JP2003045902A5 - - Google Patents

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JP2003045902A5
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【書類名】明細書
【発明の名称】 半導体素子搭載用接着フィルム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子を基板に搭載するための接着フィルムであって、
(1)接着剤層のみからなる単層構造、
(2)コア材と、該コア材の表裏両面にそれぞれ形成された接着剤層とからなる2層構造、及び、
(3)ベースフィルムと、該ベースフィルム上に形成された接着剤層とを備える構造
のいずれかの構造を有し、
上記接着剤層は、エポキシ基含有アクリル共重合体及びエポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂からなり、
上記接着剤層は、THF抽出率が80重量%以下の状態であり、
上記THF抽出率は、テトラヒドロフラン中に重量W1の上記接着剤層を浸し、25℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン布で濾過して乾燥した後の重量W2を測定し、下記数式(2)により算出される値であることを特徴とする接着フィルム。
【数1】
Figure 2003045902
【請求項2】
上記接着剤層は、エポキシ樹脂硬化剤を含むことを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項3】
上記エポキシ樹脂硬化剤は、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィッド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物のうちから選ばれることを特徴とする請求項2記載の接着フィルム。
【請求項4】
上記接着剤層は、エポキシ樹脂硬化促進剤を含むことを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項5】
上記接着剤層は、イミダゾール類を含むことを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項6】
上記イミダゾール類は、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、及び、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテートのうちから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項5記載の接着フィルム。
【請求項7】
上記エポキシ基含有アクリル共重合体は、ガラス転移温度が−10℃以上であることを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項8】
上記エポキシ基含有アクリル共重合体は、グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項9】
上記エポキシ基含有アクリル共重合体は、重量平均分子量が80万以上であることを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項10】
上記接着剤層に含まれる残存溶媒量は5重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項11】
上記接着剤層は、示差熱量計を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態である請求項1記載の接着フィルム。
【請求項12】
上記接着剤層は、シランカップリング剤を含むことを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【請求項13】
上記接着剤層は、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の接着剤硬化物の貯蔵弾性率が25℃で10〜2000MPa、260℃で3〜50MPaである接着剤からなることを特徴とする請求項1記載の接着フィルム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、半導体装置、その製造法並びに前記半導体装置の製造に好適に使用される半導体チップ搭載用基板、その製造法、接着剤および両面接着フィルムに関する。
【0002】
(背景技術)
近年、電子機器の小型化、高周波数動作化の動向にともない、これに搭載する半導体パッケージは基板に高密度で実装することが要求され、小型・軽量化が進むとともに、外部端子がパッケージ下部にエリアアレイ状配置されたマイクロBGA(ボールグリッドアレイ)やCSP(チップサイズパッケージ)と呼ばれる小型のパッケージの開発が進められている。
【0003】
これらのパッケージは、2層配線構造を有するガラスエポキシ基板や1層配線構造のポリイミド基板などの有機基板の上に絶縁性接着剤を介してチップを搭載し、チップ側の端子と配線板側端子とがワイヤボンドないしはTAB(テープオートメーテッドボンディング)のインナーボンディング方式で接続され、接続部とチップ上面部ないしは端面部とがエポキシ系封止材ないしはエポキシ系液状封止材で封止し、配線基板裏面にはんだボールなど金属端子がエリアアレイ状に配置されている構造が採用されている。そして、これらのパッケージの複数個が電子機器の基板にはんだリフロー方式で高密度で面付け一括実装する方式が採用されつつある。
【0004】
しかし、これらのパッケージに用いられる絶縁性の接着剤の一例としては、動的粘弾性装置で測定される25℃での貯蔵弾性率が3000MPa以上の液状のエポキシダイボンド材が用いられていて、パッケージを基板に実装した後のはんだボール接続部(2次側)の接続信頼性が悪く、耐温度サイクル信頼性に劣っていた。
【0005】
さらに、他の事例では、絶縁性の接着剤として25℃での貯蔵弾性率が10MPa以下の液状シリコン系エラストマが提案されており、上記した耐温度サイクル性には優れるもものの配線基板表面に対する高温時の接着性に劣り耐吸湿リフロー性に劣るという問題があった。
【0006】
特に、耐リフロー性については両者の事例においても、液状の絶縁性接着剤を有機基板に塗布する過程でボイドを巻き込み易く、ボイドが起点となって、吸湿リフロー時にクラックが進展したり、有機基板が膨れたりする不良モードが観察された。
【0007】
また、電子機器の発達に伴い電子部品の搭載密度が高くなり、低コストが期待できるプリント配線板への半導体のベアチップ実装が進められてきている。
【0008】
半導体チップの実装用基板としてはアルミナ等のセラミック基板が多く用いられてきた。これは、半導体チップの熱膨張係数が約4ppm/℃と小さいので、接続信頼性を確保するために熱膨張係数の比較的小さい実装用基板の使用が求められていたことと、半導体チップが発生する熱を外部へ放熱させやすくするために熱伝導率の比較的高い実装用基板の使用が求められていたことが主な理由であった。このようなセラミック基板への半導体チップ実装には銀ペーストに代表される液状の接着剤が使われている。
【0009】
また、フィルム状接着剤は、フレキシブルプリント配線板等で用いられており、アクリロニトリルブタジエンゴムを主成分とする系が多く用いられている。
【0010】
プリント配線板関連材料としての検討では、吸湿後のはんだ耐熱性を向上させたものとしては、特開昭60−243180号公報に示されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネートおよび無機フィラーを含む接着剤があり、また特開昭61−138680号公報に示されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、分子中にウレタン結合を有する両末端が第1級アミン化合物および無機フィラーを含む接着剤があるが、PCT(プレッシャークッカーテスト)処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合には、劣化が大きく不十分であった。
【0011】
セラミック基板への半導体チップ実装に銀ペースト接着剤を使用すると、銀フィラーの沈降があるため分散が均一ではないこと、ペーストの保存安定性に留意しなければならないこと、半導体チップ実装の作業性がLOC(リードオンチップ)等に比較して劣ることなどの問題があった。
【0012】
また、フィルム状接着剤は、アクリロニトリルブタジエンゴムを主成分とする系が多く用いられているものの、高温で長時間処理した後の接着力の低下が大きいことや、耐電食性に劣ることなどの欠点があった。特に、半導体関連部品の信頼性評価で用いられるPCT処理等の厳しい条件下で耐湿性試験を行った場合の劣化が大きかった。
【0013】
特開昭60−243180号公報、特開昭61−138680号公報に示されるものでは、PCT処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合には、劣化が大きく不十分であった。
【0014】
これらプリント配線板関連材料としての接着剤を用いて半導体チップをプリント配線板に実装する場合には、半導体チップとプリント配線板の熱膨張係数の差が大きくリフロー時にクラックが発生するために使用できなかった。また、温度サイクルテストやPCT処理等の厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合の劣化が大きく、使用できなかった。
(発明の開示)
本発明は、ガラスエポキシ基板やフレキシブル基板等のプリント配線板に熱膨張係数の差が大きい半導体チップを実装する場合に必要な耐熱性、耐電食性、耐湿性を有し、特に、PCT処理等、厳しい条件下での耐湿性試験を行った場合の劣化が小さくなる接着剤、接着フィルムおよびこの接着フィルムを用いて半導体チップと配線板を接着させた半導体装置を提供するものである。
【0015】
また本発明は、有機系支持基板に接着材を介して半導体チップを搭載し、外部端子が基板裏面にエリアアレイ状に配列された半導体装置において、実装後の耐温度サイクル性を向上するとともに、耐吸湿リフロー性を向上する半導体装置、その製造法並びに前記半導体装置の製造に好適に使用される半導体チップ搭載用基板、その製造法、接着剤および両面接着フィルムを提供するものである。
【0016】
本発明の半導体装置は、有機系支持基板に接着部材を介して半導体チップが搭載された半導体装置であって、前記有機系支持基板の半導体チップが搭載される側には所定の配線が形成されており、前記有機系支持基板の半導体チップが搭載される側の反対側には外部接続用端子がエリアアレイ状に形成されており、前記所定の配線は半導体チップ端子及び前記外部接続用端子と接続されており、少なくとも前記半導体チップ端子と所定の配線との接続部が樹脂封止されており、前記接着部材は接着剤層を備えるもので、前記接着剤の動的粘弾性測定装置で測定される25℃の貯蔵弾性率が10〜2000MPaかつ260℃での貯蔵弾性率が3〜50MPaであることを特徴とする。
【0017】
