JP2003049802A - 流体圧力制御装置 - Google Patents

流体圧力制御装置

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JP2003049802A JP2001237551A JP2001237551A JP2003049802A JP 2003049802 A JP2003049802 A JP 2003049802A JP 2001237551 A JP2001237551 A JP 2001237551A JP 2001237551 A JP2001237551 A JP 2001237551A JP 2003049802 A JP2003049802 A JP 2003049802A
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/0003Arrangement or mounting of elements of the control apparatus, e.g. valve assemblies or snapfittings of valves; Arrangements of the control unit on or in the transmission gearbox
    • F16H61/0009Hydraulic control units for transmission control, e.g. assembly of valve plates or valve units

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成でアクチュエータを固定し、部品
点数を低減する流体圧力制御装置を提供する。 【解決手段】 大径部51および小径部52を有し、電
磁弁20をバルブボディ30に固定するためのピン50
がバルブボディ30に挿入されている。また、軸方向の
開口幅が大径部51の直径よりも大きいスリット25が
スリーブ22の外壁に設けられ、軸方向の開口幅が大径
部51の直径よりも小さく、小径部52の直径よりも大
きいスリット26がスリーブ22の外壁にスリット25
に周方向に連通して設けられている。したがって、簡単
な構成で電磁弁20をバルブボディ30に確実に固定す
ることができ、ブラケットおよびボルトなどの部材を必
要としないため、部品点数を低減することができる。ま
た、組付け時にピン50の落下を防止するためのグリス
等を塗布する必要がないため、組付け作業が容易にな
り、組付け工数を削減して製造コストを低減することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧力制御装置
に関し、特に自動変速機や無段変速機の変速機構等を油
圧制御するのに好適な流体圧力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用等に利用されている自動変
速機は、係合または解放させることにより変速段を切り
換える複数の摩擦要素を有し、各摩擦要素に加わる油圧
を制御することにより変速制御を行っている。また、自
動変速機の油圧制御装置として、複数の摩擦要素に加え
る油圧をデューティ電磁弁またはリニア電磁弁で直接制
御する油圧制御装置が知られている。このような油圧制
御装置では、電磁弁で摩擦要素に加える油圧を制御する
ので、アキュムレータが不要になり回路構成が簡単化で
きるとともに、アキュムレータを介さないので摩擦要素
を制御する際の応答性が向上する。
【0003】摩擦要素に加える油圧を電磁弁で直接制御
する油圧制御装置では、電磁弁の元圧として固定圧のラ
イン圧を用いることがあり、このライン圧を例えばデュ
ーティ比制御して摩擦要素に加えることにより変速ショ
ックの低減等を行っている。摩擦要素の係合元圧として
入力するライン圧を前進レンジの低速段と高速段とで圧
力を変更しそれぞれにおいて固定圧として用いることも
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、スロットル開
度が小さい場合にはエンジンの出力トルクが小さいの
で、摩擦要素に加える油圧を低圧にしても摩擦要素はエ
ンジンの出力トルクを伝達できる。しかしながら、前述
したように前進レンジの低速段と高速段とで圧力を変更
しても、固定圧のライン圧を係合元圧として電磁弁に入
力する場合、変動するエンジンの出力トルクに対し確実
に摩擦要素を係合させるため、係合元圧として用いるラ
イン圧を高圧に設定しなければならない。
【0005】スロットル開度が小さい場合、係合元圧と
