JP2003042619A - 製氷装置 - Google Patents

製氷装置

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JP2003042619A
JP2003042619A JP2001230492A JP2001230492A JP2003042619A JP 2003042619 A JP2003042619 A JP 2003042619A JP 2001230492 A JP2001230492 A JP 2001230492A JP 2001230492 A JP2001230492 A JP 2001230492A JP 2003042619 A JP2003042619 A JP 2003042619A
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ice making
water
concave
ice
chamber
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JP2001230492A
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English (en)
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Takayuki Tamura
隆行 田村
Hiroyasu Yoshida
浩康 吉田
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Refrigeration Co
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25CPRODUCING, WORKING OR HANDLING ICE
    • F25C1/00Producing ice
    • F25C1/04Producing ice by using stationary moulds
    • F25C1/045Producing ice by using stationary moulds with the open end pointing downwards

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Beverage Vending Machines With Cups, And Gas Or Electricity Vending Machines (AREA)
  • Devices That Are Associated With Refrigeration Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動販売機に搭載することができ、硬くて食
感が良く、また見栄えも良い氷を製造することができ、
且つ生成された氷が容易に製氷室を離れて短いサイクル
で氷を作ることができる製氷装置の開発を課題とする。 【解決手段】 凹状部材10が複数並べられた製氷部2
と、傾斜部材3と、複数の短冊状フラップ5を備える。
傾斜部材3は製氷部2の下部に設けられ、傾斜部材3に
はノズル30が設けられている。 凹状部材10は、開
口側を下にして配置されている。金属板16は銅等のは
んだ付けが可能な金属を素材とするものであり、内部に
多数の角孔17が設けられている。金属板16の角孔1
7のそれぞれに凹状部材10が挿入され、金属板16に
よって各凹状部材10の位置決めが行われている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製氷装置に関する
ものであり、特にカップ式自動販売機に搭載するのに適
した製氷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙コップを内蔵し、紙コップにジュース
やコーヒ等の飲料を注入して使用者に供給するカップ式
自動販売機が知られている。また近年、カップ式自動販
売機に製氷装置を搭載し、飲料購入者の嗜好に合わせて
カップ内に氷が入れられるものがある。従来技術のカッ
プ式自動販売機に搭載される製氷装置は、オーガ式と称
される形式のものが主流である。ここでオーガ式製氷装
置とは、例えば特開平11−351715号公報に開示
された様な構造をもつものである。すなわちオーガ式製
氷装置では、円筒状の製氷シリンダを有し、この製氷シ
リンダの内面に薄氷を生成させる。そしてこの薄氷層を
回転螺旋刃によって削り取り、この削り取った氷を押圧
ヘッドによって製氷シリンダの上部に搬送し、カッタに
よって適宜の大きさに切断し、カップに供給する。
【0003】またカップ式自動販売機に搭載された例は
無いが、製氷装置の一形式としてオープンセル式と称さ
れる製氷装置もある。オープンセル式の製氷装置は、例
えば特開平11−351715号公報に開示されたもの
であり、凹状の製氷室を複数備えた製氷部と、水皿によ
って構成されている。そして製氷部は凹状の製氷室が下
向きに開放される様に設置される。また凹状の製氷室の
裏面側にはエバポレータの銅管が溶接されており、当該
銅管に冷媒を通すことによって製氷室が冷却される。
【0004】一方、水皿は動力によって水平姿勢と傾斜
姿勢に姿勢変更可能となっている。そして製氷時には、
水皿を水平姿勢に維持し、製氷室と密接させる。この状
態において、水皿から凹状の製氷室内に水を噴射し、製
氷室内で水を凍らせる。製氷室内に氷ができると、動力
によって水皿を傾斜させると共に、製氷室内から離氷さ
せる。その結果、氷は水皿の傾斜面を滑って外部に排出
させる。
【0005】ここで従来技術の製氷装置においては、凹
状の製氷室は、一個の凹状製氷室が形成された凹形部材
100を予め成形し、これを図17の様に並べ、エバポ
レータの銅管を一つ一つ溶接して作られていた。オープ
ンセル式の製氷装置は、喫茶店やレストランといった飲
食店で使用される場合が多く、一つの氷の大きさは30
mm〜40mm角程度である。また従来技術の製氷装置
においては、一回に製造する氷の数は6〜9個程度であ
る。すなわち従来技術の製氷装置では、一個の凹状製氷
室が形成された凹形部材100が6〜9個程度、平面的
に並べられ、これにエバポレータの銅管を一つ一つ溶接
して作られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したオーガ式製氷
装置は、氷を連続的に作ることができ、製氷能力が高
い。しかしながらオーガ式製氷装置で作られた氷は、薄
氷を削り取って押し固めたものであるから、シャーベッ
ト状であって軟らかく、食感が悪い。またオーガ式製氷
装置で作られた氷は、透明度が低く、見栄えも悪い。そ
のため当業者の間では、これらの点を改善した製氷装置
の開発が嘱望されていた。
【0007】そこで本発明者らは、オーガ式の製氷装置
に代わってオープンセル式の製氷装置をカップ式自動販
売機に搭載することを考えた。ところでカップ式自動販
売機に適する氷の大きさは、飲食店で使用されるものに
比べて小さい。具体的には、喫茶店等では、人間の手で
氷を掬ってグラスに入れるので、一つの氷は30mm〜
40mm角が適当であるが、カップ式自動販売機では、
氷を自動供給するため、氷に大きさは15mm角程度が
好ましい。
【0008】このようにカップ式自動販売機に適する氷
は小さいから、需要を賄う量を確保するためには数多く
の氷を作らなければならない。そのためカップ式自動販
売機にオープンセル式の製氷装置を搭載する場合、一回
の製氷工程で40個程度の氷を製造する能力が必要とな
る。したがって従来技術の構造によると、一個の凹状製
氷室が形成された凹形部材100を40個程度、平面的
に並べ、これにエバポレータの銅管を溶接しなければな
らない。
【0009】しかしながらこの様に40個もの凹形部材
100にエバポレータの銅管を溶接すると、どうしても
凹形部材100がでこぼこしてしまう。すなわち凹形部
材100を同一平面に並べてこれにエバポレータの銅管
を取り付けることが理想であるが、溶接を進める内に凹
