3及び図4に示
されたものと同様なヘリングボーン形状のスラスト動圧
発生溝23aが形成されていて、そのスラストプレート
23及び上記軸受スリーブ13の両動圧面どうしの対向
隙間部分に、上側のスラスト動圧軸受部SBaが形成さ
れている。
【0027】さらにまた、上記スラストプレート23の
図示下側の動圧面に近接するようにして、比較的大径の
円盤状部材からなるカウンタープレート16が配置され
ている。このカウンタープレート16は、上記軸受スリ
ーブ13の下端側の開口部分を閉塞するように配置され
ていて、当該カウンタープレート16の外周側部分が、
上記軸受スリーブ13側に対して固定されている。
【0028】そして、上記スラストプレート23の図示
下側の動圧面には、例えば図3及び図4に示されている
ようなヘリングボーン形状のスラスト動圧発生溝23b
が形成されていて、それによって、図示下側のスラスト
動圧発生溝23bが形成されている。
【0029】このようにして軸方向に隣接して配置され
た一組のスラスト動圧軸受部SBa,SBbを構成して
いるスラストプレート23側の両動圧面と、それに近接
対向する軸受スリーブ13及びカウンタープレート16
側の両動圧面とは、それぞれ数μmの微少隙間を介して
軸方向に対向配置されているとともに、その微少隙間か
らなる軸受空間内に、オイルや磁性流体やエアー等の潤
滑流体が、前記スラストプレート23の外周側通路を介
して軸方向に連続するように注入又は介在されていて、
回転時に、上述したスラストプレート23に設けられた
スラスト動圧発生用溝23a,23bのポンピング作用
によって潤滑流体が加圧されて動圧を生じ、その潤滑流
体の動圧により、上述した回転軸21及び回転ハブ22
がスラスト方向に浮上した非接触の状態で軸支持される
ように構成されている。
【0030】ここで、上述した回転軸21には、当該回
転軸21の中心軸に沿うようにして貫通孔21aが形成
されていて、その貫通孔21aにより、上記回転軸21
の軸方向における図示上下両端が軸方向に連通させられ
ている。上記貫通孔21aの筒状をなす内周壁部には、
雌ネジ部21bが形成されており、その雌ネジ部21b
の図示上端側の部分には、図示を省略したクランプ固定
ネジ(図11中の符号8参照)が螺着される。このクラ
ンプ固定ネジのネジ頭部は、ディスク固定用のクランパ
(図11中の符号9参照)に対して上方側から圧接され
るように配置され、そのクランプ固定ネジの締め付け力
によって、クランパの固定が行われるように構成されて
いる。
【0031】なお、上記クランパにより保持される磁気
ディスク等の記録媒体が、図2の上方側からみて左回転
する場合には、上記雌ネジ部21bが右ネジをなすよう
に形成され、それとは逆に、磁気ディスク等の記録媒体
が図2の上方側からみて右回転する場合には、上記雌ネ
ジ部21bが左ネジをなすように形成される。これは、
モータの回転起動時におけるトルクによってクランプ固
定ネジが緩むことを防止するためである。
【0032】また、上記回転軸21の貫通孔21aの内
周壁部に形成された雌ネジ部21bにおける図2下端側
には、上述したスラストプレート23を固着するための
ネジ部材としてのプレート固定ネジ24が螺着されてい
る。このプレート固定ネジ24は、上記回転軸21側の
雌ネジ部21bと噛み合う雄ネジ部24aを有してい
て、その雄ネジ部24aは、ネジ頭部24bから図示上
方側に向かって軸方向に突出するように設けられてい
る。そして、このプレート固定ネジ24の雄ネジ部24
aが、上記回転軸21の貫通孔21a内に図示下側から
挿入されて、上記雄ネジ部21bに対して螺着されるこ
とにより、上記ネジ頭部24bが、前記スラストプレー
ト23の図2の下端側に圧接されている。
【0033】従って、上記プレート固定ネジ24のネジ
頭部24bと、前記回転軸21の図2下端面との間に、
前述したスラストプレート23が軸方向に挟み込まれる
こととなり、その状態で、上記プレート固定ネジ24が
締め付けられることによってスラストプレート23の固
定が行われている。
