JP3222892B2 - 電気油圧制御式自動変速機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、請求項１の前提部分に記載された特に自動
車用の電気油圧制御式自動変速機に関するものである。

特に自動車のこのような自動変速機では、油圧制御装
置と圧力、回転数用の各種センサが変速機内で一体化さ
れて、適宜な導線を介して、外側にある電子制御装置に
接続されている。そのことから組付及び部品のコストが
高まり、考えられる断線によって一定の感度障害を生じ
る。

本発明の課題は、全般的な種類の変速機において、部
品のコストを減らして簡単且つ好ましい組付けを可能と
する油圧制御装置及び電子制御装置の配置を提案するこ
とである。

この課題が本発明によれば請求項１の特徴部分の特徴
によって解決される。本発明の有利な諸展開はその他の
請求項に明示されている。

本発明によれば、油圧制御装置及び電子制御装置を直
接に相隣接させて端面側変速機フランジ壁に取付けるこ
とが提案される。それに応じて油圧制御装置及び電子制
御装置は場合によっては構造ユニットとして予め組付
け、次に好ましくは嵌着し、複数のねじによって歪みな
しに固着することができる。

その際、油圧制御装置から変速機内に通じた油圧接続
部が端面側フランジ壁領域内にずらされ、密封結合部に
よって接続されている。

更に、端面側配置によって、油圧制御装置に固着され
るソケット管は入力軸又は出力軸内に設けられる流路内
に直接に突出することができる。即ち、軸に分配される
作動油は他の導管案内又は流路案内を何ら必要とするこ
となく油圧制御装置から直接に供給される。

更に、変速機ケース内に配置される供給管は密封スリ
ーブを介して油圧制御装置の当該接続面に接続しておく
ことができる。その際、請求項５、６の特徴によるその
構造に基づいて密封スリーブは供給管の線膨張及び長さ
公差を、漏れの危険なしに補償する。

本発明の１実施例を以下にその他の細部と共に詳しく
説明する。概略図は次の図によって示される。

図１は自動車のCVT自動変速機の蓋板と油圧制御装置
と電子制御装置とを有する変速機出力軸に沿った部分縦
断面図である。

図２は変速機の油圧制御装置と変速機内にある油圧制
御式カップリングとの間の複数の油圧導管結合部に沿っ
た図１と同様の他の部分縦断面図である。

図３は油圧制御装置のオイルフィルタの配置を有する
他の部分縦断面図である。

図４は油圧制御装置と電気制御装置とを担持する端面
側変速機フランジの平面図である。

図１〜図４に示す部分10は電気油圧制御式CVT変速機
の一部であり、この変速機が入力軸12と出力軸14とを有
し、その有効直径を調整可能な駆動側及び被動側円錐デ
ィスクと、変速比を無段変更するための巻掛手段、例え
ばリンクベルトが、これらの軸に配置されている。この
巻掛手段は、回転方向を反転（後退）させるための変速
手段と、発進させ且つ走行方向を切換えるための油圧負
荷可能なクラッチとを含む。図示しないこれらの変速機
構成要素は従来公知の構造のものである。

変速機のケース16は、変速機入力軸12及び出力軸14に
向き合う末端で、端面側変速機フランジ壁18内で成端し
ている。油圧制御装置20と電子制御装置22が直接に相隣
接して変速機フランジ壁18に嵌着されて、ねじ（図示せ
ず）によって３点固着（図４参照−ねじ穴32）で歪みな
しに固着されている。その際、変速機フランジ壁18のく
ぼみ領域27内に油圧ポンプ29があり、この油圧ポンプ29
は油圧制御装置20に直接に続き、専らこれに固着されて
いる。油圧ポンプ29の駆動は入力軸26を介して行われ、
この入力軸26は差込歯によって油圧ポンプ29の図示しな
いポンプ歯車内に捩り剛性に噛み合う。

油圧制御装置20は実質的に２つの流路板28、30からな
り、変速機の円錐ディスク及びカップリングを制御する
ために周知の如く制御流路、ピストン滑り子34（図３参
照）及び（図示しない）電磁弁がこれらの流路板28,30
内に配置されており、且つ加圧作動油がポンプ29からこ
れらの流路板28,30内に直接に供給される。