形部材100が出入りし、40個もの凹形部材100を
同一平面上に維持することができない。
【0010】また凹形部材100がでこぼこすると、他
の部材との水密性の確保が困難となり、不具合が生じ
る。特にオープンセル式の製氷装置では、凹状製氷室を
下向きに保持しなければならないが、この保持部材との
間の水密性は重要である。すなわちオープンセル式の製
氷装置では、ベース部材を有し、このベース部材の上に
複数の凹状製氷室を載置して凹状製氷室を下向きに保持
する。上記したベース部材の凹状製氷室の載置面には、
凹状製氷室の開口と同一の開口が設けられ、凹状製氷室
内への水の出入りや、凹状製氷室からの離氷が可能とな
っている。しかしながら、ベース部材の載置面と凹形部
材100の間に水が侵入すると、当該水が凍結し、この
氷が凹状製氷室の氷と一体化してしまう。その結果、凹
状製氷室内の氷が、ベース部材の載置面と凹形部材10
0の間に引っ掛かり、凹状製氷室を離れることができな
くなってしまう。そのため生成された氷が離氷できず、
氷を取り出すことができない。
【0011】また前記した様にカップ式自動販売機に適
する氷は小さいから、需要を賄う量を確保するためには
数多くの氷を作らなければならず、短いサイクルで次々
に氷を作らなければならない。しかしながら従来技術の
オープンセル式の製氷装置は、氷が生成されてから離氷
するまでに時間がかかり、カップ式自動販売機に必要な
量を確保することが困難であった。
【0012】そこで本発明は、従来技術の上記した問題
点を解決し、自動販売機に搭載することができ、硬くて
食感が良く、また見栄えも良い氷を製造することがで
き、且つ生成された氷が容易に製氷室を離れて短いサイ
クルで氷を作ることができる製氷装置の開発を課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】そして上記した課題を解
決するための請求項1に記載の発明は、冷却可能であり
複数の凹状製氷室を有する製氷部と、凹状製氷室に水を
供給する水供給手段からなり、水供給手段によって凹状
製氷室に水を供給し凹状製氷室内において水を凍結さ
せ、前記製氷部は1又は数個の凹状製氷室が形成された
凹形部材を複数有し、さらに複数の開口が分布された板
部材を有し、板部材の開口に凹形部材が挿入されてなる
ことを特徴とする製氷装置である。
【0014】本発明の製氷装置は、オープンセル式の製
氷装置を改良するものであり、製氷部は、冷却可能な複
数の凹状製氷室を有する。そして凹状製氷室に水を供給
して凹状製氷室内において水を凍結させる。本発明の製
氷装置では、製氷部は1又は数個の凹状製氷室が形成さ
れた凹形部材を複数有し、さらに複数の開口が分布され
た板部材を備える。そして板部材の開口に凹形部材が挿
入されている。そのため凹状製氷室は板部材によって位
置決めされ、高さ方向や横方向の位置ずれが少ない。そ
のため本発明の製氷装置は、製氷部と他の部位との水密
性の確保が容易である。
【0015】また請求項2に記載の発明は、製氷部を支
持するベース部材を有し、製氷部はベース部材にパッキ
ンを介して取り付けられていることを特徴とする請求項
1に記載の製氷装置である。
【0016】本発明の製氷装置では、製氷部を支持する
ベース部材を有し、製氷部はベース部材にパッキンを介
して取り付けられている。そして前記した様に、凹状製
氷室は板部材によって位置決めされ、高さ方向や横方向
の位置ずれが少ない。そのため本発明の製氷装置は、製
氷部とベース部材の水密が高く、離氷が円滑である。
【0017】さらに請求項3に記載の発明は、ベース部
材は製氷部の凹状製氷室に相当する位置に複数の開口を
有し、さらにパッキンにも製氷部の凹状製氷室に相当す
る位置に複数の開口が設けられていることを特徴とする
請求項2に記載の製氷装置である。
【0018】本発明の製氷装置では、ベース部材は製氷
部の凹状製氷室に相当する位置に複数の開口を有し、さ
らにパッキンにも製氷部の凹状製氷室に相当する位置に
複数の開口が設けられている。そのため製氷部の凹状製
氷室の開口周辺におけるベース部材と製氷部の水密性が
高く、離氷が円滑である。
【0019】さらに請求項4に記載の発明は、ベース部
材には凹状製氷部の凹部同士を連絡する溝が設けられて
いることを特徴とする請求項2又は3に記載の製氷装置
である。
【0020】本発明のベース部材には凹状製氷部の凹部
同士を連絡する溝が設けられている。そのため溝の部分
でも結氷し、凹状製氷部の表面側において隣接する氷同
士が溝部分の氷によって互いに連結される。そのため一
つの凹状製氷室の氷が落下するとこれに連れて隣接する
氷も落下する。本発明では、このように複数の氷がまと
まって落下するので、凹状製氷室内に氷が残留すること
が少ない。
【0021】また請求項5に記載の発明は、開口が分布
された板部材と凹形部材は、板状のろう材によってろう
付けされていることを特徴とする請求項1乃至4のいず
れかに記載の製氷装置である。
【0022】本発明の製氷装置は、板状のろう材によっ
てろう付けされているので、接合作業が簡単であり、作
りやすい。
【0023】また請求項6に記載の発明は、冷却可能で
あり複数の凹状製氷室を有する製氷部と、凹状製氷室に
水を供給する水供給手段からなり、水供給手段によって
凹状製氷室に水を供給し凹状製氷室内において水を凍結
させ、その後、凹状製氷室の背面側に水又は湯を供給す
ることを特徴とする製氷装置である。
【0024】本発明の製氷装置についても、オープンセ
ル式の製氷装置を改良するものであり、製氷部は、冷却
可能な複数の凹状製氷室を有する。そして凹状製氷室に
水を供給して凹状製氷室内において水を凍結させる。そ
して本発明の製氷装置は、凹状製氷室内において水が生
成された後、凹状製氷室の背面側に水又は湯を供給す
る。そのため凹状製氷室の内面において、早期に氷が溶
融し、氷は速やかに凹状製氷室を離れる。
【0025】また請求項7に記載の発明は、低温の冷媒
と高温の熱媒が通過する管が配されていて冷却及び加熱
可能であり複数の凹状製氷室を有する製氷部と、凹状製
氷室に水を供給する水供給手段からなり、低温の冷媒に
よって凹状製氷室を冷却すると共に水供給手段によって
凹状製氷室に水を供給して凹状製氷室内において水を凍
結させ、その後、高温の熱媒によって凹状製氷室を加熱
して凹状製氷室から氷を離脱させ、さらにその際に凹状
製氷室の背面側に水又は湯を供給することを特徴とする
製氷装置である。
【0026】本発明の製氷装置についても、オープンセ
ル式の製氷装置を改良するものであり、製氷部は、冷却
可能な複数の凹状製氷室を有する。そして凹状製氷室に
水を供給して凹状製氷室内において水を凍結させる。そ
して本発明の製氷装置は、凹状製氷室内において水が生
成された後、高温の熱媒によって凹状製氷室を加熱して
凹状製氷室から氷を離脱させ、さらにその際に凹状製氷
室の背面側に水又は湯を供給する。そのため凹状製氷室
の内面において、早期に氷が溶融し、氷は速やかに凹状
製氷室を離れる。
【0027】また請求項8に記載の発明は、凹状製氷室
の背面側への水又は湯の供給は、複数回に分けて行われ
ることを特徴とする請求項6又は7に記載の製氷装置で
ある。
【0028】本発明の製氷装置では、水又は湯の供給が
複数回に分けて行われるので、離氷の状態や製氷室の温
度変化等を観察しながら水や湯の供給をおこなうことが
できる。
【0029】さらに請求項9に記載の発明は、製氷部の
凹状製氷室の背面側は、水又は湯を溜めることが可能で
あり、凹状製氷室の背面側の水又は湯が抜け終わってか
ら次回の水又は湯の供給が行われることを特徴とする請
求項8に記載の製氷装置である。
【0030】本発明の製氷装置では、製氷部の凹状製氷
室の背面側に水又は湯を溜めることができる。そのため
より速やかに凹状製氷室の内面の氷を溶融することがで
きる。
【0031】さらに請求項10に記載の発明は、製氷部
の温度を検知する温度検知手段を有し、製氷部が一定の
温度になるまで水又は湯の供給を行うことを特徴とする
請求項6乃至9のいずれかに記載の製氷装置である。
【0032】本発明の製氷装置では、製氷部の温度を検