【0034】このとき、上記プレート固定ネジ24のネ
ジ頭部24bと、スラストプレート23との間には、ワ
ッシャー25が介在されている。このワッシャー25
は、上記プレート固定ネジ24を締め付けた際の削れ現
象などにより発生する可能性のあるバリ等の異物をなく
すためのものであり、そのため、上記ワッシャー25と
しては、PTFEやPEEKなどの樹脂製ワッシャー
や、高硬度で良好な平滑性を有する金属製ワッシャーな
どが用いられる。
【0035】さらに、上記プレート固定ネジ24の雄ネ
ジ部24aと、前記回転軸21側の雌ネジ部21bとの
螺合部には、当該螺合部のほぼ全長にわたって、エポキ
シ樹脂などの耐油性の接着剤26が充填されている。こ
の接着剤26は、上記プレート固定ネジ24の螺合部に
発生する隙間内に入り込むように注入されて、上記プレ
ート固定ネジ24の先端部を覆うように充填されてお
り、上記貫通孔21aを軸方向に封止する部材として注
入されている。すなわち、その接着剤26によって、前
述した潤滑流体の外部漏れが完全に防止されるととも
に、上記プレート固定ネジ24の弛み止めが行われるよ
うになっている。なお、油と反応しやすいアクリル系樹
脂等は、潤滑流体との関係で本発明における接着剤とし
ては好ましくない。
【0036】このとき、上記接着剤26は、前記回転軸
21に設けられた貫通孔21aの図2上端側におけるク
ランパ取付側の開口部を通して当該貫通孔21aの内部
側に図6及び図7のように上記貫通孔21aの開口側を
上向きにして注入されるものであるが、その接着剤26
を注入したときに、上記貫通孔21aの内部空間におい
て加圧される空気は、上記回転軸21の図2下端部分に
溝状をなすように設けられた空間部からなる空気抜通路
27を通して、前記回転軸21の半径方向外方側に向か
って排出されるようになっている。
【0037】より詳細には、上記空気抜通路27は、前
記スラストプレート23が回転軸21の図2下端部に当
接している部分に、周方向の4箇所にわたって凹設され
ていて、それらの各空気抜通路27は、上記スラストプ
レート23の中心穴部23cの内周側端縁部から半径方
向外方に向かって延出し、上記回転軸21の外周面より
更に外方位置に至るように形成されている。そして、上
述したスラストプレート23と回転軸21の図2下端部
との当接部分から、前記接着剤26の充填部分に至るま
での間に画成されている上記貫通孔21aの内部空間
が、それらの各空気抜通路27によって、回転軸21の
外方側まで連通させられている。
【0038】上述したように、前記接着剤26の注入
は、例えば図6及び図7に示されているようにして行わ
れる。すなわち、まず、前述したようにしてスラストプ
レート23が固定された回転軸21を、当該回転軸21
のクランパ取付側(図示上端側)開口部が上向きになる
ようにして適宜の治具にセットしておく。そして、図6
に示されているように、適宜の内径を有する接着剤塗布
用ニードル31を、上記回転軸21の貫通孔21a内に
軸方向に沿って挿入し、雌ネジ部21bに接触させない
ようにしながら、前記プレート固定ネジ24の雄ネジ部
24aに対して適宜の距離まで接近した位置で、図7に
示されているようにして、上記接着剤塗布用ニードル3
1の先端部分から接着剤26を吐出して定量の塗布作業
を行う。
【0039】このとき、上記接着剤塗布用ニードル31
は、本体シリンダ部32に装着されており、その本体シ
リンダ部32に接続された空気圧式のディスペンサーか
ら接着剤26が供給されるようになっている。そして、
そのときのディスペンサーによる空気圧、接着剤26の
塗布温度、及び塗布時間を適宜に管理・制御することに
よって所望の塗布量を得るようにしている。
【0040】ここで、本実施形態における接着剤26と
しては、2液性のエポキシ系接着剤が採用されている。
その2液性のエポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤とを塗
布直前に混合攪拌して用いるように構成したものであ
