JP2003048925A - 接着性樹脂及び接着性樹脂組成物 - Google Patents

接着性樹脂及び接着性樹脂組成物

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JP2003048925A
JP2003048925A JP2001240583A JP2001240583A JP2003048925A JP 2003048925 A JP2003048925 A JP 2003048925A JP 2001240583 A JP2001240583 A JP 2001240583A JP 2001240583 A JP2001240583 A JP 2001240583A JP 2003048925 A JP2003048925 A JP 2003048925A
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adhesive resin
resin
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monomer
polyolefin
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JP2001240583A
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English (en)
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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Akio Kurosawa
明夫 黒澤
Katsuyuki Ono
克之 大野
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被着体との境界面でその接着性に優れると共
に、接着性樹脂自体の凝集力に優れ、従って、強い力で
被着体と接着することのできる接着性樹脂を提供するこ
と。 【解決手段】メタロセン系シングルサイト系触媒を使用
して製造されたエチレン−オクテン−1共重合体(密度
=0.899g/cm3、MFR=9.44)に、無水マレイ
ン酸と過酸化物を滴下して、上記無水マレイン酸をグラ
フト重合させて接着性樹脂を製造する。この接着性樹脂
を上記ポリオレフィン系樹脂と同じ樹脂を混合して希釈
して接着性樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着性樹脂に関し、
さらに詳細には、シングルサイト触媒により得られた、
エチレン−αオレフィン共重合体、あるいはエチレン−
環状オレフィン共重合体に反応性を有するモノマーをグ
ラフト化させることで、各種基材や被着体に対して接着
安定性や接着性樹脂の機械的強度を向上させた接着性樹
脂に関する。
【0002】
【従来の技術】各種反応性官能基を有するモノマーをポ
リオレフィン系樹脂にグラフト反応させて接着性を改善
した接着性樹脂は、2種の異なる材料を接着させるため
の中間層として用いられることが多い。例えば、ポリオ
レフィン樹脂/エチレン-ビニルアルコール共重合体あ
るいはポリオレフィン樹脂/ポリアミドという層構成を
有する多層フィルムの中間層としてこのような材料が用
いられおり、こうして得られた多層フィルムは、パッケ
ージ分野では共押出フィルムや共押出多層ボトルなどと
して利用されている。
【0003】このような接着性樹脂は、低密度ポリエチ
レンやポリピロピレン樹脂をベース樹脂とし、過酸化物
存在下の溶融状態でこのベース樹脂にモノマーのグラフ
ト反応を行って接着性樹脂を製造するケースが多い。し
かしながら、低密度ポリエチレンの場合は、二級炭素あ
るいは長鎖分岐導入により三級化した炭素につく水素の
引き抜きにより、一方、ポリプロピレンの場合には三級
炭素につく水素の引き抜きにより発生したラジカルを起
点にラジカル反応を起こすため、モノマーの導入位置の
制御が困難である。
【0004】このような接着性樹脂で必要なことは、被
着体との接着界面に、以下に効率よくモノマーの官能基
を偏析させるかが挙げられる。この内容は、接着界面に
おいて単位面積当たりどれだけ官能基が存在するかに依
存し、官能基が多ければ多いほど、接着としては有効で
ある。この内容は、グラフトによる官能基の導入量を多
くすれば解決できる内容ではあるが、一概に官能基導入
量を増やせば接着力向上にはつながるというわけではな
い。導入量の増加にも拘わらず接着力が増加しない原因
として、以下の内容が挙げられている。
【0005】グラフト反応は、過酸化物を用いた反応で
あり、このときに生じる反応は、(1)グラフト反応、
(2)ポリオレフィン系樹脂自体の架橋/分解反応、
(3)モノマーのホモポリマー化反応であり、これらの
反応が競争して生じている。つまりグラフト反応が起き
