JP2003040004A - リクライニング機能、前方ダンピング機能、メモリーリターン機能、平坦折り畳み機能を有する改良された車両シートヒンジ機構 - Google Patents

リクライニング機能、前方ダンピング機能、メモリーリターン機能、平坦折り畳み機能を有する改良された車両シートヒンジ機構

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 回転リクライニング機能、前方ダンピング機
能、リターンメモリー機能を供えた改良された車両シー
トヒンジ機構であって、信頼性があり、費用効率が高
く、軽量で且つ小型で、大量生産が容易で、組み立てが
簡単な装置を提供する。 【解決手段】 回転リクライナ26の固定された部分
は、ハンドル28を有しており、クッションプレート2
2に装着されている。アイドラープレート40は、リク
ライナ26の可動部分に装着され、リクライナと共に回
転できる。シートバックを支持するセクタプレート36
は、アイドラープレートに対して第1の位置を有し、ラ
ッチ50によりアイドラープレートに固定可能であり、
ハンドルの制御下でアイドラープレートと共に回転でき
る。ラッチ係合が解除されると、セクタプレートは、前
方に回転することができる。ラッチは、バネによって付
勢され、第1の位置へと戻るように後方に回転する時
に、セクタプレートと再び係合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両シート用のヒ
ンジ機構に関し、特に、リクライニング機能、前方ダン
ピング機能、メモリーリターン機能、平坦折り畳み機能
を有する改良された車両シートヒンジ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乗用車は、リクライニング機能
および前方ダンピング機能の両方を有する車両シートア
センブリを備えている。これらの機能によれば、ユーザ
が好ましいシート位置を選択できるように、シートバッ
クを略直立な空間を占める位置の範囲で、下側旋回軸を
中心にシートバックを選択的に倒すことができるととも
に、いわゆる「ダンプ位置」に向けてシートバックを前
記下側旋回軸を中心に前方に迅速に傾動させることがで
きる。ダンプ位置において、シートバックは、空間を占
めない位置へと前方に傾けられ、シートクッションの上
側に垂直な角度関係で突出する。これにより、シートア
センブリの後部にある車両の内部空間に対する出入りが
容易になる。
【0003】そのような車両シートアセンブリは、一般
に、車両シートアセンブリの両側に配置された一対の車
両シートヒンジ機構を備えている。そのような各ヒンジ
機構は、シートクッションに取り付け固定されたシート
クッション装着プレートと、シートバックに動作可能に
取り付け固定されたセクタプレートとを有している。
【0004】対を成す2つの各ヒンジ機構は、一般に、
この技術で良く知られているように、スレーブロッドシ
ステムまたはケーブルシステムによって互いに接続され
て同時に動作するようになっており、これにより、各シ
ートアセンブリに関連付けられた対を成す車両シートヒ
ンジの全ての機能を制御するために必要なユーザハンド
ルの総数を減らすことができるようになっている。
【0005】前述した一般的な態様で下側旋回軸を中心
としたシートバックのリクライニングを制御するため
に、ヒンジ機構では、一般に、回転リクライナが使用さ
れる。既知の回転リクライナの利点は、比較的安価に製
造でき、実質的に内部に封入された作動部品を有し(信
頼性および安全性に寄与する)、比較的軽量であり、比
較的小型のエンベロープ内に実装することができるとい
う点である。2002年1月8日に発行され且つ参照す
ることにより本願に組み込まれるスマック(Smuk)等の
米国特許第6,336,679号には、1つの適した回
転リクライナが開示されている。
【0006】「メモリーリターン」機能をシートアセン
ブリに設けることが望ましい場合がある。メモリーリタ
ーン機能は、好ましいシート位置がユーザによって選択
されると、ダンピング操作後にシートバックが好ましい
位置に戻される時に、シートバックを自動的にロックす
る。
【0007】回転リクライナを使用し且つメモリーリタ
ーン機能を備えた車両シートアセンブリは、従来技術に
おいて一般に知られていない。どちらかと言えば、回転
リクライナを有し且つメモリーリターン機能を備えた従
来の殆どのヒンジ機構は、一般に、回転リクライナの外
側にあり且つ高価で組み立てが困難な比較的大きな型打
ちされた金属部品に依存しており、その結果、シートア
センブリの重量が過度に大きくなり、あるいは、複雑な
マスター・スレーブ調整ロッドシステムを備える。その
ようなシステムは、2001年11月13日に発行され
たストーン(Stone)等の米国特許第6,315,36
1号に開示されている。
【0008】ミニバンやスポーツ仕様車等の乗用車と実
用車とを兼ねるタイプの車両は、一般に、前記下側旋回
軸の上側に位置する高い旋回軸を中心にシートバックを
折り畳み平坦位置へと前方に傾動させることができる
「平坦折り畳み」機能が追加された第2列シート、時と
して、第3列シートを有している。折り畳み平坦位置で
は、シートバックがシートクッションの上側で略水平に
横たわる。このような位置で、シートバックの背面は、
負荷支持面を構成する。したがって、シートバックを折
り畳み平坦位置に配置すると、大きい又は長い物を車両
の内側に載せて運ぶことが容易となり、ブリーフケー
ス、ラップトップ型コンピュータ、食料品、飲物といっ
た車両で見られる物品のための便利で且つ略水平な負荷
支持面を形成できる。一般に、殆どの車両シートアセン
ブリにおいて、シートバックの背面は、シートクッショ
ンに対し、下側旋回軸を中心とするかなり大きな垂直傾
斜角度を保持しているため、ダンピング動作中に、安全
な負荷支持面を形成できる十分な水平度にならない。そ
のため、バックレストの背面によって形成される負荷支
持面を十分に水平に方向付けるためには、一般に、第1
の旋回軸の上側に位置する前述した高い旋回軸を中心に
シートバックを旋回させる必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、回転リクライニング機能、前方ダンピング機
能、リターンメモリー機能を与える改良された車両シー
トヒンジ機構であって、同様の機能を有する従来の装置
と比較して、信頼性があり、費用効率が高く、軽量で且
つ小型で、大量生産が容易で、組み立てが簡単で、全体
がコンパクトで簡単な装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明においては、車両
シートアセンブリに使用可能な改良された車両シートヒ
ンジ機構が開示される。改良された車両シートヒンジ機
構は、シートクッション装着プレートと、回転リクライ
ナと、セクタプレートと、シートバック装着プレートと
を有している。シートクッション装着プレートは、車両
シートクッションに取り付け固定されている。回転リク
ライナは、第1の部分と第2の部分とを有している。第
1の部分は、下側旋回軸を規定するとともに、前記シー
トクッション装着プレートに取り付け固定されている。
第2の部分は、第1の部分に装着され、リクライナ作動
ハンドルの制御下で、前記下側旋回軸を中心に第1の部
分に対し選択的に旋回動作できる。セクタプレートは、
回転リクライナの第2の部分に動作可能に装着され、前
記リクライナ作動ハンドルの制御下で下側旋回軸を中心
に第2の部分と共に選択的に旋回動作でき、これによっ
て、前記下側旋回軸を中心とする前記セクタプレートの
第1の旋回動作形態を規定する。シートバック装着プレ
