JP2003041050A - ハロゲン含有樹脂の処理方法と処理設備 - Google Patents

ハロゲン含有樹脂の処理方法と処理設備

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吉男 大辻
Hideya Miyazaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン含有樹脂を超臨界条件の溶媒を用い
て処理する当たり、有用な固形炭化水素を高収率で得、
腐食性の強いガスの発生を抑制可能な、ハロゲン含有樹
脂の処理方法と処理設備を提供する。 【解決手段】 塩基性物質の存在下において、ハロゲン
含有樹脂を少なくとも超臨界条件下のアルコールを含む
溶媒中にて処理するハロゲン含有樹脂の処理方法と処理
設備。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン含有樹脂の
処理方法と処理設備に関し、詳しくは、ポリ塩化ビニル
などのハロゲン含有樹脂を超臨界状態の溶媒により分解
処理する方法とその処理設備に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるプラスチックの使用量の増
加に伴い、その廃棄量も増加の一途をたどっているが、
プラスチック廃棄物の処理は、埋め立て、焼却がかなり
の部分を占めており、リサイクルして活用するのは未だ
低い割合に留まっているのが現状である。これまで、リ
サイクルして活用する技術としては、マテリアル・リサ
イクルとしての分別・破砕技術や再生技術、サーマル・
リサイクルおよびケミカル・リサイクルとしての熱分解
による油化、オリゴマー・モノマー化、化学反応を利用
する有用物質への変換などが検討されてきた。
【0003】更に、最近では超臨界域の水(374℃以
上で、22.1MPa以上の状態にある水または蒸気)
の特性を利用する分解反応の研究が進められており、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオ
レフィン系樹脂については、処理技術がかなり進展して
いる。
【0004】しかしながら、ポリ塩化ビニル等のハロゲ
ン含有樹脂については、超臨界水による処理は常圧下の
熱分解による処理に比べて反応は速いものの十分ではな
く、大量の処理をするには、未だ有効な処理技術が見出
されておらず、そのためにより高温・高圧(400〜6
00℃で22.1〜50MPa)で処理して油化する方
法が提案されている(例えば、特開平10−67991
号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハロゲ
ン含有樹脂を上記した従来技術におけるように高温に加
熱すると、例えば、ポリ塩化ビニルの場合、その構造
上、主鎖の開裂と脱塩化水素によって低分子化し、同時
に油状炭化水素が生じるようになるが、その際に有機塩
素化合物が副生し、条件によってはダイオキシンが生成
することもあって、新たな処理設備を要したり、酸性の
強い塩化水素が大量に発生するために反応槽などを高価
な耐食性材料で構成する必要があるなど、決して好まし
いものではない。得られる分解生成物も、主鎖の開裂が
進んでいるため燃料へ利用する以外に利用方法は見ださ
れていない。また、発生したダイオキシンを分解し無害
化可能な高温にまで加熱すると、有用な油状炭化水素の
収量が低下してしまう。
【0006】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
有する問題点に鑑みて、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含
有樹脂を超臨界条件の溶媒を用いて処理する当たり、有
用な油状または固形炭化水素の収量が低下することな
く、しかも腐食性の強いガスの発生を極力抑制可能な、
ハロゲン含有樹脂の処理方法と処理設備を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは塩基性物質の存在下、300℃以下の
超臨界条件下のアルコールを含む溶媒中でハロゲン含有
樹脂、例えばポリ塩化ビニルを処理すると、その主鎖が
ほとんど開裂せず、脱塩化水素が進行して、塩素原子を
含まない固形炭化水素が生成することを見出し、本発明
を完成した。
【0008】すなわち、本発明に係るハロゲン含有樹脂
の処理方法の特徴構成は、塩基性物質の存在下におい
