JP2003048960A - 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途

Info

Publication number
JP2003048960A
JP2003048960A JP2001241537A JP2001241537A JP2003048960A JP 2003048960 A JP2003048960 A JP 2003048960A JP 2001241537 A JP2001241537 A JP 2001241537A JP 2001241537 A JP2001241537 A JP 2001241537A JP 2003048960 A JP2003048960 A JP 2003048960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
flame
retardant
composition
phosphorus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001241537A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyomi Yasuda
清美 安田
Yoshio Iwaki
吉夫 岩城
Terufumi Suzuki
照文 鈴木
Hiroaki Narisawa
宏彰 成澤
Goro Suzuki
五郎 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2001241537A priority Critical patent/JP2003048960A/ja
Publication of JP2003048960A publication Critical patent/JP2003048960A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を使用しなくても優れた難
燃性を発現し、かつ高い耐熱性、吸湿性等の諸特性を併
せ持つ難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物と該組成物の用
途を提供する。 【解決手段】 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂、硬化剤及び必要により硬化促進剤を含むエ
ポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として芳香環
含有リン化合物と2官能以上の芳香環含有エポキシ樹脂
を反応させて得られるリン含有エポキシ樹脂、及び硬化
剤としてノボラックアラルキル樹脂を含有してなること
を特徴とする。また、該組成物を用いた、電子回路や電
子部品に用いられるプリプレグ、それを用いた積層板、
また該組成物を用いたビルドアップ基板用絶縁中間層が
提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性高耐熱エポキ
シ樹脂組成物及びその用途に関する。さらに詳しくは、
ノンハロゲンで難燃性に優れ、低い吸水率が得られる高
耐熱エポキシ樹脂組成物及び該難燃性高耐熱エポキシ樹
脂組成物を用いたプリプレグ、それからなる積層板、並
びに該組成物を用いたビルドアップ基板用絶縁中間層に
関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は、その優れた接着
性、機械特性、絶縁性等により近年電気及び電子機器部
品などに広く使用されている。エポキシ樹脂の難燃化に
関しては、従来からハロゲン系の難燃剤の使用、あるい
はハロゲン元素を樹脂の骨格に導入する等の方法で達成
されてきた。しかし、近年の環境に対する関心の高まり
とともに、ハロゲンを使用した樹脂あるいはその硬化物
は燃焼時にダイオキシンなどの有害物の発生原因となる
ことから、その使用が困難になって来た。そこでその代
替技術として、リン、窒素等の元素を使用した難燃化が
検討されている。
【0003】リン化合物による難燃化の機構としては
「最新 難燃剤・難燃化技術」(株式会社 技術情報協会
発行(1999年))113頁等に概説されている。難
燃化のために用いられるリン化合物として様々なものが
検討されているが、エポキシ樹脂硬化物の優れた特性を
損なわないためには、エポキシ樹脂とリン化合物との何
らかの化学反応によってエポキシ樹脂骨格にリン化合物
を組み込むことが望ましい。
【0004】エポキシ樹脂中にリン化合物を組み込む場
合、エポキシ基と反応できる活性水素を有するリン化合
物を用いれば良い。このようなリン化合物として特公昭
49−045397号公報記載の9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オ