ートは、前記セクタプレートに動作可能に装着されると
ともに、車両シートバックに取り付け固定される。
【0011】ここに開示された改良された車両シートヒ
ンジ機構は、前記車両シートアセンブリに取り付けられ
ると、前記第1の旋回動作形態で動作する前記セクタプ
レートの作用により、前記シートバックが、好ましいシ
ート位置、完全起上位置、完全倒伏位置を含む角度位置
範囲内で、前記下側旋回軸を中心に前記シートクッショ
ンに対して旋回動作することができる。
【0012】本発明の一形態において、セクタプレート
は、アイドラープレートにより、前記回転リクライナの
前記第2の部分に装着される。
【0013】アイドラープレートは、前記第2の部分に
対して固定的に装着され、リクライナ作動ハンドルの制
御下で、セクタプレート、アイドラープレートおよび第
2の部分と共に、前記下側旋回軸を中心に前記第1の旋
回動作形態で選択的に旋回動作できる。アイドラープレ
ートは、セクタプレートが軸支される支持面を有し、こ
れによって、前記セクタプレートは、下側旋回軸を中心
に、第1の位置と第2の位置との間で、前記アイドラー
プレートに対し旋回動作することができ、これにより、
前記下側旋回軸を中心とするセクタプレートの第2の旋
回動作形態が規定され、また、前記改良された車両シー
トヒンジ機構が前記車両シートアセンブリに取り付けら
れると、前記第2の旋回動作形態で動作する前記セクタ
プレートの作用により、前記シートバックは、セクタプ
レートがその第1の位置となる一次位置と、一次位置に
対して前方に傾けられた位置であって且つセクタプレー
トがその第2の位置となる二次位置との間で、前記下側
旋回軸を中心に前記シートクッションに対し旋回動作す
ることができる。
【0014】改良された車両シートヒンジ機構は、急速
解除作動部材と、セクタプレートをその第1の位置でア
イドラープレートに対し選択的に解除可能に固定して、
セクタプレートの第2の旋回動作形態での動作を防止す
る第1のロック手段であって、前記急速解除作動部材の
制御下で固定が解除される第1のロック手段と、第1の
ロック手段の前記固定を引き起こす第1の付勢手段とを
更に備えている。
【0015】したがって、改良された車両シートヒンジ
機構は、車両シートアセンブリに取り付けられると、リ
クライナ作動ハンドルの制御下で、前記第1の旋回動作
形態で動作する前記セクタプレートにより、シートバッ
クを前記好ましいシート位置へと利用可能な角度位置範
囲内で選択的に旋回動作することができるリクライニン
グ機能を与える。シートバックが好ましい位置にある時
に、使用者によってリクライナ作動ハンドルが解除され
ると、回転リクライナが再びロックして、シートバック
を前記好ましいシート位置に保持する。
【0016】ここに開示された改良された車両シートヒ
ンジ機構は、急速解除作動部材の制御下で、前記第2の
旋回動作形態で動作する前記セクタプレートの作用によ
り、シートバックを、前記選択された位置から、シート
バックがシートクッションの上に突き出る前方のダンプ
位置へと前方に傾動させることができるダンピング機能
を与える。改良された車両シートヒンジ機構は、ダンピ
ング動作後にシートバックが前記第2の旋回動作形態で
前記選択された位置へと戻る時に、前記第1のロック手
段の作用により、シートバックメモリを更に与える。
【0017】本発明の他の形態においては、好ましく
は、セクタプレートが上側旋回軸を規定し、シートバッ
ク装着プレートは、シートバック軸を規定するととも
に、前記セクタプレート上に装着され、シートバック軸
が下側旋回軸に対して略径方向に配置される延伸位置と
延伸位置に対して略垂直な倒伏位置との間で、前記上側
旋回軸を中心にセクタプレートに対し旋回動作すること
ができる。これにより、前記ヒンジ機構が前記車両シー
トアセンブリに取り付けられると、延伸位置と倒伏位置
との間で旋回動作する前記シートバック装着プレートの
作用により、前記シートバックを、角度位置範囲内の略
直立位置と、シートバックがシートクッションの上で略
水平に横たわる折り畳み平坦位置との間で、前記シート
クッションに対して旋回動作できる平坦折り畳み機能を
与える。
【0018】本発明の更なる形態において、ヒンジ機構
は、シートバック装着プレートをその延伸位置で選択的
に解除可能に固定する第2のロック手段を更に備えてい
ることが好ましい。
【0019】本発明の更なる他の形態において、ヒンジ
機構は、直立位置に対して後方に傾けられたトリガ位置
から直立位置に向かってシートバックが旋回動作する時
に、リクライナ作動部材の制御下で、第2のロック手段
を解除する作動手段を更に備えていることが好ましい。
【0020】本発明の更なる他の形態において、ヒンジ
機構は、回転リクライナの第1の部分に動作可能に装着
され且つレスト位置と使用位置との間で旋回動作できる
とともに、回転リクライナに動作可能に接続され且つレ
スト位置から離間するように移動した時に回転リクライ
ナの第2の部分の前記旋回動作を許容するリクライナ作
動ハンドルを更に備えていることが好ましい。
【0021】本発明の更なる他の形態において、好まし
くは、急速解除作動部材が急速解除作動ハンドルであ
り、この急速解除作動ハンドルは、セクタプレートの上
部に旋回動作可能に装着されてレスト位置とダンピング
位置との間で動作できるとともに、第1のロック手段に
動作可能に接続され且つダンピング位置へ移動した時に
第1のロック手段を解除する。
【0022】本発明の他の利点、特徴、性質、および、
操作方法と関連部材の機能、並びに、部品の組み合わせ
及び製造の経済性は、添付図面を参照しながら、以下の
詳細な説明および添付のクレームを考慮すれば、一層明
確になる。
【0023】図中、車両シートアセンブリのシートバッ
クおよびシートクッションの一部のみが示されている。
同様に、分かり易くするため、ヒンジ機構以外の車両シ
ートアセンブリの構成部品は仮想線で示されている。
【0024】
【発明の実施の形態】図13および図15には、本発明
に係る改良された車両シートヒンジ機構の好ましい実施
形態が示されている。図中、車両シートヒンジ機構が参
照符号20で示されており、また、図面全体にわたっ
て、同様の部品には共通の参照符号が使用されている。
【0025】様々な部品及びそのような部品間の相互作
用、本発明の用途および動作の詳細については、以下の
段落で詳しく説明する。
【0026】しかしながら、以下の説明では、より明確
となるように、好ましい実施形態の主要な複数の構成部
品及びそれらの一般的な動作形態について最初に説明す
る。
【0027】この点に関し、改良された車両シートヒン
ジ機構20がシートクッション装着プレート22を備え
ていることは言うまでもない。この技術分野で良く知ら
れているように、シートクッション装着プレート22
は、従来の固定手段(図示せず)により、車両シートク
ッションに取り付け固定される。特に、図1では、シー
トクッション装着プレートがシートクッション24に取
り付けられるように図示されている。
【0028】図14および図16に明確に示されるよう
に、回転リクライナ26およびリクライナ作動ハンドル
28も含まれている。
【0029】他のタイプの既知の回転リクライナをこの
種の用途に使用できるが、図示のような特定の形式の回
転リクライナであって、本用途に適する回転リクライナ
は、ミシガン州トロイ所在のフォーリシア・オートモー
ティヴ・シーティング,インコーポレイテッド(Faures
ia Automotive Seating, Inc.)から、右手用では不連
続円形リクライナ部品番号499202号として、左手
用では不連続円形リクライナ部品番号4999203号
