JP4330094B2 - 多段圧延機における形状制御方法 - Google Patents

多段圧延機における形状制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、多段圧延機を用いて帯材を冷間圧延する際、圧延後の板形状を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧延材の品質及び生産効率を向上させることは、コスト削減の上で重要なファクターとなる。そのため、圧延機を多段化すると共に種々の圧延制御方法が開発されてきた。多段圧延機の一つとして、20段ゼンジミア圧延機が広く知られている。
20段ゼンジミア圧延機10は、たとえば図1に示すように、相対向する一対のワークロール11u,11d,それぞれのワークロール11u,11dに接する合計4本の第1中間ロール12u,12d,第1中間ロール12u,12dに接する合計6本の第2中間ロール13u,13d及び第2中間ロール13u,13dに接する合計8本のバックアップロール14u,14d,15uで構成される。8本のバックアップロール14u,14d,15uのうち、片側中央部に位置する2本のバックアップロール15uはクラウン調整機構を備えている。第1中間ロール12u,12dは、ロールの片側エッジ部にテーパを切っており、圧延材Mの板幅方向に移動可能になっている。バックアップロール15uのクラウン及び第1中間ロール12u,12dのシフト量を調整することにより、圧延材Mの形状が制御される。
【0003】
クラウン調整機構をもつバックアップロール15uは、軸方向断面を示す図2にみられるように、ロール本体が軸方向に分割されたベアリング16をベアリング軸17で保持し、ベアリング軸17をサドル18で支持している。ベアリング16の半径方向移動は、第2中間ロール13u及び第1中間ロール12uを介してワークロール11uに伝えられ、ワークロール11uの軸方向形状を変化させ、圧延材Mの形状制御に使用される。このクラウン調整機構には,耳延びや中伸び等の単純な形状不良だけでなく、クォータ伸びやこれらの形状不良が組み合わさった複合伸びを修正する作用もある。しかし、ロール径の大きな第2中間ロール13u及び第1中間ロール12uを介してベアリング16の半径方向移動がワークロール11uに伝えられるため、ベアリング16の半径方向移動に応じたワークロール11uの撓み変形量が小さく、圧延材Mの形状制御作用が小さくなる欠点がある。
【0004】
シフト機構をもつ第1中間ロール12u,12dには、主として耳伸びを防止するためロールの片側エッジ部にテーパを切っており、圧延材Mの板端部の形状修正に作用している。しかしながら,小径のワークロール11u,11dが使用される20段ゼンジミア圧延機10で冷間圧延する場合、一般にクォータ伸びが生じやすく、単一のテーパではクォータ伸びの防止が困難である。そこで、クォータ伸びを防止するため、図3に示すようにテーパ角度の異なる複数のテーパT1〜T3をつけた多段テーパロール19を使用することがある。しかし,多段テーパロール19を使用しても、圧延条件によってはクォータ伸びを防止できないことがある。この場合、図4に示すようにテーパT1〜T3と反対側のエッジ部に正弦曲線状の縮径部Cを形成することにより、クォータ伸びを防止する方法が知られている(特公平7−96123号公報)。
【0005】
ところで、形状制御手段の初期設定に関し、特開平8−290209号公報では、それぞれ独立のモデル式に従って各分割ベアリングの押出し量の設定値を算出し、各分割ベアリングの幅方向位置と一致する位置のワークロール又は中間ロールのメカニカルクラウン量に予め定めた係数を乗じることにより、ワークロール又は中間ロールのメカニカルクラウンをモデル式に取り込んでいる。この方法によるとき、たとえば20段ゼンジミア圧延機10では、バックアップロール15uの各ベアリングのクラウン調整量の初期設定が可能になる。
フィードバック形状制御に関しては、形状検出器からの検出信号に基づいて形状評価関数が最小となるように各形状制御手段の制御量を補正することが特開昭62−214814号公報で紹介されている。この方法によるとき、たとえば20段ゼンジミア圧延機10では、第1中間ロール12u,12dのシフト位置及びバックアップロール15uの各ベアリングのクラウン調整量の補正が可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−290209号公報の形状制御方法は、第1中間ロール12u,12dのメカニカルクラウン量が予め与えられたとき、すなわち第1中間ロール12u,12dのシフト位置が設定されているときにバックアップロール15uの各ベアリングのクラウン調整量を初期設定しており、第1中間ロール12u,12dのシフト位置を初期設定するものではない。そのため、第1中間ロール12u,12dのシフト位置によっては、バックアップロール15uのクラウン調整機構の形状制御作用が小さく、各ベアリングのクラウン調整だけで良好な形状が得られないことがある。