るということは、確率的な問題になり、モノマーの導入
位置や導入量の制御が比較的困難である。また、グラフ
トポリマーによる接着性の発現としては、図1に示す模
式図が提唱されており、官能基がついたポリマー分子が
接着界面で折り畳み構造を形成することで、弱境界層を
形成するといわれている。この弱境界層の形成は、接着
性樹脂自体の凝集力を低下させる要因となる。この内容
はモノマーの導入位置に影響を受ける。つまり、接着性
樹脂の設計としては、官能基による接着の必要条件(水
素結合や共有結合の形成による接着強度の向上)だけで
なく、接着性樹脂自体の接着の十分条件(凝集力、弱境
界層をなくすなど…)を考慮した設計が必要とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
実情を考慮したものであり、被着体との境界面でその接
着性に優れると共に、接着性樹脂自体の凝集力に優れ、
従って、強い力で被着体と接着することのできる接着性
樹脂を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を克服
するためになされたものであり、請求項1記載の発明
は、エチレンと他のオレフィンとの共重合樹脂であっ
て、シクロペンタジエニル誘導体と周期律表第III、I
V、V、VI、IX、X族遷移金属原子との錯体あるいは、
上記金属錯体に必要に応じてメチルアルミノキサンから
なる、シングルサイト触媒を用いて得られたポリオレフ
ィン系共重合樹脂100重量部に対し、不飽和結合及び
反応性官能基を有するモノマーを0.001〜10重量
部の範囲でグラフト重合させたものであることを特徴と
する。
【0008】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明を前提として、上記他のオレフィンが、プロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−
メチルペンテン−1からなるC3〜C8、あるいはC9以上の
高級αオレフィン、あるいはシクロペンテン、ノルボル
ネンなどの環状オレフィンであることを特徴とする。
【0009】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の発明を前提として、上記オレフィン系共重合
樹脂が、密度0.850〜0.925g/cm3の密度を有
することを特徴とする。
【0010】また、請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいずれかに記載の発明を前提として、グラフト反応
させるモノマーがビニル、アリル又は(メタ)アクリル系
の不飽和結合を有し、かつ、上記反応性官能基が、カル
ボキシル基、カルボン酸無水物基、グリシジル基、シラ
ノール基、イソシアネート基、オキサゾリン基から選択
されたものであることを特徴とする。
【0011】また、請求項5記載の発明は、請求項1〜
4のいずれかに記載の発明を前提として、請求項1〜4の
いずれかに記載の接着性樹脂と、低密度ポリエチレンあ
るいはエチレン−αオレフィン共重合体との混合物から
成り、上記接着性樹脂のベースとなった上記ポリオレフ
ィン系共重合樹脂を溶融状態から冷却させたときの結晶
化温度Tc1と、上記ポリオレフィン系樹脂の結晶化温度T
c2との関係で、0℃≦|Tc1-Tc2|≦10℃を満たすこと
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るシングルサイト触媒はとしては、嵩高い2
つのシクロペンタジエニル基に周期律表第III、IV、
V、VI、IX又はX族遷移金属原子が導入された構造を有
する金属錯体、あるいは、この金属錯体にメチルアルミ
ノキサンを添加して成るものである。
【0013】シングルサイト系触媒を用いる利点として
は、次の3点が上げられる。 (1)分子量分布が狭い。このため、タイ分子の形成が
促進させれ、上述の接着の十分条件を向上させる。 (2)コモノマーの導入位置が制御しやすい。一般に、
グラフト重合の際に、反応性官能基を有するモノマーは
二級炭素原子の位置よりも三級炭素原子の位置に取り込
まれやすいため、コモノマーの導入位置を制御して三級
炭素原子の位置を制御することにより、上記モノマーの
導入位置を制御することが可能になる。そして、このた
め、上述した弱境界層の形成を抑制させることが可能で
あり、十分条件を向上させる。 (3)ラメラ間に存在するタイ分子が多いため、引裂き
などに対する強度に優れる。
【0014】このようなシングルサイト系触媒の例とし
ては、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロ
リドにメチルアミノシロキサンを加えて得られたシング
ルサイト系触媒(カミンスキー触媒)やその誘導体が挙げ
られる。金属原子としては、特に、チタニウム、ジルコ
ニウム又はハフニウムなどの周期律第IV族の遷移金属原
