JP2003048008A - 多段圧延機における形状制御方法 - Google Patents

多段圧延機における形状制御方法

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JP2003048008A JP2001233572A JP2001233572A JP2003048008A JP 2003048008 A JP2003048008 A JP 2003048008A JP 2001233572 A JP2001233572 A JP 2001233572A JP 2001233572 A JP2001233572 A JP 2001233572A JP 2003048008 A JP2003048008 A JP 2003048008A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多段圧延機を用いた圧延で、板幅方向の複数
箇所における板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び
非対称成分を考慮した数式モデルを用いることにより、
形状精度に優れた冷延鋼帯を高生産性で製造できる制御
方法を提供する。 【構成】 多段圧延機を用いて圧延材Mを冷間圧延する
際、板端からの距離が異なる複数箇所において板幅中央
に対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を表す数式
モデルを予め作成し、形状検出器24より得られる前記
複数箇所の板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非
対称成分を数式モデルに代入して前記複数箇所の板幅中
央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を算出
し、算出された伸び率差の対称成分及び非対称成分が目
標値に一致するようにバックアップロールのクラウン調
整量及び中間ロールシフト位置を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、多段圧延機を用いて金
属帯を冷間圧延する際、圧延後の板形状を制御する方法
に関する。 【0002】 【従来の技術】圧延材の品質及び生産効率を向上させる
ことは、コスト削減の上で重要なファクターとなる。そ
のため、圧延機を多段化するとともに種々の圧延制御方
法が開発されてきた。多段圧延機の一つとして、20段
センジミア圧延機が広く知られている。20段センジミ
ア圧延機10は、例えば図1に示すように、相対向する
一対のワークロール11u,11d、それぞれのワーク
ロール11u,11dに接する合計4本の第1中間ロー
ル12u,12d、第1中間ロール12u,12dに接
する合計6本の第2中間ロール13u,13d及び第2
中間ロール13u,13dに接する合計8本のバックア
ップロール14u,14d,15u,15dで構成され
る。8本のバックアップロール14u,14d,15
u,15dのうち、片側中央部に位置する2本のバック
アップロール15uはクラウン調整機構を備えている。
第1中間ロール12u,12dは、ロールの片側エッジ
部にテーパを切っており、圧延材Mの板幅方向に移動可
能になっている。バックアップロール15uのクラウン
及び第1中間ロール12u,12dのシフト量を調整す
ることにより、圧延材Mの形状が制御される。 【0003】クラウン調整機構をもつバックアップロー
ル15uは、軸方向断面を示す図2にみられるように、
ロール本体が軸方向に分割されたベアリング16をベア
リング軸17で保持し、ベアリング軸17をサドル18
で支持している。ベアリング16の半径方向移動は、第
2中間ロール13u及び第1中間ロール12uを介して
ワークロール11uに伝えられ、ワークロール11uの
軸方向形状を変化させ、圧延材Mの形状制御に使用され
る。 【0004】ところで、形状制御手段の初期設定に関
し、特開平8−290209号公報では、それぞれ独立
のモデル式に従って各分割ベアリングの押出し量の設定
値を算出し、各分割ベアリングの幅方向位置と一致する
位置のワークロール又は中間ロールのメカニカルクラウ
ン量に予め定めた係数を乗じることにより、ワークロー
ル又は中間ロールのメカニカルクラウンをモデル式に取
り込んでいる。この方法によるとき、たとえば20段セ
ンジミア圧延機10では、バックアップロール15uの
各ベアリングのクラウン調整量の初期設定が可能にな
る。 【0005】フィードバック形状制御に関しては、形状
検出器からの検出信号に基づいて形状評価関数が最小と
なるように各形状制御手段の制御量を補正することが特
開昭62−214814号公報で紹介されている。この
