JP2003043232A - 反射板とその製造方法、液晶表示装置、電子機器 - Google Patents

反射板とその製造方法、液晶表示装置、電子機器

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JP2003043232A
JP2003043232A JP2001232220A JP2001232220A JP2003043232A JP 2003043232 A JP2003043232 A JP 2003043232A JP 2001232220 A JP2001232220 A JP 2001232220A JP 2001232220 A JP2001232220 A JP 2001232220A JP 2003043232 A JP2003043232 A JP 2003043232A
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liquid crystal
concave
convex
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Kimitaka Kamijo
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画面の左右方向(横方向)において反射光強
度の高い領域が広い特性を有する反射板の提供を目的と
する。 【解決手段】 本発明の反射板は複数の凹状反射面を有
しており、縦方向に切断した際の断面形状が、傾斜が急
峻な第1の湾曲面と、第1の湾曲面よりも面積が広くか
つ傾斜が緩やかな第2の湾曲面とを有する非対称形をな
し、横方向に切断した際の断面形状が第2の湾曲面より
も曲率が大きい湾曲面を有する対称形をなしている。こ
れにより、最大反射強度に対して一定割合の反射強度が
得られる反射角の範囲が表示領域の縦方向よりも横方向
に広いという特性を実現している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射板とその製造
方法、液晶表示装置、電子機器に関し、特に、反射光の
指向性を有する凹状反射面または凸状反射面を有する反
射板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】反射型の液晶表示装置は、バックライト
等の光源を持たないために消費電力が小さく、従来から
種々の携帯電子機器や装置の付属的な表示部等に多用さ
れている。ところが、反射型の液晶表示装置は、自然光
や照明光などの外光を利用して表示を行うため、外光の
光量が限られた場所では表示の視認性が低下する、とい
う問題があった。また、この種の液晶表示装置では、従
来から反射膜の表面に多数の凹凸を形成し、反射光を拡
散させることによってある程度の視野角で明るい表示を
得る技術が採用されてきた。ところが、反射光の限られ
た光量の中でより有効に反射光を利用し、使用者の目に
とって明るい表示を得るという観点から、断面形状が対
称形の凹凸を形成し、この凹凸で等方的に光を拡散させ
る従来の技術に代えて、例えば断面形状が非対称の凹
凸、すなわち傾斜が緩い面と傾斜が急な面を有するよう
な凹凸を形成し、光の拡散に異方性(本明細書では、以
下、指向性という)を持たせることで反射光の向きを使
用者の目の方向に合わせるという技術、いわゆる指向性
反射板の技術が提案されている。
【0003】例えば表面に多数の凸部を形成した反射板
においては、凸部の表面が反射面となるが、凸部の断面
形状が非対称になるような設計を行うことによって、反
射面の傾斜が緩い部分の面積を傾斜が急な面の面積より
も充分に大きくすることができる。すなわち、図18に
示すように、基板100上の個々の凸部105は断面形
状が非対称であり、緩斜面の面積が急斜面の面積よりも
大きくなっている。この反射板100を組み込んだ液晶
表示装置において、通常の使用環境では画面の上方向か
ら太陽光、照明光などの外光が入射し、使用者は画面の
略正面で見るのが普通であるから、画面の上方向からの
外光(矢印A1で示した方向からの光)が反射層106
の緩斜面で反射し、特にパネル正面方向への反射光量が
多くなるため、使用者は明るい画像を視認することがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の指向性反射板には以下の問題点があった。上で述べ
たように、従来の指向性反射板の設計の考え方は、画面
の上方向(液晶パネルに対して斜め方向)から入射する
光を略正面方向に反射させる、つまり画面の上下方向
(縦方向)においてパネル正面方向への反射光量を増す
ことで明るい画像を得ようとするものであった。しかし
ながら、実際に液晶表示装置を組み込んだ電子機器、例
えば携帯電話などの携帯用電子機器を使用する場合を考
えると、通常の使用者の動作として、画面の上下方向に
ついては使用者が電子機器を適宜傾けるなどして画面を
見る角度を適当に調整し、表示が明るくなる角度を自然
に探している。よって、表示が明るい角度範囲はあまり
広くなくても画面の正面方向により強く反射させる指向
性があればよいことになる。それに対して、画面の左右
方向(横方向)については、あまり傾けると表示が見難
くなるという視野角の問題もあり、画面を左右に振って
表示が明るい角度を探すという動作はとらないのが普通
である。
【0005】以上のことを考慮すると、画面の左右方向
においては、上下方向に比べて反射光の強度がある程度
高い角度範囲が広いことが要求されることになる。とこ
ろが、従来の指向性反射板の設計では、画面の上下方向
における最適な反射面の形状などは検討がなされてきた
が、上下方向とのバランスを加味した上での左右方向に
おける最適な反射面の形状については、あまり考慮され
ていないのが現状であった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、画面の左右方向(横方向)におい
て反射光強度の高い角度範囲が広い特性を有する反射板
の提供を目的とする。また、上記反射板を備えたことで
明るい表示が得られる液晶表示装置の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の反射板は、最大反射強度に対して一定割
合の反射強度が得られる反射角の範囲が表示領域の縦方
向よりも横方向に広くなる特性を有する凹状反射面また
は凸状反射面が複数設けられたことを特徴とする。ま
た、この構成により、前記複数の凹状反射面または凸状
反射面により表示領域全体から得られる反射光の最大反
射強度に対して一定割合の反射強度が得られる範囲が表