【0007】
他方、特開昭62−214814号公報の形状制御方法では、各形状制御手段の形状に及ぼす影響を影響係数として形状予測式に取り込んでおり、第1中間ロール12u,12dのシフト位置の形状に及ぼす影響についても単一の影響係数で表している。そのため、テーパ角度の異なる複数のテーパがつけられた多段テーパロール19を第1中間ロール12u,12dに使用すると、形状の評価位置及び各テーパT1〜T3間の境界との位置関係に応じて第1中間ロール12u,12dのシフト位置の形状に及ぼす影響が変化するため、良好な形状が得られないことがある。
更に、テーパT1〜T3と反対側のエッジ部に正弦曲線状の縮径部Cをつけた多段テーパロール19を第1中間ロール12u,12dに使用する場合、圧延材Mの形状に及ぼす縮径部Cの影響が第1中間ロール12u,12dのシフト位置に応じて変化するため、依然として良好な形状が得られないことがある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、テーパ角度が異なる複数のテーパをつけた多段テーパロールを中間ロールに使用する多段圧延機において、形状の評価位置及び多段テーパロールの各テーパ間の境界との位置関係を取り込んだ数式モデルを用いることにより、形状精度に優れた圧延材を高生産性で製造することを目的とする。
【0009】
本発明の形状制御方法は、その目的を達成するため、互いに異なるテーパ角度で複数のテーパを多段につけた多段テーパロールをシフト可能な中間ロールとして組み込んだ多段圧延機で圧延材を冷間圧延する際、板端からの距離が異なる複数箇所と多段テーパロールの各テーパ間の境界との位置関係に基づいて、圧延荷重、バックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置、クォータ部サドル位置及び中間ロールシフト位置を変数とし、複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値又は測定値を数式モデルに代入して複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を算出し、算出された伸び率差が目標値に一致するようにバックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置、クォータ部サドル位置及び中間ロールシフト位置を設定又は補正することを特徴とする。
【0010】
多段圧延機の出側に設けた形状検出器で実測された伸び率差を制御ファクタに使用することもできる。この場合、形状検出器で実測された複数箇所の板幅中央に対する伸び率差の実測値を数式モデルに代入して複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を算出し、同様にバックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置、クォータ部サドル位置及び第1中間ロールシフト位置を補正する。シフト可能な中間ロールには、互いに異なるテーパ角度で複数のテーパが一側端部に多段につけられ、正弦曲線状の縮径部が他側端部に形成された多段テーパロールを使用することもでき、板端から距離の異なる前記複数箇所と正弦曲線状の縮径部の中心との位置関係を表す項を前記数式モデルに追加することもできる。
【0011】
【実施の形態】
本発明者等は、テーパ角度が異なる複数のテーパT1〜T3をつけた多段テーパロール19を第1中間ロール12u,12dに使用した場合でも、形状の評価位置及び多段テーパを構成する各テーパ間の境界との位置関係を取り込んで、バックアップロール15uのクラウン調整量及び第1中間ロール12u,12dのシフト位置を設定又は補正することにより、安定して良好な形状が得られる20段ゼンジミア圧延機10における形状制御方法を種々調査検討した。
調査検討の過程で、板端からの距離が異なる複数個所における板幅中央に対する伸び率差と第1中間ロール12u,12dのシフト位置との関係が各テーパT1〜T3間の境界を区分とした傾きの異なる複数の線形関係で表せることを見出した。正弦曲線状の縮径部Cがつけられた多段テーパロール19を第1中間ロール12u,12dに使用する場合では、伸び率差と第1中間ロール12u,12dのシフト量との関係はほぼ正弦曲線状の関係で表される。そこで、これら複数の線形関係及び正弦曲線状の関係を取り込んだ数式モデルを用いてクラウン調整量及びシフト位置を設定又は補正することにより、良好な形状をもつ圧延材Mが高生産性で製造される。
【0012】