知する温度検知手段を有し、製氷部が一定の温度になる
まで水又は湯の供給を行う。そのため無駄な水等の供給
を行うことがなく、早期に次の工程に移ることができ
る。
【0033】また請求項11に記載の発明は、製氷部の
温度を検知する温度検知手段を有し、製氷部の背面側は
水又は湯を溜めることが可能であり、製氷部が一定の温
度になるまで製氷部の背面側に水又は湯を残留させるこ
とを特徴とする請求項6乃至10のいずれかに記載の製
氷装置である。
【0034】本発明の製氷装置においても、製氷部の温
度を検知する温度検知手段を有する。そして製氷部が一
定の温度になるまで製氷部の背面側に水又は湯を残留さ
せる。そのため無駄に残留時間を消費することなく、早
期に次の工程に移ることができる。
【0035】また請求項12に記載の発明は、製氷部は
1又は数個の凹状製氷室が形成された凹形部材を複数有
し、さらに複数の開口が分布された板部材を有し、板部
材の開口に凹形部材が挿入されてなることを特徴とする
請求項6乃至11のいずれかに記載の製氷装置である。
【0036】本発明の製氷装置では、製氷部は1又は数
個の凹状製氷室が形成された凹形部材を複数有し、さら
に複数の開口が分布された板部材を備える。そして板部
材の開口に凹形部材が挿入されている。そのため凹状製
氷室は板部材によって位置決めされ、高さ方向や横方向
の位置ずれが少ない。そのため本発明の製氷装置は、製
氷部と他の部位との水密性の確保が容易である。
【0037】また請求項13に記載の発明は、請求項1
乃至12のいずれかに記載の製氷装置を搭載した自動販
売機である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下さらに本発明の実施形態につ
いて説明する。図1は、本発明の実施形態の製氷装置の
斜視図である。図2は図1の製氷装置の内部を示す断面
斜視図である。図3は、図1の製氷装置で採用する製氷
部の平面図及び側面図である。図4は、図3(a)のA
−A断面図である。図5は、図1の製氷装置で採用する
製氷部の分解斜視図である。図6は、図1の製氷装置で
採用する製氷部の要部の斜視図である。図7は、製氷部
のベース部材を下面側から見た斜視図である。図8は、
図1の製氷装置の特定の面での断面図である。図9は、
図1の製氷装置の図8とは異なる面での断面図である。
図10は、離氷時における製氷装置の特定の面での断面
図である。図11は、図1の製氷装置で採用する傾斜部
材の分解斜視図である。図12は、本発明の実施形態の
製氷装置の水の流れを示す説明図である。
【0039】各図において、1は本発明の実施形態の製
氷装置を示す。製氷装置1は、製氷部2、傾斜部材3、
フラップ5及び水タンク部材6によって構成され、さら
にポンプ7、水位センサー8等が付属するものである。
【0040】順次説明すると、製氷部2は、箱状のベー
ス部材9を持ち、その内部に凹状の凹状部材10が多数
並べられたものである。凹状部材10は、銅等の熱伝導
性に優れた金属素材を絞り加工して図6のような形状に
したものである。すなわち凹状部材10は、セルとも称
されるものであり、凹部製氷室15を形成する。凹部製
氷室15は一端が開口し、内部形状が略立方体をしてい
る。ただし凹状製氷室15には僅かに抜け勾配が設けら
れている。また凹状製氷室15の奥部には図6の様に小
孔11が設けられている。小孔11は、離氷の際に空気
抜き孔として機能するものである。凹状製氷室15の開
口端には略正方形のフランジ部14が設けられている。
【0041】凹状部材10は、図3,4の様に凹状製氷
室(凹部)15の開口側を下にして配置されている。そ
して本実施形態に特有の構成として、金属板16(図
5、図6、図8他)を有し、当該金属板16によって各
凹状部材10の位置決めが行われている。すなわち金属
板16は銅等のロウ付けが可能な金属を素材とするもの
であり、図5の様に四角形である。そしてその内部に多
数の角孔17が設けられている。角孔17は、正方形で
あり、前記した凹状部材10の裏面側の断面形状と略一
致する。すなわち金属板16の角孔17は、いずれも凹
状部材10の凹状製氷室15部分の外形と等しく、フラ
ンジ部14よりも小さい。また角孔17の数は、凹状部
材10の個数と一致する。そして本実施形態では、金属
板16の角孔17のそれぞれに凹状部材10が挿入さ
れ、金属板16の下面側に凹状部材10のフランジ部1
4が接している。そして金属板16の下面側と凹状部材
10のフランジ部14との間は、ハンダ等によってロウ
付けがなされている。
【0042】なお金属板16の下面側と各凹状部材10
のフランジ部14の間におけるハンダ付け等のロウ付け
加工は、通常の線状のハンダやロウ材を使用してもよい
が、金属板16と略同一形状の板状のハンダ材や、板状
の他のロウ材を使用すると、より効率のよい作業を行う
ことができる。すなわち金属板16と同一形状の角孔が
設けられた板状のハンダ材またはロウ材を用意し、ハン
ダ材又はロウ材を挟んで金属板16の角孔17のそれぞ
れに凹状部材10を挿入する。そしてこの状態のままで
炉内に入れる等により加熱し、ハンダ材等を融解して金
属板16と凹状部材10を結合する。
【0043】実施形態の説明に戻ると、凹状部材10の
裏面側にはエバポレータ12の銅管が溶接又はロウ付け
されている。本実施形態の構成によると、各凹状部材1
0は金属板16によって位置決めされており、行又は列
のずれや高低差が少ないので、エバポレータ12の銅管
の取付けも容易である。
【0044】一方、ベース部材9は、枠状であり、底面
部に樹脂板20が設けられている。樹脂板20には図5
の様に多数の角孔21が設けられている。角孔21の大
きさ、数およびその配置は、前記した金属板16と同一
である。ただし、ベース部材9の樹脂板20の下面側の
表面には、図7の様に溝24が設けられ、樹脂板20の
孔21同士が溝24によって連結されている。
【0045】前記した凹状部材10、エバポレータ12
及び金属板16の三者は、上記した様に三者が一体的に
結合した状態でベース部材9に設置される。また凹状部
材10とベース部材9の間に水が入り込まないように両
者の間にパッキン22が介在されている。パッキン22
は、樹脂又はゴムのシートを打ち抜いて作られたもので
あり、図5の様に多数の各孔23が設けられている。孔
23の大きさ、数およびその配置は、前記した金属板1
6と同一である。前記した様に凹状部材10、エバポレ
ータ12及び金属板16の三者は、上記した様に三者が
一体的に結合した状態でベース部材9に設置されるが、
このとき、各凹状部材10のフランジ部14がベース部
材9の桟の部分(孔21以外の部分)18にパッキン2
2の桟の部分19を挟んで接する。
【0046】また本実施形態の製氷装置1では、各凹状
部材10は金属板16によって位置決めされており、行
又は列のずれや高低差が少なく、且つ金属板16とパッ
キン22及びベース部材9の樹脂板20はいずれも同一
形状であるから、各凹状部材10のフランジ部14はベ
ース部材9の桟の部分18に正確に接する。また両者の
間のパッキン22にもずれが生じない。そのため本実施
形態の製氷装置1では、パッキン22が正確な位置に取
り付けられ、凹状部材10とベース部材9の間に水が入
り込まない。
【0047】傾斜部材(平板部材)3は、従来技術の水
皿に相当する部材であり、図11に示すように、四層構
造となっていて、これらがネジ25によって結合された
ものである。すなわち傾斜部材3は、上面板26、流路
形成部材27、底板28及び水切り用底板47の四者に
よって構成されている。ただし実際の設計上は、流路形
成部材27は上面板26又は底板28のいずれかに接着
されるか、一体的に成形される。
【0048】上面板26は、アクリル樹脂等の透明な樹
脂で作られたものであり、図11の様にその表面に14
本のリブ29が設けられている。リブ29は、いずれも
平行であり、図3の様に傾斜方向に沿って延びている。
【0049】また上面板26の下流側端部は、下に向か
うアール46が設けられている。上面板26には、多数