示領域の縦方向よりも横方向に広いことを特徴とする。
なお、ここで言う「表示領域の縦方向または横方向」と
は、この反射板を液晶表示装置などの表示装置に組み込
んだ場合に、その表示装置の表示領域における縦方向、
横方向にそれぞれ相当する方向のことを言う。
【0008】この構成によれば、複数の凹状反射面また
は凸状反射面のそれぞれが、最大反射強度に対して一定
割合の反射強度が得られる反射角の範囲が表示領域の縦
方向よりも横方向に広いという特性を有しているので、
反射板全体の特性としても表示領域の縦方向に比べて横
方向により広い範囲で反射光が散乱する効果を得ること
ができる。
【0009】前記一定割合の反射強度が、最大反射強度
からの低下量として3dB以内の範囲にあることが望ま
しい。
【0010】本発明者は、過去の様々な検討結果から、
反射光が強度分布を持つ場合に最大反射強度から3dB
低下までの強度であれば、使用者が感覚的に明るいと感
じる領域となることを見出している。したがって、前記
の「一定割合の反射強度」が最大反射強度からの低下量
として3dB以内の範囲にあるとき、使用者が実際の使
用状態で明るい範囲が横方向にも充分に広いと感じる反
射板を得ることができる。
【0011】また、前記最大反射強度に対して一定割合
の反射強度が得られる範囲が前記表示領域面内において
横長の楕円形の分布となっており、前記横方向に相当す
る楕円の長軸方向の径が前記縦方向に相当する楕円の短
軸方向の径の1.1〜2.5倍の範囲にあることが望ま
しい。
【0012】その理由は、楕円の長軸方向の径が短軸方
向の径の1.1倍より小さいと、使用者が明るい表示を
得るためには左右に表示装置を傾ける必要があり、ま
た、2.5倍より大きいと、散乱光が拡散しすぎるため
に表示が暗くなってしまうからである。
【0013】上記のような「最大反射強度に対して一定
割合の反射強度が得られる反射角の範囲が表示領域の縦
方向よりも横方向に広い」という特性を実現するための
前記凹状反射面または凸状反射面の具体的な形状として
は、前記縦方向に切断した際の断面形状が、傾斜が急峻
な第1の湾曲面と該第1の湾曲面よりも面積が広くかつ
傾斜が緩やかな第2の湾曲面とを有する非対称の形状で
あり、前記横方向に切断した際の断面形状が、前記第2
の湾曲面よりも曲率が大きい湾曲面を有する対称の形状
であればよい。
【0014】このような断面形状とした場合、縦方向に
関しては、傾斜が急峻な第1の湾曲面とこれよりも面積
が広くかつ傾斜が緩やかな第2の湾曲面とを有する非対
称の形状となっているので、入射光は主に傾斜が緩やか
な第2の湾曲面で反射することになり、「従来の技術」
の項で説明したように、表示領域の上方向から入射する
外光を略正面方向に反射させることができる。さらに横
方向に関しては、前記第2の湾曲面よりも曲率が大きい
湾曲面を有しているので、反射光の散乱角度が広くな
り、明るい角度範囲を縦方向よりも広げることができ
る。
【0015】また、前記凹状反射面または凸状反射面
が、前記表示領域内でランダムに配置されていることが
望ましい。
【0016】仮に凹状反射面または凸状反射面が規則的
に配置されていると、各反射面からの反射光の干渉が生
じ、モアレが発生する恐れがあるが、ランダムに配置さ
れていればモアレの発生を防止することができる。
【0017】さらに、大きさが異なる前記凹状反射面ま
たは凸状反射面が、前記表示領域内に複数配置されてい
ることが望ましい。
【0018】上記と同様、凹状反射面または凸状反射面
の大きさが全く同一であるとモアレが発生する恐れがあ
るが、大きさが異なる凹状反射面または凸状反射面であ
ればモアレの発生を防止することができる。また、例え
ば凹状反射面、凸状反射面の平面形状が円形、楕円形な
どの場合、同じ大きさの複数の反射面を配置しようとす
ると反射板の面内に平坦部分ができ、この部分では入射
光が正反射するので、指向性が弱まってしまう。そこ
で、複数の凹状反射面、凸状反射面の隙間を大きさが異
なる他の反射面で埋めるようにすれば、平坦な部分が少
なくなり、正反射する反射光を減らして充分な指向性を
得ることができる。
【0019】前記凹状反射面または凸状反射面は、樹脂
層の表面に形成した凹部または凸部の表面に反射膜を形
成したもので構成することができる。
【0020】この構成であれば、以下に示す方法によっ
て本発明の反射板を容易に製造することができる。
【0021】本発明の反射板の製造方法は、基板上に前
記樹脂層となる感光性樹脂を塗布する工程と、光透過領
域または遮光領域のパターン形状が異なるフォトマスク
を用いて前記感光性樹脂に対して複数回の露光を行い、
現像を行うことにより、段差を有する複数の凹部または
凸部を前記樹脂層の表面に形成する工程と、前記段差を
有する前記複数の凹部または前記凸部の表面をなだらか
な曲面に形状変化させる工程と、前記複数の凹部または
前記凸部のなだらかな表面上に反射膜を形成することに
より前記凹状反射面または凸状反射面を形成する工程、
とを有することを特徴とする。
【0022】この構成によれば、光透過領域または遮光
領域のパターン形状が異なる複数のフォトマスクを用意
しておきさえすれば、通常のフォトリソグラフィー技術
(露光、現像工程)により段差を有する凹凸を形成する
ことができる。そして、感光性樹脂の段差をだれさせる
処理を施して凹凸の表面をなだらかな曲面に形状変化さ
せた後、反射膜を形成することによって、本発明特有の
反射特性を有する反射板を容易に製造することができ
る。また、フォトマスクのパターンを適宜設計変更する
ことによって、凹状反射面または凸状反射面の形状を制
御することができる。
【0023】段差を有する凹凸を形成した後、凹凸の表
面をなだらかにする方法として、一つは、段差を有する
感光性樹脂を熱処理することにより凸部または凹部の表
面をなだらかな曲面に形状変化させることができる。他
の一つは、段差を有する感光性樹脂の表面を他の膜で覆
うことにより凸部または凹部の表面をなだらかな曲面に
形状変化させることができる。これらの方法は、使用す
る感光性樹脂の性質などにより適宜使い分ければよい
が、例えば感光性樹脂がリフローしやすい性質のもので
あれば、前者の方法により容易になだらかにすることが
できる。また、感光性樹脂がリフローしにくいものであ
ったり、熱処理を避けたい場合などには後者の方法を採
ればよい。
【0024】本発明の他の反射板の製造方法は、前記凹
部または凸部の所望の形状が反転した形状のネガ型を用
い、該ネガ型の形状を転写することによって前記樹脂層
からなる複数の凹部または凸部を基板上に形成する工程
と、前記複数の凸部または前記凹部の表面上に反射膜を
形成することにより前記凹状反射面または凸状反射面を