る。この2液性のエポキシ系接着剤は、室温放置でも硬
化するものであるが、完全硬化するまでに要する時間が
長くなるために、後述するような塗布後の加熱を行う。
【0041】但し、高温環境下では、接着剤の硬化時間
は短くなるが、粘度が低下して流動性が高まり、濡れ拡
張性の作用によって、上述した回転軸21の雌ネジ部2
1bの谷部に沿って接着剤が流れ易くなる。つまり、粘
度が低く流動し易い状態の接着剤を採用した場合には、
図8に示されているように、プレート固定ネジ24の螺
合部とは反対側の図示上方側に向かって、上記回転軸2
1の雌ネジ部21bの谷部を接着剤26が伝わって這い
上がっていく現象が増大し、一定位置以上まで接着剤2
6が這い上がってしまうと、回転軸21の図示上端側に
螺着されるクランプ固定ネジ(図11中の符号8参照)
の螺着が不可能になってしまうこととなる。
【0042】従って、接着剤26が硬化するまでの過程
において、当該接着剤26の粘度が基準値以上に高くな
るように条件設定を行い、適宜の高粘度を有するように
規定しておけば、プレート固定ネジ24の雄ネジ部24
aと、回転軸21側の雌ネジ部21bとの螺合部に対し
て接着剤を良好に流入させつつ、その螺合部とは反対側
の図示上方側に向かって雌ネジ部21bの谷部を伝わっ
て接着剤26が這い上がっていく量又は高さが許容範囲
内におさめられることとなり、その結果、回転軸21の
図示上端側に、クランプ固定ネジが接着剤に邪魔される
ことなく円滑に螺着される。
【0043】つまり、上述した接着剤26を注入するに
あたって必要とされる特性は、塗布後の粘度が、プレー
ト固定ネジ24の螺合部には良好に流入していくが、そ
れとは反対側の図示上方側に向かって回転軸21の雌ネ
ジ部21bの谷部を伝わって這い上がる量又は高さが、
予め定められた許容範囲より大きくならない程度に粘度
が設定されていることである。そこで本発明では、以下
のような実験を行った結果、塗布後の粘度が、常時5P
a・s以上となる接着剤を用いるようにしている。
【0044】まず、接着剤の粘度変化を測定した結果か
ら説明すると、図9では、横軸に、エポキシ樹脂系接着
剤の主剤と硬化剤とを混合した後の時間(秒)をとり、
縦軸に、接着剤の粘度(Pa・s)をとっており、被測
定物としての各接着剤の温度を、20℃から10℃間隔
で50℃まで変化させたときの粘度変化が本図に表され
ている。そして、それらの各粘度特性を有する接着剤
を、実際の装置に用いて塗布してみた結果、以下のよう
な事実が判明した。
【0045】 40℃の接着剤温度で、塗布後に6P
a・sの粘度を有する接着剤を用いた場合には、該接着
剤の這い上がり現象が、許容範囲の上限よりやや下方位
置におさまり、良好に使用可能であることが判明した。 50℃の接着剤温度で、塗布後に5Pa・sの粘度
を有する接着剤を用いた場合には、該接着剤の這い上が
り現象が、許容範囲の上限近くに達したものの、使用可
能な範囲であることが判明した。 22℃の接着剤温度では、粘度データから逆算する
と、約18Pa・sの粘度となるが、その3倍、つまり
54Pa・sの粘度を有する接着剤でも、プレート固定
ネジ24の螺合部に対して円滑に流入していき、良好な
封止機能を有することが判明した。 接着剤の粘度が5Pa・sより小さいと、接着剤の
這い上がり現象が発生して、クランプ用ネジ部材の螺着
に支障が出た。
【0046】そして、このような実験結果から、上記接
着剤26の粘度の下限値の条件として、塗布後の粘度が
常時5Pa・s以上となる接着剤を用いるようにすれ
ば、上述したような接着剤の這い上がり現象を許容範囲
内に抑えることができることが解った。
【0047】一方、上記接着剤26の粘度の上限値に関
しては、基本的には考える必要はない。つまり、比較的
高粘度の接着剤を用いてたとしても、プレート固定ネジ
24の螺合部内には、当該螺合部に発生する毛細管力
と、濡れ拡張性との双方によって接着剤を比較的容易に
充填させることが可能であるからである。但し、プレー
ト固定ネジ24の螺合部の略全長にわたって接着剤を充
