JP2003045330A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JP2003045330A
JP2003045330A JP2001226470A JP2001226470A JP2003045330A JP 2003045330 A JP2003045330 A JP 2003045330A JP 2001226470 A JP2001226470 A JP 2001226470A JP 2001226470 A JP2001226470 A JP 2001226470A JP 2003045330 A JP2003045330 A JP 2003045330A
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light
wavelength
panel
transmittance
shadow mask
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Fumiaki Nihei
史章 二瓶
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性材料に透過率分布をもつパターンの形成
された光量分布調整フィルターの透過率の差に起因する
濃度差が転写されにくく、かつ、大きさ・輪郭の揃った
マトリクスホールの形成を可能とする露光装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】感光性材料21に対向して配置されたシャ
ドウマスク4の開孔に対応するパターンを焼き付ける光
を照射する光源部41と、光源部41から放射された光
41Aにより照射されるパネル1内面での光量分布を調
整する光量分布調整フィルター45と、光源部41とシ
ャドウマスク4との間に配置され波長365nm以外の
光を遮断する波長選択型コーティング層を有する光学部
材50a、b、cと、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、露光装置に係
り、特に、写真印刷法によりパネルの内面に蛍光体スク
リーンを形成する場合に用いられるカラー陰極線管の蛍
光面形成用露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インライン型カラー陰極線管のうち、テ
レビの受像用として利用される通常のカラー陰極線管に
ついては、シャドウマスクは、ブリッジを介して一列状
に配列されたほぼ矩形状の複数の開孔を有しており、こ
れらの開孔の配列に対応して、蛍光体スクリーンの光吸
収層及び3色蛍光体層は、ストライプ状に形成されてい
る。
【0003】これに対して、情報端末機などのディスプ
レイ用として利用される高精細インライン型カラー陰極
線管は、シャドウマスクは、円形状の複数の開孔を有し
ており、これらの開孔に対応して、蛍光体スクリーン
は、マトリクスホール(隙間)を円形とするマトリクス
状光吸収層と、この光吸収層のマトリクスホールに埋め
込まれた円形ドット状の3色蛍光体層とを備えたドット
マトリクス型となっている。
【0004】従来、カラー陰極線管の蛍光体スクリーン
は、シャドウマスクをフォトマスクとする写真印刷法に
より形成されている。ドットマトリクス型蛍光体スクリ
ーンについては、最初にパネルの内面にマトリクス状光
吸収層を形成し、ついで、そのマトリクスホールに3色
蛍光体層を形成する方法で形成されている。
【0005】パネルの内面に蛍光体スクリーンを形成す
るために塗布されたフォトレジストや感光性蛍光体スラ
リなどの感光性材料に、シャドウマスクの円形状開孔に
対応するパターンを焼付けるときに用いられる露光装置
は、例えば図12に示すように、支持台22を備えてい
る。この支持台22は、感光性材料21が形成され、か
つシャドウマスク4が装着されたパネル1を位置決め支
持する。
【0006】支持台22の下部には、この支持台22に
位置決め支持されたパネル1に対して、カラー陰極線管
の電子銃構体から放出される一列配置の3電子ビームに
対応する位置に移動可能に設けられた光源部23、この
光源部23とパネル1に装着されたシャドウマスク4と
の間に光源部23から放射された光24の軌道を電子銃
構体から放出される電子ビームの軌道に近似させる一対
のサイドビームに対応したΔS補正レンズ25、偏向中
心の移動にともなう補正をおこなうγ−ΔP補正レンズ
26、パネル1の内面に対する光量分布を調整する透過
率分布をもつパターンの形成された光量分布調整フィル
