JP3291051B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP3291051B2
JP3291051B2 JP36132592A JP36132592A JP3291051B2 JP 3291051 B2 JP3291051 B2 JP 3291051B2 JP 36132592 A JP36132592 A JP 36132592A JP 36132592 A JP36132592 A JP 36132592A JP 3291051 B2 JP3291051 B2 JP 3291051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動変速機の油圧制
御装置、特に変速用の摩擦要素に供給する締結圧を所定
の条件下でリニアソレノイドバルブによって制御するよ
うにした自動変速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車に搭載される自動変速機
は、エンジン出力が入力されるトルクコンバータと、該
コンバータの出力によって駆動される変速機構とを組み
合わせ、この変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素
の選択的締結によって切り換えることにより、所定の変
速段に自動的に変速するように構成されたものである
が、この種の自動変速機においては、互いに独立して作
動する主変速機と副変速機とを直列状態に結合させると
共に、両変速機を同時にまたは交互にシフトさせること
により多段変速を達成するようにしたものがある。この
ように変速段を多段化することにより、燃費性能や出力
性能などが向上するという利点がある。
【0003】ところで、上記のような自動変速機におい
ては、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の
変速動作が同時に行われる場合があり、この場合、両変
速機の変速動作が時間的にずれると、不快な変速ショッ
クが発生するのみならず、例えばダウンシフトであるに
もかかわらず変速途中に一時的にアップシフト方向への
変速動作が行われて、運転者に違和感を感じさせること
になる。そこで、このような場合には、両変速機におけ
る変速動作を互いに時間的に対応させて進行させなけれ
ばならないことになり、その対策として、例えば特開昭
61−99753号公報によれば、シフトダウン変速時
に、主変速機がダウンシフト方向への変速動作を行う間
に、副変速機のアップシフト方向への変速動作を開始、
終了させるようにしたものが開示されている。
【0004】しかし、主変速機と副変速機とでギヤ比の
変化が逆方向の変速動作が同時に行われる場合に、上記
のように一方の変速動作の間に他方の変速動作を開始、
終了させるだけでは変速ショックの低減効果が十分では
なく、さらに変速ショックを効果的に低減させるために
は、一方の変速機におけるギヤ比の変化と他方の変速機
におけるギヤ比の変化とを調和させながら変速動作を進
行させる必要がある。
【0005】このような要求に対処するために、副変速
機のギヤ比が主変速機のギヤ比と調和しながら変化する
ように、副変速機の摩擦要素の締結動作もしくは解放動
作をフィードバック制御することが考えられている。つ
まり、例えば主変速機のギヤ比進度に対応させて副変速
機の目標ギヤ比進度を設定すると共に、副変速機の現実
のギヤ比進度と上記目標ギヤ比進度とを比較して、その
偏差が解消するように当該変速動作に関与する副変速機
の所定の摩擦要素の締結圧をフィードバック制御するの
である。
【0006】一方、この種の自動変速機においては、摩
擦要素に締結圧を供給する油圧回路に、例えば図11に
示すようなリニアソレノイドバルブAを設置する場合が
ある。
【0007】このリニアソレノイドバルブAは、制御元
圧が供給される入力ポートBと、調圧後の圧力を出力す
る出力ポートCと、作動油を排出するドレンポートD
と、上記出力ポートCからの出力圧がフィードバック入
力されるフィードバックポートEと、同じく出力ポート
Cを入力ポートBもしくはドレンポートDに選択的に連
通させるスプールFと、このスプールFの一端側に対接
配置されて、該スプールFにソレノイドコイルGで発生
する磁界に応じた電磁力を作用させるプッシャーHと、
該プッシャーHを補助的に付勢するアシストスプリング
Iと、上記スプールFの他端側に配置されて該スプール
Fを押し戻すリターンスプリングJとを有する。
【0008】このような構成によれば、上記スプールF
に左方から作用するソレノイドコイルGによる電磁力、
フィードバック圧による押圧力などの合力が、該スプー
ルFの右方から作用するリターンスプリングJによる付
勢力よりも大きいときには、該スプールFがリターンス
プリングJの付勢力に逆らって図面上の右方に移動する
ことにより、出力ポートCがドレンポートDに連通して
出力圧が減圧する。逆に、上記スプールFの左方から作
用する力がリターンスプリングJの付勢力よりも小さい
ときには、該スプールFがリターンスプリングJに押さ
れて図面上の左方に移動することにより、出力ポートC
が今度は入力ポートBに連通して出力圧が昇圧すること
になる。つまり、上記スプールFに両方向から作用する
力が均衡して、入力ポートB及びドレンポートDと出力
ポートCとの連通状態が共に遮断されたときに、そのと
きの圧力に出力圧が調整されることになる。そして、そ
の圧力が電磁力が小さいほど増大することになる。
【0009】その場合に、ソレノイドコイルGで発生す
る磁界の大きさは通電量に比例することから、上記スプ
ールFにプッシャーHを介して作用する電磁力も通電量
に比例する。したがって、ソレノイドコイルへGの通電
量を変化させれば、その通電量に精度良く対応して出力
圧が変化することになる。
【0010】したがって、このようなリニアソレノイド
バルブAを主変速機と副変速機とを備えた自動変速機に
おける副変速機側の摩擦要素の締結圧を制御する油圧回
路に設置するようにすれば、例えば主変速機と副変速機
とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行われる
変速時には、当該変速動作に関与する副変速機側の摩擦
要素に供給する締結圧を、主変速機のギヤ比の変化に対
応させて緻密に制御することが可能となって、変速ショ
ックを効果的に抑制することが期待される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自動変速機
の油圧回路にリニアソレノイドバルブを設置する場合
に、その設置形態によっては次のような問題を発生する
ことが判明した。
【0012】つまり、この種の自動変速機においては、
オイルポンプから吐出される作動油の圧力をレギュレー
タバルブにより所定のライン圧に調整した上でそれぞれ
の摩擦要素に供給するようになっているが、その場合
に、ライン圧が摩擦要素の入力トルクに対して低過ぎる
と、該摩擦要素のトルク伝達容量が不足して、所要のト
ルクを確実に伝達できないことになる。逆に、ライン圧
が摩擦要素の入力トルクに対して高すぎると、該摩擦要
素の締結時に変速ショックが発生すると共に、オイルポ
ンプを駆動するためのトルクが必要以上に大きくなって
徒にエンジン出力を消費することになる。そのため、例
えばエンジン出力を代表するスロットル開度に応じてラ
イン圧を調整し、これによりライン圧を摩擦要素の入力
トルクに対応させるのが通例である。
【0013】一方、例えばフィードバック制御時のよう
に素早い応答性を要求されるときには、摩擦要素の締結
圧をリニアソレノイドバルブによって直接制御するのが
望ましい。その場合に、レデューシングバルブによって
一定圧に調圧したライン圧をリニアソレノイドバルブの
制御元圧として供給するようにすると、レデューシング
バルブが抵抗となって過渡応答性が損なわれることにな
る。しかも、当該摩擦要素が高いトルク伝達容量が要求
される変速段で締結される摩擦要素である場合には、最
大のトルク伝達容量に対応させてレデューシングバルブ
の調圧レベルを高く設定しなければならず、オイルポン
プを駆動するためのポンプロスが大きくなって好ましく
ない。
【0014】そこで、このように摩擦要素に供給する締
結圧をリニアソレノイドバルブを用いて直接制御するよ
うな場合には、リニアソレノイドバルブの制御元圧とし
てレギュレータバルブによって調整されたライン圧を直
接供給することが考えられるが、そうするとライン圧が
エンジン出力によって変動することにより、リニアソレ
ノイドバルブの調圧レベルにバラツキが生じて、油圧調
整精度が低下するという問題が発生する。
