JP3943000B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に関する。さらに詳しくは、応答特性および輝度特性などに優れた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane Switching)モードまたはVA(Vertical Alignment)モードなどの表示方式によるアクティブマトリクス型液晶表示装置が量産されている。これらの液晶表示装置が、テレビやマルチメディアモニターなどの動画表示主体の用途へとその適用範囲を拡大するにつれて、応答特性の改善が重要な課題となっている。
【0003】
高速応答を実現する表示方式として、ベンド配向液晶層を用いるOCB(Optically Compensated Bend)モードが提案されている。このOCBモードは、すべての階調間で10ms以下の応答が可能であり、前記TNモード、IPSモードおよびVAモードと比較すると、非常に高速である。OCBモードに関しては、「月間ディスプレイ」’01、1月号、P18などで詳しく説明されている(たとえば、特許文献1および非特許文献1参照)。
【0004】
図13にOCBモードによる液晶表示装置に用いられる液晶表示素子の構成を示す。図13において、1は電極基板、2は対向基板、3は対向電極、4は配向膜、5はベンド液晶層、6、7は光学補償フィルム、8、9は偏光板および10はバックライト(照明装置)である。
【0005】
前記電極基板1にはマトリクス状に複数の画素(図示せず)が形成されている。また、前記対向基板2にはカラー表示実現のためにRGBの各色のマイクロカラーフィルタ(図示せず)および前記対向電極3が設けられている。前記配向膜4の表面にはラビングによる配向処理が施されている。このラビング方向Sは電極基板1上の配向膜4と対向基板2上の配向膜4でほぼ平行方向である。前記ベンド液晶層5の厚さGはパネルギャップと呼ぶ。
【0006】
図14に従来のOCBモードにおける液晶表示素子の電極基板上に形成される1つの画素を拡大して示す。図14(a)は平面図であり、図14(b)は図14(a)のI−I線断面図である。図14において、11はゲート配線であり、12はソース配線である。また、13はソース配線から引き出されたソース電極、14はドレイン電極および15は半導体薄膜であり、ゲート配線11の一部と合わせて薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を構成している。また、16は画素電極であり、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な材質で形成されており、17は共通配線であり、画素電極16とのあいだにはゲート絶縁膜18が形成されている。
【0007】
液晶表示素子の動作時においては、ゲート配線11に+20V程度のゲート選択電圧パルスが印加されることによって、TFTがオンとなり、画素電極16はTFTを介してソース配線12と接続される。ソース配線12に外部から印加される信号電圧の大きさにより、画素電極16に充放電される電荷量が変化し、画素電極16の電位が設定される。対向電極3には一定の電位が与えられ、画素電極16とのあいだの電圧によってベント液晶層5の配向状態を制御する。電荷充放電ののち、ゲート配線11には−6V程度の電圧が印加され、TFTはオフとなり、画素電極16上の電荷は保持される。なお、該画素電極16と共通配線17とのあいだに形成される容量は補助容量と呼ばれ、TFTオフ時の画素電極16の電位を安定させる機能を有する。
【0008】
つぎに図15を用いてOCBモードの液晶の動作原理を説明する。図15において、1は電極基板および2は対向基板であり、両基板1、2で挟まれる部分にベント液晶が満たされている。また、図15において、34はベント液晶層5の液晶分子を表している。OCB型液晶表示素子を正常に動作させるためには、素子内の液晶分子34は図15(a)または図15(b)に示されるように、ベンド配列と呼ばれる液晶分子配列をしている必要がある。この図15(a)で示される状態は液晶に印加される電圧が比較的低い場合であり、また、図15(b)で示される状態は液晶に印加される電圧が比較的高い場合であり、この両状態の光学特性の差により表示を行なっている。
【0009】
前記液晶分子34を電極基板1および対向基板2に平行に配列させるために、つぎに述べるラビング処理と呼ばれる手法が一般的に用いられる。図15において、電極基板1および対向基板2の表面には、ポリイミド樹脂が数百オングストロームの厚さで塗布されたのち、液晶表示素子に組み立てる前に、布を用いて一方向に擦る表面処理を施し、配向膜4が形成されている。表面処理を施された一対の基板1、2は、両基板1、2の間隔(セルギャップ)を一定に保つためのスペーサー樹脂を挟んで対向し、基板周辺部を樹脂で固定する。
【0010】
このようにして形成された一対の基板1、2間に、真空注入などを用いて液晶材料が注入される。注入された液晶材料の液晶分子34は、ポリイミド樹脂の表面でラビング処理が施された方向に配列する。基板表面がラビング処理されているとき、液晶分子34は基板1、2に対して平行に配列しようとする性質があるため、以上のように構成された液晶表示素子において、電極に電圧が印加されていない初期状態では、液晶分子34は図15(c)に示されるようにスプレイ配向と呼ばれる配列をしている。OCB型液晶表示素子を正常に動作させるためには、この図15(c)に示される分子配列状態から初期化電圧を印加して、表示を行なうための分子配列状態(図15(a)に示される状態)にし、さらに電圧を印加することにより図15(b)に示される配列に変化させることにより表示を行なう。