キサイドなどの1個の活性水素を有するリン化合物、あ
るいは特公平01−050712号公報記載の10−
(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド
などの2個の活性水素を有するリン化合物などがある。
【0005】エポキシ基と反応できる1個の活性水素を
持つリン化合物を使用した場合、エポキシ樹脂との反応
において末端停止剤として働き、硬化物は不完全な網目
構造となり耐熱性が低下する。このような観点から、エ
ポキシ基と反応できる2個の活性水素を持つリン化合物
が好ましい。しかし、エポキシ基と反応できる2個の活
性水素を持つリン化合物を用いた場合でも、従来の硬化
剤を使用した場合には、優れた難燃性を発現し、かつ、
近年電子電気分野で要求されている高い耐熱性、吸湿性
等の特性を満足させる硬化物は得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようする課題】本発明の課題は、ハロゲ
ン系難燃剤を使用しなくても優れた難燃性を発現し、か
つ高い耐熱性、吸湿性等の諸特性を併せ持つエポキシ樹
脂組成物を提供することにある。併せて該組成物の用途
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、リン含有エポキシ樹脂
の硬化剤としてノボラックアラルキル樹脂を使用するこ
とで、ハロゲン系難燃剤を使用しなくても優れた難燃性
を発現し、かつ優れた耐熱性、吸湿性等を実現できる難
燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物を見出し本発明に至っ
た。
【0008】即ち、本発明においては、エポキシ樹脂、
硬化剤及び必要により硬化促進剤を含むエポキシ樹脂組
成物において、エポキシ樹脂として芳香環含有リン化合
物と2官能以上の芳香環含有エポキシ樹脂を反応させて
得られるリン含有エポキシ樹脂、及び硬化剤としてノボ
ラックアラルキル樹脂を含有してなることを特徴とする
難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物が提供される。
【0009】また本発明によれば、該組成物を用いた、
電子回路や電子部品に用いられるプリプレグ、それを用
いた積層板、また該組成物を用いたビルドアップ基板用
絶縁中間層が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本反応に好適に用いられる有機リ
ン化合物は、リン元素が炭素元素に結合した芳香環を含
有する有機リン化合物であり、好ましくは9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−
10−オキサイドあるいはジフェニルホスフィンオキサ
イド等の活性水素を1個持つ化合物と、1,4ベンゾキ
ノン、1,4−ナフトキノン、トルキノンなどのキノン
化合物とを反応して得られる有機リン化合物であり、該
有機リン化合物はエポキシ基と反応できる2個の活性水
素を有している。本発明において活性水素とは、エポキ
シ基と反応できる化合物中の水素のことをいう。
【0011】本発明において、リン含有エポキシ樹脂中
の前記有機リン化合物の含有率は5〜50重量%が好ま
しい。更に好ましくは10〜35重量%が良い。有機リ
ン含有率が低くなり過ぎると難燃性発現が不十分とな
り、また多くなり過ぎるとリン含有エポキシ樹脂の分子
量が増大し、溶解性、含浸性などが悪化する。
【0012】本発明に用いられる2官能以上の芳香環含
有エポキシ樹脂としては、芳香環を有している2官能エ
ポキシ樹脂と3官能エポキシ樹脂の混合物が好ましい。
3官能エポキシ樹脂としては該3官能エポキシ樹脂中の
3官能グリシジル化体成分含有率が、好ましくは60%
以上、更に好ましくは80%以上が良い。
【0013】5官能以上のグリシジル化体成分が多くな
ると、前記有機リン化合物との反応時に高分子量化が進
み、溶剤への溶解性の低下、基材への含浸性悪化、ガラ
ス転移温度(以下Tgと記載する)の低下が起こり好ま
しくない。また、同様の観点から、4官能のエポキシ樹
脂、特にノボラック型エポキシ樹脂の使用は必要最低限
にとどめるべきで、好ましくは使用しない方が良い。
【0014】2官能エポキシ樹脂としては低分子量が好
ましく、更に好ましくは数平均分子量400以下のビス
フェノール系及びビフェノール系化合物のジグリシジル
化物が好ましい。分子量が高くなり過ぎると、基材への
含浸性悪化、Tgの低下が起こり好ましくない。
【0015】本発明で用いる3官能エポキシ樹脂は、リ
ン含有エポキシ樹脂中に30〜80重量%含むことが好
ましく、より好ましくは35〜70重量%含むことが好
ましい。3官能エポキシ樹脂が30重量%を超えて少な
くなり過ぎると、難燃性の付与が困難であるだけでな
く、Tgが低下し好ましくなく、80重量%を超えて多