して入力した高圧のライン圧を制御し摩擦要素に低圧の
作動油を加えるためには、低圧から高圧までの電磁弁の
圧力制御範囲において限られた低圧域だけを用いる必要
がある。限られた低圧域だけを用いて摩擦要素に加える
油圧を高精度に制御するためには、限られた制御範囲に
おいて高精度に油圧を制御する圧力分解能の高い高価な
電磁弁を用いる必要があるので、コストが増加するとい
う問題がある。
【0006】一般にライン圧は、油圧ポンプが吐出する
作動油をライン圧制御弁がドレン側に排出することによ
りある値に設定される。しかし、例えば摩擦要素の係合
応答性を高めるため、摩擦要素に加える作動油を急速充
填すると、ライン圧制御弁の応答遅れにより作動油の急
激な充填に対応できず、ライン圧が一時的に低下するこ
とがある。ライン圧が低下すると摩擦要素に加える油圧
も低下し、適正に摩擦要素の変速制御を行えない場合が
ある。
【0007】そこで、エンジンの出力トルクに応じてラ
イン圧を調圧し、アクチュエータの指令圧によりコント
ロールバルブでクラッチ圧を制御することにより、アク
チュエータの広い油圧制御範囲で摩擦要素に加える油圧
を制御することが可能となる。ここで、従来の自動変速
機用油圧制御装置におけるアクチュエータの固定方法と
してブラケットを用いる方法がある。しかしながらこの
方法は、アクチュエータにブラケットを溶接し、溶接し
たブラケットをボルトなどによりアクチュエータが挿入
されているバルブボディに固定する方法であり、アクチ
ュエータ以外にブラケットおよびボルトなどの追加部品
が必要となるため、部品点数が増加するという問題があ
った。
【0008】また、ブラケットに替えてピンを用いてア
クチュエータを固定する方法が考えられる。この方法
は、ブラケットを用いる方法に比べて安価であるが、し
かし、組付け時にピンが落下する恐れがある。そのた
め、組付け時におけるピンの落下を防止するためにグリ
ス等を塗布するなどの追加作業が必要となり、組付け工
数が増大するという問題があった。
【0009】さらに、ピンを用いる方法では、組付け後
にピンが自動的に抜けてしまうことを防止するため、ア
ッパバルブボディとロアバルブボディとの合わせ面側に
ピン挿入口を設ける必要がある。そのため、アクチュエ
ータを交換する場合、バルブボディをアッパバルブボデ
ィとロアバルブボディとに分解する必要があり、整備性
に劣るという問題があった。
【0010】本発明は、このような問題を解決するため
にされたものであり、簡単な構成でアクチュエータを固
定し、部品点数を低減する流体圧力制御装置を提供する
ことを目的とする。本発明の他の目的は、組付け工数を
削減し、製造コストを低減する流体圧力制御装置を提供
することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、アクチュエー
タの点検および交換が容易で整備性が向上する流体圧力
制御装置を提供することにある。本発明のさらに他の目
的は、流体圧力の制御を高精度に行うことが可能な流体
圧力制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
流体圧力制御装置によると、作動流体の液圧を供給圧と
して受けるアクチュエータが切換制御信号に応答して動
作することで制御圧力を出力し、上記アクチュエータの
出力する制御圧力によって動作制御されるコントロール
バルブが制御対象に加わる流体圧力の給排を制御する。
そして、アクチュエータおよびコントロールバルブは、
バルブボディに形成される取り付け穴に軸方向に並べて
取り付けられており、コントロールバルブをアクチュエ
ータ側に付勢する付勢手段が設けられ、大径部および小
径部を有し、アクチュエータをバルブボディに固定する
ためのピンがバルブボディに上記軸方向と直交する方向
に挿入されている。また、軸方向の開口幅が上記大径部
の直径よりも大きい第1のスリットがアクチュエータの
外壁に設けられ、軸方向の開口幅が大径部の直径よりも
小さく、上記小径部の直径よりも大きい第2のスリット
がアクチュエータの外壁に第1のスリットに周方向に連
通して設けられている。
【0013】上記請求項1の発明では、組付け時、コン
トロールバルブとアクチュエータとをバルブボディの取
り付け穴に軸方向に並べて取り付けた後、上記第1のス
リットを利用してバルブボディに、アクチュエータおよ
びコントロールバルブの軸方向と直交する方向にピンを
挿入し、アクチュエータを軸中心に回転させて上記第2
のスリットの外壁にピンの小径部を対向させてアクチュ
エータの回転を停止する。すると、付勢手段の付勢力に
