JP2003045095A - 微細形状作成プロセス及び光ディスク原盤の作成方法 - Google Patents

微細形状作成プロセス及び光ディスク原盤の作成方法

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JP2003045095A
JP2003045095A JP2001230043A JP2001230043A JP2003045095A JP 2003045095 A JP2003045095 A JP 2003045095A JP 2001230043 A JP2001230043 A JP 2001230043A JP 2001230043 A JP2001230043 A JP 2001230043A JP 2003045095 A JP2003045095 A JP 2003045095A
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photoresist layer
light
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JP2001230043A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Umezawa
朋一 梅澤
Masato Sugiyama
征人 杉山
Eiichi Fujii
永一 藤井
Hiroyasu Kaseya
浩康 加瀬谷
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Seiko Epson Corp
Teijin Ltd
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジストの光露光によりパターン形成
する技術において、露光装置の光学系を変えることな
く、分解能が高く、表面性に優れ、均一性が高い形状を
作るプロセスを提供する。 【解決手段】 基板上にポジ型フォトレジスト層、アル
カリ処理を行ったフォトレジスト層、光照射により光の
透過率が上昇する層をこの順番で有する積層体に光を照
射し、露光によってパターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトレジストを
用いたパターン形成方法、光ディスク原盤の作成方法、
光ディスク原盤、光ディスク用スタンパおよび光ディス
クに関する。
【0002】
【従来の技術】ICやLSIなどの半導体デバイスはミ
クロンからサブミクロンの大きさのトランジスターやコ
ンデンサーなどの単体素子の組み合わせで出来ている。
これら微小な単体素子の作成プロセスの一部には、ミク
ロンからサブミクロンオーダーの溝やホールを形成する
ため、フォトリソグラフィが用いられている。
【0003】フォトリソグラフィは以下のような技術で
ある。まずスピンコート等により、半導体基板上にフォ
トレジスト膜を形成する。次に溝やホール形状からなる
フォトマスクを通して、フォトレジスト膜を露光する。
露光においては、光源として高圧水銀灯のg線(波長4
36nm)やi線(波長365nm)、エキシマレーザ
などが用いられ、その光は反射鏡やレンズ、フィルタ
ー、フォトマスクなどの光学系を通り、フォトレジスト
上に照射される。露光後、レジスト膜付基板を現像す
る。現像により、ポジ型のフォトレジストにおいては露
光部が溶解し膜が除去され、一方ネガ型のフォトレジス
トにおいては露光部が基板上に膜として残る。このよう
にして、ミクロンからサブミクロンオーダーの溝やホー
ルが形成される。
【0004】光ディスクはミクロンからサブミクロンの
幅の溝やピットが表面に形成され、レーザによる情報の
記録再生に用いられる。光ディスク作成のためには、ミ
クロンからサブミクロンの幅の溝やピットが形成された
光ディスク原盤が用いられ、光ディスク原盤作成には、
マスタリングが用いられる。
【0005】マスタリングは以下のような技術である。
まずスピンコート等により、ガラスやSi基板上にポジ
型フォトレジスト膜を形成する。次にレーザを用い、フ
