JP2001325884A - カラー受像管の蛍光面形成用補正レンズ及び露光装置 - Google Patents

カラー受像管の蛍光面形成用補正レンズ及び露光装置

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JP2001325884A
JP2001325884A JP2000146428A JP2000146428A JP2001325884A JP 2001325884 A JP2001325884 A JP 2001325884A JP 2000146428 A JP2000146428 A JP 2000146428A JP 2000146428 A JP2000146428 A JP 2000146428A JP 2001325884 A JP2001325884 A JP 2001325884A
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JP
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light
lens
picture tube
forming
color picture
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English (en)
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Toru Takahashi
亨 高橋
Nobuhiko Akou
信彦 阿光
Fumito Suzuki
史人 鈴木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光量補正フィルタと補正レンズとの組合せ位
置精度の問題から、色ムラが生じているが、この精度を
向上させることで、色ムラの発生を抑えたカラー受像管
の蛍光面形成用補正レンズ及び露光装置を提供する。 【解決手段】 赤、青、緑用の補正レンズ18に、夫々
各色用の光量補正フィルタ層17を一体に設け、光量補
正フィルタ(層)17と補正レンズ18の機能を一体化
させることで、相互配置精度の向上を図り、色ムラの発
生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー受像管の蛍
光面形成用補正レンズ、及びこの補正レンズを用いて写
真印刷法によって蛍光面を形成するカラー受像管の蛍光
面形成用露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にカラー受像管は、フェースパネル
に接合されたファンネルからなる外囲器を有し、そのフ
ェースパネルの内面に、赤、青、緑に発光する3色蛍光
体層からなる蛍光面が形成され、この蛍光面に対向して
外囲器内に、その内側に多数の電子ビーム通過孔が形成
されたシャドウマスクが配置されている。
【0003】一方、ファンネルのネック内には、3電子
ビームを放出する電子銃が配設され、この電子銃から放
出される3電子ビームをファンネルの外側に装着された
偏向ヨークの発生する磁界により偏向して、この電子ビ
ームによって蛍光面を水平、垂直方向に走査することに
より、カラー画像を表示するように形成されている。
【0004】この蛍光面としては、赤、青、緑に発光す
るマトリクス状、またはストライプ状の3色蛍光体層を
密接して配置した蛍光面、もしくはマトリクス状または
ストライプ状の光吸収層の間隙部に、3色蛍光体層が埋
め込まれたブラックマトリクス形またはブラックストラ
イプ形の蛍光面が用いられる。
【0005】このカラー受像管の蛍光面は、従来から写
真印刷法にて形成されている。例えば、光吸収層を備え
るブラックマトリクス形、またはブラックストライプ形
の蛍光面については、フェースパネル内面を洗浄した後
に、このフェースパネルの内面に、ポリビニルアルコー
ル(PVA)及び重クロム酸アンモニウム(ADC)を
主成分とする感光膜を塗布して乾燥させる。
【0006】そして、この感光膜を、シャドウマスクを