として市販されている(右手用だけが図示されてい
る)。
【0030】回転リクライナ26は、第1の部分30と
第2の部分32とを有している。図15に明確に示され
るように、第1の部分30は、下側旋回軸Aを規定して
おり、従来の手段により、例えばシートクッション装着
プレート22に設けられた補助穴21内にタブ23を挿
し込むことにより、シートクッション装着プレート22
に対して強固に取り付けられる。回転リクライナ26の
第2の部分32は、第1の部分30に装着されており、
下側旋回軸Aを中心に第1の部分30に対して選択的に
旋回動作することができる。図16に明確に示されるよ
うに、リクライナ作動ハンドル28は、シートクッショ
ン装着プレート22を通じて第1の部分30から下側旋
回軸Aと一直線を成して突出する制御シャフト34によ
り、第1の部分30に対して動作可能に装着されてお
り、図2および図3にそれぞれ示されるレスト位置と使
用位置との間で下側旋回軸Aを中心に旋回動作すること
ができる。シャフト34は、回転リクライナの内部作動
によって付勢され、リクライナ作動ハンドル28をレス
ト位置へと移動される。この場合、回転リクライナ26
がロックする。
【0031】この技術分野で知られているように、回転
リクライナ26の内部ロック部品(図示せず)は、これ
らがその各固定位置から離間するように移動すると、第
1の部分30に対して第2の部分32を選択的に回転さ
せることができる。このような内側ロック部品は制御シ
ャフト34に動作可能に接続されており、図3に矢印F
で示されるように、ユーザがリクライナ作動ハンドル2
8をそのレスト位置から離間させるように移動させる
と、内側ロック部品がそのロック位置から離間するよう
に移動される。
【0032】特に図13に示されるように、ヒンジ機構
20は、第2の部分32上に(以下の段落で詳細に説明
するような方法で)動作可能に装着されるセクタプレー
ト36を更に備えている。セレクタプレート36は、前
述したリクライナ作動ハンドル28の制御下で、第2の
部分32と共に、下側旋回軸Aを中心に選択的に旋回す
ることができる。これにより、図3に矢印Gで示される
ように、下側旋回軸Aを中心としたセクタプレート36
の第1の旋回動作形態が規定される。
【0033】同様に、シートバック装着プレート38も
設けられており、このシートバック装着プレート38
は、以下の段落で詳細に説明するような方法で、セクタ
プレート36上に動作可能に装着される。シートバック
装着プレート38は、この技術で良く知られた従来の手
段により、車両シートバックに取り付け固定される。図
1では、シートバック装着プレート38がシートバック
39に取り付けられるように示されている。
【0034】当業者であれば分かるように、前述の組み
合わせは、従来のものであり、リクライナ作動ハンドル
28の簡単なユーザ操作により、シートバック39をシ
ートクッション24に対して旋回動作させて、下側旋回
軸Aを中心とするシートバック39の傾き角度を、図9
にそれぞれ示される角度位置範囲と、図7に示される完
全起上位置と、図1に示される完全倒伏位置との間で、
調整することができる。
【0035】図示の好ましい実施形態において、ヒンジ
機構の完全起上位置および完全倒伏位置は、以下の段落
で詳細に説明するように、構造それ自体の物理的な限界
である。しかしながら、他の用途において、シートバッ
クの完全起上位置および完全倒伏位置は、例えばステア
リングホイールまたはシートクッションとの干渉、ある
いは、後部シート列との干渉や車両のフロアとの干渉と
いった協働環境に応じたものであっても良いことは言う
までもない。
【0036】本発明の主題は、前述した一般的な構成に
改良を加えることである。
【0037】改良の一部として、図14および図16に
明確に示されるように、セクタプレート36は、アイド
ラープレート40により、前述した回転リクライナ26
の第2の部分32上に装着されている。アイドラープレ
ート40は、補助穴43内にピン33を挿し込むといっ
た従来の手段により、第2の部分32に接続固定され、
これにより、リクライナ作動ハンドル28の制御下で、
セクタプレート36とアイドラープレート40と第2の
部分32とを同時に下側旋回軸Aを中心に旋回動作させ
ることができる。また、アイドラープレート40は、環
状の肩部の形態を成す支持面42(図16に明確に示さ
れている)を有しており、この支持面42にはセクタプ
レート36が軸支される。具体的には、対応して寸法付
けられた開口41がセクタプレート36を貫通するよう
に形成されており、この開口41は、環状の肩部42を
その内部に回転可能に受ける。このような構成によれ
ば、セクタプレート36を、以下の段落で詳細に説明す
る図1および図12にそれぞれ示される第1の位置と第
2の位置との間で、下側旋回軸Aを中心に、アイドラー
プレート40に対して旋回動作させることができる。
【0038】前述の段落は、下側旋回軸Aを中心とした
セクタプレート36の第2の旋回動作形態を規定する。
また、前記第2の旋回動作形態で動作するセクタプレー
ト36を介して、シートバック39(以下に詳細に説明
する方法で、セクタプレート36に取り付けられる)
は、下側旋回軸Aを中心に、セクタプレート36がその
第1の位置に配置される図1の第1の位置と、セクタプ
レート36がその第2の位置に配置され且つ第1の位置
に対して前方に傾いた図12Aおよび図12Bの第2の
位置との間で、シートクッション24に対し旋回動作す
ることができる。
【0039】また、アイドラープレート40に対してセ
クタプレート36をその第1の位置に選択的に解除可能
に固定して、セクタプレート36が第2の旋回動作形態
で旋回動作することを防止するために、図9Bおよび図
10Bに参照符号43で示される第1のロック手段が設
けられている。
【0040】第1のロック手段43は、アイドラープレ
ート40上に形成された第1のラッチラグ部44と、セ
クタプレート36の下側部分48から延びる第1のスト
ップドッグ46と、セクタプレート36の下側部分48
上に装着された第1のラッチ部材50とを備えている。
第1のラッチ部材50は、図9Bに示されるラッチ位置
と図10Bに示されるアンラッチ位置との間で旋回動作
することができる。セクタプレート36がその第1の位
置に配置されて第1のラッチ部材50がそのラッチ位置
に配置された時に、図9Bに示されるように、第1のラ
ッチ部材50および第1のストップドッグ46がこれら
の間に位置する第1のラッチラグ部44の両側の側面4
4a、44bを挟持して、セクタプレート36が第2の
旋回動作形態で旋回動作することを防止するように、第
1のストップドッグ46および第1のラッチ部材50が
位置決めされて装着されている。また、第1のラッチ部
材50をラグ部44の基端側の側面44bに沿って上方
にスライドさせてこの側面44bを乗り越えさせること
により、アンラッチ位置で、第1のラッチ部材50と第
1のラッチラグ部44との係合が解除され、その後、第
1のラグ部44の上端面44c(この上端面44cは、
第1のラッチ部材50のカム従動面として機能する)に
沿って第1のラッチ部材50をスライドさせることによ
り、第2の旋回動作形態でセクタプレート36が旋回動
作できるように、第1のラッチ部材50が位置決めされ
て装着されている。このようなセクタプレート36の旋
回動作が図10Bに矢印Bで示されている。セクタプレ
ート36のこのような旋回動作により、図11Aおよび
図11Bに示される前倒し位置(ダンプ位置)に向かっ
てシートバック39が前方に移動する。
【0041】本発明の他の形態として、第1のロック手
段43の解除を制御するために、急速解除作動部材52
