JP2003035905A - 液晶ディスプレイおよび液晶ディスプレイ用のカラーフィルタとアレイ基板 - Google Patents
液晶ディスプレイおよび液晶ディスプレイ用のカラーフィルタとアレイ基板Info
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Abstract
複数配向分割型垂直配向モードの液晶ディスプレイと、
このような液晶ディスプレイの製造を可能とするカラー
フィルタ、アレイ基板を提供する。 【解決手段】 対向する1組の基板間に形成された液晶
層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御する突起を少
なくとも一方の基板に備え、この突起が比誘電率11以
下、かつ、導電率3×10-12S/cm以上である電気
特性を有するものとして、複数配向分割型垂直配向モー
ドの液晶ディスプレイとする。
Description
液晶ディスプレイ、特に複数配向分割型垂直配向モード
の液晶ディスプレイと、このような液晶ディスプレイの
製造が可能なカラーフィルタおよびアレイ基板とに関す
る。
晶ディスプレイ(LCD)が注目されており、その薄
型、軽量、小消費電力、フリッカーレスといった特徴か
ら、ノート型のパーソナルコンピュータ(PC)を中心
に市場が急速に拡大してきた。また、最近になって、P
C用のディスプレイの一環として、より大型のデスクト
ップ用モニターの需要が発生している。さらに、PC用
のみならず、従来からCRTが主流であったTV向けに
もLCDが利用されるようになってきた。
画面全域において視野角度によらない均一な輝度、コン
トラスト等が要求される。しかしながら、従来広く用い
られている捩れ配向モード(TN−LCD)では、その
視野角度の狭さが大きな問題となっていた。そこで、近
年In Plane Switchingモード(IPSモード)、光学補
償TNモード等、多くの視野角度改善モードが開発され
ている。
る複数配向分割型垂直配向モード、すなわちMulti-doma
in Vertical Alignmentモード(MVAモード)は、
(1)広視野角、(2)高コントラスト、(3)高速応
答といった優位性から、現在広く注目を集めいている。
特にコントラスト特性は、500:1程度まで可能であ
り、他のモードに比べて著しく高品質である。
を複数方向とする)、いわゆるマルチドメイン化を実現
するために、当初はマスクラビングを複数回繰り返す手
法が考えられたが、この方法を用いた場合、ラビング工
程に起因する静電気発生、発塵等による歩留まり率の低
下、プロセスの複雑化による生産性の低下等、多くの問
題があった。
により、ラビングの手法を用いずに液晶分子の傾斜方向
を制御する手法が開発されている(特許第294735
0号)。上記の液晶分子の配向を制御する突起は、例え
ば、45°のジグザグストライプ状とすることができ、
一画素内における配向方向を4分割とし、かつ、その分
割面積が等しくなるように設計されている。また、上記
の突起は、カラーフィルタ側とアレイ基板側の双方に設
けることができ、この場合、両基板を対向させてセル化
したときに、双方の突起が交互に配列するように構成さ
れる。このような突起は、液晶分子にプレチルト角を付
与し、かつ、電気力線を歪ませる役割をもち、この二つ
の効果により、電圧印加時に液晶分子が複数の異なった
方向に配向することになる。さらに、最近では、アレイ
基板側に上記の突起を設ける代わりに、仮想的な配向制
御用突起として、透明電極にスリットを設けた構造が開
発されている。
象が挙げられる。この現象は、LCDにおいて長時間同
じ画像を表示した場合、画像を切り替えた後でも前の画
像が残像として残ったり、いわゆるフリッカー(ちらつ
き)が発生する現象である。この残像やフリッカーは数
秒で消えるものから、数十時間にわたって保持されるよ
うな緩和時間が非常に長いものまである。このような焼
きつき現象を引き起こす原因としては、液晶層中に含ま
れるイオンが配向膜表面に吸着して生じた直流成分によ
る電界、液晶分子と配向膜との誘電率および導電率の相
違による電荷の蓄積等が考えられる。
程度の交流電流が用いられる。したがって、理論上では
上記のような問題点は発生しないはずである。しかしな
がら、実際にはLCDの内部構造は完全に対称構造では
ない。例えば、配向膜の厚さ、焼成温度等を完全に均一
