JP4061992B2 - 電気光学装置用基板、電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置用基板、電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置用基板に関し、特に、反射型および半透過反射型の電気光学装置に用いるのに好適な反射散乱層を有する基板およびその製造方法に関する。また、本発明は、その反射散乱層を有する基板を用いて構成される電気光学装置、及び、その電気光学装置を備える電子機器に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、携帯電話、携帯型パーソナルコンピュータなどの電子機器に液晶表示装置が搭載されており、特に低消費電力化、薄型化、軽量化を達成できる反射型液晶表示装置は広く用いられている。この反射型液晶表示装置は、自然光や室内光などの外部光を採光し液晶表示装置に設けられた光反射膜で反射された光量を制御することにより、カラーまたは白黒表示を可能としている。
【0003】
反射型液晶表示装置の基本構造は、TN(ツイストネマティック)方式、STN(スーパーツイストネマティック)方式、GH(ゲストホスト)方式、PDLC(高分子分散)方式等を用いた液晶と、これをスイッチングするための素子と、液晶内部または外部に設けた反射板とから構成される。
【0004】
反射型液晶表示装置では明るい表示性能を有することが求められる。この表示性能の向上を実現させるには、外部より入射した光が反射型液晶表示装置内で反射され、再び、外部に出射される際の光の散乱性能を制御することが重要である。
【0005】
光反射板が散乱性能を持たず、膜表面が平坦面の場合、反射率は高くなるが、いわゆる鏡面反射になってしまう。そのため、観察者が表示画面を視認しようとすると、周囲の背景や室内照明が画面上に映ってしまい、画面表示が見難いという問題が生じる。
【0006】
この問題を解決するため、液晶表示装置の観察者側に設けられたフィルムに散乱性を持たせた前方散乱方式、液晶表示装置の内部または外部に設置された反射板に散乱性能を持たせた方式、などが提案されている。
【0007】
これらの提案は、特開平8−338993号公報、特開平8−220532号公報および特開平7−218906号公報などに記載されている。
【0008】
特開平8−338993号公報は、前方散乱方式の構造を示している。観察者側基板は、散乱シート、ガラス基板、カラーフィルタ、および、透明電極から構成されており、下側基板は、ガラス基板上に形成されたアクティブマトリクス駆動素子と平坦面からなる反射電極とから構成される。この基板の間に液晶層が配置されている。反射型液晶表示装置の光源である外光からの入射光は、散乱シート、ガラス基板、カラーフィルタ、透明電極および液晶層を順次通過し、反射電極板で反射される。ただし、反射板は平坦であるため、入射光は反射板への入射角度に対して正反射方向に反射されて反射光となり、この反射光は対向側の基板の散乱層で拡散されて表示装置外部へ出射する。散乱層としては、PETフィルム等の高分子フィルムの表面にエンボス加工等で凹凸を形成した拡散シートが用いられている。
【0009】
特開平8−220532公報では、液晶表示装置の画素電極としての機能も兼ね備えた反射板表面に、滑らかな凹凸を設けている。この凹凸面により散乱光が形成され、液晶表示装置外部にその散乱光が出射される。この凹凸を有する反射板の製造方法としては、サンドブラスト法によりガラス表面を荒らし、さらにこの表面をフッ化水素酸水溶液でエッチングして、凹凸膜を形成し、その上部に高反射率を有するAl(アルミニウム)或いはAg(銀)等の金属材を形成する方法が採られる。
【0010】
また、これ以外の製造方法として、特開平7−218906号公報では、有機膜へのフォトリソグラフィ工程とエッチング工程とにより凹凸膜を形成する方法が記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
通常、人間が電気光学装置を、特に携帯用の表示装置を見る場合、ある特定の方向、例えば、表示装置の法線方向より観察することが多い。このような場合、人間が観察しない方向に、例えば、水平に近い方向に散乱させた光は有効に利用できないことになる。
【0012】
しかし、上述したような従来技術を用いた電気光学装置は、均一な明るさの画像を表示させるという観点で開発が推進されてきた。要するに、出射される反射光が、上下左右の全領域に光が散乱する等方性散乱になるように設計されてきたのである。特に、フォトリソグラフィ工程により作製された凹凸膜は、基板面に円形な凹凸形状が作製されやすい。その形状故に、反射光の強度分布は、凹凸形状を反映し、表示装置の法線方向に対して対称になってしまう。
【0013】
このような反射散乱板を用いて反射型液晶表示装置を構成した場合は、その液晶表示装置を人間が観察している方向とは関係のない方向にも光が反射・散乱し、入射光を効率的に利用できないという問題があった。
【0014】
したがって、本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、反射光が不要な視野角方法へ進行することを防止して、希望する視野角方向へ向かう反射光の光量を増大させることにより、希望の方向から見たときの表示の明るさを増大させるだけでなく、安定したプロセスで形成することにより、高画質で明るい表示品位を有する反射型液晶表示装置または半透過反射型液晶表示装置用の基板を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の電気光学装置用基板は、基板と、基板上に配置された複数の第1の傾斜樹脂層と、複数の第1の傾斜樹脂層上に配置された複数の凹凸形状からなる第2の樹脂層と、第2の樹脂層上に配置された反射板と、を備え、複数の第1の傾斜樹脂層は、それぞれが傾斜方向を揃えてなり、反射板は、第2の樹脂層の形状に沿って形成されていることを特徴とする。
また、第1の傾斜樹脂層、および前記第2の樹脂層は、ともに透明な樹脂から構成され、第2の樹脂層の凹凸形状は、平面的に無秩序に配置されていることが好ましい。
【0016】
上記の電気光学装置用基板は、ガラス、プラスチックなどの基板上に傾斜形状を有する第1の傾斜樹脂層を有し、その上に第2の樹脂層を有し、さらにその上に光を反射するための反射板を有する。