が設けられる。急速解除作動部材は、図9Aに示される
ように、ハンドル装着ピン95によりセクタプレート3
6の上部64に対して旋回可能に装着される急速解除作
動ハンドルを備えており、これにより、急速解除作動部
材は、図9Bに示されるレスト位置と図10Bに示され
るダンピング位置との間で移動することができる。
【0042】急速解除作動ハンドル52は、ダンピング
リンク67により、第1のラッチ部材50に対して動作
可能に接続されている。これにより、急速解除作動ハン
ドル52がダンピング位置とレスト位置との間で移動す
ると、第1のラッチ部材50がアンラッチ位置とラッチ
位置との間で移動される。
【0043】また、第1のロック手段43によるロック
を支援するために、第1の時計バネ54の形態を成す第
1の付勢手段が設けられる。第1の時計バネ54は、第
1のラッチ部材50とセクタプレート36との間を相互
に接続して、図10Bに示されるように、第1のラッチ
部材50をそのラッチ位置へと付勢する。
【0044】当業者であれば分かるように、前述した構
成は、それ自体単独で、従来技術の回転リクライナヒン
ジ機構における有用性を高める。すなわち、前述の構成
によれば、リクライナ作動ハンドル28の選択的な制御
により、前述したような第1の旋回動作形態で移動する
セクタプレート36による角度位置の範囲内で、シート
バック39を従来のように好ましいシート位置へ旋回動
作させることができるだけでなく、急速解除作動部材5
2の制御下で、第2の旋回動作形態で移動するセクタプ
レート36により、シートバック39を前方に傾けて前
記好ましいシート位置から放り出すことができる。ま
た、前述した構成は、第2の旋回作動形態でシートバッ
ク39を好ましいシート位置に戻す時に、第1のロック
手段43の再作動により、シートバックメモリを与え
る。この場合、第1のラッチ部材50は、そのようなシ
ートバックの戻り時において、上端面44cによって形
成されるカム面に沿って戻り、好ましいシート位置で、
ラグ部44の基端側の側面44bに沿って脱落する。こ
れにより、再び、先に述べた方法で、第1のロック手段
43によるロックが行なわれる。
【0045】しかしながら、ここで、強調すべきこと
は、第1のロック手段43を解除したからといって、必
ずしも、図11Aおよび図11Bに示されるように、シ
ートバック39がダンプ位置へと旋回動作して、シート
バック39がシートクッション24を超えて突出するよ
うなことはない。実際に、図示された好ましい実施形態
において、アイドラープレート40は、アイドラープレ
ートから突出し且つ第1のストップドッグ46と係合す
ることによりセクタプレート36の前方への傾動量を制
限する第3のラッチラグ88を有している(これによっ
て、セクタプレート36の第2の位置を規定する)。そ
のような制限が図12Aおよび図12Bに示されてい
る。これらの図から明らかなように、シートバック39
は、シートクッション24上に横たわっていない。シー
トバック39をそのダンプ位置へと確実に移動させるた
めには、まず、ダンピング動作中の移動開始位置である
セクタプレート36の第1の位置が十分前方に配置され
ている必要がある。これは、前述したように、第1の旋
回動作形態でアイドラープレート40を傾動させること
により行なわれる。しかしながら、このような必要性に
よって、ヒンジ機構そのものの有用性が損なわれるもの
ではない。これは、セクタプレート36がその第2の位
置にある時にシートバック39が図8に示されるダンプ
位置から若干後方に配置されていたとしても、出入口と
いう点で利点が生じるので、シートバック39を実際に
十分前倒しされたダンプ位置へと移動させることが必要
不可欠ではないからである。
【0046】図示の好ましい実施形態においては、更に
別の機能、すなわち、平らに折り畳む機能(平坦折り畳
み機能)が組み込まれている。これによって、シートバ
ック39は、図5に示されるような範囲内での略直立な
位置と、シートバック39がシートクッション24上で
略水平に横たわる図6に示される平らに折り畳まれた位
置との間で、選択的に旋回することができる。
【0047】好ましい実施形態において、このような更
なる平坦折り畳み機能は、シートバック装着プレートを
セクタプレートに装着するとともに、後述するようにシ
ートバック装着プレートの旋回動作を選択的に許容する
更なるロック装置を設けることによって得られる。
【0048】装着する方法に関し、セクタプレート36
は、図16に明確に示されるように、枢セクタプレート
から延び且つ上側旋回軸Cを規定する枢支ピン61を有
している。シートバック装着プレート38は、縦方向の
シートバック軸Dを規定するとともに、枢支ピン61に
よってセクタプレート36上に装着され、縦方向のシー
トバック軸Dが下側旋回軸Aに対して略放射状の関係で
配置される図5に示される延伸位置と、縦方向のシート
バック軸Dが延伸位置の方向に対して約90°回転され
た図6に示される倒伏位置との間で、上側旋回軸Cを中
心にセクタプレート36に対し旋回動作することができ
る。このような構成により、シートバック39は、延伸
位置と倒伏位置との間で旋回動作するシートバック装着
プレート38を介して、直立位置と折り畳み平坦位置と
の間でシートクッション24に対し旋回動作することが
できる。
【0049】更なるロック装置は、シートバック装着プ
レート38をその延伸位置で選択的に解除可能に固定す
るために、図3乃至図5に参照符号60で示される第2
のロック手段を備えている。第2のロック手段60は、
第1の部分58と、第2の部分56とを備えている。第
1の部分58は、シートバック装着プレート38の倒伏
位置と延伸位置との間での旋回動作を規制することによ
り、シートバック装着プレート38の移動を1方向のみ
で許容する。すなわち、第1の部分は、シートバック装
着プレート38が延伸位置に配置されている時には、倒
伏位置に向かうシートバック装着プレートの移動を許容
する。また、第2の部分56は、シートバック装着プレ
ート38が延伸位置に配置されている時に、そのような
シートバック装着プレート38の前記1方向への移動を
選択的に阻止する。
【0050】図16に明確に示されるように、第2のロ
ック手段60の第1の部分58は、セクタプレート36
の上部64から延びる制限ピン62と、シートバック装
着プレート38を貫通するように形成された弓状の溝6
6とを備えている。図15に示されるように、弓状の溝
66には、これを貫通するように制限ピン62が延びて
おり、また、弓状の溝66は、シートバック装着プレー
ト38がその延伸位置と倒伏位置との間で上側旋回軸C
を中心にセクタプレート36に対し回転することを制限
するように形成されて寸法付けられている(この点を明
確にするため、図3では、シートバック装着プレート3
8がその延伸位置に配置され、制限ピン62が溝66の
先端68に隣接して位置されているのが分かる。一方、
図6では、シートバック装着プレート38がその倒伏位
置に配置され、制限ピン62が溝66の後端70に隣接
して位置されているのが分かる)。
【0051】図3乃至図6に示されるように、第2のロ
ック手段60の第2の部分56は、シートバック装着プ
レート38上に形成された第2のラッチラグ部72と、
セクタプレート36の上部64上に装着された第2のラ
ッチ部材74とを備えている。第2のラッチ部材74
は、第2のラッチ部材74が第2のラッチラグ部72と
係合してシートバック装着プレート38の前記旋回動作
を阻止する図3に示されるラッチ位置と、第2のラッチ
部材74と第2のラッチラグ部72との係合が解除され
てシートバック装着プレート38を図5に矢印Eで示さ
れるようにその延伸位置と倒伏位置との間で旋回動作さ