填可能とする程度には、接着剤の粘度を低く設定し、適
宜の流動性を備えるようにしておくことが好ましい。
【0048】また、その接着剤26の粘度の上限値に関
しては、上述した接着剤塗布用ニードル31を用いて注
入する際の作業性を考慮する必要がある。つまり、接着
剤の粘度が、あまりにも高すぎて流動性が大幅に低下し
ていると、前述した接着剤塗布用ニードル31からの接
着剤の吐出が円滑に行われなくなるので、本発明におい
ては、塗布後の粘度が、常時25Pa・s以下となるよ
うな流動性を有する接着剤を用いることによって、接着
剤の注入の作業を良好かつ確実に行い得るようにしてい
る。
【0049】さらに、その接着剤26の注入作業に関連
して、本実施形態では、前述したようにスラストプレー
ト23が回転軸21の図2下端部に当接している部分に
空間部かならる空気抜通路27が形成されており、その
空気抜通路27によって、前記プレート固定ネジ24の
螺合部における毛細管力をやや低減することとしている
ので、接着剤26の外部漏れが防止される空間部として
作用するようになっている。
【0050】なお、本実施形態において用いられている
2液性のエポキシ樹脂系接着剤は、時間と共に粘度が少
しずつ高くなっていくが、硬化時の反応熱によって時間
の経過と共に粘度が低くなる場合もある。その場合に
は、最低の粘度を所望の範囲内とするように規定すれば
よい。
【0051】このようにして接着剤26を定量塗布した
後には、接着剤26の加熱硬化処理が行われる。すなわ
ち、上述した回転軸21の貫通孔21aにおける図示上
端側のクランパ取付側開口部を上方側に向けた状態で、
恒温槽の内部にセットし、接着剤粘度が所望の粘度とな
るように上記恒温糟の温度を設定して接着剤26を加熱
し硬化させる。さらに、その接着剤26の硬化を完了し
た後には、当該接着剤26の表面に付着している有機物
をTg温度以下(例えば80℃〜100℃以下)でベー
キングし、接着剤26からの発ガス成分を除去すること
が好ましい。このような処理は、一般にステップスキュ
アと呼ばれる。
【0052】なお、本実施形態では、特に図2及び図4
に示されているように、上記プレート固定ネジ24のネ
ジ頭部24bに、当該ネジ頭部24bの外側面の軸中心
部分に、平面星形状をなすネジ締め付け用の工具係合用
凹部24cが形成されている。この工具係合用凹部24
cは、横断面が略三角形状に窪むように凹設されてい
て、当該工具係合用凹部24c内には、耐油性を有する
接着剤24dがネジ締め付け後に充填されている。その
接着剤24dは、上記プレート固定ネジ24を締め付け
た際の削れ現象などによって上記工具係合用凹部24c
内に発生する可能性のあるバリ等の異物を埋め込むもの
であり、この接着剤24dによって、上記バリ等の異物
の外部流出・外部飛散が防止されるようになっている。
【0053】このような構成を有する本実施形態では、
回転軸21に対してプレート固定ネジ24が締め付けら
れることによって、スラストプレート23が強固に固定
されており、従って、上記スラストプレート23の接合
強度は、従来の圧入などに比して大幅に向上されてい
る。また、本実施形態では、回転軸21に雌ネジ部21
bを形成するための貫通孔21aが形成されていること
から、軸方向に最大長の下穴が設けられていることとな
る。そして、その最大長の貫通孔21aからなる下穴に
対しては、雌ネジ部21bが、余裕の加工長を備えたネ
ジ切り工具が用いられることとなるから、より容易かつ
効率的に加工が行われる。さらに、上述した雌ネジ部2
1bの加工時等において発生する切り屑などの異物は、
上記貫通孔21aの開口部を通して外方に容易に排出さ
れることとなり、良好な清浄性が得られる。
【0054】また、本実施形態では、プレート固定ネジ
24の雄ネジ部24aと、回転軸21の雌ネジ部21b
との螺合部に、その螺合部における隙間を封止して潤滑
流体の外部漏れを防止する接着剤26が充填されている
ことから、貫通孔21aを通って外部流出しようとする
潤滑流体の封止が行われるとともに、上記プレート固定