【0017】
上記の電気光学装置用基板の一態様では、前記第1の傾斜樹脂層の幅は10μmから20μmとし、高さが1μmから2μmとすることが好ましい。
【0018】
上記の電気光学装置用基板の他の一態様では、前記第2の樹脂層の表面が、凹凸形状を有し、散乱特性を有することができる。これにより、基板に入射する光は、第1、第2の樹脂層の合成により、指向性がありかつ散乱性も有する反射光とする事が可能となる。前記凹凸形状を構成する複数の山部および複数の谷部が、互い立体的に無秩序性を有して配置されるのが好ましい。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の電気光学装置用基板の製造方法によれば、少なくとも反射表示が可能な電気光学装置に用いられる電気光学装置用基板の製造方法であって、基板上に第1の傾斜樹脂層を形成する工程と、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する工程と、第2の樹脂層の上に光反射膜を形成する工程と、を有し、第2の樹脂層を形成する工程には、第2の樹脂層の上面に複数の凹凸形状を形成する工程が含まれることを特徴とする。
また、第1の傾斜樹脂層を形成する工程は、フォトリソグラフィ方式によって行なわれ、1つのフォトマスクを用いて行われる2回のパターニング工程を含み、1回目のパターニングにおけるフォトマスクの平面的位置と、2回目のパターニングにおけるフォトマスクの平面的位置とを異ならせることが好ましい。
また、第1の傾斜樹脂層を形成する工程は、2回のパターニング工程を含むフォトリソグラフィ方式によって行なわれ、第1のマスクパターンが形成された第1のフォトマスクを用いたパターニング工程と、平面的に第1のマスクパターンと重なる部分を有する第2のマスクパターンが形成された第2のフォトマスクを用いたパターニング工程と、を含むことが好ましい。
【0020】
上記の電気光学装置の製造方法においては、前記第1の傾斜樹脂層の製造に用いるフォトマスクは、全透過率領域と中間透過率領域と遮光領域を有するものとすることができる。また、前記第1の傾斜樹脂層の製造に用いるフォトマスクのパターンは、2種類の異なるサイズを有する複数の長方形を有することができ、又は、平面的な楕円形または円形とすることができ、又は、平面的な液滴形または楕円形または円形とすることができ、又は、平面的な液滴形のみを有することができる。また、前記フォトマスクの楕円または円の形状を有するパターンの穴径は、10μmから20μmの値とすることができる。
【0021】
また、上記の電気光学装置用基板と、電気光学装置用基板と対向配置される他の基板と、前記光学装置用基板と前記他の基板との間にシール材を介して挟持される電気光学物質と、を有する電気光学装置を構成することができ、その電気光学装置を備える電子機器を構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0023】
〔反射散乱層を有する基板〕
本発明は、半透過反射型の液晶表示装置などにおいて、指向性反射散乱層を有する基板を使用する点に特徴を有する。その指向性反射散乱層は、傾斜構造を有した第1の樹脂層、凹凸形状を有した第2の樹脂層、および反射板より構成される。
【0024】
[第1実施形態]
本発明による指向性反射散乱層を有する基板の第1実施形態について説明する。本実施形態は、傾斜構造を有した第1の樹脂層の形成にハーフトーンマスクを用いることを特徴とする。
【0025】
(指向性反射散乱層)
図1(a)に本実施形態による指向性反射散乱層を有する基板300の断面を示す。図示のように、基板300は、ガラス、プラスチックなどの基板1上に、傾斜面を有する樹脂層2を形成し、その上に沿って無秩序な凹凸形状を有する樹脂層5を形成して、さらにその上に反射板3を形成してなる。
【0026】
図2(a)は、ハーフトーンマスク100を使用してパターニングされた樹脂層2を形成した状態の基板300の断面図を示す。ガラスやプラスチック等の基板1上に、アクリル樹脂などを用いた樹脂層2が形成されている。この樹脂層2は、傾斜した構造を有している。
【0027】
図2(b)は、上記傾斜した樹脂層の一部の拡大図を示す。この構造の角度2aは、7.5度〜10度、下辺2bは、10μm〜20μm、高さ2cは、1μm〜2μmが好ましい。この値をとることにより、好適な指向性反射を得ることができる。
【0028】
(マスク設計1)
まず、指向性反射散乱層を有する基板を作製する際に、使用するフォトマスクについて説明する。
【0029】
図1(b)は、本実施形態の傾斜構造を有した樹脂層2を作製する際に使用するハーフトーンマスク100について、光透過効率を白黒の濃淡として表現した模式図である。ハーフトーンマスクとは、位相シフト法を用いたフォトリソグラフィ用のマスクのことであり、以下の方式を利用している。
【0030】
光は、物質を通過する際に伝播速度が遅れ、その分だけ、位相が変わる。そこで、透明な薄膜をマスク上に設けると、局所的に位相を変えることが可能にある。この透明膜は、位相を変換するという意味で位相シフタと呼ぶ。この方法は転写すべきパターンが形成されているマスクに光の位相を変化させる部分(シフタ)を設け、シフタを通過して位相が変わった光とシフタを通過せずに位相の変わっていない光の干渉を利用するものであり、位相シフタ方式と呼ばれる。
【0031】
ハーフトーンマスクは、上記位相シフタ方式を利用している。ハーフトーンマスクは、遮光部に相当する吸収体によって、一部光を通過させることを可能にしている。前記一部通過した光と、そのまま通過した光とは、位相が反転している。このため、位相反転による光強度の低下が起こり、従来とは、異なるフォトリソグラフィ工程を実施することができる。ハーフトーン膜の材料としては、クロム系、モリブデン系、タングステン系、シリコン系などが挙げられる。
【0032】
上述したハーフトーンマスク100を使用することによって、傾斜構造を有した樹脂層を形成することができる。
【0033】
また、図1(c)は、凹凸形状を有する第2の樹脂層5の作製に使用されるマスク200を示す。このマスク200は、光散乱用の凹凸を形成するために、楕円形もしくは円形のマスクパターン201を平面内に無秩序に配置してなり、影部が透光部である。