より、コントロールバルブを介してアクチュエータは取
り付け穴の開口部側に押し付けられるため、ピンの小径
部が第2のスリットの外壁に当接し、アクチュエータは
バルブボディに固定される。このとき、第2のスリット
は軸方向の開口幅がピンの大径部の直径よりも小さいの
で、ピンが自動的に抜けてしまうことが防止される。
【0014】したがって、簡単な構成でアクチュエータ
をバルブボディに固定することができ、ブラケットおよ
びボルトなどの部材を必要としないため、部品点数を低
減することができる。また、組付け時において、ピンの
落下を防止するためのグリス等を塗布する必要がないた
め、組付け作業が容易になり、組付け工数を削減して製
造コストを低減することができる。
【0015】さらに、アクチュエータの点検および交換
を実施する場合、アクチュエータを付勢手段の付勢力が
かかる方向と反対方向に押しながら軸中心に回転させる
ことにより、バルブボディから容易に抜くことができる
ため、バルブボディを分解する必要がなく、保守作業等
が容易になり、整備性が向上する。
【0016】本発明の請求項2記載の流体圧力制御装置
によると、付勢手段はスプリングを有しているので、構
成を簡単なものとして製造コストを削減するとともに、
アクチュエータの固定を確実に行うことができる。本発
明の請求項3記載の流体圧力制御装置によると、コント
ロールバルブは、アクチュエータの出力する制御圧力と
付勢手段の付勢力との釣り合いにより制御対象に加わる
流体圧力の給排を制御するので、部品点数をさらに削減
して製造コストをさらに低減することができる。
【0017】本発明の請求項4記載の流体圧力制御装置
によると、作動流体の液圧を供給圧として受け、切換制
御信号に応答して動作することで制御圧力を出力するア
クチュエータの動作を制御する切換制御手段を搭載し、
この切換制御手段とアクチュエータとを電気的に接続す
るターミナルを有するバスバーには、スナップフィット
により上記バスバーとアクチュエータを収容するケース
とを結合し、アクチュエータを上記ケースに固定する連
結手段が設けられている。したがって、ピンやブラケッ
トおよびボルトなどの部材を必要としないため、部品点
数を低減することができるとともに、簡単な構成でアク
チュエータをケースに固定することができる。また、組
付け時において、連結手段のスナップフィットを利用す
るため、組付け作業が容易になり、組付け工数を削減し
て製造コストを低減することができる。
【0018】本発明の請求項5記載の流体圧力制御装置
によると、作動流体の液圧を供給圧として受け、切換制
御信号に応答して動作することで制御圧力を出力するア
クチュエータの動作を制御する切換制御手段を搭載し、
この切換制御手段をアクチュエータを収容するケースに
結合させる結合部材には、スナップフィットによりアク
チュエータを上記ケースに固定する連結手段が設けられ
ている。したがって、ピンやブラケットなどの部材を必
要としないため、部品点数を低減することができるとと
もに、簡単な構成でアクチュエータをケースに固定する
ことができる。また、組付け時において、連結手段のス
ナップフィットを利用するため、組付け作業が容易にな
り、組付け工数を削減して製造コストを低減することが
できる。さらに、バスバーをケースから取り外すことな
くアクチュエータをケースから容易に抜くことができる
ため、ケースを分解する必要がなく、保守作業等が容易
になり、整備性が向上する。
【0019】本発明の請求項6記載の流体圧力制御装置
によると、アクチュエータは外壁に溝部を有し、連結手
段は上記溝部に嵌合可能であるので、連結手段が溝部に
嵌合することにより、アクチュエータの回転方向の動き
を簡便に防止することができる。したがって、アクチュ
エータをケースに確実に固定することができる。
【0020】本発明の請求項7記載の流体圧力制御装置
によると、連結手段は作動流体の温度を検出する温度検
出部を有しているので、温度検出部を作動流体中に浸す
ことが可能となり、温度検出部が気中に露出され難くな
る。これにより、作動流体の温度を高精度に検出するこ
とができる。したがって、流体圧力の制御を高精度に行
うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図面に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の流体圧力制御装置を自動変速機
用油圧制御装置に適用した第1実施例を図1〜図5に示
す。なお、図1および図2はピン挿入時の状態を示して
おり、図3および図4は電磁弁固定時の状態を示してい
る。また、図5は自動変速機用油圧制御装置の油圧回路