形成する工程、とを有することを特徴とする。
【0025】この構成によれば、凹部または凸部の所望
の形状が反転した形状のネガ型を作成することによっ
て、フォトリソグラフィー技術を用いることなく、本発
明特有の反射特性を有する反射板を安価に製造すること
ができる。また、ネガ型の表面形状を適宜設計変更する
ことによって凹状反射面または凸状反射面の形状を所望
の形状に制御することができる。
【0026】本発明の液晶表示装置は、一対の基板間に
液晶が挟持されてなる液晶表示装置であって、前記一対
の基板のうちの一方の基板の外面に、上記本発明の反射
板を備えたことを特徴とする。あるいは、前記一対の基
板のうちの一方の基板の液晶側の面に、上記本発明の反
射板を備えたことを特徴とする。
【0027】すなわち、本発明の液晶表示装置は、上記
本発明の反射板を一方の基板の外面に取り付けた、いわ
ゆる外付けタイプのものでもよいし、一方の基板の液晶
側の面に取り付けた、いわゆる内蔵タイプのものでもよ
い。上記本発明の反射板を備えたことにより、照明環境
に依存することなく、明るい反射表示を実現することが
できる。
【0028】また本発明は、パッシブマトリクス方式、
アクティブマトリクス方式の液晶表示装置のいずれを問
わず、適用が可能である。その中で特にアクティブマト
リクス方式に効果的な構成として、前記一方の基板上
に、表示領域を構成するマトリクス状の各画素に対応し
て薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor, 以下、T
FTと略記する)、薄膜ダイオード(Thin Film Diode,
以下、TFDと略記する)等のスイッチング素子を設け
た場合、導電膜からなる反射膜を各画素毎に配置して画
素電極を兼ねるようにする。そして、反射膜からなる画
素電極とスイッチング素子の一つの端子とをコンタクト
形成領域において電気的に接続する構成とすることが望
ましい。
【0029】この構成によれば、導電膜からなる反射膜
が画素電極を兼ねているので、アクティブマトリクス方
式の液晶表示装置としての構成を簡略化することがで
き、製造プロセスも簡略化される。
【0030】前記反射膜として光の一部を透過する機能
を有するものを用いれば、半透過反射型の液晶表示装置
を実現することができる。光の一部を透過する機能を実
現するためには、反射膜の膜厚を最適化して入射光をあ
る割合で透過し、残りを反射するようにしたもの、いわ
ゆるハーフミラーと呼ばれる反射膜を用いてもよいし、
反射膜に開口部を設けることによって光の一部を透過さ
せても良い。
【0031】本発明の電子機器は、上記本発明の液晶表
示装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、
画面の左右方向において明るい表示が視認できる範囲が
広い液晶表示部を備えた電子機器を提供することができ
る。
【0032】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、本発
明の第1の実施の形態を図1〜図12を参照して説明す
る。図1は本実施の形態の液晶表示装置の全体構成を示
す平面図、図2は同、液晶表示装置の表示領域を示す図
であって、図1のB−B’線に沿う断面図(横方向に切
断した状態を示す断面図)、図3は同、図1のC−C’
線に沿う断面図(縦方向に切断した状態を示す断面図)
である。本実施の形態は、パッシブマトリクス方式の半
透過反射型カラー液晶表示装置の例であり、下基板の内
面側に反射板を形成した内蔵反射板を備えた例である。
なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくす
るため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異な
らせてある。
【0033】本実施の形態の液晶表示装置1は、図1に
示すように、平面視矩形状の下基板2(一方の基板)と
上基板3(他方の基板)とがシール材4を介して対向配
置されている。シール材4の一部は各基板2,3の一辺
(図1における上辺)側で開口して液晶注入口5となっ
ており、双方の基板2,3とシール材4とに囲まれた空
間内に液晶が封入され、液晶注入口5が封止材6によっ
て封止されている。本実施の形態では、上基板3よりも
下基板2の外形寸法の方が大きく、上基板3と下基板2
の1辺(図1における上辺)では縁が揃っているが、上
基板3の残りの3辺(図1における下辺、右辺、左辺)
からは下基板2の周縁部がはみ出すように配置されてい
る。そして、下基板2の下辺側の端部に上基板3、下基
板2双方の電極を駆動するための駆動用半導体素子7が
実装されている。なお、符号8は表示領域の周囲を遮光
するための遮光層(周辺見切り)である。
【0034】本実施の形態の場合、図1に示すように、
下基板2上に、図中縦方向に延在する複数のセグメント
電極10がストライプ状に形成されている。一方、上基
板3上には、セグメント電極10と直交するように図中
横方向に延在する複数のコモン電極11がストライプ状
に形成されている。カラーフィルターのR、G、Bの各
色素層は各セグメント電極10の方向に対応して配置
(縦ストライプ/RGBのそれぞれがストライプ状に縦
に同色で形成配置)されており、横方向に並んだR、
G、Bの3個の画素で画面上の1個のドットが構成され
ている。なお、本実施の形態における「画素」とは、セ
グメント電極10とコモン電極11とが平面的に見て重
なり合った各領域のことである。また、「表示領域」と
は、遮光層8の内側の多数の画素がマトリクス状に配列
された領域であって、実際に表示に寄与する領域のこと
を言う。
【0035】図1に示すように、複数のコモン電極11
のうち、図1の上側半分のコモン電極11については、
引き回し配線14がコモン電極11の右端からシール材
4に向けて引き出され、シール材4中に混入させた異方
性導電粒子等の上下導通材を介して上基板3から下基板
2上に電気的な接続がなされ、下基板2上の周縁部に引
き回され、駆動用半導体素子7の出力端子に接続されて
いる。同様に、図1の下側半分のコモン電極11はその
左端からシール材4に向けて引き回し配線14が引き出
され、シール材4中に混入させた異方性導電粒子等の上
下導通材を介して下基板2上に電気的な接続がなされ、
下基板2上の周縁部に引き回され、駆動用半導体素子7
の出力端子に接続されている。一方、セグメント電極1
0については、引き回し配線15がセグメント電極10
の下端からシール材4に向けて引き出され、そのまま駆
動用半導体素子7の出力端子に接続されている。また、
駆動用半導体素子7に各種信号を供給するための入力用