介して露光し、シャドウマスクの電子ビーム通過孔に対
応するパターンを感光膜に焼付けた後に現像して、フェ
ースパネルの内面にシャドウマスクの開孔パターンに対
応するパターンからなるマトリクス状、もしくはストラ
イプ状のレジスト膜を形成する。
【0007】次に、このレジスト膜の形成されたフェー
スパネルの内面に、例えば黒鉛からなる光吸収塗料層を
塗布し、そしてレジスト膜と共に、そのレジスト膜上の
光吸収塗料を剥離除去して、マトリクス状またはストラ
イプ状の光吸収層を形成する。
【0008】その後、光吸収層の形成されたフェースパ
ネルの内面に、蛍光体、PVA、ADC等を主成分とす
る蛍光体スラリ層を塗布して乾燥させ、この蛍光体スラ
リ層をシャドウマスクを介して露光し、シャドウマスク
の電子ビーム通過孔に対応するパターンを焼付けた後に
現像して、光吸収層の所定の間隙部に赤、青、緑の3色
のうちの1色に対応する蛍光体層を形成する。このよう
な蛍光体層の形成工程を、残りの2色の蛍光体について
も繰返すことによって、3色の蛍光面が形成される。
【0009】また、光吸収層を持たない3色蛍光面につ
いては、蛍光体層の形成工程を、3色の蛍光体について
夫々繰返して実施することにより、形成することができ
る。
【0010】このような光吸収層及び3色蛍光体層を得
るための、感光膜または蛍光体スラリ層等の蛍光面形成
部材層に対するシャドウマスクの電子ビーム通過孔に対
応するパターンの焼付けには、図5に示すような露光装
置が使用される。
【0011】即ち、内面に感光膜または蛍光体スラリ層
等の蛍光面形成部材層51が形成され、且つシャドウマ
スク52が装着されたフェースパネル53を位置決め支
持する支持台54が、筐体55の上部に設けられる。こ
の筐体55の下部には、水銀ランプ等の露光用光源56
が設置され、この光源56上には、この光源56から支
持台54方向に、順次光源56から放射される光を電子
ビームの軌道に近似させるために、蛍光体の赤、青、緑
の各色毎に個別に対応するために配置される補正レンズ
57や、各色共通に使用する共通レンズ58,59等の
光学レンズ系60、及びフェースパネル53内面に形成
された蛍光面形成部材層51に対する光量分布を補正す
る光量補正フィルタ61が設置されている。
【0012】また、補正レンズ57では、各蛍光体位置
が電子ビーム軌道と一致するように、光の軌道を補正し
ているもので、夫々のレンズ57,58,59は、光源
56からの光を、電子ビームに近似するように、各レン
ズ面が微妙な凹凸を有するように非球面状に加工されて
いる。
【0013】このように、露光装置内には、蛍光面を形
成する赤、青、緑の各発光色に対応するストライプ位置
を補正する補正用レンズ57を有しているが、この補正
レンズ57は、各色専用にレンズ曲面を設定しており、
このため補正レンズ57の個々のレンズ曲面の形状差に
よって、光の軌道の補正だけではなく、光の集光作用に
も差が生じることになり、3色間で光量の不均一性が発
生するといった問題が生じていた。
【0014】この光量の不均一性が発生すると、画面上
ではストライプ幅の差となって再現されてしまうことに
なる。例えば、フェースパネル53上の同一位置で、青
用のストライプ幅が大きく、赤用のストライプ幅が小さ
くなり、このストライプ幅の差は、カラー受像管を動作
させた場合に、画面がやや青味がかった色ムラとなって
再現される。この現象が画面上で疎らに発生するため
に、画面全面を白画面に設定したとしても、画面上の場
所によって青味がかったり、赤味がかった箇所が疎らに
発生するため、著しく画面品位を低下させていた。
【0015】この問題点を解決するために、例えば特開
平10−50214号公報に示すように、各色毎に光量
補正フィルタと光源位置補正レンズとを組合せて使用す
る方法が開示されている。即ち、光源の上方に赤、青、
緑の3色の蛍光体に対応する3つの光量補正フィルタ
と、この光量補正フィルタの上方に、赤、青、緑の3色
の蛍光体に対応する3つの光源位置補正フィルタを夫々