圧延形状は、板幅方向に関して異なった複数箇所における伸び率と板幅方向中央部の伸び率の差で評価できる。具体的には、板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差εe,εqで圧延形状を定義できる。伸び率差εe,εqは、板端部の伸び率をele,クォータ部の伸び率をelq,板中央の伸び率をelcとするとき、それぞれ式(1)及び(2)で表わされる。なお、板端部及びクォータ部の位置は、形状を適切に表し且つ精度のよい数式モデルが得られるように経験的に定められる。
εe=ele−elc ・・・・(1)
εq=elq−elc ・・・・(2)
圧延材Mの形状変化に及ぼす影響要因には、板厚,材質,潤滑状態,圧延荷重,バックアップロール15uのクラウン調整量,第1中間ロール12uのシフト量等がある。板厚は、重要な品質項目であり、通常は自動板厚制御によってほぼ一定値となるように制御される。材質及び潤滑状態は圧延材Mの形状に影響するが、その影響のほとんどは圧延荷重を介したロール撓みの変化により生じる。したがって、圧延中に形状変化を支配する主要因は、圧延荷重及び形状制御手段の制御量といえる。
【0013】
圧延荷重及び形状制御手段の制御量が伸び率差εe,εqに及ぼす影響を種々調査検討した結果から、各要因の間に次の関係が成立していることが判った。
圧延荷重の変化は、ロール撓みの変化として現われ、圧延材Mの形状を変化させる。単位幅当りの圧延荷重pとロール撓み量との関係は、弾性領域における変形であることからほぼ直線的な関係にある。したがって、式(1)及び(2)で表わされる伸び率差εe,εqも、図5に示すように単位幅当りの圧延荷重pとほぼ直線的な関係にある。
バックアップロール15uのクラウン調整量を板幅中央部のサドル位置に対する相対的な板端部サドル位置Se及びクォータ部サドル位置Sqで表わすと、それぞれ図6及び図7に示すように、伸び率差εe,εqと板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sqとの間にもほぼ直線的な関係が成立している。
【0014】
第1中間ロール12uとして使用される多段テーパロール19につけたテーパを、図3に示すように外側から第1テーパ領域T1,第2テーパ領域T2,第3テーパ領域T3とし、各テーパT1〜T3のテーパ長さ及びテーパ角度をそれぞれL1〜L3及びθ1〜θ3で表す。また、第1中間ロール12uのシフト位置を板幅中央に相当する位置から第1テーパT1開始点までの距離で定義し、Lsで表す。
対象とする20段ゼンジミア圧延機10では、通常、板端部に相当する位置は第1テーパ領域T1又は第2テーパ領域T2にあり、クォータ部に相当する位置は第2テーパ領域T2又は第3テーパ領域T3にある。そして、伸び率差εe,εqと第1中間ロール12u,12dのシフト位置Lsと間には、それぞれ図8及び図9に示す関係が成立している。すなわち、伸び率差εeと第1中間ロール12uのシフト位置Lsとの関係は、板端部が第1テーパ領域T1又は第2テーパ領域T2の何れに位置するかに応じて、第1テーパ領域T1と第2テーパ領域T2との境界を区分とした傾きの異なる2本の直線からなる線形関係で近似できる。伸び率差εqと第1中間ロール12uのシフト位置の関係も、クォータ部が第2テーパ領域T2又は第3テーパ領域T3の何れに位置するかに応じて、第2テーパ領域T2と第3テーパ領域T3の境界を区分とした傾きの異なる2本の直線からなる線形関係で近似できる。
【0015】
以上の各要因相互の関係から、板幅中央から板端部,クォータ部までの距離をそれぞれLe,Lqで表すと、ae,be,ce,de,ee,fe,aq,bq,cq,dq,eq,fqを影響係数として、式(3)〜(6)で圧延形状予測式を表わすことができる。
e≦Lsのとき
εe=ae・Le+be・(Ls−Le)+ce+de・Se+ee・Sq+fe・p
・・・・(3)
e>Lsのとき
εe=ae・Ls+ce+de・Se+ee・Sq+fe・p ・・・・(4)
q≦Ls−L2のとき
εq=aq・(L2+Lq)+bq・(Ls−L2−Lq)+cq+dq・Se
+eq・Sq+fq・p ・・・・(5)
q>Ls−L2のとき
εq=aq・Ls+cq+dq・Se+eq・Sq+fq・p ・・・・(6)
【0016】
影響係数ae,be,ce,de,ee,fe,aq,bq,cq,dq,eq,fqは、板幅,板厚,鋼種等の製造品種によって定まる定数であり、実験又はロールの弾性変形解析及び素材の塑性変形解析とを連立させた解析モデルを用いたシミュレーションでそれぞれ求められる。そして、各影響係数は、板幅,板厚,鋼種等の各区分ごとにテーブルを設定し、或いは板幅,板厚,鋼種等の関数として数式化される。
板幅に関しては第1中間ロールシフト位置Lsとの関係で圧延材Mの板形状に及ぼす影響が大きく、板幅変化の狭い範囲では、図10に示すように板幅wと伸び率差εe,εqとの関係をほぼ直線的な関係で近似できる。したがって、式(3),〜(6)の圧延形状予測式は、ge,gqを影響係数とした式(7)〜(10)に書き換えられる。