本発明の半導体チップ搭載用基板は、接着部材を介して半導体チップが搭載される有機系基板の半導体チップ搭載用基板であって、前記有機系基板の、半導体チップが搭載される側および半導体チップが搭載される側の反対側の少なくともいずれかの側には所定の配線が形成されており、前記有機系基板の半導体チップが搭載される側の反対側には外部接続用端子がエリアアレイ状に形成されており、前記接着部材は接着剤層を備えるもので、前記接着剤硬化物の動的粘弾性測定装置で測定される25℃の貯蔵弾性率が10〜2000MPaかつ260℃での貯蔵弾性率が3〜50MPaであり、前記接着部材は所定の大きさで前記有機系基板上の所定の箇所に形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体チップ搭載用基板の製造法は、半導体チップが搭載される側および半導体チップが搭載される側の反対側の少なくともいずれかの側には所定の配線が形成され、半導体チップが搭載される側の反対側には外部接続用端子がエリアアレイ状に形成された有機系基板に、動的粘弾性測定装置で測定される硬化物の25℃の貯蔵弾性率が10〜2000MPaかつ260℃での貯蔵弾性率が3〜50MPaである接着剤層を備える接着部材であり前記接着剤がDSC(示差熱量計)を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた半硬化状態のものである接着部材フィルムを、所定の大きさに切断し前記有機系基板上に熱圧着することを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の半導体装置の製造法は、半導体チップが搭載される側および半導体チップが搭載される側の反対側の少なくともいずれかの側には所定の配線が形成され半導体チップが搭載される側の反対側には外部接続用端子がエリアアレイ状に形成された有機系基板の半導体搭載用基板に、動的粘弾性測定装置で測定される硬化物の25℃の貯蔵弾性率が10〜2000MPaかつ260℃での貯蔵弾性率が3〜50MPaである接着剤層を備える接着部材を接着する工程、接着部材を介して半導体チップを搭載する工程、前記所定の配線を半導体チップ端子及び前記外部接続用端子と接続する工程、少なくとも前記半導体チップ端子と所定の配線との接続部を樹脂封止する工程を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明の接着剤は下記のA〜Dの組成よりなる。
A.(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(2)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤。
B.(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(2)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(4)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤。
C.(1)エポキシ樹脂及びフェノール樹脂100重量部に対し、(2)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤。
D.(1)エポキシ樹脂及びフェノール樹脂100重量部に対し、(2)フェノキシ樹脂10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(4)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤。
【0021】
本発明の両面接着フィルムは、下記E〜Hの三層構造のものである。
E.耐熱性熱可塑性フィルムをコア材に用い、コア材の両面に、(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(2)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤を有する三層構造の両面接着フィルム。
F.耐熱性熱可塑性フィルムをコア材に用い、コア材の両面に、(1)エポキシ樹脂及びその硬化剤100重量部に対し、(2)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(4)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤を有する三層構造の両面接着フィルム。
G.耐熱性熱可塑性フィルムをコア材に用い、コア材の両面に、(1)エポキシ樹脂及びフェノール樹脂100重量部に対し、(2)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(3)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤を有する三層構造の両面接着フィルム。
H.耐熱性熱可塑性フィルムをコア材に用い、コア材の両面に、(1)エポキシ樹脂及びフェノール樹脂100重量部に対し、(2)フェノキシ樹脂10〜40重量部、(3)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体100〜300重量部ならびに(4)硬化促進剤0.1〜5重量部を含む接着剤を有する三層構造の両面接着フィルム。
【0022】
本発明の半導体装置に於いて、所定の配線は半導体チップ端子と、ワイヤボンド又はTAB(テープオートメーテッドボンディング)のインナーボンディング方式等により直接に接続することができる。
【0023】
本発明の半導体装置で接着部材はフィルム状であることが好ましく、接着部材は接着剤層を備えるもので、接着剤の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル共重合体、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂硬化促進剤を含むものが使用される。
【0024】
接着部材は、コア材としてポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドまたはポリエーテルイミドフィルム等のガラス転移温度が200℃以上の耐熱性熱可塑性フィルムを使用し、そのコア材の両面に接着剤層が形成された構造のものが好ましい。耐熱性熱可塑性フィルムとして液晶ポリマフィルムも使用される。接着剤層の中の残存溶媒量は5重量%以下が好ましい。
【0025】
本発明の半導体チップ搭載用基板に於いて、接着部材はフィルム状であることが好ましく、接着部材は接着剤層を備えるもので、接着剤の樹脂成分としては、エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル共重合体、エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂硬化促進剤を含むものが使用される。
【0026】
接着部材は、コア材としてポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドまたはポリエーテルイミドフィルム等のガラス転移温度が200℃以上の耐熱性熱可塑性フィルムを使用し、そのコア材の両面に接着剤層が形成された構造のものが好ましい。耐熱性熱可塑性フィルムとして液晶ポリマフィルムも使用される。接着剤層の中の残存溶媒量は5重量%以下が好ましい。
【0027】
有機系基板上の所定の箇所に形成された接着部材は所定の大きさに打ち抜き用金型で打ち抜かれたフィルムが使用され、有機系基板上の所定の箇所に形成された接着部材は、その接着部材の接着剤がDSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた半硬化状態のフィルムであり、所定の大きさに切断された後前記有機系基板上に熱圧着される。
【0028】
本発明の半導体チップ搭載用基板の製造法に於いて、切断した接着部材フィルムは、個々に精密位置決め後、熱プレスで仮接着し、複数の接着部材フィルムを多連の有機系基板に載置した後、加熱した離型表面処理金型で押圧し一括して接着することができる。離型表面処理金型の表面離型材はテフロン(登録商標)及びシリコーンの少なくとも一種が好ましい。接着部材フィルムの搬送時に発生する静電気を除くエリミノスタット工程を接着部材フィルム切断工程前に少なくとも1工程加えることができる。
【0029】
本発明の半導体装置の製造法に於いて、半導体搭載用基板の下面側と半導体チップ側の両面から加熱し、少なくともチップ側の温度を高くすることができる。
【0030】
本発明の接着剤に於いて、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態にして使用するのが好ましく、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の接着剤硬化物の貯蔵弾性率が25℃で10〜2000MPaであり、260℃で3〜50MPaであることが好ましい。
【0031】
無機フィラーが、接着剤樹脂成分100体積部に対して2〜20体積部使用され、無機フィラーはアルミナ、シリカが好ましい。
【0032】
接着剤をベースフィルム上に形成して接着フィルムとし、この接着フィルムを用いて半導体チップと配線板を接着させ半導体装置を得るこができる。
【0033】
本発明の両面接着フィルムに於いて、接着剤はDSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態にして使用するのが好ましく、動的粘弾性測定装置を用いて測定した場合の接着剤硬化物の貯蔵弾性率が25℃で10〜2000MPaであり、260℃で3〜50MPaであることが好ましい。無機フィラーが、接着剤樹脂成分100体積部に対して2〜20体積部使用され、無機フィラーはアルミナ、シリカが好ましい。
【0034】
コア材に用いる耐熱性熱可塑性フィルムはガラス転移温度200℃以上であるものが好ましく、このようなガラス転移温度200℃以上の耐熱性熱可塑性フィルムとしては、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミドまたはポリエーテルイミドフィルムが好ましい。コア材に用いる耐熱性熱可塑性フィルムとして液晶ポリマフィルムも使用される。
【0035】
従来の技術で述べた課題を解決するために、まず有機配線基板上に絶縁性接着剤を介して半導体チップを搭載し、チップ側端子と配線板側端子とが金ワイヤボンディングで接続され、はんだボール外部端子が基板裏面にエリアアレイ状に配列された半導体パッケージについて、これに用いる絶縁性接着剤の物性とマザーボード実装後の耐温度サイクル性との関係をFEM弾塑性解析手法を用いて調べた。
【0036】
その結果、チップのCTE(線熱膨張係数:3.5ppm)とマザーボードのCTE(14〜18ppm)との差から生ずる基板はんだボール外部端子部にかかる応力は絶縁性接着剤の弾性率Eを低下させるほど少なくなり、動的粘弾性測定装置で測定される、弾性率Eが2000MPa以下、望ましくは1000MPa以下であれば、再外周部のはんだ端子の相当歪みは十分小さく、Coffin−Manson則に当てはめても、−55℃〜125℃の温度サイクルで1000サイクル以上の疲労寿命があることがわかった。
【0037】
逆に、通常のエポキシ系ダイボンディング材の弾性率Eは3000MPa以上であり、はんだボールの耐温度サイクル信頼性に対して問題があることがわかった。
【0038】
一方、絶縁性接着剤の弾性率Eをシリコンエラストマ程度の10MPa以下に下げると、リフロー温度の上限温度260℃では弾性率Eは測定限界を越えるほど小さくなり、強度メンバーとしての機能がなくなる領域になり、基板表面およびシリコンチップとの接着保持を期待できなくなる。剪断接着強度の温度依存性は弾性率の温度依存性と同様の傾向があり、温度が高くなるほど小さくなる。すなはち、リフロー温度260℃での弾性率Eが少なくとも3MPa以上ないと剪断接着強度が期待できない。リフロー温度260℃でチップあるいは基板との界面に剥離が生ずれば、その後に実施する耐温度サイクル試験での金ワイヤー断線不良や耐湿性試験での腐食断線不良に至る。
