以下、本発明に実施形態を図面に基づき説明する。なお、以下実施形態を説明するにあたっては、電気光学装置の例として液晶表示装置、具体的には反射半透過型でニ端子型スイッチング素子であるTFD(薄膜ダイオード)を用いたアクティブマトリックス方式の液晶表示装置及びその液晶表示装置を用いた電子機器について説明するがこれに限られるものではない。また、以下の図面においては各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る液晶表示装置を構成する液晶パネルの概略分解斜視図、図2は液晶パネルの対向基板側の概略平面図、図3は図2におけるA−A線及びB−B線の概略断面図及び図4は散乱構造の相違を説明する概略部分断面図である。
(液晶表示装置の構成)
液晶表示装置1は、例えば図1、図2及び図3に示すように液晶パネル2と、当該液晶パネル2に光を射出する照明装置3及び該液晶パネル2に接続された図示しない回路基板やその他の付帯機構が必要に応じて付設される。
液晶パネル2は、図1、図2及び図3に示すように相対向する基板であるカラーフィルタ基板4及び対向基板5と、該カラーフィルタ基板4及び対向基板5がシール材(図示しない)を介して貼り合わされ両基板の間隙に封入された電気光学物質例えばTN(Twist Nematic)型の液晶である液晶層6とを有する。
ここで、カラーフィルタ基板4は、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な液晶表示装置用の基板である第1基板7を其体とし、対向基板5はカラーフィルタ基板4に対向し、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な液晶表示装置用の基板である第2基板8を其体とする。また、第1基板7の液晶層6と反対側には位相差板9及び偏光板10が配置され、第2基板8の液晶層6と反対側には同様に位相差板11及び偏光板12が配置されている。
カラーフィルタ基板4は、図1及び図3に示すように第1基板7の液晶層側の表面に散乱膜13が形成され、その散乱膜13の表面には後述する光の透過領域である反射膜用開口部を有する反射膜14及び光を遮蔽する光遮蔽層15が形成されている。また、該反射膜用開口部を含めた反射膜14の液晶層側には後述する非着色領域である着色層用開口部を有する着色層16が光遮蔽層15で区切られる領域に形成されている。この結果、反射膜用開口部では着色層16が直接散乱膜13の上に積層されることとなる。
また、カラーフィルタ基板4は該着色層16及び光遮蔽層15の表面を保護するオーバーコート層17が該着色層16及び光遮蔽層15の表面を覆うように形成されており、更にオーバーコート層17の液晶層側にはITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる走査電極18が形成されている。また、その走査電極18の液晶層側には、例えばポリイミド樹脂等からなる配向膜19が形成されている。
ここで、散乱膜13は樹脂材料からなり、その表面には図1及び図3に示すように細かい例えば凹凸を有する散乱構造が形成されており、後述するサブ画素内の表面には当該散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,Dを有する。また、その第1及び第2の領域C,Dは着色層16の着色層用開口部に平面的に重なるように第2の領域Dが形成され、それ以外の散乱膜13の領域に第1の領域Cが形成されている。
具体的には、例えば図4(a)に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,Dは、第1の領域Cに形成された凹凸の平均高低差より第2の領域Dに形成された凹凸の平均高低差の方が小さくなるように形成されている。
更に反射膜14は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって、例えば図1、図2及び図3に示すように夫々のサブ画素の略中央に反射膜14により散乱膜13が覆われていない略矩形状の反射膜用開口部20が形成されており、この反射膜用開口部20の領域が透過領域Eとなる。
また、図2及び図3に示すように該反射膜用開口部20の周囲は反射膜14により外部から入射した光を反射させる反射領域Fが形成されている。これにより、後述するバックライト等の第1基板7から入射した光が透過領域Eから液晶層6へ透過できると共に、反射領域Fにより外部光を反射させることができる。
なお、反射膜用開口部20はこの例に限られるものではなく、例えば円孔或は複数更には略中央でなくてもよい。これにより、種々多様な液晶表示装置1で、最も良い表示品位を提供できる。
更に反射膜14は、例えば図1、図3及び図4に示すように散乱膜表面の散乱構造の凹凸により反射膜14の表面にも当該散乱膜の散乱構造が略そのまま反映されている。
具体的に、反射膜14は例えば図4(a)に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,D上の領域に、第1の領域C上に形成された反射膜表面の凹凸の平均高低差(図4(a)中のG1)より第2の領域D上に形成された反射膜表面の凹凸の平均高低差(図4(a)中のH1)の方が小さく(G1>H1)なるように形成されている。
これにより、第2の領域上の反射膜表面の凹凸は全体に平坦化し、その凹凸により反射される光の平均反射角度(図4(a)中のJ1)は、第1の領域上の反射膜表面の凹凸による平均反射角度(図4(a)中のI1)に比較して小さくなり(I1>J1)、散乱が狭くなるので第2の領域Dでの反射光は第1の領域の反射光より明るくなり、後述する着色層16の非着色領域の大きさを変えることなく反射光の色の濃さを調整でき、全体としての色再現性を最も適した状態に調整することが可能となる。