にすることは、実際の生産においては事実上不可能であ
り、この非対称性により、印加した交流電流のうち一部
の電流は直流成分となってしまう。このため、液晶セル
内において上述のようなイオンの偏りや、配向膜と液晶
との界面における電荷の蓄積が発生し、焼きつき現象が
引き起こされる。
おいても、上述のような内部構造の非対称性がみられ、
特に液晶分子を挟持する対向した2枚の基板のうち一方
の基板の液晶層側に配向制御用の突起を設け、他方の基
板の液晶層側には透明電極を切り欠いたスリットを設け
たMVAモードLCDでは、液晶セル内は非対称構造で
あり、さらに、電気力線も配向制御用の突起、透明電極
のスリットによって歪められるため、電気的にも非対称
性が高いものとなる。したがって、MVAモードLCD
においては、焼きつき現象が発生しやすく、また、緩和
時間も非常に長くなる傾向にある。
れたものであり、焼きつき現象が生じにくく表示品質に
優れた複数配向分割型垂直配向モードの液晶ディスプレ
イと、このような液晶ディスプレイの製造を可能とする
カラーフィルタ、アレイ基板を提供することを目的とす
る。
LCDにおける表示品質、焼きつき現象において、配向
膜、液晶層、配向制御用突起の電気的特性、具体的には
誘電率、導電率が大きな影響を与えていることに着目し
てなされたものである。すなわち、上記のような目的を
達成するために、本発明は、複数配向分割型垂直配向モ
ードの液晶ディスプレイにおいて、対向する1組の基板
間に形成された液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向
に制御する突起を少なくとも一方の基板に備え、該突起
は比誘電率11以下、かつ、導電率3×10-12S/c
m以上である電気特性を有するような構成とした。
モードの液晶ディスプレイに用いるカラーフィルタにお
いて、液晶分子の配向方向を複数方向に制御するための
突起を備え、該突起は比誘電率11以下、かつ、導電率
3×10-12S/cm以上である電気特性を有するよう
な構成とした。さらに、本発明は、複数配向分割型垂直
配向モードの液晶ディスプレイに用いるアレイ基板にお
いて、液晶分子の配向方向を複数方向に制御するための
突起を備え、該突起は比誘電率11以下、かつ、導電率
3×10-12S/cm以上である電気特性を有するよう
な構成とした。このような本発明では、配向制御用の突
起が適正な電気特性を備えることにより、焼きつき現象
が生じにくい高品位の複数配向分割型垂直配向モード液
晶ディスプレイが可能となる。
ついて図面を参照して説明する。図1は、本発明の液晶
ディスプレイの一実施形態を示す概略部分断面図であ
る。図1において、液晶ディスプレイ1は、カラーフィ
ルタ11とアレイ基板21とを所定の間隔で対向させ、
周辺部をシール部材(図示せず)により封止し、間隙部
分に液晶層2が形成された透過型の液晶ディスプレイで
ある。尚、図示されていないが、カラーフィルタ11と
アレイ基板21の外側には、それぞれ偏光板が配設され
ている。
発明のカラーフィルタ11は、透明基板12と、この透
明基板12上に形成されたブラックマトリックス13お
よび着色層14を備え、ブラックマトリックス13およ
び着色層14を覆うように共通透明電極15が形成され
ており、さらに、共通透明電極15上に、液晶層2の液
晶分子の配向方向を複数方向に制御するための突起16
が複数形成され、これらの突起16を覆うように配向膜
17が形成されている。また、本発明の液晶ディスプレ
イ1を構成するアレイ基板21は、透明基板22上に液
晶駆動用の透明画素電極23および薄膜トランジスタ
(TFT(図示せず))を備え、透明画素電極23には
スリット24が形成され、このような透明画素電極23
を覆うように配向膜25が形成されている。
明基板12としては、石英ガラス、パイレックス(登録
商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジ
ット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の
可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることがで
きる。この中で特にコーニング社製1737ガラスは、
熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱
処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ
成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティ
ブマトリックス方式によるカラー液晶ディスプレイ用の
カラーフィルタに適している。
ックマトリックス13は、着色層14からなる表示画素
部の間および着色層14の形成領域の外側に設けられて
いる。このようなブラックマトリックス13は、スパッ
タリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜200
0Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパ
ターニングして形成したもの、カーボン微粒子等の遮光
性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニ
ングして形成したもの、カーボン微粒子、金属酸化物等
の遮光性粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この
感光性樹脂層をパターニングして形成したもの等、いず
れであってもよい。
パターン14Gおよび青色パターン14Bが所望のパタ
ーン形状で配列されており、所望の着色材を含有した感
光性樹脂を使用した顔料分散法により形成することがで
き、さらに、印刷法、電着法、転写法等の公知の方法に
より形成することができる。共通透明電極15は、酸化
インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化
スズ(SnO)等、および、その合金等を用いて、スパ
ッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な成膜
方法により形成することができる。
は、近傍の液晶分子にプレチルト角度を与える作用、お
よび、電気力線を所望の方向に歪ませる作用をなすこと
により、アレイ基板21の透明画素電極23におけるス
リット24と協働して液晶層2の液晶分子の配向方向を
複数方向に制御することを可能とするものである。この
ような突起16は、比誘電率が11以下、より好ましく
は9以下であり、かつ、導電率が3×10-12S/cm
以上、より好ましくは5×10-12S/cm以上である
ような電気特性を有している。突起16の比誘電率が1
1を超えると、液晶分子の比誘電率ε⊥よりも高くな
り、電気力線の歪み方向がプレチルト方向と反対方向と
なって配向不良を生じ、表示品質の低下を来たす。ま
た、導電率が3×10-12S/cm未満であると、焼き
つき現象が発生した場合の緩和時間が長くなり、高品位
の画像表示が困難となる。
は、樹脂成分中に導電性粉体を含有したものとすること
ができ、例えば、導電性粉体を含有したネガ型感光性樹
脂組成物やポジ型感光性樹脂組成物を用いてフォトリソ
グラフィー法によりパターニングして形成することがで
きる。
物としては、公知のネガ型感光性樹脂組成物やポジ型感
光性樹脂組成物を使用することができる。例えば、アク
リル系ネガ型感光性樹脂組成物として、少なくとも紫外
線照射によりラジカル成分を発生する光重合開始剤と、
分子内にC=Cなるアクリル基を有し上記の発生したラ
ジカルにより開裂重合反応を起こして硬化する成分と、
その後の現像により未露光部が溶解可能となる官能基
(例えば、アルカリ溶液による現像の場合は酸性基をも
つ成分)、とから構成されるものを用いることができ
る。上記のアクリル基を有する成分のうち、比較的低分
子量の多官能アクリル分子としては、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート(DPPA)、テトラメ
チルペンタトリアクリレート(TMPTA)等が挙げら
れる。また、高分子量の多官能アクリル分子としては、
スチレン−アクリル酸−ベンジルメタクリレート共重合
体の一部のカルボン酸基部分にスペーサを介してアクリ
ル基を導入したポリマー等が挙げられる。
ック、銅−鉄−マンガン複合酸化物、酸化インジウムス
ズ(ITO)、アルミニウム、銀、酸化鉄等の粉体を用
いることができる。突起16中に含有される導電性粉体
等の粉体含有量は、使用する樹脂成分等を考慮して、上
記の範囲の電気特性を満足するように適宜設定すること