【0011】
図15(a)の配向状態を得るための電圧(以下、オフ電圧という)と、図15(b)に示される配向状態を得るための電圧(以下、オン電圧と呼ぶ)とのあいだの配向変化に伴うベント液晶層5のリタデーション変化によって透過率の制御を行なう。オフ電圧印加時に黒表示となるように、オフ電圧印加時の液晶層リタデーションを補償する光学補償フィルムを貼り付ける場合をノーマリーブラックといい、逆にオン電圧印加時に黒表示となるように、オン電圧印加時の液晶層リタデーションを補償する光学補償フィルムを貼り付ける場合をノーマリーホワイトという。このノーマリーホワイトの方が黒表示時の液晶層のリタデーションが小さく、温度変化の影響を受けにくいので、OCBモードでは一般的にはノーマリーホワイトが用いられている。
【0012】
図15(a)や図15(b)に示されるベンド配向された液晶層は、印加電圧を下げた場合にスプレイ配向に転移する性質を有する。ベンド配向とスプレイ配向とのあいだの分子配列の変化、すなわち転移が発生する電圧を転移電圧という。前記液晶を用いてOCBモードで表示を行なうためには、スプレイ配向への転移を抑制する必要がある。そのため、液晶表示素子の動作中、電極に印加する電圧はこの転移電圧よりも高く設定される。
【0013】
図16にOCBモードの液晶表示素子の電圧透過率特性を示す。透過率は輝度透過率であり、光学補償フィルムを貼付けていない液晶表示装置の輝度をリファレンスとしている。用いた液晶の複屈折Δnは0.14、誘電率異方性Δεは+8である。セルギャップは5.7μmである。本液晶表示装置は準安定状態を利用すると1.7V程度まで使用できるが、ベンド配向からスプレイ配向への転移電圧は2.3Vであったので、明るい状態を得るためのオフ電圧は2.4Vに設定している。また、暗い状態を表示するためのオン電圧は透過率が最も低くなる5.3Vである。オフ電圧印加時の透過率はおよそ15%であり、これはTNモードの液晶表示装置の半分以下に相当する。
【0014】
【特許文献1】
特開平11−295739号公報
【非特許文献1】
「月間ディスプレイ」’01、1月号、p.18
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置で明るい表示を得るためには、用いる液晶表示素子の透過率が高いことが重要である。OCBモードの液晶表示装置では、オフ電圧を下げると透過率は高くなるが、前述のようにオフ電圧を下げるとベンド配向がスプレイ配向に転移してしまい、良好な表示が得られなくなってしまう。
【0016】
オフ電圧を転移電圧より低い電圧に設定すると、ベンド配向がスプレイ配向化してしまうのはもちろんであるが、オフ電圧が転移電圧より高くても、転移電圧に近い場合には、たとえば図17に示されるように、画素周辺部、とくに画素電極16の四隅の部分35ではベンド配向がスプレイ配向になってしまい、その部分の表示が異常になってしまう不具合が発生することがある。なお、図17において、11はゲート配線であり、12はソース配線である。
【0017】
このように、オフ電圧が転移電圧より高くてもベンド配向がスプレイ配向になってしまう原因は、画素電極16の周辺部は電圧を印加できないため液晶配列のベンド配向化ができないため初期のスプレイ配向のままであり、画素電極16の角部分ではベンド配向がスプレイ配向に囲まれている状態になっており、画素電極16の角部分のベンド配向は周辺のスプレイ配向がベンド配向部分に進行するような形でスプレイ化し易くなっているものと考えられる。
【0018】
前述のベンド配向のスプレイ化を防止する手法として、画素電極の周辺部をベンド配向にする方法が、たとえば特開2001−290153に提案されている。しかし、その実現には、画素電極分と画素電極の周辺電極部分とで異なる配向処理を施す必要があり、数百μmの大きさの画素電極周辺で、2種類の配向処理を施すことはきわめて困難である。
【0019】
本発明は、叙上の事情に鑑み、高速応答特性とともに高輝度特性を実現することができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置は、画素電極がマトリクス状に複数設けられた電極基板と、対向電極が設けられた対向基板と、これら2枚の基板間に挟持されたベンド配向液晶層とからなる液晶表示装置であって、前記画素電極が周辺電極部と該周辺電極部に囲まれた中央電極部とから構成されており、かつ、通常駆動時において、周辺電極部の画素電極と対向電極とのあいだの前記液晶層には、中央電極部の画素電極と対向電極とのあいだの前記液晶層よりも高い電圧が印加されてなることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明では、画素電極の中央電極部の上層に絶縁層を設け、さらに該絶縁層の上層に画素電極の周辺電極部を設けており、画素電極の周辺電極部と中央電極部を電気的に接続して駆動することにより、絶縁層の上層にある画素周辺電極部では比較的高い電圧を液晶に印加し、絶縁層の下層にある画素電極の中央電極部は絶縁層を介して液晶に電圧を印加するため、液晶層には比較的低い電圧が印加される。これにより、画素電極の中央電極部はベンド配向安定性はわるいが、高い透過率であり、画素電極の周辺電極部は透過率は低いが、ベンド配向安定性を高くすることができる。
【0022】
また、本発明では、画素電極の中央電極部の上層に絶縁層を、画素電極の周辺電極部の上層には絶縁層を設けないか、または中央電極部に設けられた絶縁層よりも薄い絶縁層を設け、画素電極の周辺電極部より中央電極部の方が液晶層に印加する電圧を低くすることにより、前述と同様の効果を得ることができる。
【0023】
