JP2001099278A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP2001099278A
JP2001099278A JP27613099A JP27613099A JP2001099278A JP 2001099278 A JP2001099278 A JP 2001099278A JP 27613099 A JP27613099 A JP 27613099A JP 27613099 A JP27613099 A JP 27613099A JP 2001099278 A JP2001099278 A JP 2001099278A
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hydraulic
pressure
hydraulic pressure
oil temperature
automatic transmission
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JP27613099A
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Hidetoshi Nobemoto
秀寿 延本
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動変速機の変速制御等に悪影響を与えること
なく、油温センサを別途用いないで(圧力センサのみ
で)油温を推定できるようにする。 【解決手段】(1)PレンジまたはNレンジのときでか
つブレーキ操作されていないとき、(2)Dレンジでの
定常走行状態または減速走行状態のときは、それぞれ、
ライン圧が所定分△Pだけ一時的に上昇されて、この△
Pだけ圧力上昇するのに要する計測時間td1が大きい
ほど、油温が低いと推定される。(3)NレンジからD
レンジまたはRレンジへと切換えられたときは、この切
換に起因して油圧供給されて締結が開始されるクラッチ
への供給油圧が一時的に大きく上昇されて、所定分△P
だけ圧力上昇するのに要する計測時間td2が大きいほ
ど油温が低いと推定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油温センサを用いる
ことなく油温を推定できるようにした自動変速機の油圧
制御装置に関するものである。
【0002】油圧式の自動変速機、例えば多段変速歯車
機構を構成する遊星歯車機構に付設されたブレーキやク
ラッチなどの油圧式の摩擦締結要素の作動状態を変更す
ることにより変速を行う自動変速機にあっては、変速シ
ョック防止等の観点から、摩擦締結要素の締結や締結解
除のタイミングを適切に設定することが要求される。こ
のため、油圧変化の応答性というものを十分把握してお
くことが必要であるが、この応答性というものは、作動
油の粘性つまり温度によって大きく変化する。このた
め、自動変速機の油圧回路には、油圧センサの他に、別
途油温センサが設けられるのが一般的である。
【0003】特開平8−93794号公報には、別途油
温センサを用いることなく油温を検出(推定)する手法
が開示されている。すなわち、この公報記載のもので
は、4輪駆動車におけるトランスファであることを前提
に、所定の油圧変化を生じさせる制御を行って、このと
きに油圧センサで検出される実際の油圧変化の状態に基
づいて油温を推定することが開示されている。つまり、
単位時間あたりの油圧変化が小さいときは、大きいとき
に比して、油温が低いということが推定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、油圧式の自
動変速機においても、別途油温センサを用いることな
く、油圧変化を利用して油温を推定することが考えられ
る。しかしながら、油圧式の自動変速機にあっては、油
圧変化によって自動変速機の作動状態が変化されるため
に、油温推定のために勝手に油圧変化を生じさせること
が困難となる。
【0005】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その目的は、油圧式の自動変速機の作動状
態に悪影響を与えることなく、油圧変化を利用して油温
を推定できるようにした自動変速機の油圧制御装置を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明はその第1の解決手法として次のようにして
ある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記
載のように、油圧式の自動変速機において、自動変速機
の油圧回路に組み込まれた油圧作動弁からの出力油圧の
変化状態を検出する油圧変化検出手段と、所定の実行条
件が満足されたとき、前記油圧作動弁の出力油圧が変化
するように所定の油圧制御を行う油圧制御手段と、前記
所定の油圧制御が行われたときに、前記油圧変化検出手
段で検出される油圧変化の状態に応じて油温を推定する
油温推定手段と、を備え、前記所定の実行条件が、前記
所定の油圧制御が実行できると共に該所定の油圧制御を
行っている間継続する特定の運転状態として設定されて
いる、ようにしてある。上記解決手法を前提とした好ま
しい態様は、特許請求の範囲における請求項3以下に記
載のとおりである。
【0007】前記目的を達成するため、本発明はその第
2の解決手法として次のようにしてある。すなわち、特
許請求の範囲における請求項2に記載のように、油圧式
の自動変速機において、自動変速機の油圧回路に組み込
まれた油圧作動弁からの出力油圧の変化状態を検出する
油圧変化検出手段と、所定の実行条件が満足されたと
き、前記油圧作動弁の出力油圧が変化するように所定の
油圧制御を行う油圧制御手段と、前記所定の油圧制御が
行われたときに、前記油圧変化検出手段で検出される油
圧変化の状態に応じて油温を推定する油温推定手段と、
を備え、前記所定の実行条件が、自動変速機の作動状態