が好ましい。また、突起16が画素の表示領域内に位置
する場合には、光学濃度値(OD値)が画像品質に影響
を与えない範囲、例えば、1.3以下となるように導電
性粉体等を選定して使用することができる。一方、突起
16が画素領域の境界部分と重なるようなパターン、あ
るいは、突起16がブラックマトリックスを兼ねる場合
には、突起16の光学濃度値(OD値)が3.0以上と
なるような導電性粉体等を選定して使用することができ
る。
されたストライプ形状、ジグザグライン形状等とするこ
とができ、配列ピッチは、例えば画素ピッチよりも小さ
くすることができる。また、突起16の断面形状は、半
円形、台形、三角形等とすることができ、突起16の高
さは0.8〜2.0μm程度、幅は5.0〜20.0μ
m程度の範囲で設定することができる。そして、本発明
の液晶ディスプレイ1を構成するアレイ基板21は、そ
の透明画素電極23におけるスリット24が上記のカラ
ーフィルタ11の突起16のパターンに対応した形状で
あり、突起16の配列ピッチに対して半ピッチずれたピ
ッチで形成されている。図2は、カラーフィルタ11の
突起16と、アレイ基板21の透明画素電極23のスリ
ット24のパターンを示す図である。図2に示される例
では、突起16のパターンが所定ピッチで配列されたジ
グザグライン形状であり、アレイ基板21のスリット2
4は同様のピッチで、かつ、半ピッチずらして配列され
たジグザグライン形状である。
向膜17は、可溶性ポリイミド、ポリアミック酸タイプ
ポリイミド、変性ポリイミド等の有機化合物により形成
することができ、厚みは500〜1000Å程度とする
ことができる。このような配向膜17は、種々の印刷
法、公知の塗布方法により塗布した後、焼成することに
より形成されるが、配向処理(ラビング)は不要であ
る。本発明のカラーフィルタ11を構成するアレイ基板
21には、薄膜トランジスタ(TFT)を開閉するゲー
ト線群(図示せず)、映像信号を供給する信号線群(図
示せず)、および、カラーフィルタ11側の共通透明電
極への電圧供給線(図示せず)が配設されている。これ
らのリード線は、通常、薄膜トランジスタ(TFT)の
製造工程で一括して形成されたアルミニウム等の金属か
らなるものである。
22としては、上述のカラーフィルタ用の透明基板12
として挙げたものを使用することができる。また、スリ
ット24を備える透明画素電極23は、酸化インジウム
スズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(Sn
O)等、および、その合金等を用いて、スリットパター
ンを備えるマスクを介したスパッタリング法、真空蒸着
法、CVD法等の一般的な成膜方法により形成すること
ができる。もしくは、既知のフォトリソグラフィの手法
とエッチングの手法を組み合わせることにより形成する
ことができる。
5は、上述の配向膜17と同様に、可溶性ポリイミド、
ポリアミック酸タイプポリイミド、変性ポリイミド等の
有機化合物により形成することができ、厚みは500〜
1000Å程度とすることができる。このような配向膜
25は、種々の印刷法、公知の塗布方法により塗布した
後、焼成することにより形成されるが、配向処理(ラビ
ング)は不要である。
実施形態を示す概略部分断面図である。図3において、
液晶ディスプレイ31は、カラーフィルタ41とアレイ
基板51とを所定の間隔で対向させ、周辺部をシール部
材(図示せず)により封止し、間隙部分に液晶層32が
形成された透過型の液晶ディスプレイである。尚、図示
されていないが、カラーフィルタ41とアレイ基板51
の外側には、それぞれ偏光板が配設されている。本発明
の液晶ディスプレイ31を構成する本発明のカラーフィ
ルタ41は、上述の液晶ディスプレイ1を構成するカラ
ーフィルタ11と同様とすることができる。
本発明のアレイ基板51は、透明基板52上に液晶駆動
用の薄膜トランジスタ(TFT)53と透明画素電極5
4を備え、透明画素電極54の中心付近には突起55が
形成され、このような透明画素電極54と突起55を覆
うように配向膜56が形成されている。このアレイ基板
51には、薄膜トランジスタ(TFT)53を開閉する
ゲート線群(図示せず)、映像信号を供給する信号線群
(図示せず)、および、カラーフィルタ41側の共通透
明電極への電圧供給線(図示せず)が配設されている。
これらのリード線は、通常、薄膜トランジスタ(TF