【0015】つまり、上記の図11に示すように、リニ
アソレノイドバルブAにおいては、定常状態で入力ポー
トB及びドレンポートDと出力ポートCとの連通状態が
共に遮断されるようになっているが、例えば出力圧が何
らかの原因で低下したり、あるいは増圧のためにソレノ
イドコイルGに出力する制御電流を低下させることによ
りスプールFに作用させる電磁力を低下させると、スプ
ールFがリターンスプリングJで押し戻され、図12に
示すように出力ポートCと入力ポートBとが連通するこ
とになる。そして、入力ポートBに供給されている作動
油がスプールFの2個のランド部F1,F2の間に流入
した後出力ポートCから流出することになるが、入力ポ
ートBから流する際に作動油の流動経路が図のように
入力ポートのランド部F1で邪魔されて屈曲するこ
とから、その反力によりスプールFが更に押し戻される
ことになって作動油が余分に流入し、その分だけ出力圧
が高められることになる。その場合に、制御元圧と出力
圧との差圧が大きいほど入力ポートBに流入する作動油
の流速が速くなり、それに伴ってスプールFに作用する
反力も増大して出力圧が更に増大することになる。した
がって、ソレノイドコイルGに流す制御電流が一定であ
ったとしても、スプールFに作用する作動油のフローフ
ォースに影響されて出力圧が変動することになるのであ
る。
【0016】この発明はライン圧が変動する回路にリニ
アソレノイドバルブを設置するようにした自動変速機に
おける上記の問題に対処するもので、作動油のフローフ
ォースによる影響を排除して、油圧調整精度を向上させ
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る自動変速機の
油圧制御装置は、ライン圧を調整するライン圧調整手段
と、該調整手段より調整されたライン圧が制御元圧とし
て供給されるリニアソレノイドバルブとを備え、変速用
の摩擦要素に供給する締結圧を、所定の条件下で上記リ
ニアソレノイドバルブによって制御するようにした自動
変速機において、上記リニアソレノイドバルブが、制御
元圧が供給される入力ポートと、調圧後の圧力を出力す
る出力ポートと、作動油を排出するドレンポートと、複
数のランド部を有するスプールと、該スプールを通電量
に比例する電磁力で出力ポートとドレンポートとが連通
する方向に付勢するソレノイドコイルと、同じく該スプ
ールを出力ポートからの出力圧で出力ポートとドレンポ
ートとが連通する方向に付勢するフィードバックポート
と、同じく該スプールを出力ポートと入力ポートとが連
通する方向に付勢する付勢部材とを備え、上記スプール
に作用するソレノイドコイルによる力と出力圧による力
との合力と、付勢部材による力とが均衡したときに出力
ポートとドレンポート及び入力ポートとの連通状態が遮
断され、その状態から上記スプールが出力ポートと入力
ポートとが連通する方向に移動したときは、入力ポート
からランド部の間に流入した作動油の反力であって制御
元圧と出力圧との差圧に比例するものが上記スプールに
作用するように構成されていると共に、上記リニアソレ
ノイドバルブにおける入力信号に対する出力圧の特性
、ライン圧と出力圧との差圧が大きいほど目標出力圧
に対するソレノイドコイルの通電量を減少させるように
補正する制御特性補正手段を設けたことを特徴とする。
【0018】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)に係る自動変速機の油圧制御装置は、ライ
ン圧を調整するライン圧調整手段と、エンジン出力に基
づいて目標ライン圧を設定する目標ライン圧設定手段
と、該設定手段により設定された目標ライン圧が得られ
るように上記ライン圧調整手段を作動させるライン圧制
御手段と、上記調整手段より調整されたライン圧が制御
元圧として供給されるリニアソレノイドバルブとを備
え、変速用の摩擦要素に供給する締結圧を、所定の条件
下で上記リニアソレノイドバルブによって制御するよう
にした自動変速機において、上記リニアソレノイドバル
ブが、制御元圧が供給される入力ポートと、調圧後の圧
力を出力する出力ポートと、作動油を排出するドレンポ
ートと、複数のランド部を有するスプールと、該スプー
ルを通電量に比例する電磁力で出力ポートとドレンポー
トとが連通する方向に付勢するソレノイドコイルと、同
じく該スプールを出力ポートからの出力圧で出力ポート
とドレンポートとが連通する方向に付勢するフィードバ
ックポートと、同じく該スプールを出力ポートと入力ポ
ートとが連通する方向に付勢する付勢部材とを備え、上
記スプールに作用するソレノイドコイルによる力と出力
圧による力との合力と、付勢部材による力とが均衡した
ときに出力ポートとドレンポート及び入力ポートとの連
通状態が遮断され、その状態から上記スプールが出力ポ
ートと入力ポートとが連通する方向に移動したときは、
入力ポートからランド部の間に流入した作動油の反力で
あって制御元圧と出力圧との差圧に比例するものが上記
スプールに作用するように構成されていると共に、上記
リニアソレノイドバルブにおける入力信号に対する出力
油圧の特性を、上記目標ライン圧設定手段で設定された
目標ライン圧と出力圧との差圧が大きいほど目標出力圧
に対するソレノイドコイルの通電量を減少させるように
補正する制御特性補正手段を設けたことを特徴とする。
【0019】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)に係る自動変速機の油圧制御装置は、上
記第1、第2発明の構成におけるリニアソレノイドバル
ブにより締結圧が制御される摩擦要素が、互いに独立し
て作動する主変速機と副変速機とが組み合わされると共
に、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変
速動作が同時に行われる変速時に、副変速機のギヤ比進
度が主変速機のギヤ比進度に応じてフィードバック制御
される自動変速機における副変速機側の摩擦要素である
ことを特徴とする。
【0020】
【作用】上記の構成によれば、次の作用が得られる。
【0021】すなわち、第1、第2発明の構成のいずれ
においても、ライン圧を制御元圧として供給するように
したリニアソレノイドバルブにおいて、入力信号に対す
る出力圧の特性が、ライン圧と出力圧との差圧が大きい
ほど目標出力圧に対するソレノイドコイルの通電量を減
少させるように補正されるようになっているので、仮に
エンジン出力の変化によりライン圧が変動したとして
も、フローフォースによる影響が排除されて出力圧が目
標油圧に精度良く制御され、これにより変速用の摩擦要
素に供給する締結圧をリニアソレノイドバルブを用いて
適正に制御することが可能となる。
【0022】特に、第2発明によれば、エンジン出力に
基づいて設定されたライン圧制御用の目標値を用いてリ
ニアソレノイドバルブの特性を補正するようになってい
るので、ライン圧を直接検出するためのセンサを必要と
せず、その分部品点数が削減されることになる。
【0023】そして、第3発明によれば、互いに独立し
て作動する主変速機と副変速機とを備えた自動変速機に
おいて、主変速機と副変速機とでギヤ比の変化が逆方向
の変速動作が同時に行われる変速時に、副変速機のギヤ
比進度を主変速機のギヤ比進度に精度良く対応させてフ
ィードバック制御することが可能となる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0025】図1に示すように、この実施例に係る自動
変速機1は、トルクコンバータ10と、該トルクコンバ
ータ10と同一軸線上に配置された主変速機20と、こ
れらの軸線と平行な軸線上に配置された副変速機30と
を有する。
【0026】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつワンウェイクラッ
チ14を介して変速機ケース3に支持されたステータ1
5と、上記タービン13に連結されたコンバータ出力軸
16と、上記ケース11を介して該出力軸16をエンジ
ン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とで構
成されている。
【0027】なお、トルクコンバータ10と主変速機2
0との間には、該トルクコンバータ10を介してエンジ
ン出力軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されてい
る。
【0028】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上におけるトルクコンバータ側に配置されたフロント
遊星歯車機構21と、反トルクコンバータ側に配置され