の開口が設けられている。開口には大きく分けてノズル
として機能する小孔30と、水抜き孔として機能する孔
31,32,33がある。図面に沿って説明すると、図
11の中で小さく描かれた小孔30は、ノズルとして機
能するものであり、他の孔は全て水抜き孔として機能す
る。
【0050】すなわち上面板26の下流に相当する部位
には、長孔31が設けられている。長孔31は傾斜に対
して垂直方向に延び、上面板26の略全長に渡る長さを
持つ。また上面板26の上流に相当する部位にも、傾斜
に対して垂直方向に水抜き孔32が並んでいる。このよ
うに本実施形態で採用する上面板26では、傾斜させた
ときに下流側に位置する部位に傾斜に対して垂直方向に
延びる長孔31を持ち、上流側にも傾斜に対して垂直方
向に水抜き孔32の孔列が設けられている。
【0051】そして前記した上下の長孔31及び孔列に
よって囲まれた範囲には、傾斜に沿って二種類の孔列が
設けられており、これらがリブ29を挟んで交互に配置
されている。すなわち、最も外側に設けられたリブ29
のさらに外側の位置には、ノズルとして機能する小孔3
0が5個設けられている。またリブ29を挟んで隣接す
る列には、水抜き孔33が5個設けられている。
【0052】前記したノズルとして機能する小孔30
は、面状に分布しているが、傾斜部材3を図2に示すよ
うに傾斜させた時、ノズルとして機能する小孔30の位
置は、前記した製氷部2の凹状製氷室15に相当する。
より具体的には、傾斜部材3を図2に示すように傾斜さ
せた時、ノズルとして機能する小孔30の真上の位置に
各凹状製氷室15の中心がある。
【0053】流路形成部材27は、実際上は、上面板2
6又は底板28のいずれかに接着されるか、一体的に成
形される。流路形成部材27は、二種類の枠状部材3
4,35によって構成される。すなわち枠状部材34は
平面視が長方形であり、前記した上面板26の上下の長
孔31及び孔列を除く範囲を覆う面積を持つ。枠状部材
34の高さは、10mm以下程度であり、いずれの部位
も一定である。
【0054】もう一種類の枠状部材35は、平面視が長
方形であるが前記した枠状部材34よりもはるかに小さ
い。すなわち枠状部材35の長手方向の外側寸法は、前
記した枠状部材34の短手方向の内側寸法よりも小さ
い。また枠状部材35の短手方向の寸法(幅)は、上面
板26のリブ29の二本の幅程度である。
【0055】底板28は、上面板26と同様にアクリル
樹脂等の透明な樹脂で作られたものであり、その面積
は、前記した大きい方の枠状部材34と等しい。また底
板28には、前記した上面板26の水抜き孔33に相当
する位置に孔36が設けられている。またさらに上流側
(傾斜した時に基準)の中央には水導入孔37が設けら
れている。
【0056】水切り用底板47は、金属で作られたもの
であり、その面積は、前記した大きい方の枠状部材34
及び底板28と等しい。また水切り用底板47にも前記
した上面板26の水抜き孔33及び底板28の孔36に
相当する位置に孔49が設けられている。また水切り用
底板47の下面には、水切り部材48が設けられてい
る。水切り部材48は、水切り用底板47の一方の長辺
寄りの位置に長辺と平行に設けられた壁であり、水切り
用底板47の他の部分から垂下されている。水切り用底
板47は水切り用底板47の全長に渡って延びている。
【0057】傾斜部材3は、前記した上面板26、流路
形成部材27、底板28及び水切り用底板47の四者が
図示しないパッキンを介して重ねられ、ネジ25によっ
て一体的に結合されたものである。なお本実施形態で
は、上面板26、流路形成部材27及び底板28等、ネ
ジ25によって一体的に結合されているので、ネジ25
を緩めることによってこれらは容易に分解可能である。
【0058】次に上面板26、流路形成部材27、底板
28及び水切り用底板47の四者の位置関係について説
明する。ここで前記した様に底板28及び水切り用底板
47は、同一の大きさであり、且つ同一の位置に孔3
6,39が設けられているので、後記する流路形成に関
しては、両者は一体と考えてもよい。そこで上面板2
6、流路形成部材27及び底板28の三者の位置関係に
ついて説明する。上面板26、流路形成部材27及び底
板28の三者の位置関係は、図11の通りであり、上面
板26の上下の長孔31及び孔列を除く範囲の下面側に
大きい方の枠状部材34が取り付けられ、当該枠状部材
34の下面に底板28が取り付けられる。そして小さい
方の枠状部材35は、上面板26と底板28の間に挟ま
れた位置に配される。より具体的には、枠状部材35
は、上面板26のリブ29を挟んで設けられた水抜き孔
33の分布エリアを囲む位置に設けられている。ここで
前記した様に、底板28には、上面板26の水抜き孔3
3に相当する位置に孔36が設けられている(水切り用
底板47にも同一の位置に孔49がある)から、上面板
26の水抜き孔33は、底板28に設けられた孔36
と、枠状部材35の内側、上面板26及び底板28によ
って構成される閉空間を介して連通する。
【0059】一方、上面板26と枠状部材35と大きな
枠状部材34の内側及び小さな枠状部材35の外側によ
って複雑な形状の閉空間が形成される。そして当該閉空
間によって底板28の水導入孔37と、上面板26に設
けられたノズルとして機能する小孔30が連通する。
【0060】すなわち傾斜部材3は、内部には流路形成
部材27によって二種類の流路が形成される。その一つ
は、小さい方の枠状部材35によって形成される垂直方
向の流路であり、上面板26の水抜き孔33と底板28
の孔36(及び水切り用底板47の孔49)とを連通す
る。もう一つの流路は、大きい方の枠状部材34と、小
さい方の枠状部材35によって形成される横方向の流路
であり、水導入孔37と、ノズルとして機能する小孔3
0を連通する。
【0061】また傾斜部材3を全体的に観察すると、そ
の表面側に傾斜に沿ってリブ29があり、下面側の下流
側端部近傍には、リブ29と垂直方向に水切り部材48
たる小壁が設けられている。
【0062】フラップ5は、図1,2の様に複数の短冊
状であり、後記する様に上端が軸止めされている。フラ
ップ5の下端側(自由端側)は、やや内側に曲げられた
曲部43が設けられている。またフラップ5の下端側で
あって内側の部位には、リブ45形状の突起が設けられ
ている。リブ45は、水平に延びている。本実施形態で
は、フラップ5についても透明樹脂で成形されている。
【0063】水タンク部材6は透明な樹脂で作られ、図
1、図2の様に複雑な形状をした箱体であり、大きく受
け皿部50と水溜め部52に分かれている。またさらに
水溜め部52はポンプ挿入部53と、水位センサー挿入
部55とに分かれている。
【0064】すなわち水タンク部材6の受け皿部50
は、傾斜部材3を傾斜姿勢に支持する様に傾斜側面56
(図1)を持つ。また水タンク部材6の受け皿部50の
底面57は、前記した傾斜部材3の傾斜方向に対して垂
直方向に傾斜している。そして他の側面は、前記した傾
斜側面56と傾斜底面57をつないで空間を形成するも
のである。
【0065】一方、水溜め部52は、前記した受け皿部
50の側面部であって、傾斜底面57の下流側の位置に
ある。水溜め部52は、略円筒形に立設され、上面が開
口したポンプ挿入部53と、これよりもやや小さい水位
センサー挿入部55によって構成されている。なおポン
プ挿入部53に挿入されるポンプ7は、上部にモータを
備え、下部にフィンを持つものであり、全体形状が円筒
形である。すなわち本実施形態では、装置全体の形状を
少しでも小さくするために、ポンプ挿入部53の断面形
状をポンプ自体の断面形状に近似したものとしている。
ポンプ7の吐出口は、ホースによって水導入孔37に接
続される。
【0066】また水位センサー挿入部55には水位セン
サー8が設けられている。水位センサー8は、本実施形
態ではフロート形のものを採用したが、静電形等、他の
公知のセンサーを使用することもできる。
【0067】次に本実施形態の製氷装置1の各部材同士
の関係について説明する。本実施形態の製氷装置1で
は、最も上部に製氷部2があり、最も下部に水タンク部