ォトレジスト膜を露光する。スピンドルにより回転した
フォトレジスト膜付基板上に開口数の高いレンズで微小
に絞り込まれたレーザスポットを照射し、光-音響(A
O)変調器などの変調器によりレーザを変調すること
で、溝やピットに相当する信号をフォトレジスト膜に記
録する。レーザ露光後、レジスト膜付基板を現像する。
現像によりポジ型のフォトレジストは露光部が溶解して
膜が除去され、ミクロンからサブミクロンオーダーの溝
やピットが形成される。このようにフォトレジストの光
露光によりパターンを作成する技術は様々な分野で使わ
れている。
【0006】第2533613号特許公報にはガラス基
板上に下地膜、ポジ型フォトレジスト膜を設け、該フォ
トレジスト膜を熱処理し、該未露光のフォトレジスト膜
を現像液中に浸漬あるいは膜上に現像液をシャワーし、
水洗し、乾燥した後、光ビームで露光し、該露光済みの
フォトレジスト膜を現像、水洗、乾燥する工程とからな
る光ディスク原盤の作成方法が記載されている。
【0007】また、Jpn. J. Appl. Ph
ys. Vol. 37(1998)pp.2130−
2136には、ガラス基板上にフォトレジスト膜を設
け、その上に光退色性色素を含有する層を設ける高密度
光ディスクの作成方法が記載されている。近年、半導体
デバイスの高集積化が急速に進んでいる。このためフォ
トリソグラフィには、より微細なパターンを作ることす
なわち分解能の向上が要求されている。また、微細パタ
ーンの寸法バラツキは、各素子の特性バラツキを引き起
こし望ましくないので、より均一なパターンを作ること
も要求されている。
【0008】一方、光ディスクにおいては、高容量化、
高密度化が進んでおり、光ディスク上に形成される溝や
ピットの微細化が進んでおり、より細い溝やより小さい
ピットを作ることが要求されている。また、溝形状やピ
ット形状の不均一性、表面の荒れは再生信号における雑
音上昇を招くため望ましくない。このためマスタリング
には、表面粗さが少なく、より均一な形状の溝やピット
を形成することが望まれている。このようにフォトレジ
ストの光露光によりパターン形成する技術においては、
分解能が高く、表面性に優れ、均一性の高い形状を作る
ことが課題となっている。
【0009】図1に示した従来のプロセスでは、基板上
にフォトレジスト膜を形成し、露光を行っていた。この
場合、例えばポジ型のフォトレジストの場合、光の強度
分布の影響により、現像後の溝の形状は、図2のように
溝の斜面が緩やかな形状となってしまい、低い分解能し
か得られない。
【0010】また、一般的にフォトレジストの光露光に
よりパターン形成する技術において、より微細な形状を
作成するには、使用する光学系の解像度を向上させ、で
きるだけ小さく絞られた光スポットで露光を行う必要が
ある。光スポット径Rは、R=K1λ/NA (1)で表わ
され、K1は定数、λは露光に用いる光の波長、NAは使
用するレンズの開口数である。従って光スポット径を小
さくするには、光の波長を短くするか、レンズ開口数を
上げる必要がある。しかしこのためには、新たに露光装
置を設置する必要があり、高額な設備投資が必要となる
という問題があった。
【0011】さらにまた、光スポットをレンズで集光し
た場合に生じるサイドローブの影響で、レジスト表面は
微弱に露光される。現像時においては、例えばポジ型レ
ジストの場合、この微弱に露光された部分が溶解される
ため、レジスト表面が荒れてしまうという問題もある。
このような課題を解決するために、前述の先行文献に記
載の方法が提案されているが、これらの方法によっても
課題は完全には解決されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の問題
を解決するべくなされたもので、本発明の目的は、フォ
トレジストの光露光によりパターン形成する技術におい
て、露光装置の光学系を変えることなく、分解能が高
く、表面性に優れ、均一性が高い形状を作るパターン形
成方法を提供することにある。本発明の他の目的は、本
発明のパターン形成方法を適用して光ディスク原盤を製
造する方法を提供することにある。本発明のさらに他の