【0039】
したがって、チップを有機配線基板に搭載するための絶縁性接着剤(接着剤硬化物)の常温時の弾性率としては10〜2000MPaの範囲、望ましくは50〜1500MPa、最も望ましくは100〜1000MPaの範囲、リフロー温度260℃での弾性率としては3〜50MPaの範囲のものを使用することが、耐温度サイクル性および耐吸湿リフロー性を満足するための条件であることがわかった。
【0040】
上記した弾性率の温度依存性を持つ各種熱硬化性樹脂を探索した結果、エポキシ基含有アクリル共重合体が、その範囲の物性を具現できる好適な接着剤であることがわかった。
【0041】
さらに、耐吸湿リフロー性を劣化させる要因として、有機配線基板と絶縁性接着剤との界面に発生するボイドがある。液状の熱硬化性接着剤を少量滴下させ塗布する通常の方式では、ボイドを巻き込み易く、吸湿リフロー時にクラック、基板膨れの原因になる。
【0042】
そこで、上記したエポキシ含有アクリル共重合体をフィルム状に加工し、残存溶媒量を5%以下、望ましくは2%以下に乾燥するとともに、DSC(示差熱量計)を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%のB−ステージ硬化状態にした接着フイルムを、所定の寸法に切断し、有機配線基板に熱プレスにて貼付けて、半導体搭載用基板を得る。
【0043】
その後、チップを搭載・熱圧着し、ワイヤーボンディング工程、封止工程をへて、パッケージ完成品を得る。
【0044】
このようにして得られたパッケージは、チップおよび基板との界面に隙間やボイドが発生しにくいが、チップの熱圧着時に半導体搭載用基板側のみならずチップ側の両面からも加熱するほうがチップと接着剤との界面に隙間が発生しにくく、基板の配線部間に樹脂が充分に埋め込まれ、耐吸湿リフロー性が向上することを見いだした。さらに、上記した接着フィルムの残存溶媒量を5%以下望ましくは2%以下にコントロールすれば、接着フィルムの硬化過程で気泡が発生し、耐吸湿リフロー性が低下するようなことがないことを見いだした。
【0045】
上記した物性を持つ接着フィルムの適用は、チップ側端子と配線板側端子とが金ワイヤボンディングで接続され、外部端子が基板裏面にエリアアレイ状に配列された半導体パッケージについてのみならず、チップ側端子と配線板側端子とがTAB(テープオートメーテッドボンディング)のインナーボンディング方式で接続されたパッケージ(チップ側端子と配線板側端子とが直接接続された方式のパッケージ)にも同じ作用と効果があり、半導体チップが接着剤を介して有機配線基板に接着されている構造を持つエリアアレイパッケージ全ての耐温度サイクル性および耐吸湿リフロー性を同時に満足する。外部接続用端子はエリアアレイ状、すなわち、基板裏面の、全面に格子状にまたは周辺部に一列あるいは数列配置されている。
【0046】
有機配線基板としては、BT(ビスマレイミド)基板、ガラスエポキシ基板などFR−4基板であっても、ポリイミドフィルム基板など基板材質に限定されない。また、上記した接着フィルムは上記した物性を持つ熱硬化性接着剤で形成することも出来るが、テープとして巻いたり、送ったりする時の剛性を確保するために、ポリイミドフィルムの両面に塗布した3層構造にしてもよい。上記した同じ作用と効果があることを見いだした。
【0047】
接着フィルムの有機配線基板への接着方法は、接着フィルムを所定の形状に切断し、その後、切断させたフィルムの正確な位置合わせを行い、有機配線基板に熱圧着する。
【0048】
接着フィルムの切断方法は、フィルムを所定の形状に正確に切断する方法ならいずれの方法でも良いが、作業性、貼り付け性を考えると、打ち抜き金型を用いて接着フィルムを切断し、その後有機配線基板に仮圧着、または本圧着させるのが好ましい。
【0049】
切断された接着フィルムの有機配線基板への熱圧着は、接着フィルム切断後、プレス材に吸引により吸着させ位置合わせを正確に行った後、有機配線基板上に仮圧着し、その後熱プレスで本圧着する方法と、打ち抜き用金型で接着フィルムを打ち抜き後仮圧着し、その後熱プレスで本圧着する方法がある。また、打ち抜き金型を用いた場合は、打ち抜き金型で打ち抜かれたテープをそのまま本圧着する方法がある。
【0050】
仮圧着は打ち抜かれた接着テープが有機配線基板に接着すれば良く、特に条件は限定しない。
【0051】
本圧着時の接着フィルムの圧着温度は30〜250℃が好ましく、70〜150℃が更に好ましい。圧着温度圧が30℃以下では接着フィルムの弾性率が高く、接着力が低いばかりか、有機配線基板の配線上に接着させる時には、配線の周りへの接着剤の埋め込み性が悪く好ましくない。接着温度が250℃以上では配線が酸化され、また有機配線基板が柔らかくなり作業性上好ましくない。
【0052】
本圧着の圧力は1〜20kg/cm2が好ましく、3〜10kg/cm2が更に好ましい。圧着圧力が1kg/cm2以下では接着フィルムの接着力、配線周りの埋め込み性が悪く、20kg/cm2以上では接着剤が所定の位置以外にはみ出し接着剤の寸法精度が悪くなる。
【0053】
本圧着時間は前記圧着温度、圧着時間で接着出来る時間なら良いが、作業性を考えると0.3〜60秒が好ましく、0.5〜10秒が更に好ましい。
【0054】
本圧着用熱プレスは接着剤がプレス表面に接着しない様に表面に離型剤したものが好ましく、特にテフロン(登録商標)、シリコーンを用いたものが離型性や作業性上好ましい。
【0055】
本発明において使用されるエポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであればよい。二官能以上で、好ましくは分子量が5000未満、より好ましくは3000未満のエポキシ樹脂が使用される。特に、分子量が500以下のビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂を用いると積層時の流動性を向上することができて好ましい。分子量が500以下のビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エピコート807、エピコート827、エピコート828という商品名で市販されている。また、ダウケミカル日本株式会社からは、D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361という商品名で市販されている。さらに、東都化成株式会社から、YD128、YDF170という商品名で市販されている。
【0056】
エポキシ樹脂としては、高Tg(ガラス転移温度)化を目的に多官能エポキシ樹脂を加えてもよく、多官能エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。
【0057】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、日本化薬株式会社から、EPPN−201という商品名で市販されている。また、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、住友化学工業株式会社から、ESCN−001、ESCN−195という商品名で、また、前記日本化薬株式会社から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN1027という商品名で市販されている。また、エポキシ樹脂として、ブロム化エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(例えば住友化学工業株式会社製商品名ESB−400)、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(例えば日本化薬株式会社製商品名BREN−105,BREN−S)等が使用できる。
【0058】
エポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられているものを使用でき、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィッド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れるためフェノール樹脂であるフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂等を用いるのが好ましい。
【0059】
このような好ましいとした硬化剤は、大日本インキ化学工業株式会社から、フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH4150、フェノライトVH4170という商品名で市販されている。また、硬化剤として、ブロム化フェノール化合物であるテトラブロモビスフェノールA(帝人化成株式会社製商品名ファイヤーガードFG−2000)等が使用できる。
【0060】
硬化剤とともに硬化促進剤を用いるのが好ましく、硬化促進剤としては、各種イミダゾール類を用いるのが好ましい。イミダゾールとしては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。
【0061】
イミダゾール類は、四国化成工業株式会社から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
【0062】
エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としては、フェノキシ樹脂、高分子量エポキシ樹脂、超高分子量エポキシ樹脂、極性の大きい官能基含有ゴム、極性の大きい官能基含有反応性ゴムなどが挙げられる。Bステージにおける接着剤のタック性の低減や硬化時の可撓性を向上させるため重量平均分子量が3万以上とされる。前記極性の大きい官能基含有反応性ゴムは、アクリルゴムにカルボキシル基のような極性が大きい官能基を付加したゴムが挙げられる。ここで、エポキシ樹脂と相溶性があるとは、硬化後にエポキシ樹脂と分離して二つ以上の相に分かれることなく、均質混和物を形成する性質を言う。
【0063】
フェノキシ樹脂は、東都化成株式会社から、フェノトートYP−40、フェノトートYP−50、フェノトートYP−60等の商品名で市販されている。高分子量エポキシ樹脂は、分子量が3万〜8万の高分子量エポキシ樹脂、さらには、分子量が8万を超える超高分子量エポキシ樹脂(特公平7−59617号、特公平7−59618号、特公平7−59619号、特公平7−59620号、特公平7−64911号、特公平7−68327号公報参照)があり、何れも日立化成工業株式会社で製造している。極性の大きい官能基含有反応性ゴムとして、カルボキシル基含有アクリルゴムは、帝国化学産業株式会社から、HTR−860Pという商品名で市販されている。
【0064】
上記エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂の添加量は、エポキシ樹脂を主成分とする相(以下エポキシ樹脂相という)の可撓性の不足、タック性の低減やクラック等による絶縁性の低下を防止するため10重量部以上、エポキシ樹脂相のTgの低下を防止するため40重量部以下とされる。
【0065】
グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含む、Tgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体は、帝国化学産業株式会社から市販されている商品名HTR−860P−3を使用することができる。官能基モノマーが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タイプのヒドロキシメチル(メタ)アクリレートを用いると、架橋反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇による接着力の低下等の問題があるため好ましくない。また、官能基モノマーとして用いるグリシジル(メタ)アクリレートの量は、2〜6重量%の共重合体比とする。接着力を得るため、2重量%以上とし、ゴムのゲル化を防止するために6重量%以下とされる。残部はエチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレートまたは両者の混合物を用いることができるが、混合比率は、共重合体のTgを考慮して決定する。Tgが−10℃未満であるとBステージ状態での接着フィルムのタック性が大きくなり取扱性が悪化するので、−10℃以上とされる。重合方法はパール重合、溶液重合等が挙げられ、これらにより得ることができる。
【0066】
エポキシ基含有アクリル系共重合体の重量平均分子量は、80万以上とされ、この範囲では、シート状、フィルム状での強度や可撓性の低下やタック性の増大が少ないからである。
【0067】
上記エポキシ基含有アクリル系共重合体添加量は、フィルムの強度の低下やタック性が大きくなるのを防止するため100重量部以上とされ、エポキシ基含有アクリルゴムの添加量が増えると、ゴム成分の相が多くなり、エポキシ樹脂相が少なくなるため、高温での取扱い性の低下が起こるため、300重量部以下とされる。
【0068】
接着剤には、異種材料間の界面結合をよくするために、カップリング剤を配合することもできる。カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましい。
【0069】
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0070】
前記したシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがNUC A−187、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがNUC A−189、γ−アミノプロピルトリエトキシシランがNUC A−1100、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランがNUC A−1160、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランがNUC A−1120という商品名で、いずれも日本ユニカー株式会社から市販されており、好適に使用することができる。
【0071】
カップリング剤の配合量は、添加による効果や耐熱性およびコストから、樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部を添加するのが好ましい。
【0072】
さらに、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を配合することができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加による効果や耐熱性、コストより、5〜10重量部が好ましい。イオン捕捉剤としては、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤を配合することもできる。ビスフェノール系還元剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)等が挙げられる。
【0073】
トリアジンチオール化合物を成分とする銅害防止剤は、三協製薬株式会社から、ジスネットDBという商品名で市販されている。またビスフェノール系還元剤を成分とする銅害防止剤は、吉富製薬株式会社から、ヨシノックスBBという商品名で市販されている。
【0074】
さらに、接着剤の取扱い性や熱伝導性をよくすること、難燃性を与えること、溶融粘度を調整すること、チクソトロピック性を付与すること、表面硬度の向上などを目的として、無機フィラーを接着剤樹脂成分100体積部に対して2〜20体積部配合することが好ましい。配合の効果の点から配合量が2体積部以上、配合量が多くなると、接着剤の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こすので20体積部以下とされる。
【0075】
無機フィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素粉末、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが挙げられる。
【0076】
熱伝導性をよくするためには、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。
【0077】
この内、アルミナは、放熱性が良く、耐熱性、絶縁性が良好な点で好適である。また、結晶性シリカまたは非晶性シリカは、放熱性の点ではアルミナより劣るが、イオン性不純物が少ないため、PCT処理時の絶縁性が高く、銅箔、アルミ線、アルミ板等の腐食が少ない点で好適である。
【0078】
難燃性を与えるためには、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等が好ましい。
【0079】
溶融粘度の調整やチクソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。
【0080】
表面硬度の向上に関しては、短繊維アルミナ、ほう酸アルミウイスカ等が好ましい。
【0081】
本発明の接着フィルムは、接着剤の各成分を溶剤に溶解ないし分散してワニスとし、ベースフィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することにより、接着剤層をベースフィルム上に形成して得られる。ベースフィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムが使用できる。ベースフィルムは、使用時に剥離して接着フィルムのみを使用することもできるし、ベースフィルムとともに使用し、後で除去することもできる。
【0082】
本発明で用いるプラスチックフィルムとしては、例えば、カプトン(東レ、デュポン株式会社製商品名)、アピカル(鐘淵化学工業株式会社製商品名)等のポリイミドフィルム、ルミラー(東レ、デュポン株式会社製商品名)、ピューレックス(帝人株式会社製商品名)等のポリエチレンテレフタレートフィルムなどを使用することができる。
【0083】
ワニス化の溶剤は、比較的低沸点の、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。また、塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加えても良い。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0084】
ワニスの製造は、無機フィラーの分散を考慮した場合には、らいかい機、3本ロール及びビーズミル等により、またこれらを組み合わせて行なうことができる。フィラーと低分子量物をあらかじめ混合した後、高分子量物を配合することにより、混合に要する時間を短縮することも可能となる。また、ワニスとした後、真空脱気によりワニス中の気泡を除去することが好ましい。
【0085】
上記プラスチックフィルム等のベースフィルム上に接着剤ワニスを塗布し、加熱乾燥して溶剤を除去するが、これにより得られる接着剤は、DSCを用いて測定した全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態とされる。溶剤を除去する際に加熱するが、この時、接着剤組成物の硬化反応が進行しゲル化してくる。その際の硬化状態が接着剤の流動性に影響し、接着性や取扱い性を適正化する。DSC(示差走査熱分析)は、測定温度範囲内で、発熱、吸熱の無い標準試料との温度差をたえず打ち消すように熱量を供給または除去するゼロ位法を測定原理とするものであり、測定装置が市販されておりそれを用いて測定できる。樹脂組成物の反応は、発熱反応であり、一定の昇温速度で試料を昇温していくと、試料が反応し熱量が発生する。その発熱量をチャートに出力し、ベースラインを基準として発熱曲線とベースラインで囲まれた面積を求め、これを発熱量とする。室温から250℃まで5〜10℃/分の昇温速度で測定し、上記した発熱量を求める。これらは、全自動で行なうものもあり、それを使用すると容易に行なうことができる。つぎに、上記ベースフィルムに塗布し、乾燥して得た接着剤の発熱量は、つぎのようにして求める。まず、25℃で真空乾燥器を用いて溶剤を乾燥させた未硬化試料の全発熱量を測定し、これをA(J/g)とする。つぎに、塗工、乾燥した試料の発熱量を測定し、これをBとする。試料の硬化度C(%)(加熱、乾燥により発熱を終えた状態)は、つぎの数式(1)で与えられる。
【0086】
C(%)=(A−B)×100/A …(1)
本発明の接着剤の動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率は、25℃で20〜2,000MPaで、260℃で3〜50MPaという低弾性率でなければならない。貯蔵弾性率の測定は、接着剤硬化物(DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の95〜100%の発熱を終えた接着剤)に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/分で−50℃から300℃まで測定する温度依存性測定モードで行った。25℃での貯蔵弾性率が2,000MPaを超えるものでは、半導体チップとプリント配線板の熱膨張係数の差によってリフロー時に発生する応力を緩和させる効果が小さくなるためクラックを発生させてしまう。一方、貯蔵弾性率が20MPa未満では、接着剤の取扱性が悪くなる。好ましくは50〜1000MPaである。
【0087】
本発明は、エポキシ基含有アクリル系共重合体とエポキシ樹脂系接着剤において、室温付近での弾性率が低いことを特徴としている。エポキシ基含有アクリル系共重合体は、室温付近での弾性率が低いため、エポキシ基含有アクリル系共重合体の混合比を大きくすることで、半導体チップとプリント配線板の熱膨張係数の差に起因して、リフロー時の加熱冷却過程で発生する応力を緩和する効果によりクラックを抑制することができる。また、エポキシ基含有アクリル系共重合体はエポキシ樹脂との反応性に優れるため、接着剤硬化物が化学的、物理的に安定するためPCT処理に代表される耐湿性試験に優れた性能を示す。また、下記の方法により、従来の接着フィルムの強度の低下、可撓性の低下、タック性の増大等取り扱い性の点での問題を解決した。
1)本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合体を使用することにより、リフロー時のクラック発生を抑制できる。
2)分子量の大きいアクリル系共重合体を使用することで共重合体の添加量が少ない場合でも、接着フィルムのフィルム強度、可撓性を確保できる。
3)エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量3万以上の高分子量樹脂を加えることで、タック性を低減することができる。
【0088】
さらに、本発明の接着剤では、エポキシ樹脂と高分子量樹脂とが相溶性が良く均一になっており、アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基がそれらと部分的に反応し、未反応のエポキシ樹脂を含んで全体が架橋してゲル化するために、それが流動性を抑制し、エポキシ樹脂等を多く含む場合においても取扱い性を損なうことがない。また、未反応のエポキシ樹脂がゲル中に多数残存しているため、圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分がしみだすため、全体がゲル化した場合でも、接着性の低下が少なくなる。