また、着色層16は例えば顔料又は染料等の着色材を含むネガ型の感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法によって、透過領域E及びその透過領域の周りの反射領域Fを覆うように形成された原色フィルタであってR(赤)16R、G(緑)16G、B(青)16B等の三色のいずれかで構成されている。
更に着色層16は、例えば図1、図3及び図4に示すように反射領域F上で夫々のサブ画素の略中央に着色層用開口部21が形成されており、この着色層用開口部21が非着色領域Kとなる。これにより、例えば反射領域F上の色材に透過領域E上の色材と同じものを用いて該反射領域Fで反射した光が、透過領域Eで透過した光に比べ濃くなり暗くなっても、当該非着色領域Kから得られる明るい光により全体としての明るさを改善できることとなる。
また、非着色領域Kは散乱膜13の第2の領域Dに平面的に重なるように形成されており、例えば図4(a)に示すように第1の領域Cの散乱構造に比較してその凹凸の平均高低差H1を小さくすれば、散乱を狭くすることが可能となり、よりその領域からの光の明度を明るくすることができる。
尚、着色層16は例えば図1、図2、図3及び図4に示すように反射領域F上で、散乱膜13の第1の領域Cに対応し光に所定の色を付ける領域である着色領域Lを非着色領域Kの周囲に形成されている。
また、着色層16の配列パターンとして図1及び図2ではストライプ配列を採用しているが、これに限られるものではなく例えば斜めモザイク配列やデジタル配列等であってもよい。
光遮蔽層15は、各サブ画素間の境界領域の遮光を行なうためのもので、その境界領域に第1基板7の走査電極18の長手方向(図2のX方向)及びこれに交差する方向(図2のY方向)に延在される帯状に形成されており、例えば図3に示すように着色層16Bを一番下層に配置し、その上に着色層16R、着色層16Gの順等に形成する。
更にオーバーコート層17は、例えば図1及び図3に示すように着色層16と光遮蔽層15を覆うように形成されている。これにより、例えば非着色領域Kである着色層用開口部21に当該オーバーコート層17が入り込むことになる。尚、オーバーコート層17は例えば酸化ケイ素、酸化チタン又はこれらの混合物等により形成されている。
また、走査電極18は所定の方向(図1、図2及び図3のX方向)に延在する帯状に形成され、複数の走査電極18が相互に並列してストライプ状に構成されている。
更に配向膜19は、ポリイミド等の有機薄膜であり、液晶層6の配向状態を規定するためにラビング処理が施されている。
次に対向基板5は、例えば図1、図2及び図3に示すように第2基板8の液晶層側の表面に、マトリックス状に配列する複数の画素電極22と、各画素電極22の境界領域において上述した走査電極18と交差する方向(図2のY方向)に帯状に延びる複数のデータ線23と、該画素電極22及びデータ線23に電気的に接続されたTFD24とが配置され、その液晶層側には配向膜25が形成されている。
ここで、画素電極22は例えばITO等の透明導電体により形成されており、該走査電極18と画素電極22とによって特定される領域がサブ画素26となる。
また、TFD24は例えば図3に示すように第2基板8の表面に成膜された下地層27の上に形成されており、第1金属膜28と、該第1金属膜28の表面に形成された絶縁膜29及び該絶縁膜29の上に形成された第2金属膜30とを有する。
第1金属膜28は例えば、厚さが100〜500nm程度のTa単体膜、Ta合金膜等によって形成されており、データ線23に電気的に接続されている。
また、絶縁膜29は例えば厚さが10〜35nm程度の酸化タンタル等によって形成されている。第2金属膜30は、例えばクロム(Cr)等といった金属膜によって50〜300nm程度の厚さに形成されており、画素電極22に電気的に接続されている。
更に配向膜25は、第1基板7の配向膜19と同様有機薄膜であり、ラビング処理が施されている。
次に、照明装置3は例えば図3に示すように図示しない光源、導光板31、二枚のプリズムシート32,33、拡散シート34、反射シート35等を有する。
ここで、光源は例えばLED(Light Emitting Diode)等が用いられ、導光板31は光源から射出された光を拡散シート34の全体に照射させるものであり、プリズムシート32,33は導光板31から射出された光の輝度を向上させるものである。
また、反射シート35は導光板31の第1基板7と反対側面から射出した光を導光板31に戻し光を有効利用できるようになっている。
尚、上述の説明では凹凸を有する散乱膜13や反射膜14等の散乱構造として図4(a)に示すように凹部、凸部を両方有する場合を説明したが、当該散乱構造はこれに限られるものではなく、例えば図4(b)、(c)に示すように凸部や凹部のみを平面的な表面に有する場合でもよい。
この場合でも例えば反射膜14は、散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,D上の領域に、第1の領域C上に形成された反射膜表面の凹凸の平均高低差(図4(b)(c)中のG2)より第2の領域D上に形成された反射膜表面の凹凸の平均高低差(図4(b)(c)中のH2)の方が小さく(G2>H2)なるように形成されている。
