JP2003040694A - シリコン単結晶の酸素濃度制御方法及びその装置 - Google Patents

シリコン単結晶の酸素濃度制御方法及びその装置

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JP2003040694A JP2001227032A JP2001227032A JP2003040694A JP 2003040694 A JP2003040694 A JP 2003040694A JP 2001227032 A JP2001227032 A JP 2001227032A JP 2001227032 A JP2001227032 A JP 2001227032A JP 2003040694 A JP2003040694 A JP 2003040694A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CZ法によりシリコン溶融液からシリコン単
結晶を引き上げる際に適用される、結晶中の酸素濃度制
御方法及び装置を提供すること。 【解決手段】 過去に引き上げの実績のあるデータを基
に、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影響係数が逐
次同定されると共に、参考バッチの酸素濃度測定値と酸
素濃度目標値との偏差が零になるように学習制御を行っ
て、制御因子の操作量が自動的に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン単結晶中
の酸素濃度の制御に関し、より詳細には、チョクラルス
キー法(以下、CZ法と記す)等によりシリコン溶融液
からシリコン単結晶を引き上げる際に適用される、単結
晶中の酸素濃度の制御方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体の材料となる単結晶を引き上げる
には種々の方法があるが、その一つにCZ法がある。図
1はこのCZ法により単結晶を引き上げる際に用いられ
る結晶成長装置を模式的に示した断面図である。図中1
2は容器を示しており、容器12によりチャンバ11が
形成され、チャンバ11の上部は円柱状の上部チャンバ
11aとなっている。チャンバ11の中央部には有底円
筒形状の石英ルツボ13aが配設され、石英ルツボ13
a内にはシリコンの溶融液15が充填されるようになっ
ている。また石英ルツボ13aの外周には有底円筒形状
をした黒鉛ルツボ13bが配設されており、これら石英
ルツボ13aと黒鉛ルツボ13bとによりルツボ13が
構成されている。
【0003】またルツボ13の下部には回転軸18を介
して駆動装置(図示せず)が接続されており、この駆動
装置を駆動させるとルツボ13が所定速度で回転・上下
動するようになっている。またルツボ13の外側にはこ
れと同心円状にヒータ14が配設されており、ヒータ1
4により石英ルツボ13a内に装入したシリコン原料が
溶融して溶融液15が形成されるようになっている。
【0004】またルツボ13の中心軸上には引き上げ装
置16として、ワイヤ16cが吊設され、ワイヤ16c
の先端には種結晶保治具16bにより種結晶16aが取
り付けられている。ワイヤ16cは巻き上げ機16dに
より上方に引き上げられながらかつ回転させられるよう
になっている。また容器12の下部は開口部19を介し
て真空ポンプ(図示せず)に接続されており、この真空
ポンプを駆動させてチャンバ11内の圧力(以下、炉内
圧と記す)を所定圧力に設定するようになっている。
【0005】また上部チャンバ11aにはガス供給装置
(図示せず)が接続されており、このガス供給装置を駆
動させてAr等の不活性ガスを所定流量、上部チャンバ
11aを通ってチャンバ11内に供給するようになって
いる。これらチャンバ11、ルツボ13、ヒータ14、
引き上げ装置16、駆動装置、真空ポンプ、ガス供給装
置等を含んで結晶成長装置20が構成されている。
【0006】このように構成された結晶成長装置20を
用い、CZ法によりシリコン単結晶を引き上げる場合、
まず石英ルツボ13a内にシリコン原料を装入し、真空
ポンプを駆動させてチャンバ11内を所定圧力に設定す
ると共に、ガス供給装置を駆動させてチャンバ11内に
所定流量の不活性ガスを導入する。次にヒータ14に電
流を流してルツボ13を加熱し、溶融液15を形成す
る。次にワイヤ16cに吊設された種結晶保治具16b
先端の種結晶16aを溶融液15表面に接触させた後、
ルツボ13及び引き上げ装置16を所定速度で回転させ
ながら巻き上げ機16dでワイヤ16cを巻き上げ、溶
融液15を凝固させてシリコン単結晶17を成長させ
る。
【0007】ところで、引き上げられたシリコン単結晶
17に関する品質評価項目の一つとして結晶中酸素濃度
が挙げられる。結晶中酸素はシリコンウェーハ内の不純
物を捕獲する作用(イントリンシックゲッタリング作
用)を有し、シリコン単結晶17内に所定濃度の酸素が
固溶していると半導体素子の性能を向上させ得る一方、
過多に含まれると素子形成領域にまで結晶欠陥を導入す
ることがあるため、結晶中酸素濃度を所定の範囲内に収
めることは重要な管理項目となっている。
【0008】しかしながら、この酸素の供給源は石英ル
ツボ13aであり、石英ルツボ13aから溶融液15に