ネジ24の弛みが、上記接着剤26によって確実に防止
されるようになっている。
【0055】そして、上記接着剤26を注入するにあた
っては、前記プレート固定ネジ24の雄ネジ部24a
と、回転軸21の雌ネジ部21bとの螺合部の間の毛細
管力及び濡れ拡張作用により、当該螺着部内に接着剤2
6が良好に充填されていくこととなるが、特に本実施形
態では、上記接着剤26の最低粘度を適宜(5Pa・s
以上)に規定していることから、上記螺合部とは反対側
の図示上方向に、回転軸21の雌ネジ部21bの谷部に
沿って接着剤26が濡れ拡張性により這い上がっていく
現象が抑制されることとなる。その結果、上記スラスト
プレート23と反対側の端部側から螺着されるクランプ
固定ネジが、接着剤26の這い上がりによって螺着でき
なくなるような事態が良好に回避される。
【0056】また、本実施形態においては、上記接着剤
26の最高粘度を適宜(25Pa・s以下)に規定して
いることから、接着剤26の注入時における流動性が良
好に確保されることとなり、接着剤の注入作業が極めて
円滑に行われるようになっている。
【0057】さらにまた、本実施形態では、スラストプ
レート23とプレート固定ネジ24との接合部位に、プ
レート固定ネジ24と回転軸21の螺着部における毛細
管力を低減して接着剤26の外部漏れを防止する空間部
である空気抜通路27を設けるようにしていることか
ら、接着剤26を注入するときの外部漏れが良好に防止
されるようになっている。
【0058】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を異体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
程々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0059】例えば、上述した実施形態では、スラスト
プレート23を用いてスラスト軸受部を構成している
が、そのスラスト軸受部を、例えば軸受スリーブ13の
図示上面側と、回転ハブ22の図示下面側との間に形成
することとし、スラストプレート23を、単に、スラス
ト方向の抜け止めとして用いるようにした場合に対して
も、本発明は同様に適用することができる。
【0060】また、上述した実施形態は、軸回転型の動
圧軸受装置に対して本発明を適用したものであるが、本
発明は、軸固定型の動圧軸受装置に対しても同様に適用
することができる。
【0061】さらに、本発明は、上述した実施形態のよ
うなHDD用モータ以外に用いられる動圧軸受装置、例
えば、ポリゴンミラー駆動用モータやCD−ROM駆動
用モータなどのように、多種多様な装置において用いら
れる動圧軸受装置に対しても同様に適用することができ
る。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように請求項1にかかる軸部
材の製造方法は、軸に、雌ネジ部を有する貫通孔を軸方
向に最大長の下穴を構成するように設け、その貫通孔の
雌ネジ部に螺着したネジ部材のネジ頭部と、上記軸の一
端部との間に被固定部材を挟み込むようにして上記ネジ
部材により締め付け固定し、被固定部材の接合強度を大
幅に向上させるとともに、上記ネジ部材と軸との螺着部
における隙間を封止する接着剤の最低粘度を適宜に規定
して、ネジ部材の螺合部とは反対側の方向に接着剤が軸
の雌ネジ部に沿って這い上がっていく現象を抑制し、被
固定部材と反対側の端部側から軸に対してネジ部材を良
好に螺着可能としたものであるから、簡易な構成で、軸
の強度的な信頼性、清浄性、及び加工性を高めることが
できる。
【0063】また、請求項2にかかる軸部材の製造方法
は、上記請求項1に加えて、接着剤の最高粘度を適宜に
規定して、接着剤の注入時における流動性を良好に確保
し、接着剤の注入作業を極めて円滑に行い得るようにし
たものであるから、上述した硬化に加えて、動圧軸受装
置の生産性を向上させることができる。
【0064】さらに、請求項3にかかる軸部材の製造方