【0034】
本実施形態では、傾斜構造を有した第1の樹脂層及び凹凸形状を有した第2の樹脂層の材料として、アクリル樹脂などを用いたポジ型の感光性樹脂材料を使用している。ただし、本発明では、ネガ型の感光性樹脂材料を用いることも可能である。
【0035】
(指向性反射散乱層を有する基板の製造方法1)
本発明の指向性反射散乱層を有する基板形成工程例1を図3に示す。
【0036】
まず、図3の工程P01において、第1の傾斜樹脂層2を形成する。具体的には、基板1上に樹脂層2を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を用いたポジ型の感光性樹脂を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚を得る。次に、プリベークを行って、樹脂層2を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、ハーフトーンマスク100を通して、樹脂層2を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。その後、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で、現像処理を行う。この現像処理により、図3(a)に示すように、傾斜構造を有した樹脂層2がパターニングできる。次に、ポスト露光として、例えばi線を300mJで全面照射し、樹脂層2の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、樹脂層2を固定する。
【0037】
次に、工程P02において、基板1上に配置された第1の樹脂層2上に、第2の樹脂を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を用いたポジ型の感光性樹脂層5を、800rpmの回転速度で10秒間スピンコートすることによって、1.6μm程度の膜厚を得る。次に、プリベークを行って、樹脂層5を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、図1(c)に示したマスク200を通して、樹脂層5を、例えば、i線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク200と樹脂層5との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=230μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。その後、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で、現像処理を行う。この現像処理により、図3(b)に示すように、樹脂層5が凹凸形状にパターニングされる。このパターニングによって、樹脂層の一部が除去され、除去された部分が、光散乱膜の谷部となる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、樹脂層5の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、樹脂層5を固定する。
更に、工程P03において反射板3を形成する。反射板材料、例えばAl(アルミニウム)膜をスパッタ法によって、0.2μm程度の一様な厚さで成膜する。さらに、フォトエッチング処理を行って、所定の反射板3を作製する。このときのパターニングは、半透過反射型液晶表示装置の透過表示モード用開口部の形成を行ったり、液晶パネルの周辺部に電子部品等を実装するための領域を確保する等のために行われるものである。このフォトエッチング処理により、図3(c)に示すような指向性反射板4が得られる。
【0038】
以上により、本実施形態では、傾斜構造を有した第1の樹脂層2と、その上に設けられた無秩序に配置された凹凸形状を有する第2の樹脂層5の積層構造と、反射板3とにより、良好な指向性反射散乱層6を提供することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に本発明による反射散乱層を有する基板の第2実施形態について説明する。第2実施形態の反射散乱層を有する基板は、第1実施形態の基板300と同一の傾斜構造を有する。但し、第2実施形態では第1実施形態と異なる方法で第1の樹脂層2を形成する点に特徴を有する。
【0040】
(マスク設計2)
本実施形態において、基板300の傾斜構造を有した第1の樹脂層2を作製する際に使用するフォトマスクについて説明する。
【0041】
図4は、本実施形態により、傾斜構造を有する第1の樹脂層2の形成に使用するマスク400を示す。このマスク400は、傾斜構造を形成するために、サイズが異なった、2種類の長方形状を有するマスクパターン401とマスクパターン402を配置しており、影部が透光部である。マスク400においては、マスクパターン401が形成されている帯状領域とマスクパターン402が形成されている帯状領域とでは、露光時における露光量が異なるため、形成される第1の樹脂層2の厚さが異なってくる。より具体的には、マスクパターン401が形成されている帯状領域は、マスクパターン402が形成されている帯状領域よりも、透光部の面積比率が大きく、かつ透光領域の干渉により一様に強い露光が行われる。その結果、マスクパターン401が形成されている帯状領域は、マスクパターン402が形成されている帯状領域より、現像により樹脂の膜減りが大きくなって、傾斜構造が形成される。
【0042】
なお、本実施形態でも、第1実施形態と同様、アクリル樹脂などのポジ型の感光性樹脂の他に、ネガ型の感光性樹脂材料を用いることは可能である。
【0043】
(指向性反射散乱層を有する基板の製造方法2)
実施形態2の指向性反射散乱層を有する基板形成工程は、傾斜構造を有する第1の樹脂層2の露光工程でマスク400を使用する以外は、図3で示した第1実施形態の製造方法と同様である。
【0044】
[第3実施形態]
次に本発明による反射散乱層を有する基板の第3実施形態について説明する。第3実施形態による反射散乱層を有する基板も、第1実施形態の基板300と同一の構造を有する。ただし、本実施形態では、同一マスクを用いて、2回のフォトリソグラフィ工程を実施することにより、傾斜構造を有する第1の樹脂層2を形成することを特徴とする。