せることができる図5に示されるアンラッチ位置との間
で旋回動作することができる。
【0052】また、本発明は、前述した平坦折り畳み機
能に付加する他の機能を備えている。
【0053】そのような更なる特徴の1つは、第2のロ
ック手段60の前記ロックを生じさせる第2の付勢手
段、すなわち、セクタプレート36と第2のラッチ部材
74との間に接続されて第2のラッチ部材74をラッチ
位置へと付勢する第2のコイルバネ76である。これに
より、第2のラッチ部材74をそのラッチ位置へと手動
で操作する必要がなくなる。
【0054】そのような他の更なる特徴は、第2のロッ
ク手段60を自動的に作動させる作動手段である。この
作動手段は、図2乃至図5に参照符号78で示されてい
る。作動手段は、特定の使用状態で、すなわち、リクラ
イナ作動部材28がその使用位置にある時であって、シ
ートバック39が、直立位置に対して後方に傾動された
トリガ位置から直立位置へと前方に旋回動作する時に、
リクライナ作動部材28の制御により第2のロック手段
60を解除する。これは、「シングル−ハンドル」機能
を与え、これにより、特に構成が簡単になり、人間工学
的にプラスになって、結果として、消費者に受け入れら
れる。
【0055】作動手段78は、制御部材80と、リンク
部材82と、参照符号84で示される抑止手段とを備え
ている。
【0056】制御部材80は、扇形溝81内でシートク
ッション装着プレート22上に装着されており、図1に
示される第1の限界位置から、図2に示される中間位置
を介して、図11Aに示される第2の限界位置へと、前
記装着プレート22に対して反転可能にスライド移動す
ることができる。
【0057】リンク部材82は、制御部材80を第2の
ラッチ部材74に接続する。リンク部材82は、シート
バック39を図2に示されるトリガ位置へと移動させる
時には、制御部材80をその中間位置へとスライド移動
させるとともに、図5に示されるようにシートバック3
9をトリガ位置から直立位置へと移動させる時には、制
御部材80をその中間位置から第2の限界位置へとスラ
イド移動させる。
【0058】なお、シートバック39の直立位置で、制
御部材80は、第2の限界位置に位置せず、第2の位置
に向かって移動されるだけである。すなわち、制御部材
80の第2の限界位置への移動は、実際には、シートバ
ック39のダンプ位置でのみ生じ、このダンプ位置、す
なわち、シートバック39が最も前方に傾いた位置を規
定する。同様に、シートバック39を後方に傾動させる
と、結果として、制御部材80は、その第1の限界位置
に達するまで移動する。第1の限界位置に達する時のシ
ートバック39の位置は、シートバック39の完全倒伏
位置を規定する。
【0059】抑止手段84は、リクライナ作動ハンドル
28がその倒伏位置から使用位置へと移動する時に、中
間位置を超えて第2の限界位置へと向かう制御部材80
のスライド移動を選択的に阻止するようになっている。
これにより、図3、4、5の順序で示されるように、シ
ートバック39がトリガ位置から直立位置へと移動する
時には、リンク部材82の作用を介して、第2のラッチ
部材74がそのロック位置からアンロック位置へと旋回
動作し、したがって、図5、6の順序で示されるよう
に、シートバック39を直立位置から前述した折り畳み
平坦位置へと旋回動作させることができる。
【0060】図14に明確に示されるように、抑止手段
84はストッパ部材86を備えており、ストッパ部材8
6は、その一端から延びるスタッド87と、その他端か
ら延びるスライダ91とを有している。スタッド87
は、リクライナ作動ハンドル28に設けられた対応する
ソケット89に軸支されており、また、スライダ91
は、シートクッション装着プレート22に設けられた対
応する径方向ガイド溝93内にスライド可能に装着され
ている。
【0061】このようにストッパ部材86を動作可能に
装着すると、リクライナ作動ハンドル28がそのレスト
位置から使用位置へと移動する時に、ストッパ部材86
は、制御部材80との相互作用が生じないように位置さ
れる図1に示されるストッパ部材レスト位置から、中間
位置で制御部材80と係合して制御部材80がその中間
位置を超えて更に第2の限界位置へとスライド移動する
ことを規制する図3に示されるストッパ部材ブロック位
置へと案内されて移動される。
【0062】特に図13に示されるように、他の望まし
い特徴は第3の付勢手段である。第3の付勢手段は、セ
クタプレート36とシートクッション装着プレート22
(シートクッション装着プレート22に固定された装着
ブラケット97により)とを互いに接続する時計バネ9
2と、セクタプレート36に固定されたバネポスト99
とから成る。このようにして、セクタプレート36は、
時計バネ92によって付勢され、その第2の位置へと移
動できる。これは、特に、シートバック39を所望の傾
き状態に調整する時に便利である。なぜなら、乗員は、
扱いにくいリクライナ作動ハンドル28を同時に把持し
ながら、シートバック39を前方に引く必要があるから
である。
【0063】好ましい実施形態において、第3の時計バ
ネ92は、リクライナ作動ハンドル28が使用位置へと
移動する時にシートバック39をトリガ位置へと付勢で
きるように十分に張力がかけられているが、外部からの
アシストが無い場合には、第2のラッチ部材74をその
ラッチ位置に維持する第2のコイルバネ76に打ち勝つ
ことができる十分な張力がかけられていない。
【0064】本発明の他の好ましい特徴は、図16に明
確に示される補強ブラケット71である。この補強ブラ
ケット71は、制限ピン62および枢支ピン61に対し
て強固に取り付けられている。補強ブラケット71はセ
クタプレート36から離間して配置されており、セクタ
プレート36と補強ブラケット71との間にはシートバ
ック装着プレート38(および第1のラッチ部材50)
が配置されている。これにより、構造的な剛性が大きく
なり、具体的には、シートバック装着プレート38をセ
クタプレート36に強固に接続して装着することができ
る。
【0065】シートバック39の完全起上位置は、アン
カードッグ90によって規定される。具体的には、アン
カードッグ90は、シートクッション装着プレート22
に動作可能に接続されるとともに、図7に示されるよう
に、アイドラープレート40がその比較的前方の位置に
移動する時に第3のラッチラグ部88と係合するように
位置されている。アンカードッグ90が配置されている
位置は、アイドラープレート40およびシートバック3
9の完全起上位置を規定している。アンカードッグ90
を設けると、構造全体の安全性が高まる。これは、回転
リクライナ26の内部ロック部品が破損した時、例えば
衝突した時であっても、シートバック39の前方への移
動がアンカードッグ90によって阻止されるからであ
る。同様に、シートバック39の「完全起上位置」がシ
ートバックの「ダンプ位置」よりも僅かに後方に配置さ
れていると、リンク部材82および制御部材80上に作
用する負荷を回避することができる。例えば、シートア
センブリの空間が占められていない状況で、リクライナ
作動ハンドル28をそのレスト位置から離間して移動さ
せる時に、シートバック39を前方に旋回させることが
できる。
【0066】使用時、乗員が車両シートバック39を例
えば図9Aに典型的に示される好ましいシート位置に位
置決めするためには、図3に矢印Fで示されるように乗
員が手でリクライナ作動ハンドル28の自由端を持ち上
げることにより、リクライナ作動ハンドル28を、図2
に示されるレスト位置から、図3に示される使用位置へ
と回転させる。この動作によって、回転リクライナ26
