JP2003047350A - 園芸用結束機 - Google Patents

園芸用結束機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 園芸用結束機においてテープの残滓が発生し
ないようにする。 【解決手段】 テープTの先端をピッキングプレート26
とともに把持するテープ支えプレート22の位置を、ドラ
イバハンドル23のカッター刃24よりも手前側に配置す
る。ドライバハンドル23とクリンチャアーム21との間に
張ったテープを枝と支柱とに架けまわし、ドライバハン
ドルとクリンチャアームとを閉じると、ピッキングプレ
ート26が後退してカッター刃24がテープループの後端を
切断するとともに、ステープルドライバ33によりテープ
の重なり部が綴じられる。このとき、テープの前端部は
拘束されておらず、カッター刃24から逃げて切断されな
いのでテープのカスが発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、園芸用結束機に
関するものであり、特に、結束用テープの残滓の発生を
なくした園芸用結束機に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】胡瓜、
メロン、葡萄やトマト等の農作物栽培において、これら
の植物の蔓や枝を支柱や棚に沿わせるための結束作業に
園芸用結束機が用いられている。以下、従来の園芸用結
束機の構成及び動作を説明する。 【0003】図10は園芸用結束機1を示し、ドライバハ
ンドル2とクリンチャアーム3と下ハンドル4をプライヤ
ー形に組合わせた手持ち工具であり、ドライバハンドル
2の後部にテープマガジン5が取付けられており、テープ
マガジン5に園芸用のテープを装填してドライバハンド
ル2の内部を通し、ステープルマガジン6の先端に設けた
テープガイド7からテープを引き出す。 【0004】図11に示すように、クリンチャアーム3の
先端にはクリンチャ8が取付けられており、クリンチャ8
のやや前方に、ピッキングプレート9とプッシュプレー
ト10と固定カムプレート(図示せず)を組み合わせたテ
ープ把持装置が配置されている。図示は省略するが、上
下スライド自在なプッシュプレート10の溝カムと固定カ
ムプレートの溝カムにピッキングプレート9のピンが係
合しており、バネにより上方へ突出しているプッシュプ
レート10を押し下げると、プッシュプレート10の溝カム
と固定カムプレートの溝カムの協働作用によりピッキン
グプレート9が手前側へ回動し、プッシュプレート10は
押込まれた位置でロックされる。そして、プッシュプレ
ート10を更に押込むとロックが解除され、押圧を解除す
るとプッシュプレート10が初期位置に戻り、ピッキング
プレート9は後方へ回動して初期位置に戻る。 【0005】結束作業にあたっては、上下のハンドル2,
4を握って閉じることによりプッシュプレート10を一段
階押込めば、ピッキングプレート9が手前側へ回動し、
ピッキングプレート9の先端に形成した楔形の爪がテー
プの先端部に突き刺さり、ピッキングプレート9と固定
されているテープ支えプレート11とによってテープの先
端部を挟みつける。そして、一旦ハンドル操作を解除し
て上下のハンドル2, 4を開くと、テープの先端がピッキ
ングプレート9に引かれてテープガイド7から引き出さ
れ、ドライバハンドル2とクリンチャアーム3との間にテ
ープが張られた状態となる。この状態でドライバハンド
ル2とクリンチャアーム3との間に農作物の枝と支柱とを
入れれば、テープが枝と支柱(図示せず)に掛け回され
る。 【0006】そして、図12に示す上下のハンドル2, 4を
閉じた状態からさらに強く握ると、ドライバハンドル2
に設けたステープルドライバ12がさらに下降してステー
プルマガジン6内のステープル(図示せず)を押し出
し、テープTの重なり部を貫通したステープルがクリン
チャ8に当たって折曲がり、テープTが綴じられるととも
に、ギザ刃形のカッター刃13が綴じ個所の近傍でテープ
Tを押し切る。そして、プッシュプレート10が深く押込
まれることによってロックが解除され、上下のハンドル
2, 4を初期位置に戻すとピッキングプレート9とプッシ
ュプレート10が図10に示す初期位置に戻る。 【0007】上述したように、従来の園芸用結束機にお
いてはピッキングプレート9とテープ支えプレート11と
によって挟まれているテープTの先端からやや下流の位
置でテープを切断するので、ピッキングプレート9に刺