前記画素周辺電極部は、透過率が低いため、その領域は小さいことが望ましいが、あまり小さいとベンド配向安定化の効果が小さくなるため、画素電極の周辺電極部の幅は、5μm以上で、かつ、前記中央電極部が前記周辺電極部と重ならない部分が残る程度の範囲内で設定されていることが望ましい。
【0024】
また、画素周辺電極部は、画素中央電極部と電気光学特性が異なるため、とくに黒の表示で均一な黒表示が得られないなどの問題が発生する場合もあるが、そのような場合は、画素周辺電極部を対向基板または電極基板に設けた遮光膜で遮光することにより対処することができる。
【0025】
前述のように画素周辺電極部に比較的高い電圧を印加してベンド配向を安定化させることにより、画素中央電極部には転移電圧より低い電圧を印加しても、準安定状態によりベンド配向を維持することができ、結果としてより一層の高透過率を得ることができる。
【0026】
前記準安定状態のベンド配向は比較的安定しているが、形状的特異点や外部からの衝撃によってスプレイ配向に転移することがある。電極基板と対向基板の間隙を保つための球形スペーサ粒子が画素電極に設けられている場合、その球形スペーサー粒子が形状的特異点になってしまう。したがって、このような準安定状態のベンド配向を利用するためには、スペーサとしては粒子状のものを用いずに、柱状のスペーサを写真製版技術により画素電極以外の部分に形成することにより対処することができる。また、外部の振動を防ぐためには液晶表示素子の観察者側に、保護のための透明基板を液晶表示素子と適当な間隔をもって配置することが有効である。
【0027】
以下、添付図面に基づいて本発明の液晶表示装置を説明する。
【0028】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の構成である。図1(a)は実施の形態1にかかわる電極基板の平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。また、図2は表示パネルの要部断面図である。
【0029】
図1(a)、(b)において、11はゲート配線および12はソース配線である。また、13はソース配線から引き出されたソース電極、14はドレイン電極および15は半導体薄膜である。また、161は第1の画素電極であり、162は第1の画素電極161の上層に、画素電極161を囲むように形成された第2の画素電極である。17は共通配線である。また、19は第1の画素電極161と第2の画素電極162の層間に設けられた層間絶縁膜である。さらに20はドレイン電極14と第2の画素電極162とのコンタクトホールであり、21は第1の画素電極161と第2の画素電極162とのコンタクトホールである。図2において、2は対向基板、3は対向電極および4は配向膜である。また、22はマイクロカラーフィルタの色材および23は遮光膜である。図1(b)および図2に示されるように、第1の領域R1は、第1の画素電極161上で、かつ第2の画素電極162と重なっていない部分である。第2の領域R2は、第2の画素電極162上の部分である。この第1の領域R1内のベント液晶層5には、第2の領域R2内のベント液晶層5よりも低い電圧が印加される。また、前記遮光膜23は、第1の領域R1の部分のみ開口しており、第2の領域R2の部分は遮光している。
【0030】
図1において、第1の画素電極161の上層には、ゲート絶縁膜18と層間絶縁膜19(2つの絶縁膜を合わせて絶縁膜という)が設けられており、かつ第1の画素電極161と第2の画素電極162がコンタクトホール21によって電気的に接続されている。本実施の形態1における画素1つ分に対応する等価回路を図3に示す。なお、図3では、配向膜の容量や配線間に寄生する容量などは省略されている。図3において、11はゲート配線、12はソース配線、17は共通配線、24はTFT、25は前記第2の画素電極162上のベント液晶層5に対応する容量(容量値をC2とする)、26は前記第1の画素電極161上のベント液晶層5に対応する容量(容量値をC1とする)、27は前記第1の画素電極161上の絶縁膜18、19に対応する容量(容量値をCaとする)および28は補助容量である。なお、図3における○印は前記対向電極3に接続されていることを示す。前記第1の画素電極161と対向電極3とのあいだでは、ベント液晶層5の容量C1と絶縁膜18、19の容量Caが直列接続されている。したがって、前記第1の画素電極161上のベント液晶層5に印加される電圧は、前記第2の画素電極162に印加される電圧よりも、絶縁膜18、19に印加される電圧分だけ低くなっている。このようにして、高電圧が印加される第1の領域R1と、低電圧が印加される第2の領域R2が形成されている。前記第2の画素電極162と対向電極3とのあいだに印加される電圧をV2とすると、前記第1の画素電極161上のベント液晶層5に印加される電圧V1は、つぎの式(1)で表される。
【0031】
【数1】
Figure 0003943000
【0032】
前記式(1)から、第1の領域R1のベント液晶層5に印加される電圧は、ベント液晶層5と絶縁膜18、19の容量C1、Caによって調整できる。図4に第1の領域R1と第2の領域R2のベント液晶層5に印加される電圧を示す。絶縁膜18、19にはSiN膜(窒化シリコン膜)を用い、膜厚を400nm(H1)、800nm(H2)、1200nm(H3)の3通りとした。なお、パネルギャップは5.7μmであり、液晶として、図16で用いた液晶と同じものを用いた。SiN膜の膜厚が1200nmの場合、第2の領域R2の電圧が2.4Vのとき、第1の領域R1には1.9Vの電圧が印加される。
【0033】