【0089】
接着剤の乾燥時には、エポキシ基含有アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基やエポキシ樹脂がともに反応するが、エポキシ基含有アクリル系共重合体は分子量が大きく、1分子鎖中にエポキシ基が多く含まれるため、反応が若干進んだ場合でもゲル化する。通常、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10から40%の発熱を終えた状態、すなわちAまたはBステージ前半の段階でゲル化がおこる。そのため、エポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態でゲル化しており、溶融粘度がゲル化していない場合に比べて、大幅に増大しており、取扱い性を損なうことがない。また圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分がしみだすため、ゲル化した場合でも、接着性の低下が少ない。さらに、接着剤がエポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態でフィルム化できるため、接着フィルムのライフ(有効使用期間)が長くなるという利点がある。
【0090】
従来のエポキシ樹脂系接着剤ではBステージの後半から、Cステージ状態で初めてゲル化が起こり、ゲル化が起こった段階でのエポキシ樹脂等の未反応成分が少ないため、流動性が低く、圧力がかかった場合でも、ゲル中よりしみだす未反応成分が少ないため、接着性が低下する。
【0091】
なお、アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基と低分子量のエポキシ樹脂のエポキシ基の反応しやすさについては明らかではないが、少なくとも同程度の反応性を有していればよく、アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基のみが選択的に反応するものである必要はない。
【0092】
なおこの場合、A、B、Cステージは、接着剤の硬化の程度を示す。Aステージはほぼ未硬化でゲル化していない状態であり、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の0〜20%の発熱を終えた状態である。Bステージは若干硬化、ゲル化が進んだ状態であり全硬化発熱量の20〜60%の発熱を終えた状態である。Cステージはかなり硬化が進み、ゲル化した状態であり、全硬化発熱量の60〜100%の発熱を終えた状態である。
【0093】
ゲル化の判定については、THF(テトラヒドロフラン)等の浸透性の大きい溶剤中に接着剤を浸し、25℃で20時間放置した後、接着剤が完全に溶解しないで膨潤した状態にあるものをゲル化したと判定した。なお、実験的には、以下のように判定した。
【0094】
THF中に接着剤(重量W1)を浸し、25℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン布で濾過し、これを乾燥した後の重量を測定(重量W2)した。THF抽出率(%)をつぎの数式(2)のように算出した。THF抽出率が80重量%を越えるものをゲル化していないとし、80重量%以下のものをゲル化していると判定した。
Figure 2003045902
【0095】
本発明では、フィラーを添加することにより、溶融粘度が大きくでき、さらにチクソトロピック性を発現できるために、上記効果をさらに大きくすることが可能となる。
【0096】
さらに、上記の効果に加えて、接着剤の放熱性向上、接着剤に難燃性を付与、接着時の温度において適正な粘度をもたせること、表面硬度の向上等の特性も付与できる。本発明の接着フィルムを用いて半導体チップと配線板を接着させた半導体装置は、耐リフロー性、温度サイクルテスト、耐電食性、耐湿性(耐PCT性)等に優れていた。
【0097】
本発明でコア材に用いられる耐熱性熱可塑性フィルムは、ガラス転移温度Tgが200℃以上のポリマまたは液晶ポリマを用いたフィルムであることが好ましく、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドまたは全芳香族ポリエステルなどが好適に用いられる。フィルムの厚みは、5〜200μmの範囲内で用いるのが好ましいが、限定するものではない。Tgが200℃以下の熱可塑性フィルムをコア材に用いた場合は、はんだリフロー時などの高温時に塑性変形を起こす場合があり、好ましくない。
【0098】
本発明でコア材の両面に形成される接着剤は、接着剤の各成分を溶剤に溶解ないし分散してワニスとし、コア材となる耐熱性熱可塑性フィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することにより作製することができ、接着剤層をコア材となる耐熱性熱可塑性フィルム上に形成することにより三層構造の両面接着フィルムを得ることができる。接着剤の厚みは、2〜150μmの範囲で用いられ、これより薄いと接着性や熱応力緩衝効果に乏しく、厚いと経済的でなくなるが、制限するものでない。
【0099】
また、接着剤の各成分を溶剤に溶解ないし分散してワニスとし、このワニスをベースフィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することにより接着剤成分のみからなる接着フィルムを作製し、この接着剤成分のみからなる接着フィルムをコア材となる耐熱性熱可塑性フィルムの両面に貼り合わせることにより三層構造の両面接着フィルムを得ることもできる。ここで、接着剤成分のみからなる接着フィルムを作製するためのベースフィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチックフィルムが使用できる。プラスチックフィルムとしては、例えば、カプトン(東レ、デュポン株式会社製商品名)、アピカル(鐘淵化学工業株式会社製商品名)等のポリイミドフィルム、ルミラー(東レ、デュポン株式会社製商品名)、ピューレックス(帝人株式会社製商品名)等のポリエチレンテレフタレートフィルムなどを使用することができる。
【0100】
ワニス化の溶剤は、比較的低沸点の、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。また、塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加えても良い。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
【0101】
ワニスの製造は、無機フィラーの分散を考慮した場合には、らいかい機、3本ロール及びビーズミル等により、またこれらを組み合わせて行なうことができる。フィラーと低分子量物をあらかじめ混合した後、高分子量物を配合することにより、混合に要する時間を短縮することも可能となる。また、ワニスとした後、真空脱気によりワニス中の気泡を除去することが好ましい。
【0102】
上記接着剤は、コア材となる耐熱性熱可塑性フィルムまたはプラスチックフィルム等のベースフィルム上に接着剤ワニスを塗布し、加熱乾燥して溶剤を除去することにより得られるが、これにより得られる接着剤は、DSCを用いて測定した全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた状態とするのが好ましい。溶剤を除去する際に加熱するが、この時、接着剤組成物の硬化反応が進行しゲル化してくる。その際の硬化状態が接着剤の流動性に影響し、接着性や取扱い性を適正化する。DSC(示差走査熱分析)は、測定温度範囲内で、発熱、吸熱の無い標準試料との温度差をたえず打ち消すように熱量を供給または除去するゼロ位法を測定原理とするものであり、測定装置が市販されておりそれを用いて測定できる。樹脂組成物の反応は、発熱反応であり、一定の昇温速度で試料を昇温していくと、試料が反応し熱量が発生する。その発熱量をチャートに出力し、ベースラインを基準として発熱曲線とベースラインで囲まれた面積を求め、これを発熱量とする。室温から250℃まで5〜10℃/分の昇温速度で測定し、上記した発熱量を求める。これらは、全自動で行なうものもあり、それを使用すると容易に行なうことができる。
【0103】
上記コア材となる耐熱性熱可塑性フィルムまたはベースフィルムに塗布し、乾燥して得た接着剤の発熱量は、つぎのようにして求める。まず、接着剤成分のみを取り出し、25℃で真空乾燥器を用いて溶剤を乾燥させた未硬化試料の全発熱量を測定し、これをA(J/g)とする。つぎに、塗工、乾燥した試料の発熱量を測定し、これをBとする。試料の硬化度C(%)(加熱、乾燥により発熱を終えた状態)は、つぎの数式(1)で与えられる。
【0104】
C(%)=(A−B)×100/A …(1)
本発明の接着剤成分の動的粘弾性測定装置で測定した貯蔵弾性率は、25℃で20〜2,000MPaで、260℃で3〜50MPaという低弾性率であることが好ましい。貯蔵弾性率の測定は、接着剤硬化物に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/分で−50℃から300℃まで測定する温度依存性測定モードで行った。25℃での貯蔵弾性率が2,000MPaを超えるものでは、半導体チップとプリント配線板の熱膨張係数の差によってリフロー時に発生する応力を緩和させる効果が小さくなるためクラックを発生させてしまう。一方、貯蔵弾性率が20MPa未満では、取扱性が悪くなる。
【0105】
本発明では、コア材に耐熱性熱可塑性フィルムを用いる三層構造をとることで、エポキシ基含有アクリル系共重合体とエポキシ樹脂系接着剤において、室温付近での弾性率が低いことに起因する接着フィルムの取り扱い性を容易にすることを特徴としている。すなわち、本発明の三層構造により、室温付近での剛性のない接着フィルムの位置合せ等の作業を容易に自動化することができ、しかも、本接着剤系の優れた熱応力緩和効果を発現することができる。本発明では、下記の方法により、従来の低弾性率接着フィルムの剛性の低下等による取り扱い性の点での問題を解決した。
1)コア材に耐熱性熱可塑性フィルムを配した三層構造をとることで低弾性率の接着剤をフィルム状で容易に取り扱うことができる。
2)本発明で規定したコア材となる耐熱性熱可塑性フィルムを用いることにより、リフロー時の接着フィルムの塑性変形を抑制できる。
【0106】
さらに、本発明では、エポキシ樹脂と高分子量樹脂とが相溶性が良く均一になっており、アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基がそれらと部分的に反応し、未反応のエポキシ樹脂を含んで全体が架橋してゲル化するために、それが流動性を抑制し、エポキシ樹脂等を多く含む場合においても取扱い性を損なうことがない。また、未反応のエポキシ樹脂がゲル中に多数残存しているため、圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分がしみだすため、全体がゲル化した場合でも、接着性の低下が少なくなる。
【0107】