て、ハロゲン含有樹脂を少なくとも超臨界条件下のアル
コールを含む溶媒中にて処理することにある。
【0009】ハロゲン含有樹脂は、常温、常圧下では水
やアルコールのような溶媒に難溶であり、化学反応はほ
とんど進行しないが、超臨界状態ではこれら溶媒分子が
樹脂を構成するポリマー分子内部に浸透・拡散し、塩基
性物質による脱ハロゲン化水素反応が進行する。本発明
で使用するアルコールの超臨界条件は、水のそれより低
温、低圧で達成され、従って、本発明によれば、ハロゲ
ン含有樹脂からの脱ハロゲン化水素が優先的に生じ、ポ
リ塩化ビニル等の場合に主鎖の開裂をほとんど生じさせ
ることなく、固形炭化水素を高収率で得ることができる
ようになり、ハロゲン含有樹脂を処理できる。しかも、
処理中に発生したハロゲン化水素は除去されるので、ハ
ロゲン含有樹脂を確実に無害化できる。
【0010】その結果、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含
有樹脂を超臨界状態の溶媒を用いて処理するに当たり、
有用な固形炭化水素が高収率で得られ、しかも腐食性の
強いガスの発生を極力抑制可能な、ハロゲン含有樹脂の
処理方法を提供することができた。
【0011】前記溶媒は、容量比で水1に対してメタノ
ールが2〜10含まれていることが好ましい。
【0012】この構成によれば、超臨界状態のメタノー
ルと亜臨界状態の水との混合溶媒中でのハロゲン含有樹
脂の分解を効率よく促進できて都合がよい。
【0013】また、処理温度と処理圧力がそれぞれ、2
40℃<T(温度)<374℃、8.09MPa<P
(圧力)<22.12MPaであることが好ましい。
【0014】この構成によれば、溶媒を例えばメタノー
ル−水系とした場合、メタノールは超臨界状態になり、
水は亜臨界状態になるので、被処理物であるハロゲン含
有樹脂の内部にこれら溶媒分子が浸透・拡散し、塩基性
物質の存在下で分解が進行して、ハロゲン含有樹脂は純
度の高い分子式−(CH)n −で表される固形炭化水素
に変化するので都合がよい。得られた固形炭化水素は、
種々の用途に利用可能であり、有価物として再利用でき
ることになる。尚、亜臨界とは反応容器内において、溶
媒が沸点以上の温度で、0.1MPa以上、臨界圧以下
の分圧を示す状態をいい、超臨界とは溶媒が臨界温度以
上の温度で臨界圧以上の分圧を示す状態をいうものとす
る。
【0015】前記塩基性物質が、アルカリ金属元素また
はアルカリ土類金属元素の水酸化物の1種または2種以
上であることが好ましい。
【0016】この構成によれば、これらの物質は腐食性
が低く、それでいて反応中に生ずる塩化水素を確実に中
和できるので都合がよい。
【0017】又、本発明に係るハロゲン含有樹脂処理設
備の特徴構成は、塩基性物質の存在下において、ハロゲ
ン含有樹脂を少なくとも超臨界条件下のアルコールを含
む溶媒中にて処理する密閉可能な反応容器と、この反応
容器内のハロゲン含有樹脂を加熱する加熱装置と、を有
することにある。
【0018】この構成によれば、ポリ塩化ビニル等のハ
ロゲン含有樹脂を超臨界条件の溶媒を用いて処理するに
当たり、有用な固形炭化水素の収量が低下することな
く、しかも腐食性の強いガスの発生を極力抑制可能な、
ハロゲン含有樹脂の処理設備を提供することができた。
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照して詳細に説明する。本実施形態では、ハロゲン含有
樹脂としてポリ塩化ビニルを被処理物とした例について
説明する。図1は、本実施形態で用いた反応装置の概略
断面構造を示す。この反応装置は、内部に耐圧機能を備
えた反応容器(オートクレーブ)1を収納可能で、その
周囲に配置されたヒーター2などの加熱手段を有する加
熱装置である電気炉3とを備えると共に、反応容器1の
上方において電気炉3に固着可能な蓋板4が配置可能に
なっていて、更に、電気炉3上部を覆うようにして保温
カバー8が配置されて構成されている。反応容器1はス
テンレス鋼(SUS316)製からなり、蓋板4を介し
て反応容器内部の温度が検知できるようになっていると
共に、図示はしないが、安全弁が設けられている。蓋板
4は、上部4aと下部4bとから構成されており、両者
はステンレス鋼製の固着ボルト5により一体的に固着さ
れる。反応容器1、固着ボルト5などは、ステンレス鋼
以外にハステロイ、インコネル、チタン等の材質で製造
されたものを採用してもよい。