の第1の部分30および第2の部分32は、解放されて
自由になり、互いに対して移動できるようになる。した
がって、第1の旋回動作形態で動作するセクタプレート
36の作用により、シートバック39を下側旋回軸Aを
中心に旋回動作させることができる。この時、望ましい
場合には、乗員は、例えば自分の背中を介してシートバ
ック39に対し連続的に圧力を作用させることにより、
シートバック39を後方に付勢することができ、あるい
は、図3に矢印Gで示されるように、時計バネ92の衝
撃下でシートバック39を前方に移動させることができ
る。シートバック39が好ましいシート位置に位置され
ると、前述したように、リクライナ作動ハンドル28
は、回転リクライナ26の第1の部分30および第2の
部分32の回転が内部ロック部品により阻止されるその
レスト位置に戻り、シートバック39の位置が安定す
る。
【0067】使用者がダンピング動作(一般に、シート
アセンブリの空間が占められていない時に起こる)を行
なう場合、使用者は、急速解除作動ハンドル52を、図
9Bに示されるそのレスト位置から、図10Bに示され
るそのダンピング位置へと回転させることができる。こ
れにより、第1のラッチ部材50は、図9Bに示される
そのラッチ位置からスライドして、第1のラッチラグ部
44の基端側の側面44Bを乗り越え、図10Bに示さ
れるそのアンラッチ位置へとスライドする。その後、シ
ートバック39は、時計バネ92の付勢力により、図8
に示されるそのダンプ位置へと前方に移動する(あるい
は、好ましいシート位置でアイドラープレート44が比
較的後方に配置されている場合には、先の段落で十分に
説明したように、シートバック39がその第2の位置に
達するまで移動する)。
【0068】そのような前方への移動中、第1のラッチ
部材50は、第1のラグ部44の上端面44Cに沿って
前方へスライドする。したがって、時計バネ92の付勢
力に抗して、シートバック39を好ましいシート位置へ
と手動で後方に動かすことができる。そのような後方へ
の手動操作中、第1のラッチ部材50は、第1のラグ部
44の上端面44Cに沿って後方にスライドするととも
に、好ましいシート位置で基端側の側面44Bをラッチ
位置へと脱落し、この位置でシートバック39を固定す
る。
【0069】使用者が折り畳み平坦位置へとシートバッ
ク39を動かすためには、最初に、シートバック39を
図2に示されるトリガ位置に配置しなければならない。
この状態を満たすために、一般の使用者は、最初のシー
ト位置決め手順を行なう。すなわち、使用者は、シート
バック39の側方に立って、リクライナ作動ハンドル2
8をそのレスト位置から離間させるように回転させるこ
とにより、車両シートバック39を図1に示される完全
倒伏位置の比較的近傍に位置決めする。これにより、前
述したように、シートバック39を解放して動作させる
ことができるようになり、手動操作によりシートバック
39を完全倒伏位置またはその近傍の位置へと後方に付
勢することができるようになる。
【0070】なお、先の段落で十分に説明したように、
この最初の位置決め作業中に、リクライナ作動ハンドル
28をそのレスト位置から離間するように回転させるだ
けで、回転リクライナの内部ロック部品をそのアンロッ
ク位置に設定することができる。
【0071】最初の位置決め手順が完了したら、リクラ
イナ作動ハンドル28をほぼ完全に使用位置へと回転さ
せて、シートバック39を折り畳み平坦位置へと移動さ
せることができるようにする必要がある(使用者は、ス
ライダ91が径方向ガイド溝93の端部に移動してリク
ライナ作動ハンドル28のそれ以上の回転が阻止される
と、リクライナ作動ハンドル28がその使用位置にある
ことを確信できる)。リクライナ作動ハンドル28を使
用位置まで移動させると、ストッパ部材86は、図3に
示されるストッパ部材ブロック位置へと移動される。し
たがって、シートバック39を使用者によって解放で
き、時計バネ92によりシートバック39を図3に示さ
れるトリガ位置へと前方に付勢することができる。この
ような動作により、制御部材80は、リンク部材82の
作用により、その中間位置へとスライド移動される。制
御部材80の中間位置を超える移動は、ストッパ部材8
6によって阻止される。制御部材80がリンク部材72
によって第2のラッチ部材74に接続されているため、
シートバック39のそれ以上の移動は、第2のラッチ部
材74の動作のみによって行なうことができる。しか
し、時計バネ92によって与えられる力は、十分ではな
く、第2のコイルバネ76によって与えられる力に対抗
することができない。そのため、時計バネ92の作用下
でのシートバック39の移動は、トリガ位置でほぼ停止
する。しかしながら、シートバック39は、手動でその
直立位置へと前方に移動することができる。これによ
り、第2のラッチ部材74は、図3、4、5に順に示さ
れるように、リンク部材82の作用により、そのロック
位置からアンロック位置へと旋回動作する。この時、シ
ートバック装着プレート38の第2のラッチラグ部72
が解放される。これにより、シートバック装着プレート
38は、図5に示される延伸位置から図6に示される倒
伏位置へと上側旋回軸Cを中心に回転することができ、
その結果、シートバック39がその直立位置から折り畳
み平坦位置へと移動される。
【0072】一般に、第2のラッチ部材74がそのアン
ラッチ位置へと移動された後に、リクライナ作動ハンド
ル28が解放され、これにより、伝えられるアイドラー
プレート44およびセクタプレート36が所定の位置に
ロックされる。
【0073】使用者がシートバック39を占有可能な略
直立位置へと回転させたい場合には、シートバック39
を直立位置へと手動で回転させることができる。そのよ
うな回転中、第2のコイルバネ76は、第2のラッチ部
材74をシートバック装着プレート38に対して付勢
し、シートバック39がその直立位置に達する時に、第
2のラッチ部材74がそのラッチ位置へと第2のラグ部
72に対して付勢される。この位置から、前述したよう
に、シートバック39を再び好ましいシート位置に位置
決めすることができる。
【0074】本発明の思想や範囲から逸脱することな
く、本発明に係るヒンジ機構の構成や製造に様々な改良
や変更を加えても良い。
【0075】例えば、図示される好ましい実施形態で
は、アイドラープレート40および回転リクライナ26
の第2の部分32が異なる別個の部材であるが、これら
を、実用性は同等のままで、一体に形成することができ
る。
【0076】同様に、図示される好ましい実施形態の回
転リクライナ26の第1の部分30とシートバック装着
プレート38は別個の部材であるが、これらも実用性は
同等のままで、一体に形成することができる。
【0077】同様に、図示される好ましい実施形態にお
いて、時計バネ92は、第2のラッチ部材74のアンラ
ッチを行なうことができるように十分に張力がかけられ
ていないが、望ましい場合には、その効果を得ることが
できる。
【0078】また、好ましい実施形態の第3のラッチラ
グ88を省くことができる(この場合、無論、セクタプ
レートの第2の位置は、第3のラッチラグと第1のスト
ップドッグとの間の接触によって規定されないが、その
代わり、ヒンジ機構それ自体における他の機械的な干渉
により、あるいは、協働環境における相対する物同士の
干渉、例えば、シートバックとシートクッションまたは
ステアリングホイールとの間の干渉により、規定され
る)。しかしながら、第3のラッチラグを単に省くこと
は好ましくない。他の全ての条件が同じであれば、それ
によって、一般的なダンピング操作中にリンク部材82
および制御部材80に特に不必要な負荷を与えることに
なるからである。