材6が設けられている。そして製氷部2と水タンク部材
6の間は中間ケース60によって接続されている。中間
ケース60は透明な樹脂で作られている。本実施形態の
製氷装置1では、製氷部2と水タンク部材6の中間部分
に傾斜部材3が配されている。傾斜部材3は、図2に示
すように、15〜30°程度の傾斜姿勢で固定されてい
る。
【0068】また中間ケース60の前面側、すなわち傾
斜部材3の下流側は大きく開口しており、当該開口部分
にフラップ5が取り付けられている。フラップ5は、図
8,9,10に示すように上端部分が中間ケース60に
軸61によって取り付けられ、軸61を中心として揺動
する。またフラップ5の軸受け部62は、フラップ5の
内側に偏心した部位にあり、軸61の中心は、フラップ
5全体の中心軸と一致しない。従ってフラップ5は、も
し他端側に当接するものが無いならば、やや傾斜した姿
勢で安定する。すなわち他端側に当接するものが無いな
らば、自由端側は、軸61の真下よりも内側(傾斜部材
3側)に寄った状態で安定する。
【0069】これに対して本実施形態では、フラップ5
はリブ45が傾斜部材3の先端のアール46部分と接触
して停止するが、その接触位置は軸61の略真下の位置
に設定されている。従ってフラップ5は重力によって常
時傾斜部材3に押圧された状態で停止する。
【0070】次に製氷装置1の配管について、図12を
参照しつつ説明する。製氷装置1は、カップ式自動販売
機(図示せず)に搭載され、リザーバタンク70から水
が供給される。ここでリザーバタンク70とは、カップ
式自動販売機の中にあって、販売するコーヒや紅茶等の
水を溜め置くタンクであり、製氷装置1の水タンク部材
6に比べて容量が大きい。本実施形態では、リザーバタ
ンク70は物理的に製氷装置1よりも低い位置にある。
そしてリザーバタンク70からポンプ71に配管接続さ
れ、さらにポンプ71の吐出側の配管は、水タンク部材
6の上部に開いている。
【0071】一方、水タンク部材6の最も低い位置には
排水口72が設けられており、当該排水口からリザーバ
タンク70に戻る戻り配管74が設けられている。そし
て当該戻り配管74の中途には電磁弁73が設けられて
いる。
【0072】次に本実施形態の製氷装置1の作用を製氷
工程を追って説明する。製氷に際しては、エバポレータ
12の銅管に冷媒ガスを流し、凹状製氷室15を冷却す
る。そしてリザーバタンク70に接続されたポンプ71
を起動し、リザーバタンク70の水を製氷装置1の水タ
ンク部材6の中に注水する。なおこの時、戻り配管74
の電磁弁73は閉じられている。そして水位センサー8
が一定の水位を検知すると、ポンプ71が停止し、注水
が終わる。なお水位センサー8が検知する「一定の水
位」とは具体的には一回の製氷に要する水量を水タンク
部材6に溜めた場合の水位である。
【0073】注水が終わると、水タンク部材6内のポン
プ7を起動し、水導入孔37から傾斜部材3内に水を供
給する。前記した様に傾斜部材3の中には流路形成部材
27によって二種類の流路が形成されており、傾斜部材
3に供給された水は、大きい方の枠状部材34と、小さ
い方の枠状部材35によって形成される横方向の流路を
流れる。なお図11の矢印は、傾斜部材3内における水
の流れを示している。
【0074】そして前記した横方向の流路には、ノズル
として機能する小孔30が設けられているので、水は、
図8の様に上部に吹き上がる。ここで前記した様にノズ
ルとして機能する小孔30は面状に分布し、製氷部2の
凹状製氷室15に相当する位置にある。すなわちノズル
として機能する小孔30の真上の位置に各凹状製氷室1
5の中心がある。そのため小孔30から噴出する噴水
は、凹状の凹状製氷室15に入る。そして前記した様に
凹状製氷室15は冷却されているから、凹状製氷室15
の内壁に付着した水は、瞬時に凍結し、凹状製氷室15
の内壁に付着する。そして時間の経過と共に氷が成長し
てゆく。
【0075】また凍結しなかった水は落下し、傾斜部材
3を流れ、図9に示すようにいずれかの水抜き孔31,
32,33或いは傾斜部材3の先端部分から水タンク部
材6に回収される。具題的に説明すると、傾斜部材3の
最も坂上部分に設けられた孔32は、図9に示す様にそ
の下部(裏面側)に裏板28が無い。そのため凍結せず
に落下した水のいくらかは、傾斜部材3の坂上部分に設
けられた水抜き孔32に入り、裏面側に抜けて水タンク
部材6に回収される。また坂の中間部分に設けられた水
抜き孔33は、図9の様に裏面側に裏板28があるが、
当該裏板28には孔36が設けられている。そして小さ
い方の枠状部材35によって形成される垂直方向の流路
によって水抜き孔33と底板28の孔36が連通するの
で、傾斜部材3の中間部分を流れる水の多くが水抜き孔
33に入り、垂直方向の流路を抜けて水タンク部材6に
回収される。さらに坂下部に設けられた水抜き孔31は
その下部(裏面側)に裏板28が無いので、裏面側に抜
けて水タンク部材6に回収される。
【0076】そしてどの水抜き孔31,32,33にも
回収されなかった水は、傾斜部材3の端部に至り、端部
から下に流れ落ちて水タンク部材6に回収される。ただ
し本実施形態の製氷装置1では、前記した様に傾斜部材
3に多くの水抜き孔31,32,33が設けられてお
り、大部分の水は傾斜部材3の端部に流れ着く前にこれ
らの水抜き孔31,32,33に回収される。そのため
本実施形態の製氷装置1では、傾斜部材3の端部から流
れ落ちる水は僅かである。従って本実施形態の製氷装置
1では、傾斜部材3から水が外部に飛散することが少な
い。加えて本実施形態では、傾斜部材3の前面側がフラ
ップ5によって閉鎖されており、且つ傾斜部材3の端部
にはアール46があり、さらにフラップ5の自由端側
は、アール46に沿うように曲がっている。そのため傾
斜部材3の端部に流れ着いた水は、傾斜部材3の端部の
アール46及びフラップ5の曲部43に沿って流れ、確
実に水タンク部材6に回収される。
【0077】また傾斜部材3の水抜き孔31,32,3
3から下部に落ちる水の幾らかは、傾斜部材3の底に付
着し、雫となって傾斜部材3の底面を流れる。具体的に
は水切り用底板47の下面を流れる。しかしながら本実
施形態で採用する傾斜部材3では、最も底に設けられた
水切り用底板47に水切り部材48が設けられているか
ら、傾斜部材3の下面を流れる水は水切り部材48に遮
られ、さらに水切り部材48に沿って滴下する。そのた
め本実施形態では、傾斜部材3の下面を流れる水が水タ
ンク部材6以外の部分に漏れることがない。
【0078】そして水タンク部材6内に入った水は、傾
斜底面57を流れ、水溜め部52に至り、再度ポンプ7
で加圧されて循環する。こうして水を循環して凹状製氷
室15の内壁に向かって水を吹きつけ続けると、氷が次
第に成長し、遂には凹状製氷室15の内部の略全域に氷
ができる。氷ができたことを直接的、あるいは間接的に
検知すると、離氷工程に移る。ここで本実施形態では、
氷の成長具合を温度センサー及び水位センサー8の検知
水位を併用して検出している。すなわち凹状製氷室15
又はこの近傍に温度センサー(図示せず)を設け、当該
温度センサーによって凹状製氷室15の温度を監視す
る。そして当該温度センサーの検知温度が一定温度以下
となると、凹状製氷室15の氷が成長したと判断する。
【0079】また水位センサー8の検知水位が一定水位
以下となると、凹状製氷室15の氷が成長したと判断す
る。すなわち本実施形態の製氷装置1では、予め一定の
水位まで水タンク部材6に水を溜め、この水をポンプ7
で加圧して凹状製氷室15に噴射し、噴射した水を凹状
製氷室15の内壁で凍結させる。凍結しなかった水は落
下し、傾斜部材3を流れて水タンク部材6に回収され
る。そのため水は、水タンク部材6と凹状製氷室15の
間を循環する。しかしながら、凹状製氷室15内で凍結
した水は、凹状製氷室15に付着して残るから、氷の成
長に逆比例して水タンク部材6の水位は低下する。そこ
で本実施形態では、水位センサー8の検知水位が一定水
位以下となると、凹状製氷室15の氷が成長したと判断
する。そして温度センサーが低温を示し、水位センサー