これにより、第2の領域上の反射膜表面の凹凸は全体に平坦化し、その凹凸により反射される光の平均反射角度(図中のJ2)は、第1の領域上の反射膜表面の凹凸による平均反射角度(図4(b)(c)中のI2)に比較して小さくなり(I2>J2)、散乱が狭くなるので第2の領域Dでの反射光は第1の領域の反射光より明るくなり、着色層16の非着色領域の大きさを変えることなく反射光の色の濃さを調整でき、全体としての色再現性を最も適した状態に調整することが可能となる。
また、散乱構造は図4(a)、(b)、(c)の形状に限られるものではないことは無論である。
(液晶表示装置の製造方法)
次に、液晶表示装置1の製造方法を散乱膜を中心に説明する。
図5は液晶表示装置の製造工程のフローチャート図、図6は一サブ画素の露光用マスクの概略平面図、図7は散乱膜の製造工程を説明するための概略部分断面図及び図8は反射膜、着色層の製造工程を説明するための概略部分断面図である。
まず、図5に示すように第1基板7上に均一に散乱膜用の例えばネガ型の感光性樹脂36を例えば図7(a)に示すようにスピンコート等により塗布する(ST101)。
そしてサブ画素26のストライプ配列に合わせたハーフトーンマスク37の上から図7(b)に示すように露光し更に現像することにより、例えば図7(c)に示すように第1の領域Cと第2の領域Dとで散乱構造の異なる散乱膜13が形成される(ST102)。
ここで、ハーフトーンマスク37は例えば図6(a)に示すように一つのサブ画素26に対応する領域では、光の遮光量が通常のマスクの半分程度のハーフ露光領域Mとその周囲に通常の遮光量の通常露光領域Nとが形成されており、散乱膜13の第1の領域Cが通常露光領域Nに対応し、第2の領域Dがハーフ露光領域Mに対応するようになっている。
これにより、図7(b)に示すように第2の領域Dの感光性樹脂36の方が第1の領域Cの感光性樹脂36より受ける光が少ないのでネガ型である感光性樹脂36は現像後に図7(c)に示すように第2の領域Dの方が第1の領域Cの凹凸よりその平均高低差が小さくなり、平坦化するので散乱が狭くなる。
次に、第1の領域及び第2の領域に散乱構造の相違する例えば図7(c)のような凹凸が形成された散乱膜13上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これにフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図2及び図3に示すように各サブ画素26の略中央に透過領域Eである矩形状の反射膜用開口部20を設けると共に、その周囲に反射領域Fを有する反射膜14を図8(a)に示すように形成する(ST103)。
このとき、反射膜14は、例えば図1、図3及び図4に示すように散乱膜表面の散乱構造の凹凸により反射膜14の表面にも当該散乱膜の散乱構造が略そのまま反映される。
具体的に、反射膜14は例えば図4(a)に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,D上の領域に、第1の領域C上に形成された反射膜表面の凹凸の平均高低差(図4(a)中のG1)より第2の領域D上に形成された反射膜表面の凹凸の平均高低差(図4(a)中のH1)の方が小さく(G1>H1)なるように形成されている。
これにより、第2の領域上の反射膜表面の凹凸は全体に平坦化し、その凹凸により反射される光の平均反射角度(図4(a)中のJ1)は、第1の領域上の反射膜表面の凹凸による平均反射角度(図4(a)中のI1)に比較して小さくなり(I1>J1)、散乱が狭くなるので第2の領域Dでの反射光は第1の領域の反射光より明るくなり、着色層16の非着色領域の大きさを変えることなく反射光の色の濃さを調整でき、全体としての色再現性を最も適した状態に調整することが可能となる。
また、形成された反射膜14の上に三色の内の例えば青色の感光性着色材が分散されたネガ型の感光性樹脂38をスピンコート等により図8(b)に示すように塗布し、露光現像して非着色領域Kである着色層用開口部21を図8(c)に示すように備えた青色の着色層16Bが形成される(ST104)。尚、光遮蔽層15となる部分にも着色層16Bが形成される。この工程ST104を赤の着色層16R、緑の着色層16Gと同様に繰り返すことにより最終的に三色の着色層16が形成されることとなる。また、光遮蔽層15も三色の着色層が積層され光を遮蔽することができるようになる。
次に、三回目のST104により三色の着色層16及び光遮蔽層15が形成されているその上に、オーバーコート層17が形成される(ST105)。
また、ST105により形成されたオーバーコート層17の上に走査電極18の材料であるITO等をスパッタリング法により被着し、フォトリソグラフィ法によってパターニングして図1、図2及び図3に示すようにX軸方向に所定の幅をもって走査電極18をストライプ状に形成する。更にその走査電極18を形成した上に配向膜19を形成し、ラビング処理を施して第1基板側の製造が終了する(ST106)。
次に、第2基板8上にTFD24、データ線23及び画素電極22を形成する(ST107)。
ここで、TFD24は第2基板8上にTa酸化物等を一様な厚さに成膜し下地層27を形成し、その上にTa等をスパッタリングにより一様な厚さで成膜して、フォトリソグラフィ法によりデータ線23と第1金属膜28とを同時に形成する。このとき、データ線23と第1金属膜28とはブリッジで繋がっている。
また、第1金属膜28に絶縁膜である酸化タンタル等を一様な厚さで成膜し絶縁膜29を形成して、更にその上にCrをスパッタリング法により一様な厚さで成膜し、フォトリソグラフィ法を利用して第2金属膜30を形成する。