法は、上記請求項1における接着剤として、ネジ部材の
螺着部の略全長にわたって接着剤が充填可能な程度の粘
度を有する接着剤を用いるようにしていることから、上
述した効果を確実に得ることができる。
【0065】一方、請求項4にかかる動圧軸受装置の製
造方法は、軸受部材に、雌ネジ部を有する貫通孔を軸方
向に最大長の下穴を構成するように設け、その貫通孔の
雌ネジ部に螺着したネジ部材のネジ頭部と、上記軸部材
の一端部との間にスラストプレートを挟み込むようにし
て上記ネジ部材により締め付け固定し、スラストプレー
トの接合強度を大幅に向上させるとともに、上記ネジ部
材と軸部材との螺着部における隙間を封止する接着剤の
最低粘度を適宜に規定して、ネジ部材の螺合部とは反対
側の方向に接着剤が軸部材の雌ネジ部に沿って這い上が
っていく現象を抑制し、スラストプレートと反対側の端
部側から軸部材に対してネジ部材を良好に螺着可能とし
たものであるから、簡易な構成で、動圧軸受装置の強度
的な信頼性、清浄性、及び加工性を高めることができ
る。
【0066】さらに、請求項5にかかる動圧軸受装置の
製造方法は、上記請求項4に加えて、接着剤の最高粘度
を適宜に規定して、接着剤の注入時における流動性を良
好に確保し、接着剤の注入作業を極めて円滑に行い得る
ようにしたものであるから、上述した硬化に加えて、動
圧軸受装置の生産性を向上させることができる。
【0067】さらにまた、請求項6にかかる動圧軸受装
置の製造方法は、上記請求項4における接着剤として、
ネジ部材の螺着部の略全長にわたって接着剤が充填可能
な程度の粘度を有する接着剤を用いるようにしているこ
とから、上述した効果を確実に得ることができる。
【0068】さらに、請求項7にかかる動圧軸受装置の
製造方法は、上記請求項4に加えて、スラストプレート
とネジ部材との接合部位に、ネジ部材と軸部材側との螺
着部における毛細管力を低減して接着剤の外部漏れを防
止する空間部を設けて、接着剤を注入するときの外部漏
れを良好に防止したものであるから、上述した効果に加
えて、接着剤のはみ出しを無くして動圧軸受装置の信頼
性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して製造した軸回転型の動圧軸受
装置を備えたハードディスク駆動装置(HDD)の全体
構造例を表した縦断面説明図である。
【図2】図1に示された動圧軸受装置における軸部材に
対するスラストプレートのネジ固定構造を拡大して表し
た縦断面説明図である。
【図3】図2かかるネジ固定構造を底面側からみたとき
の構造説明図である。
【図4】図1〜図3にかかる装置に用いられているスラ
ストプレートを拡大して表した底面説明図である。
【図5】図1〜図3にかかる装置に用いられているスラ
ストプレートを拡大して表した縦断面説明図である。
【図6】軸部材の内部側に接着剤を注入する直前の状態
を表した縦断面説明図である。
【図7】軸部材の内部側に接着剤を注入している状態を
表した縦断面説明図である。
【図8】軸部材の内部側に注入された接着剤が、濡れ拡
張に基づいて這い上がっている状態を表した縦断面説明
図である。
【図9】接着剤の粘度(Pa・s)変化を、温度をパラ
メータとして実験した結果を表した線図である。
【図10】従来における動圧軸受装置を備えたハードデ
ィスク駆動装置(HDD)の全体構造例を表した縦断面
説明図である。
【符号の説明】
10 ステータ組 13 軸受スリーブ 16 カウンタープレート 20 ロータ組 21 回転軸(軸部材) 21a 貫通孔 21b 雌ネジ部 22 回転ハブ 23 スラストプレート 23a スラスト動圧発生溝 23b スラスト動圧発生溝 24 プレート固定ネジ(ネジ部材) 24a 雄ネジ部 24b ネジ頭部 24c 工具係合用凹部 24d 接着剤 26 接着剤 27 空気抜通路 27’,27” 空気抜通路 RB ラジアル動圧軸受部 SBa,SBb スラスト動圧軸受部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸に対して、軸方向の両端を連通する貫