e≦Lsのとき
εe=ae・Le+be・(Ls−Le)+ce+de・Se+ee・Sq+fe・p+ge・w
・・・・(7)
e>Lsのとき
εe=ae・Ls+ce+de・Se+ee・Sq+fe・p+ge・w ・・・・(8)
q≦Ls−L2のとき
εq=aq・(L2+Lq)+bq(Ls−L2−Lq)+cq+dq・Se
+eq・Sq+fq・p+gq・w ・・・・(9)
q>Ls−L2のとき
εq=aq・Ls+cq+dq・Se+eq・Sq+fq・p+gq・w ・・・・(10)
【0017】
バックアップロール15uのクラウン調整量及び第1中間ロール12uのシフト位置Lsの初期設定に際しては、圧延荷重を予測し、圧延荷重の予測値P及び板幅wから式(11)に従って単位幅当りの圧延荷重pを算出する。なお、圧延荷重の予測値Pは、当該コイルまでの圧延荷重の実績値を学習計算することにより求められる。そこで、式(3)〜(6)又は式(7)〜(10)で表される伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるように、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを設定する。
【0018】
板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsの組合せとしては任意の組合せを採用できるが、たとえば式(12)に示すように板端部サドル位置Seとクォータ部サドル位置Sqの関係に制約を加えることにより一つの組合せに固定できる。
p=P/w ・・・・(11)
q=Se/2 ・・・・(12)
圧延中に形状制御する際には、圧延荷重Pを連続的に測定し、圧延荷重P及び板幅wから式(11)に従って単位幅当りの圧延荷重pを算出する。そして、式(3)〜(6)又は(7)〜(10)で表される伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるように、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを補正する。この場合にも、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsについて任意の組合せを採用できるが、たとえば式(12)に示すように板端部サドル位置Seとクォータ部サドル位置Sqの関係に制約を加えることにより一つの組合せに固定することも可能である。
【0019】
20段ゼンジミア圧延機10の出側に形状検出器25(図12)が設けられている場合には、形状検出器25から得られる板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差εe 1,εq 1から式(13)〜(16)で表される伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるように、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsの補正量dSe,dSq及びdLsを算出し、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを補正する。この場合にも、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsの補正量dSe,dSq及びdLsについて任意の組合せを採用できるが,たとえば式(17)に示すように補正量dSeとdSqの関係に制約を加えることにより一つの組合せに固定することも可能である。
【0020】
e≦Lsのとき
εe=εe 1+be・dLs+de・dSe+ee・dSq ・・・・(13)
e>Lsのとき
εe=εe 1+ae・dLs+de・dSe+ee・dSq ・・・・(14)
q≦Ls−L2のとき
εq=εq 1+bq・dLs+dq・dSe+eq・dSq ・・・・(15)
q>Ls−L2のとき
εq=εq 1+aq・dLs+dq・dSe+eq・dSq ・・・・(16)
dSq=dSe/2 ・・・・(17)
【0021】
また、一側端部にテーパT1〜T3を、他側端部に正弦曲線状の縮径部Cをつけた多段テーパロール19(図4)を第1中間ロール12uを使用する場合には、次のような形状制御方式が採用される。なお、正弦曲線状の縮径部Cの縮径幅をW,縮径量をΔD,縮径幅Wの中心から第1テーパT1開始点までの距離をLtで表す。
縮径部Cの存否に応じた伸び率差εe,εqの差Δεe,Δεqと第1中間ロール12uのシフト位置Lsとの関係は、それぞれ図13及び図14に示すように、板端部及びクォータ部と縮径部Cの中心が一致するシフト位置Lsを頂点とする正弦曲線状の関係で近似できる。この関係から、縮径部Cのある第1中間ロール12uを使用する場合、前掲の式(3)〜(6)は次の式(18)〜(21)に書き換えられる。