溶け出した酸素の一部が固液界面を通して単結晶17に
取り込まれていくため、従来のCZ法においては、シリ
コン単結晶17が引き上げられてシリコン溶融液15面
の高さが低くなるにつれ、溶融液15と石英ルツボ13
aの接触面積が減少し、これに伴い石英ルツボ13aか
らシリコン溶融液15への酸素の溶け込み量が減少して
結晶中の酸素濃度が減少し易く、その結果、シリコン単
結晶17の軸方向(引き上げ方向)における酸素濃度が
不均一になり易いという問題があった。
【0009】この問題に対処する為、特公平2−447
99号公報には、ルツボの回転数を変化させる方法、特
開平1−160892号公報には、炉本体に供給する不
活性ガスをシリコン単結晶の引き上げ長さに対応して、
ガイド部材とシリコン融液面との間のギャップを順次小
さくする方法、特開平1−160893号公報には、シ
リコン単結晶の引き上げ長さに対応して、ガイド部材と
シリコン融液面を流れる不活性ガスの流量を順次増加さ
せる方法、特開平3−159986号公報には、シリコ
ン単結晶の固化率(引き上げ長さ)の増大と共にチャン
バー内の圧力を上げ及び/又は不活性ガス流量を下げる
方法等が開示されている。また、特開平6−17208
1号公報では、結晶中酸素濃度と操作量との関係を定式
化した後、パラメータ・フィッティングを行って各操作
量を設定し、この設定した操作量に基づいて結晶中酸素
濃度を制御する方法も開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した結晶中の酸素
濃度の制御方法においては、いづれも結晶中の酸素濃度
に及ぼす結晶成長装置の部品劣化等に起因する経時変
化、則ち、操作量を変化させた場合の結晶中の酸素濃度
に対する影響係数の変化に対して考慮が払われておら
ず、何本も引き上げるうちに結晶中の酸素濃度の値が目
標値からずれてくるという問題点があった。このように
実際の引き上げでは経時的な変化による変動が発生する
為、引き上げ後の酸素濃度の測定値を学習して操作量を
設定することが必要となる。しかしながら、バッチ間で
の学習制御をするに当たり、これを人間が行なうと、種
々のノウハウを必要とし、操作量の検討に時間が掛か
る、或いは、熟練者以外には困難であるという課題があ
った。
【0011】また、特開平9−59084号公報では、
結晶中酸素濃度の制御を行うために、あらかじめ求めら
れた結晶中酸素濃度とルツボ回転数等の制御因子におけ
る操作量との関係式に対する補正量を、部品の劣化によ
る補正量、品種変更要因に対する補正量、及びこれら以
外の未知要因に関する補正量とに類別し、酸素濃度測定
値と酸素濃度推定値との差に基づいて前記関係式を逐次
補正して結晶中の酸素濃度を制御する方法が開示されて
おり、特開平11−322485号公報では、前記公報
の制御方法を発展させ、品種変更要因に対する補正量に
関して装置間差の影響を加味しながら他引き上げ装置で
の品質変更要因に対する補正量を利用する結晶中の酸素
濃度の制御方法が開示されている。
【0012】しかしながら、特開平9−59084号公
報及び特開平11−322485号公報で開示の制御方
法では、本来、部品劣化等に起因する経時変化にて変わ
っていく量、すなわち、操作量が酸素濃度に及ぼす影響
係数を直接的に修正していくのではなく、単に、補正量
として関係式に加算していくだけのものであり、また、
酸素濃度測定値と酸素濃度推定値との差に基づいて関係
式を修正する為、酸素濃度が目標値になるのに学習回数
を多数要し、学習制御の効率が悪いという課題があっ
た。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題に
鑑みなされたものであり、次回の引き上げ条件に応じて
データベースから参考とするバッチにおける引き上げ操
業条件の実績および酸素濃度測定値の実績から、制御因
子が結晶中の酸素濃度に与える影響係数を引き上げ毎に
同定し、次回の単結晶引き上げに際して、更新された影
響係数と酸素濃度測定値と酸素濃度目標値との偏差に基
づいて、酸素濃度偏差が零になるべく制御因子の操業プ
ロファイルを学習制御することにより、少ない学習回数
で繰り返し引き上げることによって起こる部品劣化等の
経時的な変化による結晶中の酸素濃度のずれの発生を抑
制すると共に、結晶中の酸素濃度を規格範囲内に容易、
かつ確実に収めることができ、この結果、引き上げられ
た単結晶の品質及び歩留りを向上させることができる結
晶中の酸素濃度の制御方法及び装置を提供することを目
的としている。
【0014】上記の目的を達成する為に本発明に係る結
晶中の酸素濃度の制御方法は、チョクラルスキー法によ
るシリコン単結晶の引き上げにおいて、過去に引き上げ
たバッチの結晶長に応じた引き上げ操業条件の実績及び
酸素濃度測定値の実績を保存したデータベースを具備
し、次回の引き上げ条件に応じて前記データベースから
参考とするバッチを選定した後に、当該参考バッチにお
ける引き上げ操業条件の実績および酸素濃度測定値の実
績から、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影響係数
を同定して影響係数を逐次修正し、この逐次修正された
影響係数を用いて、参考バッチの酸素濃度偏差が零にな
るべく制御因子の操業プロファイルを学習制御して、参