たリヤ遊星歯車機構22とを有する。そして、上記コン
バータ出力軸16が、前進クラッチ23を介してフロン
ト遊星歯車機構21のサンギヤ21aに、また、直結ク
ラッチ24を介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ2
2aにそれぞれ結合されるようになっていると共に、フ
ロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aとリヤ遊星歯
車機構22のリングギヤ22bとが結合されている。
【0029】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウェ
イクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されていると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギ
ヤ22aと変速機ケース3との間には、第2ワンウェイ
クラッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置さ
れ、かつ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコース
トブレーキ29が配置されている。そして、フロント遊
星歯車機構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキ
ャリヤ21c,22cが結合され、これらに主変速機2
0から副変速機30へ動力を伝達する中間ギヤ5が連結
されている。
【0030】このような構成により、この主変速機20
によれば、上記前進クラッチ23、直結クラッチ24、
3−4ブレーキ28及びローリバースブレーキ26を選
択的に締結させることにより、前進の低速段、中速段及
び高速段と後退段とが得られることになる。
【0031】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリング
ギヤ31aに連結されていると共に、該リングギヤ31
aとサンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置
され、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウェイクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、該遊星歯車機構31
のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ7が連結され、該
ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。
【0032】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と高速段
の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力することができ
るようになっている。
【0033】つまり、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速
ブレーキ34によって遊星歯車機構31のサンギヤ31
bが固定されることにより、該遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに入力される中間ギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31cから出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより低速段が得られる。その場合に、上記減
速ブレーキ34が締結されておれば、この副変速機30
の単体として、エンジンブレーキが作動することにな
る。
【0034】また、上記直結クラッチ32が締結され、
かつ減速ブレーキ34が解放されておれば、該遊星歯車
機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結合
されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がピニオ
ンキャリヤ31cからそのまま出力ギヤ7に出力され、
これにより高速段(直結段)が得られることになる。
【0035】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機1の全体としては前進
については6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、この実施例では、
前進変速段としては上記6段のうちの所定の5段を採用
するようになっている。
【0036】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用のレンジのみで締結されることを示す。
【0037】
【表1】 次に、上記表1に従って各クラッチ及びブレーキを選択
的に締結させることにより、運転状態もしくは運転者の
要求に応じた変速段を形成する油圧回路について説明す
る。
【0038】図2に示すように、この油圧回路40に
は、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧力
を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ4
1が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調整
されたライン圧が、メインライン42により、運転者に
よって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制御用
元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ44,
45,46とに供給されるようになっている。
【0039】これらのレデューシングバルブ44〜46
のうち、第1レデューシングバルブ44によって一定圧
に減圧された制御用元圧はライン47を介してモデュレ
ータバルブ48に供給されるようになっている。そし
て、このモデュレータバルブ48の制御ポート48aに
はデューティソレノイドバルブ49によって調整された
制御圧が供給され、このデューティソレノイドバルブ4
9のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間の比率)に応じて上記制御元圧からモデュレータ圧が
生成されると共に、このモデュレータ圧がライン50を
介して上記レギュレータバルブ41の第1増圧ポート4
1aに供給され、これにより、ライン圧が上記デューテ
ィ率に応じて増圧されるようになっている。その場合
に、上記デューティ率はエンジン出力に基づいて設定さ
れることにより、ライン圧がエンジン出力に応じた値に
調整されることになる。
【0040】なお、上記モデュレータ圧をレギュレータ
バルブ41の第1増圧ポート41aに供給するライン5
0には、デューティソレノイドバルブ49の周期的O
N,OFF動作に起因する油圧の脈動を抑制するための
第1アキュムレータ51が設置されている。
【0041】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N
(中立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とさ
れており、前進レンジでは、上記メインライン42を前
進ライン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞ
れ接続させるようになっている。
【0042】上記前進ライン52は、作動油の供給時と
排出時とで絞り量を異ならせたオリフィス54を介して
前進クラッチ23に導かれており、したがって、D,
3,2,1の各前進レンジでは、前進クラッチ23が常
時締結されることになる。その場合に、この前進ライン
52には、前進クラッチ23への締結圧の供給時におけ
るショックを緩和するための第2アキュムレータ55が
設置され、このアキュムレータ55に上記メインライン
42からライン56を介して背圧が供給されるようにな
っている。
【0043】ここで、副変速機30における直結クラッ
チ32の油圧室として受圧面積の異なる第1、第2油圧
室32a,32bが設けられており、これらの油圧室3
2a,32bに同一の締結圧が導入された場合に、受圧
面積の大きい第1油圧室32aに締結圧が導入された場
合の方が、受圧面積の小さい第2油圧室32bに締結圧
