JP2005210896A - ディスク装置のスピンドルモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】組立工程の効率化を図ることができ、より一層低コストなスピンドルモータを提供する。
【解決手段】スピンドルモータは、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4およびモータロータ5とを備えている。動圧軸受装置1のハウジング7と軸受スリーブ8は同種の金属材料で形成され、軸受スリーブ8はハウジング7の内周に溶着によって固定されている。
【選択図】図1
【解決手段】スピンドルモータは、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4およびモータロータ5とを備えている。動圧軸受装置1のハウジング7と軸受スリーブ8は同種の金属材料で形成され、軸受スリーブ8はハウジング7の内周に溶着によって固定されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で軸部材を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置を備えたディスク装置のスピンドルモータに関する。このスピンドルモータは、例えばHDD、FDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置などに好適である。
上記スピンドルモータには、高回転精度の他、高速化、低コスト化、低騒音化などが求められている。これらの要求性能を決定づける構成要素の一つに当該モータのスピンドルを支持する軸受があり、近年では、この種の軸受として、上記要求性能に優れた特性を有する動圧軸受の使用が検討され、あるいは実際に使用されている。
例えば、HDD等のディスク装置のスピンドルモータに組込まれる動圧軸受装置では、軸部材をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部と、軸部材をスラスト方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部とが設けられ、ラジアル軸受部として、軸受スリーブの内周面又は軸部材の外周面に動圧発生用の溝(動圧溝)を設けた動圧軸受が用いられる。スラスト軸受部としては、例えば、軸部材のフランジ部の両端面、又は、これに対向する面(軸受スリーブの端面や、ハウジングに固定されるスラスト部材の端面等)に動圧溝を設けた動圧軸受が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
通常、軸受スリーブはハウジングの内周の所定位置に固定され、また、ハウジングの内部空間に注油した潤滑油が外部に漏れるのを防止するために、ハウジングの開口部にシール部材を配設する場合が多い。
特開2000―291648号公報
上記構成の動圧軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、軸部材、スラスト部材、及びシール部材といった部品で構成され、情報機器の益々の高性能化に伴って必要とされる高い軸受性能を確保すべく、各部品の加工精度や組立精度を高める努力がなされている。その一方で、情報機器の低価格化の傾向に伴い、この種の動圧軸受装置に対するコスト低減の要求も益々厳しくなっている。
この種の動圧軸受装置の低コスト化を図る上で重要なポイントの一つとなるのは、組立工程の効率化である。すなわち、スラスト軸受部のスラスト軸受隙間は各部品の組立精度の影響を受けるため、スラスト軸受隙間を精度よく設定するために煩雑な組立作業が必要となり、組立工程の効率の低下させる一因となっている。また、ハウジングと軸受スリーブ、ハウジングとスラスト部材、ハウジングとシール部材は、通常、接着剤を用いて固定する場合が多いが、接着剤の塗布から固化までに比較的長い時間を要し、このことも組立工程の効率の低下させる一因となっている。さらに、接着剤によるアウトガスの発生や接着力の経時劣化の可能性も懸念される。
本発明の課題は、動圧軸受装置の組立工程の効率化を図ることができ、より一層低コストなスピンドルモータを提供することである。
本発明の他の課題は、動圧軸受装置の部品相互間の固定部からのアウトガス発生や固定力の経時劣化が少ないスピンドルモータを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、軸部材と、軸部材と一体に回転するディスクハブと、軸部材を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置とを備え、モータステータとモータロータとの間の電磁力で軸部材及びディスクハブを回転させるディスク装置のスピンドルモータにおいて、動圧軸受装置は、ハウジングと、ハウジングの内周に固定された軸受スリーブと、軸部およびフランジ部を有する軸部材と、ハウジングの一端部に装着されたスラスト部材と、軸受スリーブと軸部との間に設けられ、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で軸部をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、軸受スリーブ及びスラスト部材とフランジ部との間に設けられ、スラスト軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用でフランジ部をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備え、ハウジング及び軸受スリーブが同種の金属材料で形成され、軸受スリーブがハウジングの内周に溶着によって固定されている構成を提供する。