【0045】
(マスク設計3)
傾斜構造を有した第1の樹脂層を作製する際に使用するフォトマスクについて説明する。
【0046】
図5(a)は、本実施形態により、傾斜構造を有する第1の樹脂層の形成工程のうちの1回目の露光(第1露光)工程に使用するマスクを示す。
【0047】
このマスク500は、傾斜構造を形成するために、楕円形もしくは円形のマスクパターン501を配置している。このマスクパターン501は、10μmから20μmの大きさを有しており、影部が透光部である。
【0048】
図5(b)は、2回目の露光(第2露光)工程に使用するマスクを示す。このマスク500’は、図5(a)に示したマスク500と同一形状を有するものであり、マスク500をマスクパターンの長軸方向、要するに、図5に図示した矢印方向に平行移動させて使用すればよい。この平行移動した距離は、2μm〜6μmの移動が好ましい。このように、同一形状のマスク500を所定距離だけ平行移動させて2回のフォトリソグラフィ工程を実施することにより、樹脂層2上の位置に応じて露光量が異なることになり、その結果形成される樹脂層2の厚さが異なるようになる。これにより、樹脂層2に傾斜構造を持たせることが可能となる。
【0049】
本実施形態でも、第1実施形態および第2実施形態と同様、アクリル樹脂などを用いたポジ型の感光性樹脂を使用している。ただし、本発明も、ネガ型の感光性樹脂材料を用いることは可能である。
【0050】
(指向性反射散乱層を有する基板の製造方法3)
本発明の指向性反射散乱層を有する基板形成工程例2を図6及び図7に示す。
【0051】
まず、図6の工程P11において、第1の下側樹脂層2’を形成する。つまり、基板1上に第1の下側樹脂層2’を一様な厚さで塗布する。これは、例えば粘度9cpのアクリル樹脂材料を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚の第1の下側樹脂層2’を得る。次に、プリベークを行って、第1の下側樹脂層2’を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、マスク500を通して、第1の下側樹脂層2’を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。i線の露光量は一括露光で、70mJとする。このとき、マスク500と第1の下側樹脂層2’との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=50〜60μmとすることで急峻な穴形状が形成できる。
【0052】
次に、現像処理を行う。この時、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いる。この現像処理により、図6(a)に示すように、第1の下側樹脂層2’が、パターニングできる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、第1の下側樹脂層の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第1の下側樹脂層2’を固定する。
【0053】
次に、図6の工程P12において、第1の上側樹脂層2”を形成する。つまり、基板1上に第1の上側樹脂層2”を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚の第1の上側樹脂層2”を得る。次に、プリベークを行って、第1の上側樹脂層2”を固定する。これは、例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、マスク500’を通して、第1の上側樹脂層2”を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。i線の露光量は一括露光で、70mJとする。このとき、マスク500’と第1の上側樹脂層2”との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=200〜230μmとすることで滑らかな穴形状が形成できる。
【0054】
次に、現像処理を行う。この時、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いる。この現像処理により、図6(b)に示すように、傾斜構造を有した第1の上側樹脂層2”がパターニングできる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、第1の上側樹脂層の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第1の上側樹脂層2”を固定する。
【0055】
次に、工程P13において、基板1上に配置された第1の下側樹脂層2’と第1の上側樹脂層2”上に、第2の樹脂層5を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を用いた第2の樹脂層5を、800rpmの回転速度で10秒間スピンコートすることによって、1.6μm程度の膜厚を得る。次に、プリベークを行って、第2の樹脂層5を固定する。これは、例えば100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、図1(c)に示したマスク200を通して、第2の樹脂層5を、例えば、i線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク200と第2の樹脂層5との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=230μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。その後、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で、90秒現像処理を行うことにより、図7(c)に示すように、第2の樹脂層5がパターニングされる。このパターニングによって、第2の樹脂層の一部が除去され、除去された部分が、光散乱膜の谷部となる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、第2の樹脂層5の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第2の樹脂層5を固定する。