油圧制御装置20に直接に嵌着される電子制御装置22
は、周知の如くに、組合せ論理回路を備えたCPUと切換
プログラムの特性曲線記憶装置と変速機を油圧制御する
電磁弁を制御するための適宜な出力増幅器とを含む。そ
の際、自動車のエンジン管理、出力要請（アクセル位
置）、等の車両固有のパラメータは、適宜な差込接点を
備えたソケットの態様で板状電子制御装置22に設けられ
る中央接続部36を介して導入され、変速機信号が出力さ
れる（例えば速度信号、監視信号、診断、等）。

中央接続部36は、環状シール38を介設して、油圧制御
装置20と電子制御装置22とを取り囲む蓋板42の開口部40
内を延びている。蓋板42はシールを介設して変速機フラ
ンジ壁18にねじ締めされている。

更に、シフトレバー（図示せず）を介して手動操作可
能な切換軸44が変速機ケース16内で回転可能に支承され
ており（例えば図３、図４参照）、この切換軸44は突出
する腕46と円錐ブシュ50を備えたリンケージ48とを介し
て変速機の（図示しない）パーキングブレーキのポール
を操作する。切換軸44の他の突出する腕54が油圧制御装
置20の切換滑り子34を操作する。

最後に切換軸44が合成樹脂製の被覆された位置検出器
56を担持しており（図１参照）、この位置検出器はばね
58によって付勢される係止爪60と協動し、切換位置毎に
１つの磁気要素62が位置検出器56内に埋封されている。

磁気要素62はホール効果に従って切換軸44の切換位置
を非接触式に検出するのに役立ち、適宜に一体に形成さ
れる（図示しない）ホールセンサが電子制御装置22から
突出している。

更に、電子制御装置22から油圧制御装置20の脇を通っ
て変速機ケース16内に突出する腕状回転数センサ66、68
が延設されており、これらのセンサは入力軸12及び出力
軸14に固着される検出ホイール70、72によってこれらの
軸の回転数を直接に検出する。この検出は周知の如くに
誘導方式又はホール効果方式に従って行うことができ
る。

電子制御装置22から突出するセンサ66、68を検出ホイ
ール70、72若しくは位置検出器56に対して相対的に精確
に固定するためにセンサ66、68の自由端にピン88が一体
に形成されており、これらのピンは変速機フランジ壁18
の対応する穴90内に突出する。

一方で、入力軸12若しくは出力軸14内の流路92若しく
は環状流路94（図１の入力軸12参照）を介して円錐ディ
スク若しくは無段変速比を制御するために変速機へ油圧
制御装置20が接続され、油圧制御装置22から突出するソ
ケット管96、98は密封するピストンリング100を介設し
てこれらの流路92、94内に差し込まれている。使用され
るピストンリング100に基づいて、被密封部材の相対回
転が可能とされている。

他方で、クラッチに油圧を供給するために、変速機ケ
ース16内に自由に延設される供給管102,104,106が設け
られており、これらの供給管102,104,106は変速機ケー
ス16内に設けられる位置設定部108,110,112内に差し込
まれて、油圧制御装置20の方向に位置設定部108,110,11
2から張り出す。供給管102,104,106に嵌着される各１つ
の環状密封スリーブ114は、外側締付スリーブ113と、半
径方向及び軸方向で整列したシールリップを備えた弾性
シールリング115とによって、油圧制御装置20の接続面
とケースに固定された供給管位置設定部108,110,112若
しくは供給管102,104,106との間で、公差を確実に補償
する密封を確保する。

図面から容易に認められるように、密封・差込結合部
108,110,112,114はすべて入力軸12及び出力軸14に対し
て平行に整列しており、場合によっては既に予め組付け
られた油圧ポンプ29、油圧制御装置20及び電子制御装置
22からなる制御ブロックを単純に嵌着し、引き続き図示
しないねじをねじ穴32にねじ込んで固着することによっ
て、変速機の内部に油圧系、電気系の接続部及び結合部
がすべて実現されている。接続蓋板42の組付け後、次に
なお車両側中央コネクタを当該中央接続部36に接続しな
ければならないだけである。

油圧制御装置20とは反対側の変速機フランジ壁18の側
面にねじ122を介してて固着されている吸込管124は直角
に続くソケット管126でもって変速機フランジ壁18を通
して、嵌着されたシールリング128によって、油圧ポン
プ29の接続口130に密封して接続されている。