【0022】
e≦LSのとき
εe=ae・Le+be・(Ls−Le)+ce・cos〔π(Lt−Ls−Le)/W〕
+de+ee・Se+fe・Sq+he・p ・・・・(18)
e>Lsのとき
εe=ae・Ls+ce・cos〔π(Lt−Ls−Le)/W〕+de+ee・Se
+fe・Sq+he・p ・・・・(19)
q≦Ls−L2のとき
εq=aq・(L2+Lq)+bq・(Ls−L2−Lq)+cq・cos〔π(Lt−Ls
q)/W〕+dq+eq・Se+fq・Sq+hq・p ・・・・(20)
q>Ls−L2のとき
εq=aq・Ls+cq・cos〔π(Lt−Ls−Lq)/W〕+dq
+eq・Se+fq・Sq+hq・p ・・・・(21)
影響係数he,hqも、他の影響係数と同様に板幅,板厚,鋼種等の製造品種によって定まる定数であり、実験又はロールの弾性変形解析及び素材の塑性変形解析とを連立させた解析モデルを用いたシミュレーションでそれぞれ求められる。
【0023】
この場合にも、板幅変化の狭い範囲では図10と同様に板幅と伸び率差εe,εqとの関係をほぼ直線的な関係で近似できる。したがって、式(18)〜(21)は、ie,iqを影響係数とした式(22)〜(25)に書き換えられる。
e≦Lsのとき
εe=ae・Le+be・(Ls−Le)+ce・cos〔π(Lt−Ls−Le)/W〕
+de+ee・Se+fe・Sq+he・p+ie・w ・・・・(22)
e>Lsのとき
εe=ae・Ls+ce・cos〔π(Lt−Ls−Le)/W〕+de+ee・Se
+fe・Sq+he・p+ie・w ・・・・(23)
q≦Ls−L2のとき
εq=aq・(L2+Lq)+bq・(Ls−L2−Lq)+cq・cos〔π(Lt−Ls
−Lq)/W〕+dq+eq・Se+fq・Sq+hq・p+iq・ w
・・・・(24)
q>Ls−L2のとき
εq=aq・Ls+cq・cos〔π(Lt−Ls−Lq)/W〕+dq+eq・Se
+fq・Sq+hq・p+iq・w ・・・・(25)
【0024】
更に、圧延形状予測式を簡略化するため、縮径部Cの存否に応じた伸び率差εe,εqの差Δεe,Δεqと第1中間ロール12u,12dのシフト位置Lsの関係を、板端部及びクォータ部と縮径部Cの中心が一致するシフト位置Lsで区分された2本の直線で近似することもできる。この場合、式(18)〜(21)として次の式(26)〜(29)を、式(22)〜(25)として次の式(30)〜(33)を使用することもできる。
e≦Lsのとき
εe=ae・Le+be・(Ls−Le)+ce・|Lt−Ls−Le|+de
+ee・Se+fe・Sq+he・p ・・・・(26)
e>Lsのとき
εe=ae・Ls+ce・|Lt−Ls−Le|+de+ee・Se+fe・Sq
+he・p ・・・・(27)
q≦Ls−L2のとき
εq=aq・(L2+Lq)+bq・(Ls−L2−Lq)+cq・|Lt−Ls−Lq
+dq+eq・Se+fq・Sq+hq・p ・・・・(28)
q>Ls−L2のとき
εq=aq・Ls+cq・|Lt−Ls−Lq|+dq+eq・Se
+fq・Sq+hq・p ・・・・(29)
e≦Lsのとき
εe=ae・Le+be・(Ls−Le)+ce・|Lt−Ls−Le|+de
+ee・Se+fe・Sq+he・p+ie・w ・・・・(30)
e>Lsのとき
εe=ae・Ls+ce・|Lt−Ls−Le|+de+ee・Se+fe・Sq
+he・p+ie・w ・・・・(31)
q≦Ls−L2のとき
εq=aq・(L2+Lq)+bq・(Ls−L2−Lq)+cq・|Lt−Ls−Lq
+dq+eq・Se+fq・Sq+hq・p+iq・w ・・・・(32)
q>Ls−L2のとき
εq=aq・Ls+cq・|Lt−Ls−Lq|+dq+eq・Se+fq・Sq
+hq・p+iq・w ・・・・(33)
【0025】
式(18)〜(21),式(22)〜(25),式(26)〜(29)又は式(30)〜(33)は、前述した縮径部Cのない多段テーパロール19を用いた場合と同様に伸び率差εe,εqの算出及び板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsの設定又は補正に使用される。
更に、20段ゼンジミア圧延機10の出側に形状検出器25が設けられている場合には、形状検出器25で実測された板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差εe 1,εq 1を用い、式(34)〜(37)又は式(38)〜(41)で表される伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0になるように、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsの補正量dSe,dSq及びdLsを算出し、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを補正する。この場合にも、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置LsのdSe,dSq及びdLsについて任意の組合せを採用できるが、たとえば前掲の式(17)に示すように補正量dSeとdSqとの関係に制約を加えることにより一つの組合せに固定することも可能である。