考バッチの引き上げ操業条件を修正し、次回の引き上げ
操業条件を決定することを特徴としている。
【0015】上記したシリコン単結晶中の酸素濃度の制
御方法によれば、過去に引き上げの実績のあるデータを
基に、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影響係数が
逐次同定され、この同定された影響係数と、参考バッチ
の酸素濃度偏差及び制御因子の実績操業プロファイルを
基準にして、酸素濃度偏差が零になるべく制御因子の操
業プロファイルを学習制御して、次回の単結晶引き上げ
が実施されることになる。この結果、引き上げられたシ
リコン単結晶全体の結晶中の酸素濃度を規格範囲内に確
実、かつ容易に収め得ると共に、繰り返し引き上げるこ
とによる経時的な変化による結晶中の酸素濃度のずれの
発生を抑制し得ることとなり、引き上げられたシリコン
単結晶の品質及び歩留りを向上させ得ることとなる。
【0016】また、本発明に係る結晶中の酸素濃度の制
御方法は、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の
引き上げにおいて、過去に引き上げたバッチの結晶長に
応じた引き上げ操業条件の実績及び酸素濃度測定値の実
績を保存したデータベースを具備し、次回の引き上げ条
件に応じて前記データベースから参考とするバッチを選
定した後に、当該参考バッチにおける引き上げ操業条件
の実績および酸素濃度測定値の実績から、制御因子が結
晶中の酸素濃度に与える影響係数を逆算同定して影響係
数を逐次修正し、この逐次修正された影響係数を用い
て、参考バッチの酸素濃度偏差が零になるべく制御因子
の操業プロファイルを学習制御して、参考バッチの引き
上げ操業条件を修正し、次回の引き上げ操業条件を決定
することを特徴としている。
【0017】上記したシリコン単結晶中の酸素濃度の制
御方法によれば、過去に引き上げの実績のあるデータを
基に、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影響係数が
逆算同定され、この逆算同定された影響係数と、参考バ
ッチの酸素濃度偏差及び制御因子の実績操業プロファイ
ルを基準にして、酸素濃度偏差が零になるべく制御因子
の操業プロファイルを学習制御して、次回の単結晶引き
上げが実施されることになる。この結果、引き上げられ
たシリコン単結晶全体の結晶中の酸素濃度を規格範囲内
に確実、かつ容易に収め得ると共に、繰り返し引き上げ
ることによる経時的な変化による結晶中の酸素濃度のず
れの発生を抑制し得ることとなり、引き上げられたシリ
コン単結晶の品質及び歩留りを向上させ得ることとな
る。
【0018】また、本発明に係わるシリコン単結晶の酸
素濃度制御方法は、結晶長に応じた実績の引き上げ操業
条件として、結晶長に応じたルツボ回転数の実績及び/
又は炉内圧の実績及び/又は不活性ガス流量の実績及び
/又は融液レベルの実績及び/又は結晶回転数の実績を
用いることを特徴としている。
【0019】結晶長に応じた実績の引き上げ操業条件と
して、結晶長に応じたルツボ回転数の実績及び/又は炉
内圧の実績及び/又は不活性ガス流量の実績及び/又は
融液レベルの実績及び/又は結晶回転数の実績を用いる
ことにより、第1操作量では、上下限をオーバーして、
酸素濃度偏差を零に近づけられない場合に第2操作量、
第3操作量を実績に基づいて調整することにより、酸素
濃度偏差を零に近づけて、シリコン単結晶の品質及び歩
留りを向上させることが可能となる。
【0020】また、引き上げ操業条件の実績及び酸素濃
度測定値の実績を保存したデータベースとしてリレーシ
ョナル・データベースを使用することを特徴としてい
る。
【0021】引き上げ操業条件の実績及び酸素濃度測定
値の実績を保存したデータベースとしてリレーショナル
・データベースを使用することにより、データベースが
簡単に構築でき、また、SQL言語を利用して他のシス
テムからのアクセスも容易に可能となる。
【0022】また、引き上げ操業条件の実績及び酸素濃
度測定値の実績を保存したデータベースとしてフラット
・ファイルを用いたデータベースを使用することを特徴
としている。
【0023】引き上げ操業条件の実績及び酸素濃度測定
値の実績を保存したデータベースとしてフラット・ファ
イルを用いたデータベースを使用することにより、シス
テム独自のデータベースとなるため、他のシステムから
のアクセスは困難となりデータベースの安全性が確保で
きる。
【0024】また、本発明に係るシリコン単結晶の酸素
濃度制御装置は、過去に実施された単結晶引き上げに関
する引き上げ操作量の実績データ及び結晶品質データが
記憶されているデータベース部と、酸素濃度測定値と操
作量実績値に基づいて操作量が酸素濃度に及ぼす影響係
数を同定計算する同定計算部と、次回引き上げるときの
ルツボ回転数、炉内圧、不活性ガス流量等の操作量のプ
ロファイルに関する計算をする操作量設定部とを有する
ことを特徴としている。
【0025】上記したシリコン単結晶の酸素濃度制御装
置によれば、過去に引き上げの実績のあるデータを基
に、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影響係数が逐
次同定され、この影響係数と、参考バッチの酸素濃度偏