並設し、光量補正フィルタの透過率を局所的に調整し
て、色ムラを防止しているものである。
【0016】この公報に開示された方法によれば、光源
からの紫外線は、各色毎に透過率を変えられ、且つ局所
的に透過率を変えられた光量補正フィルタを通過するこ
とによって、夫々適切な光量に調整され、更に夫々光源
位置補正レンズを通ることで、光源の位置ズレ等に伴う
変位が補正されて、所定の位置及び方向で調整された紫
外線量にて、フェースプレートに入射するようになされ
ている。
【0017】この方法を採用することで、従来の色ムラ
を改善することが可能だが、光源位置補正レンズ等のレ
ンズ曲面の凹凸は、微妙な曲面形状を呈しているため
に、光量補正フィルタのパターン位置と、光源位置補正
レンズとの位置精度を厳格に管理調整する必要がある。
【0018】しかしながら、光量補正フィルタと光源位
置補正レンズとが、個別に別部材にて構成されており、
光量補正フィルタのパターンと光源位置補正レンズの曲
面上の凹凸とを、全面で一致させなければならず、例え
部分的な光量の調整がとられたとしても、フェースパネ
ル全面で、この位置精度を向上させることは極めて困難
で、まだ充分に色ムラを解消するまでには至らないとい
う問題がある。
【0019】一方図5において、フェースパネル53内
面の中央部と周辺部とで、光源56からの距離及び光の
入射角が相違するために光量差が生じ、蛍光面全域で均
一あるいは所望の光量分布が得られず、このため形成さ
れる光吸収層や蛍光体層が所定のサイズにならなくなる
ために、光量補正フィルタ61は、そのフェースパネル
53内面の中央部から周辺部にかけての光量分布を適性
化するために使用される。
【0020】この光量補正フィルタ61は、ガラス透明
基板62の一方の面に、NiやCr等の金属を蒸着して
金属蒸着膜63を形成し、この金属蒸着膜63の膜厚を
変化させて、中央部の光透過率を抑え、周辺部になるの
に従って、光透過率が大きくなるように設定されてい
る。
【0021】しかしながら、このように金属蒸着膜63
の膜厚によって光透過率を調整することは容易ではな
く、再現性に劣るものである。そのために、光透過率分
布の相違によって、形成される光吸収層や蛍光体層が所
定のサイズにならないという問題が発生する。
【0022】この金属蒸着膜63による光量補正フィル
タ61の問題点を解決するために、例えば特開平6−1
39931号公報に示すような、ドット状の遮光部を有
する光量補正フィルタが開発されている。このドット状
の遮光部を有する光量補正フィルタは、透明基板上に多
数のドット状の遮光部を形成し、この遮光部と遮光部と
の間の部分を光透過部として使用し、この遮光部と光透
過部との面積比によって、光透過量の分布を補正するよ
うにし、この遮光部を一定ピッチまたは不等ピッチで配
置された多数のドット状遮光部として光量補正フィルタ
を構成し、且つこの光量補正フィルタを用いて露光する
蛍光面形成方法が、当該公報に示されている。
【0023】しかしながら、このようなドット状遮光部
を有する光量補正フィルタを、各色毎に対応して使用し
た場合でも、前述のように、この光量補正フィルタは、
実際には個別の補正レンズと組合されて使用されるため
に、レンズ曲面の凹凸は各色毎に異なり、且つ微妙な形
状であるために、光量補正フィルタのドット状遮光部の
大小位置と、補正レンズの曲面位置とを精度良く製造、
管理調整しなければならず、前述と同様に色ムラの充分
な解消までには至っていないのが、現状と言わざるを得
ない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の露
光方法を採用したとしても、光量補正フィルタと補正レ
ンズとを組合せて使用する限り、両者の位置精度を充分
に満たすことには困難が伴い、この結果、色ムラを充分
に解消するまでには至っていない。これは光量補正フィ
ルタと補正レンズとが別部材で構成されているために、
光量補正フィルタに配置されている遮光部と、補正レン
ズ曲面上の凹凸の全てをフェースパネル全面で一致させ
ることが難しく、部分的には光量の調整ができたとして