【0026】
e≦Lsのとき
εe=εe 1+be・dLs+ce・π/W・sin〔π(Lt−Ls−Le)/W〕
・dLs+ee・dSe+fe・dSq ・・・(34)
e>Lsのとき
εe=εe 1+ae・dLs+ce・π/W・sin〔π(Lt−Ls−Le)/W〕
・dLs+ee・dSe+fe・dSq ・・・・(35)
q≦Ls−L2のとき
εq=εq 1+bq・dLs+cq・π/W・sin〔π(Lt−Ls−Lq)/W〕
・dLs+eq・dSe+fq・dSq ・・・・(36)
q>Ls−L2のとき
εq=εq 1+aq・dLs+cq・π/W・sin〔π(Lt−Ls−Lq)/W〕
・dLs+eq・dSe+fq・dSq ・・・・(37)
e≦Lsのとき
εe=εe 1+be・dLs−ce・(Lt−Ls−Le)/|Lt−Ls−Le
・dLS+ee・dSe+fe・dSq ・・・・(38)
e>Lsのとき
εe=εe 1+ae・dLs+ce・(Lt−Ls−Le)/|Lt−Ls−Le
・dLS+ee・dSe+fe・dSq ・・・・(39)
q≦Ls−L2のとき
εq=εq 1+bq・dLs+ce・(Lt−Ls−Lq)/|Lt−Ls−Lq
・dLS+eq・dSe+fq・dSq ・・・・(40)
q>Ls−L2のとき
εq=εq 1+aq・dLs+ce・(Lt−Ls−Lq)/|Lt−Ls−Lq
・dLS+eq・dSe+fq・dSq ・・・・(41)
【0027】
以上の説明では、テーパT1〜T3を3段につけた多段テーパロール19,或いは一側端部にテーパT1〜T3を、他側端部に正弦曲線状の縮径部Cをつけた多段テーパロール19を第1中間ロール12uに使用するとき、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを設定又は補正した場合を説明している。しかし、本発明はこれに拘束されるものではなく、2段又は4段以上のテーパをつけた多段テーパロール19を使用する場合でも,同様な手順で圧延形状を制御できる。また、板端部及びクォータ部の2点における板幅中央部に対する伸び率差εe,εqで圧延形状を定義し、板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを設定又は補正しているが、板幅方向似関し3点以上について板幅中央に対する伸び率差を定義した場合にも同様に圧延形状を制御できる。また、使用する圧延機としても20段ゼンジミア圧延機10に限ったものではなく、テーパ角度の異なる複数のテーパをつけた多段テーパロール又は複数のテーパ及び正弦曲線状の縮径部を両側端部につけた多段テーパロールをシフト可能な中間ロールとして備えた他の多段圧延機に対しても同様に適用される。
【0028】
【実施例1】
異なるテーパ角度θ1〜θ3のテーパT1〜T3を3段階につけた多段テーパロール19をシフト可能な第1中間ロール12u,12dとして使用し、径80mmのワークロール11u,11dを備えた20段ゼンジミア圧延機10により、板幅1180mm,板厚0.77mmの冷延鋼帯を板厚0.70mmに冷間圧延した。このとき、制御条件1及び制御条件2に従って圧延材Mの板形状を制御した。
〔制御条件1〕
板幅中央に対する板端部及びクォータ部の2点についての伸び率差εe,εqを式(1)及び(2)に従って表し、圧延形状を定義した。板端部としては、測定誤差や影響係数の算出誤差に由来する影響が小さくなる板端から20mm内側の位置に設定した。クォータ部としては、使用した20段ゼンジミア圧延機10において圧延形状のピークが生じ易い板幅中央からw/(2√2)だけ外側の位置に設定した。
形状制御手段の初期設定に当たっては、図11に示すように上位コンピュータ21に予め入力した圧延条件から学習計算によって圧延荷重Pを計算した。プロセスコンピュータ22では、板幅,板厚,鋼種等の製造品種区分ごとに予め算出した影響係数を取り込んで圧延荷重Pの計算値から式(7)〜(10)に従って伸び率差εe,εqを演算し、伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるように板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを算出し、それぞれの形状制御手段23の制御量を設定した。