T)53の製造工程で一括して形成されたアルミニウム
等の金属からなるものである。
52としては、上述のカラーフィルタ用の透明基板12
として挙げたものを使用することができる。また、透明
画素電極54は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化
亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、および、その
合金等を用いてスパッタリング法、真空蒸着法、CVD
法等の一般的な成膜方法により形成することができる。
アレイ基板51を構成する突起55は、近傍の液晶分子
にプレチルト角度を与える作用、および、電気力線を所
望の方向に歪ませる作用をなすことにより、上記のカラ
ーフィルタ41の突起46と協働して液晶層32の液晶
分子の配向方向を複数方向に制御することを可能とする
ものである。このような突起55は、上述の突起16と
同様に、比誘電率が11以下、より好ましくは9以下で
あり、かつ、導電率が3×10-12S/cm以上、より
好ましくは5×10-12S/cm以上であるような電気
特性を有している。突起55の比誘電率が11を超える
と、液晶分子の比誘電率ε⊥よりも高くなり、電気力線
の歪み方向がプレチルト方向と反対方向となって配向不
良を生じ、表示品質の低下を来たす。また、突起55の
導電率が3×10-12S/cm未満であると、焼きつき
現象が発生した場合の緩和時間が長くなり、高品位の画
像表示が困難となる。
は、上述の突起16と同様に形成することができる。突
起55のパターンは、所定ピッチで配列されたストライ
プ形状、ジグザグライン形状等とすることができ、ま
た、突起55の断面形状は、半円形、台形、三角形等と
することができる。例えば、突起55をカラーフィルタ
41の突起46に対応した形状とし、突起46の配列ピ
ッチに対して半ピッチずれたピッチで形成することがで
きる。また、カラーフィルタ41の突起46を格子形状
とし、アレイ基板51の突起55を、突起46で囲まれ
た各領域の中心に対向するように配設された点状の突起
とすることもできる。
可溶性ポリイミド、ポリアミック酸タイプポリイミド、
変性ポリイミド等の有機化合物により形成することがで
き、厚みは500〜1000Å程度とすることができ
る。このような配向膜56は、種々の印刷法、公知の塗
布方法により塗布した後、焼成することにより形成され
るが、配向処理(ラビング)は不要である。
明する。
00mm、厚さ1.1mmのガラス基板(コーニング社
製1737ガラス)を準備した。この基板を定法にした
がって洗浄した後、基板の片側全面に酸化インジウムス
ズ(ITO)からなる透明電極(厚み1600Å)を形
成した。
日鉄化学(株)製V259PAを使用し、導電性粉体と
してカーボンブラック(キャボット(株)製 平均粒径
100nm)を種々の含有量で含有させて9種類の塗布
液を調製した。次いで、この塗布液をそれぞれ上記の透
明電極上にスピンコート法により塗布し、フォトリソグ
ラフィー法により図2に示されるような高さ1.3μ
m、幅10.0μmのジグザグライン形状の配向制御用
の突起を100μmピッチで形成した。その後、透明電
極と突起を覆うようにポリアミック酸系垂直配向膜用塗
料(JSR(株)製JALS−2021)をスピンコー
ト法で塗布し、ホットプレート上で溶剤を除去後、18
0℃にて1時間焼成して、厚み800Åの垂直配向膜を
形成し、9種の基板A−1〜基板A−9を得た。尚、実
際のカラーフィルタは、ブラックマトリックスやR、
G、Bの着色層上に上記の透明電極および突起が形成さ
れるが、本実施例では、簡略化のためにブラックマトリ
ックスや着色層を省略した基板Aを作製した。
電率と導電率を下記の測定方法により測定し、結果を下
記の表1に示した。比誘電率および導電率の測定方法 導電性をもつ測定下地基板として、アルミニウム膜を1
500Åの厚さに製膜したガラス基板を用意した。この
ガラス基板を洗浄処理し、配向制御突起材料を2.5μ
mの厚さでガラス基板のアルミニウム膜上に全面に形成
した。次いで、この配向制御突起材料の表面に金を真空
蒸着して、4mm平方の電極とした。測定にはSolartro
n社製インピーダンスアナライザーSI-1260を用い、測定
周波数は60Hz、測定電圧は3.0Vとした。
100mm×100mm、厚さ1.1mmのガラス基板