ここで、「同種」とは、主成分(ベース金属)が同じであることを意味する。例えば、軸受スリーブが銅を主成分とする焼結金属で形成されている場合、ハウジングは銅系金属、例えば黄銅で形成する。このように構成することにより、ハウジングと軸受スリーブとを超音波溶着等によって強固に固定することができる。
また、「溶着」とは、接合すべき2部材の一方又は双方の接合面が溶融して固着する現象を言う。溶着手段としては、例えば、超音波溶着、振動溶着、高周波誘導加熱溶着、熱版溶着等を、接合すべき部材の材質や接合条件、その他の諸条件に応じて適宜選択して採用することができる。一般に、超音波溶着は、超音波振動と同時に加圧力を加えることにより、樹脂製品等の一部に強力な摩擦熱を発生させ、接合面を溶融させて固着する方法である。また、振動溶着は、接合すべき2部材を加圧しながら所定方向に振動させることにより、接合面を溶融させて固着する方向である。また、高周波誘導加熱溶着は、接合すべき部材に高周波磁界を印加し、過電流損失により発熱させ、接合面を溶融させて固着する方法である。また、熱版溶着は、高温の熱源(熱板)を樹脂製品の接合面に接触させ、接合面を溶融させて固着する方法である。これらの溶着方法のうち、設備が簡単で済み、短時間で溶着作業を行える点から、特に超音波溶着が好ましい。
上記構成において、スラスト部材は、スラスト軸受部のスラスト軸受面となる端面を有すると共に、該端面からハウジングの他端部の側に延びた当接部を一体に有し、該当接部の端面は軸受スリーブの端面と当接し、該当接部の内周にフランジ部が収容される構成とすることができる。
上記構成によれば、スラスト部材の当接部の端面を軸受スリーブの端面と当接させることで、軸受スリーブに対するスラスト部材の軸方向位置が決まる。したがって、スラスト部材の当接部と軸部材のフランジ部の軸方向寸法を管理することにより、スラスト軸受隙間を簡易に精度良く設定することができる。
以上のように、本発明によれば、動圧軸受装置の組立工程の効率化を図ることができ、より一層低コストで、部品相互間の固定部からのアウトガス発生や固定力の経時劣化が少ないディスク装置のスピンドルモータを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係る動圧軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置1と、軸部材2に装着されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたモータステータ4およびモータロータ5とを備えている。ステータ4はケーシング6の外周に取付けられ、ロータ5はディスクハブ3の内周に取付けられる。動圧軸受装置1のハウジング7は、ケーシング6の内周に装着される。ディスクハブ3には、磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚保持される。ステータ4に通電すると、ステータ4とロータ5との間の電磁力でロータ5が回転し、それによって、ディスクハブ3および軸部材2が一体となって回
転する。
転する。
図2は、動圧軸受装置1を示している。この動圧軸受装置1は、ハウジング7と、ハウジング7に固定された軸受スリーブ8およびスラスト部材10と、軸部材2とを構成部品して構成される。
軸受スリーブ8の内周面8aと軸部材2の軸部2aの外周面2a1との間に第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが軸方向に離隔して設けられる。また、軸受スリーブ8の下側端面8cと軸部材2のフランジ部2bの上側端面2b1との間に第1スラスト軸受部S1が設けられ、スラスト部材10の端面10aとフランジ部2bの下側端面2b2との間に第2スラスト軸受部S2が設けられる。尚、説明の便宜上、スラスト部材10の側を下側、スラスト部材10と反対の側を上側として説明を進める。
ハウジング7は、例えば、熱可塑性樹脂を射出成形して形成され、円筒状の側部7bと、側部7bの上端から内径側に一体に延びた環状のシール部7aとを備えている。シール部7aの内周面7a1は、軸部2aの外周に設けられたテーパ面2a2と所定のシール空間Sを介して対向する。尚、軸部2aのテーパ面2a2は上側(ハウジング7に対して外部側)に向かって漸次縮径し、軸部材2の回転により遠心力シールとしても機能する。
軸部材2は、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成され、軸部2aと、軸部2aの下端に一体又は別体に設けられたフランジ部2bとを備えている。
軸受スリーブ8は、例えば、焼結金属からなる多孔質体、特に銅を主成分とする燒結金属の多孔質体で円筒状に形成され、ハウジング7の内周面7cの所定位置に固定される。
この焼結金属で形成された軸受スリーブ8の内周面8aには、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2のラジアル軸受面となる上下2つの領域が軸方向に離隔して設けられ、該2つの領域には、例えば図3(a)に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝8a1、8a2がそれぞれ形成される。上側の動圧溝8a1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。また、軸受スリーブ8の外周面8dには、1又は複数本の軸方向溝8d1が軸方向全長に亙って形成される。この例では、3本の軸方向溝8d1を円周等間隔に形成している。
第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受面となる、軸受スリーブ8の下側端面8cには、例えば図3(b)に示すようなスパイラル形状の動圧溝8c1が形成される。尚、動圧溝の形状として、ヘリングボーン形状や放射溝形状等を採用しても良い。