も、フェースパネル全面でとらえた場合には、残念なが
ら色ムラが残存していた。この傾向は、近年の画面の平
坦なカラー受像管を製造する際に、特に顕著に現れてい
るものである。
【0025】本発明は、このような課題に対処してなさ
れたものであり、赤、青、緑の各色に対応する補正レン
ズ自身に光量補正フィルタ層を設けることにより、光量
補正フィルタと補正レンズの機能とを一体化させること
で、精度よく管理調整を行うことができ、色ムラの発生
を充分に抑制できるカラー受像管の蛍光面形成用補正レ
ンズ及び露光装置を提供するにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、光透過材によ
って形成されたレンズ構体に、光の軌道を補正するため
の非球面状の曲面を形成すると共に、透過光量を補正す
る光量補正フィルタ層を一体に設けたことを特徴とする
カラー受像管の蛍光面形成用補正レンズである。
【0027】また、レンズ構体は、入射側を平坦面に形
成し、この平坦面に前記光量補正フィルタ層を配置した
こと、あるいは光量補正フィルタ層は、非球面状の曲面
部分に、遮光部を形成するドット状パターンを配設して
形成されていること、もしくは、レンズ構体の曲面部分
に遮光部を形成するドット状パターンを配設すると共
に、前記レンズ構体の平坦面にドット状パターンもしく
は濃淡を有する蒸着膜を配設して構成されていることを
特徴とする。
【0028】また本発明は、カラー受像管のフェースパ
ネル内面に蛍光面を形成するためのカラー受像管の蛍光
面形成用露光装置において、内面に蛍光面形成部材層が
形成されていると共に、この蛍光面形成部材層に対向し
てシャドウマスクが装着されたフェースパネルを支持位
置決めする支持台と、このシャドウマスクを介して前記
蛍光面形成部材層に光を照射する光源と、この光源とシ
ャドウマスク間に配置され、前記光源からの光を所定の
軌道に補正するための光学レンズ系と、この光学レンズ
系と共に、前記光源とシャドウマスク間に配置される補
正レンズとを備え、この補正レンズは、光の軌道を補正
するための非球面状の曲面を有し、透過光量を補正する
光量補正フィルタ層を一体に設けていることを特徴とす
るカラー受像管の蛍光面形成用露光装置である。
【0029】更に、補正レンズは、光源側を平坦面と
し、この平坦面に光量補正フィルタ層が設けられている
こと、あるいは、フェースパネル側の曲面にドット状パ
ターンの遮光部からなる光量補正フィルタ層を配置した
こと、もしくは、更に平坦面にもドット状パターンもし
くは蒸着膜からなる光量補正フィルタ層を配置したこと
を特徴とする。
【0030】また、補正レンズは、各色毎に設けられ、
前記蛍光面形成部材層の各色別に露光する際に交換使用
されること、あるいは、光源と光学レンズ系との間に介
在配置されている、もしくは、光学レンズ系とフェース
パネル間に介在配置されていることを特徴とする。
【0031】このように構成した本発明のカラー受像管
の蛍光面形成用補正レンズ及び露光装置によれば、光量
補正フィルタ層を直接補正レンズ構体に設けているの
で、レンズ構体の微妙なレンズ曲面に対応して、光量補
正フィルタ層を配置することが可能となる。このため、
個々の補正レンズの形状差による光量の不均一性は、補
正レンズに設けられる光量補正フィルタ層で個々に調整
が可能で、光量補正フィルタ層の濃淡もしくはドット状
の大小パターンと、補正レンズ曲面の持つ凹凸による光
量分布を、精度よく配置することができるので、蛍光面
全面にわたり所定の位置及び方向並びに光量で、光源か
らの光をフェースパネルに入射することが可能となり、
位置精度の管理調整が容易で、且つ蛍光面全面での色ム
ラの発生を防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施例に基づき説明する。
【0033】図1は、カラー受像管の蛍光面形成用補正
レンズを備えた露光装置を簡略化して示す一部断面図で
ある。この露光装置は、内面に3色蛍光体層を形成する