【0079】更に、好ましい実施形態において、シート
バック39のダンプ位置は、扇形溝81の端部に向かう
制御部材80の移動によって規定されるが、そうである
必要がないことは言うまでもない。むしろ、シートバッ
ク39のダンプ位置は、例えば、シートバック39とシ
ートクッション24との間の干渉によって、あるいは、
アイドラープレート40がその完全起上位置にある時の
セクタプレート36の第2の位置への移動によって規定
されても良い。
【0080】したがって、本発明の範囲は、目的に適っ
て構成された添付の請求の範囲によってのみ限定される
ことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】完全倒伏位置に配置されたシートバックを有す
る車両シートアセンブリに動作可能に取り付けられた本
発明の好ましい実施形態に係る改良された車両シートヒ
ンジ機構の側面図である。
【図2】シートバックがそのトリガ位置に配置され、リ
クライナ作動ハンドルがそのレスト位置に配置された図
1と同様の図である。
【図3】リクライナ作動ハンドルが使用位置に配置され
た図2と同様の図である。
【図4】シートバックが図3の位置に対して前方に僅か
に傾けられた図3と同様の図である。
【図5】シートバックがその直立位置に配置された図4
と同様の図である。
【図6】シートバックがその折り畳み平坦位置に配置さ
れた図5と同様の図である。
【図7】シートバックがその完全起上位置に配置された
図2と同様の図である。
【図8】シートバックがそのダンプ位置に配置された図
7と同様の図である。
【図9A】シートバックが好ましいシート位置に配置さ
れた図2と同様の図である。
【図9B】図9Aの構造体の反対側の図である。
【図10A】急速解除作動ハンドルがそのダンピング位
置に配置された図9Aと同様の図である。
【図10B】図10Aの構造体の反対側の図である。
【図11A】シートバックがダンプ位置に配置された図
10Aと同様の図である。
【図11B】図11Aの構造体の反対側の図である。
【図12A】セクタプレートがその第2の位置に配置さ
れた、図1のシートヒンジ機構の側面図である。
【図12B】図12Aの構造体の反対側の図である。
【図13】図2の構造体の上側方から見た斜視図であ
る。
【図14】図13の構造体の分解斜視図である。
【図15】図13の側と反対の側から見た図2の構造体
の斜視図である。
【図16】図15の構造体の分解図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アレックス・ジューロ アメリカ合衆国48307ミシガン州ロチェス ター・ヒルズ,ヘイゼルトン・アヴェニュ ー・3890 (72)発明者 ウォジチェック・スマック アメリカ合衆国48098ミシガン州トロイ, バークレイ・ドライヴ・951 Fターム(参考) 3B087 BD01 BD04 CB12 DA07 3B099 AA05 BA04 CA33 CB03 CB06 DA04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両シートアセンブリに使用可能な改良
    された車両シートヒンジ機構であって、 車両シートクッションに取り付け固定されたシートクッ
    ション装着プレートと、 第1の部分と第2の部分とを有する回転リクライナであ
    って、前記第1の部分は、下側旋回軸を規定するととも
    に、前記シートクッション装着プレートに取り付け固定
    され、前記第2の部分は、前記第1の部分に装着され、
    リクライナ作動ハンドルの制御下で、前記下側旋回軸を
    中心に前記第1の部分に対し選択的に旋回動作できる、
    回転リクライナと、 前記第2の部分に動作可能に装着され、前記リクライナ
    作動ハンドルの制御下で下側旋回軸を中心に前記第2の
    部分と共に選択的に旋回動作でき、これによって、前記
    下側旋回軸を中心とする第1の旋回動作形態を規定する
    セクタプレートと、 前記セクタプレートに動作可能に装着されるとともに、
    車両シートバックに取り付け固定されるシートバック装
    着プレートと、 を備え、 前記シートアセンブリに取り付けられると、前記第1の
    旋回動作形態で動作する前記セクタプレートの作用によ
    り、前記シートバックは、好ましいシート位置、完全起
    上位置、完全倒伏位置を含む角度位置範囲内で、前記下
    側旋回軸を中心に前記シートクッションに対して旋回動
    作することができる車両シートヒンジ機構において、 前記セクタプレートは、アイドラープレートにより、前
    記回転リクライナの前記第2の部分に装着され、アイド
    ラープレートは、前記第2の部分に対して固定され、リ
    クライナ作動ハンドルの制御下で、セクタプレート、ア
    イドラープレートおよび第2の部分と共に、前記下側旋
    回軸を中心に前記第1の旋回動作形態で選択的に同時に
    旋回動作でき、また、アイドラープレートは、セクタプ
    レートが軸支される支持面を有し、これによって、前記
    セクタプレートは、下側旋回軸を中心に、第1の位置と
    第2の位置との間で、前記アイドラープレートに対し旋
    回動作することができ、これにより、前記下側旋回軸を
    中心とするセクタプレートの第2の旋回動作形態が規定
    され、また、前記改良された車両シートヒンジ機構が前
    記車両シートアセンブリに取り付けられると、前記第2
    の旋回動作形態で動作する前記セクタプレートの作用に
    より、前記シートバックは、セクタプレートがその第1
    の位置となる一次位置と、一次位置に対して前方に傾け
    られた位置であって且つセクタプレートがその第2の位
    置となる二次位置との間で、前記下側旋回軸を中心に前
    記シートクッションに対し旋回動作することができ、 更に、 急速解除作動部材と、 セクタプレートをその第1の位置でアイドラープレート
    に対し選択的に解除可能に固定して、セクタプレートの
    第2の旋回動作形態での動作を防止する第1のロック手
    段であって、前記急速解除作動部材の制御下で固定が解
    除される第1のロック手段と、 第1のロック手段の前記固定を引き起こす第1の付勢手
    段と、 を備え、 これにより、改良された車両シートヒンジ機構が前記車
    両シートアセンブリに取り付けられると、 シートバックは、リクライナ作動ハンドルの制御下で、
    前記第1の旋回動作形態で動作する前記セクタプレート
    の作用により、前記好ましいシート位置へと前記角度位
    置範囲内で旋回動作することができ、 シートバックは、急速解除作動部材の制御下で、前記第
    2の旋回動作形態で動作する前記セクタプレートの作用
    により、前記好ましいシート位置から、シートバックが
    シートクッションの上に突き出る前方のダンプ位置へと
    前方に傾動することができ、 シートバックが前記第2の旋回動作形態で前記選択され
    た位置へと戻る時に、前記第1のロック手段の作用によ
    り、シートバックメモリ機能を供える、改良された車両
    シートヒンジ機構。
  2. 【請求項2】 セクタプレートが上側旋回軸を規定し、
    シートバック装着プレートは、シートバック軸を規定す
    るとともに、前記セクタプレート上に装着され、シート
    バック軸が下側旋回軸に対して略径方向に配置される延
    伸位置と延伸位置に対して略垂直な倒伏位置との間で、
    前記上側旋回軸を中心にセクタプレートに対し旋回動作
    することができ、これにより、前記ヒンジ機構が前記車