そのものを変更する油圧制御とは干渉しない特定運転状
態で、かつ該特定運転状態が該所定の油圧制御中継続す
るときとして設定されている、ようにしてある。上記解
決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲に
おける請求項3以下に記載のとおりである。
【0008】
【発明の効果】請求項1、請求項2によれば、自動変速
機に要求される本来的な油圧制御に悪影響を与えること
なくつまり上記本来的な油圧制御と干渉しない運転状態
のときに、所定の油圧制御に伴う油圧変化を生じさせ
て、この油圧に基づいて油温を推定することができる。
請求項3によれば、所定の油圧制御が実行できない運転
状態のときは、油圧変化を生じさせない別の推定手法に
よって油温を推定して、推定された油温と実際の油温と
が大きく相違してしまう事態を防止する上で好ましいも
のとなる。請求項4によれば、油温に大きな影響を与え
るエンジン負荷と外部環境とに基づいて油温を推定し
て、油圧変化を伴わない油温推定を極力精度よく行う上
で好ましいものとなる。
【0009】請求項5によれば、PレンジあるいはNレ
ンジにおいてブレーキ操作されていない運転状態は、短
時間の間には走行が開始されないという状態であり、油
温推定のための油圧変化を生じさせても何ら問題のない
時期となる。請求項6によれば、NレンジからDレンジ
またはRレンジへと切換られたときは、走行のためにい
ずれかの摩擦締結要素が締結される状態となるが、この
締結が開始される摩擦締結要素への油圧供給を油温推定
のための油圧変化として利用することができる。特に、
走行レンジへと切換えられるときに締結される摩擦締結
要素への供給油圧は、プリチャ−ジと呼ばれるように一
時的に正規の油圧よりも大きくなるように油圧変化され
ることが多いので、油温推定のための油圧変化として好
適なものとなる。
【0010】請求項7によれば、Dレンジでの定常走行
あるいは減速走行は、変速制御が行わることがある期間
継続するような運転状態であり、油温推定のための油圧
変化を生じさせても何ら問題のない時期となる。請求項
8によれば、油温推定のための油圧変化がライン圧の上
昇であるので、自動変速機の作動状態に影響を与えるこ
とがない。請求項9によれば、走行レンジへの切換によ
って油圧供給されて締結されるクラッチへの油圧上昇を
有効に利用して、油温推定のための油圧変化を得ること
ができる。請求項10によれば、油圧変化および油温推
定の具体的な手法が提供される。特に、油圧上昇という
摩擦締結要素の締結力が基本的に上昇する方向の油圧変
化を利用しているので、現在締結されている摩擦締結要
素の締結力が弱まってしまうという事態を防止する上で
も好ましいものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、まず、図1により、この実施の形態に係
る自動変速機10の機械的構成を説明する。
【0012】この自動変速機10は、主たる構成要素と
して、トルクコンバータ20と、該トルクコンバータ2
0の出力により駆動される変速機構30と、該機構30
の動力伝達経路を切り換えるクラッチやブレーキ等の複
数の摩擦締結要素41〜45およびワンウェイクラッチ
46とを有し、これらによりDレンジ(前進用走行レン
ジ)における1〜4速と、Rレンジにおける後退速とが
得られるようになっている。
【0013】上記トルクコンバータ20は、エンジン出
力軸1に連結されたケース21内に固設されたポンプ2
2と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22
により作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポ
ンプ22とタービン23との間に介設され、かつ変速機
ケース11にワンウェイクラッチ24を介して支持され
てトルク増大作用を行うステータ25と、上記ケース2
1とタービン23との間に設けられ、該ケース21を介
してエンジン出力軸1とタービン23とを直結するロッ
クアップクラッチ26とで構成されている。そして、上
記タービン23の回転がタービンシャフト27を介して
変速機構30側に出力されるようになっている。
【0014】ここで、このトルクコンバ−タ20の反エ
ンジン側には、該トルクコンバ−タ20のケース21を
介してエンジン出力軸1に駆動されるオイルポンプ12
が配置されている。
【0015】一方、上記変速機構30は、それぞれ、サ
ンギヤ31a,32aと、これらのサンギヤ31a,3
2aに噛み合った複数のピニオン31b,32bと、こ
れらのピニオン31b,32bを支持するピニオンキャ
リヤ31c,32cと、ピニオン31b,32bに噛み
合ったインターナルギヤ31d,32dとを有する第
1、第2遊星歯車機構31,32で構成されている。
【0016】そして、上記タービンシャフト27と第1
遊星歯車機構31のサンギヤ31aとの間にフォワード
クラッチ41が、同じくタービンシャフト27と第2遊
星歯車機構32のサンギヤ32aとの間にリバースクラ
ッチ42が、また、タービンシャフト27と第2遊星歯
車機構32のピニオンキャリア32cとの間に3−4ク
ラッチ43がそれぞれ介設されているとともに、第2遊
星歯車機構32のサンギヤ32aを固定する2−4ブレ
ーキ44が配置されている。
【0017】さらに、第1遊星歯車機構31のインター
ナルギヤ31dと第2遊星歯車機構32のピニオンキャ
リヤ32cとが連結されて、これらと変速機ケース11
との間にローリバースブレーキ45とワンウェイクラッ
チ46とが並列に配置されているとともに、第1遊星歯
車機構31のピニオンキャリヤ31cと第2遊星歯車機
構32のインターナルギヤ32dとが連結されて、これ
らに出力ギヤ13が接続されている。そして、この出力
ギヤ13の回転が伝動ギヤ2,3,4および差動機構5
を介して左右の車軸6,7に伝達されるようになってい