    通孔を設けておくとともに、その貫通孔の内壁部に雌ネ
    ジ部を形成しておき、 上記雌ネジ部に噛み合う雄ネジ部をネジ頭部から延出す
    るように備えたネジ部材を、上記軸の貫通孔内に螺着
    し、 前記ネジ部材のネジ頭部と、前記軸の一端部との間に、
    被固定部材を軸方向に挟み込み、上記ネジ部材の締め付
    け力によって上記被固定部材の固定を行う一方、 前記ネジ部材の雄ネジ部と、前記軸側の雌ネジ部との螺
    着部の少なくとも一部に、当該螺着部における隙間を封
    止する接着剤を充填する製造方法であって、 上記接着剤として、塗布後の粘度が常時5Pa・s以上
    となる接着剤を用いるようにしたことを特徴とする軸部
    材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記接着剤として、塗布後の粘度が常時
    25Pa・s以下となる接着剤を用いるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の軸部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記接着剤として、前記ネジ部材の螺着
    部の略全長にわたって接着剤を充填可能とする程度の粘
    度を有する接着剤を用いるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の動圧軸受装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 軸受部材と軸部材とを相対回転可能に装
    着する一方、上記軸部材側に取り付けたスラストプレー
    トと、前記軸受部材側に固定したカウンタープレートと
    を、軸方向に対向するように配置することによってスラ
    スト動圧軸受部を構成するようにした動圧軸受装置の製
    造方法において、 前記軸部材に、軸方向の両端を連通した貫通孔を設けて
    おくとともに、その貫通孔の内壁部に雌ネジ部を形成し
    ておき、 上記雌ネジ部に噛み合う雄ネジ部をネジ頭部から延出す
    るように備えたネジ部材を、上記軸部材の貫通孔内に螺
    着し、 前記ネジ部材のネジ頭部と、前記軸部材の一端部との間
    に前記スラストプレートを軸方向に挟み込み、上記ネジ
    部材の締め付け力によって上記スラストプレートの固定
    を行う一方、 前記ネジ部材の雄ネジ部と、前記軸部材側の雌ネジ部と
    の螺着部の少なくとも一部に、当該螺着部における隙間
    を封止して前記潤滑流体の外部漏れを防止する接着剤を
    充填する製造方法であって、 上記接着剤として、塗布後の粘度が常時5Pa・s以上
    となる接着剤を用いるようにしたことを特徴とする動圧
    軸受装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記接着剤として、塗布後の粘度が常時
    25Pa・s以下となる接着剤を用いるようにしたこと
    を特徴とする請求項4記載の動圧軸受装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記接着剤として、前記ネジ部材の螺着
    部の略全長にわたって接着剤を充填可能とする程度の粘
    度を有する接着剤を用いるようにしたことを特徴とする
    請求項4記載の動圧軸受装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記スラストプレートと前記ネジ部材と
    の接合部位に、前記ネジ部材の螺着部における毛細管力
    を低減して接着剤の外部漏れを防止する空間部を設ける
    ようにしたことを特徴とする請求項4記載の動圧軸受装
    置の製造方法。
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