図4より、厚さが1200nmのSiN膜を絶縁膜に用いれば、第2の領域の画素周辺電極部では、転移電圧より高い電圧を液晶に印加しながら、第1の領域の画素中央電極部のオフ電圧を1.9Vまで下げることができることがわかる。これにより、第1の領域の画素中央電極部では高い透過率を得ることができる。
しかしながら、黒表示を行なうために第1の領域の画素中央電極部にオフ電圧5.3Vを印加した場合、第2の領域の画素周辺電極部では7.3Vが印加されてしまい、黒表示を行なおうとしているのにもかかわらず、第2の領域の画素周辺電極部では光漏れが生じることになる。したがって、この光漏れによるコントラスト低下を防ぐために、本実施の形態1では、図2に示されるように、第2の領域R2の部分も対向基板2の遮光膜23で遮光している。
【0034】
第2の領域の部分の遮光面積が大きすぎる場合には、第1の領域の白透過率が増加しても、遮光による開口率の減少によって、液晶表示装置としての輝度の改善は望めない。図5に第2の領域の幅と輝度透過率の関係を示す。液晶として、図16と同じ液晶を用いるとともに、パネルギャップも5.7μmとした。絶縁膜18、19にはSiN膜(1200nm)を用いた。また、画素全体の大きさは80×240nmとし、第2の領域は画素の外側から同じ幅で形成した。輝度透過率は、図16で説明した液晶表示装置(光学補償フィルムや偏光板はない)の輝度に対する透過率とした。図5から、従来の画素構造での輝度透過率が15%であったので、第2の領域の幅が25μm以下でないと輝度改善の効果がないことがわかる。
【0035】
前記第2の領域R2の外側の領域は初期配向状態のままなので、スプレイ配向になっている。この第2の領域R2の幅に関して、幅が狭すぎる場合には前記画素電極161の外側から第2の領域R2をこえてスプレイ配向領域が画素電極161内に拡がる。このことを考慮すると、第2の領域R2の幅は少なくとも5μmが必要である。
【0036】
以上のことから、本実施の形態1では、1200nmのSiN膜を絶縁膜として用い、かつ第2の領域の幅は10μmとする。
【0037】
つぎに図1を用いて、液晶表示装置の製法を説明する。まず、電極基板の製法について説明する。まずガラス基板上に金属膜をスパッタして成膜し、写真製版およびエッチングによってパターニングすることによりゲート配線11と共通配線17を形成する。ついでITO膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより第1の画素電極161を形成する。そののち、ゲート絶縁膜18を成膜する。ついで半導体薄膜を成膜し、パターニングすることによりTFTの半導体薄膜15を形成する。そして、金属膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより、ソース配線12、ソース電極13およびドレイン電極14を形成する。このパターン形成工程におけるエッチングにより、金属配線パターンがない部分のn型半導体層とi層の一部を除去し、TFTを形成する。ついで層間絶縁膜19を成膜したのち、第2の画素電極162とドレイン電極14とを接続するコンタクトホールおよび第1の画素電極161と第2の画素電極162とを接続するコンタクトホールを形成する。そして、ITOをスパッタして成膜し、パターニングすることにより第2の画素電極162を形成する。なお、ゲート絶縁膜18および層間絶縁膜19の厚さはそれぞれ300nmおよび900nmとし、合わせて1200nmとしている。
【0038】
つぎに対向基板2と前述のようにして製造した電極基板1とを用いて、液晶表示装置を製造する方法について説明する。まず電極基板1と対向基板2の電極面側に配向膜4を形成する。配向膜ワニスをフレクソ印刷法によって塗布したのち、ホットプレートにて乾燥および焼成を行なうことによって配向膜層を形成する。この配向膜4の材料として、AL3046(商品名:JSR株式会社製 可溶性ポリイミド)を使用した。配向膜4を形成したのち、電極基板1と対向基板2の配向膜4とも、パネル正面から見て下方向に平行ラビングを行なう。かかるラビング処理は、ラビング布としてレーヨンベルベットを使用し、ローラーラビング装置を用いて行なった。そののち、対向基板2に6.0μm径の球状スペーサを散布する。このスペーサ材料として、積水ファインケミカル(株)製ミクロパール(商品名)を用いた。また、電極基板1には、表示領域周囲にシール剤をディスペンサで塗布する。このシール剤として、三井化学(株)製ストラクトボンド(商品名)を使用した。スペーサ散布およびシール剤を塗布したののち、電極基板1と対向基板2を配向膜4の面が対向するように貼り合わせる。そして、所定の圧力をかけながら加熱することによってシール剤を硬化させて、パネルギャップを5.7μmに調整する。そののち、液晶材料を基板間に注入する。この液晶材料にはつぎの表1に示される物性値のもの(図16と同じ液晶材料)を使用した。
【0039】
【表1】
Figure 0003943000
【0040】
ついで液晶注入後、図13に示されるように、電極基板1と対向基板2の両基板の外側の面に光学補償フィルム6、7を貼り付けるとともに、その外側の面に偏光板8、9を貼り付けてパネルを作製する。そののち、バックライト(照明装置)10上に液晶パネルを設置し、液晶表示装置を作製する。この液晶表示装置を作製したのち、すべての画素に30V程度の高電圧を印加し、ベンド配向の液晶層を得る。
【0041】
本実施の形態1の液晶表示装置において、オン電圧は7.3Vに、オフ電圧は2.4Vに設定した。この場合、開口部(第1の領域)の画素中央電極部の液晶層に印加される電圧は、オン電圧時に5.3V、オフ電圧時に1.9Vとなる。