圧延中の形状制御では、荷重計24で圧延荷重Pを連続的に測定し、測定値を上位コンピュータ21に入力した。プロセスコンピュータ22では、板幅,板厚,鋼種等の製造品種区分ごとに予め算出した影響係数を取り込んで、圧延荷重Pの測定値から式(7)〜(10)に従って伸び率差εe,εqを演算し、伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるように板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを算出し、それぞれの形状制御手段23の制御量を補正した。
〔制御条件2〕
制御条件1と同様な形状制御手段を初期設定した後、図12に示すように圧延中の形状制御として形状検出器25で板端部及びクォータ部の板幅中央に対する伸び率差εe 1,εq 1を連続的に測定し、測定値を上位コンピュータ21に入力した。プロセスコンピュータ22では、板幅,板厚,鋼種等の製造品種ごとに予め算出した影響係数を取り込んで,実測した伸び率差εe 1,εq 1から式(13)〜16)に従って伸び率差εe,εqを演算し、伸び率差εe,εqがそれぞれ目標値εe 0,εq 0となるように板端部サドル位置Se,クォータ部サドル位置Sq及び第1中間ロールシフト位置Lsを算出し、それぞれの形状制御手段23の制御量を補正した。このとき,目標伸び率差εe 0,εq 0としては、共にεe 0=0,εq 0=0に設定した。
【0029】
圧延後に圧延材Mの形状をオフラインで測定し、圧延材M表面の波高/波長として板幅方向に関する急峻度分布を求め、その最大値を最大急峻度とした。
制御条件1,2で得られた最大急峻度を、第1中間ロール12u,12dのシフト位置Lsの形状に及ぼす影響について単一の影響係数で表した数式モデルに基づいて形状制御する従来法で得られた圧延材Mの最大急峻度と比較して図15に示す。
従来法では、形状の評価位置と多段テーパロール19の各テーパT1〜T3間の境界との位置関係に応じて第1中間ロール12u,12dのシフト位置Lsの形状に及ぼす影響が考慮されていないため、圧延開始時からコイル長手方向全域にわたって耳伸びが大きくなり、1%を超える最大急峻度が示された。これに対し、本発明に従った制御条件下で圧延された圧延材Mでは、何れも圧延開始時からコイル長手方向全域にわたり最大急峻度が0.5%以下に収められており、形状精度の良好な冷延鋼帯であった。
【0030】
【実施例2】
異なるテーパ角度θ1〜θ3のテーパT1〜T3を一側端部につけ、正弦曲線状の縮径部Cを他側端部に形成した多段テーパロール19をシフト可能な第1中間ロール12u,12dに使用し、形状予測式として式(30)〜(33)を使用する他は、実施例1と同じ条件で板幅1210mm,板厚0.88mmの冷延鋼帯を板厚0.80mmに冷間圧延した。
圧延後に圧延材Mの形状をオフラインで測定し、圧延材M表面の波高/波長として板幅方向に関する急峻度分布を求め、その最大値を最大急峻度とした。
制御条件1及び制御条件2で得られた最大急峻度を、第1中間ロール12u,12dのシフト位置Lsの形状に及ぼす影響について単一の影響係数で表した数式モデルに基づいて形状制御する従来法で得られた圧延材Mの最大急峻度と比較して図16に示す。従来法では、形状の評価位置と多段テーパロール19の各テーパT1〜T3間の境界との位置関係に応じて第1中間ロール12u,12dのシフト位置Lsの形状に及ぼす影響が考慮されていないため、圧延開始時からコイル長手方向全域にわたって耳伸びが大きくなり、1%を超える最大急峻度が示された。これに対し、制御条件1及び制御条件2で圧延された圧延材Mでは、何れも圧延開始時からコイル長手方向全域にわたり最大急峻度が0.5%以下に収められており、形状精度の良好な冷延鋼帯であった。
【0031】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、クォータ伸びを防止するためにシフト可能な中間ロールとしてテーパ角度が異なる複数のテーパをつけた多段テーパロール、或いは多段テーパ及び正弦曲線状の縮径部をそれぞれ両端部につけた多段テーパロールを組み込んだ多段圧延機で鋼帯を冷間圧延する際、形状の評価位置と各テーパ間の境界との位置関係を取り込んだ数式モデルを用いて各評価位置での伸び率差を算出し、目標伸び率差が得られるようにクラウン調整量及び中間ロールシフト位置を設定又は補正している。そのため、多段テーパ及び縮径部によるクォータ伸び抑制効果を活用しながら、コイル長手方向全域にわたり形状精度の良好な冷延鋼帯が高生産性で製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 20段ゼンジミア圧延機の概略図
【図2】 バックアップロールの軸方向断面図
【図3】 中間ロールに使用する多段テーパロールの概略図
【図4】 多段テーパ及び正弦曲線状の縮径部をそれぞれ両端部につけた多段テーパロールの概略図