方法によると、例えば20段センジミア圧延機10で
は、第1中間ロール12u,12dのシフト位置及びバ
ックアップロール15uの各ベアリングのクラウン調整
量の補正が可能になる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】特開平8−29020
9号公報の形状制御方法は、第1中間ロール12u,1
2dのメカニカルクラウン量が予め与えられたとき、す
なわち第1中間ロール12u,12dのシフト位置が設
定されているときにバックアップロール15uの各ベア
リングのクラウン調整量を初期設定しており、第1中間
ロール12u,12dのシフト位置を初期設定するもの
ではない。そのため、第1中間ロール12u,12dの
シフト位置によっては、バックアップロール15uのク
ラウン調整機構の形状制御作用が小さく、各ベアリング
のクラウン調整だけで良好な形状が得られないことがあ
る。 【0007】特開平8−290209の形状制御方法
は、左右対称なベアリングのクラウン調整による制御を
前提としたものであり、圧下のレベリング不良、母材板
厚分布の非対称等により左右非対称な形状を生じる場合
がある。また、特開昭62−214814号公報の形状
制御方法は各センサー位置における測定伸び値の関数で
ある形状評価指数を用いているため、形状制御手段の制
御量を算出する数式が複雑なものとなり、オンラインに
適用した際、形状制御手段の制御量を算出するのに時間
を要し、応答性の高い制御が困難となる。本発明は、こ
のような問題を解消すべく案出されたものであり、多段
圧延機において、板幅方向複数箇所における板幅中央に
対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を表す数式モ
デルを用いることにより、左右非対称な形状を生じるこ
とを防止し、形状精度に優れた圧延材を高生産性で製造
できる制御方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の多段圧延機にお
ける形状制御方法は、その目的を達成するため、多段圧
延機を用いて圧延材を冷間圧延する際、板端からの距離
が異なる複数箇所において板幅中央に対する伸び率差の
対称成分及び非対称成分を表す数式モデルを予め作成
し、形状検出器より得られる前記複数箇所の板幅中央に
対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を数式モデル
に代入して前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差の
対称成分及び非対称成分を算出し、算出された伸び率差
の対称成分及び非対称成分が目標値に一致するようにバ
ックアップロールのクラウン調整量及び中間ロールシフ
ト位置を補正することを特徴とする。 【0009】 【実施の形態】本発明者らは、形状検出器により検出さ
れる板形状を板幅方向代表位置で評価し、種々の要因に
より生じる左右非対称性を考慮して、バックアップロー
ル15uのクラウン調整量及び第1中間ロール12u,
12dのシフト位置を補正することにより安定して良好
な形状が得られる、オンラインで適用可能な20段セン
ジミア圧延機10における形状制御方法を種々調査検討
した。この結果、板端からの距離が異なる複数個所にお
ける板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成
分の変化量が、バックアップロール15uのクラウン調
整量及び第1中間ロール12u,12dのシフト位置の
変化量と比例関係にあることに着目し、伸び率差の対称
成分及び非対称成分にバックアップロール15uのクラ
ウン調整量及び第1中間ロール12u,12dのシフト
位置の変化量が与える影響を取り込んだ数式モデルを用
いると、精度の良い形状制御手段の制御量の補正が可能
となり、良好な形状をもつ圧延材が製造されることを見
出した。 【0010】以下、20段センジミア圧延機を対象に本
発明の形状制御方法について説明するが、本発明方法は
他の多段圧延機についても適用可能である。耳伸び,中
伸び等の単純な形状不良だけでなく、クォータ伸び,片
伸びや各種伸びが複雑に組み合わされた複合伸びを防止
するためには、圧延形状を複数の指標で評価し制御する
ことが要求される。そこで、本発明においては、圧延形
状を板端から距離が異なる複数の箇所における伸び率と
板幅中央の伸び率との差で評価している。具体的には、
板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差をそ
の対称成分εe,εq、非対称成分εe',εq'に分
け、圧延形状を定義する。板幅方向位置xにおける板幅