子が用いられるが、特にこれらに限定されるものでな
い。
【0015】なお、このような触媒としては、チタン系
の幾何拘束触媒が好ましい。このチタン系の幾何拘束触
媒を用いた場合、エチレンと共にC9以上の高級αオレフ
ィン(イオン重合における生成物)をコモノマーとし
て、共重合させることが可能となるからである。そし
て、このため、低密度ポリエチレンのような長鎖分岐を
構造中に取り込むことが可能となり、加工性等の向上を
図ることができる。
【0016】次に、本発明に係るポリオレフィン系共重
合樹脂はこのシングルサイト系触媒を用いて得られたも
のであって、エチレンと他のオレフィンとの共重合樹脂
から構成されたものである。ここでいう他のオレフィン
はポリオレフィン系共重合樹脂中に三級炭素原子を導入
するもので、C6, C8、あるいはC9以上の高級αオレフ
ィンや、シクロペンタジエンやノルボルネンなどの環状
オレフィンが利用できる。
【0017】次に、このポリオレフィン系共重合樹脂
は、0.850〜0.925g/cm3の密度を有すること
が望ましい。この場合、オレフィン系共重合樹脂中にコ
モノマーの成分が多くなり、従って、グラフト重合の際
に反応性官能基を有するモノマーが反応するサイトが多
くなる。そのため、グラフト重合して得られた接着性樹
脂の接着力が増大する。なお、このポリオレフィン系共
重合樹脂はASTMのD1238によるメルトインデッ
クス(MI)が0.1〜200の範囲、好ましくは3〜
50の範囲にあることが望ましい。
【0018】次に、グラフト重合について説明する。本
発明に係るグラフト重合は、過酸化物の存在下で、溶融
状態の上記ポリオレフィン系共重合樹脂に不飽和結合及
び反応性官能基を有するモノマーをグラフト反応させる
工程である。グラフト重合に利用される上記モノマーと
しては、以下のようなものが例示できる。すなわち、
(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸のよ
うな不飽和カルボン酸あるいはその無水物、(メタ)ア
クリル酸グリシジルのようなグリシジル基導入モノマ
ー、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート
のようなイソシアネート基導入モノマー、ビニルトリア
ルコキシシランや(メタ)アクリロイルオキシプロピル
トリアルコキシシランなど加水分解によりシラノール基
を形成するモノマー、あるいはオキサゾリン系のモノマ
ーなどであり、目的とする被着体との接着性に応じて選
定することが可能である。また、必要に応じて、不飽和
結合を有する単量体と官能基を有する単量体を、複合化
させた複合体も使用することが可能である。例えば、ヒ
ドロキシエチルメタクリレートにジイソシアネートを反
応させて得られたもので、未反応のイソシアネートを一
つ含む複合体などが挙げられる。
【0019】また、グラフト重合の際に利用される過酸
化物は、溶融状態でのグラフト反応に汎用的に用いられ
る過酸化物を使用することが可能であり、グラフト反応
温度および反応時間に応じて選定することが可能であ
る。好ましくは、半減期1分の温度が100〜280
℃、好ましくは150〜230℃の物を使用することが
可能である。例を挙げると、ディクミルパーオキサイ
ド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンなど
があげられるが、これらに限られたものではない。
【0020】また、グラフト重合に用いる装置として
は、公知の装置を用いることが可能である。例えば二軸
押出機を始めとして、各種ニーダー、各種ミキサーを用
いることでグラフト反応を行うことが可能である。2軸
押出機を用いてグラフト反応を行う際には、液添フィー
ダーを用いて、所定量のモノマーあるいは複合体と有機
過酸化物の混合物を溶融樹脂に滴下させる、あるいは所
定量のモノマーあるいは複合体と有機過酸化物を別の液
添フィーダーを用いることで分注することで行われる。
その際の、滴下量としては、樹脂100重量部に対し、
モノマーあるいは複合体が0.01〜20重量部、好ま
しくは0.1〜10重量部、有機過酸化物が、0.00
1〜5重量部であり、好ましくは0.001〜3重量部
である。この条件下において、得られる接着性樹脂のグ
ラフト量が、樹脂100重量部に対し0.001〜10
重量部、好ましくは、0.001〜5重量部であること
が好ましい。
【0021】上記グラフト反応において、未反応の複合
体や、分解後の過酸化物残さは、接着性やその他に大き
く影響を及ぼす。その様な意味で、未反応物や過酸化物
残さを取り除く必要があるが、これらの方法としては、
2軸押出による製法であれば、減圧下で押出すことで除
去するなどの方法があり、バッチ式の製法であれば、ホ
ットキシレン中に製造した接着性樹脂を溶解させ、さら
にその後、再析出・洗浄・乾燥処理を施すことで、未反
応物や過酸化物残さを取り除くことが可能である。上記