が導入される場合よりも大きな締結力が得られるように
なっている。
【0044】また、減速ブレーキ34についても、受圧
面積の異なる第1、第2油圧室34a,34bが設けら
れており、これらの油圧室34a,34bに同一の締結
圧が導入された場合に、受圧面積の大きい第1油圧室3
4aに締結圧が導入された場合の方が、受圧面積の小さ
い第2油圧室34bに締結圧が導入される場合よりも大
きな締結力が得られるようになっている。
【0045】そして、副変速機30における減速ブレー
キ34の受圧面積の大きな第1油圧室34aには、上記
後退ライン53が直接導かれており、したがって、Rレ
ンジでは、この第1油圧室34aに導入されるライン圧
により、減速ブレーキ34が大きな締結力で締結される
ことになる。なお、この後退ライン53からはレギュレ
ータバルブ41の第2増圧ポート41bに通じるライン
57が分岐され、Rレンジでライン圧の調整値を高くす
るようになっている。
【0046】一方、上記メインライン42、前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1、第2、第3シフトバルブ61,62,6
3と、副変速機30における変速用の第4、第5シフト
バルブ64,65とにライン圧が供給されるようになっ
ている。
【0047】これらのシフトバルブ61〜65は、いず
れも一端に制御ポート61a〜65aが設けられ、上記
第2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧
ライン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61
〜63の各制御ポート61a〜63aに、また、第3レ
デューシングバルブ46から導かれた制御用元圧ライン
67が副変速機用の第4、第5シフトバルブ64,65
の各制御ポート64a,65aにそれぞれ接続されてい
る。
【0048】上記制御用元圧ライン66,67には、第
1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が設置され
ている。これらのON−OFFソレノイドバルブ71〜
75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65の制御ポ
ート61a〜65a内をドレンさせるようになってお
り、したがって、各シフトバルブ61〜65のスプール
は、対応するON−OFFソレノイドバルブ71〜75
がONのときに図面上、左側に位置し、OFFのときに
右側に位置することになる。
【0049】そして、これらのソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せ、即ち各シフトバルブ61
〜65のスプールの位置の組合せに応じて、上記メイン
ライン42、前進ライン52もしくは後退ライン53か
ら各クラッチ及びブレーキに通じるラインが選択的に連
通され、これにより、前記表1に示すところに従って各
クラッチ及びブレーキが締結されて、1〜5速と後退速
とが得られることになる。その場合に、各クラッチ及び
ブレーキに供給される締結圧は、それぞれ次のようにし
て適正値に制御されるようになっている。
【0050】つまり、主変速機20における直結クラッ
チ24、コーストブレーキ29、ローリバースブレーキ
26及び3−4ブレーキ28については、ライン圧を減
圧して所定の締結圧に調整するためのコントロールバル
ブ76,77,78,79がそれぞれ備えられ、これら
のうち、コーストブレーキ用、ローリバースブレーキ用
及び3−4ブレーキ用のコントロールバルブ77,7
8,79については、制御ポート77a,78a,79
aに第1リニアソレノイドバルブ80によって調整され
た制御圧がライン81を介して供給されて、該制御圧に
応じて締結圧がそれぞれ制御されるようになっている。
【0051】また、直結クラッチ用コントロールバルブ
76の制御ポート76aには、ライン82によって直結
クラッチ24に供給される締結圧自体がワンウェイオリ
フィス83と第3アキュムレータ84とが設けられたラ
イン85を介して制御圧として供給され、このアキュム
レータ84の作動により該締結圧の立ち上がりが制御さ
れるようになっている。
【0052】なお、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0は、上記第1レデューシングバルブ44からライン4
7を介して供給される制御元圧をコントローラ(図4参
照)からの制御信号に応じて調整して、そのときの変速
段や運転状態に応じた制御圧を生成するようになってい
る。また、上記直結クラッチ用コントロールバルブ76
と、上記ローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
8の一端に設けられたポート76b,78bには、上記
後退ライン53から分岐された調圧動作禁止用ライン8
6がそれぞれ接続され、Rレンジで、これらのポート7
6b,78bにライン圧が供給されてスプールが図面上
の左側の位置に固定されることにより、該直結クラッチ
用及びローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
6,78の調圧動作が阻止されるようになっている。さ
らに、3−4ブレーキ用コントロールバルブ79の一端
のポート79bには、コーストブレーキ29に締結圧が
供給されるときに、該締結圧がライン87を介して供給
されて、該コントロールバルブ79の調圧動作が制限さ
れるようになっている。
【0053】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0によって生成された制御圧は、ライン81を介してア
キュムレータ用コントロールバルブ88の制御ポート8
8aにも供給されるようになっている。このコントロー
ルバルブ88は、メインライン42からライン89を介
して供給されるライン圧を上記第1リニアソレノイドバ
ルブ80からの制御圧に応じて調整して、上記第3アキ
ュムレータ84及び第4アキュムレータ90用の背圧を
生成し、これをライン91によって両アキュムレータ8
4,90の背圧ポート84a,90aに供給するように
なっている。
【0054】一方、副変速機30における締結圧の制御
用としては、図3に拡大して示すように、直結クラッチ
32の受圧面積の大きな第1油圧室32a及び受圧面積
の小さな第2油圧室32bに供給される締結圧を調整す
る直結クラッチ用コントロールバルブ101と、減速ブ
レーキ34の受圧面積の小さな第2油圧室34bに供給
される締結圧を調整する減速ブレーキ用コントロールバ
ルブ102と、第2リニアソレノイドバルブ103とが
備えられている。なお、減速ブレーキ34の受圧面積の
大きな第1油圧室34aには、前述のように、Rレンジ
でマニュアルバルブ43から後退ライン53を介してラ
イン圧が直接供給される。
【0055】上記第2リニアソレノイドバルブ103
は、メインライン42からライン圧が制御元圧として供
給され、これをコントローラからの制御信号に応じて調
整した上で、ライン104及び第5シフトバルブ65か
ら、ライン105もしくはライン106を介して、減速
ブレーキ用コントロールバルブ102の制御ポート10
2aに供給し、もしくは直結クラッチ32の第1油圧室
32aに連通して該油圧室32 aの油圧を調整する。そ
して、上記減速ブレーキ用コントロールバルブ102
は、上記のようにして第2リニアソレノイドバルブ10
3で生成された制御圧が制御ポート102aに供給され
ているときに、メインライン42からライン107、第
4シフトバルブ64、ライン108、第5シフトバルブ
65及びライン109を介して供給されるライン圧を上
記制御圧に応じて調整し、これをライン110を介して
減速ブレーキ34の第2油圧室34bに供給する。
【0056】一方、直結クラッチ用コントロールバルブ
101には、メインライン42からライン107、第4
シフトバルブ64、ライン111を介してライン圧が供
給され、これを調整した上で、ワンウェイオリフィス1
12、ライン113及び第5シフトバルブ65から、上
記ライン106もしくはライン114を介して直結クラ
ッチ32の第1油圧室32aもしくは第2油圧室32b
に選択的に供給するようになっている。
【0057】そして、この直結クラッチ用コントロール
バルブ101の制御ポート101aには、上記直結クラ
ッチ32の第1油圧室32aもしくは第2油圧室32b
に供給される締結圧自体が、ワンウェイオリフィス11
5及び第5アキュムレータ116が設けられたライン1
17を介して制御圧として供給されるようになってお