【0056】
次に、図7に示す工程P14において、反射板3を形成する。反射板材料、例えばAl(アルミニウム)膜をスパッタ法によって、0.2μm程度の一様な厚さで成膜する。さらに、フォトエッチング処理を行って、所定の反射板3を作製する。このフォトエッチング処理により、図7(d)に示すような凹凸付きの指向性反射板4が得られる。
以上により、本実施形態では、第1の下側樹脂層2’と第1の上側樹脂層2”より構成された傾斜構造を有した第1の樹脂層2と、その上に設けられた無秩序に配置された凹凸膜を有する第2の樹脂層5の積層構造と、その上の反射板3とより、良好な指向性反射散乱層6を提供することができる。
【0057】
[第4実施形態]
次に本発明による反射散乱層を有する基板の第4実施形態について説明する。ただし、本実施例では、異なる2種類のマスクを用いて、2回のフォトリソグラフィ工程を実施することにより、傾斜構造を有する第1の樹脂層2を形成する。
【0058】
(マスク設計4)
本実施形態により、傾斜構造を有した第1の樹脂層2を作製する際に使用するフォトマスクについて説明する。
【0059】
図8(a)は、本発明の実施形態により、傾斜構造を有する第1の樹脂層の形成に使用するマスク600を示す。このマスクは、1回目のフォトリソグラフィ工程中に行われる第1露光時に使用され、影部が透光部である。
【0060】
このマスク600は、傾斜構造を形成するために、液滴形状のマスクパターン601を配置している。液滴形状により、部分的に露光量を変化させて形成される樹脂層の厚さに変化を与え、傾斜構造を形成するものである。
【0061】
図8(b)は、2回目のフォトリソグラフィ工程中に行われる第2露光時に使用されるマスク700を示す。このマスク700も、傾斜構造を形成するために、楕円もしくは円状のマスクパターン701を配置しており、影部が透光部である。
【0062】
本実施形態でも、第1実施形態乃至第3実施形態と同様、アクリル樹脂などを用いたポジ型の感光性樹脂を使用している。ただし、本発明も、ネガ型の感光性樹脂材料を用いることは可能である。
【0063】
(指向性反射散乱層を有する基板の製造方法4)
本実施形態の指向性反射散乱層を有する基板形成工程例3を図9及び図10に示す。
【0064】
まず、図9の工程P21において、第1の下側樹脂層2’を形成する。つまり、基板1上に第1の下側樹脂層2’を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚の第1の下側樹脂層2’を得る。次に、プリベークを行って、第1の下側樹脂層2’を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、マスク600を通して、第1の下側樹脂層2’を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク600と第1の下側樹脂層2’との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=60μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。次に行う現像処理は、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いる。この現像処理により、図9(a)に示すように、第1の下側樹脂層2’が、パターニングできる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、第1の下側樹脂層2’の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第1の下側樹脂層2’を固定する。
【0065】
次に、図9の工程P22において、第1の上側樹脂層2”を形成する。つまり、基板1上に第1の上側樹脂層2”を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚の第1の上側樹脂層2”を得る。次に、プリベークを行って、第1の上側樹脂層2”を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、マスク700を通して、第1の上側樹脂層2”を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク700と第1の上側樹脂層2”との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=230μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。また、パターン601とパターン701の位置関係は、重ね状態でも良いし、パターン701をパターン601に対して、全体的に2μmから6μm左右に移動させても良いし、パターン601に対して、パターン701を少し小さ目とした穴形状でも良い。その後、行う現像処理は、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いる。この現像処理により、図9(b)に示すように、傾斜構造を有した第1の上側樹脂層2”が、パターニングできる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、第1の上側樹脂層2”の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第1の上側樹脂層2”を固定する。
【0066】