ター27などが配置されている。
【0007】光源部23は、直管状の超高圧水銀ランプ
などを光源29とし、この光源29が光透過窓を有する
水冷方式のライトハウス30内に収容されている。光源
29の近くには、実質的に光源29の大きさ規制する開
孔31の形成された遮光部32が配置されている。ま
た、ライトハウス30の光透過窓には、平板状のガラス
板33が配置されている。
【0008】上述した蛍光体スクリーンの形成過程で
は、図5に示すように、波長300nm乃至400nm
付近に吸光率55のピークを有するフォトレジストが使
用される。このとき、光源には、波長220nm乃至6
00nmの範囲にわたる波長の光56を放射する水銀ラ
ンプが用いられる。主に、露光用には波長365nmの
光56aが使用されている。また、全面の露光光量の不
足を補うために波長365nm未満の光の透過率の高い
石英ガラス製の光学部材を用いて露光をおこない、実際
には複数の波長の光をフォトレジストの露光に使用する
ことも行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、カラ
ー陰極線管の蛍光体スクリーンは、シャドウマスクをフ
ォトマスクとする写真印刷法により形成される。特に、
情報処理端末機などに用いられる高精細インライン型カ
ラー陰極線管のドットマトリクス型蛍光面については、
最初にマトリクス状光吸収層を形成し、ついで、そのマ
トリクスホールに3色蛍光体層を形成する方法で形成さ
れている。
【0010】この写真印刷法による蛍光体スクリーン形
成方法では、パネルの内面に形成されたフォトレジスト
や感光性蛍光体スラリなどの感光性材料にシャドウマス
クの開孔に対応するパターンを焼付けるとき、露光装置
が用いられる。
【0011】シャドウマスク方式のカラー陰極線管にお
いては、近年のパネル外面の平坦化にともない、パネル
の中央部に対して周辺部のガラスの肉厚が厚くなる傾向
にある。このため、均一な輝度を得るために光吸収層の
マトリクスホールを中央部に対して周辺部を大きくする
する必要が有る。
【0012】一方で、カラー陰極線管の奥行き(管軸方
向の長さ)の短縮化にともない、露光装置の光源部とシ
ャドウマスクとの距離が短縮し、感光性材料に照射され
る光の照度の中央部と周辺部との差が増大する傾向にあ
る。
【0013】この露光装置における中央部と周辺部との
照度差の解消、及び目標となる光吸収層のマトリクスホ
ール径の分布を得るには、露光装置における光量分布調
整フィルターの透過率分布を変えることにより調整可能
であるが、このような光量分布調整フィルターは、中央
部と周辺部との透過率の差が大きくなり、感光性材料に
その透過率の差に起因する濃度差が転写されるようにな
る。また、透過率の小さくなる中央部においては、光量
分布調整フィルターの無透過部分の増加にともない、光
の回折現象が強まり、シャドウマスクの円形状開孔に対
応する円形ドットパターンをフォトレジストに感光する
際、マトリクスホールの大きさにばらつきが生じる。さ
らに、光量分布調整フィルターを所定の透過率分布にす
ることが難しくなるなどの問題が生じる。
【0014】また、フォトレジストの露光には、フォト
レジストの反応する光の感度から単一波長ではなく、複
数の波長に対して反応が進む。これにより、シャドウマ
スクの円形状開孔を通過した光源からの光は、波長によ
ってフォトレジスト層に届く光の強さに差が生じ、マト
リクスホールの輪郭を不均一にする原因となっている。
【0015】そこで、この発明は、上述した問題点に鑑
みなされたものであって、感光性材料に透過率分布をも
つパターンの形成された光量分布調整フィルターの透過
率の差に起因する濃度差が転写されにくく、かつ、大き
さ・輪郭の揃ったマトリクスホールの形成を可能とする
カラー陰極線管の蛍光面形成用露光装置を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1は、カラー陰極線管のパネル
の内面に塗布された感光性材料を露光するカラー陰極線
管の蛍光面形成用露光装置において、前記感光性材料に
前記感光性材料に対向して配置されたシャドウマスクの
開孔に対応するパターンを焼き付ける光を照射する光源
部と、前記光源部から放射された光により照射される前
記パネル内面での光量分布を調整する光量分布調整フィ
ルターと、前記光源部と前記シャドウマスクとの間に配
置され、波長365nm以外の光を遮断する波長選択型
コーティング層を有する光学部材と、を備えたことを特
徴とする。
【0017】請求項2は、カラー陰極線管のパネルの内
