JP2003042217A - ショックアブソーバ組付け構造 - Google Patents

ショックアブソーバ組付け構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体側の板状部を上下に挟む各アッパブッシ
ュによりショックアブソーバのロッド上端部が車体側へ
組み付けられるとき、板状部の孔部に挿入された下側ア
ッパブッシュの環状突起と上記孔部との嵌合が確実とな
るようにする。 【解決手段】 車体側板状部1の上下にそれぞれアッパ
ブッシュ2、3が配置され、筒状カラー4が板状部1と
両アッパブッシュ2、3を挿通すると共に、ショックア
ブソーバのピストンロッド6の上端部がカラー4内を挿
通し、ピストンロッド6の上端部が両アッパブッシュ
2、3を介して板状部1に組み付けられているが、板状
部1の孔部5に挿入されて板状部1の上方へ突出する下
側アッパブッシュ3の環状突起10は、その上端内周縁
が内側へ張り出されていて、突起10の中央孔部12内
へ下方からカラー4が挿入されたとき、上端外周縁が外
側へ張り出している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショックアブソー
バにおけるロッドの上端部をアッパブッシュを介して車
体側に組み付けるための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ショックアブソーバにおけるロッドの上
端部をアッパブッシュを介して車体側に組み付ける従来
の構造は、特開平8−85318号公報に例示されてい
るように、ショックアブソーバのロッド上端部を車体側
のブラケットにおける挿通孔に下方から挿入し、このと
き、ロッドに挿通された環状の下側ブッシュにおける環
状凸部が上記挿通孔に挿入されるようにすると共に、ロ
ッドに挿通された環状の上側ブッシュにおける環状凹部
が上記凸部に嵌合され、上側ブッシュ及び下側ブッシュ
がそれぞれ上記ブラケットを挟んで上下の支持部材によ
り保持され、ブラケットに対しロッド上端部が組み付け
られている。
【0003】すなわち、このロッド上端部を車体側のブ
ラケットに組み付ける場合には、まず、ロッド上端部に
下側の支持部材と下側ブッシュとを装着した状態で、ロ
ッド上端部と下側ブッシュの凸部とをブラケットの挿通
孔に下側から挿入することとなるが、この際、挿入方向
である下側から上記挿入部分を目視することは不可能で
あるため、正しく挿入されているかどうかを挿入方向か
ら確認することができない。
【0004】また、ロッド上端部を車体側のブラケット
に組み付ける場合、挿通孔と下側ブッシュ凸部との間に
は格別な係止力がないため、ロッド上端部に上方から上
側ブッシュを装着したとき、挿通孔内へ下側ブッシュの
凸部を押し下げる可能性があり、かつ、上側ブッシュの
装着後に、上側ブッシュの凹部と下側ブッシュの凸部と
の嵌合状態を目視することはできないので、上記嵌合が
確実に行われないままナットのねじ込みによりロッド上
端部が車体側のブラケットへ組み付けられるおそれがあ
った。
【0005】従って、図5に示すように、挿通孔aに対
して下側ブッシュbの凸部cが正しく挿入されないま
ま、ショックアブソーバのロッド上端部dが車体側のブ
ラケットeに組み付けられたときには、ショックアブソ
ーバの振動に伴うロッド上端部dの振動によりロッド上
端部dの外周面が挿通孔aの内周面に衝突して騒音を発
生させ、また、下側ブッシュbのばね定数が設定値から
変化することによりサスペンション特性が悪化し、さら
には、挿通孔aの内周面と下側ブッシュ凸部cの外周面
との間に形成された隙間fを経て雨水等が侵入するとい
った問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、車体側の板
状部を上下に挟む各アッパブッシュによりショックアブ
ソーバのロッド上端部が車体側に組み付けられるとき、
板状部の孔部に挿入される下側アッパブッシュの環状突
起と上記孔部との嵌合が確実となるようにしようとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明にかか
るショックアブソーバ組付け構造は、孔部が形成された