配線16が下基板2の下辺から駆動用半導体素子7の入
力端子に向けて設けられている。
【0036】断面構造を見ると、図2、図3に示すよう
に、ガラス、プラスチック等の透明基板、もしくは不透
明基板からなる下基板2上に、感光性レジスト(感光性
樹脂)からなる樹脂層19が形成され、その表面に多数
の凹部25が形成されている。凹部25は一つの画素の
中に多数配置されている。そして、これら凹部25の表
面に沿ってアルミニウム、銀等の光反射率の高い金属膜
からなる反射層26が形成され、凹状反射面が構成され
ている。この反射層26は表示領域の縦方向において反
射光の指向性があり、また、表示領域の縦方向よりも横
方向に広い反射光の散乱を有するものである。
【0037】このような反射特性を得るために、凹部2
5の断面形状が本発明特有のものとなっている。図4は
樹脂層19の表面に形成された凹部25の一つを拡大視
したものである。図4の中央に示したものは凹部25を
平面視した状態を示しており、凹部25の形状を等高線
で示している。下側のハッチングを施した図は表示領域
の横方向に切断した状態の断面図(図2に相当する)を
示し、右側のハッチングを施した図は表示領域の縦方向
に切断した状態の断面図(図3に相当する)を示してい
る。
【0038】図4に示す通り、凹部25の平面形状は楕
円形であるが、表示領域の縦方向に切断した断面におい
ては、凹部25の断面形状が非対称の形状となってお
り、傾斜が急峻で面積の狭い第1の湾曲面25bと、比
較的傾斜が緩くかつ第1の湾曲面よりも面積の大きい第
2の湾曲面25aとを有している。一方、表示領域の縦
方向に切断した断面においては、凹部25の断面形状が
対称の形状であり、第2の湾曲面よりも曲率が大きい湾
曲面25cを有している。
【0039】縦方向の断面においては、凹部25の断面
形状が非対称であり、傾斜が緩く、第1の湾曲面25b
よりも充分に面積の大きい第2の湾曲面25aを有して
いるため、反射特性はほぼ第2の湾曲面25aに支配さ
れ、従来の技術の項でも説明したように、画面の上方向
からの外光(図3において矢印A1で示した方向からの
光)が第2の湾曲面25a側の反射層26の表面で反射
し、特にパネル正面方向への反射光量が多くなるため、
パネルを正面から見る使用者が明るい画像を視認するこ
とができる。
【0040】一方、横方向の断面においては、凹部25
の断面形状が対称であり、第2の湾曲面25aよりも曲
率が大きい湾曲面25cを有しているため、縦方向より
も横方向の方が反射光の散乱角度が広くなり、反射光の
最大強度に対して一定割合の反射強度が得られる反射角
の範囲が縦方向よりも広いという特性が得られることに
なる。
【0041】また図2、図3に示すように、反射層26
上にはアクリル、ポリイミド等の樹脂膜、シリコン酸化
膜等の絶縁膜等からなる平坦化膜27が形成され、平坦
化膜27上にインジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide,
以下、ITOと略記する)からなるセグメント電極10
が紙面を貫通する方向にストライプ状に形成されてお
り、その上に例えば表面にラビング処理が施されたポリ
イミド等からなる配向膜20が形成されている。
【0042】一方、ガラス、プラスチック等の透明基板
からなる上基板3上に、R、G、Bの各色素層13r,
13g,13bからなるカラーフィルター13が形成さ
れ、カラーフィルター13上には各色素層間の段差を平
坦化すると同時に各色素層の表面を保護するためのオー
バーコート膜21が形成されている。このオーバーコー
ト膜21はアクリル、ポリイミド等の樹脂膜でもよい
し、シリコン酸化膜等の無機膜でもよい。さらに、オー
バーコート膜21上にITO膜からなるコモン電極11
が紙面に平行な方向にストライプ状に形成されており、
その上に例えば表面にラビング処理が施されたポリイミ
ド等からなる配向膜22が形成されている。上基板3と
下基板2との間にはSTN(Super Twisted Nematic)
液晶等からなる液晶23が挟持されている。また、例え
ば樹脂ブラックや比較的反射率の低いクロム等の金属な
どからなるブラックストライプ33が、R、G、Bの各
色素層13r,13g,13bの間(境界)を区画する
ように設けられている。
【0043】以下、本実施の形態の液晶表示装置の製造
方法、特に本発明の特徴点である反射層の形成方法を図
5〜図7を用いて説明する。図5(a)、(b)は2回
の露光に用いるフォトマスクを示す平面図であり、図
6、図7は図5(a)、(b)のA−A’線に沿う方向
の工程断面図である。なお、下基板2上には反射層26
の下方の樹脂層に多数の凹部25が形成されるが、図6
では一つの凹部25のみを図示する。
【0044】まず、下基板2となるガラス基板等を用意
し、例えばスピンコーターを用いてポジ型の感光性レジ
ストOFPR−800(商品名、東京応化製)を下基板
2上に塗布する。塗布膜厚は3μm程度とする。塗布
後、90℃の温度で10分間仮焼成を行う。
【0045】次に、図5(a)に示すような楕円形の光
透過領域35aを有するフォトマスク35を用いて、図
6(a)に示すように、1回目の露光を行う。また、こ
のフォトマスク35において、楕円形の光透過領域35
aの配置はランダムになっている。感光条件を最適化し
た1回目の露光を経ることにより、光透過領域35aに
おいては、感光性レジスト39のうち、ある一定割合の
部分が感光する。
【0046】次に、図5(b)に示すような1回目の露
光で用いたものと異なるフォトマスク40を用いて、図
6(b)に示すように、2回目の露光を行う。ここで用
いるフォトマスク40は、1回目の露光で用いたものよ
りも楕円形の光透過領域40aの面積が小さいものであ
る。したがって、2回目の露光を経ることにより、領域
によって3段階の感光状態の異なる部分が生じる。すな
わち、1回目、2回目ともに光透過領域の部分、1回目
が光透過領域で2回目が遮光領域の部分、1回目、2回
目ともに遮光領域の部分の順で感光性レジスト39が多
い割合で感光する。
【0047】次に、現像液NMD−W(商品名、東京応
化製)を用いて3段階の感光状態の異なる部分を有する
感光性レジスト39を現像する。これにより感光したレ
ジストの部分が除去され、図6(c)に示すように、下
基板2上に3段の段差を有する感光性レジスト39から
なる凹部41が形成される。なお、ここでは2回の露光
を行った後、現像を行う例を示したが、1回の露光毎に
現像を行ってもかまわない。
【0048】次に、図6(d)に示すように、凹部41
の表面を他の樹脂膜45等で覆うことによって凹部41
