JP2003040824A - シクロペンチルアルキルエーテルの精製方法 - Google Patents

シクロペンチルアルキルエーテルの精製方法

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JP2003040824A JP2001227921A JP2001227921A JP2003040824A JP 2003040824 A JP2003040824 A JP 2003040824A JP 2001227921 A JP2001227921 A JP 2001227921A JP 2001227921 A JP2001227921 A JP 2001227921A JP 2003040824 A JP2003040824 A JP 2003040824A
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ether
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Yoshio Kin
伊男 金
Kiyoshi Watanabe
澄 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シクロペンチルアルキルエーテルとアルコール
類を含有する混合物から、高純度なシクロペンチルアル
キルエーテルを簡便かつ効率よく単離するシクロペンチ
ルアルキルエーテルの精製方法を提供する。 【解決手段】式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数3
〜8のシクロアルキル基を表す。)で表されるシクロペ
ンチルアルキルエーテルとアルコール類とを含有する混
合物を蒸留するシクロペンチルアルキルエーテルの精製
方法であって、前記混合物に無機塩基を添加して、蒸留
することを特徴とするシクロペンチルアルキルエーテル
の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品、精密機
械部品等の洗浄剤として有用なシクロペンチルアルキル
エーテルの精製方法に関する。更に詳しくは、シクロペ
ンチルアルキルエーテルとアルコール類とを含有する混
合物から、蒸留法によって高純度のシクロペンチルアル
キルエーテルを効率よく単離するシクロペンチルアルキ
ルエーテルの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンチルアルキルエーテルは、電
子部品、精密機械部品等の洗浄剤として有用である。シ
クロペンチルアルキルエーテルの多くは公知物質であ
り、一般的なエーテル化合物の合成法、例えば、a)塩
基の存在下、シクロペンチルアルコールにアルキル化剤
を反応させた後、又はb)固体酸触媒の存在下に、シク
ロペンテンをアルコール類と接触させた後、これらの反
応生成物を公知の精製方法により精製して得ることがで
きる。この精製方法としては、蒸留法、カラムクロマト
グラフィー、溶媒抽出法及びこれらの組合せ等が知られ
ているが、シクロペンチルアルキルエーテルは液状物質
であること、及び工業的に大量生産する場合に有利であ
ること等の理由から、蒸留法が一般的に使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、シクロ
ペンチルアルキルエーテルは洗浄剤として用いられるた
め、純度の高いものが要求される。しかしながら、上記
いずれかの反応により得られる反応生成物中に、反応原
料であるシクロペンチルアルコール等のアルコール類が
残存している場合には、通常の後処理操作を行なった後
に蒸留を行なっても、シクロペンチルアルキルエーテル
の留分にアルコール類が混入してしまい、純度の高いシ
クロペンチルアルキルエーテルを収率よく得ることが困
難な場合があった。
【0004】かかる場合に、シクロペンチルアルキルエ
ーテルとアルコール類とを含有する混合物からシクロペ
ンチルアルキルエーテルのみを単離する方法としては、
例えば、蒸留する際に蒸留塔の理論段数を上げて蒸留す
る方法、複数回蒸留を行なう方法、カラムクロマトグラ
フィーの手法を用いる方法等が考えられる。
【0005】しかしながら、蒸留塔の理論段数を上げて
蒸留する方法や複数回蒸留を行う方法によっても純度の
高いシクロペンチルアルキルエーテルを効率よく得るこ
とは困難であった。また、カラムクロトグラフィーを使
用する方法では、シクロペンチルアルキルエーテルを含
む混合物を大量に精製することが困難であり、溶出液か
ら溶出溶媒を除去する操作がさらに必要となる。従っ
て、シクロペンチルアルキルエーテルとアルコール類と
を含有する混合物から、シクロペンチルアルキルエーテ
ルを簡便かつ効率よく単離することができるシクロペン
チルアルキルエーテルの精製方法の開発が要望されてい
た。
【0006】本発明は、かかる実状に鑑みてなされたも
のであり、シクロペンチルアルキルエーテルとアルコー