面に塗布された感光性材料を露光するカラー陰極線管の
蛍光面形成用露光装置において、前記感光性材料に前記
感光性材料に対向して配置されたシャドウマスクの開孔
に対応するパターンを焼き付ける光を照射する光源部
と、前記光源部から放射された光により照射される前記
パネル内面での光量分布を調整する光量分布調整フィル
ターと、前記光源部と前記シャドウマスクとの間に配置
され、波長365nm未満の光を遮断する波長選択型コ
ーティング層を有する光学部材と、を備えたことを特徴
とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明のカラー陰極線管
の蛍光面形成用露光装置の一実施の形態について図面を
参照して説明する。
【0019】図9に示すように、カラー陰極線管は、真
空外囲器9を備えている。この真空外囲器9は、水平軸
(X軸)を長軸、垂直軸(Y軸)を短軸として、水平軸
(X軸)方向に延びる長辺と垂直軸(Y軸)方向に延び
る短辺とを有するとともに周縁にスカート部1aを有し
外面がほぼ矩形状のパネル1と、パネル1のスカート部
1aに連接されたファンネル2と、ファンネル2の小径
部に連接された円筒状のネック5と、を有している。
【0020】蛍光体スクリーン3は、パネル1の内面の
矩形状有効領域に配置されている。この蛍光体スクリー
ン3は、図10の(a)及び(b)に示すように、ドッ
ト状の多数の赤(R)、緑(G)、青(B)にそれぞれ
発光する3色蛍光体層11R、11G、11Bと、これ
ら蛍光体層の隙間に配置された黒色の光吸収層11Kと
を備えている。
【0021】色選別機構であるシャドウマスク4は、真
空外囲器9内において蛍光体スクリーン3から管軸(Z
軸)方向に所定間隔離れて対向して配設されている。こ
のシャドウマスク4は、図示しないマスクフレームの外
壁に固定された複数の弾性支持体をパネル1のスカート
部1aの内面に埋設された複数のスタッドピンに係合さ
せることにより、パネル1の内側に着脱自在に支持され
ている。
【0022】なお、パネル1を含む真空外囲器9及びシ
ャドウマスク4は、パネル1の中心及び電子銃構体7を
通って延びる管軸Z、管軸Zと直交して延びる長軸(水
平軸)Xと、管軸Z及び長軸Xと直交して延びる短軸
(垂直軸)Yと、を有している。
【0023】インライン型電子銃構体7は、ネック5の
内部に配設されている。この電子銃構体7は、同一水平
面上を通るセンタービーム6Gおよびその両側の一対の
サイドビーム6B,6RからなるX軸(水平)方向に一
列に配置された3電子ビーム6(B,G,R)をZ軸
(管軸)方向に放出する。電子銃構体7から出射された
3本の電子ビーム6B,6G,6Rは、シャドウマスク
4の電子ビーム通過孔に入射する角度がそれぞれ異なる
ため、目的のドット状の蛍光体層にランディングして所
定の色に発光させる。
【0024】偏向ヨーク8は、ネック5からファンネル
2にかけてその外周に装着されている。この偏向ヨーク
8は、電子銃構体7から放出された電子ビーム6B、6
G、6Rを水平軸方向及び垂直軸方向に偏向する非斉一
な偏向磁界を発生するための水平偏向コイル、及び垂直
偏向コイルを含んで構成されている。この非斉一磁界
は、ピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂
直偏向磁界とによって形成される。
【0025】パネル1とファンネル2との結合部分の内
側には、3電子ビーム6R、6G、6Bに対して地磁気
や外部回路などから発生する不所望な外部磁場を遮蔽す
る図示しないインナーシールドが配置されている。
【0026】上述したような構成のカラー陰極線管で
は、電子銃構体7から放出された3電子ビーム6B、6
G、6Rは、蛍光体スクリーン3に向けてセルフコンバ
ージェンスされながら、蛍光体スクリーン3上の対応す
る蛍光体層11B、11G、11R上にフォーカスされ
る。この3電子ビーム6B、6G、6Rは、偏向ヨーク
8により発生される非斉一な偏向磁界により水平軸X方
向及び垂直軸Y方向に偏向され、シャドウマスク4の電
子ビーム通過孔を介してパネル1内面の蛍光体スクリー
ン3を水平方向及び垂直方向に走査される。これによ
り、カラー画像が表示される。
【0027】次に、上述したカラー陰極線管のパネル内
面に形成される蛍光体スクリーンの各色の蛍光体層及び
黒色の光吸収層を焼き付けるための蛍光面形成用露光装
置について説明する。
【0028】図1に示すように、この露光装置は、支持
台40を備えている。この支持台40は、内面にフォト
レジストや感光性蛍光体スラリ層などの感光性材料21