り、したがって、上記締結圧は、第5アキュムレータ1
16の作動により一定の棚圧状態を経て立ち上がること
になる。なお、このアキュムレータ116の背圧ポート
116aには、メインライン42からライン118を介
して背圧が供給されるようになっている。
【0058】そして、以上の構成の油圧回路40におい
て、第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5のON,OFFの組合せパターンは表2に示すように
なっており、これにより前進の1〜5速と後退速とが得
られるようになっている。ここで、表2中、(1)、
(2)はエンジンブレーキ用レンジでの1速及び2速を
示す。
【0059】
【表2】 次に、この表2に従って各ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜75のON,OFFの組合せと変速段との関係
を具体的に説明する。
【0060】まず、Dレンジなどで採用されるエンジン
ブレーキの作動しない1速では、主変速機20側では、
第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73が
ON,OFF,OFFの状態にあって、第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが左側、右側、右側にそ
れぞれ位置している。この状態では、前進ライン52か
ら分岐されたライン121が第1シフトバルブ61を介
してライン122に連通し、さらに第2シフトバルブ6
2を介してライン123に連通するが、このライン12
3は第3シフトバルブ63で遮断される。また、同じく
前進ライン52から分岐された他のライン124は第2
シフトバルブ62で、メインライン42から分岐された
ライン125は第1シフトバルブ61でそれぞれ遮断さ
れる。したがって、この場合は、前述のように、前進レ
ンジで常時締結される前進クラッチ23のみが締結され
た状態となり、主変速機20においてエンジンブレーキ
が作動しない低速段が得られる。
【0061】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42がライン107及び第4シフトバルブ64を
介してライン108に連通し、さらに、第5シフトバル
ブ65を介して減速ブレーキ用コントロールバルブ10
2に至るライン109に連通して、該コントロールバル
ブ102にライン圧が供給される。このとき、第2リニ
アソレノイドバルブ103で生成された制御圧がライン
104、第5シフトバルブ65及びライン105を介し
て減速ブレーキ用コントロールバルブ102の制御ポー
ト102aに供給されることにより、上記ライン圧が該
制御圧に応じて調整され、所定の締結圧とされた上で、
ライン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室3
4bに供給され、該減速ブレーキ34が締結される。
【0062】また、直結クラッチ32は、第1油圧室3
2aがライン106、第5シフトバルブ65、ライン1
13、直結クラッチ用コントロールバルブ101及びラ
イン111を介して第4シフトバルブ64のドレンポー
トに連通し、また、第2油圧室32bが、ライン114
を介して第5シフトバルブ65のドレンポートに連通す
ることにより解放された状態にある。その結果、副変速
機30の変速段はエンジンブレーキが作動する低速段と
なり、自動変速機全体としては、エンジンブレーキの作
動しない1速となる。
【0063】また、1レンジや2レンジなどで採用され
るエンジンブレーキが作動する1速では、上記のエンジ
ンブレーキ非作動の1速に対して主変速機20における
第3ソレノイドバルブ73がONとなり、これに伴っ
て、第3シフトバルブ63のスプールが左側に位置す
る。したがって、この場合は、上記前進ライン52が、
その分岐ライン121、第1シフトバルブ61、ライン
122、第2シフトバルブ62、ライン123及び第3
シフトバルブ63を介してローリバースブレーキ用コン
トロールバルブ78に通じるライン126に連通し、該
コントロールバルブ78にライン圧が供給されることに
なる。
【0064】そして、このコントロールバルブ78に供
給されたライン圧は、第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して制御ポート78aに供給されて
いる制御圧に応じた締結圧に調整され、これがライン1
27を介してローリバースブレーキ26に供給される。
これにより、前進クラッチ23に加えて、ローリバース
ブレーキ26が締結され、主変速機20において、エン
ジンブレーキが作動する低速段が得られることになる。
そして、副変速機30においては、前述のエンジンブレ
ーキ非作動の1速の場合と同様に減速ブレーキ34が締
結されているから、自動変速機全体として、エンジンブ
レーキが作動する1速が得られる。
【0065】次に、Dレンジなどで採用されるエンジン
ブレーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジなどで
採用されるエンジンブレーキ作動の2速では、上記のエ
ンジンブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ作動
の1速の状態に対して副変速機30の変速段のみが変化
する。
【0066】つまり、副変速機30における第4ON−
OFFソレノイドバルブ74がONとなり、これに伴っ
て第4シフトバルブ64のスプールが左側に位置する。
したがって、メインライン42からライン107を介し
て第4シフトバルブ64に供給されているライン圧が該
第4シフトバルブ64からライン111を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ101に供給されると共
に、該コントロールバルブ101で立ち上がりを調整さ
れた上で、ライン113、第5シフトバルブ65及びラ
イン106を介して直結クラッチ32の第1油圧室32
aに供給されることになる。これにより、副変速機30
の変速段が高速段となり、その結果、自動変速機の全体
として、エンジンブレーキが作動しない2速あるいはエ
ンジンブレーキが作動する2速が得られることになる。
【0067】さらに、3速では、主変速機20におい
て、第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第
3シフトバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、
左側に位置することになる。この場合、まず、前進ライ
ン52からの一方の分岐ライン121が、第1シフトバ
ルブ61を介してライン128に連通し、さらに第3シ
フトバルブ63を介してコーストブレーキ用コントロー
ルバルブ77に通じるライン129に連通する。したが
って、該コントロールバルブ77にライン圧が供給さ
れ、これが第1リニアソレノイドバルブ80からライン
81を介して供給される制御圧に応じて所定の締結圧に
調整された上で、ライン130を介してコーストブレー
キ29に供給され、これにより該コーストブレーキ29
が締結される。
【0068】また、前進ライン52からの他方の分岐ラ
イン124が第2シフトバルブ62を介して3−4ブレ
ーキ用コントロールバルブ79に通じるライン131に
連通し、該コントロールバルブ79にライン圧を供給す
る。このコントロールバルブ79には、上記第1リニア
ソレノイドバルブ80からライン81を介して制御圧が
供給されると共に、上記コーストブレーキ29に供給さ
れている締結圧がライン87を介して制御圧として供給
され、これらの制御圧に応じて調整された締結圧がライ
ン132を介して3−4ブレーキ28に供給されること
になる。
【0069】その結果、主変速機20においては、前進
クラッチ23に加えて3−4ブレーキ28が締結され、
しかも上記コーストブレーキ29も締結されることによ
り、エンジンブレーキが作動する中速段が得られること
になる。
【0070】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速段がエンジンブレーキの作動する低速段に設定されて
いる。したがって、自動変速機の全体としては、所定の
減速比を有し、かつ、エンジンブレーキが作動する3速
が得られることになる。
【0071】そして、4速では、この3速の状態から副
変速機30における第4、第5ON−OFFソレノイド
バルブ74,75が共にONとなって、第4、第5シフ
トバルブ64,65のスプールが左側に位置し、これに
より、まず、前記の2速の場合と同様に、メインライン