さっているテープの先端部分Tlがテープ支えプレート11
に残る。そして、これらの残滓が積み重なることにより
テープの先端部を掴むことができなくなったり、残滓が
ハンドル部等の回転軸や摺動部につまって作動不良を起
こしたりすることがある。 【0008】そこで、テープの残滓が発生しないように
して、園芸用結束機の取扱いを容易化するために解決す
べき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課
題を解決することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために提案するものであり、ステープラのドラ
イバハンドルの先端にテープ引出し口を設け、クリンチ
ャアームにカム駆動式ピッキングプレートとテープ支え
プレートとからなるテープ把持装置を設け、ドライバハ
ンドルとクリンチャアームとを閉じると、テープ把持装
置がドライバハンドルのテープ引出し口から引き出され
ているテープの先端部を捕捉し、ドライバハンドルとク
リンチャアームとを開いて、ドライバハンドルとクリン
チャアームとの間に張られたテープを被結束物の周囲に
掛け回し、ドライバハンドルとクリンチャアームとを閉
じてテープループの重なり部をステープルにより綴じる
と共に、ドライバハンドルに設けたカッター刃によりテ
ープを切断するように構成した園芸用結束機において、
テープ把持装置のテープ支えプレートをドライバハンド
ルに設けたカッター刃よりも、ドライバハンドルとクリ
ンチャアームの枢軸方向へ変位させ、且つテープ切断時
にピッキングプレートが後退してテープ支えプレートか
ら離れるようにカム機構を構成したことを特徴とする園
芸用結束機を提供するものである。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
図に従って詳述する。図1は園芸用結束機の先端部分を
示し、総体的な構成は従来の園芸用結束機と同一である
が、クリンチャアーム21におけるテープ支えプレート22
の位置ならびにテープ把持装置の溝カムの構成が従来型
とは異なり、ドライバハンドル23に取付けたカッター刃
24よりもやや手前(図において右)にテープ支えプレー
ト22を配置している。 【0011】図2はクリンチャアーム21内に取付けられ
るテープ把持装置25を示し、ピッキングプレート26とプ
ッシュプレート27と固定カムプレート28とテープ支えプ
レート22とが左右に分割したケース29, 30内に組み込ま
れる。ピッキングプレート26とプッシュプレート27の後
部長穴26a, 27aにはピン(図示せず)が挿通され、ピッ
キングプレート26の上下中間部に設けたピン31は固定カ
ムプレート28の溝カム28bとプッシュプレート27の溝カ
ム27bとに挿通される。 【0012】図3に示すように、プッシュプレート27は
前部のバネ受け27cに圧縮コイルバネCSを係合させてケ
ース29, 30内に組付けられ、ピッキングプレート26も軸
32に捩じりコイルバネTSを取付けてケース29, 30に組付
けられる。圧縮コイルバネCSによりプッシュプレート27
は上方へ付勢され、捩じりコイルバネTSによりピッキン
グプレート26は上部が手前(図において右)ヘ回動する
方向に付勢される。 【0013】図2に示すように、ピッキングプレート26
の上端部には、手前側へ突出する楔形の爪26bと、その
下のアール形凸部26cが形成されていて、凸部26cにはテ
ープをテープ支えプレート22へ押し付ける作用と、爪26
bがテープに刺さり過ぎないように規制する作用があ
る。テープ支えプレート22の左右中央には縦長の溝穴22
aが形成されており、ピッキングプレート26が手前側に
回動すると、ピッキングプレート26の爪26bが溝穴22a内
に進入し、凸部26cがテープ支えプレート22へテープを
押し付けてテープを堅固にクランプする。 【0014】図4(a)は固定カムプレート28、図4(b)はプ
ッシュプレート27を示し、図5はプッシュプレート27と
固定カムプレート28の夫々の溝カム27b, 28bを重ね合わ
せた状態を示しており、固定カムプレート28の溝カム28
bに対してプッシュプレート27の溝カム27bが上下に移動
することにより、溝カム27b, 28bへ挿通されているピッ
キングプレート26のピン31が左右に移動し、これにより
ピッキングプレート26が下部を支点として前後に回動す