が塗布され、かつ、この感光性材料21に対向してシャ
ドウマスク4が装着されたパネル1を位置決め支持す
る。この支持台40の下部には、この支持台40に位置
決め支持されたパネル1に対して、カラー陰極線管の電
子銃構体から放出される一列配置の3電子ビームに対応
する位置に移動可能に光源部41が設けられている。
【0029】また、この光源部41とパネル1に装着さ
れたシャドウマスク4との間には、光源部41から放出
された光41Aの軌道を電子銃構体から放出される電子
ビームの軌道に近似させる一対のサイドビームに対応し
たΔS補正レンズ43や、偏向中心の移動にともなう補
正を行うγ−ΔP補正レンズ44などの補正レンズ光学
系が配置されている。
【0030】さらに、この補正レンズ光学系のシャドウ
マスク4側には、パネル1の内面に対する光量分布を調
整する透過率分布をもつパターンの形成された光量分布
調整フィルター45が配置されている。これら補正レン
ズ43、44及び光量分布調整フィルター45は、光源
部41との相対的な位置関係を一定に保つように光源部
41とともに移動可能になっている。
【0031】光源部41は、直管状の超高圧水銀ランプ
などを光源47とし、この光源47が光透過窓を有する
水冷方式のライトハウス48内に収容されている。この
光源47の近くには、実質的に光源47の大きさ規制す
る開孔49の形成された遮光部42が配置されている。
また、ライトウス48の光透過窓には、平板状のガラス
板46が配置されている。
【0032】特に、この実施の形態では、図1に示すよ
うに、光源部41とシャドウマスク4との間に配置され
ている補正レンズ光学系43及び44、及び、光量分布
調整フィルター45のいずれか1つの光学部材、もしく
は複数の光学部材に、波長選択機能を有したコーティン
グ層50a、50b、50cが形成されている。
【0033】上述した波長選択型コーティング層の透過
率特性は、図5に示したフォトレジストの吸光率の波長
特性55と、超高圧水銀ランプの輝線スペクトル56a
乃至eから、最もフォトレジストの露光に寄与している
を考えられる波長365nmの輝線56a以外の波長の
光を遮断する透過率分布を有している。
【0034】実際には、波長選択型コーティング層は、
図3及び図4に示すように、輝線56aに対応する波長
365nmにおいて最も透過率が高くなるようにな透過
率特性を選択している。
【0035】すなわち、図3に示した波長選択型コーテ
ィング層は、パネル1の中央部に向かう光の透過率特性
が輝線56a(波長365nm)以外の波長を遮断する
(厳密には輝線56aに対応する波長で最も透過率が高
く、それ以外の波長で相対的に透過率が低くなる)透過
率分布58aを有し、しかも、パネル1の周辺部に向か
う光の透過率特性がすべての波長において高い透過率を
有する透過率分布58bを有している。
【0036】また、図4に示すように、波長選択型コー
ティング層は、パネル1の中央部に向かう光の透過率特
性が輝線56a(波長365nm)未満の波長を遮断す
る(厳密には輝線56aに対応する波長以上で最も透過
率が高く、輝線56aに対応する波長未満の波長で相対
的に透過率が低くなる)透過率分布59aを有し、しか
も、パネル1の周辺部に向かう光の透過率特性がすべて
の波長において高い透過率を有する透過率分布59bを
有していてもよい。
【0037】この波長選択型コーティング層の透過率分
布の一例としては、図6及び図7に示すようなパターン
が考えられる。
【0038】すなわち、図6に示したように、波長選択
型コーティング層は、365nm以外もしくは365n
m未満の波長の光に対して、パネル中心部に向かう光に
対して最も低い透過率を有するとともにパネル周辺部に
向かう光に対して最も高い透過率を有する円錐状の透過
率分布60を有している。つまり、図6に示した透過率
分布60は、パネルの短軸方向及び長軸方向に沿って、
軸上の中央部で最も透過率が低く、且つ、軸端付近で最
も透過率が高くなるように設定されている。
【0039】また、図7に示したように、波長選択型コ
ーティング層は、365nm以外もしくは365nm未
満の波長の光に対して、パネル中心部に向かう光に対し
て最も低い透過率を有するとともにパネル周辺部に向か
う光に対して最も高い透過率を有する円筒状の透過率分
布61を有していてもよい。つまり、図7に示した透過
率分布61は、パネルの短軸方向に沿って略均一な透過
率であるとともに、パネルの長軸方向に沿って、軸上の
中央部で最も透過率が低く、且つ、軸端付近で最も透過
率が高くなるように設定されている。