【0019】電気炉3は、断熱材でその外郭が構成され
ていると共に、図示はしないが、ヒーター2には温度制
御機構が接続されていて、反応容器1を所定の温度に制
御できるようになっている。電気炉3の加熱は、ニクロ
ム線、カンタル線などに通電する直接加熱方式の他に、
誘導加熱方式を採用してもよい。尚、図番6は反応容器
1内に延設される熱電対を保護する保護管であり、図番
7は、上部4aと下部4bとの間に挿入されて、反応容
器内の機密性を保つためのパッキングである。
【0020】次に、この反応装置を用いてポリ塩化ビニ
ルを処理する方法について説明する。まず、被処理物で
あるポリ塩化ビニルと、塩基性物質、例えば処理中に発
生する塩化水素を中和可能な水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化
物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム等のアルカリ土類金属の水酸化物などの1種また
は2種以上と、アルコール−水系の溶媒の1種であるメ
タノールと水とを反応容器1中に挿入し、反応容器1を
密閉する。この溶媒は、容量比で水1に対してメタノー
ルが2〜10程度の割合であることが、ポリ塩化ビニル
の分解効率を高める上で好ましい。
【0021】被処理物は、ポリ塩化ビニルを主成分とす
るものであればよく、安定剤、可塑剤など処理条件下で
加水分解、または加溶媒分解可能な配合剤が含まれてい
てもよい。この場合、塩基性物質の挿入量は、発生が予
想される塩化水素を確実に中和できる量であればよい
が、反応後の処理液のpHが7.0近傍になるように設
定することが好ましい。
【0022】反応容器1への処理溶液の充填率は、30
〜70%程度であればよいが、50%程度であることが
処理温度、処理圧力を制御し易くなって都合がよい。
又、反応容器内での処理圧力は、溶媒の種類と組成、充
填率、処理温度などによって決まるので、用いる溶媒の
組成−充填率−温度−圧力の関係を事前に検討・調査し
ておくことが、効率良く処理する上で好ましい。
【0023】反応容器1内を、240℃<T(温度)<
374℃、8.09MPa<P(圧力)<22.12M
Paの状態にする。水の臨界状態は、Tc(臨界温度)
=374℃、Pc(臨界圧力)=22.12MPaであ
り、メタノールの臨界状態は、Tc(臨界温度)=24
0℃、Pc(臨界圧力)=8.09MPaであるので、
反応容器1内の上記条件では、水は亜臨界状態となり、
メタノールは超臨界状態となる。ポリ塩化ビニルのよう
なハロゲン含有樹脂は、常温、常圧下では水やメタノー
ルに難溶であり、化学反応はほとんど進行しないが、超
臨界状態ではこれら溶媒分子が樹脂を構成するポリマー
分子内部に浸透・拡散し、塩基性物質による分解反応が
進行するようになる。すなわち、反応容器1内に挿入さ
れたポリ塩化ビニルは、塩基性物質の存在下、溶媒の浸
透・拡散を受けて、分子式−(CH)n −を有し、ハロ
ゲン、窒素、酸素などのヘテロ原子を含まない純度の高
い固形炭化水素に変化する。この固形炭化水素は、30
0℃付近から分解し始め、多様な有機化合物や炭素材料
の合成原料として有効に利用できる。例えば、固形炭化
水素を加熱することにより、下記化1で表されるポリア
センを主成分とする縮合芳香環化合物や、結晶性の高い
炭素に変化する。
【0024】
【化1】 処理液中の塩化水素は、塩基性物質により中和され、無
害な無機物(主として塩化ナトリウム)として底に沈積
するが、僅かに発生する気体成分は反応容器1を適時開
口(反応容器に付設した安全弁を操作する等により)し
て排出し、捕集して処理することができる。そして、所
定時間、所定条件で処理が終了すると、冷却し反応生成
物を取り出す。冷却は、単に所定場所に放置して放冷し
てもよいし、冷風を吹き付けることにより空冷してもよ
いし、冷却器を用いて強制冷却するようにしてもよい。
【0025】反応処理物として得られた固形炭化水素は
有価物として種々の用途に利用できると共に、処理液中
の大部分を占める溶媒は、回収して再利用することがで
きる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、もとより本発明は実施例に限定されるものでは
ない。
【0027】<処理装置>図1に示す構造の反応装置を
使用した。反応容器は、耐圧硝子(株)製の超臨界反応
容器TSC−002型(ステンレス鋼製、内容積21.