図3(c)に示すように、軸受スリーブ8の上側端面8bは、半径方向の略中央部に設けられた円周溝8b1により、内径側領域8b2と外径側領域8b3に区画され、内径側領域8b2には、1又は複数本の半径方向溝8b21が形成される。この例では、3本の半径方向溝8b21が円周等間隔に形成されている。
スラスト部材10は、例えば、黄銅等の金属材料で形成され、ハウジング7の内周面7cの下端部に固定される。図4に示すように、第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受面となる、スラスト部材10の端面10aには、例えばヘリングボーン形状の動圧溝10a1が形成される。尚、動圧溝の形状として、スパイラル形状や放射溝形状等を採用しても良い。
この実施形態の動圧軸受装置1は、例えば、次のような工程で組立てる。
まず、軸受スリーブ8をハウジング7の内周面7cに圧入し、その上側端面8bをシール部7aの内側面7a2に当接させる。これにより、軸受スリーブ8がハウジング7に対して位置決めされた状態で固定される。
図2に示すように、シール部7aの内側面7a2は、その外径側領域が軸受スリーブ8の上側端面8bから離れるように傾斜状又は湾曲状に形成されている。そのため、シール部7aの内側面7a2は、軸受スリーブ8の上側端面8bの内径側領域8b2と部分的に接触し、内側面7a2と上側端面8bの外径側領域8b3との間に隙間が形成される。
つぎに、軸部材2を軸受スリーブ8に装着する。尚、軸受スリーブ8をハウジング7に圧入固定した状態でその内径寸法を測定しておき、軸部2aの外径寸法(予め測定しておく。)との寸法マッチングを行うことにより、ラジアル軸受隙間を精度良く設定することができる。あるいは、ハウジング7の内周面7cの横断面形状を多角形状(例えば20角形状)や凹凸形状にして、軸受スリーブ8の外周面8dと部分的に接触させることにより、軸受スリーブ8を圧入する際の内周面8aの変形を抑制して、ラジアル軸受隙間の精度を確保することができる。
その後、スラスト部材10をハウジング7の内周面7cの下端部に装着し、所定位置に位置決めした後、例えば、超音波溶着によって固定する。ハウジング7の下端部をスラスト部材10の外周面に加圧しつつ、超音波振動を加えることにより、ハウジング7の接合面が溶融してスラスト部材10と固着される。その際、スラスト部材10の外周面にローレット状やねじ状等の凹凸形状を設けておくと、溶着による固定力を高める上で効果的である。
上記のようにして組立が完了すると、軸部材2の軸部2aは軸受スリーブ8の内周面8aに挿入され、フランジ部2bは軸受スリーブ8の下側端面8cとスラスト部材10の端面10aとの間の空間部に収容された状態となる。その後、シール部7aで密封されたハウジング7の内部空間は、軸受スリーブ8の内部気孔を含め、潤滑油で充満される。潤滑油の油面は、シール空間Sの範囲内に維持される。
尚、軸受スリーブ8をハウジング7に固定する手段として、上記の圧入に代えて、溶着、例えば超音波溶着を採用しても良い。その際、ハウジング7の接合面の溶融した樹脂がシール部7aの部分まで流動しないように、例えば、ハウジング7の内周面7cに、上記の溶融樹脂の体積と同等の体積をもつ軸方向溝(1本又は複数本)を設けておくと良い。
軸部材2の回転時、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面となる領域(上下2箇所の領域)は、それぞれ、軸部2aの外周面2a1とラジアル軸受隙間を介して対向する。また、軸受スリーブ8の下側端面8cのスラスト軸受面となる領域はフランジ部2bの上側端面2b1とスラスト軸受隙間を介して対向し、スラスト部材10の端面10aのスラスト軸受面となる領域はフランジ部2bの下側端面2b2とスラスト軸受隙間を介して対向する。そして、軸部材2の回転に伴い、上記ラジアル軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2の軸部2aが上記ラジアル軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によってラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持する第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2とが構成される。同時に、上記スラスト軸受隙間に潤滑油の動圧が発生し、軸部材2のフランジ部2bが上記スラスト軸受隙間内に形成される潤滑油の油膜によって両スラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト方向に回転自在に非接触支持する第1スラスト軸受部S1と第2スラスト軸受部S2とが構成される。
前述したように、第1ラジアル軸受部R1の動圧溝8a1は、軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている{図3(a)}。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝8a1による潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。そして、この引き込み力の差圧によって、軸受スリーブ8の内周面8aと軸部2aの外周面2a1との間の隙間に満たされた潤滑油が下方に流動し、第1スラスト軸受部S1のスラスト軸受隙間→軸方向溝8d1→シール部材2aの内側面7a2と軸受スリーブ8の上側端面8bの外径側領域8b3との間の隙間→軸受スリーブ8の上側端面8bの円周溝8b1→軸受スリーブ8の上側端面8bの半径方向溝8b21という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。このように、潤滑油がハウジング7の内部空間を流動循環するように構成することで、内部空間内の潤滑油の圧力が局部的に負圧になる現象を防止して、負圧発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等の問題を解消することができる。また、何らかの理由で潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡が潤滑油に伴って循環する際にシール空間S内の潤滑油の油面(気液界面)から外気に排出されるので、気泡による悪影響はより一層効果的に防止される。