次に、工程P23において、基板1上に配置された第1の下側樹脂層2’と第1の上側樹脂層2”上に、第2の樹脂層5を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を用いた第2の樹脂層5を、800rpmの回転速度で10秒間スピンコートすることによって、1.6μm程度の膜厚を得る。次に、プリベークを行って、第2の樹脂層5を固定した。例えば、例えば100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、図1(b)に示したマスク200を通して、第2の樹脂層5を、例えば、i線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク200と第2の樹脂層5との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=230μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。その後、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液で、90秒現像処理を行うことにより、図10(c)に示すように、第2の樹脂層5がパターニングされる。このパターニングによって、第2の樹脂層の一部が除去され、除去された部分が、光散乱膜の谷部となる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mjで全面照射し、第2の樹脂層5の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第2の樹脂層5を固定する。
【0067】
次に、図10における工程P24において反射板3を形成する。反射板材料、例えばAl(アルミニウム)膜をスパッタ法によって、0.2μm程度の一様な厚さで成膜する。さらに、フォトエッチング処理を行って、所定の反射板3を作製する。このフォトエッチング処理により、図10(d)に示すような凹凸付きの指向性反射板4が得られる。
以上により、本実施形態は、第1の下側樹脂層2’と第1の上側樹脂層2”より構成された傾斜構造を有した第1の樹脂層2と、その上に設けられた無秩序に配置された凹凸膜を有する第2の樹脂層5の積層構造と、その上の反射板3とより、良好な指向性反射散乱層6を提供することができる。
【0068】
[第5実施形態]
次に本発明による反射散乱層を有する基板の第5実施形態について説明する。ただし、本実施例では、異なる2種類のマスクを用いて、2回のフォトリソグラフィ工程を実施することにより、傾斜構造を有した散乱層を形成する。
【0069】
(マスク設計5)
本実施形態により、傾斜構造を有した第1の樹脂層2と凹凸形状を有した第2の樹脂層5を作製する際に使用するフォトマスクについて説明する。
【0070】
図11(a)は、本発明の実施形態により、傾斜構造を有する第1の樹脂層の形成に使用するマスク610を示す。このマスクは、1回目のフォトリソグラフィ工程中に行われる第1露光時に使用され、影部が透光部である。
【0071】
このマスク610は、傾斜構造を形成するために、液滴形状のマスクパターン611を無秩序に配置している。液滴形状により、部分的に露光量を変化させて形成される樹脂層の厚さに変化を与え、傾斜構造を形成するものである。
【0072】
図11(b)は、2回目のフォトリソグラフィ工程中に行われる第2露光時に使用されるマスク710を示す。このマスク710は、凹凸形状を形成するために、マスクパターン611のサイズよりも小さい、楕円もしくは円状のマスクパターン711を配置しており、影部が透光部である。このマスクパターン711も、マスクパターン611と同様に、無秩序性を有している
本実施形態でも、第1実施形態乃至第4実施形態と同様、アクリル樹脂などを用いたポジ型の感光性樹脂を使用している。ただし、本発明も、ネガ型の感光性樹脂材料を用いることは可能である。
【0073】
(指向性反射散乱層を有する基板の製造方法5)
本実施形態の指向性反射散乱層を有する基板形成工程例4を図12及び図13に示す。
【0074】
まず、図12の工程P31において、傾斜構造を有した第1の樹脂層2を形成する。つまり、基板1上に第1の樹脂層2を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚の第1の樹脂層2を得る。次に、プリベークを行って、第1の樹脂層2を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、マスク610を通して、第1の樹脂層2を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク600と第1の下側樹脂層2との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=60μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。次に行う現像処理は、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いる。この現像処理により、図12(a)に示すように、第1の樹脂層2が、パターニングできる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、第1の樹脂層2の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、第1の樹脂層2を固定する。
【0075】
次に、図12の工程P32において、凹凸形状を有した第2の樹脂層5を形成する。つまり、基板1上に配置された第1の樹脂層2上に、第2の樹脂層5を一様な厚さで塗布する。例えば、粘度9cpのアクリル樹脂材料を800rpmの回転速度で10秒間スピンコートして、1.6μm程度の膜厚の第2の樹脂層5を得る。次に、プリベークを行って、第2の樹脂層5を固定する。例えば、100℃のホットプレート上で、120秒間のプリベークを行う。次に、マスク710を通して、第2の樹脂層5を、例えばi線(すなわち、波長365nmの光)で露光する。このとき、マスク710と第2の樹脂層5との距離、すなわちプロキシミテイ・ギャップGpは、Gp=230μmとする。また、i線の露光量は一括露光で、70mJとする。また、パターン611とパターン711の位置関係は、重ね状態でも良いし、パターン711をパターン611に対して、図では右側へ全体的に0μmから6μm平行移動させても良い。その後、行う現像処理は、例えば、ポジ型現像溶液である0.2wt%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液を用いる。この現像処理により、図12(b)に示すように、樹脂層5が凹凸形状にパターニングされる。このパターニングによって、樹脂層の一部が除去され、除去された部分が、光散乱膜の谷部となる。次に、ポスト露光、例えばi線を300mJで全面照射し、樹脂層5の黄色見を脱色する。その後、ポストベークとして、例えば、220℃、50分加熱を行うことにより、樹脂層5を固定する。