の表面をなだらかにする。この場合、後から表面を覆う
樹脂膜45は、全体として平坦化されない程度の適度な
粘度を持っていることが望ましく、例えば同一種の感光
性レジストを用いてもよいし、他の樹脂材料を用いても
よい。
【0049】次に、図6(e)に示すように、なだらか
になった凹部42の表面上にアルミニウム、銀等の光反
射率の高い金属膜を形成して反射層26とすることによ
り、縦方向の断面形状が非対称、すなわち傾斜の緩い第
2の湾曲面25aを持つことで指向性を有し、横方向の
断面形状が対称で曲率の大きい湾曲面25cを持つこと
で広い散乱を生じる凹状反射面が形成される。
【0050】その後の工程は従来の製造工程と同様であ
る。すなわち、下基板2上に、アクリル、ポリイミド等
の樹脂膜、あるいはシリコン酸化膜等の絶縁膜からなる
平坦化膜27を形成し、その上にITO膜を成膜、パタ
ーニングすることによりセグメント電極10を形成し、
次いで、ポリイミド膜等を成膜しラビング処理を施すこ
とで配向膜20を形成する。
【0051】一方、ガラス、プラスチック等の透明基板
からなる上基板3上には、カラーフィルター13を形成
した後、アクリル、ポリイミド等の樹脂膜、もしくはシ
リコン酸化膜等の無機膜からなるオーバーコート膜21
を形成し、下基板2側のセグメント電極10と同様にし
てITO膜からなるコモン電極11を形成した後、ラビ
ング処理が施されたポリイミド等からなる配向膜22を
形成する。そして、上基板3と下基板2とをシール材4
を介して貼り合わせた後、これら基板2,3間に液晶2
3を注入する。以上の工程により、本実施の形態の液晶
表示装置1が完成する。
【0052】本実施の形態によれば、多数の凹状反射面
のそれぞれが、最大反射強度に対して一定割合の反射強
度が得られる反射角の範囲が表示領域の縦方向よりも横
方向に広いという特性を有しているので、反射板全体の
特性としても表示領域の縦方向に比べて横方向により広
い範囲で反射光が散乱する効果を得ることができる。そ
の結果、照明環境に依存することなく、明るい反射表示
が得られる液晶表示装置を実現することができる。
【0053】本発明者は、図4に示したような形状の凹
状反射面を多数有する反射板を実際に試作し、その反射
特性を評価した。その結果について報告する。図11は
反射特性の評価に用いた測定系の概略構成図である。反
射板48の斜め上方に光源49を固定し、光源49から
の光A1が反射板48の板面の法線方向Hに対して25
°の角度で入射するようにした。そして、照度計50を
用いて上記法線方向Hに対してθ=0°〜60°の範囲
にて反射光A2の強度を測定した。測定は縦方向と横方
向で個々に行った。
【0054】図12は反射光の強度測定の結果を示すグ
ラフであり、横軸は反射角度θ[°]であり、縦軸は入
射光強度を100%とした際の反射光強度[%]であ
る。縦方向(上下方向)においては、反射光の最大強度
は、θ=15°〜20°程度のときに強度10%程度の
ピークが得られ、これ以外の角度では強度が急激に低下
する傾向を示している。図12において、この最大強度
に対して3dB低下した強度レベルを破線で示したが、
このレベルにおける反射角度の範囲は12°〜13°程
度であった。これに対して、横方向(左右方向)におい
ては、反射光の最大強度は、θ=20°近傍で強度1%
を超える程度のピークが得られ、全体的に見ると縦方向
に比べてなだらかな傾向を示している。この最大強度に
対して3dB低下した強度レベルを実線で示したが、こ
のレベルでの反射角度の範囲は23°〜24°程度であ
り、縦方向に比べて1.9倍程度の広い角度範囲が得ら
れた。このように、本実施の形態の凹状反射面によれ
ば、上下方向においては画面の上方向からの入射光を正
面方向に反射させるという指向性が得られ、左右方向に
おいては上下方向ほどは強度が取れなくても広い角度範
囲にわたって明るい特性を得ることができる。
【0055】本実施の形態の場合、凹状反射面が表示領
域内でランダムに配置されているので、反射光の干渉が
生じることがなく、モアレの発生を防止することができ
る。また、図4には全ての凹状反射面が同じ大きさであ
るように示したが、この大きさを変え、さらに凹状反射
面間の隙間を小さい凹状反射面で埋めるようにすれば、
平面的に見て平坦な部分をほとんどなくすことができる
ので、反射層26の表面で正反射する反射光を減らして
充分な指向性を得ることができる。
【0056】なお、上記実施の形態では、凹部41の表
面を他の樹脂膜45等で覆うことによってなだらかな表
面を持つ凹部を形成する方法を採用したが、この方法に
代えて、図6(c)に示すような段差を有する凹部41
を形成した後、例えば図7に示すように、熱処理を行う
ことで感光性レジスト39をリフローさせて段差をなだ
らかにした後、反射層26を形成する方法を採用しても
よい。具体的には、120〜150℃の温度で30分の
熱処理を行うことにより感光性レジスト39をリフロー
させ、凹部41の段差をだれさせて表面がなだらかな曲
面となった凹部42とする。その後、250℃の温度で
本焼成を行うことにより、感光性レジスト39を完全に
硬化させる。
【0057】以上、樹脂層19の凹部25に反射層26
を形成した凹状反射面の例について説明したが、樹脂層
19の表面に凸部を形成し、その上に反射層を形成した
凸状反射面としてもよい。その形成方法を図8〜図10
を用いて説明する。図8(a)、(b)は2回の露光に
用いるフォトマスクを示す平面図であり、図9、図10
は図8(a)、(b)のA−A’線に沿う方向の工程断
面図である。なお、図8〜図10において図5〜図7と
共通の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明は省略
する。
【0058】まず、下基板2となるガラス基板等の上に
感光性レジスト39を塗布した後、図8(a)に示すよ
うな楕円形の遮光領域31aを有するフォトマスク31
を用いて、図9(a)に示すように、1回目の露光、現
像を行う。1回目の露光、現像を経ることにより楕円形
の遮光領域31aの周囲の部分が感光し、図9(b)に
示すように、楕円形の遮光領域31aの部分のみの感光
性レジスト39が基板2上に残存する。
【0059】次に、図8(b)に示す1回目の露光で用
いたものと異なるフォトマスク32を用いて、図9
(c)に示すように、2回目の露光、現像を行う。ここ
で用いるフォトマスク32は、1回目の露光で用いたも
のよりも楕円形の遮光領域32aの面積が小さいもので
ある。したがって、2回目の露光、現像を経ることによ
り2回目の露光で感光した領域で膜減りが生じ、図9
(d)に示すように、2段の段差を有する感光性レジス