42からライン107、第4シフトバルブ64、及びラ
イン111を介してライン圧が直結クラッチ用コントロ
ールバルブ101に供給され、該コントロールバルブ1
01で立ち上がりを調整され、所定の締結圧となって、
ライン113及び第5シフトバルブ65から、今度はラ
イン114を介して直結クラッチ32の第2油圧室32
bに供給されることになる。その結果、直結クラッチ3
2が締結されて副変速機30の変速段が高速段となる。
そして、主変速機20は上記の3速の場合と同様に中速
段に設定されているから、自動変速機全体としての変速
段は4速となる。
【0072】さらに、5速においては、主変速機20に
おける第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜
73がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位
置する。そのため、メインライン42から分岐されたラ
イン125が第1シフトバルブ61を介してライン13
3に連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を
介して直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じる
ライン134に連通し、したがって、該コントロールバ
ルブ76にライン圧が供給されることになる。そして、
このコントロールバルブ76によって調整された締結圧
がライン82によって直結クラッチ24に供給され、該
クラッチ24を締結させる。これにより、主変速機20
においては、前進クラッチ23と直結クラッチ24とが
締結されて、変速段が高速段となる。なお、この直結ク
ラッチ24の締結時には、第3アキュムレータ84の作
用により、締結圧が一定の棚圧状態を経て供給される。
【0073】一方、副変速機30は、前述の4速の場合
と同様に、第4、第5ON−OFFソレノイドバルブ7
4,75が共にONの状態にあって、変速段は高速段に
設定されており、その結果、自動変速機の全体としては
5速が得られることになる。
【0074】さらに、上記マニュアルバルブ43がRレ
ンジに操作された後退速においては、該マニュアルバル
ブ43を介して後退ライン53がメインライン42に連
通されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがい
ずれも右側に位置することになる。
【0075】そのため、まず、メインライン42から分
岐されたライン125が、前述の5速の場合と同様に、
第1シフトバルブ61を介してライン133に連通する
と共に、さらに、第3シフトバルブ63を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ76に通じるライン134
に連通し、したがって、該コントロールバルブ76にラ
イン圧が供給されることになる。この場合は、該コント
ロールバルブ76の一端のポート76bに、上記後退ラ
イン53からライン86を介してライン圧が供給され
て、該コントロールバルブ76のスプールが図面上の左
側に固定されることにより、上記ライン134から供給
されたライン圧は、減圧されることなくライン82を介
してそのまま直結クラッチ24に供給され、該直結クラ
ッチ24を高い締結圧で締結させる。
【0076】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス135
を有するライン136、第3シフトバルブ63及び前述
のライン126を介してローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78に連通して、上記のエンジンブレーキ
作動の1速の場合と同様に、該コントロールバルブ78
にライン圧を供給する。この場合、該コントロールバル
ブ78の一端のポート78bには、上記後退ライン53
から分岐されたライン86によってライン圧が導入され
ることにより、該コントロールバルブ78のスプールが
図面上の左側に固定される。そのため、上記ライン12
6によって供給されているライン圧は、該コントロール
バルブ78で調整されることなく、そのままローリバー
スブレーキ26に供給され、該ローリバースブレーキ2
6を高い締結圧で締結することになる。
【0077】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ26が締結さ
れ、後退段が得られる。そして、副変速機30において
は、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,7
5が共にOFFで、変速段がエンジンブレーキの作動す
る低速段に設定された状態にあり、減速比の大きな後退
速が得られる。
【0078】なお、上記ローリバースブレーキ26に締
結圧が供給される際には、上記ライン136からライン
137を介して第4アキュムレータ90に作動油が導入
されることにより、該締結圧が所定の棚圧状態を経て徐
々に立ち上がることになる。
【0079】以上の構成に加えて、この油圧回路40に
は、トルクコンバータ10内のロックアップクラッチ1
7を制御するためのロックアップ第1、第2シフトバル
ブ141,142と、ロックアップコントロールバルブ
143と、ロックアップ制御用のON−OFFソレノイ
ドバルブ144と、デューティソレノイドバルブ145
とが備えられて、ロックアップクラッチ17の締結、解
放制御と、該クラッチ17をスリップさせるスリップ制
御とが行われるようになっている。
【0080】そして、この油圧回路40に備えられたラ
イン圧調整用のデューティソレノイドバルブ49、変速
用の第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5、締結圧調整用の第1、第2リニアソレノイドバルブ
80,103、ロックアップ制御用のON−OFFソレ
ノイドバルブ144及びデューティソレノイドバルブ1
45は、図4に示すように、コントローラ160からの
制御信号によって制御されるようになっている。そし
て、このコントローラ160には、車速を検出する車速
センサ161からの信号、エンジンのスロットル開度を
検出するスロットル開度センサ162からの信号、運転
者によって選択されたシフト位置(レンジ)を検出する
シフト位置センサ163からの信号、エンジンの吸入空
気量を検出するエアフローセンサ164からの信号、エ
ンジン回転数を検出するエンジン回転センサ165から
の信号、主変速機20の入力側の回転数(タービン回転
数)を検出するタービン回転センサ166からの信号、
主変速機20の出力側(副変速機30の入力側)の回転
数を検出する中間回転センサ167からの信号及び副変
速機30の出力側の回転数を検出する出力回転センサ1
68からの信号などが入力され、これらの信号によって
示される運転状態や運転者の要求に応じて上記各ソレノ
イドバルブを制御するようになっている。
【0081】ここで、上記コントローラ160によるラ
イン圧制御の概略を説明する。
【0082】すなわち、コントローラ160はエアフロ
ーセンサ164及びエンジン回転センサ165からの信
号をそれぞれ取り込んで充填効率Ceを算出した上で、
この充填効率Ceと上記センサ165からの信号が示す
エンジン回転数Neとに基づいてエンジン出力を代表す
るエンジントルクTeを推定する。また、コントローラ
160は、タービン回転センサ166からの信号を取り
込み、その信号が示すタービン回転数Ntと上記エンジ
ン回転数Neとに基づいてトルクコンバータ10の速度
比eを算出した上で、該速度比eに基づいてトルク増大
比tを算出する。そして、そのトルク増大比tを上記エ
ンジントルクTeに乗算することによりタービントルク
Ttを求める。
【0083】次いで、コントローラ160は、上記のよ
うにして求めたタービントルクTtと変速段とから目標
ライン圧P1を決定すると共に、この目標ライン圧P1
に対応するデューティソレノイドバルブ49のデューテ
ィ率Dを演算して、そのデューティ率Dに応じたライン
圧制御信号を上記デューティソレノイドバルブ49に出
力する。これにより、図2に示す油圧回路40における
レギュレータバルブ41により、そのときの摩擦要素の
入力トルクに精度良く対応したライン圧が生成されるこ
とになる。
【0084】なお、変速時においてはタービントルクT
tと変速の種類とから目標ライン圧P1が決定されるよ
うになっている。
【0085】ところで、この自動変速機1においては、
前述の表1からも明らかなように、例えば3速から2速
への変速時に、主変速機20と副変速機30とでギヤ比
の変化が逆方向の変速動作が同時に行われるようになっ