接着剤の乾燥時には、エポキシ基含有アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基やエポキシ樹脂がともに反応するが、エポキシ基含有アクリル系共重合体は分子量が大きく、1分子鎖中にエポキシ基が多く含まれるため、反応が若干進んだ場合でもゲル化する。通常、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10から40%の発熱を終えた状態、すなわちAまたはBステージ前半の段階でゲル化がおこる。そのため、エポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態でゲル化しており、溶融粘度がゲル化していない場合に比べて、大幅に増大しており、取扱い性を損なうことがない。また圧力がかかった場合、ゲル中より未反応成分がしみだすため、ゲル化した場合でも、接着性の低下が少ない。さらに、接着剤がエポキシ樹脂等の未反応成分を多く含んだ状態でフィルム化できるため、接着フィルムのライフ(有効使用期間)が長くなるという利点がある。
【0108】
従来のエポキシ樹脂系接着剤ではBステージの後半から、Cステージ状態で初めてゲル化が起こり、ゲル化が起こった段階でのエポキシ樹脂等の未反応成分が少ないため、流動性が低く、圧力がかかった場合でも、ゲル中よりしみだす未反応成分が少ないため、接着性が低下する。
【0109】
なお、アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基と低分子量のエポキシ樹脂のエポキシ基の反応しやすさについては明らかではないが、少なくとも同程度の反応性を有していればよく、アクリル系共重合体に含まれるエポキシ基のみが選択的に反応するものである必要はない。
【0110】
なおこの場合、A、B、Cステージは、接着剤の硬化の程度を示す。Aステージはほぼ未硬化でゲル化していない状態であり、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の0〜20%の発熱を終えた状態である。Bステージは若干硬化、ゲル化が進んだ状態であり全硬化発熱量の20〜60%の発熱を終えた状態である。Cステージはかなり硬化が進み、ゲル化した状態であり、全硬化発熱量の60〜100%の発熱を終えた状態である。
【0111】
ゲル化の判定については、THF(テトラヒドロフラン)等の浸透性の大きい溶剤中に接着剤を浸し、25℃で20時間放置した後、接着剤が完全に溶解しないで膨潤した状態にあるものをゲル化したと判定した。なお、実験的には、以下のように判定した。
【0112】
THF中に接着剤(重量W1)を浸し、25℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン布で濾過し、これを乾燥した後の重量を測定(重量W2)した。THF抽出率(%)をつぎの数式(2)のように算出した。THF抽出率が80重量%を越えるものをゲル化していないとし、80重量%以下のものをゲル化していると判定した。
Figure 2003045902
【0113】
本発明では、フィラーを添加することにより、溶融粘度が大きくでき、さらにチクソトロピック性を発現できるために、上記効果をさらに大きくすることが可能となる。
【0114】
さらに、上記の効果に加えて、接着剤の放熱性向上、接着剤に難燃性の付与、接着時の温度において適正な粘度をもたせること、表面硬度の向上等の特性も付与できる。
( 図面の簡単な説明)
図1(a)は本発明による単層の熱硬化性接着フィルムの断面図、図1(b)は本発明による3層接着フィルムの断面図である。
【0115】
図2は、接着部材を有機配線基板に熱圧着した半導体搭載用基板の断面図である。
【0116】
図3は、接着部材を有機配線基板に熱圧着した半導体搭載用基板の断面図である。
【0117】
図4は、本発明の半導体装置の断面図である。
【0118】
図5は、本発明の半導体装置の他の例の断面図である。
【0119】
図6は、半導体搭載用基板および半導体装置の一実施例の製造工程を示す断面図である。
【0120】
図7は、半導体搭載用基板および半導体装置の他の実施例の製造工程を示す断面図である。
【0121】
図8は、本発明の半導体装置の他の例の断面図である。
(発明を実施するための最良の形態)
以下、図面に基づき本発明の各種実験例について説明する。
実験例1
図1(a)は単層の熱硬化性接着フィルムの断面図であり、動的粘弾性装置で測定されるその硬化物の25℃における弾性率が10から2000MPaの範囲であり、かつ260℃における弾性率が3から50MPaの範囲で規定され、DSC(示差熱量計)を用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた半硬化状態の熱硬化性接着剤1からなる。熱硬化性接着フイルム内に残存する溶媒量を2%以下に乾燥されたエポキシ基含有アクリル共重合体フィルムを用いた。
【0122】
図1(b)は熱硬化性接着剤1をポリイミドフィルム2の両面に塗工された3層の接着フィルムの断面図を示す。この例ではポリイミドフィルムとして宇部興産製の50μm厚のユーピレックス(商品名)を用いた。
【0123】
図2はワイヤボンディング方式で半導体端子部と配線基板側端子部とを接続するのに好適な、接着部材3を有機配線基板4に熱圧着した半導体搭載用基板の断面図、図3はTABのインナーボンディング方式で半導体端子部と配線板側端子部と接続するのに好適な、接着部材3をテープ状配線基板5に熱圧着した半導体搭載用基板の断面図である。図4は図2の半導体搭載用基板にチップ6をフェイスアップで接着し、半導体端子部と配線板側端子部とがワイヤ7によりワイヤボンディングされ、封止材で封止されてなる半導体装置の断面図、図5は図3の半導体搭載用基板にチップ6をフェイスダウンで接着したのちTABのインナーボンディング方式で半導体端子部と基板側端子部とが接続され、チップ6端面が液状封止材8で封止されてなる半導体装置の断面図である。なお、図8に示すように、配線9を基板の半導体チップ搭載側とは反対側に形成してもよい。この場合、外部接続端子12は、半導体チップ搭載側とは反対の側に形成された配線9の表面に形成される。また、配線9の露出部分は、レジスト11により覆われる。
【0124】
図6に半導体搭載用基板および半導体装置の製造工程を示す。
【0125】
動的粘弾性装置で測定されるその硬化物の25℃における弾性率が10から2000MPaの範囲であり、かつ260℃における弾性率が3から50MPaの範囲で規定され、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた半硬化状態の熱硬化性接着剤1で構成される熱硬化性接着テープ(接着部材)3を所定の大きさに切断プレスで切断する(図6(a))。
【0126】
切断された熱硬化性接着テープ3を、1層のCu配線が施され、外部はんだ端子用スルーホールが形成されたポリイミドフィルム基板(有機配線基板)4上面に精密に位置合わせした後、熱プレスにて熱圧着し半導体搭載用基板を得る(図6(b))。
【0127】
この例では、熱硬化性接着フィルムの切断、およびポリイミドフィルム基板への精密位置決め搭載及び仮固定は個々に行い、その後、搭載した熱硬化性接着フィルムを一括して熱プレスにて本圧着して7連のフレーム状半導体搭載用基板を得た。さらにこの例では、熱硬化性接着フィルム3を切断する工程の前に、帯電した空気を吹き付けるエリミノスタット(静電気除去)工程を実施し、帯電した絶縁性のフィルムが切断工程時に治具に貼り付くことを防止した。また、さらに仮接着ならびに一括して本接着をする際の熱硬化性接着フィルム3に接触する熱プレスの上型にはテフロン(登録商標)ないしはシリコンの離型表面処理を施し、熱硬化性フィルムが上型に粘着することを防止した。こうして得られた多連半導体搭載用フレーム基板に半導体チップ6をフェイスアップにて精密位置決め搭載し、熱プレスにて加圧し接着するチップマウント工程を経る。この例では半導体チップ側の加熱温度を少なくとも半導体搭載用基板側より高く設定し、両面から加熱・圧着した。
【0128】
その後、半導体チップ側の端子部と基板側端子部とを金線でワイヤボンディングするワイヤボンディング工程(図6(c))、およびエポキシ系封止材にてトランスファーモールド成形して封止する封止工程(図6(d))、そしてはんだボールを搭載しリフロー工程をへて外部端子9を形成するはんだボール形成工程をへて、本発明による半導体装置を得た(図6(e))。封止材8として日立化成製ビフェニル系エポキシ封止材CEL−9200(商品名)を用いた。
実験例2
1層のCu配線が施され、外部はんだ端子用スルーホールが形成されたポリイミドフィルム配線基板(実験例1で使用したのと同じ)上面に、エポキシ樹脂を主成分とし、その硬化物のDMA(動的粘弾性測定装置)で測定される25℃の弾性率が3000MPaの絶縁性液状接着剤をダイボンド装置にて滴下・塗布し、半導体チップを精密に位置決めし搭載した。その後、クリーンオーブン内で所定の硬化時間を経たのち、実験例1と同じワイヤボンディング工程、封止工程、及びはんだボール形成工程をへて半導体装置を得た。
実験例3
実験例1で使用したのと同じポリイミド配線基板に、シリコン樹脂を主成分としその硬化物の25℃の弾性率が10MPaであり、かつ260℃における弾性率が測定不可能なほど小さい絶縁性液状接着剤、をダイボンド装置にて滴下・塗布し、半導体チップを搭載し、その後、実験例1と同じ工程をへて半導体装置を得た。
実験例4
図7に半導体搭載用基板および半導体装置の製造工程を示す。
【0129】
動的粘弾性装置で測定されるその硬化物の25℃における弾性率が10から2000MPaの範囲であり、かつ260℃における弾性率が3から50MPaの範囲で規定され、DSCを用いて測定した場合の全硬化発熱量の10〜40%の発熱を終えた半硬化状態の熱硬化性接着剤1で構成される熱硬化性接着テープ(接着部材)3を所定の大きさに切断プレスで切断する(図7(a))。
【0130】
切断された熱硬化性接着テープ3を、1層のCu配線が施され、TABテープ同様のインナーリード部と外部はんだ端子用のスルーホールが形成されたポリイミドフィルム基板5の上面に精密に位置合わせした後、熱プレスにて熱圧着して半導体搭載用基板を得た(図7(b))。
【0131】
この例では、実験例1に記載された切断工程前の静電気除去工程、および熱プレス上型面への離型表面処理を施した同じ工程にて、多連半導体搭載用フレーム基板を得た。
【0132】
その後、半導体搭載用フレーム基板に半導体チップ6をフェイスダウンで精密位置合わせして順次搭載し、熱プレスにて熱圧着した(図7(c))。その後、基板側端子であるCuインナーリード部10を個々にTABインナーリードボンダー(この例ではシングルポイントボンダー)を用いて、チップ側の端子部に接続するインナーリードボンディングを経て(図7(d))、チップ端面とポリイミドフィルム基板5の上面とをエポキシ系液状封止材8をディスペンスにて被覆し(図7(e))、所定の加熱・硬化時間を経て、半導体装置を得た(図7(f))。この例では、インナーリード部にはCuの上にSnめっきが施されたものを用い、半導体端子部にはAuめっきバンプが形成されているものを用いてAu/Sn接合により接続した。
実験例5
1層のCu配線が施され、TABテープのインナーリード部と外部はんだ端子用のスルーホールが形成された実験例4と同じポリイミドフィルム基板の上面に、エポキシ樹脂を主成分とし、その硬化物のDMAで測定される25℃の弾性率が3000MPaの絶縁性液状接着剤をダイボンド装置にて滴下・塗布し、半導体チップを精密に位置決めし搭載した。しかし、樹脂がインナーボンディング部にまで流れ、その後のインナーボンディングができなかったが、そのまま実験例4と同様にチップ端面をエポキシ樹脂を主体とする液状封止材で封止し、はんだボールを形成した比較品を得た。
実験例6
1層のCu配線が施され、TABテープのインナーリード部と外部はんだ端子用のスルーホールが形成された実験例4と同じポリイミドフィルム基板の上面に、シリコン樹脂を主成分としその硬化物の25℃の弾性率が10MPaであり、かつ260℃における弾性率が測定不可能なほど小さい絶縁性液状接着剤、をダイボンド装置にて滴下・塗布し、実験例4と同様に半導体チップを搭載した。しかし、樹脂がインナーボンディング部にまで流れ、その後のインナーボンディングができなかったが、そのまま実験例4と同様にチップ端面をエポキシ樹脂を主体とする液状封止材で封止し、はんだボールを形成した比較品を得た。