目的は、上記方法により製造した光ディスク原盤を提供
することにある。本発明のさらに他の目的は、上記光デ
ィスク原盤を用いて作成した光ディスクスタンパを提供
することにある。本発明のさらに他の目的は、上記光デ
ィスクスタンパを用いて作成した光ディスクを提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的および利点は、以
下の説明から明らかになろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的および
利点は、本発明によれば、第1に、基板上にポジ型フォ
トレジスト層、アルカリ処理を行ったポジ型フォトレジ
スト層および光照射により光透過率が上昇する層をこの
順番に有する積層体に、パターンを形成するように光を
照射することを特徴とするパターン形成方法によって達
成される。
【0014】本発明によれば、本発明の上記目的および
利点は、第2に、光ディスク原盤用基盤上に、ポジ型フ
ォトレジスト層、アルカリ処理を行ったポジ型フォトレ
ジスト層および光照射により光の透過率が上昇する層を
この順番で有する積層体に、パターンを形成するように
光を照射し、次いでアルカリ現像液で現像することを特
徴とする光ディスク原盤の製造法によって達成される。
また、本発明によれば、本発明の上記目的および利点
は、さらに、本発明の上記製造法により作成された光デ
ィスクの原盤、そのレプリカである金属製光ディスク用
スタンパおよびこのスタンパのレプリカである光ディス
クによって達成される。以下に本発明の構成を詳述す
る。
【0015】図3に本発明における層構成を示した。ま
ず基板上にポジ型フォトレジスト膜を形成する。さらに
露光後において、該ポジ型フォトレジスト表面の現像液
に対する溶解性を減少させ、かつ微弱な光による不均一
な溶解が起こらないよう、フォトレジスト表面をアルカ
リ処理し、フォトレジストをアルカリ処理した膜を形成
する。アルカリ処理の方法としては、フォトレジスト層
にアルカリ液を塗布あるいは浸漬するすることが挙げら
れる。アルカリ処理に用いる材料としては、水酸化ナト
リウム水溶液やフォトレジストの現像液として用いられ
るアルカリ現像液が挙げられる。露光後のフォトレジス
トの現像にも同様に使えるようアルカリ現像液が好まし
い。またアルカリ現像液としては、水酸化テトラメチル
アンモニウム水溶液やコリンなどの有機系アルカリ現像
液、Nan3nPO4を主成分とした無機系アルカリ現
像液などが挙げられる。Nan3-nPO4を主成分とし
た無機系アルカリ現像液がより好ましい。アルカリ処理
時間は、例えば、2.4%のアルカリ濃度においては、5
〜120秒が好ましい。10〜90秒がさらに好まし
く、さらには20〜60秒がさらに好ましい。
【0016】さらにフォトレジストへ照射される光強度
分布をより急峻にし、フォトレジストへのサイドローブ
の影響を無くすため、光照射により光透過率が上昇する
層を形成する。この層の材料としては、プルラン、ポリ
ビニルアルコールあるいはポリビニルピロリドンといっ
た材料をマトリックスとし、ジアゾ系、ニトロン系、シ
ラン系、スピロピラン系やスチルバゾリウム系などの光
退色性色素を含む材料が挙げられる。また、この層の好
適な厚さは、50〜300nmである。さらには100
〜250nmが好ましく、さらには150〜250nmが好
ましい。これらの構成によりパターン形成した際、図4
のように急峻な断面形状を持つ分解能の高い形状がで
き、さらに表面性に優れ、均一性の高い形状ができる。
【0017】本発明に使用されるレジストは、ポジ型レ
ジスト、特にジアゾナフトキノン−ノボラック樹脂系の
ポジ型レジストで特にその効果が発揮される。また、レ
ジストの厚さは5〜200nmが好ましい。さらには2
0〜100nmが好ましく、30〜70nmがより好まし
い。基板の素材としては、例えばシリコン、ゲルマニウ
ム、GaAsなどの化合物半導体、ガラスなどが挙げら
れる。基板の厚さは0.1mm〜50mmが好ましい。
【0018】また基板からの光の反射の影響を減らすこ
とでさらに形状の均一性を挙げることができ、屈折率