ル類とを含有する混合物から、高純度なシクロペンチル
アルキルエーテルを簡便かつ効率よく単離することがで
きるシクロペンチルアルキルエーテルの精製方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記a)
又はb)のいずれかの合成法により得られるシクロペン
チルアルキルエーテルとアルコール類とを含有する混合
物から、シクロペンチルアルキルエーテルを簡便かつ効
率よく単離する方法について鋭意検討した。その結果、
前記混合物に水酸化カリウム等の無機塩基を添加した後
に蒸留を行なうことにより、高純度なシクロペンチルア
ルキルエーテルを効率よく単離することが出来ることを
見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】かくして本発明によれば、式(1)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基
又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。)で表さ
れるシクロペンチルアルキルエーテルとアルコール類と
を含有する混合物を蒸留するシクロペンチルアルキルエ
ーテルの精製方法であって、前記混合物に無機塩基を添
加して、蒸留することを特徴とする高純度のシクロペン
チルアルキルエーテルの精製方法が提供される。
【0011】本発明においては、無機塩基を添加した
後、蒸留する前に、前記混合物を加熱するのが好まし
い。また、前記無機塩基は、アルカリ金属水酸化物、ア
ルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はアル
カリ土類金属炭酸塩であるのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、1)シクロペン
チルアルキルエーテル、2)シクロペンチルアルキルエ
ーテルとアルコール類を含む混合物、及び3)精製方法
に項分けして説明する。
【0013】1)シクロペンチルアルキルエーテル 本発明は、前記式(1)で表されるシクロペンチルアル
キルエーテルを精製の対象とする。式(1)において、
Rはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル
基、n−デシル基等の直鎖又は分岐の炭素数1〜10の
アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、
シクロオクチル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基
を表す。
【0014】これらの中でも、精製の対象となるシクロ
ペンチルアルキルエーテルとしては、前記一般式(1)
において、Rが炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3
〜6のシクロアルキル基であるシクロペンチルアルキル
エーテルが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はシ
クロペンチル基であるシクロペンチルアルキルエーテル
がより好ましく、シクロペンチルメチルエーテル、シク
ロペンチルエチルエーテル又はジシクロペンチルエーテ
ルが特に好ましい。
【0015】2)シクロペンチルアルキルエーテルとア
ルコール類とを含有する混合物 シクロペンチルアルキルエーテルとアルコール類とを含
有する混合物は、これらの化合物が含まれる混合物であ
れば特に制限されない。本発明の方法は、(i)塩基の存
在下に、シクロペンチルアルコールにアルキル化剤を反
応させて得られる反応混合物、又は(ii)結晶性固体酸の
存在下、シクロペンテンをアルコール類と接触させて得
られる反応混合物に好ましく適用できる。
【0016】前記(i)の製法で使用されるアルキル化
剤としては、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨ
ウ化n−プロピル、臭化n−プロピル、ヨウ化n−ブチ
ル、臭化n−ブチル、塩化n−ブチル、ヨウ化n−ペン
チル、臭化n−ペンチル、塩化n−ペンチル、ヨウ化n
−ヘキシル等のハロゲン化アルキル;ジメチル硫酸、ジ
エチル硫酸等のジアルキル硫酸等が挙げられる。また、
アルキル化剤の使用量は、シクロペンチルアルコール1
モルに対して、通常1〜10倍モル、好ましくは1.1
〜5.0倍モルの範囲である。
【0017】用いられる塩基としては、例えば、水素化
ナトリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;金属
ナトリウム、金属カリウム等のアルカリ金属;炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;トリエチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(D
