JP2003035215A - 燃料温度推定装置及び異常診断装置 - Google Patents
燃料温度推定装置及び異常診断装置Info
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Abstract
内の燃料温度を検出できるようにする。 【解決手段】 エンジン運転中に、エンジン回転速度N
Eと吸気管圧力PMに基づいて排気熱等による燃料温度
上昇分Tonupを算出し(ステップ103)、車速SPD
と吸気温TAに基づいて、放熱による燃料温度下降分T
ondownを算出する(ステップ104)。この後、燃料タ
ンク内の燃料残量LFGと前回の燃料温度推定値Ton(i
-1) に応じた補正係数Fonを算出し(ステップ10
5)、今回の燃料温度推定値Ton(i) を次式により算出
する(ステップ106)。 Ton(i) =(Tonup−Tondown)×Fon+Ton(i-1) そして、この燃料温度推定値Ton(i) をなまし処理して
最終的な燃料温度推定値Ton(i) を求める(ステップ1
07)。
Description
料温度を推定する燃料温度推定装置及び推定した燃料温
度を異常診断データとして用いる異常診断装置に関する
ものである。
温度は、様々な要因で変化する。例えば、燃料タンクは
自動車の後部に搭載されているため、内燃機関(エンジ
ン)の排気熱が燃料タンクに伝わって燃料タンク内の燃
料温度が上昇し、また、燃料タンク内から燃料ポンプで
燃料噴射弁へ送られた燃料の余剰分が燃料タンク内に戻
される燃料リターンシステムにおいては、燃料噴射弁側
から燃料タンク内に戻される燃料(リターン燃料)によ
っても燃料温度が上昇する。また、走行風による燃料タ
ンクの空冷効果(放熱効果)によって燃料温度が低下
し、外気温によっても、燃料温度の変化の挙動が異なっ
てくる。
燃料タンク内のエバポガス(燃料蒸発ガス)の発生量が
多くなって、燃料タンクの内圧が上昇する。この燃料タ
ンク内で発生したエバポガスをキャニスタで吸着して、
運転状態に応じてキャニスタからエバポガスをエンジン
吸気系へ放出(パージ)するエバポガスパージシステム
では、エバポ系内のエバポガスが大気中に漏れる“リー
ク”を検出するために、燃料タンクを含むエバポ系内を
密閉して、燃料タンク内圧を圧力センサで検出し、所定
期間内の燃料タンク内圧の変化量等に基づいてエバポ系
のリークの有無を診断するようにしている。
て燃料タンク内圧が変化することから、特開平6−81
727号公報に示すように、燃料タンク内の燃料温度を
検出する燃料温度センサを設置し、前回のエンジン停止
時の燃料温度と今回のエンジン始動時の燃料温度との温
度差が所定値以上のときに、燃料タンク内圧と大気圧と
の差圧が所定値以上であるか否かによって、エバポ系の
リーク診断を行うことが提案されている。
成では、燃料タンク内の燃料温度を検出するために、新
たに燃料温度センサを設ける必要があり、その分、製造
コストが高くなるという欠点がある。また、燃料温度セ
ンサを設ける場合、システムの信頼性を確保するため
に、燃料温度センサの異常診断をどの様にして行うかが
問題となる。
ものであり、第1の目的は、燃料温度センサを設けなく
ても、燃料タンク内の燃料温度を検出することができる
燃料温度推定装置を提供することであり、また、第2の
目的は、燃料温度センサを設けなくても、燃料タンク内
の燃料温度を考慮してエバポガスパージシステムの異常
診断を行うことができる異常診断装置を提供することで
あり、また、第3の目的は、燃料温度センサを設けたシ
ステムにおいて、燃料温度センサの異常診断を行うこと
ができる異常診断装置を提供することである。
るために、本発明の請求項1の燃料温度推定装置は、内
燃機関の運転中にその運転状態に基づいて燃料タンク内
の燃料温度の上昇分を推定する燃温上昇分推定手段と、
車速及び/又は吸気温又はこれらと相関関係のある情報
(例えば外気温等)に基づいて空冷効果(放熱効果)に
よる燃料タンク内の燃料温度の下降分を推定する燃温下
降分推定手段と、前記燃温上昇分推定手段及び前記燃温
下降分推定手段で推定した燃料温度の上昇分と下降分と
に基づいて現在の燃料温度の推定値を更新する燃温推定
手段とを備えた構成としたものである。この構成によ