1.40〜1.65の基板を用いることで、この効果を引
き出すことができる。さらには屈折率1.40〜1.50
をもつ基板が好ましく、屈折率1.45〜1.49を持つ
基板がさらに好ましい。露光装置としては、ステッパ-
やレーザビームレコーダー等が挙げられる。露光源とし
ては、水銀ランプのg線(436nm)やi線(365n
m)、エキシマレーザ、He−Cdレーザ、Arレー
ザ、Krレーザ、半導体励起固体レーザなどが挙げられ
る。
【0019】露光後、現像を行う前に熱処理を行っても
よい。この熱処理の温度としては、90〜150℃が好
ましい。また、現像後、パターンを作成した原盤にドラ
イエッチングを行い、基板に直接パターンを形成するこ
とも可能である。本発明のパターン形成方法を用いる好
適な例としては光ディスク原盤作成が挙げられる。
【0020】さらには本発明のパターン形成方法を用い
て製造できる好適な製品例としては、光ディスク原盤が
挙げられる。この光ディスク原盤は、基板上にレジスト
パターンが形成されたものや、基板上に形成されたレジ
ストパターンをマスクとしてエッチング処理を行い、基
板に直接パターンを形成したものなどが挙げられる。
【0021】さらには、本発明のパターン形成方法を用
いて製造される好適な製品例としては、上記光ディスク
原盤を用いて作成された、光ディスク原盤のレプリカで
ある光ディスク用スタンパが挙げられる。スタンパの作
成法としては、例えば光ディスク原盤上に無電解メッキ
やスパッタリング法等により、NiやPdなどの導電性
層を形成し、その後メッキ処理を行う方法が挙げられ
る。スタンパの材料としては、NiやNi−V、Ni−
Pなどが挙げられる。スタンパの厚さの例としては25
0〜350μmが挙げられる。
【0022】さらに、本発明のパターン形成方法を用い
て製造される好適な製品例としては、上記光ディスク用
スタンパを用いて形成された、該スタンパのレプリカで
ある光ディスクが挙げられ、例えばCD−ROMやDV
D−ROMなどの再生専用の光ディスク、CD−RやD
VD−Rなどの書き込み型の光ディスク、光磁気や相変
化型などの書き換え可能型の光ディスクが挙げられる。
【0023】
【実施例】以下、本発明のパターン形成方法を光ディス
ク原盤作成へ適用した例を示し説明する。
【0024】図5は一般的な光ディスク原盤の作成プロ
セスの概略を示したものである。まず基板の洗浄を行う
(P1)。この基板表面をヘキサメチルジシラザン(H
MDS)により処理し、基板に対するレジストの密着性
を向上させる(P2)。次にポジ型のフォトレジスト層
をスピンコートで作成し(P3)、熱処理にて乾燥させ
る(P4)。基板と逆側からレーザにより露光後(P
7)、現像を行い、溝およびピット形状を得る(P
9)。
【0025】図6は本発明の微細形状作成プロセスを用
いた光ディスク原盤作成プロセスの概略である。まず基
板の洗浄を行う(P1)。この基板表面をヘキサメチル
ジシラザン(HMDS)により処理し、基板に対するレジス
トの密着性を向上させる(P2)。次にポジ型のフォト
レジスト層をスピンコートで作成し(P3)、熱処理に
て乾燥させる(P4)。その後、フォトレジスト表面を
現像液で浸漬する(P5)。次にスピンコート法などに
より、光照射により光透過率が上昇する層を形成する
(P6)。その後、基板と逆側からレーザにより露光を
行う(P7)。次に光照射により光透過率が上昇する層
を除去する(P8)。次に現像を行い(P9)、溝および
ピット形状を得る。但し、水溶性の光退色性色素を光照
射により光透過率が上昇する層として形成した場合に
は、この層は現像工程(P9)でポジ型フォトレジスト
の露光部とともに除去されるため、P8の工程は不要で
ある。
【0026】以下の実施例1および比較例1〜3は、溝
間隔0.6μm、溝幅0.3μmの溝の作成例である。実
施例1および比較例1〜3の露光には、波長351nm
のレーザを用い、開口数0.9の対物レンズにより、基
板上に集光した。また回転数225rpmで基板を回転
させ、1回転に0.6μmずつレーザを基板の外側に動
かしながら露光した。
【0027】実施例1 フォトレジスト層を形成する基板としては、屈折率1.