差及び制御因子の実績操業プロファイルを基準にして、
酸素濃度偏差が零になるべく制御因子の操業プロファイ
ルを学習制御して、次回の単結晶引き上げが実施される
ことになる。この結果、引き上げられたシリコン単結晶
全体の結晶中の酸素濃度を規格範囲内に確実、かつ容易
に収め得ると共に、繰り返し引き上げることによる経時
的な変化による結晶中の酸素濃度のずれの発生を抑制し
得ることとなり、引き上げられたシリコン単結晶の品質
及び歩留りを向上させ得ることとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシリコン単結
晶中の酸素濃度の制御方法の実施の形態を図面に基づい
て説明する。尚、従来例と同一機能を有する構成部品に
は同一の符号を付すこととする。
【0027】図1は実施の形態に係るシリコン単結晶中
の酸素濃度の制御方法を実施しながら、シリコン単結晶
を引き上げる際に用いられる結晶成長装置を模式的に示
した断面図である。ルツボ13の駆動装置、開口部19
に接続された真空ポンプ、不活性ガス供給装置には、図
2に示した同定計算部111、操作量設定部112、デ
ータベース部113等を含んで構成された制御手段11
0が接続されている。
【0028】データベース部113には、過去に実施さ
れた単結晶引き上げに関する引き上げ操作量の実績デー
タ及び結晶品質データが記憶されている。データベース
部113は、リレーショナル・データベース(RDB)
を用いれば、簡単に構築でき、また、SQL言語を利用
して他のシステムからのアクセスも容易に可能となる。
また、リレーショナル・データベース(RDB)を用い
ずに、ダイレクトアクセス方式またはインデックス方式
等のフラット・ファイルを用いたデータベースを独自に
構築しても良いが、この場合には、システム独自のDB
となる為、他のシステムからのアクセスは困難となる
が、データベースの安全性が確保される。
【0029】同定計算部111では、酸素濃度測定値と
操作量実績値に基づいて、操作量が酸素濃度に及ぼす影
響係数を同定計算するようになっている。また、操作量
設定部112では、次回引き上げるときのルツボ回転数
CRn+1、炉内圧Pn+1、不活性ガス流量Qn+1等の操作
量のプロファイルに関する計算をする。その他の構成
は、従来の結晶成長装置20と同様であるので、ここで
はその構成の詳細な説明は省略することとする。これら
制御手段110等を含んで実施の形態に係る結晶成長装
置10が構成されている。
【0030】以下に、このように構成された結晶成長装
置10を用い、シリコン単結晶中の酸素濃度の制御を行
ないながら単結晶を引き上げる場合について図2に基づ
き説明する。まず、次回バッチの引き上げ前に、引き上
げるべき単結晶の品種やその他の条件からデータベース
より、参考とするバッチを選定する。例えば、次に引き
上げる予定の単結晶の品種情報(品番、酸素濃度規格、
酸素濃度目標値等)を基に、過去に引き上げた実績のデ
ータベースをサーチして、該当品種の実績バッチを全て
リストアップした後に、下記の項目について判定し、実
績バッチに対して項目毎に評価点を計算し、総合評価点
が最も優れているものを参考バッチとして選定する。
【0031】引き上げ予定炉と実績バッチの炉号が一致
する否かの評価点:J(1) 引き上げ予定日と実績バッチの引き上げ日の期間評価
点:J(2) ヒータ使用時間差に関する評価点:J(3) ヒータ交換に関する評価点:J(4) 部品使用時間差に関する評価点:J(5) 部品交換に関する評価点:J(6) ........ 総合評価点:W=ΣJ(i)
【0032】次に、この参考バッチの単結晶に対して、
測定点miにおける酸素濃度測定値[Oi]act(Lmi
をデータベースより参照する。この各測定値[Oi]act
(Lmi)と各サンプルの引き上げ率Lmiとを制御手段1
10の同定計算部111に入力すると、同定計算部11
1において、酸素濃度測定値と操作量実績値に基づい
て、制御因子である操作量が酸素濃度に及ぼす影響係数
を同定計算される。
【0033】操作量設定部112では、次回引き上げる
時のルツボ回転数CRset,n+1、炉内圧Pset,n+1、不活
性ガス流量Qset,n+1等の操作量のプロファイルに関す
る計算を行うが、以下に具体的に記述する。
【0034】一般には、シリコン単結晶中の酸素濃度
[Oi ]は、引き上げ率L、ルツボ回転数CR、炉内圧
P、不活性ガス流量Q、融液レベルGAP、結晶回転数
SR、ヒータパワーHP、引き上げ速度FPに依存する
関数であると考えられ、数1式のように表現できる。
【0035】
【数1】
【0036】実際の結晶の引き上げに際しては、制御因
子である引き上げ操作量は、引き上げ率Lに応じてプロ
ファイルが与えられ、このプロファイルに従って、単結
晶の引き上げが実施される。例えば、 ルツボ回転数プロファイル:CR=CR(L) 炉内圧プロファイル:P=P(L) 不活性ガス流量プロファイル:Q=Q(L) 融液レベルプロファイル:GAP=GAP(L) 結晶回転数プロファイル:SR=SR(L) ヒータパワープロファイル:HP=HP(L) 引き上げ速度プロファイル:FP=FP(L) 等が考えられる。
【0037】もちろん、操作量によっては、引き上げ率
Lに応じて変化させる必要がないものもあるが、一般的
に、上記のように記述してよい。従って、各操作量のプ