り、燃料温度センサを設けなくても、内燃機関の運転中
に燃料タンク内の燃料温度を判定することができる。
されているため、内燃機関の排気熱が燃料タンクに伝わ
って燃料タンク内の燃料温度が上昇する。この点を考慮
して、請求項2のように、燃温上昇分推定手段は、排気
熱が燃料タンク内に伝わることによる燃料温度の上昇分
を推定するようにすると良い。これにより、内燃機関運
転中の燃料温度上昇の主要な要因である排気熱による燃
料温度の上昇分を推定することができる。
サを備えたシステムでは、排気温度センサの出力に基づ
いて排気熱による燃料温度の上昇分を推定すれば良い
が、排気温度センサを備えていないシステムでは、請求
項3のように、内燃機関の回転速度及び/又は負荷(例
えば吸気管圧力、吸入空気量、スロットル開度等)に基
づいて燃料タンク内の燃料温度の上昇分を推定するよう
にすれば良い。一般に、内燃機関の回転速度が高くなる
ほど、排気熱が増加し、負荷が大きくなるほど、排気熱
が増加するため、内燃機関の回転速度や負荷に基づいて
排気熱による燃料温度の上昇分を推定することができ
る。
噴射弁へ送られた燃料の余剰分が燃料タンク内に戻され
る燃料リターンシステムにおいては、燃料噴射弁側から
燃料タンク内に戻される燃料(リターン燃料)によって
も燃料温度が上昇する。従って、この燃料リターンシス
テムにおいては、請求項4のように、排気熱による燃料
タンク内の燃料温度の上昇分の他に、燃料噴射弁側から
燃料タンク内に戻される燃料(リターン燃料)による燃
料温度の上昇分も推定するようにすると良い。このよう
にすれば、燃料リターンシステムにおける燃料温度上昇
の2大要因である排気熱とリターン燃料の両方を考慮し
て燃料温度の上昇分を精度良く推定することができる。
尚、燃料噴射弁側から燃料タンク内へ燃料を戻さない燃
料リターンレスシステムでは、リターン燃料による燃料
温度の上昇分を考慮する必要はなく、排気熱の影響のみ
を考慮して燃料温度の上昇分を推定すれば良い。
燃料ポンプを配置した構成の燃料系においては、燃料ポ
ンプの発熱による燃料温度の上昇分も推定するようにし
ても良い。この際、燃料ポンプの発熱量は、燃料ポンプ
に供給する電力によって推定すれば良い。
熱量が同じでも、燃料タンク内の燃料残量によって燃料
温度の変化量が異なってくる。例えば、燃料タンク内の
燃料残量が少なくなるほど、排気熱等による燃料温度の
上昇分が大きくなる傾向がある。また、燃料タンク内の
燃料温度が高いときには、走行風の温度(外気温)と燃
料温度との温度差が大きくなって、空冷効果(放熱効
果)による燃料温度の下降分が大きくなる傾向があり、
反対に、燃料タンク内の燃料温度が低いときには、排気
熱等による燃料温度の上昇分が相対的に大きくなる傾向
がある。
うに、燃料タンク内の燃料残量及び/又は前回の燃料温
度推定値に基づいて今回の燃料温度推定値を補正手段に
より補正するようにしても良い。これにより、燃料温度
の推定精度を更に向上することができる。
の運転停止時に推定した燃料温度推定値と、前回の内燃
機関運転停止から今回の内燃機関始動までの経過時間
と、外気温又はこれと相関関係のある情報(吸気温等)
に基づいて今回の内燃機関始動時の燃料温度の初期値を
推定するようにしても良い。つまり、内燃機関運転停止
中の放熱による燃料温度の下降量を、前回の内燃機関運
転停止から今回の内燃機関始動までの経過時間と、外気
温又はこれと相関関係のある情報(吸気温等)に基づい
て推定し、前回の内燃機関運転停止時に推定した燃料温
度推定値から上記内燃機関停止中の放熱による燃料温度
の下降量を差し引くことで、今回の内燃機関始動時の燃
料温度の初期値を推定することができる。このようにし
て推定した燃料温度の初期値が外気温(又は吸気温)よ
りも低くなるような場合は、燃料温度の初期値を外気温
(又は吸気温)と同一温度に設定すれば良い。
燃料温度を推定する場合は、請求項8のように、内燃機
関の運転を停止してからの経過時間又はこれと相関関係
のある情報(例えば内燃機関運転停止後の冷却水温低下
量等)に基づいて内燃機関停止中の燃料温度の推定値を
更新するようにすれば良い。これにより、燃料温度セン
サを設けなくても、内燃機関の停止中に燃料タンク内の
燃料温度を推定することができる。
を停止してからの経過時間及び外気温又はこれらと相関