る。
【0018】ここで、上記各クラッチやブレーキ等の摩
擦締結要素41〜45およびワンウェイクラッチ46の
作動状態とギヤ段との関係をまとめると、次の図3に示
すようになる。なお、この図3において、(○)は当該
摩擦締結要素が締結される場合を示す。
【0019】次に、上記各摩擦締結要素41〜45に設
けられた油圧室に対して作動圧を給排する油圧制御回路
100について説明する。
【0020】ここで、上記摩擦締結要素のうち、バンド
ブレーキでなる2速および4速用の2−4ブレーキ44
は、作動圧が供給される油圧室としてアプライ室44a
とリリース室44bとを有し、アプライ室44aのみに
作動圧が供給されているときに該2−4ブレーキ44が
締結され、リリース室44bのみに作動圧が供給されて
いるとき、両室44a,44bとも作動圧が供給されて
いないとき、および両室44a,44bとも作動圧が供
給されているときに、2−4ブレーキ44が解放される
ようになっている。また、その他の摩擦締結要素41〜
43,45は単一の油圧室を有し、その油圧室に作動圧
が供給されているときに、当該摩擦締結要素が締結され
るようになっている。
【0021】図2に示すように、この油圧制御回路10
0には、主たる構成要素として、ライン圧を生成するレ
ギュレータバルブ101と、手動操作によってレンジの
切り換えを行うためのマニュアルバルブ102と、変速
時に作動して各摩擦締結要素41〜45に通じる油路を
切り換えるローリバースバルブ103、バイパスバルブ
104、3−4シフトバルブ105およびロックアップ
シフトバルブ106と、これらのバルブ103〜106
を作動させるための第1、第2オンオフソレノイドバル
ブ(以下「オンオフSV」と記す)111,112と、
これらのオンオフSV111,112に供給される元圧
を生成するソレノイドレデューシングバルブ(以下「レ
デューシングバルブ」と記す)107と、第1オンオフ
SV111からの作動圧の供給先を切り換えるソレノイ
ドリレーバルブ(以下「リレーバルブ」と記す)108
と、各摩擦締結要素41〜45の油圧室に供給される作
動圧の生成、調整、排出等の制御を行う第1〜第3デュ
ーティソレノイドバルブ(以下「デューティSV」と記
す)121,122,123等が備えられている。
【0022】ここで、上記オンオフSVは、ONのとき
に上、下流側の油路を連通させるとともに、OFFのと
きに上流側の油路を遮断して下流側の油路をドレンさせ
るようになっている。また、デューティSV121〜1
23はOFFのとき、即ちデューティ率(1ON−OF
F周期におけるON時間の比率)が0%のときに全開と
なって、上、下流側の油路を完全に連通させ、ONのと
き、即ちデューティ率が100%のときに、上流側の油
路を遮断して下流側の油路をドレンさせるとともに、そ
の中間のデューティ率では、上流側の油圧を元圧とし
て、下流側にそのデューティ率に応じた値に調整した油
圧を生成するようになっている。
【0023】上記レギュレータバルブ101は、オイル
ポンプ12から吐出された作動油の圧力を所定のライン
圧に調整する。そして、このライン圧は、メインライン
200を介して上記マニュアルバルブ102に供給され
るとともに、上記レデューシングバルブ107と3−4
シフトバルブ105とに供給される。
【0024】このレデューシングバルブ107に供給さ
れたライン圧は、該バルブ107によって減圧されて一
定圧とされた上で、ライン201,202を介して第
1、第2オンオフSV111,112に供給される。
【0025】そして、この一定圧は、第1オンオフSV
111がONのときには、ライン203を介して上記リ
レーバルブ108に供給されるとともに、該リレーバル
ブ108のスプ−ルが図面上(以下同様)右側に位置す
るときは、さらにライン204を介してバイパスバルブ
104の一端の制御ポート104aにパイロット圧とし
て供給され、該バイパスバルブ104のスプールを左側
に付勢する。また、この一定圧は、リレーバルブ108
のスプールが左側に位置するときは、ライン205を介
して3−4シフトバルブ105の一端の制御ポート10
5aにパイロット圧として供給され、該3−4シフトバ
ルブ105のスプールを右側に付勢する。
【0026】また、第2オンオフSV112がONのと
きには、上記レデューシングバルブ107からの一定圧
は、ライン206を介してバイパスバルブ104に供給
されるとともに、該バイパスバルブ104のスプールが
右側に位置するときは、さらにライン207を介してロ
ックアップシフトバルブ106の一端の制御ポート10
6aにパイロット圧として供給され、該シフトバルブ1
06のスプールを左側に付勢する。また、上記一定圧
は、バイパスバルブ104のスプールが左側に位置する
ときは、ライン208を介してローリバースバルブ10
3の一端の制御ポート103aにパイロット圧として供
給され、該ローリバースバルブ103のスプールを左側
に付勢する。
【0027】さらに、レデューシングバルブ107から
の一定圧は、ライン209を介して上記レギュレータバ
ルブ101の調圧ポート101aにも供給される。その
場合に、この一定圧は、上記ライン209に備えられた
デューティ(リニアでも可)ソレノイドバルブ(以下
「デューティSV」と記す)131により例えばエンジ
ンのスロットル開度等に応じて調整され、したがって、
レギュレータバルブ101によってライン圧がスロット
ル開度などに応じて調整されることになる。
【0028】なお、上記3−4シフトバルブ105に導
かれたメインライン200は、該バルブ105のスプー
ルが右側に位置するときに、ライン210を介して第1
アキュムレータ141に通じ、該アキュムレータ141
にライン圧を導入する。
【0029】一方、上記メインライン200からマニュ
アルバルブ102に供給されるライン圧は、Dレンジで
は第1出力ライン211および第2出力ライン212
に、Rレンジでは第1出力ライン211および第3出力