図を示している。
【0022】図5に示す油圧ポンプ40は、オイルパン
41から作動油を吸入し、リバースクラッチ(R/
C)、オーバードライブクラッチ(H/C)、2−4ブ
レ−キ(2−4/B)、アンダードライブクラッチ(L
/C)、ローリバースブレーキ(LR/B)、トランス
ファークラッチ(TRF)等の複数の摩擦要素に作動油
を供給するものである。ライン圧制御弁42は電磁弁4
4の指令圧に基づきセカンダリ弁43とともに各摩擦要
素の作動圧を生成するものである。減圧制御弁45はラ
イン圧制御弁42で生成されたライン圧を減圧するもの
である。油圧ポンプ40、ライン圧制御弁42および電
磁弁44は、各摩擦要素に加える圧力の元圧を生成する
元圧生成手段を構成している。
【0023】クラッチ圧制御弁10と電磁弁20はそれ
ぞれR/C以外の各摩擦要素に加える油圧力を制御する
摩擦要素制御手段を構成している。ここで、クラッチ圧
制御弁10はコントロールバルブを構成し、電磁弁20
はリニア電磁弁であって、アクチュエータを構成してい
る。第1実施例では、クラッチ圧を制御するため、クラ
ッチ圧制御弁10と電磁弁20とが集約された流体圧力
モジュールとしての油圧モジュール1を備えている。図
5において、電磁弁20の出力圧である指令圧をクラッ
チ圧制御弁10の左端に加えることにより、クラッチ圧
制御弁10の出力圧が制御される。
【0024】図1および図2に示すように、クラッチ圧
制御弁10と電磁弁20とは油圧モジュールとして1つ
のバルブボディ30に取り付けられている。なお、図1
および図2には、各摩擦要素に加える油圧力を制御する
摩擦要素制御手段として1組の油圧モジュール1を示し
ているが、バルブボディ30に取り付けられる油圧モジ
ュールの組数は限定されない。
【0025】アルミダイキャスト製のバルブボディ30
には、内部に3段の段付き取り付け穴31が形成されて
おり、クラッチ圧制御弁10と電磁弁20とはこの取り
付け穴31に同軸に設置されている。すなわち、クラッ
チ圧制御弁10および電磁弁20は取り付け穴31に軸
方向に並べて取り付けられている。またバルブボディ3
0には、作動油を流通させるための図示しない連通路
と、後述するピン50を挿入するための挿入穴32とが
形成されている。挿入穴32は、クラッチ圧制御弁10
および電磁弁20の軸方向と直交する方向に、挿入穴3
2の内壁が取り付け穴31の内壁に接するように形成さ
れている。バルブボディ30の材質は樹脂でもよい。
【0026】クラッチ圧制御弁10は、スプール11と
スプリング12とを備え、取り付け穴31の内底部31
a側に取り付けられている。バルブボディ30に形成さ
れた連通路の断続を切り換えるスプール11は異なる外
径をもつ2つのランド部を有している。スプリング12
は、一端が取り付け穴31の内底部31aに当接し、他
端がスプール11の端部に当接している。付勢手段とし
てのスプリング12は、スプール11を電磁弁20側に
付勢している。スプール11の電磁弁20側への移動は
後述するスリーブ23の外壁により規制される。
【0027】電磁弁20は、図示しないECU(Electr
ic Control Unit)からの切換制御信号に応じて弁体2
4を駆動する電磁駆動手段としてのソレノイド部21
と、上記弁体24を有するバルブ部22とから構成さ
れ、アッセンブリ化されて取り付け穴31の開口部側に
取り付けられている。バルブ部22は、内部に弁体24
を収容し、作動油を流通させるための図示しない開口部
と、ピン50を挿入および固定するためのスリット25
および26とが形成されたスリーブ23を有している。
第1のスリットとしてのスリット25と、第2のスリッ
トとしてのスリット26とは、スリーブ23の外壁に周
方向に連通して形成されている。スリーブ23は、ピン
50によりバルブボディ30に固定されている。ここ
で、スリット25の軸方向の開口幅をw1とし、スリッ
ト26の軸方向の開口幅をw2とする。
【0028】ピン50は、電磁弁20をバルブボディ3
0に固定するためのものであって、中央部が両端部に比
べて小径になっており、大径部51と小径部52とを有
している。ここで、大径部51の直径をφ1とし、小径
部52の直径をφ2とすると、大径部51の直径φ1お
よび小径部52の直径φ2と、スリット25の軸方向の
開口幅w1およびスリット26の軸方向の開口幅w2と
の間には以下に示す関係がある。 w1>φ1 かつ、 φ1>w2>φ2 すなわち、スリット25は、軸方向の開口幅w1がピン
50の大径部51の直径φ1よりも大きい。また、スリ
ット26は、軸方向の開口幅w2がピン50の大径部5