ポリオレフィン系共重合樹脂にグラフト重合させること
で本発明に係る接着性樹脂が得られるが、この接着性樹
脂は、図2に示すように樹脂骨格に、均一に、反応性官
能基を有するモノマーが導入されているため、すべての
上記モノマーが接着界面に偏析することは困難である。
そのため、本ポリマーの接着性を向上させる(効率よく
官能基を偏析させる)ためにも、上記接着性樹脂をさら
に低密度ポリエチレンや、エチレン-αオレフィン共重
合体等のオレフィン系樹脂で希釈させた方が好ましい。
希釈させることでトータルの官能基量は減少するが、よ
り効率よく少ない官能基を接着界面に偏析させることが
可能になる。ブレンド比率は、トータルの官能基量に応
じてブレンド比を決定することが可能である。
【0022】しかしながら、この希釈樹脂も接着強度向
上という点では、選定に注意を要する。一般的にポリエ
チレン系樹脂のような結晶性ポリマーのブレンドは、溶
融状態から結晶化させる際に、結晶化温度が高いポリマ
ー(高密度)のものから結晶化を始め、その結晶性ポリ
マーの非晶領域で結晶化温度が低いポリマーが結晶化す
る。この現象は分離結晶化といわれ、ポリマーブレンド
の相溶性だけでなく、結晶化温度が違うために、両者が
冷却時に相分離を起こしてしまう。仮に、接着性樹脂よ
り結晶化温度が高いオレフィン系樹脂を配合すると、結
晶化温度の早いオレフィン系樹脂が先に結晶化し、この
結晶相で接着性樹脂の運動性が阻害され、官能基の偏析
に有効な分子運動が制御されてしまう。また、逆に結晶
化温度が低いオレフィン系樹脂を配合すると、官能基の
移動という意味では効果的であるが、相分離を起こすと
いう点で、その結晶間における強度が弱くなり、接着の
十分条件を満たさない恐れがある。指標としては、接着
性樹脂のベースとなった上記ポリオレフィン系共重合樹
脂を溶融状態から冷却させたときの結晶化温度Tc1と、
希釈に用いるポリオレフィン系樹脂の結晶化温度Tc2と
の関係で、0℃≦|Tc1-Tc2|≦10℃、さらに好ましくは、
0℃≦|Tc1-Tc2|≦5℃を満たせば、接着に影響はな
い。好ましくは、接着性樹脂のベースとなった上記ポリ
オレフィン系共重合樹脂と同じ樹脂である。この場合、
相溶性、分離結晶化という意味で好ましい。なお、この
場合、接着性樹脂のベースとなった上記ポリオレフィン
系共重合樹脂としては、非結晶性のエラストマー又はプ
ラストマーを適用することが望ましい。仮に結晶性の高
い樹脂を適用すると、官能基の偏析に重要な分子の運動
性が阻害され、接着力の増大を十分に図ることができな
い。
【0023】次に、本発明に係る接着性樹脂あるいはこ
の接着性樹脂を希釈してえられた接着性樹脂組成物は、
共押出のように溶融状態で被着体と接着させるようとだ
けでなく、押出ラミネートなどによって被着体に積層さ
せても良好な接着性を付与させることが可能である。な
お、本発明に係る接着性樹脂あるいはこの接着性樹脂を
希釈してえられた接着性樹脂組成物は、必要に応じて各
種添加剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、光安定
剤、スリップ材、アンチブロッキング材など各種添加剤
を配合して使用してもかまわない。
【0024】また、接着性樹脂のベースポリマーとし
て、上述したようにポリエチレンエラストマー、プラス
トマーを選定しているが、これが結晶性が高いポリマー
であると、官能基の偏析で重要な分子の運動性が拘束さ
れるため、比較的分子運動性に優れる上記樹脂をベース
に用いた方が好ましい。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらの実
施例に限られるものではない。 [ポリオレフィン系樹脂]ポリオレフィン系樹脂として、
次のB−1樹脂、B−2樹脂及びB−3樹脂の3種類の
樹脂を使用した。これら3種類の樹脂のうち、B−1樹
脂とB−2樹脂は、シングルサイト触媒を使用してエチ
レンと他のオレフィンとを共重合して得られたポリオレ
フィン系共重合樹脂である。また、B−3樹脂はシング
ルサイト触媒を使用することなく製造された高圧法低密
度ポリエチレン(ホモポリマー)である。 B−1樹脂:メタロセン系シングルサイト系触媒を使用
して製造されたエチレン−オクテン−1共重合体(密度
=0.899g/cm3、MFR=9.44) B−2樹脂:チタン系の幾何拘束触媒系シングルサイト
系触媒を使用して製造されたエチレン−オクテン−1共
重合体(密度=0.902g/ cm3、MFR=7.5) B−3樹脂:高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.9
19g/ cm3、 MFR=5.11)
【0026】[不飽和結合及び反応性官能基を有するモ
ノマー]不飽和結合及び反応性官能基を有し、上記ポリ
オレフィン系樹脂にグラフト重合させるモノマーとし
て、次のM−1及びM−2の2種類のモノマーを使用し