ライン213に、また、Nレンジでは第3出力ライン2
13にそれぞれ導入される。
【0030】そして、上記第1出力ライン211は第1
デューティSV121に導かれ、該第1デューティSV
121に制御元圧としてライン圧を供給する。この第1
デューティSV121の下流側は、ライン214を介し
てローリバースバルブ103に導かれているとともに、
該バルブ103のスプールが右側に位置するときには、
さらにライン215を介して2−4ブレーキ44のアプ
ライ室44aに導かれ、また、上記ローリバースバルブ
103のスプールが左側に位置するときには、さらにラ
イン216を介してローリバースブレーキ45の油圧室
に導かれる。
【0031】ここで、上記ライン214からはライン2
17が分岐され、第2アキュムレータ142に導かれて
いる。また、上記第2出力ライン212は、第2デュー
ティSV122および第3デューティSV123に導か
れ、これらのデューティSV122、123に制御元圧
としてライン圧をそれぞれ供給するとともに、3−4シ
フトバルブ105にも導かれている。この3−4シフト
バルブ105に導かれたライン212は、該バルブ10
5のスプールが左側に位置するときに、ライン218を
介してロックアップシフトバルブ106に導かれ、該バ
ルブ106のスプールが左側に位置するときに、さらに
ライン219を介してフォワードクラッチ41の油圧室
に導かれる。
【0032】また、上記ライン219から分岐されたラ
イン220は3−4シフトバルブ105に導かれ、該バ
ルブ105のスプールが左側に位置するときに、前述の
ライン210を介して第1アキュムレータ141に通じ
るとともに、該バルブ105のスプールが右側に位置す
るときには、ライン221を介して2−4ブレーキ44
のリリース室44bに通じる。
【0033】さらに、第2出力ライン212から制御元
圧が供給される上記第2デューティSV122の下流側
は、ライン222を介して上記リレーバルブ108の一
端の制御ポート108aに導かれてパイロット圧を供給
し、該リレーバルブ108のスプールを左側に付勢す
る。
【0034】また、上記ライン222から分岐されたラ
イン223はローリバースバルブ103に導かれ、該バ
ルブ103のスプールが右側に位置するときに、さらに
ライン224に通じる。そして、このライン224から
は、オリフィス151を介してライン225が分岐され
て3−4シフトバルブ105に導かれ、該3−4シフト
バルブ105のスプールが左側に位置するときに、ライ
ン221を介して2−4ブレーキ44のリリース室44
bに導かれる。
【0035】また、上記ライン224からオリフィス1
51を介して分岐されたライン225からは、さらにラ
イン226が分岐されてバイパスバルブ104に導か
れ、該バルブ104のスプールが右側に位置するとき
に、ライン227を介して3−4クラッチ43の油圧室
に導かれる。
【0036】さらに、上記ライン224は直接バイパス
バルブ104に導かれ、該バルブ104のスプールが左
側に位置するときに、上記ライン226を介してライン
225に通じる。つまり、ライン224とライン225
とが上記オリフィス151をバイパスして通じることに
なる。
【0037】また、第2出力ライン212から制御元圧
が供給される第3デューティSV123の下流側は、ラ
イン228を介してロックアップシフトバルブ106に
導かれ、該バルブ106のスプールが右側に位置すると
きに、上記フォワードクラッチ41の油圧室に通じるラ
イン219に連結する。また、該ロックアップシフトバ
ルブ106のスプールが左側に位置するときには、ライ
ン229を介してロックアップクラッチ26のフロント
室26aに通じる。
【0038】さらに、マニュアルバルブ102からの第
3出力ライン213はローリバースバルブ103に導か
れ、該バルブ103にライン圧を供給する。そして、該
バルブ103のスプールが左側に位置するときに、ライ
ン230を介してリバースクラッチ42の油圧室に導か
れる。
【0039】また、同じく第3出力ライン213から分
岐されたライン231はバイパスバルブ104に導か
れ、該バルブ104のスプールが右側に位置するとき
に、前述のライン208を介してローリバースバルブ1
03の制御ポート103aにパイロット圧としてライン
圧を供給し、該ローリバースバルブ103のスプールを
左側に付勢する。
【0040】以上の構成に加え、この油圧制御回路10
0には、コンバ−タリリーフバルブ109が備えられて
いる。このバルブ109は、レギュレータバルブ101
からライン232を介して供給される作動圧を一定圧に
調圧した上で、これをライン233を介してロックアッ
プシフトバルブ106に供給する。そして、この一定圧
は、ロックアップシフトバルブ106のスプールが右側
に位置するときには、前述のライン229を介してロッ
クアップクラッチ26のフロント室26aに供給され、
また、上記ロックアップシフトバルブ106のスプール
が左側に位置するときには、ライン234を介してロッ
クアップクラッチ26のリヤ室26bに供給されるよう
になっている。
【0041】ここで、ロックアップクラッチ26は、フ
ロント室26aに上記一定圧が供給されることにより解
放されるとともに、リヤ室26bに一定圧が供給された
ときに締結されるようになっているが、この締結時にお
いて、ロックアップシフトバルブ106のスプールが左
側に位置するときは、上記第3デューティSV123で
生成された作動圧がフロント室26aに供給されること
により、この作動圧に応じた締結力が得られるようにな
っている。
【0042】また、この油圧制御回路100において
は、前述のように、レギュレータバルブ101によって
調整されるライン圧を、デューティV131からの制御
圧により、例えばエンジンのスロットル開度等に応じた
油圧に制御するようになっているが、レンジに応じたラ
イン圧の制御も行われるようになっている。つまり、上