関係のある情報に基づいて内燃機関停止中の燃料温度の
推定値を更新するようにしても良い。これにより、内燃
機関の停止中の放熱による燃料温度の下降量が外気温に
よって変化することも考慮して、内燃機関の停止中に燃
料タンク内の燃料温度を精度良く推定することができ
る。
燃料残量によって燃料温度の低下量が異なってくること
を考慮して、請求項10のように、燃料タンク内の燃料
残量に基づいて今回の燃料温度推定値を補正するように
しても良い。これにより、内燃機関停止中の燃料温度の
推定精度を更に向上することができる。
請求項1乃至7のいずれかの方法で内燃機関の運転中に
燃料タンク内の燃料温度を推定する燃料温度推定装置
(以下「機関運転中燃料温度推定装置」という)と、上
述した請求項8乃至10のいずれかの方法で内燃機関の
停止中に燃料タンク内の燃料温度を推定する燃料温度推
定装置(以下「機関停止中燃料温度推定装置」という)
の両方を持つ構成としても良い。このようにすれば、内
燃機関の運転中、停止中のいずれの場合でも、燃料温度
を推定することができる。
料温度推定装置の燃温推定手段は、内燃機関の運転停止
時に機関運転中燃料温度推定装置の燃温推定手段で推定
した燃料温度推定値を初期値として内燃機関停止中の燃
料温度の推定値を更新するようにしても良い。このよう
にすれば、内燃機関の運転停止前後の燃料温度推定値が
不連続になることを防止できると共に、内燃機関停止後
に推定する燃料温度の初期値を容易に適正値に設定する
ことができる。
請求項13のように、内燃機関の運転中にエバポガスパ
ージシステムの異常診断を行う異常診断手段を備えた異
常診断装置においては、上述した請求項1乃至7のいず
れかの方法で内燃機関の運転中に推定した燃料温度推定
値を異常診断実行条件判定パラメータ及び/又は異常診
断パラメータとして用いるようにしても良い。このよう
にすれば、燃料温度センサを設けなくても、内燃機関の
運転中に燃料タンク内の燃料温度を考慮してエバポガス
パージシステムの異常診断を行うことができる。
定装置で推定した燃料温度推定値が所定温度以下である
ことを異常診断実行条件の1つとするようにしても良
い。これは、燃料温度が高いときには、燃料タンク内の
エバポガス発生量が多くなって、少量リーク時の燃料タ
ンク内圧の変化と正常時の燃料タンク内圧の変化との差
が少なくなって、両者を区別しにくくなるためである。
従って、燃料温度推定値が所定温度より高いときにエバ
ポガスパージシステムの異常診断を禁止するようにすれ
ば、エバポガスの過剰発生による誤診断を未然に防止で
き、異常診断の信頼性を向上できる。
中にエバポガスパージシステムの異常診断を行う異常診
断手段とを備えた異常診断装置においては、請求項8乃
至12のいずれかの方法で内燃機関の停止中に推定した
燃料温度推定値を異常診断実行条件判定パラメータ及び
/又は異常診断パラメータとして用いるようにしても良
い。このようにすれば、燃料温度センサを設けなくて
も、内燃機関の停止中に燃料タンク内の燃料温度を考慮
してエバポガスパージシステムの異常診断を行うことが
できる。
止中に推定した燃料温度推定値の変化と燃料タンクの内
圧の変化との関係に基づいてエバポガスパージシステム
の異常診断を行うようにしても良い。つまり、内燃機関
停止中は、時間の経過に伴って燃料タンク内の燃料温度
が放熱により徐々に低下して燃料タンク内の空間部のエ
バポガスが徐々に凝縮(液化)して、エバポガス量が徐
々に少なくなるため、燃料タンクを含むエバポ系内が密
閉されていれば、燃料タンク内圧は、時間の経過に伴っ
て徐々に低下するのがリークのない正常な状態である。
もし、エバポ系にリークが発生していれば、燃料タンク
内の燃料温度が低下しても、燃料タンク内圧は大気圧付
近で変化しない。このような関係から、内燃機関停止中
に推定した燃料温度推定値の変化と燃料タンクの内圧の
変化との関係に基づいて内燃機関停止中にエバポガスパ
ージシステムの異常診断を行うことができる。
止中に異常診断を開始してから燃料温度推定装置で推定
した燃料温度推定値が所定温度低下するまでの燃料タン
クの内圧変化量に基づいてエバポガスパージシステムの
異常診断を行うようにしても良い。つまり、内燃機関停
止中に燃料温度推定値が所定温度低下するまでの燃料タ