更に画素電極22の形成予定領域の下地層27を除去した後、ITOをスパッタリング等によって一様な厚さで成膜し、更にフォトリソグラフィ法等によって一サブ画素の大きさに近い所定形状の画素電極22を、一部が第2金属膜30と重なるように形成する。これら一連の処理により、TFD24及び画素電極22が形成される。また、その上に配向膜25を形成し、ラビング処理を施して第2基板側の製造が終了する(ST108)。
次に、第2基板側の配向膜25上にギャップ材(図示せず)をドライ散布等により散布し、シール材を介して上述の第1基板7と第2基板8とを貼り合わせる(ST109)。その後、シール材の開口部から液晶を注入し(ST110)、シール材の開口部を紫外線硬化性樹脂等の封止材によって封止する。更に位相差板9,11及び偏光板10,12を第1基板7及び第2基板8の各外面上に貼着等の方法により取り付ける(ST111)。
最後に必要な配線や照明装置3及びケース体等を取り付けて、液晶表示装置1が完成する(ST112)。
以上で液晶表示装置1の製造方法の説明を終了する。
尚、上述の説明では散乱膜13の形成にネガ型の感光性樹脂36を用いたがこれに限られるものではなく、例えばポジ型の感光性樹脂を用いてもよい。
この場合、露光に用いるマスクは図6(a)の黒丸とその背景とが反転したパターンが形成されたマスクを用いることとなる。
(液晶表示装置の動作)
次に、以上のように構成された液晶表示装置1の動作について光の進行を中心に簡単に説明する。
まず、第1基板7に形成された走査電極18に走査信号を供給する一方、第2基板8に形成されたTFD24を介して所定の画素電極22にデータ線23からデータ信号が供給されると、所定の走査電極18と所定の画素電極22とが対向する領域において保持されている液晶のみ駆動できることとなる。
従って、例えば図3に示すように第2基板8及び画素電極22を透過して液晶層6に入射した外光は、該液晶層6によってサブ画素26毎に光変調され、オーバーコート層17を通過し着色領域Lの着色層16(16B)に入ると、着色層16により着色されて反射領域Fの反射膜14により反射される。その後再び着色領域Lの着色層16及びオーバーコート層17を通過し、画素電極22及び第2基板8を通過して表示画面から射出されることとなる。
これに対し、非着色領域Kに入るとオーバーコート層17を通過し、着色層16により着色されず反射領域Fの反射膜14により反射される。その後再びオーバーコート層17の非着色領域Kを通過し、画素電極22及び第2基板8を通過して表示画面から射出されることとなる。
従って、非着色領域Kから反射された光は着色による明度の低下もなく着色層16全体の明度を明るくすることが可能となる。
また、照明装置3から射出された光は第1基板7及び透過領域Eの反射膜14である反射膜用開口部20を通過し、着色層16及びオーバーコート層17を通過して液晶層6に入射した後、該液晶層6によってサブ画素26毎に光変調され、画素電極22及び第2基板8を通過して表示画面から射出される。
以上で液晶表示装置1の動作の説明を終了する。
このように本実施形態によれば、反射領域Fにおいて射出される光を散乱させるための散乱構造を設け、着色領域Lに対応する第1の領域Cを介して射出される光が、非着色領域Kに対応する第2の領域Dを介して射出される光よりも広く散乱されるものとしたので、例えば反射領域Fの色材に透過領域Eの色材を用いても、非着色領域Kを設け色の明るさを確保することができると共に非着色領域Kの形成による色再現性の低下に対し、該非着色領域Kに対応する第2の領域Dを介して射出される光が、着色領域Lに対応する第1の領域Cを介し射出される光より狭く散乱され該散乱光が明るくなり、非着色領域Kをその分小さくすることが可能となる。その結果、その分着色領域Lが増し、色再現性を向上させることが可能となる。
また、反射膜14は、その表面に形成される凹凸の少なくとも一方による光の平均反射角度が第1の領域上での該平均反射角度に比較して、第2の領域上での該平均反射角度の方が小さくなるように形成されているので、第2の領域D、すなわち非着色領域Kでの散乱光が明るくなるため非着色領域Kをより小さくすることもでき、着色層全体としての色再現性がより向上する。
更に反射膜14は、例えばその表面に形成される凹凸の少なくとも一方の平均高低差が第1の領域上に対し第2の領域上の方が小さくなるように形成されているので、第2の領域上、すなわち非着色領域Kでの平坦度が増すので、反射光が狭い角度範囲に散乱され散乱光が明るくなるため非着色領域をより小さくでき、着色層全体としての色再現性がより向上する。
また、第1及び第2の領域での凹凸の高低差の相違を例えばハーフトーンマスク37を用いて同時に形成することとしたので、製造工程を減らしコストの低減化を図ることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る液晶表示装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては液晶表示装置の散乱膜の第1及び第2の領域の散乱構造の相違を凹凸の平面方向の平均断面径が相違することとした点で第1の実施形態と異なるのでその点を中心に説明する。尚、第1の実施形態の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図9は本発明の第2の実施形態に係る液晶表示装置の散乱構造を説明する概略部分断面図である。
(液晶表示装置の構成)
液晶表示装置101は、例えば図1、図2及び図3に示すように液晶パネル102と、当該液晶パネル102に光を射出する照明装置3及び該液晶パネル102に接続された図示しない回路基板やその他の付帯機構が必要に応じて付設される。