た。 M−1:無水マレイン酸 M−2:メタクリロイルオキシエチルイソシアネート
【0027】[過酸化物]グラフト重合の際の過酸化物と
して、2,5−ジメチル2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキシンを使用した。
【0028】[接着性樹脂の製造方法]直径32mm、L
/D=49の2軸押出機を用いて、上記ポリオレフィン
系樹脂に上記モノマーをグラフト重合させて上記接着性
樹脂を製造した。すなわち、まず、上記モノマーと過酸
化物とを添加できるよう液添装置を調整し、それぞれ分
注することで溶融した上記ポリオレフィン系樹脂中に滴
下した。配合比は、樹脂100重量部、モノマー5重量
部、過酸化物0.5重量部の割合である。加工条件とし
ては、加工温度195℃、滞留時間180〜300se
c、回転数100rpm、吐出速度12kg/hであ
り、残留モノマー除去のため、減圧下でグラフト重合を
行った。得られたストランドサンプルはペレタイズを施
し、乾燥処理を施してから以下に示す評価に用いた。ま
た、得られた接着性樹脂のグラフト量は、あらかじめ配
合比に応じたモノマーと樹脂の混合物を作成しておき、
IRにより検量線を作成することで算出した。
【0029】[接着性樹脂組成物の製造]上記方法にて選
られた接着性樹脂を、不飽和結合及び反応性官能基を有
するモノマーが樹脂100に対し0.25phrになる
ように、上記ポリオレフィン系樹脂と同じ樹脂を混合し
て希釈して接着性樹脂組成物の製造をした。これら接着
性樹脂の結晶化温度と希釈に用いられた樹脂の結晶化温
度との差は0℃である。この希釈は上記と同様の2軸押
出機を用いて、195℃、100rpm、吐出速度12
kg/hの条件で行った。
【0030】<実施例1>B−1とM−1を用いて接着性
樹脂を作成した。M−1のグラフト化率は樹脂100に
対し0.50phrであった。希釈にはB−1を用い
た。
【0031】<実施例2>M−2に変更した以外は実施
例1と同じである。グラフト化率は0.64phrであ
った。希釈にはB−1を用いた。
【0032】<実施例3>B−2に変更した以外は実施
例1と同じである。M−1のグラフト化率は、0.61
phrであった。希釈にはB−2を用いた。
【0033】<実施例4>B−2、M−2に変更した以
外は実施例1と同じである。グラフト化率は0.72p
hrであった。希釈にはB−2を用いた。
【0034】<比較例1>B−3に変更した以外は実施
例1と同じである。グラフト化率は樹脂100に対し
0.65phrである。希釈にはB−3を用いた。
【0035】<比較例2>B−3、M−2に変更した以
外は実施例1と同じである。グラフト化率は0.62p
hrである。希釈にはB−3を用いた。
【0036】[評価方法]被着体として厚さ40μmのア
ルミニウム箔を用い、熱プレス法により上記接着性樹脂
組成物を厚み100μmで積層させた(図3参照)。そ
の際の熱プレス条件としては、プレス温度は220℃、
加圧条件としては予備加熱(圧を加えない)時間を1m
in、その後9.8Mpaで1min、さらに19.6
Mpaで2minである。続いて、19.6Mpaの加
圧条件下で2分間冷却した。その後、官能基のモノマー
偏析効果を付与すべく、40℃環境で4日保存したサン
プルのラミネート強度を、剥離速度300mm/min
の速度で、T型剥離で測定した。また、被着体であるア
ルミニウム箔をIRの反射法で測定し、接着性樹脂組成
物層の残り具合から剥離面の状態を観察した。上記実施
例1〜4及び比較例1〜2の評価結果を、表1に示す。
なお、希釈前の接着性樹脂のグラフト化率及び希釈後の
接着性組成物樹脂のグラフト化率を、併せて表1に示
す。
【0037】
【表1】
【0038】[考察]以上の実施例および比較例の結果か
ら、以下の内容が確認できる。剥離面の分析結果から、
比較例1および2は、グラフトによるモノマー導入量や
グラフト化率が同等であるのに対し、接着性樹脂組成物
の凝集破壊が、比較的表層で行われていることが分か
る。この内容は、接着性樹脂組成物層内部で弱境界層を
形成したことと考えられ、モノマー導入量が同じ程度で
も十分な強度が得られなかったと考えられる。
【0039】一方、シングルサイト系のエチレン−αオ
レフィン共重合体を用いた場合は、接着性樹脂組成物層
自体の凝集破壊が起きにくい状態であることが示唆さ
れ、剥離試験時に接着性樹脂組成物層が強引に破断され
た結果、強度が強くなったと考えられる。この内容はシ
ングルサイト系のエチレン−αオレフィン共重合体を用
いることによる、グラフト位置の均一化、弱境界層形成
の阻害、接着性樹脂自体の凝集力が強いことが挙げられ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、エチレンと他のオレフ
ィンとの共重合樹脂であって、シクロペンタジエニル誘
導体の周期律表第III、IV、V、VI、IX、X族遷移金属