中央に対する伸び率差をε(x)とすると、伸び率差の
対称成分εe,εq及び非対称成分εe',εq'は次の
式(1)〜(4)のように表される。 【0011】 εe={ε(EW)+ε(ED)}/2・・・・・(1) εq={ε(QW)+ε(QD)}/2・・・・・(2) εe'={ε(EW)−ε(ED)}/2・・・・・(3) εq'={ε(QW)−ε(QD)}/2・・・・・(4) ここで、EW:操作側の板端部位置 ED:駆動側の板端部位置 QW:操作側のクォータ部位置 QD:駆動側のクォータ部位置 なお、板端部及びクォータ部の測定位置については、形
状を適切に表し、かつ精度の良い数式モデルが得られる
ように経験的に定められる。 【0012】次に、第1中間ロールシフト位置,板端部
サドル位置,クォータ部サドル位置の対称成分L,S
e,Sqをそれぞれ次の式(5)〜(7)で定義し、第
1中間ロールシフト位置,板端部サドル位置,クォータ
部サドル位置の非対称成分L',Se',Sq'をそれぞ
れ次の式(8)〜(10)で定義する。 L=(LW+LD)/2・・・・・・(5) Se=(SeW+SeD)/2・・・(6) Sq=(SqW+SqD)/2・・・(7) L'=(LW−LD)/2・・・・・・(8) Se'=(SeW−SeD)/2・・・(9) Sq'=(SqW−SqD)/2・・・(10) ここで、LW:操作側の第1中間ロールシフト位置 LD:駆動側の第1中間ロールシフト位置 SeW:操作側の板端部のサドル位置 SeD:駆動側の板端部のサドル位置 SqW:操作側のクォータ部のサドル位置 SqD:駆動側のクォータ部のサドル位置 【0013】各形状制御手段の制御量の対称成分は形状
を左右対称に変化させるものであるから、伸び率差の対
称成分のみに影響し、非対称成分には影響しない。ま
た、各形状制御手段の制御量の非対称成分は形状を左右
非対称に変化させるが、左右の平均的な形状は変化しな
いので、伸び率差の非対称成分のみに影響し、対称成分
には影響しない。 【0014】各形状制御手段の制御量の対称成分が伸び
率差の対称成分に及ぼす影響及び各形状制御手段の制御
量の非対称成分が伸び率差の非対称成分に及ぼす影響を
種々調査検討した結果から、各要因の間に次の関係が成
立していることが判明した。バックアップロール15u
のクラウン調整量の変化はワークロールの撓みとして現
れ、圧延材Mの形状を変化させる。バックアップロール
15uの板端部サドル位置及びクォータ部サドル位置の
対称成分Se,Sqとロール撓みの関係は弾性領域にお
ける変形であることから、ほぼ直線的な関係にある。し
たがって、前記式(1)及び式(2)で表される板端部
及びクォータ部の伸び率差の対称成分εe,εqも図3
及び図4に示すように板端部サドル位置及びクォータ部
サドル位置の対称成分Se,Sqとほぼ直線的な関係に
ある。また、第1中間ロールシフト位置の対称成分Lと
伸び率差の対称成分εe,εqとの関係も、狭いシフト
範囲内では図5に示すように線形関係で近似できる。し
たがって、板端部サドル位置,クォータ部サドル位置及
び第1中間ロールシフト位置それぞれの対称成分の変化
量ΔSe,ΔSq及びΔLと伸び率差の対称成分の変化
量Δεe,Δεqとの関係も線的関係となる。 【0015】同様に、式(3)及び式(4)で表される
板端部及びクォータ部の伸び率差の非対称成分εe',
εq'も図6及び図7に示すように板端部及びクォータ
部サドル位置の非対称成分Se',Sq'とほぼ直線的な
関係にある。また、第1中間ロールシフト位置の非対称
成分L'と伸び率差の非対称成分εe',εq'との関係
も、狭いシフト位置内では図8に示すように線形関係で
近似できる。したがって、板端部サドル位置,クォータ
部サドル位置及び第1中間ロールシフト位置の非対称成
分の変化量ΔSe',ΔSq'及びΔL'と伸び率差の非
対称成分の変化量Δεe',Δεq'との関係も線形関係
となる。 【0016】以上の各要因相互の関係から、a1,a2
3,b1,b2,b3,c1,c2,c 3,d1,d2,d3
影響係数として、次の式(11)〜(14)で圧延形状
変化の予測式を表すことができる。 Δεe=a1ΔL+a2ΔSe+a3ΔSq・・・・・(11) Δεq=b1ΔL+b2ΔSe+b3ΔSq・・・・・(12) Δεe'=c1ΔL'+c2ΔSe'+c3ΔSq'・・・・(13) Δεq'=d1ΔL'+d2ΔSe'+d3ΔSq'・・・・(14) 影響係数a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c
3,d1,d2,d3は、板厚,板幅,鋼種等の製造品種に
よって定まる定数であり、実験又はロールの弾性変形解
析と素材の塑性変形解析とを連立させた解析モデルを用