液晶パネル102は、図1、図2及び図3に示すように相対向する基板であるカラーフィルタ基板104及び対向基板5と、該カラーフィルタ基板104及び対向基板5がシール材(図示しない)を介して貼り合わされ両基板の間隙に封入された電気光学物質例えばTN(Twist Nematic)型の液晶である液晶層6とを有する。
ここで、カラーフィルタ基板104は、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な液晶表示装置用の基板である第1基板7を其体とし、対向基板5はカラーフィルタ基板4に対向し、ガラス板又は合成樹脂板等から形成された透明な液晶表示装置用の基板である第2基板8を其体とする。
カラーフィルタ基板104は、図1及び図3に示すように第1基板7の液晶層側の表面に散乱膜113が形成され、その散乱膜113の表面には光の透過領域である反射膜用開口部を有する反射膜114及び光を遮蔽する光遮蔽層15が形成されている。また、該反射膜用開口部を含めた反射膜114の液晶層側には非着色領域である着色層用開口部を有する着色層16が光遮蔽層15で区切られる領域に形成されている。この結果、反射膜用開口部では着色層16が直接散乱膜113の上に積層されることとなる。
また、カラーフィルタ基板104は該着色層16及び光遮蔽層15の表面を保護するオーバーコート層17が該着色層16及び光遮蔽層15の表面を覆うように形成されており、更にオーバーコート層17の液晶層側にはITO(インジウムスズ酸化物)等の透明導電体からなる走査電極18が形成されている。また、その走査電極18の液晶層側には、例えばポリイミド樹脂等からなる配向膜19が形成されている。
ここで、散乱膜113は樹脂材料からなり、その表面には図1及び図3に示すように細かい例えば凹凸を有する散乱構造が形成されており、サブ画素内の表面には当該散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,Dを有する。また、その第1及び第2の領域C,Dは着色層16の着色層用開口部に平面的に重なるように第2の領域Dが形成され、それ以外の散乱膜113の領域に第1の領域Cが形成されている。
具体的には、例えば図9に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,Dは、第1の領域Cに形成された凹凸の平面方向(図9中のY軸方向)の平均断面の径(平均断面径)より第2の領域Dに形成された凹凸の平面方向(図9中のY軸方向)の平均断面径の方が小さくなるように形成されている。
更に反射膜114は、例えばアルミニウムや銀等の単体金属膜であって、例えば図1、図2及び図3に示すように夫々のサブ画素の略中央に反射膜114により散乱膜113が覆われていない略矩形状の反射膜用開口部20が形成されており、この反射膜用開口部20の領域が透過領域Eとなる。
また、図2及び図3に示すように該反射膜用開口部20の周囲は反射膜114により外部から入射した光を反射させる反射領域Fが形成されている。これにより、バックライト等の第1基板7から入射した光が透過領域Eから液晶層6へ透過できると共に、反射領域Fにより外部光を反射させることができる。
更に反射膜114は、例えば図1、図3及び図9に示すように散乱膜表面の散乱構造の凹凸により反射膜114の表面にも当該散乱膜の散乱構造が略そのまま反映されている。
具体的に、反射膜114は例えば図9に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,D上の領域に、第1の領域C上に形成された反射膜表面の凹凸の平面方向(図9中のY軸方向)の平均断面の径(平均断面径)(図9中のO)より第2の領域D上に形成された反射膜表面の凹凸の平面方向(図9中のY軸方向)の平均断面径(図9中のP)の方が小さく(O>P)なるように形成されている。
これにより、第2の領域上の反射膜表面の凹凸は全体に平坦化し、その凹凸により反射される光の平均反射角度(図9中のR1)は、第1の領域上の反射膜表面の凹凸による平均反射角度(図9中のQ1)に比較して小さくなり(Q1>R1)、散乱が狭くなるので第2の領域Dでの反射光は第1の領域の反射光より明るくなり、着色層16の非着色領域Kの大きさを変えることなく反射光の色の濃さを調整でき、全体としての色再現性を最も適した状態に調整することが可能となる。
尚、上述の説明では凹凸を有する散乱膜113や反射膜114等の散乱構造として図9に示すように凹部、凸部を両方有する場合を説明したが、当該散乱構造はこれに限られるものではなく、例えば図4(b)、(c)に示すように凸部や凹部のみを平面的な表面に有する場合でもよい。
(液晶表示装置の製造方法)
次に、液晶表示装置101の製造方法を散乱膜を中心に説明する。
図10は散乱膜の製造工程を説明するための概略部分断面図である。
まず、図5に示すように第1基板7上に均一に散乱膜用の例えばネガ型の感光性樹脂36を例えば図10(a)に示すようにスピンコート等により塗布する(ST101)。
そしてサブ画素26のストライプ配列に合わせた図6(b)に示すようなマスク137の上から図10(b)に示すように露光し更に現像することにより、例えば図10(c)に示すように第1の領域Cと第2の領域Dとで散乱構造の異なる散乱膜113が形成される(ST102)。
ここで、マスク137は例えば図6(b)に示すように一つのサブ画素26に対応する領域では、散乱膜113の第1の領域Cでの平面方向の平均断面径が、第2の領域D(非着色領域K)での平面方向の平均断面径より大きくなるように遮光パターンが形成されている。