ンクの内圧変化量が所定の判定値以下であるか否かで、
リークの有無を判定することができる。
(低下の傾き)と燃料タンク内圧の変化率(変化の傾
き)とに基づいてエバポガスパージシステムの異常診断
を行うようにしても良い。
パージシステムの異常診断を行う場合は、異常診断開始
時の燃料タンク内の燃料温度が低いと(つまり燃料温度
が外気温に近いと)、その後の燃料温度の低下量が少な
くなり、その結果、燃料タンク内圧の変化量も少なくな
って、リーク発生時と正常時との差が少なくなり、両者
を正確に区別するのが難しくなる。
停止直前又は停止直後の燃料温度推定値が外気温よりも
ある程度高い温度に設定された所定温度以上であること
を異常診断実行条件の1つとするようにしても良い。こ
のようにすれば、内燃機関停止中の異常診断時に、燃料
温度の低下量(低下率)を確保することができ、リーク
発生時と正常時とで燃料タンク内圧の変化量(変化率)
を明瞭に異ならせることができて、リークの有無を精度
良く判定することができる。
請求項19のように、燃料タンク内の燃料温度を検出す
る燃料温度センサを備えたシステムでは、前記請求項1
乃至12のいずれかの方法で推定した燃料温度推定値と
燃料温度センサの検出値との関係に基づいて燃料温度セ
ンサの異常診断を行うようにしても良い。例えば、燃料
温度推定値と燃料温度センサの検出値との誤差が、正常
時の誤差範囲を越えていれば、燃料温度センサの異常と
診断することができる。
燃料温度推定値の変化量と燃料温度センサの検出値の変
化量との関係に基づいて燃料温度センサの異常診断を行
うようにしても良い。つまり、燃料温度推定値は、初期
値の取り方によって異なった推定値になるが、その変化
の挙動は、初期値に多少のずれがあっても、同じような
傾向の変化の挙動となる。従って、所定期間内の燃料温
度推定値の変化量と燃料温度センサの検出値の変化量と
の関係に基づいて燃料温度センサの異常診断を行えば、
燃料温度推定値の初期値に多少のずれがあっても、その
影響を受けずに、燃料温度センサの異常の有無を精度良
く診断することができる。
をエバポガスパージシステムの異常診断装置に適用した
実施形態(1)を図1乃至図7に基づいて説明する。
ステムの構成を説明する。燃料タンク11には、エバポ
通路12を介してキャニスタ13が接続されている。こ
のキャニスタ13内には、エバポガス(燃料蒸発ガス)
を吸着する活性炭等の吸着体(図示せず)が収容されて
いる。また、キャニスタ13の底面部の大気連通孔に
は、大気開閉弁14が取り付けられている。
より構成され、通電がオフされている状態では、開弁状
態に保持されて、キャニスタ13の大気連通孔が大気に
開放された状態に保たれる。この大気開閉弁14は、通
電すると閉弁し、キャニスタ13の大気連通孔が閉塞さ
れた状態になる。
の間には、キャニスタ22内の吸着体に吸着されている
エバポガスをエンジン吸気系にパージ(放出)するため
のパージ通路15が設けられ、このパージ通路15の途
中に、パージ流量を制御するパージ制御弁16が設けら
れている。このパージ制御弁16は、常閉型の電磁弁に
より構成され、通電をデューティ制御することで、キャ
ニスタ13からエンジン吸気系へのエバポガスのパージ
流量を制御するようになっている。
出するタンク内圧センサ17が設けられている。燃料タ
ンク11内からパージ制御弁16までのエバポ系が密閉
されている時には、燃料タンク11の内圧とエバポ系の
他の部位の内圧が一致するため、タンク内圧センサ17
により燃料タンク11の内圧を検出することで、エバポ
系内の圧力を検出することができる。
る燃料レベルセンサ18が設けられている。その他、エ
ンジン冷却水温を検出する水温センサ19、吸気温を検
出する吸気温センサ20等の各種のセンサが設けられて
いる。
1に入力される。この制御回路21の電源端子には、メ
インリレー22を介して電源電圧が供給される。この
他、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧セ
ンサ17及び燃料レベルセンサ18に対しても、メイン
リレー22を介して電源電圧が供給される。メインリレ
ー22のリレー接点22aを駆動するリレー駆動コイル
22bは、制御回路21のメインリレーコントロール端