ている。
【0086】そして、この実施例においては、両変速機
20,30における変速動作を互いに適切な関係を保ち
ながら進行させるために、主変速機20のギヤ比の増大
に対応して副変速機30のギヤ比が減少するように、副
変速機30の直結クラッチ32もしくは減速ブレーキ3
4に供給される締結圧が第2リニアソレノイドバルブ1
03を用いてフィードバック制御されるようになってい
る。その場合に、例えば加速のために行われる3−2ト
ルクディマンド変速時には、第3ワンウェイクラッチ3
3と直列の直結クラッチ32の第1油圧室32aに供給
される締結圧がフィードバック制御される。
【0087】そのため、コントローラ160は3−2ト
ルクディマンド変速条件が成立したと判定すると、ソレ
ノイドパターンを3速パターンから表3に示す中間パタ
ーンに切り換えて、副変速機30における第2リニアソ
レノイドバルブ103による直結クラッチ32における
第1油圧室32aの締結圧のフィードバック制御を可能
とする。
【0088】
【表3】 つまり、主変速機20においては、第1〜第3ON−O
FFソレノイドバルブ71〜73が共にONの状態とな
り、第1シフトバルブ61のスプールが前述の3速の状
態から左側に移動することにより、コーストブレーキ2
9の締結圧が、ライン130、ライン129及びライン
128を介して、第1シフトバルブ61のドレンポート
61bから排圧されて、コーストブレーキ29が急速に
解放される。
【0089】この場合において、第2ON−OFFソレ
ノイドバルブ72はON状態を持続することから、前進
ライン52を介して第2シフトバルブ62に供給される
ライン圧が、ライン131を介して3−4ブレーキ用コ
ントロールバルブ79に供給され、第1リニアソレノイ
ドバルブ80による締結圧の調整が可能となる。
【0090】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が、OF
F,ONの状態となり、図3に示すように、第5シフト
バルブ65のスプールが左側に移動することになる。
【0091】この状態では、2速で締結圧が供給される
直結クラッチ32の第1油圧室32aが、ライン10
6、第5シフトバルブ65及びライン104を介して第
2リニアソレノイドバルブ103に連通する一方におい
て、減速ブレーキ34の第2油圧室34bは、ライン1
10及びライン109を介して第5シフトバルブ65の
ドレンポート65bに連通する。
【0092】そして、この状態で主変速機20における
3−4ブレーキ28の締結圧の排出制御と副変速機30
における直結クラッチ32の締結圧の供給制御とが同時
に行われるのであるが、その際に直結クラッチ32の締
結圧の供給制御は概略次のように行われる。
【0093】すなわち、コントローラ160は、主変速
機20の現実のギヤ比進度(以下、主変ギヤ比進度とい
う)を、図5に示す副変速機30の目標ギヤ比進度(以
下、目標副変ギヤ比進度という)のマップに当てはめ
て、その時点での目標副変ギヤ比進度を設定する。ここ
で、ギヤ比進度は、例えば主変速機20の変速途中にお
ける現実のギヤ比から変速前のギヤ比を差し引いた値
を、変速後の目標ギヤ比から変速前のギヤ比を差し引い
た値で徐算した結果を百分率で示した数値であって、こ
の場合、変速開始前の中速段においてはギヤ比進度が0
%となり、変速終了後の低速段においては100%とな
る。
【0094】次いで、コントローラ160は目標副変ギ
ヤ比進度Rstに対する現実の副変ギヤ比進度の偏差量
△Rsを算出して、このギヤ比進度偏差量を、図6に示
すィードバック補正係数のマップに当てはめて、対応す
るフィードバック補正係数を読み込む。ここで、上記マ
ップは、ギヤ比進度偏差量が0のときにフィードバック
補正係数の値が1となり、それよりもギヤ比進度偏差量
がプラス方向に増大するほどフィードバック補正係数が
次第に減少し、またギヤ比進度偏差量がマイナス方向に
増大するほどフィードバック補正係数が次第に増大する
ように設定されている。
【0095】そして、コントローラ160は、予め設定
した所定のベース油圧に、上記フィードバック補正係数
を乗算して目標油圧を算出すると共に、この目標油圧が
得られるように第2リニアソレノイドバルブ103に制
御信号を出力する。
【0096】その場合に、第2リニアソレノイドバルブ
103には、上記したようにレギュレータバルブ41に
より調圧された直後のライン圧が制御元圧として供給さ
れるようになっているので、ライン圧が変動したときに
フローフォースの影響を受けて調圧レベルが変化するこ
とにより、第2リニアソレノイドバルブ103の出力圧
が目標油圧に精度良く制御されないおそれがあるのであ
る。
【0097】そこで、この実施例においては、ライン圧
に基づいて第2リニアソレノイドバルブ103の制御特
性を変更することにより、その出力圧(以下、リニア圧
という)を修正するようになっており、このリニア圧の
制御は具体的には図7に示すフローチャートに従って次
のように行われる。
【0098】すなわち、コントローラ160は、ステッ
プS1で各種信号を読み込んだ上でステップS2を実行
し、ライン圧制御用に計算したタービントルクTtを、
図8に示す目標リニア圧のマップに当てはめて、対応す
る目標リニア圧P2を読み込む。ここで、上記マップ
は、タービントルクTtが増大するほど目標リニア圧P
2が増大するように設定されている。
【0099】次いで、コントローラ160はステップS
3を実行して、ライン圧制御用に設定した目標ライン圧
P1を読み込むと共に、ステップS4で目標リニア圧P
2に対する目標ライン圧P1の差圧量△P(=P1−P
2)を演算する。そして、図9に示すように、予め上記
差圧量をパラメータとして設定した目標リニア圧補正値
のマップに、上記ステップS4で演算した現実の差圧量
△Pを当てはめて、対応する目標リニア圧補正値Paを
読み込むと共に、ステップS6を実行して、次の関係式
に目標リニア圧P2と目標リニア圧補正値Paとを代
入して、その結果を最終目標リニア圧Pとして設定す
る。
【0100】 P=P2−Pa …… ここで、上記したように差圧量△Pが増大するほど目標
リニア圧補正値Paが増大することから、最終目標リニ
ア圧Pは差圧量△Pが増大するほど減少することにな
る。つまり、目標リニア圧P2を基準とした場合に、目
標ライン圧P1が大きくなるほど最終目標リニア圧Pが
小さな値に設定されることになる。
【0101】そして、コントローラ160は、ステップ
S7を実行して、上記ステップS6において設定した最
終目標リニア圧Pに基づいて、図10に示す制御特性の
マップから制御電流Iを設定し、ステップS8でその制
御電流Iを第2リニアソレノイドバルブ103に出力す
る。なお、上記マップは最終目標リニア圧Pが大きくな
るほど制御電流Iが小さくなるように設定されている。
これは、断線などによって制御電流Iが0になったとき
に、出力ポートからライン圧をそのまま吐出させるよう
にして、フェールセーフ性を確保するためである。
【0102】以上の構成によれば、次のような作用が得
られる。
【0103】つまり、エンジン出力が変化すると、それ
に伴って第2リニアソレノイドバルブ103に供給され
るライン圧が変動することになるが、その変動量は目標
ライン圧P1の変化にほぼ対応する。したがって、目標
リニア圧Pに対する目標ライン圧Pの差圧量△P
は、第2リニアソレノイドバルブ103における入、出
力ポート間の差圧を反映したものとなる。ここで、例え
ば目標リニア圧P2が一定の状態で目標ライン圧P1が
増大して差圧量△Pが増大したとすると、その増大量に
対応して最終目標リニア圧Pは小さく変更されることに
なる。したがって、第2リニアソレノイドバルブ103
に出力される制御電流Iは、目標リニア圧P2と目標ラ
イン圧P1とが等しい場合よりも上記差圧量△Pに比例
して小さくなり、このため第2リニアソレノイドバルブ
103の出力圧はフローフォースによる影響が相殺され
た一定圧に調整されることになる。
【0104】これにより、第2リニアソレノイドバルブ
103を介して直結クラッチ32の第1油圧室32aに
供給される締結圧が、ライン圧が変動したとしても目標
油圧に精度良く制御されることになって、副変ギヤ比進
度が主変ギヤ比進度に精度良く対応してフィードバック
制御されることになる。
【0105】もちろん、フィードバック制御時以外にお
いても、直結クラッチ32の第1油圧室32aもしくは
減速ブレーキ34の第2油圧室34bに供給する締結圧
を第2リニアソレノイドバルブ103を用いて制御され
る場合には、仮にエンジン出力の変化によりライン圧が
変動したとしても締結圧が適正値に確実に制御されるこ