車体側板状部と、上記板状部の上下にそれぞれ配置され
た上側アッパブッシュ及び下側アッパブッシュと、上記
孔部及び上記両アッパブッシュを上下に挿通する筒状カ
ラーと、上端部が上記カラー内を上下に挿通するショッ
クアブソーバのロッドと、上記ロッドに係止されて上記
板状部の下面との間に上記下側アッパブッシュを挟持す
る支持部材と、上記ロッドに係止されて上記板状部の上
面との間に上記上側アッパブッシュを挟持する組付け部
材とを有し、上記下側アッパブッシュの上部には上記孔
部と嵌合して上記板状部の上方へ突出する環状突起が形
成され、上記突起の中央孔部内を上記カラーが上下に挿
通することにより上記突起の上端外周縁が外側方へ張り
出すようにされている。
【0008】すなわち、車体側板状部の孔部と嵌合する
下側アッパブッシュ上部の環状突起は、その中央孔部内
をカラーが上下に挿通することにより上端外周縁が板状
部の上方で外側方へ張り出すようにされているので、環
状突起の中央孔部に対するカラーの挿通によって環状突
起が板状部の孔部から下方へ抜け出さないように設定す
ることができ、従って、環状突起が板状部の孔部と確実
に嵌合していることをカラー及び下側アッパブッシュの
挿入方向から容易に確認できるようになる。
【0009】以下、本発明の各実施形態例について、同
等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。図1及
び図2において、車体側板状部1の上下にそれぞれ上側
アッパブッシュ2と下側アッパブッシュ3とが配置さ
れ、筒状カラー4が上側アッパブッシュ2及び下側アッ
パブッシュ3と板状部1に形成された孔部5とを上下に
挿通していると共に、車両用サスペンションのショック
アブソーバにおけるピストンロッド6の上端部がカラー
4内を上下に挿通し、ピストンロッド6の上端にナット
7をねじ込むことにより、ピストンロッド6に係止され
た支持板8と板状部1の下面との間に下側アッパブッシ
ュ3が挟持され、かつ、ピストンロッド6に係止された
組付け板9と板状部1の上面との間に上側アッパブッシ
ュ2が挟持されている。
【0010】また、下側アッパブッシュ3の上部に形成
された環状突起10は、孔部5と嵌合して板状部1の上
方へ突出し、上側アッパブッシュ2の下面に形成された
凹部11と嵌合している一方、突起10の中央孔部12
内をカラー4が上下に挿通し、さらに、中央孔部12の
上端内周縁は内側へ張り出すように縮径されていて、ピ
ストンロッド6の上端部が上側アッパブッシュ2及び下
側アッパブッシュ3を介して車体側板状部1に組み付け
られている。
【0011】この場合、車体側板状部1に対するピスト
ンロッド6上端部の組付け手順は、まず、図3(A)に
示すように、下方から板状部1の孔部5内へ下側アッパ
ブッシュ3の突起10を挿入して、両者の嵌合を確認す
る。
【0012】次に、図3(B)に示すように、下方から
下側アッパブッシュ3及び環状突起10の中央孔部12
内へカラー4を挿入する。
【0013】図3(C)に示すように、下方から上方へ
カラー4を十分に挿入すると、カラー4が中央孔部12
の上端内周縁を外側へ押圧する結果、突起10の上端部
外周面が板状部1の上方で外側方へ張り出して、孔部5
から突起10が下方へ抜け出すことが阻止され、下側ア
ッパブッシュ3が板状部1へ仮固定される。
【0014】その状態で図3(D)に示すように、板状
部1の上方へ突出した突起10が上側アッパブッシュ2
下面の凹部11内へ嵌合するように上側アッパブッシュ
2を上方から組み付け、さらに、ピストンロッド6の上
端部を下方からカラー4内に挿入し、上側アッパブッシ
ュ2から上方へ突出したピストンロッド6上端部に組付
け板9を係合させると共に、適度な強さでナット7をね
じ込むことによって、図1のようにピストンロッド6の
上端部が板状部1に組み付けられることとなる。
【0015】すなわち、上記組付け方法によれば、下側
アッパブッシュ3単体を板状部1の下面から当てがっ
て、孔部5内へ突起10を挿入するため、孔部5及び突
起10の嵌合を比較的容易に確認することができる。
【0016】また、下側アッパブッシュ3及び突起中央
孔部12内へ下方からカラー4を十分に挿入することに
より、孔部5からの突起10の抜け止めが自動的に行わ