1の直径φ1よりも小さく、ピン50の小径部52の直
径φ2よりも大きい。
【0029】次に、電磁弁20の固定手順について説明
する。組付け時、バルブボディ30の取り付け穴31に
スプリング12を挿入した後、さらにスプール11を挿
入する。次に、電磁弁20を挿入する。コントロールバ
ルブ10と電磁弁20とを取り付け穴31に軸方向に並
べて取り付けた後、スリーブ23のスリット25とバル
ブボディ30の挿入穴32とが同軸上に配置されたとこ
ろで、挿入穴32にピン50を挿入する。このとき、ピ
ン50は、挿入穴32の内壁と、スリット25の外壁と
に案内されて挿入される。ピン50の大径部51の先端
が挿入穴32の内底部32aに当接するまで挿入された
ところで、電磁弁20を軸中心に図1に示す矢印X方向
に回転させる(図1および図2)。すると、ピン50の
小径部52はスリット26の外壁に対向する。そして、
電磁弁20の回転を停止すると、スプリング12の付勢
力により、コントロールバルブ10を介して電磁弁20
は取り付け穴31の開口部側に押し付けられるため、ピ
ン50の小径部52がスリット26の外壁に当接し、電
磁弁20はバルブボディ30に固定される(図3および
図4)。このとき、スリット26は軸方向の開口幅w2
がピン50の大径部51の直径φ1よりも小さいので、
ピン50が自動的に抜けてしまうことが防止される。
【0030】また、電磁弁20の点検および交換を実施
する場合には、電磁弁20をスプリング12の付勢力が
かかる方向と反対方向に押しながら軸中心に回転させる
ことにより、バルブボディ30から容易に抜くことがで
きる。
【0031】以下、油圧回路を制御する油圧の生成につ
いて説明する。オイルパン41から油圧ポンプ40によ
って作動油が吸入され、連通路100、101、102
へ高圧となって吐出される。ライン圧制御弁42は連通
路101から送られてきた作動油の一部を連通路103
に放出することにより、ライン圧を制御する。
【0032】連通路100から分岐している連通路11
0に減圧制御弁45が設けられ、減圧制御弁45が出力
する作動油は連通路111から導出され連通路112の
絞り113を通じて図5において減圧制御弁45の右端
へ導入されている。この右端から導入される作動油の出
力圧から減圧制御弁45が受ける力とスプリング45a
の付勢力とのつり合いにより、連通路111の圧力がラ
イン圧を越えない圧力、例えばライン圧が最大1.7M
Paとすると約0.5MPaに制御される。この圧力を
モジュレート圧という。
【0033】減圧制御弁45によりモジュレート圧に制
御された作動油は、絞り114を通じて電磁弁44に導
かれる。電磁弁44は、スロットル開度、エンジントル
クおよびタービントルク等の車両の運転状態に応じた適
切なライン圧を設定するようにECUからの出力信号に
よりデューティ比制御される。電磁弁44の指令圧は連
通路115を通じて図5においてライン圧制御弁42の
左端に伝達される。図5においてライン圧制御弁42の
右側異径部にライン圧の連通路102から分岐した連通
路105を通じてライン圧の作動油が導入され、電磁弁
44の指令圧とのつり合いにより、ライン圧がフィード
バック制御される。
【0034】連通路142はモジュレート圧の連通路1
11から分岐し、電磁弁20に接続され、図5において
クラッチ圧制御弁10の左端に伝達される。連通路14
2のモジュレート圧は電磁弁20に伝達し、ECUの指
令に応じてリニア制御された指令圧が電磁弁20から図
5においてクラッチ圧制御弁10の左端に伝達する。連
通路100の圧力から受ける力と、電磁弁20の指令圧
からクラッチ圧制御弁10が受ける力と、スプリング1
2の付勢力との釣り合いにより、電磁弁20の指令圧に
応じて各摩擦要素に加わる圧力が制御される。
【0035】以上説明した本発明の第1実施例において
は、コントロールバルブ10および電磁弁20は、バル
ブボディ30の取り付け穴31に軸方向に並べて取り付
けられており、コントロールバルブ10を電磁弁20側
に付勢するスプリング12が設けられ、大径部51およ
び小径部52を有し、電磁弁20をバルブボディ30に
固定するためのピン50がバルブボディ30に軸方向と
直交する方向に挿入されている。また、軸方向の開口幅
w1が大径部51の直径φ1よりも大きいスリット25
がスリーブ22の外壁に設けられ、軸方向の開口幅w2
が大径部51の直径φ1よりも小さく、小径部52の直
径φ2よりも大きいスリット26がスリーブ22の外壁
にスリット25に周方向に連通して設けられている。し
たがって、簡単な構成で電磁弁20をバルブボディ30