すなわち、図6(b)に示すように第1の領域Cに対応するマスク137の領域での黒丸で表示された遮光部の大きさは、第2の領域Dに対応するマスク137の領域での黒丸で表示された遮光部の大きさより大きく形成されている。尚、図では遮光パターンは黒丸で表しているが実際はもっと細かく形成されており、形も黒丸に限られるものでないことは勿論である。
次に、第1の領域C及び第2の領域Dに散乱構造の相違する例えば図10(c)のような凹凸が形成された散乱膜113上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これにフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図2及び図3に示すように各サブ画素26の略中央に透過領域Eである矩形状の反射膜用開口部20を設けると共に、その周囲に反射領域Fを有する反射膜114を形成する(ST103)。
このとき、反射膜114は、例えば図1、図3及び図9に示すように散乱膜表面の散乱構造の凹凸により反射膜114の表面にも当該散乱膜113の散乱構造が略そのまま反映される。
以下ST111まで第1の実施形態の製造方法と同様であるのでその説明を省略する。
最後に必要な配線や照明装置3及びケース体等を取り付けて、液晶表示装置101が完成する(ST112)。
以上で液晶表示装置1の製造方法の説明を終了する。
尚、上述の説明では散乱膜113の形成にネガ型の感光性樹脂36を用いたがこれに限られるものではなく、例えばポジ型の感光性樹脂を用いてもよい。
また、露光に用いるマスクは図6(b)に限られるものではなく、例えば図6(b)の黒丸とその背景とが反転したパターンが形成されたマスクを用いてもよい。この場合、例えば丸い透孔部が複数も受けられたマスクとなる。そして、その透孔部は第1の領域Cに対応する領域での大きさが、第2の領域Dでの大きさより大きくなるように透孔パターンが形成されることとなる。
(液晶表示装置の動作)
次に、以上のように構成された液晶表示装置101の動作については第1の実施形態の液晶表示装置1の動作と略同様であるのでその説明を省略する。
このように本実施形態によれば、反射膜114は、その表面に形成される凹凸の平面方向の平均断面径が第1及び第2の領域C,D上で相違するように形成されているので、第2の領域上、すなわち非着色領域Kでの例えば凹凸の平均断面径が第1の領域上に比較して小さくなりより平坦度が増すこととなり、その表面での反射光が狭い角度範囲に散乱され散乱光が明るくなるため非着色領域Kをより小さくすることもでき、着色層全体としての色再現性がより向上する。また、着色層16の形状によらず散乱膜113の第1及び第2の領域C,Dの散乱構造の平均断面径を異ならせることにより色再現性を調整することもできる。
更に散乱膜113の複数の凹凸に対応した複数の透光部または遮光部を備え、第1の領域Cでの当該透光部または遮光部の大きさが、第2の領域Dでの当該透光部または遮光部の大きさより大きいマスクを介して露光し現像することとしたので、極めて容易に第1の領域Cと第2の領域Dとで相違する複数の凹凸を有する散乱膜113を形成することができる。
(変形例)
次に、本発明に係る液晶表示装置の変形例について説明する。本変形例においては液晶表示装置の散乱膜の第1及び第2の領域の散乱構造の相違を凹凸の平均密度が相違することとした点で第1の実施形態と異なるのでその点を中心に説明する。尚、第1の実施形態の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図11は本変形例の散乱構造を説明する概略部分断面図である。
(液晶表示装置の構造)
本変形例の液晶表示装置である液晶表示装置201の液晶パネル202には、図1及び図3に示すように第1基板7の液晶層側の表面に散乱膜213が形成され、その散乱膜213の表面には図1及び図3に示すように細かい例えば凸部を有する散乱構造が形成されており、サブ画素内の表面には当該散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,Dを有する。
また、散乱膜213の第1及び第2の領域C,Dは着色層16の着色層用開口部21に平面的に重なるように第2の領域Dが形成され、それ以外の散乱膜213の領域に第1の領域Cが形成されている。
具体的には、例えば図11に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,Dは、第1の領域Cに形成された凸部の平均密度より第2の領域Dに形成された凸部の平均密度の方が大きくなるように形成されている。
更に反射膜214は、例えば図1、図3及び図11に示すように散乱膜表面の散乱構造の凹凸により反射膜214の表面にも当該散乱膜の散乱構造が略そのまま反映されている。
具体的に、反射膜214は例えば図11に示すように散乱構造が相違する第1及び第2の領域C,D上の領域に、第1の領域C上に形成された反射膜表面の凸部215の平均密度より第2の領域D上に形成された反射膜表面の凸部215の平均密度の方が大きくなるように形成されている。
これにより、第2の領域上の反射膜表面の凹凸は全体に平坦化し、その凹凸により反射される光の平均反射角度(図11中のR2)は、第1の領域上の反射膜表面の凹凸による平均反射角度(図11中のQ2)に比較して小さくなり(Q2>R2)、散乱が狭くなるので第2の領域Dでの反射光は第1の領域の反射光より明るくなり、着色層16の非着色領域Kの大きさを変えることなく反射光の色の濃さを調整でき、全体としての色再現性を最も適した状態に調整することが可能となる。
尚、上述の説明では散乱構造を凸部の密度で考えたがこれに限られるものではなく、例えば凹部や凹凸の密度でも良いことは勿論である。