ト39からなる凸部34が形成される。なお、ここでは
1回の露光毎に現像を行う例を示したが、2回の露光を
行った後、まとめて現像を行うようにしても良い。つま
り、凸状反射面を形成する場合には、凹状反射面を形成
するときに用いるものと白黒が反転したフォトマスクを
用いれば良い。
【0060】次に、図9(e)に示すように、凸部34
の表面を他の樹脂膜45等で覆うことによって凸部34
の表面をなだらかにする。次に、図9(f)に示すよう
に、なだらかになった凸部42の表面上にアルミニウ
ム、銀等の光反射率の高い金属膜を形成して反射層26
とすることにより、縦方向の断面形状が非対称、すなわ
ち傾斜の緩い第2の湾曲面を持つことで指向性を有し、
横方向の断面形状が対称で第2の湾曲面よりも曲率の大
きい湾曲面を持つことで広い散乱を生じる凸状反射面が
形成される。
【0061】もしくは、図9(d)に示す段差を有する
凸部34を形成した後、熱処理を施して感光性レジスト
39をリフローさせ、段差をだれさせることによって、
図10に示すように、表面がなだらかな凸部を形成し、
その表面に反射層26を形成するようにしてもよい。
【0062】凸状反射面の場合も凹状反射面の場合と同
様、照明環境に依存することなく、使用者にとって明る
い反射表示が得られる液晶表示装置が実現できる。
【0063】[第2の実施の形態]以下、本発明の第2
の実施の形態を図13、図14を参照して説明する。図
13は本実施の形態の液晶表示装置の等価回路図、図1
4は同、液晶表示装置の画像表示領域の断面図である。
本実施の形態は、スイッチング素子にTFTを用いたア
クティブマトリクス方式の液晶表示装置の例であり、反
射層が画素電極を兼ねる例である。
【0064】本実施の形態の液晶表示装置においては、
図13に示すように、画像表示領域を構成するマトリク
ス状に配置された複数の画素には、画素電極51と当該
画素電極51を制御するためのスイッチング素子である
TFT52がそれぞれ形成されており、画像信号が供給
されるデータ線53が当該TFT52のソースに電気的
に接続されている。データ線53に書き込む画像信号S
1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給される
か、あるいは相隣接する複数のデータ線3同士に対して
グループ毎に供給される。また、走査線54がTFT5
2のゲートに電気的に接続されており、複数の走査線5
4に対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイ
ミングでパルス的に線順次で印加される。画素電極51
はTFT52のドレインに電気的に接続されており、ス
イッチング素子であるTFT52を一定期間だけオンす
ることにより、データ線53から供給される画像信号S
1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
【0065】画素電極51を介して液晶に書き込まれた
所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述す
る共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加
される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化す
ることにより、光を変調し、階調表示を可能にする。こ
こで、保持された画像信号がリークするのを防ぐため
に、画素電極51と共通電極との間に形成される液晶容
量と並列に蓄積容量55が付加されている。
【0066】これを断面構造で見ると、図14に示すよ
うに、ガラス基板、シリコン基板等からなる素子基板5
7(一方の基板)上にTFT52が形成され、TFT5
2の上方に位置するように感光性レジスト(感光性樹
脂)からなる樹脂層70が形成され、その表面に凹部5
8が形成されている。そして、凹部58の表面にTFT
52のドレイン領域52dと電気的に接続され、本発明
の反射層としても機能する画素電極51が形成されてい
る。画素電極51上には素子基板57の全面にわたって
配向膜59が形成されている。
【0067】より具体的なTFTの構成としては、素子
基板57上に多結晶シリコン等からなる半導体層60が
形成され、半導体層60の両端にn型不純物が導入され
たソース領域52sとドレイン領域52dとが形成さ
れ、ソース領域52sとドレイン領域52dとの間がチ
ャネル領域52cとなっている。半導体層60はゲート
絶縁膜61で覆われており、半導体層60の上方にソー
ス領域52sと電気的に接続されたデータ線53、ドレ
イン領域52dと電気的に接続されたドレイン電極62
が設けられ、ゲート絶縁膜61を介して走査線54が設
けられている。
【0068】素子基板57上には感光性レジストからな
る樹脂層70の表面に多数の凹部58が形成されてお
り、これら凹部58の表面を覆うようにアルミニウム、
銀等の光反射率の高い金属膜が形成され、この金属膜が
反射層を兼ねた画素電極51として機能する。この画素
電極51は反射光の指向性を有するものであって、凹部
58の平面形状は楕円形状となっており、楕円形の長軸
方向に切断した凹部58の断面形状は非対称形であり、
各凹部58が傾斜が緩く面積の広い第2の湾曲面58a
と傾斜が急峻で面積の狭い第1の湾曲面58bを有して
いる。一方、楕円形の短軸方向に切断した凹部58の断
面形状は対称形であり、第2の湾曲面58aよりも曲率
が大きい湾曲面(図示せず)を有している。
【0069】感光性レジストからなる樹脂層70の凹部
58は、第1の実施の形態で説明した図6に示す手順に
よって形成されるが、本実施の形態の場合は、表面をな
だらかにする目的で2度目に塗布される樹脂層70bに
対して、フォトリソグラフィー工程によって画素電極5
1とドレイン電極62とを電気的に接続するためのコン
タクトホール71が形成され、ドレイン電極62の表面
が露出した後で反射層となる金属膜が形成されることで
画素電極51とドレイン電極62とが電気的に接続され
る。
【0070】一方、対向基板63上には、TFT52の
形成領域を遮光するための遮光膜64が形成され、全面
にわたってITO等の透明導電膜からなる共通電極6
5、配向膜66が順次形成されている。そして、素子基
板57と対向基板63との間にツイステッドネマティッ
ク(Twisted Nematic)液晶等の液晶67が挟持されて
いる。
【0071】本実施の形態の構成によれば、金属膜から
なる反射層が画素電極51を兼ねているので、アクティ
ブマトリクス方式の液晶表示装置としての構成を簡略化
することができ、製造プロセスも簡略化することができ
る。