図5は、他の実施形態に係る動圧軸受装置1’を示している。この動圧軸受装置1’が図2に示す動圧軸受装置1と実質的に異なる点は、スラスト部材10’をハウジング7の内周面7cの下端部に装着した後、該下端部に封止部材11を溶着によって固定した点、スラスト部材10’に当接部10b’を一体に設けた点にある。
スラスト部材10’は、例えば、黄銅等の金属材料で形成され、第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受面となる端面10a’に、例えばヘリングボーン形状の動圧溝を備えている。また、端面10a’の外周縁部から上方に延びた環状の当接部10b’を一体に備えている。当接部10b’の上側端面は軸受スリーブ8の下側端面8cと当接し、当接部10b’の内周面はフランジ部2bの外周面と隙間を介して対向する。
封止部材11は、例えば、樹脂材料で形成され、好ましくは、図6に示すような形態に形成される。同図に示す封止部材11は、外周面に溶着用リブ11b(全幅に対して幅狭になった部分)を備え、外周下側角部に凹状の樹脂溜り11cを備えている。封止部材11の上側面11aは、スラスト部材10’の下側面に当接される。
軸受スリーブ8及び軸部材2を前述した態様で組入れた後、スラスト部材10’をハウジング7の内周面7cの下端部に挿入し、その当接部10b’の上側端面を軸受スリーブ8の下側端面8cに当接させる。これにより、軸受スリーブ8に対するスラスト部材10’の軸方向位置が決まる。当接部10b’とフランジ部2bの軸方向寸法を管理することにより、第1スラスト軸受部S1と第2スラスト軸受部S2のスラスト軸受隙間を精度良く設定することができる。その後、封止部材11を内周面7cの下端部に装着し、その上側面11aをスラスト部材10’の下側面に当接させ、ハウジング7の下端部を封止部材11の溶着用リブ11bに加圧しつつ、超音波振動を加えることにより(超音波溶着)、溶着用リブ11bが溶融してハウジング7の接合面と固着される(溶着条件によっては、ハウジング7の接合面も溶融する場合がある。)。溶着時、溶着用リブ11bの溶融により流動化した樹脂が樹脂溜り11cに入るので、溶着後の樹脂バリが発生しにくい。
図7は、他の実施形態に係る動圧軸受装置1"を示している。この動圧軸受装置1"が図2に示す動圧軸受装置1と実質的に異なる点は、シール部を別体のシール部材12で構成し、シール部材12をハウジング7の内周面7cの上端部に溶着によって固定した点である。シール部材12は、例えば、樹脂材料で形成され、超音波溶着によってハウジング7の接合面に溶着される。シール部材12の内周面12aは、軸部2aの外周に設けられたテーパ面2a2と所定のシール空間Sを介して対向する。
以上の実施例では、ハウジング7を樹脂材料で形成しているが、ハウジングを金属材料、例えば黄銅で形成し、両者を溶着、例えば超音波溶着によって固定する構成としても良い。
1、1’、1” 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
3 ディスクハブ
4 モータステータ
5 モータロータ
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
R1 ラジアル軸受部
R2 ラジアル軸受部
S1 スラスト軸受部
S2 スラスト軸受部
10、10’ スラスト部材
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
3 ディスクハブ
4 モータステータ
5 モータロータ
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
R1 ラジアル軸受部
R2 ラジアル軸受部
S1 スラスト軸受部
S2 スラスト軸受部
10、10’ スラスト部材
Claims (1)
- 軸部材と、該軸部材と一体に回転するディスクハブと、該軸部材を回転自在に非接触支持する動圧軸受装置とを備え、モータステータとモータロータとの間の電磁力で前記軸部材及びディスクハブを回転させるディスク装置のスピンドルモータにおいて、
前記動圧軸受装置は、ハウジングと、該ハウジングの内周に固定された軸受スリーブと、軸部およびフランジ部を有する軸部材と、前記ハウジングの一端部に装着されたスラスト部材と、前記軸受スリーブと軸部との間に設けられ、ラジアル軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記軸部をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部と、前記軸受スリーブ及びスラスト部材とフランジ部との間に設けられ、スラスト軸受隙間に生じる潤滑油の動圧作用で前記フランジ部をスラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部とを備え、
前記ハウジング及び前記軸受スリーブが同種の金属材料で形成され、前記軸受スリーブが前記ハウジングの内周に溶着によって固定されていることを特徴とするディスク装置のスピンドルモータ。
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