記マニュアルバルブ102から導かれて、Dレンジおよ
びNレンジでメインライン200に通じるライン235
が、レギュレータバルブ101の減圧ポート101bに
接続されており、上記DレンジおよびNレンジでは、R
レンジよりライン圧の調圧値を低くするようになってい
る。
【0043】ここで、第1、第2オンオフSV111,
112および第1〜第3デューティSV121〜123
に対する制御の状態と変速段との関係(ソレノイドパタ
ーン)をまとめると、図4に示すようになる。この図4
中、(○)は、オンオフSV111,112については
ON、デューティSV121〜123についてはOFF
であって、いずれも、上流側の油路を下流側の油路に連
通させて元圧をそのまま下流側に供給する状態を示す。
また、(×)は、オンオフSV111,112について
はOFF、デューティSV121〜123についてはO
Nであって、いずれも、上流側の油路を遮断して、下流
側の油路をドレンさせた状態を示す。そして、この図4
に示すソレノイドパターンにより、各変速段で図3に示
す摩擦締結要素がそれぞれ締結されることになる。な
お、変速制御は、あらかじめ作成、記憶された変速特性
に基づいて既知のように行われる。
【0044】図6は、油温推定のための制御系統図を示
す。この図6において、Uはマイクロコンピュータを利
用して構成された制御ユニットで、油温推定のための油
圧変化を生じさせるために、デューティソレノイドバル
ブSV123、121、131(によって制御される油
圧作動弁としてのバルブ106、103、101の出力
油圧)を制御する。この油圧変化に応じた油温推定のた
めに、また油圧変化を伴わない第2の油温推定のため
に、各種センサあるいはスイッチS1〜S10からの信
号が制御ユニットUに入力される。すなわち、S1〜S
3はそれぞれ油圧センサであり、センサS1フォワード
クラッチ41の油圧を検出し、センサS2はリバースク
ラッチ42の油圧を検出し、センサS3はライン圧を検
出する。
【0045】S4はブレーキスイッチであり、車両を減
速あるいは停止させるためのフットブレーキが踏み込み
操作されたときにONとされる。S5は、マニュアルバ
ルブの作動位置つまりレンジ位置を検出するスイッチで
ある。S6は、アイドルスイッチであり、スロットル全
閉のときにONとされる。S7は、スロットル開度を検
出するセンサである。S8は、車速を検出するセンサで
ある。S9は、エンジン回転を検出するセンサである。
S10は、外部環境としての外気温度を検出するセンサ
である。なお、自動変速機の作動油の油温を検出する油
温センサは、当然のことながら用いられていない。
【0046】次に、油圧変化させて油温推定を行う場合
の実行条件および所定の油圧制御による油圧変化の態
様、さらに油温推定の仕方について分説する。 1.実行条件および油圧変化の態様 (1)実行条件が、DレンジまたはPレンジで、ブレー
キスイッチがOFFのとき(ブレーキ操作されていない
とき)として設定されている。このとき、所定の油圧制
御が、バルブSV131を制御してライン圧を一時的に
(実施形態ではステップ的に)に上昇変化させるものと
される。すなわち、DレンジまたはPレンジは、変速制
御が行われる可能性がないときであり、またブレーキス
イッチがOFFということは、走行レンジへと切換えら
れる可能性も相当に低いと考えられる運転状態であり、
油温推定のためのライン圧上昇を行っても何ら問題のな
い時期となる。
【0047】(2)実行条件が、Dレンジで、定常走行
のときまたは減速走行のときとして設定されている。こ
のとき、上記(1)の場合と同様に、所定の油圧制御
が、ライン圧を一時的に(実施形態ではステップ的に)
に上昇変化させるものとされる。すなわち、上記実行条
件のときは、元々ライン圧を上昇させても特に問題のな
い運転状態であり、しかも変速制御が行われる可能性が
低くかつこのような状態が継続する可能性が高いときで
ある。
【0048】(3)実行条件が、NレンジからDレンジ
へ切換えられたとき、またはNレンジからRレンジへと
切換えられたときとして設定されている。このときは、
レンジ位置切換に起因して油圧供給を受けて締結される
摩擦締結要素の油圧が一時的(実施形態ではステップ的
に)に大きく上昇変化される。より具体的には、Nレン
ジからDレンジへ切換えられたときには、バルブSV1
23を制御して、フォワ−ドクラッチ41への供給油圧
を上昇変化させる。また、NレンジからRレンジへと切
換えられたときには、バルブSV121を制御してリバ
ースクラッチ42への供給油圧を上昇変化させる。この
ように、レンジ位置切換に起因して油圧供給を受けて締
結される摩擦締結要素への油圧供給(油圧上昇)を有効
に利用した実行条件の設定となる。なお、変速制御とは
異なって、上記両クラッチへの供給油圧を、油温推定の
ために上昇変化させても、ショック等の問題は特に生じ
ないものである。
【0049】2.油圧変化に基づく油温の推定 (1)ライン圧上昇変化の場合 ライン圧を上昇変化させたときの油圧変化に基づいて油
温推定する場合の推定手法について、図6、図7を参照
しつつ説明する。まず、バルブSV131のデューティ
比が、dL1からdL2へとステップ的に低下され、こ
れに起因して、ライン圧がPL1から上昇されていく。
デューティ比dL1時点でのライン圧PL1から所定の
油圧上昇分△Pを加算した圧力がPL2として設定され
る。圧力センサS3で検出される実際のライン圧がPL
1からPL2へと変化するまでの時間がtd1として計
測される。図7に示すように、計測時間td1が小さい
ほど、油温が高い(作動油の粘性が小さくて、油圧応答
性が高い)と推定される。なお、計測時間td1を一定
値として、この一定時間td1経過後の圧力上昇分△P
の大きさに応じて、油温を推定することもできる(△P
が大きいほど油温が高いと推定)。
【0050】(2)クラッチ圧上昇変化の場合 クラッチ圧を上昇変化させたときの油圧変化に基づいて