ための感光膜または蛍光体スラリ層等の蛍光面形成部材
層11が形成され、且つシャドウマスク12が装着され
たフェースパネル13を位置決め支持する支持台14
が、筐体15の上部に設けられる。この筐体15の下部
には、水銀ランプ等の露光用光源16が設置される。
【0034】この光源16上には、この光源16から順
次支持台14方向に、光源16から放射される光を電子
ビームの軌道に近似させ、蛍光体の赤、青、緑の各色毎
に個別に対応するために配置される光量分布を補正する
光量補正フィルタ層17を有する補正レンズ18、並び
に各色共通に使用する共通レンズ19,20等の光学レ
ンズ系21が設置されている。
【0035】この補正レンズ18は、各蛍光体位置が電
子ビーム軌道と一致するように、光の軌道を各色毎に補
正するもので、光量補正フィルタ層17は、フェースパ
ネル13内面の中央部と周辺部とで光源16からの距
離、及び光の入射角の相違による光量差を補正するため
に、中央部から周辺部にかけての光量分布を適性化する
ためのものである。
【0036】この補正レンズ18及び光量補正フィルタ
17は、各色毎に専用に設けられるために、露光の際に
は、夫々の色に対応した補正レンズ18、及び光量補正
フィルタ17を選択する必要があることから、例えば回
転もしくは往復動するテーブル(図示せず)上に、赤、
青、緑用の光量補正フィルタ層17を有する各補正レン
ズ18を配置し、使用時にテーブルを回転もしくは往復
動させて、目的の補正レンズ18を選択して使用する。
また、共通レンズ19,20は、全色共通に光の軌道を
補正している。
【0037】そして、この露光装置の対象物となるカラ
ー受像管を構成するフェースパネルの内側に、写真印刷
法によって蛍光面が形成される。即ち、パネルの内面に
PVA及びADCを主成分とする感光膜等の蛍光面形成
部材層11が塗布されたフェースパネル13を支持台1
4上に載置固定し、その蛍光面形成部材層11を、露光
装置を使用して、フェースパネル13に取着されたシャ
ドウマスク12を介して露光する。
【0038】このシャドウマスク12の電子ビーム通過
孔(図示せず)に対応するパターンを焼付けた後に現像
して、フェースパネル13の内面にシャドウマスク12
の開孔パターンに対応するパターンからなるレジスト膜
を形成する。このレジスト膜の形成されたフェースパネ
ル13の内面に、更に光吸収塗料層を塗布した後に、レ
ジスト膜と共に、そのレジスト膜上の光吸収塗料を剥離
除去して、マトリクス状またはストライプ状の光吸収層
を形成する。
【0039】その後、光吸収層の形成されたフェースパ
ネル13の内面に、蛍光体、PVA、ADC等を主成分
とする蛍光体スラリ層等の蛍光面形成部材層11を塗布
形成し、この蛍光面形成部材層11をシャドウマスク1
2を介して露光し、シャドウマスク12の電子ビーム通
過孔に対応するパターンを焼付けた後に現像して、光吸
収層の所定の間隙部に赤、青、緑のいずれか1色の蛍光
体層を形成する。
【0040】そして、この蛍光体層の形成工程を、残り
の2色の蛍光体について繰返すことにより、3色の蛍光
体を有する蛍光面が形成される。なお、この光吸収層を
持たない蛍光面については、蛍光体形成工程のみを、3
色蛍光体について繰返すことによって形成される。
【0041】この露光装置に使用される個別レンズ18
は、緑用は平板であり、図2もしくは図3に示す赤用、
あるいはこの赤用と180°反転した形状の青用の補正
レンズ18が、各色の露光時に夫々交代で使用される。
この補正レンズ18は、光源16に対向して配置される
平坦な側面上、あるいはレンズ曲面上、もしくはその両
面に光量補正フィルタ層17を有している。この平坦な
面に形成される光量補正フィルタ層17は、ドット状の
遮光部を所定の配置に配列させたパターンで光量分布を
調整、あるいは金属の蒸着膜の濃淡で光量分布を調整す
る構成のいずれをも使用することが可能である。
【0042】このドット状のパターンからなる光量補正
フィルタ層17を採用した場合には、ドットの大きさ及
び配列で光通過量を部分的に調整することができ、蒸着