【図5】 単位幅当りの圧延荷重が伸び率差に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図6】 板端部のサドル位置が伸び率差に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図7】 クォータ部のサドル位置が伸び率差に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図8】 中間ロールシフト位置が板端部の伸び率差に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図9】 中間ロールシフト位置がクォータ部の伸び率差に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図10】 板幅が伸び率差に及ぼす影響を表わしたグラフ
【図11】 制御条件1で使用した20段ゼンジミア圧延機の制御系統を示した図
【図12】 制御条件2で使用した20段ゼンジミア圧延機の制御系統を示した図
【図13】 板端部の伸び率差の差に及ぼす第1中間ロールシフト位置の影響を示したグラフ
【図14】 クォータ部の伸び率差の差に及ぼす第1中間ロールシフト位置の影響を示したグラフ
【図15】 実施例1の制御条件1,2で製造した冷延鋼帯の板幅方向に関する最大急峻度を従来法で製造した冷延鋼帯の最大急峻度と比較したグラフ
【図16】 実施例2の制御条件1,2で製造した冷延鋼帯の板幅方向に関する最大急峻度を従来法で製造した冷延鋼帯の最大急峻度と比較したグラフ
【符号の説明】
10:20段ゼンジミア圧延機 11u,11d:ワークロール 12u,12d:第1中間ロール 13u,13d:第2中間ロール 14u,14d:バックアップロール 15u:クラウン調整機構をもつバックアップロール 16:ベアリング 17:ベアリング軸 18:サドル
21:上位コンピュータ 22:プロセスコンピュータ 23:形状制御手段 24:荷重計 25:形状検出器

Claims (3)

  1. 互いに異なるテーパ角度で複数のテーパを多段につけた多段テーパロールをシフト可能な中間ロールとして組み込んだ多段圧延機で圧延材を冷間圧延する際、板端からの距離が異なる複数箇所と多段テーパロールの各テーパ間の境界との位置関係に基づいて、圧延荷重、バックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置、クォータ部サドル位置及び中間ロールシフト位置を変数とし、前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、圧延荷重の予測値又は測定値を数式モデルに代入して前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を算出し、算出された伸び率差が目標値に一致するようにバックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置、クォータ部サドル位置及び中間ロールシフト位置を設定又は補正することを特徴とする多段圧延機における形状制御方法。
  2. 互いに異なるテーパ角度で複数のテーパを多段につけた多段テーパロールをシフト可能な中間ロールとして組み込んだ多段圧延機で圧延材を冷間圧延する際、板端からの距離が異なる複数箇所と多段テーパロールの各テーパ間の境界との位置関係に基づいて、前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差の実測値、バックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置の補正値、クォータ部サドル位置の補正値及び中間ロールシフト位置の補正値を変数とし、前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を表す数式モデルを予め作成し、形状検出器で実測された前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差の実測値を数式モデルに代入して前記複数箇所の板幅中央に対する伸び率差を算出し、算出された伸び率差が目標値に一致するようにバックアップロールの板幅中央部サドル位置に対する相対的な板端部サドル位置、クォータ部サドル位置及び中間ロールシフト位置を補正することを特徴とする多段圧延機における形状制御方法。
  3. シフト可能な中間ロールとして、互いに異なるテーパ角度で複数のテーパが一側端部に多段につけられ、正弦曲線状の縮径部が他側端部に形成された多段テーパロールを使用し、板端から距離の異なる前記複数箇所と正弦曲線状の縮径部の中心との位置関係を表す項を前記数式モデルに追加する請求項1又は2記載の形状制御方法。
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