54のガラス基板を用いた。フォトレジストにはクレゾ
ールノボラックタイプのポジ型フォトレジストである日
本ゼオン製DVR300を用いた。スピンコート法でフ
ォトレジストを塗布後、110℃で5分間熱処理して乾
燥させ、ガラス基板上に膜厚50nmのフォトレジスト
層を形成した。その後、アルカリ現像液(クラリアント
ジャパン製AZデベロッパー)を45秒塗布し、アルカ
リ処理を行った。次に光照射により光透過率が上昇する
層としては、ニトロンを含んだ信越化学製ACEM36
5iMを材料として用いた。スピンコート法で膜厚20
0nmの水溶性層を形成した。レーザ露光後、アルカリ
現像液を75秒塗布し、現像を行い、光ディスク原盤を
得た。
【0028】比較例1 フォトレジスト層を形成する基板としては、波長63
2.8nmにおける屈折率1.54のガラス基板を用い
た。フォトレジストにはクレゾールノボラックタイプの
ポジ型フォトレジストである日本ゼオン製DVR300
を用いた。スピンコート法でフォトレジストを塗布後、
110℃で5分間熱処理して乾燥させ、ガラス基板上に
膜厚50nmのフォトレジスト層を形成した。レーザ露
光後、アルカリ現像液を75秒塗布し、現像を行い、光
ディスク原盤を得た。
【0029】比較例2 フォトレジスト層を形成する基板としては、波長63
2.8nmにおける屈折率1.54のガラス基板を用い
た。フォトレジストにはクレゾールノボラックタイプの
ポジ型フォトレジストである日本ゼオン製DVR300
を用いた。スピンコート法でフォトレジストを塗布後、
110℃で5分間熱処理して乾燥させ、ガラス基板上に
膜厚50nmのフォトレジスト層を形成した。その後、
アルカリ現像液(クラリアントジャパン製AZデベロッ
パー)を45秒間塗布し、アルカリ処理を行った。レー
ザ露光後、アルカリ現像液を75秒塗布し、現像を行
い、光ディスク原盤を得た。
【0030】比較例3 フォトレジスト層を形成する基板としては、波長63
2.8nmにおける屈折率1.54のガラス基板を用い
た。フォトレジストにはクレゾールノボラックタイプの
ポジ型フォトレジストである日本ゼオン製DVR300
を用いた。スピンコート法でフォトレジストを塗布後、
110℃で5分間熱処理して乾燥させ、ガラス基板上に
膜厚50nmのフォトレジスト層を形成した。次に光照
射により光透過率が上昇する層としては、ニトロンを含
んだ信越化学製ACEM365iMを材料として用い
た。スピンコート法で膜厚200nmの水溶性層を形成
した。レーザ露光後、アルカリ現像液を75秒塗布し、
現像を行い、光ディスク原盤を得た。
【0031】実施例1および比較例1〜3のそれぞれの
方法により光ディスク原盤を作成後、無電解メッキ法で
導電膜形成を行い、さらにニッケルメッキを行い、光デ
ィスク原盤のレプリカである厚さ285μmのニッケル
スタンパを作成した。ニッケルスタンパの溝の形状を原
子間力顕微鏡で測定した。表1に実施例1と比較例1〜
3における溝斜面角度と溝幅の標準偏差を示した。
【0032】
【表1】
【0033】比較例1の溝斜面角度は24度であるのに
対して、実施例1の溝斜面角度は56度と32度急峻化
しており、比較例1に比べて、実施例1の分解能が向上
している。
【0034】また、比較例1の溝幅の標準偏差は6.4
nmであるのに対して、実施例1の溝幅の標準偏差は
4.0nmと溝幅バラツキが減少している。すなわち、
比較例1に比べて、実施例1では形状の不均一性が減少
している。
【0035】比較例1に対してアルカリ処理のみを行っ
た比較例2の溝斜面角度は34度であり、溝幅の標準偏
差は5.3nmであった。すなわち溝斜面角度の増加分
は10度、溝幅標準偏差の減少分は1.1nmであっ
た。また比較例1に対して光照射により透過率が上昇す
る層を付与した比較例3の溝斜面角度は34度であり、
溝幅の標準偏差は6.2nmであった。すなわち、溝斜
面角度の増加分は10度、溝幅標準偏差の減少分は0.