くなりすぎると分子量が増大し、溶解性、含浸性が悪く
なる。
【0016】本発明に用いる3官能エポキシ樹脂は、例
えば公知の方法でトリスフェノール化合物とエピクロロ
ヒドリンの縮合によって得られる。前記、トリスフェノ
ール化合物としては特に限定されるものではないが、1
−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]−4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]ベンゼン、1,3,5−トリス[α−メチル−α−
(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、1,
1,1−トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1−
[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]
−3−[α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチ
ル]ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン等の芳香環含有率の高いトリスフェノー
ル化合物が難燃性発現の観点から好ましい。
【0017】本発明においては、エポキシ当量を目標範
囲250〜1000g/eqに制御し、かつ目標レベル
以上の硬化物性能、すなわちTg/TMAが160℃以
上、難燃性UL−94 V−0、吸水率0.9%以下を
達成するために、有機リン化合物および3官能エポキシ
樹脂の他に2官能エポキシ樹脂を使用することが好まし
い。使用する有機リン化合物および3官能エポキシ樹脂
の種類、量によって、2官能エポキシ樹脂使用量が異な
るが、通常は、リン含有エポキシ樹脂100重量部中、
2官能エポキシ樹脂は5〜50重量部が好ましい。更に
は10〜40重量部が好ましい。2官能エポキシ樹脂が
少なすぎるとリン含有エポキシ樹脂が高分子量化し、溶
解性、含浸性が悪化する。また2官能エポキシ樹脂が多
すぎると硬化物のTgが低下し、好ましくない。
【0018】使用する2官能エポキシ樹脂は一般に市販
されているもので良いが、特に、ビスフェノールA、ビ
スフェノールEおよびその他のビフェノール系化合物及
びそれらのグリシジル化物が、難燃性、Tgの観点から
好ましい。
【0019】本発明においては、エポキシ当量を目標範
囲に制御し、かつ目標レベル以上の硬化物性を達成する
ために、2官能フェノール化合物を併用しても良い。2
官能フェノール化合物を併用する場合の使用量はリン含
有エポキシ樹脂100重量部中、0〜20重量部が好ま
しい。更には0〜10重量部が好ましい。2官能フェノ
ール化合物が多すぎるとリン含有エポキシ樹脂が高分子
量化する傾向がある。
【0020】本発明において、リン含有エポキシ樹脂の
エポキシ当量は250〜1000g/eqが好ましい。
更には350〜600g/eqが好ましい。エポキシ当
量が低すぎると硬化剤使用量の増大による難燃性、耐熱
性の悪化が起こり、また、エポキシ当量が増大しすぎる
と含浸性、溶解性が悪化し、また硬化物のTgが低下す
る傾向がある。
【0021】本発明においては、リン含有エポキシ樹脂
に他のエポキシ樹脂を添加することができる。添加する
エポキシ樹脂の種類、量に特に制限はないが、本発明の
リン含有エポキシ樹脂の性能を悪化させない範囲での使
用が好ましい。具体例としてはアラルキル型フェノール
樹脂のエポキシ化体、o−フェニルフェノールノボラッ
ク樹脂のエポキシ化体、本発明において硬化剤として使
用するビスフェノールアラルキル樹脂のエポキシ化体な
どの芳香環含有率の高い多官能エポキシ樹脂が好まし
い。
【0022】本発明においては硬化剤にノボラックアラ
ルキル樹脂を使用する。使用するノボラックアラルキル
樹脂は酸性触媒の存在下、2核体ノボラックを65%重
量以上含む低分子量ノボラック1モルに対して、アラル
キル化合物0.4〜0.8モルを反応させる際、先ず、
低分子ノボラックを溶融させて反応温度まで昇温した
後、低分子量ノボラック及びアラルキル化合物の合計量
に対し0.001〜0.05重量%の酸性触媒を添加
し、次いで、アラルキル化合物を連続的に添加して反応
させ、反応終了後に残存する酸性触媒を中和することに
より製造される。
【0023】アラルキル化合物としてはα,α’−ジク
ロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレ
ン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、p−キシリレ
ングリコール、p−キシリレングリコールジメチルエー
テル、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’