実験例7
シリコン樹脂を主成分としその硬化物の25℃の弾性率が10MPaであり、かつ260℃における弾性率が測定不可能なほど小さい絶縁性液状接着剤をテフロン(登録商標)板に注型し、その後、所定の加熱温度・時間により硬化させて、低弾性のフィルムを得た。このフィルムの両面に実験例5に記載したエポキシ樹脂を主体とする熱硬化性接着剤を両面に塗布し、1層のCu配線が施されTABテープのインナーリード部と外部はんだ端子用のスルーホールが形成された実験例4と同じポリイミドフィルム基板の上面に、熱プレスで熱圧着し、その後、半導体チップをフェイスダウンで接着した後、実験例4に記載したインナーリードボンディング工程、封止工程をへてはんだボールを形成した比較品を得た。
実験例1〜7の半導体装置について、耐吸湿リフロー試験を実施するとともに、FR−4配線基板にリフロー実装した各半導体装置について耐温度サイクル試験を実施した結果を表1に示す。吸湿リフロー試験については、吸湿前と85℃85%RHの条件下で24時間および48時間吸湿させたのち最高温度240℃のIRリフローを実施した試験品中の剥離、クラックをSAT(超音波探査探傷装置)で調べた結果を表示した。また、各サンプルの耐温度サイクル試験は、基板実装後に−25℃(30分、air)〜150℃(30分、air)の温度サイクルを実施したのち、パッケージ外部端子のはんだボールの接続抵抗を4端子法で測定し、50mΩ以上になったものを不良とした。
【表1】
Figure 2003045902
【0133】
(注)
耐リフロー性
○:チップ6および有機配線基板4、5と熱硬化性接着剤3との界面に剥離およびボイドが極めて少なく、SAT(超音波探査探傷装置)で検知できない。
△:熱硬化性接着剤3の塗布時に有機配線基板の配線間への埋め込みが充分でなくボイドが観察され、その箇所から剥離が進展しているものが、サンプル10中2〜3。
×:上記した剥離がパッケージ外部にまで至り、リフロー後はパッケージに膨れ、クラックが観察されるもがサンプル10中10。剥離してワイヤーボンディング部やインナーリード部の断線にまで至るものが観察される。
耐温度サイクル性
○:はんだボール接続部の接続抵抗が変化しない。
×:はんだボール接続部の接続抵抗が50mΩを越える端子が1つでも存在する。
−:インナーボンディングが出来ず、接続抵抗を測定できない。評価不可。
実験例8
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量200、油化シェルエポキシ株式会社製のエピコート828を使用)45重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量220、住友化学工業株式会社製のESCN001を使用)15重量部、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製のプライオーフェンLF2882を使用)40重量部、エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としてフェノキシ樹脂(分子量5万、東都化成株式会社製のフェノトートYP−50を使用)15重量部、エポキシ基含有アクリルゴムとしてエポキシ基含有アクリルゴム(分子量100万、帝国化学産業株式会社製のHTR−860P−3を使用)150重量部、硬化促進剤として硬化促進剤1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−CN)0.5重量部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製のNUC A−187を使用)0.7重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて撹拌混合し、真空脱気した。得られたワニスを、厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が80μmのBステージ状態の塗膜を形成し接着フィルムを作製した。
【0134】
なおこの状態での接着剤の硬化度は、DSC(デュポン社製912型DSC)を用いて測定(昇温速度、10℃/分)した結果、全硬化発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。また、THF中に接着剤(重量W1)を浸し、25℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン布で濾過し、これを乾燥した後の重量を測定(重量W2)し、THF抽出率(=(W1−W2)×100/W1)を求めたところ、THF抽出率は35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(レオロジ製、DVE−V4)を用いて測定(サンプルサイズ 長さ20mm、幅4mm、膜厚80μm、昇温速度5℃/分、引張りモード 自動静荷重)した結果、25℃で360MPa、260℃で4MPaであった。
実験例9
実験例8で用いたフェノキシ樹脂を、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(分子量40万、日本合成ゴム株式会社製のPNR−1を使用)に変更したほか、実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。なお、この状態での接着剤の硬化度は、DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で300MPa、260℃で3MPaであった。
実験例10
実験例8の接着剤ワニスの接着剤固形分100体積部に対してシリカを10体積部添加し、ビーズミルで60分間混練したワニスを用いて実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、30重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で1,500MPa、260℃で10MPaであった。
実験例11
実験例8で用いたフェノキシ樹脂を用いないこと以外実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で350MPa、260℃で4MPaであった。
実験例12
実験例8のエポキシ基含有アクリルゴムの量を150重量部から50重量部にしたこと以外は実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、40重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を、動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で3,000MPa、260℃で5MPaであった。
実験例13
実験例8のエポキシ基含有アクリルゴムの量を150重量部から400重量部にしたこと以外は実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、30重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で200MPa、260℃で1MPaであった。
実験例14
実験例8のエポキシ基含有アクリルゴムの150重量部をフェノキシ樹脂に変更(フェノキシ樹脂160重量部)した他、実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。この接着フィルムの全硬化発熱量は20%であり、THF抽出率は、90重量%であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で3,400MPa、260℃で3MPaであった。
実験例15
実験例8のエポキシ基含有アクリルゴムをアクリロニトリルブタジエンゴムに変更した他は、実験例1と同様にして接着フィルムを作製した。この接着フィルムの全硬化発熱量は、20%、THF抽出率は、90重量%であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で500MPa、260℃で2MPaであった。
得られた接着フィルムを用いて作製した半導体装置について、耐熱性、耐電食性、耐湿性を調べた。耐熱性の評価方法には、半導体チップと厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用いたフレキシブルプリント配線板を接着フィルムで貼り合せた半導体装置サンプル(片面にはんだボールを形成)の耐リフロークラック性と温度サイクル試験を適用した。耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIR(赤外線)リフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックの観察で行った。クラックの発生していないものを良好とし、発生していたものを不良とした。温度サイクル試験は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、破壊が起きるまでのサイクル数を示した。また、耐電食性の評価は、FR−4基板にライン/スペース=75/75μmのくし形パターンを形成し、この上に接着フィルムを貼り合せたサンプルを作製し、85℃/85%RH/DC6V印加の条件下で1,000時間後の絶縁抵抗値を測定することにより行った。絶縁抵抗値が10Ω以上を示したものを良好とし、10Ω未満であったものを不良とした。また、耐湿性評価は、半導体装置サンプルをプレッシャークッカーテスター中で96時間処理(PCT処理)後接着フィルムの剥離及び変色を観察することにより行った。接着フィルムの剥離及び変色の認められなかったものを良好とし、剥離のあったもの又は変色のあったものを不良とした。その結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2003045902
【0135】
実験例8、9及び10は、いずれも、エポキシ樹脂及びその硬化剤、エポキシ樹脂と相溶性の高分子量樹脂、エポキシ基含有アクリル系共重合体、硬化促進剤をともに含む接着剤であり、実験例11は、エポキシ樹脂及びその硬化剤、エポキシ基含有アクリル系共重合体、硬化促進剤をともに含む接着剤であり、本発明で規定した25℃及び260℃での貯蔵弾性率を示している。これらは、耐リフロークラック性、温度サイクル試験、耐電食性、耐PCT性が良好であった。
【0136】
実験例12は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合体の量が少ないため貯蔵弾性率が高く応力を緩和できずに耐リフロークラック性、温度サイクルテストでの結果が悪く信頼性に劣る。また、実験例13は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合体の量が多すぎるため貯蔵弾性率が低く良好であるが、接着フィルムの取扱性が悪い。実験例14は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合体を含まない組成であるため貯蔵弾性率が高く実験例2と同様、応力を緩和できずに耐リフロークラック性、温度サイクルテストでの結果が悪い。実験例15は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合体を含まず、それ以外のゴム成分を含み25℃での貯蔵弾性率が低いが耐電食性に劣る結果を示した。