いたシミュレーションでそれぞれ求められる。各影響係
数は、板厚,板幅,鋼種等の各区分毎にテーブルを設定
し、或いは板厚,板幅,鋼種等の関数として数式化され
る。 【0017】圧延中の形状制御に際しては、圧延機出側
に設置された形状検出器で板幅方向の張力分布を検出す
ることにより、板形状として板幅方向各位置における板
幅中央に対する伸び率差を測定する。そして、板幅方向
各位置における板幅中央に対する伸び率差ε1(x)
を、板幅方向位置xを変数とした多項式で近似する。こ
こでは伸び率差を次の式(15)で示すように4次関数
で近似したが、更に精度を向上させるために4次以上の
多項式で近似することも可能である。 ε1(x)=α1x+α22+α33+α44・・・・(15) ここで、α1,α2,α3,α4:係数 【0018】そして、伸び率差の対称成分εe1,εq1
及び非対称成分εe'1,εq'1を次の式(16)〜(1
9)で算出する。 εe1={ε1(EW)+ε1(ED)}/2・・・・・(16) εq1={ε1(QW)+ε1(QD)}/2・・・・・(17) εe'1={ε1(EW)−ε1(ED)}/2・・・・・(18) εq'1={ε1(QW)−ε1(QD)}/2・・・・・(19) 【0019】上記の圧延形状変化の予測式(11)〜
(14)より、圧延形状予測式として伸び率差の対称成
分εe,εq及び非対称成分εe',εq'を次式(2
0)〜(23)で表すことができる。 εe=εe1+a1ΔL+a2ΔSe+a3ΔSq・・・・・(20) εq=εq1+b1ΔL+b2ΔSe+b3ΔSq・・・・・(21) εe'=εe'1+c1ΔL'+c2ΔSe'+c3ΔSq'・・・(22) εq'=εq'1+d1ΔL'+d2ΔSe'+d3ΔSq'・・・(23) 【0020】そして、圧延形状予測式(20)〜(2
3)において、伸び率差の対称成分εe,εq及び非対
称成分εe',εq'がそれぞれ目標値εe0,εq0,ε
e'0,εq'0となるように、板端部サドル位置,クォー
タ部サドル位置及び第1中間ロールシフト位置それぞれ
の対称成分の制御量をΔSe,ΔSq,ΔLだけ補正
し、板端部サドル位置,クォータ部サドル位置及び第1
中間ロールシフト位置それぞれの非対称成分制御量をΔ
Se',ΔSq',ΔL'だけ補正する。 【0021】板端部サドル位置の制御量ΔSe,ΔS
e'、クォータ部サドル位置の制御量ΔSq,ΔSq'及
び第1中間ロールシフト位置の制御量ΔL,ΔL'の組
み合わせとしては任意の組み合わせを採用できるが、例
えば次の式(24),(25)に示すように板端部サド
ル位置の制御量ΔSe,ΔSe'とクォータ部サドル位
置の制御量ΔSq,ΔSq'の関係に制約を加えること
により一つの組み合わせに固定できる。 ΔSq=ΔSe/2・・・・・・(24) ΔSq'=ΔSe'/2・・・・・・(25) 【0022】以上の説明では、板端部及びクォータ部の
2点で板幅中央部に対する伸び率差の対称成分εe,ε
q及び非対称成分εe',εq'で圧延形状を定義し、板
端部サドル位置の補正量ΔSe,ΔSe'、クォータ部
サドル位置の補正量ΔSq,ΔSq'、第1中間ロール
シフト位置の補正量をΔL,ΔL'を決定している。し
かし、本発明はこれに拘束されるものではなく、板幅方
向の3点以上について板幅中央部に対する伸び率差の対
称成分及び非対称成分を定義した場合も同様に圧延形状
を制御することができる。 【0023】 【実施例】径80mmのワークロール11uを備えた2
0段センジミア圧延機10を用いて、板幅1000m
m,板厚0.92mmの冷延鋼板を板厚0.8mmに冷
間圧延した。このとき、次の手順で圧延材Mの板形状を
制御した。板幅中央部に対する板端部及びクォータ部の
2点についての伸び率差の対称成分及び非対称成分を式
(1)〜(4)にしたがって表し、圧延形状を定義し
た。板端部としては、測定誤差や影響係数の算出誤差に
由来する影響が小さくなる板端から20mm内側の位置
に設定した。クォータ部としては、使用した20段セン
ジミア圧延機10において圧延形状のピークが生じ易い
板幅中央からw/(2√2)だけ外側の位置に設定し
た。 【0024】図9に示すように圧延中の形状制御として
形状検出器で板幅方向各位置における板幅中央に対する
伸び率差の分布を測定し、その伸び率差の分布を上位コ
ンピュータ21に入力した。上位コンピュータでは伸び
率差の分布を式(15)に示す4次式で近似し、対称成
分εe1,εq1、非対称成分εe'1,εq'1を式(1
6)〜(19)で算出した。プロセスコンピュータ22
では、板幅,板厚,鋼種等の製造品質毎に予め算出した
影響係数を取り込んで、実測した伸び率差の対称成分ε
1,εq1及び非対称成分εe'1,εq'1から式(2
0)〜(23)により伸び率差の対称成分εe,εq、