(コーニング社製1737ガラス)を準備した。この基
板を定法にしたがって洗浄した後、基板の片側全面に酸
化インジウムスズ(ITO)を1600Åの厚さに成膜
して透明電極とした。次に、ポジレジストを用いて既存
の手法に従い透明電極に幅10μmのジグザグライン形
状のスリットを形成した。このスリットの形状および配
列ピッチは上記の突起の形状、配列ピッチと同じものと
した。その後、上記と同様にして、スリットを備えた透
明電極上に厚み800Åの垂直配向膜を形成し、基板B
を得た。尚、実際のアレイ基板は、液晶駆動用の薄膜ト
ランジスタ(TFT)を備えた基板上に透明電極が画素
形状にパターニングされるが、本実施例では、簡略化の
ためTFTを省略し、画素形状にパターニングしていな
い透明電極にスリットを形成して基板Bとした。
対向させるようにして4.5μmのギャップを設けて貼
り合わせた。このとき、基板Aの配向制御用の突起と基
板Bのスリットが図2に示されるように半ピッチずれる
ように設定した。次いで、真空注入法を用いて負の誘電
異方性をもつ液晶(MERCK社製MLC−6608)
を注入した。その後、注入口を紫外線硬化樹脂を用いて
封止し、105℃にて1時間アニーリング処理を行い、
流動配向効果をキャンセルした後、電極にリード線を取
り付けて、9種のテストセル(試料1〜9)を作製し
た。
めに、交流電圧(60Hz矩形波)を印加した状態で偏
光顕微鏡にて配向均一性を観察し、その結果を下記の表
1に示した。また、図4、図5は、それぞれ試料2、試
料6の偏光顕微鏡による観察状態を示す図面である。
下である試料1〜5では、図4に示すような均一な配向
となった。しかし、比誘電率が11を超える試料6〜9
では、図5に示すようなディスクリネーションが発生し
配向不良がみられた。
配向が均一なテストセル(試料1〜5)に関してフリッ
カー消去法により残留直流成分を測定するための測定装
置を作製した。図6は、この測定装置の構成を示す図で
あり、測定装置71では、1組の偏光板73,73間に
テストセル72が挿入され、これらを挟むようにハロゲ
ン光源74、光電気変換装置75が配設され、任意波形
発生装置76、オシロスコープ77、パーソナルコンピ
ュータ78が図示にようにテストセル72、光電気変換
装置75等に接続されている。光電気変換装置75は同
潤光機(株)製の光電気変換装置、任意波形発生装置7
6はAGILENT社製33120A、オシロスコープ
77はHEWLETT PACKARD社製54645
Aを使用した。そして、偏光板73,73はクロスニコ
ルの状態とし、ノーマリーブラック状態となるようにテ
ストセル72を挿入した。
ルの電圧−透過率曲線を測定し、透過率が50%時の印
加電圧を求め、これをフリッカー消去法による測定電圧
とした。一般に液晶セルにおいて、中間調表示時、すな
わち透過率が50%程度の時、電圧に対する透過率の変
化が最も急峻となるため、残留直流成分によるフリッカ
ーを精度よく検出することができる。各テストセル(試
料1〜5)は概ね6V p-p前後で50%程度の透過率を
示した。
の突起を形成した基板A側の電極に+2Vの直流電流を
強制的に1時間印加して焼きつき時間を設け、その後、
矩形波60Hzで駆動した場合のフリッカー現象が消去
できるオフセット直流電圧を残留直流電圧として1時間
にわたってモニターし、図7〜図11に黒点プロットで
示した。駆動電圧はフリッカー現象が顕著に表れる中間
調表示状態の6Vp-p程度の電圧を用いた。また、強制
直流電圧印加による上記の強制的な焼きつき時間を設け
ずに同様の残留直流電圧を測定して、図7〜図11に白
点プロットで示した。尚、これらすべての測定におい
て、強制直流電圧印加による焼きつき時間を設けなかっ
た場合のフリッカー消去に要するバイアス電圧を、全て
のテストセルに全測定時間にわたって印加した。
うに、強制的な焼きつき時間を設けなかった場合、試料
1〜5の何れのテストセルも、残留直流電圧は時間によ
らずほぼ0であった。したがって、本測定時間範囲で
は、通常の駆動を行った場合、焼きつき現象はほぼ無視
できることが確認された。
合、配向制御用の突起の導電率が低いテストセルほど、
図中の黒点プロットと白点プロットの距離が大きいもの
となった。この黒点プロットと白点プロットの距離は、
小さいほど強制直流電圧印加による焼きつき現象が生じ
にくいことを示している。ここで、透過率が50%程度