2nmであった。
【0036】これに対して、実施例1では比較例1に比
べて32度溝斜面角度が増加している。アルカリ処理の
みの増加分と光照射により光透過率が上昇する層の付与
のみの増加分を積算した場合には20度であり、アルカ
リ処理と光照射により光透過率が上昇する層の付与の両
方を行うことでより顕著な分解能向上への効果が現れ
た。
【0037】また、実施例1では比較例1に比べて、
2.4nm溝幅標準偏差が減少している。アルカリ処理
のみの減少分と光照射により光透過率が上昇する層の付
与のみの減少分を積算した場合には1.3nmであり、
アルカリ処理と光照射により光透過率が上昇する層の付
与の両方を行うことでより顕著な形状不均一性減少への
効果が現れた。
【0038】次に、以下の実施例2〜3および比較例4
〜6は、ピッチ0.6μm、幅0.25μmのピットの作
成例である。露光には、波長351nmのレーザを用
い、開口数0.9の対物レンズにより、基板上にレーザ
を集光した。また線速度2.36m/sで基板を回転さ
せ、1回転に0.6μmずつレーザを基板の外側に動か
しながら露光した。
【0039】レーザは光音響変調素子(AOM)を用い
ることでパルス変調し、レーザをオン・オフすることで
ピットを形成した。ピット長さ、ピットとピットの間の
スペース長さは、0.09μmを基準とし、理論的には
3〜14倍の長さである。すなわち理論長さは、基準長
さをTとした時、3〜14Tである。またピット長さと
スペース長さの組み合わせは、3〜14Tがランダムに
出現するようにした。
【0040】実施例2 フォトレジスト層を形成する基板としては、屈折率1.
54のガラス基板を用いた。フォトレジストにはクレゾ
ールノボラックタイプのポジ型フォトレジストである日
本ゼオン製DVR300を用いた。スピンコート法でフォ
トレジストを塗布後、110℃で5分間熱処理して乾燥
させ、ガラス基板上に膜厚50nmのフォトレジスト層
を形成した。その後、アルカリ現像液(クラリアントジ
ャパン製AZデベロッパー)を45秒塗布し、アルカリ
処理を行った。次に光照射により光透過率が上昇する層
としては、ニトロンを含んだ信越化学製ACEM365
iMを材料として用いた。スピンコート法で膜厚200
nmの水溶性層を形成した。レーザ露光後、アルカリ現
像液を75秒塗布し、現像を行い、光ディスク原盤を得
た。
【0041】実施例3 フォトレジスト層を形成する基板としては、屈折率1.
47のガラス基板を用いた。フォトレジストにはクレゾ
ールノボラックタイプのポジ型フォトレジストである日
本ゼオン製DVR300を用いた。スピンコート法でフ
ォトレジストを塗布後、110℃で5分間熱処理して乾
燥させ、ガラス基板上に膜厚50nmのフォトレジスト
層を形成した。その後、アルカリ現像液(クラリアント
ジャパン製AZデベロッパー)を45秒塗布し、アルカ
リ処理を行った。次に光照射により光透過率が上昇する
層としては、ニトロンを含んだ信越化学製ACEM36
5iMを材料として用いた。スピンコート法で膜厚20
0nmの水溶性層を形成した。レーザ露光後、アルカリ
現像液を75秒塗布し、現像を行い、光ディスク原盤を
得た。
【0042】比較例4 フォトレジスト層を形成する基板としては、屈折率1.