−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−
m−キシレン等が挙げられる。これらの中では、p−キ
シリレングリコールジメチルエーテルが好ましい。ま
た、低分子量ノボラックとしては、酸触媒の存在下、ホ
ルムアルデヒド1モルに対して6〜30モル程度のフェ
ノールを反応した後、未反応フェノールを除去して得ら
れる2核体ノボラックの含有量が65重量%以上のノボ
ラック樹脂が好ましい。さらには、2核体ノボラックの
含有量が90重量%以上の低分子量ノボラックが耐熱性
の観点からより好ましい。
【0024】本発明においては、ノボラックアラルキル
樹脂に他の硬化剤を添加することができる。添加するこ
とができる硬化剤の種類、量に特に制限はないが、本発
明の難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物の性能を悪化させ
ない範囲での使用が好ましく、一般にエポキシ樹脂の硬
化に使用している硬化剤を使用できる。本発明におい
て、好適に添加することのできる硬化剤としては、フェ
ノールアラルキル樹脂、o−フェニルフェノールノボラ
ック樹脂、p−フェニルフェノールノボラック樹脂、縮
合多環芳香族フェノールホルムアルデヒド樹脂、レゾル
シノールノボラック樹脂、ヒドロキノンノボラックなど
を挙げることができる。これらの化合物に限定されるも
のではないが、本発明においては、難燃性、Tg、吸水
率等の観点から、上記の中でもフェノールアラルキル樹
脂、o−フェニルフェノールノボラック樹脂、及び縮合
多環芳香族フェノールホルムアルデヒド樹脂が好まし
い。
【0025】また本発明では、本発明で好ましく使用す
ることのできる活性水素を2個有する有機リン化合物を
硬化剤として併用することもできる。これらの硬化剤
は、リン含有エポキシ樹脂のエポキシ当量当たり0.7
〜1.2当量の量で使用されることが好ましく。さらに
は、0.85〜1.05当量であることが好ましい。
【0026】本発明においては、難燃性高耐熱エポキシ
樹脂組成物に硬化促進剤を使用することもできる。硬化
促進剤の好適な例としては、イミダゾール類、例えば2
−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾール、1−ブチル−2−メチルイミダゾールなどで
あり、更にホスフィンも使用できる。
【0027】難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物に溶剤を
使用する場合は、該組成物と反応しない溶剤であれば特
に限定されない。例えば、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどが挙げ
られ、これらを併用しても良い。
【0028】この難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物は、
ガラス布、ガラス繊維で強化した樹脂として使用され
る。この難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物には、メラミ
ン、リン成分からなる難燃剤、シリカ、タルク、酸化ア
ルミニウム水和物、水酸化アルミニウムなどの充填材を
充填することができる。これらの充填材を使用した場合
には、有機リン化合物の含有量を減少できる。
【0029】この難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物は、
プリプレグ、積層板及び樹脂付き銅箔、接着剤、シート
等のビルドアップ基板用絶縁中間層に用いられる他、表
面コーティングなどのに用いることができる。積層板用
として使用される場合は、溶剤に溶かしてワニス化し、
ガラス織布、ガラス不織布、ガラス以外の織布、不織布
へ含浸し、80〜170℃で乾燥し、プリプレグを得
る。これを必要枚数重ね合わせ、銅箔を組み合わせて、
加熱・加圧することにより積層板が得られる。また、銅
等の金属箔への塗布した形態で、充填剤を混練しペース
ト化したものをシート化、フィルム化した形態で使用で
きる。
【0030】
【実施例】以下の実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例における評価や測定は次の方法に従った。
【0031】(1)重量平均分子量(Mw)、数平均分
子量(Mn) GPCで測定した。カラムは昭和電工製、形式KF−8
025、KF−804、KF−805、KF−806を
4本直列で組み合わせ、検出器はUV検出器を使用し、
溶出液はTHFを1ml/分の流速で流した。 (2)ガラス転移温度(Tg) セイコー電子(株)製TMA/SS100で測定した。
圧縮モードで荷重は5g、10℃/分の昇温速度で測定
した。 (3)燃焼試験 UL−94規格に従い垂直燃焼試験により評価した。