ロファイルの決め方が重要であるが、本発明では、過去
に引き上げた実績のあるバッチを参考として次回のプロ
ファイルを決定する。参考とするバッチを以下では参考
バッチと記す。参考バッチをBnとすると、Bnの実績
操業プロファイルCR act,Bn(L)、Pact,Bn(L)、
act,Bn(L)、GAPact,Bn(L)、SR
ac t,Bn(L)、HPact,Bn(L)、FPact,Bn(L)
を、次回の単結晶引き上げに際しての各操作量の参考プ
ロファイルCRref(L)、Pref(L)、Q
ref(L)、GAPref(L)、SRref(L)、HPref
(L)、FPref(L)とする。
【0038】すなわち、下記に示すようになる。 ルツボ回転数参考プロファイル:CRref(L)=CR
act,Bn(L) 炉内圧参考プロファイル:Pref(L)=P
act,Bn(L) 不活性ガス流量参考プロファイル:Qref(L)=Q
act,Bn(L) 融液レベル参考プロファイル:GAPref(L)=GA
act,Bn(L) 結晶回転数参考プロファイル:SRref(L)=SR
act,Bn(L) ヒータパワー参考プロファイル:HPref(L)=HP
act,Bn(L) 引き上げ速度参考プロファイル:FPref(L)=FP
act,Bn(L)
【0039】参考バッチBnのデータベースには、酸素
濃度測定値[Oi]actが保存されており、測定位置
(=引き上げ率)と酸素濃度測定値および酸素濃度目標
値[Oi]aimの組合せが、下記のように得られる。
【0040】 {Lm1、[Oi]act,Bn(1)、[Oi]aim,Bn(1)} {Lm2、[Oi]act,Bn(2)、[Oi]aim,Bn(1)} {Lm3、[Oi]act,Bn(3)、[Oi]aim,Bn(1)} ・・・・・・ ・・・・・・
【0041】ここで、酸素濃度偏差Δ[Oi]errを、
酸素濃度測定値―酸素濃度目標値と定義すれば、数2式
で表現できる。
【0042】
【数2】Δ[Oi]err,Bn(i)=[Oi]
act,Bn(i)−[Oi]aim,Bn(i) (1≦i≦n)
【0043】シリコン単結晶中の酸素濃度[Oi ]は、
引き上げ率L、ルツボ回転数CR、炉内圧P、不活性ガ
ス流量Q、融液レベルGAP、結晶回転数SR、ヒータ
パワーHP、引き上げ速度FPに依存する関数であると
考えれば、その変化量に関しては、数3式のようにな
る。
【0044】
【数3】
【0045】単結晶中の酸素濃度を制御する為には、各
種の操作量があるが、以下では、第1操作量、第2操作
量、第3操作量として、ルツボ回転数CR、炉内圧P、
不活性ガス流量Qの場合を例示する。最初に、ルツボ回
転数にて酸素濃度偏差を零にすべく学習制御することを
考えると数4式なる関係が成り立てば良いから、学習制
御量ΔCR(i)は数5式となる。ここで、∂f/∂C
Rは、ルツボ回転数が結晶中の酸素濃度へ与える影響係
数であり、事前に実験等で求めておくか、あるいは、後
ほど記述するようにバッチ毎に同定した値を使う。
【0046】
【数4】
【0047】
【数5】
【0048】ここで、{ΔCR(i)}(i=1,2,3,・
・・,n)は、離散的にしか得られないので、操作量の
プロファイルを引き上げ率Lに応じて修正するΔCR
(L)(0≦L≦1)は、上記の{ΔCR(i)}(i
=1,2,3,・・・,n)を折れ線にて近似した引き上げ率
Lの関数とする。特に、L=Lmiの場合には、ΔCR
(Lmi)=ΔCR(i)となる。
【0049】以下では、ルツボ回転数の参考プロファイ
ルCRref(L)は折れ線状に与えられているものとす
る。すなわち、引き上げ率Lが、L0(=0)、L1、L
2、.....、LN(=1)において、CR0,CR1
CR2,・・・,CRNの値をとり、その中間は直線補間
された値をとる。
【0050】いま、 CR0'=CR0+δCR0 CR1'=CR1+δCR1 CR2'=CR2+δCR2 ・・・・・・ CRN'=CRN+δCRN とし、このルツボ回転数プロファイルをCR'(L)と
すれば数6式が最小値となるように、あるいは、所定の
値εCR以下となるように、δCR0、δCR1、δC
2、・・・・・δCRNを選ぶ。
【0051】
【数6】
【0052】また、引き上げ率Lが、L0(=0)、
1、L2、・・・・・、LN(=1)において、δC
0,δCR1,δCR2,・・・,δCRNの値をとり、
その中間は直線補間された値をとる関数を、δCR
modify(L)と表す。そこで、操作量設定部112にお
いて、次回の引き上げのルツボ回転数のプロファイルC
set,n+ 1(L)を、数7式のように与える。
【0053】
【数7】CRset,n+1(L)=CRact,Bn(L)+GCR
(L)×δCRmodify(L) ここに、GCR(L)は、学習制御ゲインであり、(0≦
CR(L)≦1)である。
【0054】なお、CRset,n+1(L) 、δCRmodify
(L) 及び引き上げ率方向におけるCRset,n+1(L)
の変化量∂CRset,n+1(L)/∂Lには、それぞれ上
下限値を予め設定しておき、これら上下限値がある為に
ルツボ回転数で補償しきれない場合は次のステップの炉
内圧Pにより補償する。
【0055】次に、炉内圧プロファイルを利用すること
を考えると数8式なる関係が成り立てば良いから、学習