【0040】図7に示した透過率分布61は、図6に示
した透過率分布60と比較して、パネルの短軸方向に自
由度が増すため、露光装置の設置精度に余裕を持たせる
ことができる。
【0041】上述した波長選択型コーティング層は、誘
電体多層膜によって形成されている。このような波長選
択型コーティング層に上述したような透過率分布を形成
するためには、例えば、波長選択型コーティング層の中
央部の膜厚を厚く、しかも、周辺部に向かって膜厚を薄
くすることによって得られる。あるいは、波長選択型コ
ーティング層の中央部で積層する膜数を多くして、しか
も、周辺部に向かうほど積層する膜数を少なくすること
によっても同様の透過率分布を形成することができる。
【0042】上述した波長選択型コーティング層の透過
率分布を波長別にパネルの位置に対する特性として示す
と、図8に示すようになり、フォトレジストの露光に主
として使用される365nmの光62は、波長選択型コ
ーティング層全面で透過し、365nm以外の光63
は、波長選択コーティング層の周辺部にかけて透過率が
増大する。結果として、フォトレジストの感光に使用さ
れる光の総量は、パネルに対する中央部と周辺部とで差
が縮まり、かつ中央部では単一波長に近い光が得られ
る。
【0043】次に、このような波長選択型コーティング
層を備えた蛍光面形成用露光装置による蛍光体スクリー
ンの製造方法について説明する。
【0044】カラー陰極線管のパネル1の内面に配置さ
れた蛍光体スクリーン3は、シャドウマスク4をフォト
マスクとする写真印刷法により形成される。ドットマト
リクス型蛍光体スクリーンについては、最初にマトリク
ス状光吸収層11Kを形成し、ついで、そのマトリクス
ホールに3色蛍光体層11R、11G、11Bを埋め込
む方法で形成されている。
【0045】すなわち、図11の(a)に示すように、
まず、パネル1の内面に感光性材料を塗布し、乾燥して
フォトレジスト13を形成する。そして、このフォトレ
ジスト13の形成されたパネル1にシャドウマスク4を
装着し、上述した露光装置を用いてフォトレジスト13
を露光し、フォトレジスト13にシャドウマスク4の円
形状開孔14に対応する円形状パターンを焼き付ける。
【0046】続いて、図11の(b)に示すように、こ
の円形状パターンが焼き付けられたフォトレジスト13
を現像して未感光部を除去し、円形ドット状パターンか
らなるレジスト15を形成する。
【0047】続いて、図11の(c)に示すように、こ
のレジスト15が形成されたパネル1の内面に光吸収塗
料を塗布し、乾燥して光吸収塗料層16を形成する。
【0048】続いて、図11の(d)に示すように、こ
のレジスト15に塗布された光吸収塗料層16をレジス
ト15とともに剥離して、蛍光体層を形成する位置をマ
トリクスホール17とするマトリクス状光吸収層11K
を形成する。
【0049】続いて、図11の(e)に示すように、光
吸収層11Kの形成されたパネル1の内面に、蛍光体と
感光性材料を主成分とする感光性蛍光体スラリを塗布
し、乾燥して感光性蛍光体スラリ層19を形成する。そ
して、この感光性蛍光体スラリ層19の形成されたパネ
ル1にシャドウマスク4を装着し、上述した露光装置を
用いて感光性蛍光体スラリ層19を露光し、感光性蛍光
体スラリ暦19にシャドウマスク4の円形状開孔14に
対応する円形状パターンを焼き付ける。
【0050】続いて、図11の(f)に示すように、円
形状パターンが焼き付けられた感光性蛍光体スラリ層1
9を現像して未感光部を除去し、光吸収層11Kの所定
のマトリクスホール17に円形ドット状の蛍光体層、た
とえば青色の蛍光体層11Bを形成する。
【0051】さらに、この青色の蛍光体層11Bの形成
工程を、順次緑色蛍光体及び赤色蛍光体について繰返
し、図11の(g)に示すように、光吸収層11Kの所
定のマトリクスホール17に円形ドット状の緑色蛍光体
層11G及び赤色蛍光体層11Rを形成する。
【0052】これらの工程により、パネル1の内面にド
ットマトリクス型蛍光体スクリーン2が形成される。
【0053】上述したように、波長選択型コーティング
層を、蛍光面形成用露光装置の光源部41とシャドウマ
スク4との間に配置されている補正レンズ光学系43及
び44、及び、光量分布調整フィルター45のいずれか
1つの光学部材、もしくは複数の光学部材に設けたこと
により、希望するサイズの光吸収層11Kのマトリクス
ホール17を得るために、光量分布調整フィルター45
の透過率分布は、中心部において透過率を大きくするこ
とが可能となり、光量分布調整フィルター45のパター