白表示時の輝度を測定した結果、従来の画素構造のOCBモードの液晶表示装置と比べて、35%ほど改善された。顕微鏡での観察の結果、白表示時において、開口部でのスプレイ転移の発生は見られなかった。
【0042】
実施の形態2
つぎに本発明の実施の形態2を説明する。本実施の形態2では、前記実施の形態1よりも中央部の画素電極161の面積を大きくすることによって、第2の領域を遮光することによる開口率の低下を抑制している。図6(a)は実施の形態2にかかわる電極基板の平面図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図である。また、図7は表示パネルの要部断面図である。
【0043】
図6(a)、(b)において、11はゲート配線および12はソース配線である。また、13はソース配線から引き出されたソース電極、14はドレイン電極および15は半導体薄膜である。また、161は第1の画素電極であり、162は第1の画素電極161の上層に、画素電極161を囲むように形成された第2の画素電極である。17は共通配線である。また、19は第1の画素電極161と第2の画素電極162の層間に設けられた層間絶縁膜である。さらに20はドレイン電極14と第2の画素電極162とのコンタクトホールである。図6において、2は対向基板、3は対向電極および4は配向膜である。また、22はマイクロカラーフィルタの色材および23は遮光膜である。図6(b)および図7に示されるように、第1の領域R1は、第1の画素電極161上で、かつ第2の画素電極162と重なっていない部分である。第2の領域R2は、第2の画素電極162上の部分である。実施の形態1と同様に、この第1の領域R1内のベント液晶層5には、第2の領域R2内のベント液晶層5よりも低い電圧が印加される。また、前記遮光膜23は、第1の領域R1の部分のみ開口しており、第2の領域R2の部分は遮光している。
【0044】
第2の領域の幅は、実施の形態1と同様に10μmであるが、画素電極161の面積を大きくしたので、従来のOCBモードの液晶表示装置に比べて、開口率は5%程度の低下に抑えられる。
【0045】
つぎに図6を用いて本実施の形態2にかかわる液晶表示装置の製法を説明する。ただし、電極基板の製造以降の工程は前記実施の形態1と共通であるので、電極基板の製法についてのみ説明する。
【0046】
まずガラス基板上に金属膜をスパッタして成膜し、写真製版およびエッチングによってパターニングすることによりゲート配線11と共通配線17を形成する。そののち、ゲート絶縁膜18を成膜する。ついで半導体薄膜を成膜し、パターニングすることによりTFTの半導体薄膜15を形成する。そののち、ITO膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより第1の画素電極161を形成する。そして、金属膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより、ソース配線12、ソース電極13およびドレイン電極14を形成する。ついで層間絶縁膜19を成膜したのち、第2の画素電極162とドレイン電極14とを接続するコンタクトホールを形成する。そして、ITOをスパッタして成膜し、パターニングすることにより第2の画素電極162を形成する。なお、ゲート絶縁膜18および層間絶縁膜19の厚さはそれぞれ300nmおよび1200nmとしている。液晶表示装置を作製したのち、すべての画素に30V程度の高電圧を印加し、ベンド配向の液晶層を得る。
【0047】
本実施の形態2にかかわる液晶表示装置では、オン電圧は7.3Vに、オフ電圧は2.4Vに設定する。この場合、開口部(第1の領域)の液晶層に印加される電圧は、オン電圧時に5.3V、オフ電圧時に1.9Vとなる。白表示時の輝度を測定した結果、従来の画素構造のOCBモードの液晶表示装置と比べて、50%ほど改善された。応答特性は従来構造の液晶表示装置とほぼ同じであった。
また顕微鏡での観察の結果、白表示時において、開口部でのスプレイ転移の発生は見られなかった。
【0048】
実施の形態3
つぎに本発明の実施の形態3を説明する。本実施の形態3では、画素電極は一層であるが、中央部に絶縁膜を形成することによって、中央部のベント液晶層と周辺部のベント液晶層における印加電圧を変化させている。図8に実施の形態3にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の構成を示す。図8(a)は実施の形態3にかかわる電極基板の平面図であり、図8(b)は図8(a)のC−C線断面図である。
【0049】
図8において、11はゲート配線および12はソース配線である。また、13はソース配線から引き出されたソース電極、14はドレイン電極および15は半導体薄膜である。また、16は画素電極であり、191は画素電極16の中央部の上層に形成された上層絶縁膜である。17は共通配線である。なお、本実施の形態3では、対向基板側の構造は示していないが、前記遮光膜は上層絶縁膜191が形成された部分のみ開口している。
【0050】
図8において、前述したように前記画素電極16の中央部の上層には上層絶縁膜191が設けられており、該画素電極16の中央部においては、ベント液晶層の容量と絶縁膜の容量とが直列に接続されている。したがって、該画素電極16の中央部のベント液晶層に印加される電圧は、画素電極16の周辺部のベント液晶層に印加される電圧よりも、上層絶縁膜191に印加される電圧分だけ低くなる。このようにして、前記実施の形態1と同様に高電圧が印加される第1の領域R1と、低電圧が印加される第2の領域R2が形成される。前記実施の形態1、2の場合と異なり、第1の領域R1と第2の領域R2ではベント液晶層の厚さがほぼ上層絶縁膜191の厚さ分だけ異なる。すなわち第2の領域R2のベント液晶層が厚くなる。