【0032】(4)銅箔ピール強度 JIS C6481に準じた。 (5)吸水率 121℃、湿度100%の蒸気相中で5時間吸水処理を
行なった後の重量増加で調べた。 (6)吸湿半田耐熱性 JIS C6481に準じて、吸水率と同じ処理をした
積層板を260℃の半田槽に20秒間浸漬し、膨れ、剥
離等の外観異常の有無を調べた。
【0033】(エポキシ樹脂合成例1)0.5Lセパラ
ブルフラスコに有機リン化合物(10−(2,5−ジヒ
ドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホス
ファフェナントレン−10−オキシド(HCA−HQ、
三光株式会社製))41.8g、1−[α−メチル−α
−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α,α−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンのエ
ポキシ樹脂(TECHMORE VG3101、三井化
学製、エポキシ当量210g/eq、3官能グリシジル
化体成分87%)90g、ビスフェノール−A型エポキ
シ樹脂(EPOMIK R139S、三井化学製)6
5.6g、ビスフェノールA 2.6g、トリフェニル
ホスフィン0.1gを添加し、150℃で5時間加熱す
ることにより、エポキシ当量が406g/eq、リン含
有率が2.0重量%のリン含有エポキシ樹脂を得た。
【0034】(実施例1)合成例1で得たリン含有エポ
キシ樹脂100gを50gのメチルエチルケトンに溶解
した溶液と、メチルセロソルブに溶解したノボラックア
ラルキル樹脂(三井化学製ミレックス、Mn/Mw=1
850/4450、水酸基当量133g/eq)50重
量%溶液59gと、メチルセロソルブに溶解した10重
量%2−エチル−4−メチルイミダゾール溶液1gと、
メチルエチルケトン/メチルセロソルブ=1/1混合溶
剤25.4gとを混合し、固形分55%のワニス組成物
を得た。このワニス組成物の140℃でのゲルタイムは
8分30秒であった。
【0035】このワニス組成物を100μmのガラスク
ロス(日東紡績株製WE 116E)に含浸したものを
140℃のオーブン中で5分間乾燥し、プリプレグを作
製した。作製したプリプレグを8ply重ね、真空ホッ
トプレス装置で170℃、60分間硬化し、燃焼試験用
テストピースを作製した。同様にプリプレグ12ply
でTg測定用テストピースを、プリプレグ4plyの上
下を18μm厚さの銅箔(三井金属(株)製3EC−II
I)で挟み込んで銅箔接着強度、吸湿耐熱性試験及び吸
水率試験用テストピースを作製した。このものの測定結
果、Tgは174℃、難燃性はUL−94でV−0、銅
箔ピール強度は12.5N/cm、吸水率は0.7%で
あった。また、吸湿半田耐熱性試験で膨れ、剥がれなど
の不具合が発生しなかった。
【0036】(実施例2)合成例1で得たリン含有エポ
キシ樹脂100gを50gのメチルエチルケトンに溶解
した溶液と、メチルセロソルブに溶解したノボラックア
ラルキル樹脂(三井化学製ミレックス、水酸基当量13
3g/eq)50重量%溶液29.5gと、メチルセロ
ソルブに溶解した縮合多環芳香族フェノールホルムアル
デヒド樹脂(鹿島石油製、FPI−5521、水酸基当
量149g/eq)50重量%溶液32.8gと、メチ
ルセロソルブに溶解した10重量%2−エチル−4−メ
チルイミダゾール溶液1gと、メチルエチルケトン/メ
チルセロソルブ=1/1混合溶剤25.1gとを混合
し、固形分55%のワニス組成物を得た。このワニス組
成物の150℃でのゲルタイムは8分であった。このワ
ニス組成物を実施例1と同様に処理し、各種試験用テス
トピースを作製した。このものの測定結果、Tgは16
5℃、難燃性はUL−94でV−0、銅箔ピール強度は
11.5N/cm、吸水率は0.75%であり、吸湿半
田耐熱性試験で膨れ、剥がれ等は発生しなかった。
【0037】(比較例1)合成例1で得たリン含有エポ
キシ樹脂100gを50gのメチルエチルケトンに溶解
した溶液と、メチルセロソルブ/ジメチルホルムアミド
=5/5混合液に溶解した10%ジシアンジアミドを2
5.9gと、メチルセロソルブに溶解した10重量%2
−エチル−4−メチルイミダゾール溶液2.0gと、メ
チルエチルケトン/メチルセロソルブ=1/1混合溶剤
9gとを混合し、固形分55%のワニス組成物を得た。
このワニス組成物の150℃でのゲルタイムは8分30
秒であった。このワニス組成物を実施例1と同様に処理
し、各種試験用テストピースを作製した。このものの測
定結果、Tgは169℃、難燃性はUL−94でV−
1、銅箔ピール強度は14.5N/cm、吸水率は1.
8%であり、吸湿半田耐熱性試験で膨れ、剥離等は発生
しなかった。目標性能に対し吸水率及び難燃性が未達で
あった。