に確実に固定することができ、ブラケットおよびボルト
などの部材を必要としないため、部品点数を低減するこ
とができる。また、組付け時において、ピン50の落下
を防止するためのグリス等を塗布する必要がないため、
組付け作業が容易になり、組付け工数を削減して製造コ
ストを低減することができる。さらに、電磁弁20の点
検および交換を実施する場合、電磁弁20をスプリング
12の付勢力がかかる方向と反対方向に押しながら軸中
心に回転させることにより、バルブボディ30から容易
に抜くことができるため、バルブボディ30を分解する
必要がなく、保守作業等が容易になり、整備性が向上す
る。
【0036】さらに、第1実施例においては、コントロ
ールバルブ10は、電磁弁20の出力する制御圧力とス
プリング12の付勢力との釣り合いにより各摩擦要素に
加える油圧力の給排を制御するので、部品点数をさらに
削減して製造コストをさらに低減することができる。
【0037】(第2実施例)第2実施例を図6〜図9に
示す。図6〜図9に示すように、第2実施例において
は、電磁弁120、ECU62、サーミスタ90等が集
約された油圧モジュール2を備えている。ケースとして
のアルミダイキャスト製のバルブボディ60には、各摩
擦要素に加える油圧力を制御するためのアクチュエータ
として4個の電磁弁120を収容している。また、バル
ブボディ60には、作動油を流通させるための図示しな
い連通路が形成されている。バルブボディ60の材質は
樹脂でもよい。
【0038】電磁弁120は、リニア電磁弁であって、
切換制御手段としてのECU62からの切換制御信号に
応じて図示しない弁体を駆動する電磁駆動手段としての
ソレノイド部121と、上記弁体を有するバルブ部12
2とから構成され、アッセンブリ化されてバルブボディ
60に取り付けられている。ソレノイド部121には、
バスバー70との電気的な接続のためのコネクタ部12
3がバルブボディ60から突出して設けられている。ま
た、ソレノイド部121の端部外壁には、後述する爪部
85および86が嵌合可能な溝部125が形成されてい
る。バルブ部122は、作動油を流通させるための開口
部124を有している。電磁弁120の動作を制御する
ECU62はバスバー70に搭載されている。バスバー
70は、ECU62と電磁弁120とを電気的に接続す
るターミナル65が樹脂部75にインサート成形されて
いる。また、バスバー70は、図示しないエンジン制御
用ECUやグランド等に電気的に接続するための集積コ
ネクタ80のコネクタ部81と、爪部85および86
と、サーミスタ90と、レベルセンサ91と、劣化セン
サ92とを備えている。
【0039】連結手段としての爪部85および86は、
スナップフィットによりバスバー70とバルブボディ6
0とを結合し、電磁弁120をバルブボディ60に固定
するためのものであり、爪部85および86の先端部8
7および88がバルブボディ60の段差部61に引掛か
ることで、バスバー70とバルブボディ60とを結合す
るとともに、電磁弁120の軸方向の動きを防止してい
る。なお、爪部の個数は、電磁弁1個に対して2個以上
設けられていることが電磁弁固定の観点からは望ましい
が、第2実施例のように、複数の電磁弁120が隣接し
ている場合などは爪部86のように電磁弁2個を爪部1
個で固定してもよい。また、爪部85および86がソレ
ノイド部121に形成される溝部125に嵌合すること
で、電磁弁120の回転方向の動きを防止している。さ
らに、爪部86には開口窓89が形成されており、この
開口窓89にサーミスタ90が内蔵されている。サーミ
スタ90は、作動油の温度を検出する温度検出部を構成
している。爪部86にサーミスタ90を内蔵すること
で、サーミスタ90を作動油中に浸すことが可能とな
り、サーミスタ90が気中に露出され難くなる。
【0040】上記構成をもつ第2実施例においては、ス
ナップフィットによりバスバー70とバルブボディ60
とを結合するとともに、電磁弁120をバルブボディ6
0に固定しているので、ピンやブラケットおよびボルト
などの部材を必要としないため、部品点数を低減するこ
とができるとともに、簡単な構成で電磁弁120をバル
ブボディ60に固定することができる。また、組付け時
において、爪部85および86のスナップフィットを利
用するため、組付け作業が容易になり、組付け工数を削
減して製造コストを低減することができる。
【0041】さらに、第2実施例においては、爪部85
および86がソレノイド部121に形成される溝部12
5に嵌合可能であるので、爪部85および86が溝部1
25に嵌合することにより、電磁弁120の回転方向の