【0051】
本実施の形態3においても、これまでの実施の形態と同様に上層絶縁膜191には、厚さが1200nmのSiN膜を用いて、上層絶縁膜191が形成されない第2の領域R2の幅は10μmである。
【0052】
つぎに図8を用いて本実施の形態3にかかわる液晶表示装置の製法を説明する。ただし、電極基板の製造以降の工程は前記実施の形態1と共通であるので、電極基板の製法についてのみ説明する。
【0053】
まずガラス基板上に金属膜をスパッタして成膜し、写真製版およびエッチングによってパターニングすることによりゲート配線11と共通配線17を形成する。ついでゲート絶縁膜18を成膜したのち、半導体薄膜を成膜し、パターニングすることによりTFTの半導体薄膜15を形成する。そののち、ITO膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより画素電極16を形成する。そして、金属膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより、ソース配線12、ソース電極13およびドレイン電極14を形成する。さらにSiN膜を成膜し、パターニングすることにより上層絶縁膜191を形成する。このようにして、電極基板1を製造する。液晶表示装置を作製したのち、すべての画素に30V程度の高電圧を印加し、ベンド配向の液晶層を得る。
【0054】
本実施の形態3にかかわる液晶表示装置では、オン電圧は7.3Vに、オフ電圧は2.4Vに設定する。この場合、開口部(第1の領域)の液晶層に印加される電圧は、オン電圧時に5.3V、オフ電圧時に1.9Vとなる。白表示時の輝度を測定した結果、従来の画素構造のOCBモードの液晶表示装置と比べて、35%ほど改善された。応答特性は従来構造の液晶表示装置とほぼ同じであった。
また顕微鏡での観察の結果、白表示時において、開口部でのスプレイ転移の発生は見られなかった。
【0055】
実施の形態4
つぎに本発明の実施の形態4を説明する。本実施の形態4では、オン電圧印加時の第1の領域と第2の領域のベント液晶層のリタデーションを同じにすることによって、オン電圧印加時の第2の領域の光漏れを抑制している。これにより、対向基板側の遮光膜を第2の領域の部分も開口させることが可能となり、白透過率の改善効果が実施の形態1〜3の場合よりも大きくなる。図10に実施の形態4にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の構成を示す。図9(a)は実施の形態4にかかわる電極基板の平面図であり、図9(b)は図9(a)のD−D線断面図である。また、図10は表示パネルの要部断面図である。
【0056】
図9(a)、(b)において、11はゲート配線および12はソース配線である。また、13はソース配線から引き出されたソース電極、14はドレイン電極および15は半導体薄膜である。また、16は画素電極であり、191は画素電極16の中央部の上層に形成された上層絶縁膜であり、192は画素電極16の中央部の下層に形成された下層絶縁膜ある。17は共通配線である。図10において、2は対向基板、3は対向電極および4は配向膜である。また、22はマイクロカラーフィルタの色材および23は遮光膜である。第1の領域R1は前記画素電極16上の上層絶縁膜191が形成された部分である。第2の領域R2は前記画素電極16上で上層絶縁膜191が形成されていない部分である。また、前記遮光膜23は、第1の領域R1と第2の領域R2で開口しており、その他の領域を遮光している。
【0057】
前記画素電極16の中央部の第1の領域R1と周辺部の第2の領域R2において、第2の領域R2のベント液晶層5への印加電圧が第1の領域R1のベント液晶層5への印加電圧よりも高くなるメカニズムは実施の形態3と同じである。本実施の形態4では、第1の領域R1にオン電圧を5.3Vを印加した場合、第2の領域R2には7.3V印加されることに注目して、7.3Vで透過率が最小になるように第2の領域R2のベント液晶層5の厚さを調整する。
【0058】
図11に従来のOCBモードの液晶表示装置の電圧透過率特性を示す。パネルギャップは8.2μmであり、その他の条件は図16における液晶表示装置と同じである。図11より、パネルギャップが8.2μmの場合、オン電圧は7.3Vとなる。
【0059】
本実施の形態4において、上層絶縁膜191には厚さが1200nmのSiN膜を用いるとともに、下層絶縁膜192には厚さが1000nmのSiN膜を用いている。ゲート絶縁膜の厚さは300nmとしている。また、絶縁膜が形成されない第2の領域R2の幅は10μmとしている。
【0060】
つぎに図9を用いて本実施の形態4にかかわる液晶表示装置の製法を説明する。ただし、電極基板の製造以降の工程は前記実施の形態1と共通であるので、電極基板の製法についてのみ説明する。
【0061】
まずガラス基板上に金属膜をスパッタして成膜し、写真製版およびエッチングによってパターニングすることによりゲート配線11と共通配線17を形成する。ついでSiN膜を成膜し、パターニングすることにより下層絶縁膜192を形成する。続いてゲート絶縁膜18を成膜する。さらに半導体薄膜を成膜し、パターニングすることによりTFTの半導体薄膜15を形成する。そののち、ITO膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより画素電極16を形成する。そして、金属膜をスパッタして成膜し、パターニングすることにより、ソース配線12、ソース電極13およびドレイン電極14を形成する。さらにSiN膜を成膜し、パターニングすることにより上層絶縁膜191を形成する。このようにして、電極基板1を製造する。液晶表示装置を作製したのち、すべての画素に30V程度の高電圧を印加し、ベンド配向の液晶層を得る。