非対称成分εe',εq'を算出し、εe,εq,ε
e',εq'がそれぞれ目標値εe0,εq0,εe'0,ε
q'0となるように板端部サドル位置の補正量ΔSe,Δ
Se'、クォータ部サドル位置の補正量ΔSq,ΔS
q'、第1中間ロールシフト位置の補正量ΔL,ΔL'を
算出し、形状制御手段23の制御量を補正した。このと
き、伸び率差の対称成分及び非対称成分の目標値ε
0,εq0,εe'0,εq'0としては、εe0=0,ε
0=0,εe'0=0,εq'0=0に設定した。 【0025】圧延後に圧延材Mの形状をオフラインで測
定し、圧延材M表面の波高/波長として板幅方向に関す
る急峻度分布を求め、その最大値を最大急峻度とした。
得られた最大急峻度を形状評価関数に基づいて形状制御
する従来法で得られた圧延材Mの最大急峻度と比較して
図10に示す。図10から明らかなように、従来法では
形状評価関数に基いて形状制御しているために応答性が
低く、0.8%を超える最大急峻度が示された。これに
対し、本発明法に基いた制御方法では、圧延開始からコ
イル全長にわたって最大急峻度が0.5%以下に収めら
れており、形状精度の良好な圧延が行えた。 【0026】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、板幅方向複数箇所における板幅中央に対する伸び率
差の対称成分及び非対称成分を表す数式モデルを用いて
形状制御手段の制御量を算出し補正を行っているので、
圧下のレベリング不良,母材板厚分布の非対称等の左右
非対称な形状を生じる要因がある場合にも、コイル長手
方向全域にわたり形状精度の良好な冷延鋼帯が高生産性
で製造できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 20段センジミア圧延機の概略図 【図2】 バックアップロールの軸方向断面図 【図3】 板端部サドル位置の対称成分が伸び率差の対
称成分に及ぼす影響を表したグラフ 【図4】 クォータ部サドル位置の対称成分が伸び率差
の対称成分に及ぼす影響を表したグラフ 【図5】 第1中間ロールシフト位置の対称成分が伸び
率差の対称成分に及ぼす影響を表したグラフ 【図6】 板端部サドル位置の非対称成分が伸び率差の
非対称成分に及ぼす影響を表したグラフ 【図7】 クォータ部サドル位置の非対称成分が伸び率
差の非対称成分に及ぼす影響を表したグラフ 【図8】 第1中間ロールシフト位置の非対称成分が伸
び率差の非対称成分に及ぼす影響を表したグラフ 【図9】 20段センジミア圧延機の制御系統を示した
図 【図10】 実施例で製造した冷延鋼帯の板幅方向に関
する最大急峻度を従来法で製造した冷延鋼帯の最大急峻
度と比較したグラフ 【符号の説明】 10:20段センジミア圧延機、11u、11d:ワー
クロール、12u,12d:第1中間ロール、13u,
13d:第2中間ロール、14u,14d:バックアッ
プロール、15u:クラウン調整機構をもつバックアッ
プロール、15d:クラウン調整機構をもたないバック
アップロール、16:ベアリング、 17:ベアリン
グ軸、 18:サドル、21:上位コンピュータ、
22:プロセスコンピュータ、23:形状制御手段、
24:形状検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 健治 兵庫県尼崎市鶴町1番地 日新製鋼株式会 社技術研究所内 (72)発明者 内畠 治 大阪府大阪市此花区桜島二丁目1番171号 日新製鋼株式会社大阪製造所内 Fターム(参考) 4E024 AA05 DD01 DD05 DD18 EE05

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 多段圧延機を用いて圧延材を冷間圧延す
    る際、板端からの距離が異なる複数箇所において板幅中
    央に対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を表す数
    式モデルを予め作成し、形状検出器より得られる前記複
    数箇所の板幅中央に対する伸び率差の対称成分及び非対
    称成分を数式モデルに代入して前記複数箇所の板幅中央
    に対する伸び率差の対称成分及び非対称成分を算出し、
    算出された伸び率差の対称成分及び非対称成分が目標値
    に一致するようにバックアップロールのクラウン調整量
    及び中間ロールシフト位置を補正することを特徴とする
    多段圧延機における形状制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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