膜の場合には、その濃淡で光量を部分的に調整すれば良
い。但し、補正レンズ18の曲面側に光量補正フィルタ
層17を形成する場合には、その製造の容易性から、ド
ット状パターンで形成する方が得策であり、平坦側に形
成する場合には、いずれの方法を採用しても差支えな
い。
【0043】このように補正レンズ18上に光量補正フ
ィルタ層17、例えばドット状の光量補正パターンを形
成するには、次のような工程で製造することができる。
【0044】即ち、補正レンズ18の基台となる透明な
光学ガラス材料、例えば光学ガラス:BK−7(「B
K」は硼硅クラウンを表し、「7」は種類を示す)等か
らなるレンズ構体22を用意し、これを図2もしくは図
3に示すような所定のレンズ曲面23に研磨加工する。
その際に、図2もしくは図3に示す赤、あるいは青用の
補正レンズ18は、図4に示すように複雑な曲面23を
有するレンズとして研磨加工する必要がある。
【0045】この図4に示す赤もしくは青用の補正レン
ズ18の曲面23は、補正レンズ18の横方向(X方
向)と、縦方向(Y方向)とを、Y方向手前上方から厚
さ方向(Z方向)を眺めた、即ちレンズ曲面23を斜め
上方から眺めた状態の曲面を示し、この図4からも解る
ように非常に変化に富んだ凹凸の複雑な曲面23構成を
とっているものである。この曲面23の凸部では光が集
光され、凹部では光が発散されている。この複雑な曲率
を有する曲面23が設けられた側と反対側の側面、即ち
光源16からの光の入射側端面は、平坦面24状に研磨
加工されている。
【0046】このように研磨加工されたレンズ構体22
を洗浄後、その曲面23の表面にハレーションを防止す
るための色素層を形成し、他方の平坦面24表面には、
ゼラチンに感光剤を分散させた乳剤層を形成する。
【0047】続いて、レーザ光を利用したフォトプロッ
タを用いて、乳剤層に所定の光透過率の分布を持つよう
に、遮光部となる辺の長さを規定された正方形のドット
状パターンを、光量補正領域の中央部から周辺部にかけ
て露光する。
【0048】その後、乳剤層の現像、水洗、並びに定着
を行い、再度水洗を行うことによって、遮光部及び光透
過部を有する光量補正フィルタ層17がレンズ構体22
の平坦面24に形成される。勿論、レンズ構体22の曲
面23側に形成する場合も、同様な方法にて形成するこ
とができる。
【0049】このような方法で製造された光量補正フィ
ルタ層17を有する補正レンズ18を用いて、カラー受
像管の蛍光面を形成した場合には、光量補正フィルタ層
17の位置精度と補正レンズ18の曲面23の凹凸によ
る光量分布調整が、単一のレンズ構体22上で行われる
ために、精度良く一致させることが可能であり、このた
めに各補正レンズ18間での光量差は激減し、この結
果、画面上でのストライプ幅については、3色蛍光体間
で殆ど差が生じないように構成することができる。この
ために、従来発生していた画面上の色ムラを解消させる
ことができる。
【0050】このように本発明では、赤、青、緑用の補
正レンズ18毎に光量補正フィルタ層17を配置するこ
とが可能なために、各補正レンズ18面固有の光量分布
を個々に独立して補正することができるので、各色で微
妙に異なる光量分布にも確実に対応することができ、カ
ラー受像管の画面品位を向上させることができる。
【0051】また、この補正レンズ18に光量補正フィ
ルタ層17を配置すると、従来単独に必要とされていた
ガラス透明基板上に設けていた光量補正フィルタを使用
する必要がなくなり、そのために光量補正フィルタの光
源16側側面、及びフェースパネル13側側面で発生し
ていた反射損失を無くすことが可能となる。
【0052】更に、従来の光量補正フィルタ材として光
透過率が高い材料を使用した場合でも、100%の光透
過率を有する材料ではないので、光量補正フィルタ及び
ガラス透明基板内部を光が通過する際に発生する損失
も、なくすことが可能となる。そのために、光源16か
らの光を効率よく露光に使用することができる。
【0053】換言すれば、露光時の単位時間あたりの光