吸込管124が担持しているオイルフィルタ132は変速機
ケース16の下面に固着されており、且つ変速機10の長手
方向に延びる垂直な隔壁134を有する。

円錐ディスクが測地的に高い位置にある場合油受が隔
壁134の高さ（ほぼ線136）に合わせてあり、円錐ディス
クが測地的に低い位置にある場合（変速機軸12、14の配
置参照）油受がオイルフィルタ132若しくは線138の位置
決めにほぼ合わせてあるように、この隔壁134は作動油
を変速機ケース16内に、若しくは円錐ディスクを受容す
る変速機10の空間140内に蓄える。

本発明は上記実施例に限定されてはいない。例えばCV
T変速機の代わりに多段自動変速機も、例えば遊星歯車
装置も、使用しておくことができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マークル、ヨハン ドイツ連邦共和国、デー―85128 ナッ センフェルス、ガルテンシュトラーセ 27 (72)発明者 ズヒャント、トーマス ドイツ連邦共和国、デー―85051 イン ゴルシュタット、シュヴァルツエンベル クシュトラーセ ２ (56)参考文献 特開 昭62−52251（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−52247（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−52250（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 63/48 F16H 57/00 - 57/12

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】特に自動車内の電気油圧制御式自動変速機
   （10）であって、 −入力軸（12）と、出力軸（14）と、 −変速比の変化を制御するために油圧操作される軸の間
   の変速手段と、 −油圧ポンプ（29）と作動油を油圧操作手段へと導く電
   磁弁とを備えた油圧制御装置（20）と、 −これらの電磁弁を制御するための電子制御装置（22）
   と、その際、入力パラメータと軸（12,14）の回転数検
   出信号とに応じて電子制御装置が電磁弁を制御し、そし
   て −変速機フランジ壁（18）を備えた変速機ケース（16）
   とを有し、この変速機フランジ壁（18）に油圧制御装置
   （20）と電子制御装置（22）が直接に相隣接して取付け
   られているものにおいて、 −変速機入力軸（12）に向き合う端面側変速機フランジ
   壁である変速機フランジ壁（18）に油圧制御装置（20）
   が嵌着可能であり、そのフランジ壁領域へ通じる油圧接
   続部が、密封結合部（114）によって油圧制御装置（2
   0）に直接に接続されており、 −油圧制御装置（20）に固着され、油圧制御装置（20）
   と入力軸（12）及び出力軸（14）とを油圧結合するソケ
   ット管（96,98）が、入力軸（12）及び出力軸（14）内
   に設けられる流路（92,94）内に直接に突出する ことを特徴とする、変速機。
2. 【請求項２】油圧ポンプ（29）が油圧制御装置（20）に
   直接に取付けられていることを特徴とする、請求項１記
   載の変速機。
3. 【請求項３】油圧制御装置（20）が３点固着（32）を介
   して変速機フランジ壁（18）に固着されていることを特
   徴とする、請求項１又は２記載の変速機。
4. 【請求項４】変速機ケース（16）内に配置される供給管
   （102,104,106）が、ケースに固定された供給管位置設
   定部（108,110,112）内で支えられて、密封スリーブ（1
   14）によって油圧制御装置（20）に接続されていること
   を特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の変
   速機。
5. 【請求項５】供給管（102,106）が位置設定部部（108,1
   10,112）から張り出し、密封スリーブ（114）が供給管
   に嵌着されていることを特徴とする、請求項４記載の変
   速機。
6. 【請求項６】密封スリーブ（114）が半径方向及び軸方
   向で整列したシールリップを有し、油圧制御装置（20）
   の接続面とケースに固定された供給管位置設定部（108,
   110,112）との間で軸方向密封が行われ、密封スリーブ
   （114）の締付スリーブ（113）と供給管（102,104,10
   6）との間で半径方向密封が行われることを特徴とす
   る、請求項４、５記載の変速機。
7. 【請求項７】油圧ポンプ（29）に作動油を補給するた
   め、オイルフィルタ（132）に接続された吸込管（124）
   が、油圧制御装置（20）とは反対側の変速機フランジ
   （18）の側面に固着されており、且つ90゜屈曲した接続
   管（126）によって変速機フランジ（18）を通して油圧
   ポンプ（29）に密封して接続されていることを特徴とす
   る、請求項１〜６のいずれか１項に記載の変速機。