子に接続され、このリレー駆動コイル22bに通電する
ことで、リレー接点22aがオンして、制御回路21、
大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内圧センサ
17及び燃料レベルセンサ18に電源電圧が供給され
る。そして、リレー駆動コイル22bへの通電をオフす
ることで、リレー接点22aがオフして、制御回路21
等への電源供給がオフされる。制御回路21のキーSW
端子には、イグニッションスイッチ23のオン/オフ信
号が入力される。また、制御回路21には、バックアッ
プ電源24と、このバックアップ電源24を電源として
計時動作するソークタイマ25が内蔵されている。この
ソークタイマ25は、エンジン停止後(イグニッション
スイッチ23のオフ後)に計時動作を開始してエンジン
停止後の経過時間を計測する。
主体として構成され、そのROM(記憶媒体)に記憶さ
れた燃料噴射制御プログラム、点火制御プログラム及び
パージ制御プログラムを実行することで、燃料噴射制
御、点火制御及びパージ制御を行う。更に、この制御回
路21は、ROMに記憶された図2乃至図6に示す各ル
ーチンを実行することで、エンジン運転中及びエンジン
停止中に燃料タンク11内の燃料温度を推定し、この燃
料温度推定値を用いてエバポ系のリーク診断を実行す
る。ここで、本実施形態(1)の燃料温度推定方法を説
明する。
ンジン運転中は、燃料タンク11内の燃料温度Ton(i)
を次式により推定する。 Ton(i) =(Tonup−Tondown)×Fon+Ton(i-1) Tonup:演算周期当たりの燃料タンク11内の燃料温度
上昇分 Tondown:演算周期当たりの燃料タンク11内の燃料温
度下降分 Fon:補正係数 Ton(i-1) :前回の燃料温度推定値
ン運転中の燃料温度上昇の主要な要因である排気熱が燃
料タンク11内に伝わることによる燃料温度上昇分であ
る。排気温度を検出する排気温度センサを備えたシステ
ムでは、排気温度センサの出力に基づいて排気熱による
燃料温度の上昇分を推定すれば良いが、排気温度センサ
を備えていないシステムでは、エンジン回転速度及び/
又は負荷(例えば吸気管圧力、吸入空気量、スロットル
開度等)に基づいてマップ又は数式により燃料温度上昇
分を算出すれば良い。一般に、エンジン回転速度が高く
なるほど、排気熱が増加し、負荷が大きくなるほど、排
気熱が増加するため、エンジン回転速度や負荷に基づい
て排気熱による燃料温度の上昇分を推定することができ
る。
(図示せず)で燃料噴射弁(図示せず)に送られた燃料
の余剰分が燃料タンク11内に戻される燃料リターンシ
ステムにおいては、燃料噴射弁側から燃料タンク11内
に戻される燃料(リターン燃料)によっても燃料温度が
上昇する。従って、燃料リターンシステムにおいては、
排気熱による燃料温度上昇分の他に、リターン燃料によ
る燃料温度上昇分も考慮するものとする。 燃料リターンシステムの燃料温度上昇分Tonup=排気熱
による燃料温度上昇分+リターン燃料による燃料温度上
昇分
における燃料温度上昇の2大要因である排気熱とリター
ン燃料の両方を考慮して燃料温度上昇分Tonupを精度良
く推定することができる。
燃料を戻さない燃料リターンレスシステムでは、リター
ン燃料による燃料温度の上昇分を考慮する必要はなく、
排気熱の影響のみを考慮して燃料温度の上昇分を推定す
れば良い。 燃料リターンレスシステムの燃料温度上昇分Tonup=排
気熱による燃料温度上昇分
置した構成の燃料系においては、燃料ポンプ11の発熱
による燃料温度の上昇分も推定するようにしても良い。
この際、燃料ポンプの発熱量は、燃料ポンプに供給する
電力によってマップ又は数式により推定すれば良い。
や外気温と燃料温度(燃料タンク11の温度)との温度
差によって生じる空冷効果(放熱効果)による燃料タン
ク11内の燃料温度下降分である。この燃料温度下降分
Tondownは、車速及び/又は吸気温をパラメータとする
マップ又は数式により算出する。尚、吸気温に代えて外
気温を用いても良く、また、吸気温(又は外気温)と前
回の燃料温度推定値Ton(i-1) との温度差を用いても良
い。
の燃料残量及び/又は前回の燃料温度推定値Ton(i-1)
に基づいて今回の燃料温度推定値Ton(i) を補正するた