(液晶表示装置の製造方法)
次に、液晶表示装置201の製造方法を散乱膜を中心に説明する。
まず、図5に示すように第1基板7上に均一に散乱膜用のポジ型の感光性樹脂36を例えばスピンコート等により塗布する(ST101)。
そしてサブ画素26のストライプ配列に合わせた図6(c)に示すようなマスク237の上から露光し更に現像することにより、例えば第1の領域Cと第2の領域Dとで散乱構造の異なる散乱膜213が形成される(ST102)。
ここで、マスク237は例えば図6(c)に示すように一つのサブ画素26に対応する領域では、散乱膜213の第1の領域Cでの平均密度が、第2の領域D(非着色領域K)での平均密度より小さくなるように遮光パターンが形成されている。
すなわち、図6(c)に示すように第1の領域Cに対応するマスク237の領域での黒丸で表示された遮光部の平均密度は、第2の領域Dに対応するマスク237の領域での黒丸で表示された遮光部の平均密度より小さく形成されている。尚、図では遮光パターンは黒丸で表しているが実際はもっと細かく形成されており、形も黒丸に限られるものでないことは勿論である。
次に、第1の領域及び第2の領域に散乱構造の相違する例えば凹凸が形成された散乱膜213上に蒸着法やスパッタリング法等によってアルミニウム等を薄膜状に成膜し、これにフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることによって、例えば図2及び図3に示すように各サブ画素26の略中央に透過領域Eである矩形状の反射膜用開口部20を設けると共に、その周囲に反射領域Fを有する反射膜214を形成する(ST103)。
このとき、反射膜214は、例えば図1、図3及び図11に示すように散乱膜表面の散乱構造の凹凸により反射膜214の表面にも当該散乱膜の散乱構造が略そのまま反映される。
以下ST111まで第1の実施形態の製造方法と同様であるのでその説明を省略する。
最後に必要な配線や照明装置3及びケース体等を取り付けて、液晶表示装置201が完成する(ST112)。
以上で液晶表示装置1の製造方法の説明を終了する。
尚、上述の説明では散乱膜213の形成にポジ型の感光性樹脂36を用いたがこれに限られるものではなく、例えばネガ型の感光性樹脂を用いてもよい。この場合は、散乱構造を凹部の密度で考えることとなる。
また、露光に用いるマスクは図6(c)に限られるものではなく、例えば図6(c)の黒丸とその背景とが反転したパターンが形成されたマスクを用いてもよい。この場合、例えば丸い透孔部が複数も受けられたマスクとなる。そして、その透孔部は第1の領域Cに対応する領域での平均密度が、第2の領域Dでの平均密度より小さくなるように透孔パターンが形成されることとなる。
(液晶表示装置の動作)
次に、以上のように構成された液晶表示装置201の動作については第1の実施形態の液晶表示装置1の動作と略同様であるのでその説明を省略する。
このように本変形例によれば、第2の領域上、すなわち非着色領域Kでの例えば凸部215の平均密度を第1の領域上に比較して大きくすることにより平坦度が増すので、反射光が狭い角度範囲に散乱されて散乱光が明るくなるため非着色領域をより小さくすることもでき、着色層全体としての色再現性がより向上する。また、着色層16の形状によらず散乱膜213の第1及び第2の領域C,Dの散乱構造の平均断面径を異ならせることにより色再現性を調整することもできる。
更に散乱膜213の複数の凹凸に対応した複数の透光部または遮光部を備え、第1の領域Cでの当該透光部または遮光部の平均密度が、第2の領域Dでの当該平均密度より小さいマスクを介して露光し現像することとしたので、極めて容易に第1の領域Cと第2の領域Dとで相違する複数の凹凸を有する散乱膜213を形成することができる。
(第3の実施形態・電子機器)
次に、上述した液晶表示装置1,101,201を備えた本発明の第3の実施形態に係る電子機器について説明する。尚、第1の実施形態、第2の実施形態、変形例の構成要素と共通する構成要素については、第1の実施形態、第2の実施形態、変形例の構成要素と同一の符号を付しその説明を省略する。
図12は本発明の第3の実施形態に係る電子機器の表示制御系の全体構成を示す概略構成図である。
電子機器300は、表示制御系として例えば図12に示すように液晶パネル2及び表示制御回路390などを備え、その表示制御回路390は表示情報出力源391、表示情報処理回路392、電源回路393及びタイミングジェネレータ394などを有する。
また、液晶パネル2には表示領域Sを駆動する駆動回路361を有する。
表示情報出力源391は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などからなるメモリと、磁気記録ディスクや光記録ディスクなどからなるストレージユニットと、デジタル画像信号を同調出力する同調回路とを備えている。更に表示情報出力源391は、タイミングジェネレータ394によって生成された各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの形で表示情報を表示情報処理回路392に供給するように構成されている。
また、表示情報処理回路392はシリアル−パラレル変換回路、増幅・反転回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路などの周知の各種回路を備え、入力した表示情報の処理を実行して、その画像情報をクロック信号CLKと共に駆動回路361へ供給する。また、電源回路393は、上述した各構成要素に夫々所定の電圧を供給する。