油温推定する場合の推定手法について、図8を参照しつ
つ説明する。なお、フォワードクラッチの締結の場合を
例にして説明するが、リバースクラッチの場合も同じで
ある。まず、バルブSV123のデューティ比が、dc
1からdc2へとステップ的に低下され、これに起因し
て、クラッチ圧がPC1から上昇されていく。デューテ
ィ比dc1時点でのライン圧PC1から所定の油圧上昇
分△Pを加算した圧力がPC2として設定される。圧力
センサS1で検出される実際のクラッチ圧がPC1から
PC2へと変化するまでの時間がtd2として計測され
る。計測時間td2が小さいほど、油温が高い(作動油
の粘性が小さくて、油圧応答性が高い)と推定される
(td1の場合と同様の傾向で、図7参照)。なお、計
測時間td2を一定値として、この一定時間td2経過
後の圧力上昇分△Pの大きさに応じて、油温を推定する
こともできる(△Pが大きいほど油温が高いと推定)。
【0051】3.油圧変化を伴わない油温推定 次に、油圧変化を生じさせることなく補助的に油温推定
する場合(第2の油温推定手段の推定手法)について、
図9を参照しつつ説明する。この場合の油温推定は、基
本的に、前述した油温推定のための油圧変化を実行でき
ない運転状態のときに実行され、油圧変化させて推定さ
れた基本推定油温を初期値として(基本推定油温が存在
しないときは外気温度が初期値とされる)、下記の
(1)式に基づいて周期的に継続して推定が行われる。
【0052】 今回の推定油温Temp=Temp(前回値)+△Temp(更新値)・・(1 )
【0053】ただし、Tcを外気温度、Espをエンジ
ン回転、Teを自動変速機への入力トルク(エンジン回
転とスロットル開度とをパラメータとして決定)、Cf
を換算計数とすると、△Temp=f(Tc、Pw)で
あり(図9参照)、Pw=Σ(Esp×Te)×Cfで
ある(Pwは数分間の積算値)。積算値Pwと更新値△
Tempと外気温度Tcとの相関関係が、図式的に図9
に示される。すなわち、外気温度が低いほど更新値△T
empが小さくなり、積算値Pwが大きいほど更新値△
Tempが大きくなる。
【0054】次に、図10のフローチャートを参照しつ
つ、制御ユニットUによる制御の詳細について説明する
が、以下の説明でQはステップを示す。まず、図10の
Q1において、各種センサあるいはスイッチのS1〜S
10からのデータが入力された後、Q2、Q3におい
て、フラグが1あるいは2であるか否かが判別される。
当初は、フラグは0にイニシャライズされているので、
Q2,Q3での判別がそれぞれNOとなり、Q4へ移行
される。Q4では、レンジ位置がPレンジまたはNレン
ジであるか否かが判別される。このQ4の判別でYES
のときは、Q5において、ブレーキスイッチがONであ
るか否か、つまりブレーキ操作されているか否かが判別
される。このQ5の判別でYESのときは、図11のQ
21へ移行して、ライン圧を上昇変化させることによる
油温推定が、後述のようにして行われる。
【0055】Q4の判別でNOのときは、Q6におい
て、現在のレンジ位置がDレンジであるか否かが判別さ
れる。このQ6の判別でYESのときは、Q7におい
て、定常走行状態であるか否かが判別される。定常走行
状態であるか否かは、実施形態では、アイドルスイッチ
がOFFであること(スロットルが全閉でない)、及び
スロットル開度の変化が小さいこと(スロットル開度の
変化率が所定値以下)という2つの条件を満たしたとき
に定常走行状態であると判定するようにしてある。この
Q7の判別でYESのときは、後述するライン圧上昇に
よる油温推定が行われる。
【0056】Q7の判別でNOのときは、Q8におい
て、減速走行状態であるか否かが判別される。減速走行
状態であるか否かは、アイドルスイッチがON(スロッ
トル全閉)であること、低車速でないこと(例えば車速
が10km/h以上)という2つの条件を満たしたとき
に、減速走行状態であると判定するようにしてある。こ
のQ8の判別でYESのときは、後述するライン圧上昇
による油温推定が行われる。
【0057】Q8の判別でNOのときは、Q9におい
て、前回のレンジ位置がPレンジまたはNレンジである
か否かが判別される。このQ9の判別でYESのとき
は、Q10において、所定の短時間の間に、Nレンジか
らDレンジ、あるいはNレンジからRレンジへの切換が
行われていないか否かが判別される。このQ20の判別
でNOのときは、後述するクラッチ圧上昇による油温推
定が行われる。なお、Q20の判別は、クラッチの残圧
が存在していないことを確認するためのものである(ク
ラッチ圧が完全に抜けきるまでに必要な時間が経過して
いることの確認となる)。
【0058】Q6の判別でNOのとき、Q9の判別でN
Oのとき、Q10の判別でYESのとき、あるいはQ5
の判別でYESのときは、それぞれ、後述する油圧変化
を伴わない油温推定が行われる。
【0059】図11において、ライン圧を上昇させて油
温推定する場合(図10のQ5の判別でNOのとき、Q
7の判別でYESのとき、Q8の判別でYESのとき)
は、図11のQ21へ移行して、ライン圧上昇による油
温推定が行われる。まず、図11のQ21において、計
測時間td1が0にリセットされた後、Q22におい
て、フラグが1にセットされる。この後、Q23におい
て、後述するようにライン圧上昇による油温推定が実行
された後、Q24において積算値Pwが0にリセットさ
れる。なお、Q2の判別でYESのときは、Q23へ移
行される。
【0060】図11において、クラッチ圧を上昇させて
油温推定する場合(図10のQ10の判別でNOのと
き)は、図11のQ25へ移行して、計測時間td2が
0にリセットされた後、Q26において、フラグに2に
セットされる。この後、Q27において、後述するよう
にクラッチ圧上昇による油温推定が実行された後、Q2
4において積算値Pwが0にリセットされる。なお、Q
3の判別でYESのときは、Q27へ移行される。