る。 【0015】図6及び図7は、テープ把持装置25の動作を
示し、ピッキングプレート26の図示を省略してピン31の
みを示しており、ピン31の位置によりピッキングプレー
ト26の前後動作を表している。図6(a)は初期状態を示
し、プッシュプレート27は圧縮コイルバネにより上昇し
ていて、ピッキングプレート26のピン31はプッシュプレ
ート27の溝カム27bの下端部に入っている。したがっ
て、ピッキングプレート26は図1の状態よりも後退して
いて、テープ支えプレート22から離れている。 【0016】ドライバハンドル23と下ハンドル(図示せ
ず)を閉じてプッシュプレート27を一段階押し下げる
と、図6(b)に示すように、固定カムプレート28の溝カム
28bの凹部とプッシュプレート27の溝カム27bの凹部とが
合致し、ピン31は捩じりコイルバネのバネ力により溝カ
ム27b, 28bの凹部に入り込む。即ち、ピッキングプレー
ト26の上部が手前側へ回動し、図1のようにピッキング
プレート26がテープ支えプレート22に弾接してテープ
(図示せず)の先端部を挟む。そして、前述したよう
に、ハンドル操作を一旦解除することにより、テープが
ドライバハンドル23から引き出されてドライバハンドル
23とクリンチャアーム21との間に張られる。このとき、
ピッキングプレート26の前面の凸部26cがテープをテー
プ支えプレート22へ押し付けているので、引張りテンシ
ョンによりテープが爪26bによる穿孔部分から破れるこ
とがなく、確実にテープを引き出すことができる。 【0017】図8は、ドライバハンドル23とクリンチャ
アーム21との間のテープを、枝と支柱などに掛け回して
から上下のハンドルを握った状態を示し、この状態から
更にハンドルを強く握ると、プッシュプレート27が中間
ロック位置から押し下げられ、図6(c)(d)に示すよう
に、ピッキングプレート26のピン31は、プッシュプレー
ト27の溝カム27bの上部斜面に押されて後退する。これ
は、図8に示すように、カッター刃24の直下にあるピッ
キングプレート26にカッター刃24が衝突することを避け
るためであり、図4(b)に示すようにプッシュプレート27
の溝カム27bの上部斜面は傾斜角度が二段階に変化して
いて、図6(c)に示すように後退動作の前半では急速に後
退し、図6(d)に示す後半の段階ではより低速で後退す
る。 【0018】そして、ドライバハンドル23のステープル
ドライバ33がステープルを射出してテープを閉じる際
に、図7(e)(f)に示すようにピッキングプレート26を後
方の待機位置に保持したままプッシュプレート27が下降
し、ドライバハンドル23のカッター刃24がテープ支えプ
レート22の背面に沿って下降してテープTを切断する。
このとき、図8に示すようにテープはカッター刃24の上
流でドライバハンドル23の先端にあるテープガイド34と
ピッキングプレート26とによって挟まれていて(テープ
ガイド34の中央に形成した溝にピッキングプレート26の
頭部が入り込んでテープを押さえている)、カッター刃
24の下流ではクリンチャ35とステープルマガジン36とに
よって挟まれており、カッター刃24の前後でクランプさ
れているので確実に切断される。また、テープ支えプレ
ート22からピッキングプレート26が離れているので、テ
ープTの先端は拘束されておらず、カッター刃24に押さ
れて下方へ逃げるため、切断されない。 【0019】従来の園芸用結束機においては、テープル
ープの先端部も同時に切断するのでテープ支えプレート
にテープの先端部が残るが、本発明の園芸用結束機1は
テープループの後端のみを切断するのでテープの残滓が
発生することがない。そして、ステープル打込み後に上
下ハンドルの握りを解除すると、プッシュプレート27が
最下降位置から上昇し、図7(g)(h)に示すようにプッシ
ュプレート27の溝カム27bの下端がピッキングプレート2
6のピン31を押して、プッシュプレート27とピッキング
プレート26が図6(a)に示す初期位置に戻る。 【0020】尚、固定カムプレート28の溝カム28bの形
状について説明を補足すると、図4(a)に示すように、溝
カム28bの凹部の下側面を傾斜面とすることで、プッシ
ュプレート押し下げ時の操作荷重を軽減している。ま
た、図5に示すように、固定カムプレート28の溝カム28b
の下側直線部を、プッシュプレート27の溝カム27bの下
側直線部よりも前方へ変位させて、プッシュプレート27
の上昇時にプッシュプレート27の溝カム27bの凹部の角