このように本実施形態によれば、電子機器300は、例えばその液晶パネル2の反射領域Fにおいて射出される光を散乱させるための散乱構造を設け、着色領域Lに対応する第1の領域Cを介して射出される光が、非着色領域Kに対応する第2の領域Dを介して射出される光よりも広く散乱されるものとしたので、例えば反射領域Fの色材に透過領域Eの色材を用いても、非着色領域Kを設け色の明るさを確保することができると共に非着色領域Kの形成による色再現性の低下に対し、該非着色領域Kに対応する第2の領域Dを介して射出される光が、着色領域Lに対応する第1の領域Cを介し射出される光より狭く散乱され該散乱光が明るくなり、非着色領域Kをその分小さくすることが可能となる。その結果、その分着色領域Lが増し、色再現性を向上させることが可能となる。
特に最近の電子機器にあっては、低価格且つ、高品質な表示機能を発揮できることが求められており、低コストで高い表示品位を提供する本発明の意義は大きいといえる。
具体的な電子機器としては、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの他に液晶表示装置が搭載されたタッチパネル、プロジェクタ、液晶テレビやビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した例えば液晶表示装置1,101,201が適用可能なのは言うまでもない。
なお、本発明の電気光学装置及び電子機器は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、上記各実施形態同士を組み合わせ得る。
以上、好ましい実施形態を上げて本発明を説明したが、本発明は上述したいずれの実施形態にも限定されず、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更して実施できる。
例えば、上述の実施形態や変形例では薄膜ダイオード素子アクティブマトリクス型の液晶表示装置について説明したがこれに限られるものではなく、例えば薄膜トランジスタ素子アクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型の液晶表示装置であってもよい。これにより、多種多様な液晶表示装置についても、簡易な構造及び方法で表示の際の色再現性と明るさの両方の改善を図ることができる。
また、上述の実施形態や変形例では散乱構造として例えば第1及び第2の領域で凹凸等の平均高低差、平均断面径及び平均密度を夫々別々に異ならせたがこれに限られるものではなく、例えば平均高低差と平均断面径や平均密度を組み合わせて第1の領域Cからの反射光の平均反射角度が第2の領域Dからの反射光の平均反射角度より大きくなるようにしてもよい。これにより、多種多様な液晶表示装置についても、簡易な構造及び方法で表示の際の色再現性と明るさの両方の改善を図ることができる。また、凹凸の形状を変える事で、第1の領域Cからの反射光の平均反射角度が第2の領域Dからの反射光の平均反射角度より大きくなるようにしてもよい。また、反射膜の表面の凹凸は、ショットブラスト法やプレス法などの他の手段を用いて形成しても良い。
また、反射領域の散乱構造は、反射領域に対応する領域に透明樹脂と、当該透明樹脂に分散された散乱物質からなる光散乱膜を備え、当該光散乱膜が非着色領域に対応する領域と着色領域に対応する領域とで散乱特性が異なる構成でも良い。この場合、非着色領域に対応する領域の反射光は狭く散乱し(指向性が強く)、着色領域に対応する領域の反射光は広く散乱する(指向性が弱い)。
更に上述の実施形態や変形例では非着色領域Kである着色層用開口部21として円形の形状を一サブ画素あたり一個設けたが、これに限られるものではなく例えば複数であってもよく、形も矩形状や多角形であってもよい。これにより、より多種多様な液晶表示装置についても、簡易な構造及び方法で表示の際の色再現性と明るさの両方の改善を図ることができると共に、色再現性での色むら等が生じる可能性をより低減できる。また、着色層用開口部として、単に反射領域内に着色層が設けられていない領域が存在する構造や、着色層用開口部内に他の領域よりも膜厚の薄い着色層を配置している構造であっても良い。なお、反射膜に形成された開口部においても、単に反射領域内に反射膜が設けられていない領域が存在する構造や、反射膜の開口部内に光を透過可能な程度に薄い反射膜が配置されている構造であっても良い。
1,101,201 液晶表示装置、 2,102,202 液晶パネル、 3 照明装置、 4,104,204 カラーフィルタ基板、 5 対向基板、 6 液晶層、 7 第1基板、 8 第2基板、 9,11 位相差板、 10,12 偏光板、 13,113,213 散乱膜、 14,114,214 反射膜、 15 光遮蔽層、 16 着色層、 17 オーバーコート層、 18 走査電極、 19,25, 配向膜、 20 反射膜用開口部、 21 着色層用開口部、 22 画素電極、 23 データ線、 24 TFD、 26 サブ画素、 27 下地層、 28 第1金属膜、 29 絶縁膜、 30 第2金属膜、 31 導光板、 32,33 プリズムシート、 34 拡散シート、 35 反射シート、 36,38 感光性樹脂、 37 ハーフトーンマスク、 137,237 マスク、 215 凸部、 300 電子機器、 361 駆動回路、 390 表示制御回路、 C 第1の領域、 D 第2の領域、 E 透過領域、 F 反射領域、 G1,G2,H1,H2 平均高低差、 I1,I2,J1,J2,Q1,Q2,R1,R2 平均反射角度、 K 非着色領域、 L 着色領域、 M ハーフ露光領域、 N 通常露光領域、 O,P 平均断面径