れて、下側アッパブッシュ3を簡単に板状部1へ仮固定
することができ、しかも、孔部5に対する突起10の嵌
合が正確に行われていない場合には、中央孔部12内へ
カラー4が十分に挿入されていても、下側アッパブッシ
ュ3を下方へ引くことにより孔部5から突起10が簡単
に引き出されて、上記嵌合の不適合を容易に判別するこ
とが可能となるので、孔部5に対する突起10の正しい
嵌合を一層容易に確認することができる。
【0017】従って、孔部5を挿通するピストンロッド
6の上端部と孔部5との間には、環状突起10が確実に
介在しているため、ショックアブソーバの振動に伴って
ピストンロッド6の上端部が振動しても、ピストンロッ
ド6上端部の外周面が孔部5の内周面へ衝突することは
完全に阻止され、騒音の発生を容易に防止することがで
きる。
【0018】また、ピストンロッド6の上端部は、板状
部1の上下にそれぞれ配置された上側アッパブッシュ2
及び下側アッパブッシュ3によって、設定されたばね定
数により常に確実に組み付けられることとなるので、サ
スペンション特性を良好に保持させることができる。
【0019】さらに、孔部5に嵌合した突起10の外周
面と孔部5の内周面との間に隙間が生じることは容易に
制止できるため、雨水等の侵入も確実に防止できる長所
がある。
【0020】なお、上記実施形態例では、突起10にお
ける中央孔部12の上端内周縁が内側へ張り出すように
縮径されているが、図4(A)、(B)にそれぞれ示さ
れているように、中央孔部12の上端部内周面に環状突
起20を形成し、あるいは、断続的な周方向突起21を
形成して、中央孔部12内へカラー4が下方から十分に
挿入されたときには、それぞれ突起10の上端部外周面
が板状部1の上方で外側方へ張り出すようにしても、上
記実施形態例と同等の作用効果を奏することができるも
のである。
【0021】
【発明の効果】本発明にかかるショックアブソーバ組付
け装置にあっては、車体側板状部の孔部と嵌合する下側
アッパブッシュの環状突起における中央孔部内をカラー
が上下に挿通することにより、環状突起が板状部の孔部
から下方へ抜け出さないように設定して、環状突起が板
状部の孔部と確実に嵌合していることを容易に確認でき
るようになるので、板状部に対するショックアブソーバ
のロッドの誤組付けを容易に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における縦断面図。
【図2】上記実施形態例の要部拡大図。
【図3】上記実施形態例の組付け説明図。
【図4】本発明の他の実施形態例における要部縦断面
図。
【図5】従来装置の作用説明図。
【符号の説明】
1 車体側板状部 2 上側アッパブッシュ 3 下側アッパブッシュ 4 カラー 6 ピストンロッド 7 ナット 8 支持板 9 組付け板 10 突起 11 凹部 20 突起 21 突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔部が形成された車体側板状部と、上記
    板状部の上下にそれぞれ配置された上側アッパブッシュ
    及び下側アッパブッシュと、上記孔部及び上記両アッパ
    ブッシュを上下に挿通する筒状カラーと、上端部が上記
    カラー内を上下に挿通するショックアブソーバのロッド
    と、上記ロッドに係止されて上記板状部の下面との間に
    上記下側アッパブッシュを挟持する支持部材と、上記ロ
    ッドに係止されて上記板状部の上面との間に上記上側ア
    ッパブッシュを挟持する組付け部材とを有し、上記下側
    アッパブッシュの上部には上記孔部と嵌合して上記板状
    部の上方へ突出する環状突起が形成され、上記突起の中
    央孔部内を上記カラーが上下に挿通することにより上記
    突起の上端外周縁が外側方へ張り出すようにされたショ
    ックアブソーバ組付け構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記板状部の孔部の
    上方で上記中央孔部の内周面に突出部が形成されたショ
    ックアブソーバ組付け構造。
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