BU)等の有機塩基類;等が挙げられる。塩基の使用量
は、シクロペンチルアルコール1モルに対して、通常1
〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モルの範囲である。
【0018】原料となるシクロペンチルアルコールは、
市販品をそのまま使用することができるが、例えば、酸
性イオン交換樹脂触媒の存在下、シクロペンテンを水和
させることにより製造したものを使用することもできる
(例えば、特開昭60−166632号公報、特開昭6
3−154636号公報、特開平7−179381号公
報等参照)。
【0019】この反応は、無溶媒で又は不活性溶媒で希
釈して行なうことができる。不活性溶媒としては、非プ
ロトン性の極性溶媒の使用が好ましく、例えば、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジエチル
エーテル、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類;1,3−ジメチルイ
ミダゾリジノン等のウレア系溶媒;ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリル等が使用できる。アルキル化反応
は、通常、室温から用いられる溶媒の沸点までの温度範
囲で、数分から数十時間かけて行なわれる。
【0020】得られる反応液には、目的とするシクロペ
ンチルアルキルエーテルのほかに、通常、未反応のシク
ロペンチルアルコールが含まれている。反応液を通常の
後処理操作に従って処理することによって、本発明の精
製の対象となるシクロペンチルアルキルエーテルとシク
ロペンチルアルコールとを含有する混合物が得られる。
【0021】前記(ii)の製法で使用される結晶性固体
酸は、珪素、リン、アルミニウム酸化物等が規則性をも
って特定の化学構造単位及び形状単位を構成している無
機酸性物質群であり、天然又は合成ゼオライト等がこれ
に属する。
【0022】結晶性固体酸としては、酸性もしくは中性
のゼオライトが好ましい。例えば、H−ZSM−5、N
a−ZSM−5等で代表されるZSM系ゼオライト;N
a−Y型ゼオライト、H−Y型ゼオライト、K−Y型ゼ
オライト、Na−X型ゼオライト、13X型ゼオライト
等のフオージャサイト;H−モルデナイト、Na−モル
デナイト、モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシー
ブ4A、モレキュラーシーブ5A、ホウ素、鉄、ガリウ
ム、チタン、銅、銀等の異元素を含有するメタロアルミ
ノシリケートやメタロシリケート等を用いることができ
る。また、リン酸骨格を有するSi置換リン酸アルミニ
ウムゼオライト(SAPO)も使用可能である。これら
は1種単独で、あるいは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、結晶性固体酸は市販のものを用いて
もよいし、公知の方法で調製して使用してもよい。
【0023】ゼオライトの細孔径は、通常2〜12Åで
あり、好ましくは2〜10Åである。ゼオライトの組成
は特に限定されないが、シリカ/アルミナのモル比が1
0以上であるものが好ましく、20以上であるものがよ
り好ましい。また、結晶性固体酸の形状、平均粒径、比
表面積等は特に限定されず、適宜選択することができ
る。
【0024】結晶性固体酸の使用量は、後述するシクロ
ペンテン100重量部に対して、通常0.001〜20
0重量部、好ましくは0.1〜200重量部、より好ま
しくは1.0〜150重量部の範囲である。
【0025】原料のシクロペンテンは公知の製法により
得られるものを用い得る。例えば、ナフサ留分から得ら
れるジシクロペンタジエンを熱分解してシクロペンタジ
エンに変換し、次いでシクロペンタジエンを水素化触媒
の存在下に部分水素添加してシクロペンテンを製造、入
手することができる(例えば、特公昭55−47016
号公報、特公昭56−1292号公報、特開2000−
53592号公報等参照)。
【0026】アルコール類の具体例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノ
ール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、n−
ヘキサノール、シクロプロピルアルコール、シクロペン
チルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘ
プタノール、シクロオクタノール等が挙げられる。
【0027】アルコール類の使用量は、シクロペンテン
100重量部に対して0.10〜500重量部、好まし
くは1〜300重量部の範囲である。反応温度は、通常
50〜200℃、好ましくは80〜180℃である。反
応時間は、触媒量、反応温度等の条件により適宜決定さ