【0076】
次に、図13における工程P33において反射板3を形成する。反射板材料、例えばAl(アルミニウム)膜をスパッタ法によって、0.2μm程度の一様な厚さで成膜する。さらに、フォトエッチング処理を行って、所定の反射板3を作製する。このフォトエッチング処理により、図13(c)に示すような凹凸形状を有した指向性反射板4が得られる。
【0077】
以上により、本実施形態は、傾斜構造を有した第1の樹脂層2と、その上に設けられた無秩序に配置された凹凸膜を有する第2の樹脂層5の積層構造と、その上の反射板3とより構成されており、良好な指向性反射散乱層6を、簡略化プロセスにて、提供することができる。
【0078】
[液晶表示パネル]
次に、上述の反射散乱層を有する基板を利用した液晶表示パネルの構成について説明する。
【0079】
図14に示した液晶表示パネル800は、半透過反射型であり、スイッチング素子が形成された基板と反対側の基板に指向性反射散乱層6を有する場合を示している。要するに、反射散乱層の上方に、赤色カラーフィルタ7、緑色カラーフィルタ8、青色カラーフィルタ9が設置されている基板31を用いている。
【0080】
液晶表示パネル800は、ガラスやプラスチック基板などからなる基板31と反対側の基板32とが、シール材33を介して貼り合わせられ、このパネル内部に液晶34が封入されている。また、基板32の外面上には、位相差板35および偏光板36が順に配置され、基板31の外面上には、位相差板37および偏光板38が配置される。なお、偏光板の下方には、透過型表示を行う際に照明光を発するバックライト39が配置される。
【0081】
なお、本発明は、スイッチング素子が形成された基板側に反射散乱層を設けた構成の液晶表示装置の作製にも適用可能である
[液晶表示パネルの製造方法]
次に、図14に示す液晶表示パネル800を製造する方法について、図15を参照して説明する。図15は、表示パネル800の製造工程を示すフローチャートである。
【0082】
まず、上述した方法により、上記の実施形態による反射散乱層を有した基板31が製造される(工程S1)。さらに、赤色カラーフィルタ7、緑色カラーフィルタ8、青色カラーフィルタ9の上に設けられたオーバーコート層10の上に透明導電膜11をスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィ方式によってパターニングを実施し、透明電極膜11を形成する(工程S2)。
【0083】
その後、透明電極膜11上に図示しないポリイミド樹脂などからなる配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S3)。
【0084】
一方、対向基板32を製作し(工程S4)、同様の方法で透明電極膜を形成し(工程S5)、さらに透明電極上に図示しない配向膜を形成し、ラビング処理などを施す(工程S6)。
【0085】
そして、シール材33を介して、上記の基板31と基板32を貼り合わせて、パネル構造を構成する(工程S7)。基板31と基板32とは、基板間に分散配置された図示しないスペーサーなどによって、ほぼ規定の基板間隔となるように貼り合わせられる。
【0086】
その後、シール材33の図示しない開口部から液晶34を注入し、シール材の開口部を紫外線硬化性樹脂などの封止材によって封止する(工程S8)。こうして主要なパネル構造が完成した後に、位相差板や偏光板などを必要に応じてパネル構造の外面上に貼着などの方法によって取り付け(工程S9)、図14に示す液晶表示パネル800が完成する。
【0087】
[電子機器]
次に、本発明による高品位カラーフィルタを用いた液晶表示パネルを電子機器の表示装置として用いる場合の実施形態について説明する。図16は、本実施形態の全体構成を示す概略構成図である。ここに示す電子機器は、上記の液晶表示パネル800と同様の液晶表示パネル800と、これを制御する制御手段810を有する。ここでは、液晶表示パネル800を、パネル構造体800Aと、半導体ICなどで構成される駆動回路800Bとに概念的に分けて描いてある。また、制御手段810は、表示情報出力源811と、表示情報処理回路812と、電源回路813と、タイミングジェネレータ814と、を有する。
【0088】
表示情報出力源811は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備え、タイミングジェネレータ814によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路812に供給するように構成されている。
【0089】
表示情報処理回路812は、シリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKとともに駆動回路800Bへ供給する。駆動回路800Bは、走査線駆動回路、データ線駆動回路及び検査回路を含む。また、電源回路813は、上述の各構成要素にそれぞれ所定の電圧を供給する。
【0090】
次に、本発明に係る液晶表示パネルを適用可能な電子機器の具体例について図17を参照して説明する。
【0091】
まず、本発明に係る液晶表示パネルを、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について説明する。図17(a)は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ910は、キーボード911を備えた本体部912と、本発明に係る液晶表示パネルを適用した表示部913とを備えている。
【0092】
続いて、本発明に係る液晶表示パネルを、携帯電話機の表示部に適用した例について説明する。図17(b)は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機920は、複数の操作ボタン921のほか、受話口922、送話口923とともに、本発明に係る液晶表示パネルを適用した表示部924を備える。
【0093】
なお、本発明に係る液晶表示パネルを適用可能な電子機器としては、図17(a)に示したパーソナルコンピュータや図17(b)に示した携帯電話機の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【0094】