動きを簡便に防止することができる。したがって、電磁
弁120をバルブボディ60に確実に固定することがで
きる。なお、ソレノイド部121には、コネクタ部12
3がバルブボディ60から突出して設けられているの
で、バルブボディ60のコネクタ部123側のソレノイ
ド部121に対する径方向の寸法をコネクタ部123の
ソレノイド部121に対する径方向の幅と略同一寸法と
することも可能である。このような構成とすることで、
電磁弁120が軸中心に回転しようとしても、コネクタ
部123がバルブボディ60に当接するため、電磁弁1
20の回転方向の動きを防止することができる。
【0042】さらにまた、第2実施例においては、爪部
86がサーミスタ90を内蔵しているで、サーミスタ9
0を作動油中に浸すことが可能となり、サーミスタ90
が気中に露出され難くなる。これにより、作動油の温度
を高精度に検出することができる。したがって、油圧の
制御を高精度に行うことができる。
【0043】(第3実施例)第3実施例を図10に示
す。図8に示す第2実施例と実質的に同一構成部分に同
一符号を付す。図10に示すように、結合部材としての
バスバー170は、ECU62を搭載し、図示しないボ
ルト等によりバルブボディ60に結合されており、爪部
185を備えている。連結手段としての爪部185は、
スナップフィットにより電磁弁120をバルブボディ6
0に固定するためのものであり、爪部185の端部18
6がソレノイド部121に形成される溝部125に嵌合
することで、電磁弁120の軸方向および回転方向の動
きを防止している。
【0044】上記第3実施例においても、図8に示す第
2実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第
3実施例においては、バスバー170をバルブボディ6
0から取り外すことなく電磁弁120をバルブボディ6
0から容易に抜くことができる。したがって、ケースを
分解する必要がなく、保守作業等が容易になり、整備性
が向上する。
【0045】以上説明した本発明の複数の実施例では、
アクチュエータにリニア電磁弁を適用したが、本発明で
は、デューティ比制御されるデューティ電磁弁を適用可
能なことはいうまでもない。また、ライン圧制御用の電
磁弁に本発明のアクチュエータを適用することも可能で
ある。その場合、図5に示す第1実施例のライン圧制御
弁42がコントロールバルブに相当し、電磁弁44がア
クチュエータに相当する。
【0046】さらに、上記複数の実施例では、自動変速
機用油圧制御装置に本発明の流体圧力制御装置を適用し
たが、無段変速機用油圧制御装置に本発明を適用するこ
とは可能であるし、工作機械等の他の機械用油圧制御装
置に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第1実施例を示すものであり、図2
のI−I線断面図である。
【図2】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第1実施例であり、ピン挿入時の状
態を示す断面図である。
【図3】図4のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第1実施例であり、電磁弁固定時の
状態を示す断面図である。
【図5】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第1実施例を示す油圧回路図であ
る。
【図6】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第2実施例を示す正面図である。
【図7】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第2実施例を示す底面図である。
【図8】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第2実施例を示す側面図である。
【図9】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油圧
制御装置に適用した第2実施例のバスバーを示す平面図
である。
【図10】本発明の流体圧力制御装置を自動変速機用油
圧制御装置に適用した第3実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