制御量ΔP(i)は数9式となる。ここで、∂f/∂P
は、炉内圧が結晶中の酸素濃度へ与える影響係数であ
り、事前に実験等で求めておくか、あるいは、後ほど記
述するようにバッチ毎に同定した値を使う。
【0056】
【数8】
【0057】
【数9】
【0058】ここで、{ΔP(i)}(i=1,2,3,・・
・,n)は、離散的にしか得られないので、操作量のプ
ロファイルを引き上げ率Lに応じて修正するΔP(L)
(0≦L≦1)は、上記の{ΔP(i)}(i=1,2,3,
・・・,n)を折れ線にて近似した引き上げ率Lの関数
とする。特に、L=Lmiの場合には、ΔP(Lmi)=Δ
P(i)となる。
【0059】以下では、炉内圧の参考プロファイルP
ref(L)は折れ線状に与えられているものとする。す
なわち、引き上げ率Lが、L0(=0)、L1
2、.....、LN(=1)において、P0,P1,P
2,・・・,PNの値をとり、その中間は直線補間された
値をとる。
【0060】いま、 P0'=P0+δP01'=P1+δP12'=P2+δP2 ・・・・・・ PN'=PN+δPN とし、この炉内圧プロファイルをP'(L)とすれば、
数10式が最小値となるように、あるいは、所定の値ε
P以下となるように、δP0、δP1、δP2、・・・・・
δPNを選ぶ。
【0061】
【数10】
【0062】また、引き上げ率Lが、L0(=0)、
1、L2、.....、LN(=1)において、δP0
δP1,δP2,・・・,δPNの値をとり、その中間は
直線補間された値をとる関数を、δPmodify(L)と表
す。そこで、操作量設定部112において、次回の引き
上げの炉内圧のプロファイルPset,n+1(L)を、数1
1式のように与える。
【0063】
【数11】Pset,n+1(L)=Pact,Bn(L)+G
P(L)×δPmodify(L) ここに、GP(L)は、学習制御ゲインであり、(0≦
P(L)≦1)である。
【0064】なお、Pset,n+1(L) 、δP
modify(L)及び引き上げ率方向におけるP
se t,n+1(L)の変化量∂Pset,n+1(L)/∂Lには、
それぞれ上下限値を予め設定しておき、これら上下限値
がある為に炉内圧で補償しきれない場合は次のステップ
の不活性ガス流量により補償する。
【0065】次に、不活性ガス流量プロファイルを利用
することを考えると数12式なる関係が成り立てば良い
から、学習制御量ΔQ(i)は数13式となる。ここ
で、∂f/∂Qは、不活性ガス流量が結晶中の酸素濃度
へ与える影響係数であり、事前に実験等で求めておく
か、あるいは、後ほど記述するようにバッチ毎に同定し
た値を使う。。
【0066】
【数12】
【0067】
【数13】
【0068】ここで、{ΔQ(i)}(i=1,2,3,・・
・,n)は、離散的にしか得られないので、操作量のプ
ロファイルを引き上げ率Lに応じて修正するΔQ(L)
(0≦L≦1)は、上記の{ΔQ(i)}(i=1,2,3,
・・・,n)を折れ線にて近似した引き上げ率Lの関数
とする。特に、L=Lmiの場合には、ΔQ(Lmi)=Δ
Q(i)となる。
【0069】以下では、不活性ガス流量の参考プロファ
イルQref(L)は折れ線状に与えられているものとす
る。すなわち、引き上げ率Lが、L0(=0)、L1、L
2、.....、LN(=1)において、Q0,Q1
2,・・・,QNの値をとり、その中間は直線補間され
た値をとる。
【0070】いま、 Q0'=Q0+δQ01'=Q1+δQ12'=Q2+δQ2 ・・・・・・ QN'=QN+δQN とし、この不活性ガス流量プロファイルをQ'(L)と
すれば、数14式が最小値となるように、あるいは、所
定の値εQ以下となるように、δQ0、δQ1、δQ2、・
・・・・δQNを選ぶ。
【0071】
【数14】
【0072】また、引き上げ率Lが、L0(=0)、
1、L2、.....、LN(=1)において、δQ0
δQ1,δQ2,・・・,δQNの値をとり、その中間は
直線補間された値をとる関数を、δQmodify(L)と表
す。そこで、操作量設定部112において、次回の引き
上げの不活性ガス流量のプロファイルQset,n+1(L)
を、数15式のように与える。
【0073】
【数15】Qset,n+1(L)=Qact,Bn(L)+G
Q(L)×δQmodify(L) ここに、GQ(L)は、学習制御ゲインであり、(0≦
Q(L)≦1)である。
【0074】なお、Qset,n+1(L) 、δQ
modify(L)及び引き上げ率方向におけるQ
se t,n+1(L)の変化量∂Qset,n+1(L)/∂Lには、
それぞれ上下限値を予め設定しておく。
【0075】次にこれらの操作量に基づいて、真空ポン
プを駆動させてチャンバ11内を所定圧力に設定すると
共に、ガス供給装置を駆動させてチャンバ11内に所定
流量の不活性ガスを導入する。次にヒータ14に電流を
流してルツボ13を加熱し、溶融液15を形成する。次
にワイヤ16cに吊設された種結晶保治具16b先端の
種結晶16aを溶融液15表面に接触させた後、ルツボ
13及び引き上げ装置16を所定速度で回転させながら
巻き上げ機16dでワイヤ16cを巻き上げ、溶融液1
5を凝固させてシリコン単結晶17を成長させつつ引き
上げる。
【0076】以上の例示では、第1操作量、第2操作