【0038】(比較例2)合成例1で得たリン含有エポ
キシ樹脂100gを50gのメチルエチルケトンに溶解
した溶液と、メチルセロソルブに溶解したフェノールノ
ボラック樹脂(明和化成製、HF−4、水酸当量108
g/eq)50重量%溶液47.9gと、メチルセロソ
ルブに溶解した10重量%2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール溶液1gと、メチルエチルケトン/メチルセロ
ソルブ=1/1混合溶剤26.4gとを混合し、固形分
55%のワニス組成物を得た。このワニス組成物の14
0℃でのゲルタイムは8分であった。このワニス組成物
を実施例1と同様に処理し、各種試験用テストピースを
作製した。このものの測定結果、Tgは155℃、難燃
性はUL−94でV−1、銅箔ピール強度は11.0/
cm、吸水率は0.86%であり、吸湿半田耐熱性試験
で一部膨れが発生した。目標性能に対しTg及び難燃性
が未達であった。
【0039】(比較例3)合成例1で得たリン含有エポ
キシ樹脂100gを50gのメチルエチルケトンに溶解
した溶液と、メチルセロソルブに溶解したフェノールア
ラルキル樹脂(三井化学製、ミレックスXL、水酸当量
178g/eq)50重量%溶液78.9gと、メチル
セロソルブに溶解した10重量%2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール溶液1gと、メチルエチルケトン/メチ
ルセロソルブ=1/1混合溶剤23.8gとを混合し、
固形分55%のワニス組成物を得た。このワニス組成物
の140℃でのゲルタイムは9分であった。このワニス
組成物を実施例1と同様に処理し、各種試験用テストピ
ースを作製した。このものの測定結果、Tgは137
℃、難燃性はUL−94でV−0、銅箔ピール強度は1
3.5N/cm、吸水率は0.68%であり、吸湿半田
耐熱性試験で膨れ、剥離等は発生しなかった。目標性能
に対しTgが未達であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成
物を使用すると、ハロゲン化合物を使用しなくても良好
な難燃性を発現でき、高いTg、低い吸水率の硬化物が
得られ、特にプリプレグ、積層板、ビルドアップ基板用
絶縁中間用の材料として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成澤 宏彰 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 鈴木 五郎 福岡県福岡市中央区天神2−14−13 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4F072 AA07 AD15 AD28 AD32 AE01 AE02 AF28 AG03 AH02 AL12 4J036 AC02 AC05 AC20 AD07 AD08 AD22 DC40 FB08 JA11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、硬化剤及び必要により硬化
    促進剤を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹
    脂として芳香環含有有機リン化合物と2官能以上の芳香
    環含有エポキシ樹脂を反応させて得られるリン含有エポ
    キシ樹脂、及び硬化剤としてノボラックアラルキル樹脂
    を含有してなることを特徴とする難燃性高耐熱エポキシ
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の難燃性高耐熱エポキシ樹脂
    組成物を用いることを特徴とするプリプレグ。
  3. 【請求項3】請求項2記載のプリプレグを用いることを
    特徴とする積層板。
  4. 【請求項4】請求項1記載の難燃性高耐熱エポキシ樹脂
    組成物を用いることを特徴とするビルドアップ基板用絶
    縁中間層。
JP2001241537A 2001-08-09 2001-08-09 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途 Pending JP2003048960A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001241537A JP2003048960A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001241537A JP2003048960A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003048960A true