原子からなる錯体あるいは、上記金属錯体に必要に応じ
てメチルアルミノキサンからなる、シングルサイト触媒
を用いて得られたポリオレフィン系共重合樹脂を使用す
るため、
【0041】分子量分布が狭くタイ分子の形成が促進さ
れるため、上述の接着の十分条件を向上させ、また、コ
モノマーの導入位置が制御しやすいため、グラフトされ
るモノマーの導入位置を制御することが可能になり、従
って、弱境界層の形成を抑制させることが可能であり、
十分条件を向上させる。
【0042】そして、このため、被着体との境界面でそ
の接着性に優れると共に、接着性樹脂自体の凝集力に優
れ、従って、強い力で被着体と接着することのできると
いう効果を奏する。
【0043】また、ラメラ間に存在するタイ分子が多い
ため、引裂きなどに対する強度に優れるという効果を併
せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】弱境界層の模式図である。
【図2】希釈による界面偏析の効果の模式図である。
【図3】本接着性樹脂を用いた評価構成(積層体)の模
式図である。
【符号の説明】
A・・・・各種被着体 B・・・・本発明の接着性樹脂層又は接着性樹脂組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BB022 BN051 BN061 GF00 GJ00 4J026 AA12 AC01 BA25 BA36 BA39 BA43 BB01 BB10 DA17 DB05 DB13 DB38 EA02 GA01 GA09 4J040 DA021 DA031 DL041 DL071 GA01 GA07 GA11 GA12 GA20 GA29 LA02 LA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンと他のオレフィンとの共重合樹脂
    であって、シクロペンタジエニル誘導体と周期律表第II
    I、IV、V、VI、IX、X族遷移金属原子との錯体あるい
    は、上記金属錯体に必要に応じてメチルアルミノキサン
    からなる、シングルサイト触媒を用いて得られたポリオ
    レフィン系共重合樹脂100重量部に対し、不飽和結合
    及び反応性官能基を有するモノマーを0.001〜10
    重量部の範囲でグラフト重合させたものであることを特
    徴とする接着性樹脂。
  2. 【請求項2】上記他のオレフィンが、プロピレン、ブテ
    ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペン
    テン−1からなるC3〜C8、あるいはC9以上の高級αオレ
    フィン、あるいはシクロペンテン、ノルボルネンなどの
    環状オレフィンであることを特徴とする請求項1記載の
    接着性樹脂。
  3. 【請求項3】上記オレフィン系共重合樹脂が、0.85
    0〜0.925g/cm3の密度を有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の接着性樹脂。
  4. 【請求項4】グラフト反応させるモノマーがビニル系、
    アリル系又は(メタ)アクリル系の不飽和結合を有し、か
    つ、上記反応性官能基が、カルボキシル基、カルボン酸
    無水物基、グリシジル基、シラノール基、イソシアネー
    ト基、オキサゾリン基から選択されたものであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接着性樹
    脂。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の接着性樹脂
    と、低密度ポリエチレンあるいはエチレン−αオレフィ
    ン共重合体との混合物から成り、上記接着性樹脂のベー
    スとなった上記ポリオレフィン系共重合樹脂を溶融状態
    から冷却させたときの結晶化温度Tc1と、上記ポリオレ
    フィン系樹脂の結晶化温度Tc2との関係で、0℃≦|Tc1-
    Tc2|≦10℃を満たすことを特徴とする接着性樹脂組成
    物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007075419A1 (en) * 2005-12-20 2007-07-05 Henkel Corporation Adhesive and coating compositions

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WO2007075419A1 (en) * 2005-12-20 2007-07-05 Henkel Corporation Adhesive and coating compositions

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