が低水位を検知した条件が揃うと、離氷工程に移る。な
お本実施形態では温度センサーと水位センサーを併用し
て氷の成長を検知することとしたが、温度センサーだ
け、或いは水位センサーだけによって氷の成長を検知
し、離氷工程に移行してもよい。
【0080】離氷工程では、図示しない冷凍装置のバル
ブを切替え、凹状部材10の裏面側に取り付けられたエ
バポレータ12の銅管に高温の熱媒ガスを流す。その結
果、凹状製氷室15の内面側の氷が僅かに溶け、氷は凹
状製氷室15を離れる。なお本実施形態の製氷装置1で
は、凹状製氷室15の奥に空気抜き用の孔11が設けら
れているので、離氷に際して凹状製氷室15内が負圧に
なることが無い。また本実施形態では、凹状製氷室10
が金属板16によって位置決めされており、行又は列の
ずれや高低差が少ないので凹状部材10側とベース部材
9側の間に介在されたパッキン22にずれや浮きが生じ
ない。そのため凹状部材10側とベース部材9側の間に
水が入り込まず、凹状製氷室15とベース部材9の間と
氷によるブリッジが無い。そのためエバポレータ12の
銅管に高温の熱媒ガスを流すことにより、氷は円滑に凹
状製氷室10を離れる。
【0081】加えて、本実施形態の製氷装置1では、ベ
ース部材9の樹脂板20の下面側に図7の様な溝24が
設けられており、樹脂板20の孔21同士が溝24によ
って連結されている。そのため溝24の部分でも結氷
し、製氷部2の表面部(下面)において隣接する氷同士
が溝24部分の氷によって互いに連結されている。その
ため一つの凹状製氷室15の氷が落下するとこれに連れ
て隣接する氷も落下する。本実施形態では、このように
複数の氷がまとまって落下するので、凹状製氷室15内
に氷が残留することが少ない。
【0082】傾斜部材3上に落下した氷は、傾斜部材3
の傾斜によって滑り落ちるが、本実施形態では、この際
の氷の滑りも良好である。すなわち本実施形態の製氷装
置1では、傾斜部材3の表面に沿って延びるリブ29が
設けられている。そのため本実施形態では、氷と傾斜部
材3の表面との接触面積が少なく、表面張力の影響を受
けにくい。したがって氷が傾斜部材3の表面に張り付く
といった事態が生じず、氷は円滑に下流方向に滑り落ち
る。
【0083】そして氷は、図10の様にフラップ5を押
し開く。なおフラップ5は短冊状であるから氷が通過す
る部位のフラップ5だけが開かれる。そのため水の飛散
は極力防がれる。フラップ5と傾斜部材3との接点はリ
ブ45であり、線状であるから、例えフラップ5と傾斜
部材3との接点が結氷しても両者の接触面積は僅かであ
り、氷の重量によってフラップ5は確実に開く。そして
氷は外部に排出される。氷は図示しない貯蔵部に収納さ
れ、適宜カップ内に投入されて飲用に供される。なお傾
斜部材3と下部の水タンク部材6との間には隙間がある
が、氷はこの隙間よりも十分に大きいので氷が水タンク
部材6側に落ち込むことはない。
【0084】こうして一連の製氷及び離氷工程が終了す
ると、戻り配管74の電磁弁73を開き、水タンク部材
6内に残留する水をリザーバタンク70に戻し、リザー
バタンク70内の水と混合する。この様に水タンク部材
6内に残留する水をリザーバタンク70に戻すのは、氷
の白濁を防ぐためである。すなわち残留水は、噴水され
たものであり、空気を多く含む。また塩素分やミネラル
等の不純物濃度が凝縮されて高まり、この水を再度製氷
に使用すると、氷が白濁するためである。そこで本実施
形態では、再度の製氷工程では、全てリザーバタンク7
0の水を使用することとしたものである。水タンク部材
6内に残留する水はリザーバタンク70に戻され、リザ
ーバタンク70内の水と混合して希釈される。水タンク
部材6内に残留する水は、製氷には適さないが何ら害が
あるわけではないから、リザーバタンク70に戻され、
コーヒ等の飲料水として使用される。
【0085】そして再度エバポレータ12の銅管に冷媒
ガスを流して凹状製氷室15を冷却し、リザーバタンク
70の水を製氷装置1の水タンク部材6の中に注水し、
さらにノズルとして機能する小孔30から噴水させて製
氷を再開する。以下順次これらの工程を繰り返す。
【0086】また長期に渡って使用するとノズルとして
機能する小孔30が詰まり、噴水のパターンが変形して
しまうことがあるから、小孔30は定期的に清掃するこ
とが必要である。この点に関し、本実施形態の製氷装置
では、傾斜部材3は、上面板26側と底板28側がネジ
25によって結合されたものであるから、ネジ25を外
すことによって上面板26を取り外すことができる。そ
のためノズルとして機能する小孔30の清掃や、流路の
清掃を容易に行うことができる。また本実施形態では、
上面板26と底板28の他、水タンク部材6や中間ケー
ス60及びフラップ5が透明な樹脂によって作られてい
るので、内部の汚れ具合が外部から目視することがで
き、清掃の時期を見極めることができる。
【0087】次に本発明の変形例について説明する。図
13は、本発明の他の実施形態の製氷装置で採用する傾
斜部材の分解斜視図である。前述した実施形態では、傾
斜部材3の清掃を容易にするためにネジ25によって上
面板26側と底板28側を結合した構成を開示した。し
かしながらこの構成は、清掃の際にネジ25を緩めた
り、また組み立ての際にネジ25を締めるという作業が
必要である。図13に示す傾斜部材82は、この面倒な
作業を無くすものであり、底板83側の端部にガイド部
85を設け、上面板86をガイド部85に挿入する構成
を採用している。本実施形態で採用する傾斜部材82で
は、あたかも引き出しを抜き出す様に上面板86をスラ
イドさせることにより、上面板86を底板83から分離
することができる。
【0088】また上記した実施形態では、傾斜部材3
は、上面板26、流路形成部材27、底板28及び水切
り用底板47からなる四層構成であり、最も下部の層に
水切り用底板47が設けられている。しかしながら水切
り用底板47の機能は、主として水切り部材48を傾斜
部材3の下面に形成させることにあるので、底板28に
直接水切り部材48を設ける構成を採用して水切り用底
板47を省略することもできる。
【0089】また前述した実施形態では、リザーバタン
ク70から水タンク部材6に直接給水したが、本発明は
この構成に限定されるものではなく、製氷部2や傾斜部
材3に水を供給してもよい。図14は、本発明の他の実
施形態の製氷装置で採用する製氷部の概念図であり、リ
ザーバタンク70から製氷部に水を供給する例を示す。
また図12の二点鎖線で図示した流路80は、リザーバ
タンク70から製氷部に水を供給する場合の配管経路を
示したものである。
【0090】製氷部2に供給された水は、製氷部2に設
けられた開口76から下の傾斜部材(図示せず)に落下
し、最終的に水タンク部材6に溜まる。
【0091】この様にリザーバタンク70の水を製氷部
2に供給すると、氷の離氷を早めることができる効果が
ある。すなわち本実施形態の製氷装置1についても、製
氷が完了するとバルブを切替え、凹状部材10の裏面側
に取り付けられたエバポレータ12の銅管に高温の熱媒
ガスを流すが、これと平行してリザーバタンク70の水
を製氷部2に供給する。その結果、凹状製氷室15の昇
温が早められ、早期に離氷を完了することができる。
【0092】図15は、リザーバタンクから製氷部に水
を供給する場合のフローチャート図である。すなわち氷
の成長が確認されて製氷工程に移行すると、ステップ1
で製氷保護タイマーの計時が開始される。製氷保護タイ
マーは、離氷工程の開始から離氷確認に至るまでの時間
を計時するものである。そして続いてステップ2に移行
し、排水用の電磁弁73を一定時間だけ開き、水タンク
部材6を一旦、空の状態にする。
【0093】続いてステップ3に移行し、排水用の電磁
弁73を閉じ、給水ポンプ71を起動する。さらに給水
保護タイマーの計時が開始される。給水保護タイマー
は、給水ポンプ71を起動した後の時間を図るものであ
る。
【0094】ステップ3により、排水用の電磁弁73が
閉じられ、給水ポンプ71が起動されるので、リザーバ
タンク70の水が製氷部2に供給される。その結果、凹