量、第3操作量をそれぞれ、ルツボ回転数、炉内圧、不
活性ガス流量として説明しているが、操作の順は、これ
に限定されるものではない。また、他の操作量を取り入
れることも同様に可能である。
【0077】また、上記では、引き上げ操業因子(ルツ
ボ回転数、炉内圧、不活性ガス流量等)が結晶中の酸素
濃度へ与える影響係数を事前に同定された値を用いる場
合を説明しているが、下記のようにバッチ毎に逆算同定
するようにしても良い。 前回(参考バッチBn)のルツボ回転数実績プロファイ
ル:CRact,Bn(L) 前回(参考バッチBn)の炉内圧実績プロファイル:P
act,Bn(L) 前回(参考バッチBn)の不活性ガス流量実績プロファ
イル:Qact,Bn(L) 前回(参考バッチBn)の酸素濃度測定値:{(L
Bn,mi、[Oi]act,Bn(i))}(i=1,..,
n) 前々回(参考バッチBn-1)のルツボ回転数実績プロフ
ァイル:CRact,Bn-1(L) 前々回(参考バッチBn-1)の炉内圧実績プロファイ
ル:Pact,Bn-1(L) 前々回(参考バッチBn-1)の不活性ガス流量実績プロ
ファイル:Qact,Bn-1(L) 前々回(参考バッチBn-1)の酸素濃度測定値:{(L
Bn-1,mi、[Oi]ac t,Bn-1(i))}(i=
1,...,k) 引き上げ率の代表ポイントLmiを1つ以上選び(i=
1,..,K)、この代表ポイントでの値を上記の各操
作量の実績プロファイルから決定する。例えば、内挿し
て求める。酸素濃度測定値についても同様。
【0078】次に、 δCRact(Lmi)=CRact,Bn(Lmi)−CR
act,Bn-1(Lmi) δPact(Lmi)=Pact,Bn(Lmi)−Pact,Bn-1(L
mi) δQact(Lmi)=Qact,Bn(Lmi)−Qact,Bn-1(L
mi) δ[Oi]act(Lmi)=[Oi]act,Bn(Lmi)−
[Oi]act,Bn-1(Lmi) このとき、数16式が最小となるように、あるいは、所
定の値εest以下となるように影響係数(Δ[Oi]/
ΔCR)act 、(Δ[Oi]/ΔP)act および(Δ
[Oi]/ΔQ)actを決定する。
【0079】
【数16】
【0080】また、操作量の変更が、単独とみなせる場
合には、より簡潔に逆算影響係数を数17式から数19
式のように求めてもよい。
【0081】ルツボ回転数の変更が、単独動作と見なせ
る場合。
【数17】
【0082】炉内圧の変更が、単独動作と見なせる場
合。
【数18】
【0083】不活性ガス流量の変更が、単独動作と見な
せる場合。
【数19】
【0084】もちろん、操作量の変更が単独とみなせる
場合においても、数16式のアプローチを用いても良
い。
【0085】上記のように逆算同定された影響係数を用
いて、下記数20式から数22式のように 設定計算に
用いる影響係数を修正する。
【0086】
【数20】
【0087】
【数21】
【0088】
【数22】
【0089】ここで、ωCR、ωP、ωQは平滑ゲインであ
り、0以上1以下の値である。これらのバッチ毎に逆算
された影響係数を用いる場合は、前記記載の数5式、数
9式、数13式の代わりに、下記の数23式、数24
式、数25式を使用する。
【0090】
【数23】
【0091】
【数24】
【0092】
【数25】
【0093】以上のバッチ毎に影響係数を逆算同定する
説明では、第1操作量、第2操作量、第3操作量をそれ
ぞれ、ルツボ回転数、炉内圧、不活性ガス流量として説
明しているが、操作の順は、これに限定されるものでは
なく、また、他の操作量を取り入れた場合でも同様に取
り扱うことができる。
【0094】上記説明から明らかなように、実施の形態
に係るシリコン単結晶中の酸素濃度の制御方法では、過
去の引き上げ実績から参考バッチを選択した後に、操作
量が単結晶中の酸素濃度に及ぼす影響係数を過去の引き
上げ実績に基づいてバッチ毎に同定し、更に、当該バッ
チの酸素濃度測定値と酸素濃度目標値との偏差が零にな
るように学習制御を行って、ルツボ回転数CR、炉内圧
P、不活性ガス流量Q等の操作量が自動的に設定され
る。
【0095】この結果、引き上げられた単結晶17全体
の単結晶中の酸素濃度を規格範囲内に確実、かつ容易に
収めると共に、繰り返し引き上げることによる経時的な
変化による単結晶中の酸素濃度のずれの発生を抑制する
ことができ、引き上げられた単結晶17の品質及び歩留
りを向上させることができる。
【0096】尚、上記実施の形態に係る単結晶中の酸素
濃度の制御方法では操作量にルツボ回転数CR、炉内圧
P及び不活性ガス流量Qを用いた場合について説明した
が、この中のいずれか一つ、あるいはいずれか二つを用
いてもよいし、あるいはこれら以外の操作量を加えて用
いてもよい。
【0097】
【実施例】以下に、実施の形態に係る単結晶中の酸素濃
度の制御方法を実施してシリコン単結晶17を引き上げ
た結果について説明する。
【0098】図3は酸素濃度制御の結果をプロット図で
あり、引き上げ率18.75%及び68.75%におけ
るルツボ回転数、炉内圧、不活性ガス流量の操作量の変
化と、引き上げ率18.75%及び68.75%におけ
る各引き上げバッチごとの結晶中の酸素濃度の推移とを
示している。尚、この時のチャージ量は、140kg、
単結晶の直径は212mm、酸素濃度目標値は、12.