ンの非透過部分が縮小し、感光性材料に光量分布調整フ
ィルター45の形成された透過率の差に起因する濃度差
像が転写されにくくなる。加えて、パネル中央部におい
ては、シャドウマスク4を通過した波長の異なる光によ
る回折の重なり合いに起因するマトリクスホールの輪郭
の不均一性を改善することが可能となる。
【0054】上述した実施の形態では、波長選択型コー
ティング層は、光源部41とシャドウマスク4との間に
配置されている補正レンズ光学系43及び44、及び、
光量分布調整フィルター45のいずれか1つの光学部
材、もしくは複数の光学部材に設けたが、この発明は、
この形態に限定されるものではなく、種々変更可能であ
る。
【0055】図2は、この発明の他の実施の形態に係る
蛍光面形成用露光装置の構造を示す図である。
【0056】すなわち、この露光装置は、内面にフォト
レジストや感光性蛍光体スラリ層などの感光性材料21
が塗布され、かつ、この感光性材料21に対向してシャ
ドウマスク4が装着されたパネル1を位置決め支持する
支持台40を備えている。この支持台40の下部には、
この支持台40に位置決め支持されたパネル1に対し
て、カラー陰極線管の電子銃構体から放出される一列配
置の3電子ビームに対応する位置に移動可能に光源部4
1が設けられている。
【0057】また、この光源部41とパネル1に装着さ
れたシャドウマスク4との間には、光源部41から放出
された光41Aの軌道を電子銃構体から放出される電子
ビームの軌道に近似させる一対のサイドビームに対応し
たΔS補正レンズ43や、偏向中心の移動にともなう補
正を行うγ−ΔP補正レンズ44などの補正レンズ光学
系が配置されている。さらに、この補正レンズ光学系の
シャドウマスク4側には、パネル1の内面に対する光量
分布を調整する透過率分布をもつパターンの形成された
光量分布調整フィルター45が配置されている。
【0058】特に、この実施の形態では、図2に示すよ
うに、光量分布調整フィルター45とγ−ΔP補正レン
ズ44との間、γ−ΔP補正レンズ44とΔS補正レン
ズ43との間、ΔS補正レンズ43とレンズ状配光補正
光学部材46との間のいずれか一ヶ所、もしくは複数ヶ
所に、波長選択機能を有したコーティング層を設けた光
量分布調整用コーティング光学部材51a、51b、5
1cが配置されている。
【0059】このような実施の形態であっても、図1に
示した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0060】以上説明したように、この発明の実施の形
態に係るカラー陰極線管の蛍光面形成用露光装置によれ
ば、特定波長以外の光を遮断する波長選択型コーティン
グ層を有する光学部材を光源とシャドウマスクとの間に
設置する構造としている。これにより、透過率分布をも
つパターンの形成された光量分布調整フィルターの中央
部と周辺部との透過率の差を大きくすることなく、パネ
ルの中央部に対して相対的に周辺部の光量を増すことが
でき、従来、透過率分布をもつパターンの形成された光
量分布調整フィルターに起因する濃度差像が転写されに
くくなり、かつ、中央部ではシャドウマスクを通過した
波長の違う光による回折の重なり合いに起因するマトリ
クスホールの輪郭の不均一性が改善される。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、感光性材料に透過率分布をもつパターンの形成され
た光量分布調整フィルターの透過率の差に起因する濃度
差が転写されにくく、かつ、大きさ・輪郭の揃ったマト
リクスホールの形成を可能とするカラー陰極線管の蛍光
面形成用露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係るカラー
陰極線管蛍光面形成用露光装置の構成を概略的に示す図
である。
【図2】図2は、この発明の他の実施の形態に係るカラ
ー陰極線管蛍光面形成用露光装置の構成を概略的に示す
図である。
【図3】図3は、この実施の形態の露光装置に適用され
る波長選択型コーティング層の透過率分布の一例を示す
図である。
【図4】図4は、この実施の形態の露光装置に適用され
る波長選択型コーティング層の透過率分布の一例を示す
図である。
【図5】図5は、蛍光体スクリーンを形成するための感
光性材料の波長に対する吸光率の特性を示す図である。
【図6】図6は、この実施の形態の露光装置に適用され
る波長選択型コーティング層の2次元的な透過率分布の
一例を示す図である。
【図7】図7は、この実施の形態の露光装置に適用され
る他の波長選択型コーティング層の2次元的な透過率分