【0062】
本実施の形態4にかかわる液晶表示装置では、オン電圧は7.3Vに、オフ電圧は2.4Vに設定する。この場合、開口部(第1の領域)の液晶層に印加される電圧は、オン電圧時に5.3V、オフ電圧時に1.9Vとなる。オフ電圧を印加して明表示時の輝度を測定した結果、従来の画素構造のOCBモードの液晶表示装置と比べて、55%ほど改善された。オン電圧を印加した場合、第2の領域の周辺部の電極部分ではパネルギャップが8.2μmの部分に7.3Vの電圧が印加され、第1の領域の中央部の電極部分ではパネルギャップが5.7μmの部分に5.3Vの電圧が印加され、どちらの電極領域でも透過率は黒表示を行なうのに充分に透過率が低下した。また、顕微鏡での観察の結果、白表示時において、開口部でのスプレイ転移の発生は見られなかった。
【0063】
実施の形態5
本実施の形態5では、液晶表示装置の製造時に球状スペーサを散布しなかったことを除いて前記実施の形態2と同様に製造する。パネルギャップの調整には柱状スペーサを適用している。該柱状スペーサとは、電極基板または対向基板の表面に写真製版工程によって作られた柱状の構造のことである。本実施の形態5では、高さ5.7μmの柱状スペーサが予め付けられた対向基板を用いる。この柱状スペーサは、対向基板と電極基板の貼合せ時に、電極基板上のゲート配線とソース配線が交差する位置に当たるように作られる。
【0064】
これまでの実施の形態1〜4においては、液晶表示装置の一部の画素でスプレイ転移が発生することがある。このスプレイ転移が発生した画素を顕微鏡で観察したところ、画素内の球状スペーサからスプレイ転移が発生していた。本実施の形態5では、凝集スペーサから発生するスプレイ転移を防ぐために、画素外に柱状スペーサを配置する。液晶表示装置を作製したのち、すべての画素に30V程度の高電圧を印加し、ベンド配向の液晶層を得る。
【0065】
本実施の形態5にかかわる液晶表示装置では、オン電圧は7.3Vに、オフ電圧は2.4Vに設定する。この場合、開口部(第1の領域)の液晶層に印加される電圧は、オン電圧時に5.3V、オフ電圧時に1.9Vとなる。白表示時の輝度を測定した結果、従来の画素構造のOCBモードの液晶表示装置と比べて、50%ほど改善された。また、液晶表示装置全面においてスプレイ転移の発生は観察されなかった。
【0066】
実施の形態6
これまでの実施の形態1〜5のように液晶表示装置を構成し、画素中央部のベンド配向を安定化しても、外部から液晶パネルへの衝撃や圧力でスプレイ転移が発生することがある。そのような場合、図12に示されるように、液晶パネル31と観察者とのあいだに、液晶パネル31の表面に該液晶パネル31と適当な間隔を保った状態で、透明基板である保護基板32を設置する。本実施の形態5では、かかる透明な保護基板32を設置することにより、液晶パネル31への衝撃や圧力を防ぐことができ、スプレイ転移発生を抑制することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したとおり、請求項1にかかわる発明によれば、画素電極が周辺電極部と該周辺電極部に囲まれた中央電極部とから構成されており、かつ、通常駆動時において、該周辺電極部と対向電極とのあいだの前記液晶層には、前記中央電極部と対向電極とのあいだの前記液晶層よりも高い電圧が印加されるために、スプレイ転移が発生することなく、開口部のオフ電圧を低くすることができる。その結果、高速応答特性とともに高輝度特性を実現することができる。
【0068】
また、請求項2にかかわる発明によれば、画素電極の中央電極部の上層に絶縁層が設けられているとともに、該絶縁層の上層に前記画素電極の周辺電極部が設けられており、該画素電極の周辺電極部と中央電極部が電気的に接続されているため、画素周辺電極部に画素中央電極部より高い電圧が印加可能な液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0069】
また、請求項3、4にかかわる発明によれば、画素電極の中央電極部の上層に絶縁層が設けられ、画素電極の周辺電極部の上層には絶縁層が設けられない、または画素電極の中央電極部の上層に設けられた絶縁層よりも薄い絶縁層が設けられ、画素電極の周辺電極部と中央電極部が電気的に接続されているため、画素周辺電極部に画素中央電極部より高い電圧が印加可能な液晶表示装置を容易に製造することができる。
【0070】
また、請求項5にかかわる発明によれば、画素電極の周辺電極部の幅を5μm以上で、かつ、前記中央電極部が前記周辺電極部と重ならない部分が残る程度の範囲内で設定されているため、スプレイ転移が画素周辺部を横切って画素中央部に拡がることが妨げられ、表示不良のない液晶表示装置を実現することができる。
【0071】
また、請求項6にかかわる発明よれば、画素電極の周辺電極部が遮光されているため、黒表示時の光漏れを抑えることができ、コントラストの高い液晶表示装置を実現できる。
【0072】
また、請求項7にかかわる発明によれば、黒表示時に画素電極の周辺電極部の液晶層のリタデーションが画素電極の中央電極部の液晶層のリタデーションが等しくされているため、黒表示時の光漏れを抑えることができ、コントラストの高い液晶表示装置を実現することができる。
【0073】
また、請求項8にかかわる発明によれば、画素電極部の中央電極部に、液晶表示装置のベンドを維持するために必要な電圧より低い電圧が印加されているため、準安定状態によりベンド配向を維持することができ、高透過率を得ることができる。
【0074】