54のガラス基板を用いた。フォトレジストにはクレゾ
ールノボラックタイプのポジ型フォトレジストである日
本ゼオン製DVR300を用いた。スピンコート法でフォ
トレジストを塗布後、110℃で5分間熱処理して乾燥
させ、ガラス基板上に膜厚50nmのフォトレジスト層
を形成した。レーザ露光後、アルカリ現像液を75秒塗
布し、現像を行い、光ディスク原盤を得た。
【0043】比較例5 フォトレジスト層を形成する基板としては、屈折率1.
54のガラス基板を用いた。フォトレジストにはクレゾ
ールノボラックタイプのポジ型フォトレジストである日
本ゼオン製DVR300を用いた。スピンコート法でフ
ォトレジストを塗布後、110℃で5分間熱処理して乾
燥させ、ガラス基板上に膜厚50nmのフォトレジスト
層を形成した。アルカリ現像液(クラリアントジャパン
製AZデベロッパー)を45秒塗布し、アルカリ処理を
行った。レーザ露光後、アルカリ現像液を75秒塗布
し、現像を行い、光ディスク原盤を得た。
【0044】比較例6 フォトレジスト層を形成する基板としては、屈折率1.
54のガラス基板を用いた。フォトレジストには日本ゼ
オン製DVR300を用いた。スピンコート法でフォト
レジストを塗布後、110℃で5分間熱処理して乾燥さ
せ、ガラス基板上に膜厚50nmのフォトレジスト層を
形成した。次に光照射により光透過率が上昇する層とし
ては、ニトロンを含んだ信越化学製ACEM365iM
を材料として用いた。スピンコート法で膜厚200nm
の水溶性層を形成した。レーザ露光後、アルカリ現像液
を75秒塗布し、現像を行い、光ディスク原盤を得た。
【0045】実施例2〜3および比較例4〜6のそれぞ
れの方法により光ディスク原盤を作成後、無電解メッキ
法で導電膜形成を行い、さらにニッケルメッキを行い、
光ディスク原盤のレプリカである厚さ285μmのニッ
ケルスタンパを作成した。ニッケルスタンパのピットお
よびスペース形状を原子間力顕微鏡にて測定し、各理論
長さのピットおよびスペースとして、認識できるか調べ
た。
【0046】図7は実施例2により作成したニッケルス
タンパのピットおよびスペース形状の分布を示した。ピ
ット分布は、各長さにきれいに分離しており、3T〜7
Tのピットとして認識できた。一方、スペース分布は分
離しておらず、3T〜7Tの長さのスペースとしては認
識できなかった。
【0047】図8は実施例3により作成したニッケルス
タンパのピットおよびスペース形状の分布を示した。ピ
ットおよびスペース分布とも、各長さにきれいに分離し
ており、3T〜7Tのピットおよびスペースとして認識
できた。
【0048】図9は比較例4により作成したニッケルス
タンパのピットおよびスペース形状の分布を示した。ピ
ットおよびスペース分布とも、各長さに分離しておら
ず、3T〜7Tのピットおよびスペースとしては認識で
きなかった。
【0049】図10は比較例5により作成したニッケル
スタンパのピットおよびスペース形状の分布を示した。
ピットおよびスペース分布とも、各長さに分離しておら
ず、3T〜7Tのピットおよびスペースとしては認識で
きなかった。
【0050】図11は比較例6により作成したニッケル
スタンパのピットおよびスペース形状の分布を示した。
ピットおよびスペース分布とも、各長さに分離しておら
ず、3T〜7Tのピットおよびスペースとしては認識で
きなかった。
【0051】以上の結果からわかるように、比較例では
ピットおよびスペース形状の不均一性が大きく、各理論
長さのピットやスペースに分離して認識できなかったの
に対して、実施例ではピットおよびスペース形状の不均
一性が小さくなり、各理論長さのピットに分離して認識
ができた。さらに基板の屈折率を制御することで形状の
不均一性はさらに小さくなり、各理論長さのピットやス
ペースに分離して認識ができた。
【0052】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、露光装置
の設備を変更することなく、分解能が高く、表面性に優
れ、均一性の高い形状を作ることができる。このパター
ン形成方法を用いることにより、半導体デバイスの更な
る高集積化、光ディスクの更なる高密度化が達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来プロセスにおける露光の概略図
【図2】従来プロセスによる溝形状断面の概略図