めの補正係数である。
る熱量が同じでも、燃料タンク11内の燃料残量によっ
て燃料温度の変化量が異なってくる。例えば、燃料タン
ク11内の燃料残量が少なくなるほど、排気熱等による
燃料温度上昇分Tonupが大きくなる傾向がある。また、
燃料タンク11内の燃料温度が高いときには、走行風の
温度(外気温)と燃料温度との温度差が大きくなって、
空冷効果(放熱効果)による燃料温度下降分Tondownが
大きくなる傾向があり、反対に、燃料タンク11内の燃
料温度が低いときには、排気熱等による燃料温度上昇分
Tonupが相対的に大きくなる傾向がある。
(1)では、補正係数Fonを用いて、燃料タンク11内
の燃料残量及び/又は前回の燃料温度推定値Ton(i-1)
に基づいて今回の燃料温度推定値Ton(i) を補正するも
のである。燃料タンク11内の燃料残量に基づいて補正
係数Fonを設定する場合は、燃料残量が50%のときに
補正係数Fonを基準値「1」とし、燃料残量が少なくな
るほど、補正係数Fonを小さくし、燃料残量が多くなる
ほど、補正係数Fonを大きくする。また、前回の燃料温
度推定値Ton(i-1) に基づいて補正係数Fonを設定する
場合は、前回の燃料温度推定値Ton(i-1) が低くなるほ
ど、補正係数Fonを大きくする。
on(i) の初期値(エンジン始動当初の燃料温度)は、前
回のエンジン停止直前に最後に推定した燃料温度推定値
と、前回のエンジン停止から今回のエンジン始動までの
経過時間と、外気温(又は吸気温)に基づいて推定す
る。つまり、エンジン停止中の放熱による燃料温度の下
降量を、前回のエンジン停止から今回のエンジン始動ま
での経過時間と外気温(又は吸気温)に基づいて推定
し、前回のエンジン停止直前に最後に推定した燃料温度
推定値から上記エンジン停止中の放熱による燃料温度の
下降量を差し引くことで、今回のエンジン始動時の燃料
温度の初期値を推定するものである。このようにして推
定した燃料温度の初期値が外気温(又は吸気温)よりも
低くなるような場合は、燃料温度の初期値を外気温(又
は吸気温)と同一温度に設定すれば良い。
中も、エバポ系のリーク診断が終了するまでは、後述す
る方法で燃料温度を推定するため、エンジン運転中の燃
料温度推定値Ton(i) の初期値は、エンジン停止中に最
後に推定した燃料温度推定値と、この燃料温度の推定終
了時(リーク診断終了時)から今回のエンジン始動まで
の経過時間と、外気温(又は吸気温)に基づいて推定す
るようにしても良い。この場合も、推定した燃料温度の
初期値が外気温(又は吸気温)よりも低くなるような場
合は、燃料温度の初期値を外気温(又は吸気温)と同一
温度に設定すれば良い。
ンジン停止中の燃料タンク11内の燃料温度の推定は、
エンジン停止直前に最後に推定した燃料温度推定値Ton
(i) を初期値として用いる。
料温度Toff(i)を次式により推定する。 Toff(i)=(Toffup −Toffdown )×Foff +Toff
(i-1) Toffup :演算周期当たりの燃料タンク11内の燃料温
度上昇分 Toffdown :演算周期当たりの燃料タンク11内の燃料
温度下降分 Foff :補正係数 Toff(i-1):前回の燃料温度推定値
Toffup は、エンジン停止後の排気残熱が燃料タンク1
1内に伝わることによる燃料温度上昇分である。排気温
度を検出する排気温度センサを備えたシステムでは、排
気温度センサの出力に基づいて排気残熱による燃料温度
の上昇分を推定すれば良いが、排気温度センサを備えて
いないシステムでは、エンジン停止後の経過時間に基づ
いてマップ又は数式により算出すれば良い。
offdown は、外気温(又は吸気温)に基づいてマップ又
は数式により算出したり、或は、外気温(又は吸気温)
と前回の燃料温度推定値Toff(i-1)との温度差に基づい
てマップ又は数式により算出しても良い。
内の燃料残量に基づいて今回の燃料温度推定値Toff(i)
を補正するための補正係数である。外気温が同じでも、
燃料タンク11内の燃料残量によって燃料温度の低下量
が異なってくることを考慮するものである。本実施形態
(1)では、燃料タンク11内の燃料残量が50%のと
きに補正係数Foff を基準値「1」とし、燃料残量が少