布の一例を示す図である。
【図8】図8は、波長365nm及びこれ以外の波長の
光に対するパネル中央部に向かう光とパネル周辺部に向
かう光との透過率分布の一例を示す図である。
【図9】図9は、この実施の形態の露光装置を用いて形
成された蛍光体スクリーンを有するカラー陰極線管の構
造を概略的に示す水平断面図である。
【図10】図10の(a)は、図9に示したカラー陰極
線管の蛍光体スクリーンの構造を概略的に示す平面図で
あり、図10の(b)は、図10の(a)に示した蛍光
体スクリーンの構造を概略的に示す断面図である。
【図11】図11の(a)及至(g)は、ドットマトリ
クス型蛍光体スクリーンの主要形成工程を説明するため
の図である
【図12】図12は、従来のカラー陰極線管の蛍光面形
成用露光装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…パネル 2…ファンネル 3…蛍光体スクリーン 4…シャドウマスク 5…ネック 6(R、G、B)…電子ビーム 7…インライン型電子銃構体 8…偏向ヨーク 11(R、G、B)…蛍光体層 11K…光吸収層 21…感光性材料 41…光源部 43…ΔS補正レンズ 44…γ−ΔP補正レンズ 45…光量分布調整フィルタ 50(a,b,c)…光量調整用コーティング層 51(a,b,c)…光量調整用コーティング光学部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カラー陰極線管のパネルの内面に塗布され
    た感光性材料を露光するカラー陰極線管の蛍光面形成用
    露光装置において、 前記感光性材料に前記感光性材料に対向して配置された
    シャドウマスクの開孔に対応するパターンを焼き付ける
    光を照射する光源部と、 前記光源部から放射された光により照射される前記パネ
    ル内面での光量分布を調整する光量分布調整フィルター
    と、 前記光源部と前記シャドウマスクとの間に配置され、波
    長365nm以外の光を遮断する波長選択型コーティン
    グ層を有する光学部材と、 を備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】カラー陰極線管のパネルの内面に塗布され
    た感光性材料を露光するカラー陰極線管の蛍光面形成用
    露光装置において、 前記感光性材料に前記感光性材料に対向して配置された
    シャドウマスクの開孔に対応するパターンを焼き付ける
    光を照射する光源部と、 前記光源部から放射された光により照射される前記パネ
    ル内面での光量分布を調整する光量分布調整フィルター
    と、 前記光源部と前記シャドウマスクとの間に配置され、波
    長365nm未満の光を遮断する波長選択型コーティン
    グ層を有する光学部材と、 を備えたことを特徴とする露光装置。
  3. 【請求項3】前記波長選択型コーティング層は、前記パ
    ネルの中央部に向かう光の透過率特性が波長365nm
    以外の波長を遮断する透過率分布を有することを特徴と
    する請求項1に記載の露光装置。
  4. 【請求項4】前記波長選択型コーティング層は、前記パ
    ネルの中央部に向かう光の透過率特性が波長365nm
    未満の波長を遮断する透過率分布を有することを特徴と
    する請求項2に記載の露光装置。
  5. 【請求項5】前記波長選択型コーティング層は、前記パ
    ネルの周辺部に向かう光の透過率が前記パネルの中央部
    に向かう光の透過率より大きくなるような透過率分布を
    有することを特徴とする請求項1または2に記載の露光
    装置。
  6. 【請求項6】前記波長選択型コーティング層は、前記パ
    ネルの短軸方向及び長軸方向に沿って、軸上の中央部で
    最も透過率が低く、且つ、軸端付近で最も透過率が高い
    透過率分布を有することを特徴とする請求項1または2
    に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】前記波長選択型コーティング層は、前記パ
    ネルの短軸方向に沿って略均一な透過率分布を有すると
    ともに、前記パネルの長軸方向に沿って、軸上の中央部
    で最も透過率が低く、且つ、軸端付近で最も透過率が高
    い透過率分布を有することを特徴とする請求項1または
    2に記載の露光装置。
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