とピン31とが接触しないようにしている。これは、プッ
シュプレート27の溝カム27bの凹部の角にピン31が当た
ると、ピン31が早期に押し上げられて、図7(g)に示す復
帰行程の途中でピン31が固定カムプレート28の溝カム28
bの凹部に入り込み、ピッキングプレート26が初期位置
に復帰できなくなることがあるためであり、プッシュプ
レート27の溝カム27bの下側直線部の手前側壁面にピン3
1が接触しないようにして上記の不安定動作を防止して
いる。 【0021】尚、この発明は上記の実施形態に限定する
ものではなく、例えば、図9に示すように、ピッキング
プレート26の上部爪部の先端をアール形状とし、テープ
Tを突き刺さずにテープ支えプレート22の溝穴22aへ押し
付けて保持するように構成するなど、この発明の技術的
範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそ
れらの改変されたものに及ぶことは当然である。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の園芸用結
束機は、蔓や枝にかけまわしたテープループの後端のみ
を切断するのでテープの残滓が発生せず、テープの残滓
が積み重なることによるテープピッキング不良や、テー
プの残滓が機構部に詰まって作動不良を起こす虞が解消
される。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の一形態を示し、園芸用結束機の
前部断面図。 【図2】テープ把持装置の分解図。 【図3】クリンチャアームの切欠側面図。 【図4】(a)は固定カムプレートの側面図、(b)はプッシ
ュプレートの側面図。 【図5】固定カムプレートとプッシュプレートの溝カム
を重ね合わせた状態の側面図。 【図6】(a)乃至(d)はテープ把持装置の作動行程図。 【図7】(e)乃至(h)はテープ把持装置の作動行程図。 【図8】テープループを形成した状態を示す園芸用結束
機の前部断面図。 【図9】他の実施形態を示し、園芸用結束機の側面図。 【図10】従来例を示し、園芸用結束機の側面図。 【図11】従来の園芸用結束機の前部断面図。 【図12】従来例を示し、テープループを形成した状態
を示す園芸用結束機の前部断面図。 【符号の説明】 21 クリンチャアーム 22 テープ支えプレート 22a 溝穴 23 ドライバハンドル 24 カッター刃 25 テープ把持装置 26 ピッキングプレート 26a 爪 26b 凸部 27 プッシュプレート 27b 溝カム 27c バネ受け 28 固定カムプレート 28b 溝カム 31 ピン 33 ステープルドライバ 34 テープガイド 35 クリンチャ 36 ステープルマガジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B023 AA02 AA03 AA05 AH01 BB03 3E052 AA50 BA01 CA18 CB05 CB07 FA19 HA13 JA02 LA09 LA13

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ステープラのドライバハンドルの先端に
    テープ引出し口を設け、クリンチャアームにカム駆動式
    ピッキングプレートとテープ支えプレートとからなるテ
    ープ把持装置を設け、ドライバハンドルとクリンチャア
    ームとを閉じると、テープ把持装置がドライバハンドル
    のテープ引出し口から引き出されているテープの先端部
    を捕捉し、ドライバハンドルとクリンチャアームとを開
    いて、ドライバハンドルとクリンチャアームとの間に張
    られたテープを被結束物の周囲に掛け回し、ドライバハ
    ンドルとクリンチャアームとを閉じてテープループの重
    なり部をステープルにより綴じると共に、ドライバハン
    ドルに設けたカッター刃によりテープを切断するように
    構成した園芸用結束機において、テープ把持装置のテー
    プ支えプレートをドライバハンドルに設けたカッター刃
    よりもドライバハンドルとクリンチャアームの枢軸方向
    へ変位させ、且つテープ切断時にピッキングプレートが
    後退してテープ支えプレートから離れるようにカム機構
    を構成したことを特徴とする園芸用結束機。
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