れるが、一般的に10分〜30時間、好ましくは30分
〜20時間である。反応圧力は、採用する反応条件下に
おいてシクロペンテン及びアルコール類を液相に保つの
に必要な圧力以上とすることが好ましい。また、窒素ガ
ス等の不活性ガスによって反応圧力を調節することもで
きる。
【0028】この製法は、回分式、固定床流通式等の工
業的に通常用いられる反応装置により行うことができ
る。回分式の場合、反応装置内の撹拌方法は特に制限さ
れず、振動式、回転式等の公知の撹拌機を使用すること
ができる。また、その振動数、回転数、撹拌強度等も適
宜設定し得る。固定床流通式の場合、触媒は押し出し又
は圧縮等により成形したものが好ましく用いられる。ま
た、LHSVは、通常0.1〜5.0h−1、好ましく
は0.5〜3.0h−1である。反応は溶媒を使用しな
いで行うこともできるし、原料のシクロペンテンを溶解
し、水と混合しない不活性な溶媒を使用することもでき
る。反応溶媒の使用量は、通常、全反応液量の10〜9
0容量%、好ましくは20〜80容量%である。
【0029】この反応においては、目的とするシクロペ
ンチルアルキルエーテルのほかに、原料であるシクロペ
ンテン及びアルコール類を含有する混合物が得られる。
シクロペンテンは低沸点物質(沸点44℃)であるた
め、容易に蒸発除去することができる。従って、回分式
で行なう場合には、反応液から結晶性固体酸をろ別し、
シクロペンテンを留去することにより、また、固定床流
通式で行なう場合には、反応管から留出する反応液から
シクロペンテンを留去することにより、本発明の精製の
対象となるシクロペンチルアルキルエーテルとアルコー
ル類とを含有する混合物が得られる。
【0030】また、本発明の精製方法は、シクロペンチ
ルアルキルエーテルとアルコール類とが通常の蒸留法に
よって分離困難な場合に効果的であることから、本発明
が適用できるアルコール類としては、シクロペンチルア
ルキルエーテルとの沸点の差が50℃以内であるアルコ
ール、又はシクロペンチルアルキルエーテルと共沸組成
物を形成するアルコールであるのが好ましい。かかるア
ルコールとしては、例えば、シクロペンチルアルコール
が挙げられる。
【0031】3)精製方法 本発明の精製方法は、シクロペンチルアルキルエーテル
とアルコール類とを含有する混合物から、蒸留法により
シクロペンチルアルキルエーテルを単離するに際し、蒸
留前に、該混合物に無機塩基を添加することを特徴とす
る。
【0032】本発明の精製方法は、通常の蒸留法によれ
ば分離が困難なシクロペンチルアルキルエーテルとアル
コール類とを含有する混合物に、無機塩基を添加してア
ルコール類の塩を形成させることにより、シクロペンチ
ルアルキルエーテルのみを留出させるものである。
【0033】本発明に用いられる無機塩基としては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カ
ルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭
酸塩;又は炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアル
カリ土類金属炭酸塩が挙げられる。これらの無機塩基は
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。これらの中でも、汎用性及び取扱い性を考慮
して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
金属水酸化物の使用が好ましい。
【0034】無機塩基の添加量は、混合物中のアルコー
ル含有量に従って定めることができるが、前記混合物中
に含まれるアルコール1モルに対して、通常1倍モル〜
3倍モル、好ましくは1倍モル〜1.5倍モルの範囲で
ある。アルコール含有量は、例えば、ガスクロマトグラ
フィー等の測定手段により定量することができる。な
お、結晶性固体酸を使用して得た反応混合物の場合に
は、微量の酸が混入している場合があるので、酸を中和
するために無機塩基を過剰に添加するのが好ましい。
【0035】無機塩基を添加した後は、蒸留前に無機塩
基を添加した混合物を所定時間、所定温度で加熱するの
が、高純度なシクロペンチルアルキルエーテルを効率よ
く得る上で好ましい。加熱温度は、通常50℃〜還流温
度、好ましくは100℃〜還流温度の範囲である。また
加熱時間は、通常数分〜数十時間の範囲である。
【0036】蒸留法としては、常圧下に蒸留を行なう常
圧蒸留法、減圧下に蒸留を行なう減圧蒸留法が挙げられ
るが、一般的には常圧蒸留法が用いられる。この場合、
シクロペンチルアルキルエーテルの酸化を防止するため
に、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下
や、BHT等の老化防止剤の存在下で蒸留を行なうのも
好ましい。老化防止剤を使用する場合、その使用量はシ
クロペンチルアルキルエーテルに対して、通常1ppm