[変形例]
また、本発明の電気光学装置は、パッシブマトリクス型の液晶表示パネルだけではなく、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル(例えば、TFT(薄膜トランジスタ)やTFD(薄膜ダイオード)をスイッチング素子として備えた液晶表示パネル)にも同様に適用することが可能である。また、液晶表示パネルだけでなく、エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、フィールド・エミッション・ディスプレイ(電界放出表示装置)などの各種の電気光学装置においても本発明を同様に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の指向性反射散乱層を有する基板の断面図を示す。
(b)本発明の指向性反射散乱層を有する基板の製造に使用されるハーフトーンマスクの模式図を示す。
(c)本発明の指向性反射散乱層を有する基板の製造に使用されるマスクの例を示す。
【図2】(a)本発明の樹脂層を有した基板の断面図である。
(b)本発明の樹脂層を有した基板の断面拡大図である。
【図3】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図4】本発明の指向性反射散乱層を有する基板の製造に使用されるマスクの例を示す。
【図5】本発明の指向性反射散乱層を有する基板の製造に使用されるマスクの例を示す。
【図6】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図7】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図8】本発明の指向性反射散乱層を有する基板の製造に使用されるマスクの例を示す。
【図9】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図10】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図11】本発明の指向性反射散乱層を有する基板の製造に使用されるマスクの例を示す。
【図12】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図13】本発明の指向性反射散乱基板の形成工程を示す図である。
【図14】本発明を適用した液晶表示パネルの構造を示す断面図である。
【図15】本発明を適用した液晶表示パネルの製造工程を示す図である。
【図16】本発明を適用した液晶表示パネルを利用する電子機器の構成を示す。
【図17】本発明を適用した液晶表示パネルを備えた電子機器の例を示す。
【符号の説明】
1 基板
2 第1の樹脂層
2’ 第1の下側樹脂層
2” 第1の上側樹脂層
2a 傾斜構造を有する樹脂層の角度
2b 傾斜構造を有する樹脂層の下辺
2c 傾斜構造を有する樹脂層の高さ
3 反射板
4 指向性反射基板
5 第2の樹脂層
6 指向性反射散乱層
7 赤色カラーフィルタ
8 緑色カラーフィルタ
9 青色カラーフィルタ
10 オーバーコート層
11 透明電極膜
100、200、400、500、600、700、610、710 マスク201、401、402、501、601、701、611、711 マスクパターン

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された複数の第1の傾斜樹脂層と、
    前記複数の第1の傾斜樹脂層上に配置された複数の凹凸形状からなる第2の樹脂層と、
    前記第2の樹脂層上に配置された反射板と、を備え、
    前記複数の第1の傾斜樹脂層は、それぞれが傾斜方向を揃えてなり、
    前記反射板は、前記第2の樹脂層の形状に沿って形成されていることを特徴とする電気光学装置用基板。
  2. 前記第1の傾斜樹脂層、および前記第2の樹脂層は、ともに透明な樹脂から構成され、
    前記第2の樹脂層の凹凸形状は、平面的に無秩序に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置用基板。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに一項に記載の電気光学装置用基板と、
    電気光学装置用基板と対向配置される他の基板と、
    前記光学装置用基板と前記他の基板との間にシール材を介して挟持される電気光学物質と、を備えることを特徴とする電気光学装置。
  4. 少なくとも反射表示が可能な電気光学装置に用いられる電気光学装置用基板の製造方法であって、
    基板上に第1の傾斜樹脂層を形成する工程と、
    前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層を形成する工程と、
    前記第2の樹脂層の上に光反射膜を形成する工程と、を有し、
    前記第2の樹脂層を形成する工程には、前記第2の樹脂層の上面に複数の凹凸形状を形成する工程が含まれることを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
  5. 前記第1の傾斜樹脂層を形成する工程は、フォトリソグラフィ方式によって行なわれ、
    1つのフォトマスクを用いて行われる2回のパターニング工程を含み、
    1回目の前記パターニングにおける前記フォトマスクの平面的位置と、2回目の前記パターニングにおける前記フォトマスクの平面的位置とを異ならせることを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
  6. 前記第1の傾斜樹脂層を形成する工程は、2回のパターニング工程を含むフォトリソグラフィ方式によって行なわれ、
    第1のマスクパターンが形成された第1のフォトマスクを用いたパターニング工程と、
    平面的に前記第1のマスクパターンと重なる部分を有する第2のマスクパターンが形成された第2のフォトマスクを用いたパターニング工程と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
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