量が大きいことを意味し、この光量が大きければ露光に
要する時間が短縮できるので、カラー受像管のスループ
ット向上に繋がり、また光量の増加は、一般的に蛍光面
品位のムラ改善にもなると言われている。
【0054】また、補正レンズ18の光源16側側面の
平坦面24に光量補正フィルタ層17を配置した場合に
は、補正レンズ18のフェースパネル13側は、光の軌
道を補正するために非球面状に加工されているが、光源
16側側面は平面状に形成されているために、光量補正
フィルタ層17を形成する場合にも、精度良く配置する
ことが可能である。
【0055】その反対に、充分な精度が得られ、曲面加
工が施されたレンズ曲面23側に光量補正フィルタ層1
7を設けた場合には、光の出口側で補正することにな
り、より精度を上げた補正が可能で、補正レンズ18の
平坦面24側と曲面23側の両面に光量補正フィルタ層
17を配置すれば、この精度をより一層向上させること
ができる。
【0056】更に、光量補正フィルタ層17を有する補
正レンズ18を、図1に示すように光源16と共通レン
ズ19,20からなる光学レンズ系21との間に介在配
置させた場合には、焦点部分で光量補正フィルタ層17
のドット状パターン、もしくは濃淡模様が多少ボケ気味
となり、パターンもしくは濃淡の境目が明確に区分され
なくなることから、全体に穏やかに光量分布を変えるこ
とができ、光量補正フィルタ層17を設けたことによ
る、後述の斑状露光等の弊害を防止することができる。
【0057】一方、この光量補正フィルタ層17を有す
る補正レンズ18を、光学レンズ系21とフェースパネ
ル13間に配置させた場合には、光学レンズ系21を通
った後になるので、広い面積部分で対応することにな
り、より細かな補正が可能となる。この際に0.3mm
程度のドット状のパターンを使用すると、逆にシャープ
過ぎてドット状のパターンが斑状に出てしまう事態が散
見されるが、このような場合には、光量補正フィルタ層
17を有する補正レンズ18全体を微動させることで、
改善を図ることができるので、実用上は問題ない。
【0058】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ことなく、種々の応用や変形が可能であることはいうま
でもないことである。
【0059】
【発明の効果】本発明は、補正レンズに直接光量補正フ
ィルタ層を設けることで、補正レンズ毎に光通過量を調
整することが可能となり、また 、その位置精度も向上
させることができるので、画面全面にわたり色ムラの発
生を防止することが可能となる。
【0060】更に、直接補正レンズに光量補正フィルタ
層を設けることで、従来使用していた透明ガラス基板か
らなる光量補正フィルタを使用する必要もなくなるため
に、光源からの光を効率良く利用することができ、カラ
ー受像管のスループット、換言すれば製造コストを削減
することができ、また光量の損失が少ないために、蛍光
面品位の向上を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー受像管の蛍光面形成用露光
装置を説明するための一部断面図。
【図2】本発明に係るカラー受像管の蛍光面形成用補正
レンズを示す側面図。
【図3】同じく補正レンズの他の例を示す側面図。
【図4】図3に示す補正レンズの曲面状態を示す投影
図。
【図5】従来のカラー受像管の蛍光面形成用露光装置を
説明するための一部断面図。
【符号の説明】
11:蛍光面形成部材層 12:シャドウマスク 13:フェースパネル 14:支持台 16:光源 17:光量補正フィルタ層 18:補正レンズ 19,20:共通レンズ 21:光学レンズ系 22:レンズ構体 23:曲面 24:平坦面
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 史人 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷工場内 Fターム(参考) 2H042 AA06 AA11 AA15 AA27 2H087 KA00 NA04 PA03 PA17 PB03 RA01 5C028 GG08 GG09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過材によって形成されたレンズ構体