〜10重量%の範囲である。
【0037】また、蒸留装置としては、蒸留の対象とす
る混合物の供給の方式が回分式の蒸留装置でも、連続式
の蒸留装置でも使用することができる。回分式蒸留装置
を使用する場合には、精製効率をより高めるために精留
管を取り付けるのが好ましい。また、大量の混合物を蒸
留する場合には、加熱器、精留塔、凝縮器からなる連続
式精留装置を使用するのが好ましい。
【0038】以上のようにして高純度なシクロペンチル
アルキルエーテルを得ることができる。得られたシクロ
ペンチルアルキルエーテルは、水に不溶で、機械油、切
削油、ロジン、ワックス類、高級脂肪酸等の広範囲な種
々の有機化合物を溶解し、例えば、油脂、樹脂、塗料、
ラッカー、ワニス等の溶剤や洗浄剤成分として有用であ
る。
【0039】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定され
るものではない。なお、以下の実施例及び比較例で使用
したガスクロマトグラフィーの条件は次の通りである。 (GC分析条件) ・分析機器:Hitachi GC390(日立製作所(株)製) ・カラム :Neutral Capillary Column 60×ID0.2φ(1.5μmdf、GLサイエンス社製) ・カラム温度:初期温度(100℃(5分))、昇温速度(20℃/min) ・注入口温度:200℃ ・試料注入量:1μl ・検出器 :FID ・検出器温度:300℃ ・キャリヤーガス:N
【0040】実施例 200mlの四つ口フラスコに、シクロペンチルアルコ
ール17.2g(0.2モル)、シクロペンチルメチル
エーテル20.0g(0.2モル)及び水酸化カリウム
13.5g(0.24モル)を入れ、130℃で4時間
還流した。その後、オイルバス温度140℃で単蒸留を
行ない、106℃付近の留分を収集した。収集した留分
の得量は17.8gであり、ガスクロマトグラフィーに
よる分析の結果、この留分はシクロペンチルメチルエー
テルが95.53%、シクロペンチルアルコールが2.
96%含まれていた。シクロペンチルメチルエーテルと
シクロペンチルアルコールの混合物に、シクロペンチル
アルコールと等モル以上(1.2倍モル)の水酸化カリ
ウムを添加して還流した後、蒸留を行なうことにより、
回収率よく高純度のシクロペンチルメチルエーテルを得
ることができた。
【0041】比較例 200mlの四つ口フラスコに、シクロペンチルアルコ
ール8.6g(0.1モル)及びシクロペンチルメチル
エーテル10.0g(0.1モル)を入れ、130℃で
4時間還流した。その後、オイルバス温度140℃で単
蒸留を行い、106℃付近の留分を収集した。収集した
留分の得量は9.5gであり、ガスクロマトグラフィー
による分析の結果、この留分はシクロペンチルメチルエ
ーテルが85.41%、シクロペンチルアルコールが1
3.29%含まれていた。これらのことから明らかなよ
うに、シクロペンチルメチルエーテルとシクロペンチル
アルコールの混合物から、シクロペンチルメチルエーテ
ルのみを通常の単蒸留により分離することが困難であっ
た。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の精製方法
によれば、シクロペンチルアルキルエーテルとアルコー
ル類とを含有する混合物に無機塩基を添加し、好ましく
は所定時間加熱撹拌した後、該混合物を蒸留することに
より、高純度のシクロペンチルアルキルエーテルを簡便
かつ効率よく単離することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数
    3〜8のシクロアルキル基を表す。)で表されるシクロ
    ペンチルアルキルエーテルとアルコール類とを含有する
    混合物を蒸留するシクロペンチルアルキルエーテルの精
    製方法であって、前記混合物に無機塩基を添加して、蒸
    留することを特徴とするシクロペンチルアルキルエーテ
    ルの精製方法。
  2. 【請求項2】前記無機塩基を添加した後、蒸留する前
    に、前記混合物を加熱する工程を有する請求項1記載の
    シクロペンチルアルキルエーテルの精製方法。
  3. 【請求項3】前記無機塩基が、アルカリ金属水酸化物、
    アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩又はア
    ルカリ土類金属炭酸塩である請求項1又は2記載のシク
    ロペンチルアルキルエーテルの精製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004292756A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Nippon Zeon Co Ltd プライマー組成物
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