95×1017[atoms/cm3]であった。
【0099】また、図4は、図3中の3バッチ目に対す
る引き上げ率と酸素濃度の関係を示したものであるが、
引き上げ率全体に渡って、均一に酸素濃度が制御されて
いることがわかる。
【0100】この図から明らかなように、バッチ間の単
結晶中の酸素濃度のばらつきが少なく、いずれも酸素濃
度規格値に入っていることが確認された。また、他の操
作量を用いた場合や別の炉においても、同様に良好な結
果が得られることが確認された。
【0101】
【本発明の効果】以上詳述したように本発明に係るシリ
コン単結晶中の酸素濃度の制御方法にあっては、操作量
が単結晶中の酸素濃度に与える影響係数がバッチ毎に同
定されると共に、参考バッチの酸素濃度測定値と酸素濃
度目標値との偏差が零になるように学習制御を行って、
制御因子の操作量が自動的に設定される。この結果、引
き上げられた単結晶全体の結晶中の酸素濃度を規格範囲
内に確実、かつ容易に収めると共に、繰り返し引き上げ
ることによる経時的な変化による結晶中酸素濃度のずれ
の発生を抑制することができ、引き上げられた単結晶の
品質及び歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のCZ法及び本発明の実施の形態に係る結
晶成長装置を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明に係る結晶中の酸素濃度の制御方法の実
施の形態を概略的に示したフロー図である。
【図3】実施例に係る結晶中の酸素濃度の制御方法によ
りシリコン単結晶を引き上げた結果を示したプロット図
であり、引き上げ率18.75%及び68.75%にお
けるルツボ回転数、炉内圧、不活性ガス流量の操作量の
変化と、各引き上げバッチごとの結晶中の酸素濃度の推
移とを示したものである。
【図4】実施例に係わる結晶中の酸素濃度の制御方法に
よりシリコン単結晶を引き上げ結果を示した図であり、
引き上げ率と結晶中の酸素濃度を示したものである。
【符号の説明】
10 結晶成長装置 11 チャンバ 13 ルツボ 13a 石英ルツボ 15 溶融液 17 単結晶
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月28日(2002.5.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】上記の目的を達成する為に本発明に係る結
晶中の酸素濃度の制御方法は、チョクラルスキー法によ
るシリコン単結晶の引き上げ方法において、過去に引き
上げたシリコン単結晶の引き上げ操業条件の実績を基に
次回の引き上げ条件を決定する際に、影響係数を用いて
修正することを特徴としている。上記したシリコン単結
晶中の酸素濃度制御方法によれば、引き上げられたシリ
コン単結晶全体の結晶中の酸素濃度を規格範囲内に確
実、かつ容易に収め得ると共に、繰り返し引き上げるこ
とによる経時的な変化による結晶中の酸素濃度のずれの
発生を抑制し得ることとなり、引き上げられたシリコン
単結晶の品質及び歩留りを向上させ得ることとなる。ま
た、本発明に係る結晶中の酸素濃度の制御方法は、チョ
クラルスキー法によるシリコン単結晶の引き上げにおい
て、過去に引き上げたバッチの結晶長に応じた引き上げ
操業条件の実績及び酸素濃度測定値の実績を保存したデ
ータベースを具備し、次回の引き上げ条件に応じて前記
データベースから参考とするバッチを選定した後に、当
該参考バッチにおける引き上げ操業条件の実績および酸
素濃度測定値の実績から、制御因子が結晶中の酸素濃度
に与える影響係数を同定して影響係数を逐次修正し、こ
の逐次修正された影響係数を用いて、参考バッチの酸素
濃度偏差が零になるべく制御因子の操業プロファイルを
学習制御して、参考バッチの引き上げ操業条件を修正
し、次回の引き上げ操業条件を決定することを特徴とし
ている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 勝則 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 住友金属工業株式会社シチックス事業本部 内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EA06 EH08 EH10 HA12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の引き上げ方法において、過去に引き上げたバッチの
    結晶長に応じた引き上げ操業条件の実績及び酸素濃度測
    定値の実績を保存したデータベースを具備し、次回の引
    き上げ条件に応じて前記データベースから参考とするバ
    ッチを選定した後に、当該参考バッチにおける引き上げ
    操業条件の実績および酸素濃度測定値と酸素濃度目標値
    との偏差から、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影
    響係数を用いて、参考バッチの酸素濃度偏差が零になる
    べく制御因子の操業プロファイルを学習制御して、参考
    バッチの引き上げ操業条件を修正し、次回の引き上げ操
    業条件を決定することを特徴とするシリコン単結晶の酸
    素濃度制御方法。
  2. 【請求項2】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の引き上げ方法において、過去に引き上げたバッチの
    結晶長に応じた引き上げ操業条件の実績及び酸素濃度測
    定値の実績を保存したデータベースを具備し、次回の引
    き上げ条件に応じて前記データベースから参考とするバ
    ッチを選定した後に、当該参考バッチにおける引き上げ
    操業条件の実績および酸素濃度測定値と酸素濃度目標値
    との偏差から、制御因子が結晶中の酸素濃度に与える影
    響係数を逆算同定して影響係数を逐次修正し、この逐次
    修正された影響係数を用いて、参考バッチの酸素濃度偏
    差が零になるべく制御因子の操業プロファイルを学習制
    御して、参考バッチの引き上げ操業条件を修正し、次回
    の引き上げ操業条件を決定することを特徴とするシリコ
    ン単結晶の酸素濃度制御方法。
  3. 【請求項3】 結晶長に応じた実績の引き上げ操業条件
    として、結晶長に応じたルツボ回転数の実績及び/又は
    炉内圧の実績及び/又は不活性ガス流量の実績及び/又
    は融液レベルの実績及び/又は結晶回転数の実績を用い
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の酸
    素濃度制御方法。
  4. 【請求項4】 データベースとしてリレーショナル・デ
    ータベースを使用することを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のシリコン単結晶の酸素濃度制御方法。
  5. 【請求項5】 データベースとしてフラット・ファイル
    を用いたデータベースを使用することを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の酸素濃度
    制御方法。
  6. 【請求項6】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶の引き上げ装置において、過去に実施された単結晶引
    き上げに関する引き上げ操作量の実績データ及び結晶品
    質データが記憶されているデータベース部と、酸素濃度
    測定値と操作量実績値に基づいて操作量が酸素濃度に及
    ぼす影響係数を同定計算する同定計算部と、次回引き上
    げるときのルツボ回転数、炉内圧、不活性ガス流量等の
    操作量のプロファイルに関する計算をする操作量設定部
    とを有することを特徴とするシリコン単結晶の酸素濃度
    制御装置。
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WO2006064610A1 (ja) * 2004-12-16 2006-06-22 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. 単結晶の製造方法およびアニールウェーハの製造方法
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