の中間調状態において、0.1V程度のオフセット電圧
が印加された場合、フリッカーによる透過率の変化幅は
5%程度となるが、一般に観察者は5%以上の透過率変
化をフリッカーとして認識可能であるため、オフセット
電圧値が0.1V未満であれば、フリッカー現象が発生
しないと判断できる。この判断基準からすると、配向制
御用の突起の導電率が3×10-12S/cm以上である
テストセル(試料3〜5)は、焼きつき現象が生じにく
いものであることが確認された。
る導電性粉体として、銅−鉄−マンガン複合酸化物(大
日精化(株)製 平均粒径100μm)を使用し、これ
を種々の含有量で含有させた複数種の塗布液を調製し
た。次いで、これらの塗布液を使用して、実施例1と同
様にして、テストセルを作製し、その後、実施例1と同
様の評価を行った。その結果、配向制御用の突起の比誘
電率が11以下であるテストセルにおいて均一な配向が
得られ、これらのテストセルのうち、配向制御用の突起
の導電率が3×10-12S/cm以上であるテストセル
が焼きつき現象の生じにくいものであった。
る粉体として、導電性粉体としてのカーボンブラック
(キャボット(株)製 平均粒径100μm)と、二酸
化チタン(三菱マテリアル(株)製 平均粒径100μ
m)を使用し、これらを種々の含有量で含有させた複数
種の塗布液を調製した。次いで、これらの塗布液を使用
して、実施例1と同様にして、テストセルを作製し、そ
の後、実施例1と同様の評価を行った。その結果、配向
制御用の突起の比誘電率が11以下であるテストセルに
おいて均一な配向が得られ、これらのテストセルのう
ち、配向制御用の突起の導電率が3×10-12S/cm
以上であるテストセルが焼きつき現象の生じにくいもの
であった。
向制御用の突起が適正な電気特性(比誘電率11以下、
かつ、導電率3×10-12S/cm以上)を備えること
により、複数配向分割型垂直配向モードの液晶ディスプ
レイに発生しやすい焼きつき現象を緩和することがで
き、高品位の画像表示が可能な信頼性に優れた複数配向
分割型垂直配向モードの液晶ディスプレイが可能とな
る。
概略部分断面図である。
電極のスリットのパターンを示す図である。
す概略部分断面図である。
顕微鏡による観察状態を示す図面である。
顕微鏡による観察状態を示す図面である。
り残留直流成分を測定するための測定装置の構成を示す
図である。
波で駆動したときのフリッカー現象が消去できるオフセ
ット直流電圧を残留直流電圧として1時間にわたってモ
ニターした結果を示す図である。
波で駆動したときのフリッカー現象が消去できるオフセ
ット直流電圧を残留直流電圧として1時間にわたってモ
ニターした結果を示す図である。
波で駆動したときのフリッカー現象が消去できるオフセ
ット直流電圧を残留直流電圧として1時間にわたってモ
ニターした結果を示す図である。
形波で駆動したときのフリッカー現象が消去できるオフ
セット直流電圧を残留直流電圧として1時間にわたって
モニターした結果を示す図である。
形波で駆動したときのフリッカー現象が消去できるオフ
セット直流電圧を残留直流電圧として1時間にわたって
モニターした結果を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 複数配向分割型垂直配向モードの液晶デ
ィスプレイにおいて、対向する1組の基板間に形成され
た液晶層の液晶分子の配向方向を複数方向に制御する突
起を少なくとも一方の基板に備え、該突起は比誘電率1
1以下、かつ、導電率3×10-12S/cm以上である
電気特性を有することを特徴とする液晶ディスプレイ。 - 【請求項2】 複数配向分割型垂直配向モードの液晶デ
ィスプレイに用いるカラーフィルタにおいて、液晶分子
の配向方向を複数方向に制御するための突起を備え、該
突起は比誘電率11以下、かつ、導電率3×10-12S
/cm以上である電気特性を有することを特徴とする液
晶ディスプレイ用のカラーフィルタ。 - 【請求項3】 複数配向分割型垂直配向モードの液晶デ
ィスプレイに用いるアレイ基板において、液晶分子の配
向方向を複数方向に制御するための突起を備え、該突起
は比誘電率11以下、かつ、導電率3×10-12S/c
m以上である電気特性を有することを特徴とする液晶デ
ィスプレイ用のアレイ基板。
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