なくなるほど、補正係数Foff を小さくし、燃料残量が
多くなるほど、補正係数Foff を大きくする。
温度の推定は、エバポ系のリーク診断が終了するまで行
われる。従って、エンジン停止中も、リーク診断が終了
するまでは、メインリレー22をオン状態に維持して、
制御回路21、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タ
ンク内圧センサ17及び燃料レベルセンサ18への電源
供給を継続し、リーク診断終了時に、燃料温度の推定を
終了すると共に、メインリレー22をオフして、制御回
路21、大気開閉弁14、パージ制御弁16、タンク内
圧センサ17及び燃料レベルセンサ18への電源供給を
オフする。
のリーク診断を実行する図2乃至図6の各ルーチンの処
理内容を説明する。
は、所定時間毎(例えば10sec毎)に実行され、特
許請求の範囲でいう燃料温度推定装置としての役割を果
たす。本ルーチンが起動されると、まずステップ101
で、イグニッションスイッチ23がオン(ON)されて
いるか否か、つまりエンジン運転中であるか否かを判定
し、イグニッションスイッチ23がオン状態(エンジン
運転中)であれば、ステップ102〜108の処理を実
行して、エンジン運転中の燃料タンク11内の燃料温度
Ton(i) を次のようにして推定する。まず、ステップ1
02で、現在の時刻を記憶する。この処理をエンジン運
転中に所定時間毎(10sec毎)に繰り返すことで、
最終的に、イグニッションスイッチ23がオンからオフ
に切り換えられた時刻(エンジンが停止された時刻)が
記憶される。
回転速度NEと吸気管圧力PMをパラメータとする燃料
温度上昇分算出マップMAP1を用いて、現時点のエン
ジン回転速度NEと吸気管圧力PMに応じたエンジン運
転中の演算周期(10sec)当たりの燃料温度上昇分
Tonupを算出する。このステップ103の処理が特許請
求の範囲でいう燃温上昇分推定手段に相当する役割を果
たす。
Dと吸気温TA(吸気温センサ20の検出値)をパラメ
ータとする燃料温度下降分算出マップMAP2を用い
て、現時点の車速SPDと吸気温TAに応じたエンジン
運転中の演算周期(10sec)当たりの燃料温度下降
分Tondownを算出する。このステップ104の処理が特
許請求の範囲でいう燃温下降分推定手段に相当する役割
を果たす。
LFG(燃料レベルセンサ18の検出値)と前回の燃料
温度推定値Ton(i-1) をパラメータとする補正係数算出
マップMAP3を用いて、現時点の燃料残量LFGと前
回の燃料温度推定値Ton(i-1) に応じた補正係数Fonを
算出する。そして、次のステップ106で、上記燃料温
度上昇分Tonup、燃料温度下降分Tondown、補正係数F
on、前回の燃料温度推定値Ton(i-1) を用いて、エンジ
ン運転中の燃料温度推定値Ton(i) を次式により算出す
る。 Ton(i) =(Tonup−Tondown)×Fon+Ton(i-1)
の初期値Ton(0) は、後述する図4の始動時燃料温度初
期値設定ルーチンによって設定される。
プ107に進み、燃料温度推定値Ton(i) を次式により
なまし処理して最終的な燃料温度推定値Ton(i) を求め
る。 Ton(i) =Ton(i) ×0.05+Ton(i-1) ×0.95
許請求の範囲でいう燃温推定手段と補正手段としての役
割を果たす。
温度推定値Ton(i) をエンジン停止後の燃料温度推定値
Toff の初期値Toff(0)として記憶して、本ルーチンを
終了する。
c毎)に上述したステップ102〜108の処理を繰り
返すことで、燃料温度推定値Ton(i) を所定時間毎(1
0sec毎)に更新し、その都度、エンジン停止後の燃
料温度推定値Toff の初期値Toff(0)の記憶値を最新の
燃料温度推定値Ton(i) で書き換える。これにより、エ
ンジン停止後の燃料温度Toff の推定は、エンジン停止
直前に最後に推定した燃料温度推定値Ton(i) を初期値
Toff(0)として用いる。
フ(OFF)されてエンジンが停止すると、ステップ1
01で「No」と判定されて、図3のステップのステッ
プ109に進み、メインリレー22がオン(ON)状態
であるか否か(つまりエバポ系のリーク診断が終了する
前であるか否か)を判定し、メインリレー22がオン