実験例16
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量200、油化シェルエポキシ株式会社製商品名のエピコート828を使用)45重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量220、住友化学工業株式会社製商品名のESCN001を使用)15重量部、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名のプライオーフェンLF2882を使用)40重量部、エポキシ樹脂と相溶性がありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂としてフェノキシ樹脂(分子量5万、東都化成株式会社製商品名のフェノトートYP−50を使用)15重量部、エポキシ基含有アクリル系共重合体としてエポキシ基含有アクリルゴム(分子量100万、帝国化学産業株式会社製商品名のHTR−860P−3を使用)150重量部、硬化促進剤として硬化促進剤1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(キュアゾール2PZ−CN)0.5重量部、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製商品名のNUC A−187を使用)0.7重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気した。得られたワニスを、厚さ50μmのプラズマ処理を施したポリイミドフィルム上に塗布し、130℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が50μmのBステージ状態の塗膜を形成し片面接着フィルムを作製した。つぎに、この片面接着フィルムのポリイミドフィルムの接着剤を塗布していない面に同じワニスを塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が50μmのBステージ状態の塗膜を形成し三層構造の両面接着フィルムを作製した。
【0137】
なおこの状態での接着フィルムの接着剤成分の硬化度は、DSC(デュポン社製商品名912型DSC)を用いて測定(昇温速度、10℃/分)した結果、全硬化発熱量の15%の発熱を終えた状態であった。また、THF中に接着剤(重量W1)を浸し、25℃で20時間放置した後、非溶解分を200メッシュのナイロン布で濾過し、これを乾燥した後の重量を測定(重量W2)し、THF抽出率(=(W1−W2)×100/W1)を求めたところ、THF抽出率は35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で360MPa、260℃で4MPaであった。
実験例17
実験例16で用いたフェノキシ樹脂を、カルボキシル基含有アクリロニトリルブタジエンゴム(分子量40万、日本合成ゴム株式会社製商品名のPNR−1を使用)に変更したほか、実験例1と同様にして三層構造の両面接着フィルムを作製した。なお、この状態での接着フィルムの接着剤成分の硬化度は、DSCを用いて測定した結果、全硬化発熱量の20%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で300MPa、260℃で3MPaであった。
実験例18
実験例16で用いた接着剤ワニスを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が50μmのBステージ状態の塗膜を形成し、コア材となる耐熱性熱可塑性フィルムに貼り合わせるための接着フィルムを作製した。この接着フィルムを厚さ50μmのプラズマ処理を施したポリイミドフィルムの両面に真空ラミネータを用いて、ラミネータロール温度80℃、送り速度0.2m/分、線圧5kgのラミネート条件で貼り合わせることにより三層構造の両面接着フィルムを作製した。なお、この状態での接着フィルムの接着剤成分の硬化度は、DSCを用いて測定した結果全硬化発熱量の20%の発熱を終えた状態であった。THF抽出率は、35重量%であった。さらに、接着剤硬化物の貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて測定した結果、25℃で360MPa、260℃で4MPaであった。
実験例19
実験例16で用いた接着剤ワニスを厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が75μmのBステージ状態の塗膜を形成して接着フィルムを作製した。この接着フィルムを2枚用い、実験例8と同様のラミネート条件で貼り合わせて、コア材を用いない接着フィルムを作製した。得られた接着フィルムの接着剤成分の全硬化発熱量は20%であり、THF抽出率は35重量%であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で360MPa、260℃で4MPaであった。
実験例20
実験例16のコア材となる耐熱性熱可塑性フィルムとして用いたポリイミドフィルムをポリプロピレンフィルムに変更した他は、実験例1と同様にして三層構造の両面接着フィルムを作製した。この接着フィルムの接着剤成分の全硬化発熱量は、20%、THF抽出率は、35重量%であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で360MPa、260℃で4MPaであった。
実験例21
実験例16のエポキシ基含有アクリル系共重合体をフェノキシ樹脂に変更した他(フェノキシ樹脂165重量部)、実験例1と同様にして三層構造の両面接着フィルムを作製した。この接着フィルムの接着剤成分の全硬化発熱量は20%であり、THF抽出率は、90重量%であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で3,400MPa、260℃で3MPaであった。
実験例22
実験例16のエポキシ基含有アクリル系共重合体をアクリロニトリルブタジエンゴムに変更した他は、実験例1と同様にして三層構造の両面接着フィルムを作製した。この接着フィルム接着剤成分の全硬化発熱量は、20%、THF抽出率は、90重量%であった。また、貯蔵弾性率は、25℃で500MPa、260℃で2MPaであった。
【0138】
得られた接着フィルムについて、耐熱性、耐電食性、耐湿性を調べた。耐熱性の評価方法には、半導体チップとプリント配線板を三層構造の両面接着フィルムで貼り合せたサンプルの耐リフロークラック性と温度サイクル試験を適用した。耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックの観察で行った。クラックの発生していないものを良好とし、発生していたものを不良とした。温度サイクル試験は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、破壊が起きるまでのサイクル数を示した。また、耐電食性の評価は、FR−4基板にライン/スペース=75/75μmのくし形パターンを形成し、この上に接着フィルムを貼り合せたサンプルを作製し、85℃/85%RH/DC6V印加の条件下で1,000時間後の絶縁抵抗値を測定することにより行った。絶縁抵抗値が10Ω以上を示したものを良好とし、10Ω未満であったものを不良とした。また、耐湿性評価は、耐熱性評価サンプルをプレッシャークッカーテスター中で96時間処理(PCT処理)後接着フィルムの剥離及び変色を観察することにより行った。接着フィルムの剥離及び変色の認められなかったものを良好とし、剥離のあったもの又は変色のあったものを不良とした。その結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2003045902
【0139】
実験例16,17,18は、何れも、コア材に耐熱性熱可塑性フィルムを用いた三層構造の両面接着フィルムであり、接着剤成分にエポキシ樹脂及びその硬化剤、エポキシ樹脂と相溶性の高分子量樹脂、エポキシ基含有アクリル系共重合体をともに含ため、本発明で規定した25℃及び260℃での貯蔵弾性率を示している。これらは、取り扱い性に優れ、耐リフロークラック性、温度サイクル試験、耐電食性、耐PCT性が良好であった。
【0140】
実験例19は、本発明で規定したコア材に耐熱性熱可塑性フィルムを用いた三層構造の両面接着フィルムではないため、取り扱い性に劣っていた。実験例20は、コア材に耐熱性に劣るポリプロピレンフィルムを用いたため、耐リフロー性及び温度サイクル試験結果に劣っていた。実験例21は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリル系共重合体を含まない組成であったために、規定した25℃での貯蔵弾性率を超えた高い値を示しており、耐リフロークラック性及び温度サイクル試験結果に劣っていた。実験例22は、本発明で規定したエポキシ基含有アクリルゴムを含まずに規定した25℃での貯蔵弾性率に合わせていたために、耐電食性や耐PCT性に劣る結果を示した。
(産業上の利用可能性)
本発明により、耐吸湿リフロー性に優れ、かつマザーボードに実装した状態での耐温度サイクル性に優れる半導体パッケージを製造することができる。
【0141】
本発明の接着剤及び接着フィルムは、室温付近での弾性率が低いために、ガラスエポキシ基板やポリイミド基板に代表されるリジッドプリント配線板及びフレキシブルプリント配線板に半導体チップを実装した場合の熱膨張係数の差がもとで起きる加熱冷却時の熱応力を緩和させることができる。そのため、リフロー時のクラックの発生が認められず、耐熱性に優れている。また、エポキシ基含有アクリル系共重合体を低弾性率成分として含んでおり、耐電食性、耐湿性、特にPCT処理等厳しい条件下で耐湿試験を行なった場合の劣化が少なく優れた特徴を有する接着材料を提供することができる。
【0142】
本発明のコア材に耐熱性熱可塑性フィルムを用いた三層構造の両面接着フィルムは、接着剤層の室温付近での弾性率が低いにもかかわらず、取扱性に優れ、しかも、ガラスエポキシ基板やポリイミド基板に代表されるリジッドプリント配線板及びフレキシブルプリント配線板に半導体チップを実装した場合の熱膨張係数の差がもとで起きる加熱冷却時の熱応力を緩和させることができる。そのため、リフロー時のクラックの発生が認められず、耐熱性に優れている。また、エポキシ基含有アクリル系共重合体を低弾性率成分として含んでおり、耐電食性、耐湿性、特にPCT処理等厳しい条件下で耐湿試験を行なった場合の劣化が少なく優れた特徴を有する接着材料を提供することができる。
【0143】
本発明の、外部端子が基板裏面にエリアアレイ状に配列された半導体パッケージは特に携帯機器やPDA用途の小型電子機器に搭載されるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1(a)は本発明による単層の熱硬化性接着フィルムの断面図、図1(b)は本発明による3層接着フィルムの断面図である。
【図2】
図2は、接着部材を有機配線基板に熱圧着した半導体搭載用基板の断面図である。
【図3】
図3は、接着部材を有機配線基板に熱圧着した半導体搭載用基板の断面図である。
【図4】
図4は、本発明の半導体装置の断面図である。
【図5】
図5は、本発明の半導体装置の他の例の断面図である。
【図6】
図6は、半導体搭載用基板および半導体装置の一実施例の製造工程を示す断面図である。
【図7】
図7は、半導体搭載用基板および半導体装置の他の実施例の製造工程を示す断面図である。
【図8】
図8は、本発明の半導体装置の他の例の断面図である。


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