JP2003048960A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19071959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001241537A Pending JP2003048960A (ja) 2001-08-09 2001-08-09 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003048960A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102030913B (zh) * 2009-09-29 2012-09-05 中国科学院理化技术研究所 一种环氧树脂薄膜的制备方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102030913B (zh) * 2009-09-29 2012-09-05 中国科学院理化技术研究所 一种环氧树脂薄膜的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5632163B2 (ja) リン含有エポキシ樹脂及びリン含有エポキシ樹脂組成物、その製造方法と該樹脂及び該樹脂組成物を用いた硬化性樹脂組成物及び硬化物
TWI598371B (zh) Phosphorus-containing epoxy resin and the epoxy resin as an essential component of the composition, hardened material
KR101903190B1 (ko) 난연성 에폭시 수지 및 그 에폭시 수지를 필수 성분으로 하는 조성물, 경화물
JP2001288247A (ja) リン含有エポキシ樹脂組成物及び、該リン含有エポキシ樹脂を用いる難燃性の樹脂シート、樹脂付き金属箔、プリプレグ及び積層板、多層板
US20070111010A1 (en) Flame retardant prepregs and laminates for printed circuit boards
JP6307236B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、硬化物、電気・電子部品及び回路基板材料
JP2015030776A (ja) 硬化性樹脂組成物、及び硬化物
JPH06263843A (ja) 熱硬化性樹脂組成物並びにそれを用いたプリプレグおよび積層板
JP2000336248A (ja) エポキシ樹脂組成物および電気積層板
JP5587542B2 (ja) リン含有エポキシ樹脂およびリン含有エポキシ樹脂組成物、その製造方法と該樹脂および該樹脂組成物を用いた硬化性樹脂組成物および硬化物
JP5686512B2 (ja) リン含有エポキシ樹脂、樹脂組成物、およびその難燃性硬化物
JP2021088656A (ja) エポキシ樹脂組成物、それを使用した積層板及びプリント回路基板
JP2002206019A (ja) リン含有エポキシ樹脂、該樹脂を用いた難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及び積層板
US20030069356A1 (en) Phosphorous-containing epoxy resin, flame-retardant highly heat-resistant epoxy resin composition containing the resin, and laminate
JP2000219799A (ja) 難燃性エポキシ樹脂組成物および積層板
JPH07228580A (ja) 変性多価エポキシ化合物、同化合物の製造方法及びエポキシ樹脂組成物
JP2003048960A (ja) 難燃性高耐熱エポキシ樹脂組成物及びその用途
JP4039118B2 (ja) プリプレグ、プリント配線板用積層板およびプリント配線板
JP2002363259A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP2003147170A (ja) 樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグおよび積層板
JP2011202135A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属箔付き樹脂シート、樹脂シート、積層板、多層板
JP2002097242A (ja) 高耐熱難燃性硬化剤
JP2003171532A (ja) 難燃性樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグおよび積層板
JP2002097260A (ja) 高耐久性難燃硬化剤
JP2003119348A (ja) 難燃性樹脂組成物およびその用途