【0061】油圧変化を伴わない油温推定を行う場合
(Q5の判別でYESのとき、Q6の判別でNOのと
き、Q9の判別でNOのとき、Q10の判別でYESの
とき)は、図11のQ28へ移行する。このQ28で
は、前述した積算値Pwを得るために必要な所定時間内
に、油圧変化を利用した油温推定が行われたか否かが判
別される。このQ28の判別でNOのときは、Q29に
おいて、前述した更新値△Tempが算出される。次い
で、Q30において、前述した式(1)に基づいて、今
回の油温推定値Tempが算出される。この後、Q31
において、積算値Pwが0にリセットされる。Q32で
は、次の油温推定に備えて、エンジン回転数Espとス
ロットル開度TVOとから、入力トルクTeが算出され
る。Q33では、エンジン回転数Espと入力トルクT
eと換算計数Cfとを乗算した値に前回の積算値Pwを
加算することにより、今回の積算値Pwが算出される。
Q28の判別でYESのときは、Q29〜Q31の処理
を経ることなく、Q32へ移行される。
【0062】前述したQ23の詳細が、図12に示され
る。この図12において、まず、Q41において、ライ
ン圧のデューティ比が所定時間だけdL2へと小さくさ
れる(ライン圧上昇)。この後、計測時間td1が0で
あるか否かが判別される。当初は、Q42の判別でYE
Sとなり、このときは、Q43において、現在のライン
圧PL1に所定の圧力上昇分△Pを加算した値が、目標
圧力PL2として設定された後、Q44へ移行される。
また、Q42の判別でNOのときは、Q43を経ること
なく、Q44へ移行される。
【0063】Q44では、実際のライン圧が、目標圧力
PL2以上であるか否かが判別されるが、当初はこの判
別がNOとなり、このときはQ45において、計測時間
td1のカウントアップが行われた後、リターンされ
る。Q44の判別でYESとなると、Q46において、
フラグが0にリセットされた後、Q47において、計測
時間td1に基づいて(図7のマップに基づいて)、推
定油温が決定される。
【0064】前述したQ27の詳細が、図13に示され
る。この図13において、まず、Q51において、クラ
ッチ圧のデューティ比が所定時間だけdC2へと小さく
される(クラッチ圧上昇)。この後、計測時間td2が
0であるか否かが判別される。当初は、Q52の判別で
YESとなり、このときは、Q53において、現在のク
ラッチ圧PC1に所定の圧力上昇分△Pを加算した値
が、目標圧力PC2として設定される。また、Q52の
判別でNOのときは、Q53を経ることなく、Q54へ
移行される。
【0065】Q54では、実際のクラッチ圧が、目標圧
力PC2以上であるか否かが判別されるが、当初はこの
判別がNOとなり、このときはQ55において、計測時
間td2のカウントアップが行われた後、リターンされ
る。Q54の判別でYESとなると、Q56において、
フラグが0にリセットされた後、Q57において、計測
時間td2に基づいて(図7のマップに基づいて)、推
定油温が決定される。
【0066】以上実施形態について説明したが、本発明
はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むもので
ある。油温推定のために油圧変化される対象としては、
多段変速歯車における摩擦締結要素に限らず、例えばト
ルクコンバータのロックアップクラッチ(締結圧力の上
昇)や、無段変速機における可変プーリ(有効径可変や
維持のための押圧力の上昇)等、適宜のものを選択し得
る。本発明で推定される油温は、油温そのものではなく
(例えば「度C」という温度数値そのものでの推定)、
油温に関連した値(例えば油温に応じた粘度や油圧応答
性を示す仮想数値等)であれば適宜の種類のものとする
ことができる。なお、油温推定のための油圧変化として
は、燃費等を勘案して油圧低下とすることも可能ではあ
るが、油圧低下は摩擦締結要素の好ましくない滑り発生
等をきたすおそれが考えられるために、油圧上昇によっ
て行うのが好ましい。
【0067】図6、図8において、所定の油圧上昇分△
Pを常に一定値とするのが好ましく、この△Pを一定値
としつつ広い温度範囲でもってマップから油温を推定す
るには、例えばポンプ12からの作動油吐出量の大きさ
に応じて図7に示すようなマップを複数用意しておけば
よい(作動油吐出量が小さいほど、同じ応答時間td1
(td2)であれば推定油温が高く推定されるように設
定)。また、油圧を変化させて油温を推定する所定の実
行条件としては、変速時において、締結解除状態にある
クラッチに作動油を供給して締結状態にするときとする
こともできる(例えばフォワードクラッチが締結解除か
ら締結される4速から3速への変速時、あるいは3−4
クラッチが締結解除から締結される2速から3速への変
速時)。勿論、所定時間内に上記クラッチの締結状態が
切換わる変速が連続したときは、油圧変化させることに
よる油温の推定を禁止すればよい。さらに、油温推定の
ための油圧の検出箇所(油圧センサの設置個所)として
は、油圧が極力応答よく変化する箇所が好ましく、この
ような観点から、マニュアルバルブ102とデューティ
ソレノイドバルブ131により調圧を行うレギュレータ
バルブ101との間の油圧経路において油圧検出を行う
ようにするのが好ましい。
【0068】フロ−チャ−トに示す各ステップ(ステッ
プ群)あるいはセンサやスイッチ等の各種部材は、その
機能の上位表現に手段の名称を付して表現することがで
きる。また、フローチャートに示す各ステップ(ステッ
プ群)の機能は、制御ユニットU内に設定された機能部
の機能として表現することもできる。勿論、本発明の目
的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいある
いは利点として表現されたものを提供することをも暗黙
的に含むものである。さらに、本発明は、制御方法とし