6cm3 )を使用すると共に、外郭を構成する電気炉と
しては、横河電機(株)製UT350型のデジタル指示
温度計付き電気炉を用いた。
【0028】<処理圧力>反応容器内圧力の直接測定は
困難であるので、次の方法により算出して処理圧力とし
た。すなわち、溶媒を封入した容器内の圧力は、容器の
内容積、溶媒の種類と組成、仕込み量、温度により決ま
る。本実施例では、溶媒としてメタノールと水の混合溶
媒を使用するので、この混合溶媒にはメタノールと水の
夫々の溶媒の圧力が加算されるものとして、各溶媒のP
(圧力)−V(体積)−T(温度)の関係式から混合溶
媒の圧力を算出した。
【0029】<脱塩化水素率(塩素除去率)>ポリ塩化
ビニルの脱塩化水素処理後、処理液を室温まで冷却し、
析出した固体生成物をろ別してから、ろ液中に含まれる
塩化物イオン(Cl- )の量をMohr法(重クロム酸
イオンを指示薬としてAgNO3 によりCl- を定量す
る方法)によって測定した。そして、測定された量から
脱塩化水素率(塩素除去率)を算出した。尚、Cl-
定量は処理液のpHを7〜8に調整後に行った。
【0030】<固体生成物の分析>脱塩化水素処理終了
後、処理液をろ別して得られた固体生成物を水、メタノ
ール、次いでヘキサンで洗浄した後、乾燥した。固体生
成物の生成量から、生成物の収率、ポリ塩化ビニルの分
解率(気体成分として失われた成分の量)を求めた。
【0031】<固体生成物の性状>元素分析装置、FT
−IR(フーリェ変換赤外分光)装置、13Cを核種とす
るNMR(核磁気共鳴)装置、XPS(X線光電子分
光)装置、TG/DTA(熱重量分析/示差熱分析)装
置、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析計)など
の測定機器を用いて解析、評価した。
【0032】(実施例1)ポリ塩化ビニル(PVC11
00。平均重合度約1100)375mg(6mmo
l)と4モル濃度(mol/dm3 )の水酸化ナトリウ
ム水溶液1.5cm 3 (6mmol)とメタノール7.
5cm3 (メタノール/水の容量比5/1相当)とを、
上記反応装置の反応容器内に挿入し、十分に攪拌混合し
た。反応容器を密閉後、300℃まで加熱(加熱速度3
〜5℃/分)し、同温度で90分保持した後、室温まで
空冷した。
【0033】内容物を別の容器に移し、沈降した固体生
成物をろ別すると共に、ろ液についてはpHを7〜8に
調整後、液中に含まれるCl- の量をMohr法により
定量した。固体生成物については、水および各種有機溶
媒で洗浄し、乾燥後、その性状を解析・評価した。
【0034】(実施例2)被処理物としてポリ塩化ビニ
ル(PVC700。平均重合度約700)を用いた他
は、実施例1と同様な条件で処理した。
【0035】(実施例3)反応容器での加熱温度を25
0℃とした他は、実施例1と同様な条件で処理した。
【0036】(実施例4)メタノール/水の容量比を2
/1とした溶媒を用いた他は、実施例3と同様な条件で
処理した。
【0037】(比較例1)溶媒としてメタノールを含ま
ず、水のみを用いた他は、実施例1と同様な条件に処理
した。
【0038】(比較例2)比較例1と同様に、溶媒とし
ては水のみを用いると共に、処理温度を400℃とした
他は、実施例1と同様な条件に処理した。
【0039】上記実施例1〜4と比較例1、2の結果を
表1に示す。
【0040】
【表1】 処理されて得られた固体生成物の色調は、ポリ塩化ビニ
ルの主鎖の開裂が生じることなく塩化水素が確実に脱離
すると淡黄褐色となり、塩化水素の脱離が不十分で塩素
原子が樹脂中に残存すると赤褐色などの濃い色調とな
り、塩化水素が脱離すると共にポリ塩化ビニルの主鎖の
開裂が生じる場合は、黒色の油状物質や炭素質物質が生
成して黒色となり、同時に二酸化炭素などの低分子化合
物が副生する。
【0041】従って、表1から判明するように、実施例
1〜4の場合は、ポリ塩化ビニルの主鎖の開裂が生じる
ことなく塩化水素がほとんど脱離しているのに対して、
比較例1、2の場合は、必要以上に分解が進行してお
り、ポリ塩化ビニルの主鎖の開裂が生じて、有用物質へ