また、請求項9にかかわる発明によれば、電極基板と対向基板の間隙を保つための柱状スペーサが画素電極を除く領域に設けられているため、凝集した球状スペーサからのスプレイ転移を抑制し、表示不良のない液晶表示装置が実現することができる。
【0075】
さらに請求項10にかかわる発明によれば、電極基板と対向基板とで構成される液晶パネルと観察者とのあいだに透明基板が設置されているため、液晶パネルへの衝撃や圧力を防ぐことができ、スプレイ転移発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の平面図およびA−A線断面図である。
【図2】表示パネルの要部断面図である。
【図3】一般的なTFT−LCDにおけるTFT-アレイにおける等価回路例を示す図である。
【図4】実施の形態1にかかわる液晶表示素子の画素電極第1の領域の液晶に印加される電圧と第2の領域の液晶に印加される電圧の関係を示す図である。
【図5】実施の形態1にかかわる液晶表示素子の画素電極第2の領域の幅と液晶電気光学素子の輝度透過率を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の平面図およびB−B線断面図である。
【図7】表示パネルの要部断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の平面図およびC−C線断面図である。
【図9】表示パネルの要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態4にかかわる液晶表示装置における電極基板側の画素の平面図およびD−D線断面図である。
【図11】液晶層厚さが8.2μmのOCBモード液晶層の電圧−透過率特性を示す。
【図12】本発明の実施の形態6にかかわる液晶表示装置における液晶パネルの断面図である。
【図13】ベンド配向を用いたOCBモード液晶表示装置の一般的な構成図である。
【図14】従来の一般的なTFT液晶表示装置における電極基板側の画素の平面図およびI−I線断面図である。
【図15】OCBモード液晶の動作原理を示す図である。
【図16】液晶層厚さが5.7μmのOCBモード液晶層の電圧−透過率特性を示す図である。
【図17】従来のOCBモード液晶表示装置の表示不良の例を示す図である。
【符号の説明】
1 電極基板
2 対向基板
3 対向電極
4 配向膜
5 ベント液晶層
11 ゲート配線
12、13 ソース配線
14 ドレイン電極
15 半導体薄膜
16 画素電極
17 共通配線
18 ゲート絶縁膜
19 層間絶縁膜
20、21 コンタクト
22 マイクロカラーフィルタの色材、
23 遮光膜
24 TFT
25、26、27 容量
28 補助容量
31 液晶パネル
32 透明基板(保護基板)
161 第1の画素電極
162 第2の画素電極
191 上層絶縁膜
192 下層絶縁膜

Claims (10)

  1. 画素電極がマトリクス状に複数設けられた電極基板と、対向電極が設けられた対向基板と、これら2枚の基板間に挟持されたベンド配向液晶層とからなる液晶表示装置であって、
    前記画素電極が周辺電極部と該周辺電極部に囲まれた中央電極部とから構成されており、かつ、通常駆動時において、該周辺電極部と対向電極とのあいだの前記液晶層には、前記中央電極部と対向電極とのあいだの前記液晶層よりも高い電圧が印加されてなる液晶表示装置。
  2. 前記画素電極の中央電極部の上層に絶縁層が設けられているとともに、該絶縁層の上層に前記画素電極の周辺電極部が設けられており、該画素電極の周辺電極部と中央電極部が電気的に接続されてなる請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記画素電極の中央電極部の上層に絶縁層が設けられているとともに、前記画素電極の周辺電極部の上層に前記絶縁層よりも薄い絶縁層が設けられており、該画素電極の周辺電極部と中央電極部が電気的に接続されてなる請求項1記載の液晶表示装置。
  4. 前記画素電極の中央電極部の上層に絶縁層が設けられており、該画素電極の周辺電極部と中央電極部が電気的に接続されてなる請求項1記載の液晶表示装置。
  5. 前記画素電極の周辺電極部の幅が、5μm以上で、かつ、前記中央電極部が前記周辺電極部と重ならない部分が残る程度の範囲内で設定されてなる請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  6. 前記画素電極の周辺電極部が遮光されている請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  7. 黒表示時に前記画素電極の周辺電極部の液晶層のリタデーションが該画素電極の中央電極部の液晶層のリタデーションと等しくされてなる請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  8. 前記画素電極の中央電極部に、液晶表示装置のベンドを維持するために必要な電圧より低い電圧が印加されてなる請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  9. 前記電極基板と対向基板の間隙を保つための柱状スペーサが前記画素電極を除く領域に設けられてなる請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  10. 前記電極基板と対向基板とで構成される液晶パネルと観察者とのあいだに透明基板が設置されてなる請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
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