    両シートアセンブリに取り付けられると、延伸位置と倒
    伏位置との間で旋回動作する前記シートバック装着プレ
    ートの作用により、前記シートバックは、角度位置範囲
    内の略直立位置と、シートバックがシートクッションの
    上で略水平に横たわる折り畳み平坦位置との間で、前記
    シートクッションに対して旋回動作できる請求項1に記
    載のヒンジ機構。
  3. 【請求項3】 シートバック装着プレートをその延伸位
    置で選択的に解除可能に固定する第2のロック手段を更
    に備えている請求項2に記載のヒンジ機構。
  4. 【請求項4】 第2のロック手段の前記固定を引き起こ
    す第2の付勢手段を更に備えている請求項3に記載のヒ
    ンジ機構。
  5. 【請求項5】 直立位置に対して後方に傾けられたトリ
    ガ位置から直立位置に向かってシートバックが旋回動作
    する時に、リクライナ作動部材の制御下で、第2のロッ
    ク手段を解除する作動手段を更に備えている請求項4に
    記載のヒンジ機構。
  6. 【請求項6】 第1のロック手段は、 アイドラープレート上に形成される第1のラッチラグ部
    と、 セクタプレートの下部に装着される第1のラッチ部材で
    あって、前記第1のラッチラグ部と係合してセクタプレ
    ートの前記第2の旋回動作形態での旋回動作を阻止する
    ラッチ位置と、前記第1のラッチラグ部との係合を解除
    してセクタプレートの前記第2の旋回動作形態での旋回
    動作を許容するアンラッチ位置との間で旋回動作できる
    第1のラッチ部材と、 を備えている請求項5に記載のヒンジ機構。
  7. 【請求項7】 第1のロック手段は、セクタプレートの
    下部から延びる第1のストップドッグを更に備え、第1
    のストップドッグは、セクタプレートが第1の位置に配
    置され且つ第1のラッチ部材がそのラッチ位置に配置さ
    れる時に、第1のラッチラグ部が第1のストップドッグ
    と第1のラッチ部材との間で挟持されるように位置され
    ている請求項6に記載のヒンジ機構。
  8. 【請求項8】 第2のロック手段は、 シートバック装着プレート上に形成された第2のラッチ
    ラグ部と、 セクタプレートの上部に装着された第2のラッチ部材で
    あって、前記第2のラッチラグ部と係合してシートバッ
    ク装着プレートの前記旋回動作を阻止するラッチ位置
    と、前記第2のラッチラグ部との係合を解除してシート
    バック装着プレートの延伸位置と倒伏位置との間での前
    記旋回動作を許容するアンラッチ位置との間で旋回動作
    できる第2のラッチ部材と、 を備えている請求項7に記載のヒンジ機構。
  9. 【請求項9】 第2のロック手段は、 セクタプレートの上部から延びる制限ピンと、 シートバック装着プレートを貫通するように形成され且
    つ前記制限ピンが貫通して延びる弓状溝であって、シー
    トバック装着プレートが延伸位置と倒伏位置との間で上
    側旋回軸を中心にセクタプレートに対し回転することを
    制限する弓状溝と、 を更に備えている請求項8に記載のヒンジ機構。
  10. 【請求項10】 アイドラープレートは、アイドラープ
    レートから突出する第3のラッチラグを有し、第3のラ
    ッチラグは、セクタプレートが第2の旋回動作形態でそ
    の第2の位置へと移動する時に、第1のストップドッグ
    と係合するように位置されている請求項9に記載のヒン
    ジ機構。
  11. 【請求項11】 シートクッション装着プレートに動作
    可能に接続され、シートバックの完全起上位置によって
    規定される完全起上位置に向かってアイドラープレート
    が移動する時に第3のラッチラグ部と係合するように位
    置されたアンカードッグを更に備えている請求項10に
    記載のヒンジ機構。
  12. 【請求項12】 第1の付勢手段は、第1のラッチ部材
    とセクタプレートとの間に接続され且つ第1のラッチ部
    材をそのラッチ位置へと付勢する第1のバネを備えてい
    る請求項11に記載のヒンジ機構。
  13. 【請求項13】 第2の付勢手段は、第2のラッチ部材
    とセクタプレートとの間に接続され且つ第2のラッチ部
    材をそのラッチ位置へと付勢する第3のバネを備えてい
    る請求項12に記載のヒンジ機構。
  14. 【請求項14】 シートクッション装着プレートに動作
    可能に装着され且つレスト位置と使用位置との間で旋回
    動作できるとともに、回転リクライナに動作可能に接続
    され且つレスト位置から離間するように移動した時に回
    転リクライナの第2の部分の前記旋回動作を許容するリ
    クライナ作動ハンドルを更に備えている請求項13に記
    載のヒンジ機構。
  15. 【請求項15】 作動手段は、シートクッション装着プ
    レート上に装着され、第1の限界位置から中間位置を介
    して第2の限界位置へと反転可能にスライド動作する制
    御部材と、 前記制御部材を前記第2のラッチ部材に接続し、シート
    バックがトリガ位置へと移動する時に制御部材をその中
    間位置へとスライド動作させるとともに、シートバック
    がトリガ位置から直立位置へと移動する時に制御部材を
    その中間位置から第2の限界位置へとスライド動作させ
    るリンク部材と、 リクライナ作動ハンドルがそのレスト位置から使用位置
    へと移動する制御下で、制御部材が前記中間位置を超え
    て前記第2の限界位置へとスライド動作することを選択
    的に阻止し、これにより、ヒンジ機構が前記車両シート
    アセンブリに取り付けられた際、前記リンク部材の作用
    により、シートバックがトリガ位置から直立位置へと移
    動に伴って、前記第2のラッチ部材をそのロック位置か
    らアンロック位置へと旋回動作させ、前記シートバック
    を直立位置から折り畳み平坦位置へと旋回動作させるこ
    とができる抑止手段と、 を備えている請求項14に記載のヒンジ機構。
  16. 【請求項16】 抑止手段は、リクライナ作動ハンドル
    およびシートクッション装着プレートに動作可能に接続
    されたストッパ部材を備え、リクライナ作動ハンドルが
    そのレスト位置から使用位置へと移動する時に、ストッ
    パ部材は、制御部材との相互作用が生じないように位置
    されるストッパ部材レスト位置から、中間位置で制御部
    材と係合して制御部材がその中間位置を超えて前記第2
    の限界位置へとスライド移動することを規制するストッ
    パ部材ブロック位置へと案内されて移動される請求項1
    5に記載のヒンジ機構。
  17. 【請求項17】 セクタプレートと装着プレートとを互
    いに接続し、セクタプレートをその第2の位置へと移動
    させるように付勢する第3のバネを更に備えている請求
    項16に記載のヒンジ機構。
  18. 【請求項18】 急速解除作動部材は急速解除作動ハン
    ドルであり、この急速解除作動ハンドルは、セクタプレ
    ートの上部に旋回動作可能に装着されてレスト位置とダ
    ンピング位置との間で動作できるとともに、第1のロッ
    ク手段に動作可能に接続され且つダンピング位置へ移動
    した時に第1のロック手段を解除する請求項17に記載
    のヒンジ機構。
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