    に、光の軌道を補正するための非球面状の曲面を形成す
    ると共に、透過光量を補正する光量補正フィルタ層を一
    体に設けたことを特徴とするカラー受像管の蛍光面形成
    用補正レンズ。
  2. 【請求項2】 前記レンズ構体は、入射側を平坦面に形
    成し、この平坦面に前記光量補正フィルタ層を配置した
    ことを特徴とする請求項1記載のカラー受像管の蛍光面
    形成用補正レンズ。
  3. 【請求項3】 前記光量補正フィルタ層は、非球面状の
    曲面部分に、遮光部を形成するドット状パターンを配設
    して形成されていることを特徴とする請求項1または2
    記載のカラー受像管の蛍光面形成用補正レンズ。
  4. 【請求項4】 前記光量補正フィルタ層は、レンズ構体
    の曲面部分に、遮光部を形成するドット状パターンを配
    設すると共に、前記レンズ構体の平坦面にドット状パタ
    ーンもしくは濃淡を有する蒸着膜を配設して構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに
    記載のカラー受像管の蛍光面形成用補正レンズ。
  5. 【請求項5】 カラー受像管のフェースパネル内面に蛍
    光面を形成するためのカラー受像管の蛍光面形成用露光
    装置において、 内面に蛍光面形成部材層が形成されていると共に、この
    蛍光面形成部材層に対向してシャドウマスクが装着され
    たフェースパネルを支持位置決めする支持台と、 このシャドウマスクを介して前記蛍光面形成部材層に光
    を照射する光源と、 この光源とシャドウマスク間に配置され、前記光源から
    の光を所定の軌道に補正するための光学レンズ系と、 この光学レンズ系と共に、前記光源とシャドウマスク間
    に配置される補正レンズとを備え、 この補正レンズは、光の軌道を補正するための非球面状
    の曲面を有し、透過光量を補正する光量補正フィルタ層
    を一体に設けていることを特徴とするカラー受像管の蛍
    光面形成用露光装置。
  6. 【請求項6】 前記補正レンズは、光源側を平坦面と
    し、この平坦面に光量補正フィルタ層が設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載のカラー受像管の蛍光面
    形成用露光装置。
  7. 【請求項7】 前記補正レンズは、曲面側にドット状パ
    ターンの遮光部からなる光量補正フィルタ層を配置した
    ことを特徴とする請求項5または6記載のカラー受像管
    の蛍光面形成用露光装置。
  8. 【請求項8】 前記補正レンズは、更に平坦面にもドッ
    ト状パターンもしくは濃淡を有する蒸着膜からなる光量
    補正フィルタ層を配置したことを特徴とする請求項7記
    載のカラー受像管の蛍光面形成用露光装置。
  9. 【請求項9】 前記補正レンズは、各色毎に設けられ、
    前記蛍光面形成部材層の各色別に露光する際に、夫々交
    換使用されることを特徴とする請求項5乃至8のいずれ
    か1つに記載のカラー受像管の蛍光面形成用露光装置。
  10. 【請求項10】 前記補正レンズは、前記光源と光学レ
    ンズ系との間に介在配置されていることを特徴とする請
    求項5乃至9のいずれか1つに記載のカラー受像管の蛍
    光面形成用露光装置。
  11. 【請求項11】 前記補正レンズは、前記光学レンズ系
    とフェースパネル間に介在配置されていることを特徴と
    する請求項5乃至9のいずれか1つに記載のカラー受像
    管の蛍光面形成用露光装置。
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