の利用は著しく制限されたものとなっている。
【0042】〔別実施の形態〕 (1) 上記実施形態では、バッチ式の圧力容器で処理
する例について説明したが、より大量に処理する場合に
は、図2に示す処理システムを用いて処理すると、効率
的である。すなわち、この処理システムは、被処理物で
あるハロゲン含有樹脂導入口10aと、アルコール−水
系溶媒を導入する溶媒導入口10bと、塩基性物質導入
口10cとを備えて、これらを混合可能にする混合容器
10と、十分に混合されスラリー状になった混合物を反
応容器11に送給するスラリーポンプP1と、ヒーター
等の加熱装置12を備え被処理物を密閉状態で加圧・加
熱して分解処理する反応容器11と、分解処理された反
応生成物を次工程に送給するスラリーポンプP2と、送
給された反応生成物を冷却すると共に固体生成物を取り
出す取出口13aを備えた冷却器13と、反応生成物の
うち、次工程に液体成分を送給する液体輸送ポンプP3
と、送給された液体成分を発生する気体と分離する気液
分離装置14と、を有して構成されている。
【0043】反応容器11は攪拌機構を有しており、ス
ラリー状のハロゲン含有樹脂を攪拌しながら超臨界ある
いは亜臨界状態にして、ハロゲン含有樹脂の分解を促進
できるようになっている。気液分離装置14は、気体生
成物取出口14aと溶媒回収口14bとを有していて、
取り出された気体は更に無害化処理されると共に、回収
された溶媒は再利用される。
【0044】ハロゲン含有樹脂が反応容器11で処理さ
れると、処理済みの反応生成物はスラリーポンプP2で
冷却器13に送給されると同時に、混合容器10からス
ラリー状に混合されたハロゲン含有樹脂と溶媒とが反応
容器11に送給されてきて、順次、連続的に処理される
ようになっている。このように、図2に示す処理システ
ムは連続式てあるので、大量のハロゲン含有樹脂を処理
するのに特に好適である。
【0045】(2) 上記実施形態では、被処理物とし
てポリ塩化ビニル樹脂を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、塩化ビニルー酢酸ビ
ニル共重合体樹脂などの塩化ビニル共重合体樹脂、塩素
化ポリエチレン樹脂などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態で用いた反応装置の概略断面図
【図2】別実施形態に係るハロゲン含有樹脂処理システ
ムの概略全体構成図
【符号の説明】
1,11 反応容器 3 加熱装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性物質の存在下において、ハロゲン
    含有樹脂を少なくとも超臨界条件下のアルコールを含む
    溶媒中にて処理するハロゲン含有樹脂の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記溶媒は、容量比で水1に対してメタ
    ノールが2〜10含まれている請求項1のハロゲン含有
    樹脂の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記超臨界条件が、240℃<T(温
    度)<374℃、8.09MPa<P(圧力)<22.
    12MPaである請求項1又は2のハロゲン含有樹脂の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記塩基性物質が、アルカリ金属元素ま
    たはアルカリ土類金属元素の水酸化物の1種または2種
    以上である請求項1〜3のいずれか1のハロゲン含有樹
    脂の処理方法。
  5. 【請求項5】 塩基性物質の存在下において、ハロゲン
    含有樹脂を少なくとも超臨界条件下のアルコールを含む
    溶媒中にて処理する密閉可能な反応容器と、この反応容
    器内のハロゲン含有樹脂を加熱する加熱装置と、を有す
    るハロゲン含有樹脂処理設備。
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