【0072】本実施の形態ではスイッチング素子として
TFTを用いたアクティブマトリクス方式の例を挙げた
が、本実施の形態の特徴点をTFDを用いたアクティブ
マトリクス方式の液晶表示装置に適用しても良い。その
場合も、TFDの一方側の端子に反射膜を兼ねた画素電
極を接続するものとすれば、装置構成を簡略化すること
ができ、製造プロセスも簡略化できる、という上記と同
様の効果を得ることができる。
【0073】また、上記第1、第2の実施の形態におい
ては、樹脂層の凹凸をフォトリソグラフィー技術を用い
て形成する方法を示したが、形成する凹凸形状が反転し
た形状のネガ型を用いた転写技術を用いてもよい。具体
的には、(a)ロールに目的とする形状のネガ型を形成
しておき、ロール転写法により基材表面の樹脂層に凹凸
形状を付与する方法、(b)目的とする形状のネガ型を
形成した凹版に、紫外線硬化樹脂または電子線硬化樹脂
をその凹部内に充填するように塗布した後、その凹版上
に透明基材を被覆した状態で紫外線または電子線を照射
し、その樹脂を透明基材に接着させた状態で硬化させて
凹版から剥離する方法、(c)目的とする形状のネガ型
を流延ベルトに形成しておき、キャスティングに目的と
する形状を付与する方法、などを用いることができる。
【0074】これらの製造方法によれば、フォトリソグ
ラフィー工程が不要となるので、目的とする特性を有す
る反射板を安価に製造することができる。
【0075】[電子機器]上記実施の形態の液晶表示装
置を備えた電子機器の例について説明する。図15は、
携帯電話の一例を示した斜視図である。図15におい
て、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001
は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示してい
る。
【0076】図16は、腕時計型電子機器の一例を示し
た斜視図である。図16において、符号1100は時計
本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用い
た液晶表示部を示している。
【0077】図17は、ワープロ、パソコンなどの携帯
型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図17に
おいて、符号1200は情報処理装置、符号1202は
キーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置
本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶
表示部を示している。
【0078】図15〜図17に示す電子機器は、上記実
施の形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えてい
るので、照明環境に左右されることなく、反射モードで
の明るさを備えた表示部を有する電子機器を実現するこ
とができる。
【0079】なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態
に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲において種々の変更を加えることが可能である。例
えば上記実施の形態では液晶表示装置に内蔵した反射板
の例を挙げて説明したが、単体の反射板を形成するもの
としても勿論かまわない。その他、上記実施の形態で挙
げた製造条件、各部の寸法などの具体的な記載もほんの
一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0080】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、画面の左右方向(横方向)において反射光強度
の高い角度範囲が広い特性を有する反射板が得られ、こ
の反射板を備えたことで照明環境に依存することなく、
明るい反射モードの表示が得られる液晶表示装置を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の液晶表示装置の
全体構成を示す平面図である。
【図2】 同、液晶表示装置の表示領域を示す図であっ
て、図1のB−B’線に沿う断面図である。
【図3】 同、図1のC−C’線に沿う断面図である。
【図4】 同、液晶表示装置の凹状反射面を構成する一
つの凹部の平面形状および断面形状を示す図である。
【図5】 同、凹状反射面の形成時に用いるフォトマス
クのパターン形状を示す平面図であって、(a)1回目
の露光、(b)2回目の露光に用いるものである。
【図6】 同、凹状反射面の形成方法を順を追って示す
工程断面図である。
【図7】 同、形成方法の一工程の他の例を示す断面図
である。
【図8】 凸状反射面の形成時に用いるフォトマスクの
パターン形状を示す平面図であり、(a)1回目の露
光、(b)2回目の露光に用いるものである。
【図9】 同、凸状反射面の形成方法を順を追って示す
工程断面図である。
【図10】 同、形成方法の一工程の他の例を示す断面
図である。
【図11】 本発明者が本発明の反射板の特性評価に用
いた測定系の概略構成図である。
【図12】 同、特性評価結果を示す図であって、反射
角度と反射光の強度の関係を示すグラフである。
【図13】 本発明の第2の実施形態の液晶表示装置の
等価回路図である。
【図14】 同、液晶表示装置の表示領域を示す断面図
である。
【図15】 本発明の電子機器の一例を示す図である。
【図16】 本発明の電子機器の他の例を示す図であ
る。
【図17】 本発明の電子機器のさらに他の例を示す図
である。
【図18】 従来の指向性を有する反射板を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置 2 下基板(一方の基板) 3 上基板(他方の基板) 19 樹脂層 23 液晶 25,41 凹部 26 反射層 31,32,35,40 フォトマスク 39 感光性レジスト(感光性樹脂) 52 TFT(スイッチング素子)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最大反射強度に対して一定割合の反射強
    度が得られる反射角の範囲が表示領域の縦方向よりも横
    方向に広くなる特性を有する凹状反射面または凸状反射
    面が複数設けられたことを特徴とする反射板。
  2. 【請求項2】 前記複数の凹状反射面または凸状反射面
    により表示領域全体から得られる反射光の最大反射強度
    に対して一定割合の反射強度が得られる範囲が表示領域