【図3】本発明における積層構成と露光の概略図
【図4】本発明による溝形状断面の概略図
【図5】一般的な光ディスク原盤作成プロセスの概略図
【図6】本発明を用いた光ディスク原盤作成プロセスの
概略図
【図7】実施例2により作成したニッケルスタンパのピ
ットおよびスペース形状の分布
【図8】実施例3により作成したニッケルスタンパのピ
ットおよびスペース形状の分布
【図9】比較例4により作成したニッケルスタンパのピ
ットおよびスペース形状の分布
【図10】比較例5により作成したニッケルスタンパの
ピットおよびスペース形状の分布
【図11】比較例6により作成したニッケルスタンパの
ピットおよびスペース形状の分布
【符号の説明】
1 基板 2 フォトレジスト 3 光強度分布 4 アルカリ処理を行ったフォトレジスト層 5 光照射により光に対する透過率が上昇する層 P1 基板洗浄工程 P2 HMDS処理工程 P3 フォトレジスト層形成工程 P4 熱処理工程 P5 アルカリ処理工程 P6 光照射により光透過率が上昇する層の形成工程 P7 レーザ露光工程 P8 光照射により光透過率が上昇する層の剥離工程 P9 現像工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 征人 広島県三原市円一町1丁目1番1号 帝人 株式会社三原事業所内 (72)発明者 藤井 永一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 加瀬谷 浩康 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA18 AB14 AC04 AC08 AD03 DA32 FA17 5D121 BA01 BB04 BB31 BB40 GG12 GG16

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、ポジ型フォトレジスト層、ア
    ルカリ処理を行ったポジ型フォトレジスト層および光照
    射により光の透過率が上昇する層をこの順番で有する積
    層体に、パターンを形成するように光を照射することを
    特徴とするパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 前記ポジ型フォトレジスト層の厚さが5
    〜200nmである請求項1に記載のパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ処理を行ったポジ型フォト
    レジスト層がポジ型フォトレジスト層にアルカリ水溶液
    を塗布するかあるいはそれをアルカリ水溶液に浸漬して
    設けられる請求項1または2に記載のパターン形成方
    法。
  4. 【請求項4】 前記光照射により光の透過率が上昇する
    層が光退色性色素を含有する層である請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 【請求項5】 前記光照射により光の透過率が上昇する
    層の厚さが50〜300nmである請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載のパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記基板の屈折率が1.40〜1.65で
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成
    方法。
  7. 【請求項7】 光ディスク原盤用基盤上に、ポジ型フォ
    トレジスト層、アルカリ処理を行ったポジ型フォトレジ
    スト層および光照射により光の透過率が上昇する層をこ
    の順番で有する積層体に、パターンを形成するように光
    を照射し、次いでアルカリ現像液で現像することを特徴
    とする光ディスク原盤の製造法。
  8. 【請求項8】 請求項7の方法により作成された光ディ
    スク原盤。
  9. 【請求項9】 請求項8の光ディスク原盤のレプリカで
    ある金属製光ディスク用スタンパ。
  10. 【請求項10】 請求項9のスタンパのレプリカである
    光ディスク。
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