1、2 油圧モジュール 10 クラッチ圧制御弁(コントロールバルブ) 12 スプリング(付勢手段) 20、120 電磁弁(アクチュエータ) 25 スリット(第1のスリット) 26 スリット(第2のスリット) 30 バルブボディ 50 ピン 51 大径部 52 小径部 60 バルブボディ(ケース) 62 ECU(切換制御手段) 65 ターミナル 70 バスバー 85、86、185 爪部(連結手段) 90 サーミスタ(温度検出部) 123 コネクタ部 125 溝部 170 バスバー(結合部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H051 BB02 CC01 CC14 FF07 3H089 BB27 DA02 DB01 GG02 HH04 JJ20 3J552 NA01 PA65 QA26B QA41B QB03 QB04 QC02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動流体の液圧を供給圧として受け、切
    換制御信号に応答して動作することで制御圧力を出力す
    るアクチュエータと、 前記アクチュエータの出力する制御圧力によって動作制
    御されることにより、制御対象に加わる流体圧力の給排
    を制御するコントロールバルブと、 前記アクチュエータおよび前記コントロールバルブを軸
    方向に並べて取り付けるための取り付け穴を有するバル
    ブボディと、 前記コントロールバルブを前記アクチュエータ側に付勢
    する付勢手段と、 前記バルブボディに前記軸方向と直交する方向に挿入さ
    れ、前記アクチュエータを前記バルブボディに固定する
    ためのピンであって、大径部および小径部を有するピン
    と、 前記アクチュエータの外壁に設けられ、軸方向の開口幅
    が前記大径部の直径よりも大きい第1のスリットと、 前記アクチュエータの外壁に前記第1のスリットに周方
    向に連通して設けられ、軸方向の開口幅が前記大径部の
    直径よりも小さく、前記小径部の直径よりも大きい第2
    のスリットと、 を備えることを特徴とする流体圧力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記付勢手段は、スプリングを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の流体圧力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記コントロールバルブは、前記アクチ
    ュエータの出力する制御圧力と前記付勢手段の付勢力と
    の釣り合いにより制御対象に加わる流体圧力の給排を制
    御することを特徴とする請求項1または2記載の流体圧
    力制御装置。
  4. 【請求項4】 作動流体の液圧を供給圧として受け、切
    換制御信号に応答して動作することで制御圧力を出力す
    るアクチュエータと、 前記アクチュエータを収容するケースと、 前記アクチュエータに切換制御信号を送出し、前記アク
    チュエータの動作を制御する切換制御手段と、 前記切換制御手段を搭載し、前記切換制御手段と前記ア
    クチュエータとを電気的に接続するターミナルを有する
    バスバーと、 前記バスバーに設けられ、スナップフィットにより前記
    バスバーと前記ケースとを結合し、前記アクチュエータ
    を前記ケースに固定する連結手段と、 を備えることを特徴とする流体圧力制御装置。
  5. 【請求項5】 作動流体の液圧を供給圧として受け、切
    換制御信号に応答して動作することで制御圧力を出力す
    るアクチュエータと、 前記アクチュエータを収容するケースと、 前記アクチュエータに切換制御信号を送出し、前記アク
    チュエータの動作を制御する切換制御手段と、 前記切換制御手段を搭載し、前記切換制御手段を前記ケ
    ースに結合させる結合部材と、 前記結合部材に設けられ、スナップフィットにより前記
    アクチュエータを前記ケースに固定する連結手段と、 を備えることを特徴とする流体圧力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記アクチュエータは外壁に溝部を有
    し、前記連結手段は前記溝部に嵌合可能であることを特
    徴とする請求項4または5記載の流体圧力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記連結手段は、作動流体の温度を検出
    する温度検出部を有することを特徴とする請求項4、5
    または6記載の流体圧力制御装置。
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