    の縦方向よりも横方向に広いことを特徴とする請求項1
    に記載の反射板。
  3. 【請求項3】 前記一定割合の反射強度が、最大反射強
    度からの低下量として3dB以内の範囲にあることを特
    徴とする請求項1または2に記載の反射板。
  4. 【請求項4】 前記最大反射強度に対して一定割合の反
    射強度が得られる範囲が前記表示領域面内において楕円
    形の分布となっており、前記横方向に相当する楕円の長
    軸方向の径が前記縦方向に相当する楕円の短軸方向の径
    の1.1〜2.5倍の範囲にあることを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれか一項に記載の反射板。
  5. 【請求項5】 前記凹状反射面または凸状反射面は、前
    記縦方向に切断した際の断面形状が、傾斜が急峻な第1
    の湾曲面と該第1の湾曲面よりも面積が広くかつ傾斜が
    緩やかな第2の湾曲面とを有する非対称の形状であり、
    前記横方向に切断した際の断面形状が、前記第2の湾曲
    面よりも曲率が大きい湾曲面を有する対称の形状である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記
    載の反射板。
  6. 【請求項6】 前記凹状反射面または凸状反射面が前記
    表示領域内でランダムに配置されていることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか一項に記載の反射板。
  7. 【請求項7】 大きさが異なる前記凹状反射面または凸
    状反射面が前記表示領域内に複数配置されていることを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の反
    射板。
  8. 【請求項8】 前記凹状反射面または凸状反射面は、樹
    脂層の表面に形成された凹部または凸部の表面に反射膜
    が形成されたものであることを特徴とする請求項1ない
    し7のいずれか一項に記載の反射板。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の反射板の製造方法であ
    って、 基板上に前記樹脂層となる感光性樹脂を塗布する工程
    と、 光透過領域もしくは遮光領域のパターン形状が異なるフ
    ォトマスクを用いて前記感光性樹脂に対して複数回の露
    光を行い、現像を行うことにより、段差を有する複数の
    凹部または凸部を前記樹脂層の表面に形成する工程と、 前記段差を有する前記複数の凹部または前記凸部の表面
    をなだらかな曲面に形状変化させる工程と、 前記複数の凹部または前記凸部のなだらかな表面上に反
    射膜を形成することにより前記凹状反射面または凸状反
    射面を形成する工程、とを有することを特徴とする反射
    板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記段差を有する感光性樹脂を熱処理
    することにより前記凹部または前記凸部の表面をなだら
    かな曲面に形状変化させることを特徴とする請求項9に
    記載の反射板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記段差を有する感光性樹脂の表面を
    他の膜で覆うことにより前記凹部または前記凸部の表面
    をなだらかな曲面に形状変化させることを特徴とする請
    求項9に記載の反射板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載の反射板の製造方法で
    あって、 前記凹部または凸部の所望の形状が反転した形状のネガ
    型を用い、該ネガ型の形状を転写することによって前記
    樹脂層からなる複数の凹部または凸部を基板上に形成す
    る工程と、 前記複数の凸部または前記凹部の表面上に反射膜を形成
    することにより前記凹状反射面または凸状反射面を形成
    する工程、とを有することを特徴とする反射板の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 一対の基板間に液晶が挟持されてなる
    液晶表示装置であって、 前記一対の基板のうちのいずれか一方の基板の外面に、
    請求項1ないし8のいずれか一項に記載の反射板を備え
    たことを特徴とする液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 一対の基板間に液晶が挟持されてなる
    液晶表示装置であって、 前記一対の基板のうちのいずれか一方の基板の液晶側の
    面に、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の反射板
    を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  15. 【請求項15】 前記一方の基板上に、表示領域を構成
    するマトリクス状に配置された各画素に対応してスイッ
    チング素子が設けられるとともに、導電膜からなる前記
    反射膜が各画素に対応して設けられて画素電極を兼ね、 前記反射膜からなる画素電極と前記スイッチング素子の
    一つの端子とがコンタクト形成領域において電気的に接
    続されていることを特徴とする請求項14に記載の液晶
    表示装置。
  16. 【請求項16】 前記反射膜が光の一部を透過する機能
    を有することを特徴とする請求項13ないし15のいず
    れか一項に記載の液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 請求項13ないし16のいずれか一項
    に記載の液晶表示装置を備えたことを特徴とする電子機
    器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009222884A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Tohoku Univ 表示装置
JP2016521861A (ja) * 2013-05-22 2016-07-25 クリアインク ディスプレイズ, インコーポレイテッドClearink Displays, Inc. 改善されたカラーフィルタの飽和のための方法及び装置

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