とになる。
【0106】なお、副変速機を有しない通常タイプの自
動変速機においても、ライン圧が変動する回路にリニア
ソレノイドバルブを設置する場合には、本発明の構成を
適用することができる。
【0107】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ライン圧
を制御元圧として供給するようにしたリニアソレノイド
バルブにおいて、入力信号に対する出力圧の特性が、ラ
イン圧と出力圧との差圧が大きいほど目標出力圧に対す
るソレノイドコイルの通電量を減少させるように補正さ
れるようになっているので、仮にエンジン出力の変化に
よりライン圧が変動したとしても、フローフォースによ
る影響が排除されて出力圧が目標油圧に精度良く制御さ
れ、これにより変速用の摩擦要素に供給する締結圧をリ
ニアソレノイドバルブを用いて適正に制御することが可
能となる。
【0108】特に、実施例のように、エンジン出力に基
づいて設定されたライン圧制御用の目標値を用いてリニ
アソレノイドバルブの特性を補正するようになっている
ので、ライン圧を直接検出するためのセンサを必要とせ
ず、その分部品点数が削減されることになる。
【0109】そして、互いに独立して作動する主変速機
と副変速機とを備えた自動変速機において、主変速機と
副変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に
行われる変速時に、副変速機のギヤ比進度を主変速機の
ギヤ比進度に精度良く対応させてフィードバック制御す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 同自動変速機の油圧回路を示す回路図であ
る。
【図3】 同油圧回路における副変速機制御部分を拡大
して示した油圧回路図である。
【図4】 図2の油圧回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図5】 3−2変速制御に用いる主変ギヤ比進度と目
標副変ギヤ比進度との関係を示す特性図である。
【図6】 該制御で用いる目標副変ギヤ比進度に対する
現実の副変ギヤ比進度に偏差量とフィードバック補正係
数との関係を示す特性図である。
【図7】 第2リニアソレノイドバルブの出力圧制御を
示すフローチャート図である。
【図8】 該制御で用いるタービントルクと目標リニア
圧との関係を示す特性図である。
【図9】 該制御で用いる目標リニア圧に対する目標ラ
イン圧の差圧量と目標リニア圧補正値との関係を示す特
性図である。
【図10】 第2リニアソレノイドバルブの最終目標リ
ニア圧と制御電流との関係を示す特性図である。
【図11】 リニアソレノイドバルブの一例を示す模式
図である。
【図12】 リニアソレノイドバルブを制御元圧が変動
する油圧回路に設置した場合の問題を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 自動変速機 20 主変速機 28 3−4ブレーキ 30 副変速機 32 直結クラッチ 41 レギュレータバルブ 48 モデュレータバルブ 49 デューティソレノイドバルブ 103 第2リニアソレノイドバルブ 160 コントローラ 164 エアフローセンサ 165 エンジン回転センサ 166 タービン回転センサ 167 中間回転センサ 168 出力回転センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−191556(JP,A) 特開 平1−299351(JP,A) 特開 平3−204470(JP,A) 特開 平4−157258(JP,A) 特開 昭61−99753(JP,A) 特開 昭63−53349(JP,A) 特開 平4−249666(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライン圧を調整するライン圧調整手段
    と、該調整手段より調整されたライン圧が制御元圧と
    して供給されるリニアソレノイドバルブとを備え、変速
    用の摩擦要素に供給する締結圧を、所定の条件下で上記
    リニアソレノイドバルブによって制御するようにした自
    動変速機の油圧制御装置であって、上記リニアソレノイ
    ドバルブが、制御元圧が供給される入力ポートと、調圧
    後の圧力を出力する出力ポートと、作動油を排出するド
    レンポートと、複数のランド部を有するスプールと、該
    スプールを通電量に比例する電磁力で出力ポートとドレ
    ンポートとが連通する方向に付勢するソレノイドコイル
    と、同じく該スプールを出力ポートからの出力圧で出力
    ポートとドレンポートとが連通する方向に付勢するフィ
    ードバックポートと、同じく該スプールを出力ポートと
    入力ポートとが連通する方向に付勢する付勢部材とを備
    え、上記スプールに作用するソレノイドコイルによる力
    と出力圧による力との合力と、付勢部材による力とが均
    衡したときに出力ポートとドレンポート及び入力ポート
    との連通状態が遮断され、その状態から上記スプールが
    出力ポートと入力ポートとが連通する方向に移動したと
    きは、入力ポートからランド部の間に流入した作動油の
    反力であって制御元圧と出力圧との差圧に比例するもの
    が上記スプールに作用するように構成されていると共
    に、上記リニアソレノイドバルブにおける入力信号に対
    する出力圧の特性を、ライン圧と出力圧との差圧が大き
    いほど目標出力圧に対するソレノイドコイルの通電量を
    減少させるように補正する制御特性補正手段が設けられ
    ていることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 ライン圧を調整するライン圧調整手段
    と、エンジン出力に基づいて目標ライン圧を設定する目
    標ライン圧設定手段と、該設定手段により設定された目
    標ライン圧が得られるように上記ライン圧調整手段を作
    動させるライン圧制御手段と、上記調整手段より調整
    されたライン圧が制御元圧として供給されるリニアソレ
    ノイドバルブとを備え、変速用の摩擦要素に供給する締
    結圧を、所定の条件下で上記リニアソレノイドバルブに
    よって制御するようにした自動変速機の油圧制御装置で
    あって、上記リニアソレノイドバルブが、制御元圧が供
    給される入力ポートと、調圧後の圧力を出力する出力ポ
    ートと、作動油を排出するドレンポートと、複数のラン
    ド部を有するスプールと、該スプールを通電量に比例す
    る電磁力で出力ポートとドレンポートとが連通する方向
    に付勢するソレノイドコイルと、同じく該スプールを出
    力ポートからの出力圧で出力ポートとドレンポートとが
    連通する方向に付勢するフィードバックポートと、同じ
    く該スプールを出力ポートと入力ポートとが連通する方
    向に付勢する付勢部材とを備え、上記スプールに作用す
    るソレノイドコイルによる力と出力圧による力との合力
    と、付勢部材による力とが均衡したときに出力ポートと
    ドレンポート及び入力ポートとの連通状態が遮断され、
    その状態から上記スプールが出力ポートと入力ポートと
    が連通する方向に移動したときは、入力ポートからラン
    ド部の間に流入した作動油の反力であって制御元圧と出
    力圧との差圧に比例するものが上記スプールに作用する
    ように構成されていると共に、上記リニアソレノイドバ
    ルブにおける入力信号に対する出力圧の特性を、上記目
    標ライン圧設定手段で設定された目標ライン圧と出力圧
    との差圧が大きいほど目標出力圧に対するソレノイドコ
    イルの通電量を減少させるように補正する制御特性補正
    手段が設けられていることを特徴とする自動変速機の油
    圧制御装置。
  3. 【請求項3】 リニアソレノイドバルブにより締結圧が
    制御される摩擦要素が、互いに独立して作動する主変速
    機と副変速機とが組み合わされると共に、主変速機と副
    変速機とでギヤ比の変化が逆方向の変速動作が同時に行
    われる変速時に、副変速機のギヤ比進度が主変速機のギ
    ヤ比進度に応じてフィードバック制御される自動変速機
    における副変速機側の摩擦要素であることを特徴とする
    請求項1もしくは請求項2のいずれかに記載の自動変速
    機の油圧制御装置。
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