て表現することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】多段変速歯車機構の一例を示す構成図。
【図2】図1の機構に用いる油圧回路の一例を示す図。
【図3】図1の摩擦締結要素の作動状態と変速段との関
係を示す図。
【図4】図2に示す電磁バルブと変速段との関係を示す
図。
【図5】制御系統を示す図。
【図6】ライン圧を所定分上昇させるための制御と計測
時間を示す図。
【図7】所定分の圧力上昇度合いと計測時間と油温との
関係を示す図。
【図8】クラッチ圧を所定分上昇させるための制御と計
測時間を示す図。
【図9】油圧変化を生じさせないで油温推定するときの
油温更新値を得るための図。
【図10】本発明の制御例を示すフローチャート。
【図11】本発明の制御例を示すフローチャート。
【図12】本発明の制御例を示すフローチャート。
【図13】本発明の制御例を示すフローチャート。
【符号の説明】
10:自動変速機 41:フォワードクラッチ 42:リバースクラッチ 106:油圧作動弁(フォワードクラッチ用) 103:油圧作動弁(リバースクラッチ用) 101:油圧作動弁(ライン圧調整用) 123:ソレノイドバルブ(油圧作動弁106ークラッ
チ圧調整用) 122:ソレノイドバルブ(油圧作動弁103ークラッ
チ圧調整用) 131:ソレノイドバルブ(ライン圧調整用) U:制御ユニット S1〜S3:圧力センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧式の自動変速機において、 自動変速機の油圧回路に組み込まれた油圧作動弁からの
    出力油圧の変化状態を検出する油圧変化検出手段と、 所定の実行条件が満足されたとき、前記油圧作動弁の出
    力油圧が変化するように所定の油圧制御を行う油圧制御
    手段と、 前記所定の油圧制御が行われたときに、前記油圧変化検
    出手段で検出される油圧変化の状態に応じて油温を推定
    する油温推定手段と、を備え、前記所定の実行条件が、
    前記所定の油圧制御が実行できると共に該所定の油圧制
    御を行っている間継続する特定の運転状態として設定さ
    れている、ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】油圧式の自動変速機において、 自動変速機の油圧回路に組み込まれた油圧作動弁からの
    出力油圧の変化状態を検出する油圧変化検出手段と、 所定の実行条件が満足されたとき、前記油圧作動弁の出
    力油圧が変化するように所定の油圧制御を行う油圧制御
    手段と、 前記所定の油圧制御が行われたときに、前記油圧変化検
    出手段で検出される油圧変化の状態に応じて油温を推定
    する油温推定手段と、を備え、前記所定の実行条件が、
    自動変速機の作動状態そのものを変更する油圧制御とは
    干渉しない特定運転状態で、かつ該特定運転状態が該所
    定の油圧制御中継続するときとして設定されている、こ
    とを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、 前記所定の実行条件が満足されない運転状態のとき、前
    記油温推定手段により推定された推定油温を用いつつ油
    圧変化を生じさせない別の推定手法によって、油温を周
    期的にかつ継続的に推定する第2油温推定手段をさらに
    備えている、ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記第2油温推定手段
    が、少なくともエンジン負荷に関する値と外部環境とに
    基づいて油温推定をおこなう、ことを特徴とする自動変
    速機の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    おいて、 前記所定の実行条件が、PレンジまたはNレンジで、か
    つブレーキ操作が行われていない運転状態として設定さ
    れている、ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    おいて、 前記所定の実行条件が、NレンジからDレンジまたはR
    レンジへ切換えられたときとして設定されている、こと
    を特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
    おいて、 前記所定の実行条件が、Dレンジで、かつ定常走行状態
    または減速走行状態のときとして設定されている、こと
    を特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  8. 【請求項8】請求項5または請求項7において、 前記油圧作動弁が、ライン圧調整用とされ、 前記所定の油圧制御が、ライン圧を一時的に上昇させる
    制御とされている、ことを特徴とする自動変速機の油圧
    制御装置。
  9. 【請求項9】請求項6において、 前記油圧作動弁が、NレンジまたはRレンジとなったと
    きに油圧供給を受けて締結開始される特定のクラッチへ
    の油圧供給用とされ、 前記所定の油圧制御が、前記特定のクラッチへの供給油
    圧を一時的に大きく上昇させるように変化させる制御と
    されている、ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装
    置。
  10. 【請求項10】請求項1または請求項2において、 前記所定の油圧制御が、油圧を一時的に上昇させる制御
    とされ、 前記油圧推定手段は、前記所定の油圧制御によって油圧
    が所定分だけ上昇するまでの時間に基づいて油温を推定
    する、 ことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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