状部材10の裏面側に常温の水が供給され、凹状製氷室
15の昇温する。
【0095】そしてステップ4に移行し、水位センサー
8を確認し、水タンク部材6が満水か否かを確認する。
もし満水でないならばステップ7に移行し、ステップ3
で計時を開始した給水保護タイマーの時間を確認する。
ここで例えば60秒を過ぎているといった様に、長時間
が経過しているならば、何らかの異常であると考えられ
るから、ステップ8に移行し、装置を停止してエラー表
示を出す。逆に60秒経過前であるならば、ステップ4
に移行して満水となるのを待つ。
【0096】そしてステップ4で水位センサー8を確認
し、水タンク部材6が満水であれば、ステップ5に移行
し、給水ポンプ71を停止し、給水保護タイマーをリセ
ットする。さらに製氷部の温度を検知し、これが所定の
離氷温度以上であるか否かを確認する。製氷部の温度を
検知し、これが所定の離氷温度以上であるならば、氷
は、すでに凹状製氷室15を離れているはずであるか
ら、離氷工程を終了する。逆に、製氷部の温度が、離氷
温度未満である場合は、ステップ9に移行し、ステップ
3で計時を開始して給水保護タイマーの時間を確認す
る。この時間が一定の時間未満であれば、ステップ2に
戻って、再度、リザーバタンク70の水を製氷部2に供
給し、離氷を促す。逆にステップ9で給水保護タイマー
の計時時間が一定値以上であるならば、何らかの異常で
あるから装置を停止してエラー表示を出す。
【0097】また上記した様なリザーバタンク70から
製氷部2に水を供給する構成を採用する場合には、水を
製氷部2に一時的に留め置くことも推奨される。例え
ば、製氷部2に設けられた開口76を小さいものとし、
水の供給量よりも排水量の方が少なくなるように設計す
る。その結果、製氷部2に一時的に水が滞留する。また
この構成を採用する場合には、製氷部2への給水を数回
に分けて行なうことが推奨される。すなわち一回、給水
して製氷部2に水が溜まったところで給水を停止する。
そして製氷部2内に水が無くなると、再度給水を行な
う。
【0098】さらにリザーバタンク70に戻る戻り配管
74に設けられた電磁弁73を開く等により、リザーバ
タンク70と製氷装置1の製氷部2との間で水を循環さ
せ、離氷が完了するまで製氷部2に水を流し続ける構成
も可能である。実際上は、図14の様に製氷部2の凹状
部材10の裏面側に温度センサー78を設け、凹状製氷
室15の温度を監視し、凹状製氷室15の温度がある一
定の温度を越えて上昇するまで製氷部2への水の供給を
続ける。あるいは凹状製氷室15の温度がある一定の温
度を越えて上昇するまで製氷部2に水を滞留させる。
【0099】また前記した実施形態では、一回の製氷に
要する水量を水タンク部材6に溜め、この水を小孔30
から噴射させた。この構成によると、氷の成長に伴って
水タンク部材6の水量が減少する。しかし何らかの原因
による水漏れによる水位低下を、氷の成長に伴う水タン
ク部材6の水量減少であると誤判断しないための制御も
必要である。図16は、水タンク部材6の水位を、製氷
部の温度がある設定温度(例えば0°C)になるまで一
定にしておく場合のフローチャート図である。すなわち
ステップ1で、給水ポンプ71を起動し、さらに給水保
護タイマーの計時を開始する。その結果、水タンク部材
6に水が供給される。
【0100】そしてステップ2に移行し、水位センサー
8を確認し、水タンク部材6が満水か否かを確認する。
もし満水でないならばステップ6に移行し、ステップ1
で計時を開始した給水保護タイマーの時間を確認する。
ここで例えば60秒を過ぎているといった様に、長時間
が経過しているならば、何らかの異常であると考えられ
るから、ステップ7に移行し、装置を停止してエラー表
示を出す。逆に60秒経過前であるならば、ステップ2
に移行して満水となるのを待つ。
【0101】そしてステップ4で水位センサー8を確認
し、水タンク部材6が満水であればステップ3に移行
し、給水ポンプ71を停止し、給水保護タイマーをリセ
ットする。
【0102】続いてステップ4に移行し、噴射ポンプ
(水タンク部材6内のポンプ7)を起動し、ノズルとし
て機能する小孔30から水を噴射させる。そしてステッ
プ5で製氷部2の温度を監視し、0°C以下となってい
るか否かをみる。ここで0°C以下となっているか否か
を監視するのは、凹状製氷室15に着氷が始まったか否
かを知るためである。すなわち製氷部2の温度が0°C
以下となった場合は、製氷部2に氷が付き始めたことを
意味する。したがって製氷部2の温度が0°C以下にな
ると、噴射された水が製氷部2に氷として残り、水タン
ク部材6に戻る水が減少して行くはずである。しかしそ
の一方、製氷部2の温度が0°Cを越えている場合は、
本来、全ての水が水タンク部材6に帰るはずであるか
ら、水タンク部材6の水位は変化しないはずである。
【0103】このような事情から、ステップ5で製氷部
2の温度を監視し、0°C以下となっているか否かを監
視し、さらに製氷部2の温度が0°Cを越えている場合
はステップ8に移行し、水位センサー8を確認し、水タ
ンク部材6が満水か否かを確認する。もし満水であるな
らばステップ5に戻って製氷部の温度を監視し、ステッ
プ5、ステップ8を繰り返して温度と水位を監視する。
【0104】一方、ステップ8で満水で無いことが分か
れば、製氷部2の温度が0°以下となっていない段階で
水タンク部材6が満水でなく、氷詰まり等の原因による
水漏れであると判断し、ステップ9に移行し、前記した
ステップ1と同様に給水ポンプ71を起動し、さらに給
水保護タイマーの計時を開始する。すなわちステップ1
と同様に再度給水を開始する。そしてステップ10,1
2を繰り返して水位と給水時間を監視し、水タンク部材
6が満水になればステップ13に移行し、給水ポンプ7
1を停止し、給水保護タイマーをリセットしてステップ
5に移行し、製氷部の温度を確認して着氷が開始された
か否かをみる(製氷部の温度を確認して0°C以下であ
るか否かをみる)。製氷部の温度が0°C以下となり、
着氷が開始されるとステップ14に移行し、製氷部の温
度が離氷温度に達しているか否かを調べる。製氷部の温
度が低下し、離氷温度に達すれば、製氷工程を終え次工
程の離氷作業に移行する。
【0105】なおステップ5では、製氷部の温度が0°
C以下であるか否かによって着氷の開始を監視したが、
センサー等の取付け位置によっては1°C等の0°C以
上の温度を基準とすることが適当である場合もあり、逆
に−1°C等といった0°C未満の温度を基準とするこ
とが適当である場合もある。
【0106】また製氷部2に水を供給する代わり、湯を
供給する構成も推奨される。例えばカップ式自動販売機
に内蔵される湯沸かし装置や湯溜タンクから湯を引き、
製氷部2に供給する。製氷部2に湯を供給する構成を採
用する場合は、必ずしもエバポレータ12の銅管に高温
の熱媒ガスを流す必要はない。さらに外気温度が低い場
合に限って製氷部2に湯を供給する構成としてもよい。
また外気温度の変化に応じて供給する水や湯の停止時期
を変更することも有効である。
【0107】また上記した実施形態では、凹状部材10
は、ただ一つの凹状製氷室15を有するものであった
が、2以上の凹状製氷室が連結した凹状部材を採用して
もよい。
【0108】また上記した実施形態では、パッキン22
は、樹脂又はゴムのシートを打ち抜いて作られたものを
例示したが、両面に接着剤層が設けられたシートやテー
プをパッキンとして使用することもできる。
【0109】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1,12に記
載の製氷装置では、製氷部を構成する凹形部材が、板部
材の開口に挿入されて位置決めされている。そのため本
発明の製氷装置では、凹状製氷室の高さ方向や横方向の
位置ずれが少なく、製氷部と他の部位との水密性の確保
が容易である。
【0110】また請求項2に記載の製氷装置では、製氷
部とベース部材の水密が高く、離氷が円滑である。
【0111】さらに請求項3に記載の製氷装置では、ベ
ース部材は製氷部の凹状製氷室に相当する位置に複数の
開口を有し、さらにパッキンにも製氷部の凹状製氷室に
相当する位置に複数の開口が設けられているので、製氷
部の凹状製氷室の開口周辺におけるベース部材と製氷部
の水密性が高く、離氷が円滑である。
【0112】さらに請求項4に記載の製氷装置では、ベ
ース部材には凹状製氷部の凹部同士を連絡する溝が設け
られているので、溝の部分でも結氷し、氷同士が溝部分
の氷によって互いに連結されるので複数の氷がまとまっ
て落下する。そのため本発明の製氷装置は、凹状製氷室
内に氷が残留することが少ない。
【0113】また請求項5に記載の発明は、板状のろう
材によって、開口が分布された板部材と凹形部材をろう
付けしているので、接合作業が簡単であり、作りやす
い。
【0114】また請求項6に記載の製氷装置では、凹状
製氷室の背面側に水又は湯を供給するので凹状製氷室の
内面において、早期に氷が溶融し、氷は速やかに凹状製
氷室を離れる。
【0115】また請求項7に記載の製氷装置では、状製
氷室内において水が生成された後、高温の熱媒によって
凹状製氷室を加熱して凹状製氷室から氷を離脱させ、さ
らにその際に凹状製氷室の背面側に水又は湯を供給する
ので、凹状製氷室の内面において、早期に氷が溶融し、
氷は速やかに凹状製氷室を離れる。
【0116】また請求項8に記載の製氷装置では、水又
は湯の供給は、複数回に分けて行われるので、離氷の状
態や製氷室の温度変化等を観察しながら水や湯の供給を
おこなうことができる。
【0117】さらに請求項9に記載の製氷装置では、製
氷部の凹状製氷室の背面側に水又は湯を溜めることがで
きるので、より速やかに凹状製氷室の内面の氷を溶融す
ることができる。
【0118】さらに請求項10に記載の製氷装置では、
製氷部が一定の温度になるまで水又は湯の供給を行うの
で、無駄な水等の供給を行うことがなく、早期に次の工
程に移ることができる。
【0119】また請求項11に記載の製氷装置において
も、製氷部の温度を検知する温度検知手段を有し、製氷
部が一定の温度になるまで製氷部の背面側に水又は湯を
残留させる。そのため無駄に残留時間を消費することな
く、早期に次の工程に移ることができる。
【0120】また請求項13に記載の自動販売機は、硬
くて食感が良く、また見栄えも良い氷を供給することが
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の製氷装置の斜視図
【図2】図1の製氷装置の内部を示す断面斜視図
【図3】図1の製氷装置で採用する製氷部の平面図及び
側面図
【図4】図3(a)のA−A断面図
【図5】図1の製氷装置で採用する製氷部の分解斜視図
【図6】図1の製氷装置で採用する製氷部の要部の斜視
【図7】製氷部のベース部材を下面側から見た斜視図
【図8】図1の製氷装置の特定の面での断面図
【図9】図1の製氷装置の図8とは異なる面での断面図
【図10】離氷時における製氷装置の特定の面での断面
【図11】図1の製氷装置で採用する傾斜部材の分解斜
視図
【図12】本発明の実施形態の製氷装置の水の流れを示
す説明図
【図13】本発明の他の実施形態の製氷装置で採用する
傾斜部材の分解斜視図
【図14】本発明の他の実施形態の製氷装置で採用する
製氷部の概念図
【図15】リザーバタンクから製氷部に水を供給する場
合のフローチャート図
【図16】水タンク部材の水位を、製氷部の温度がある
設定温度になるまで一定にしておく場合のフローチャー
ト図
【図17】従来技術の製氷装置で採用する製氷部の斜視
【符号の説明】
1 製氷装置 2 製氷部 3 傾斜部材 5 フラップ 6 水タンク部材 7 ポンプ 8 水位センサー 9 ベース部材 10 凹状部材 12 エバポレータ 15 凹状製氷室(凹部) 16 金属板 17 角孔 20 樹脂板 22 パッキン 24 溝 25 ネジ 26 上面板 27 流路形成部材 28 底板 29 リブ 30 小孔(ノズル) 45 リブ(突起) 76 温度センサー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却可能であり複数の凹状製氷室を有す
    る製氷部と、凹状製氷室に水を供給する水供給手段から
    なり、水供給手段によって凹状製氷室に水を供給し凹状
    製氷室内において水を凍結させ、前記製氷部は1又は数
    個の凹状製氷室が形成された凹形部材を複数有し、さら
    に複数の開口が分布された板部材を有し、板部材の開口
    に凹形部材が挿入されてなることを特徴とする製氷装
    置。
  2. 【請求項2】 製氷部を支持するベース部材を有し、製
    氷部はベース部材にパッキンを介して取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の製氷装置。
  3. 【請求項3】 ベース部材は製氷部の凹状製氷室に相当
    する位置に複数の開口を有し、さらにパッキンにも製氷
    部の凹状製氷室に相当する位置に複数の開口が設けられ
    ていることを特徴とする請求項2に記載の製氷装置。
  4. 【請求項4】 ベース部材には凹状製氷部の凹部同士を
    連絡する溝が設けられていることを特徴とする請求項2
    又は3に記載の製氷装置。
  5. 【請求項5】 開口が分布された板部材と凹形部材は、
    板状のろう材によってろう付けされていることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載の製氷装置。
  6. 【請求項6】 冷却可能であり複数の凹状製氷室を有す
    る製氷部と、凹状製氷室に水を供給する水供給手段から
    なり、水供給手段によって凹状製氷室に水を供給し凹状
    製氷室内において水を凍結させ、その後、凹状製氷室の
    背面側に水又は湯を供給することを特徴とする製氷装
    置。
  7. 【請求項7】 低温の冷媒と高温の熱媒が通過する管が
    配されていて冷却及び加熱可能であり複数の凹状製氷室
    を有する製氷部と、凹状製氷室に水を供給する水供給手
    段からなり、低温の冷媒によって凹状製氷室を冷却する
    と共に水供給手段によって凹状製氷室に水を供給して凹
    状製氷室内において水を凍結させ、その後、高温の熱媒
    によって凹状製氷室を加熱して凹状製氷室から氷を離脱
    させ、さらにその際に凹状製氷室の背面側に水又は湯を
    供給することを特徴とする製氷装置。
  8. 【請求項8】 凹状製氷室の背面側への水又は湯の供給
    は、複数回に分けて行われることを特徴とする請求項6
    又は7に記載の製氷装置。
  9. 【請求項9】 製氷部の凹状製氷室の背面側は、水又は
    湯を溜めることが可能であり、凹状製氷室の背面側の水
    又は湯が抜け終わってから次回の水又は湯の供給が行わ
    れることを特徴とする請求項8に記載の製氷装置。
  10. 【請求項10】 製氷部の温度を検知する温度検知手段
    を有し、製氷部が一定の温度になるまで水又は湯の供給
    を行うことを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記
    載の製氷装置。
  11. 【請求項11】 製氷部の温度を検知する温度検知手段
    を有し、製氷部の背面側は水又は湯を溜めることが可能
    であり、製氷部が一定の温度になるまで製氷部の背面側
    に水又は湯を残留させることを特徴とする請求項6乃至
    10のいずれかに記載の製氷装置。
  12. 【請求項12】 製氷部は1又は数個の凹状製氷室が形
    成された凹形部材を複数有し、さらに複数の開口が分布
    された板部材を有し、板部材の開口に凹形部材が挿入さ
    れてなることを特徴とする請求項6乃至11のいずれか
    に記載の製氷装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載の
    製氷装置を搭載した自動販売機。
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