(ON)状態であれば、ステップ110〜114の処理
を実行して、エンジン停止中の燃料タンク11内の燃料
温度Toff(i)を次のようにして推定する。
の経過時間time(ソークタイマ25の計測値)をパ
ラメータとする燃料温度上昇分算出マップMAP4を用
いて、エンジン停止後の経過時間timeに応じたエン
ジン停止中の演算周期(10sec)当たりの燃料温度
上昇分Toffup を算出する。このステップ110の処理
が特許請求の範囲でいう燃温上昇分推定手段に相当する
役割を果たす。
Aをパラメータとする燃料温度下降分算出マップMAP
5を用いて、現時点の吸気温TAに応じたエンジン停止
中の演算周期(10sec)当たりの燃料温度下降分T
offdown を算出する。このステップ111の処理が特許
請求の範囲でいう燃温下降分推定手段に相当する役割を
果たす。
LFGをパラメータとする補正係数算出マップMAP6
を用いて、現時点の燃料残量LFGに応じた補正係数F
offを算出する。そして、次のステップ113で、上記
燃料温度上昇分Toffup 、燃料温度下降分Toffdown 、
補正係数Foff 、前回の燃料温度推定値Toff(i-1)を用
いて、エンジン停止中の燃料温度推定値Toff(i)を次式
により算出する。 Toff(i)=(Toffup −Toffdown )×Foff +Toff
(i-1)
の初期値Toff(0)は、図2のステップ108で記憶され
たエンジン停止直前に最後に推定した燃料温度推定値T
on(i) を用いる。
プ114に進み、燃料温度推定値Toff(i)を次式により
なまし処理して最終的な燃料温度推定値Toff(i)を求め
る。 Toff(i)=Toff(i)×0.05+Toff(i-1)×0.95 これらステップ112〜114の処理が特許請求の範囲
でいう燃温推定手段と補正手段としての役割を果たす。
ーチンは、イグニッションスイッチ23のオン時(制御
回路21の電源投入時)に起動される。本ルーチンが起
動されると、まず、ステップ201で、エンジン始動時
の燃料温度初期値Ton(0) を次式により算出する。 Ton(0) =Toff(0)−ΔToff
直前に最後に推定した燃料温度推定値Ton(i)であり、
図2のステップ108で記憶された値を用いる。また、
ΔToff は、前回のエンジン停止から今回のエンジン始
動までの放熱による燃料温度下降量である。この燃料温
度下降量ΔToff は、前回のエンジン停止から今回のエ
ンジン始動までの経過時間と吸気温(外気温)に応じて
マップ等により設定される。例えば、吸気温(外気温)
が25℃の場合は、1℃/時間程度の割合で燃料温度下
降量ΔToff が設定される。
中も、エバポ系のリーク診断が終了するまでは、燃料温
度Toff を推定するため、エンジン始動時の燃料温度初
期値Ton(0) は、エンジン停止中に最後に推定した燃料
温度推定値Toff(i)を用いて次式により算出しても良
い。 Ton(0) =Toff(i)−ΔToff'
(リーク診断終了時)から今回のエンジン始動までの放
熱による燃料温度下降量である。この燃料温度下降量Δ
Toff'は、燃料温度推定終了時(リーク診断終了時)か
ら今回のエンジン始動までの経過時間と吸気温(外気
温)に応じてマップ等により設定すれば良い。
プ202に進み、燃料温度初期値Ton(0) を吸気温TA
(外気温)と比較し、燃料温度初期値Ton(0) が吸気温
TA(外気温)よりも低ければ、ステップ203に進
み、燃料温度初期値Ton(0) を吸気温TA(外気温)と
同一温度に設定する。これに対し、ステップ201で算
出した燃料温度初期値Ton(0) が吸気温TA(外気温)
以上であれば、その燃料温度初期値Ton(0) をそのまま
エンジン始動時の燃料温度初期値として用いる。
ルーチンの処理内容を説明する。本ルーチンは、エンジ
ン運転中及びエンジン停止中に所定のリーク診断実行条
件が成立したときにエバポ系のリーク診断を実行するル
ーチンであり、制御回路21の電源がオンされている期
間に所定時間毎(例えば50msec毎)に起動され、
特許請求の範囲でいう異常診断手段としての役割を果た
す。
301で、イグニッションスイッチ23がオン(ON)
されているか否か、つまりエンジン運転中であるか否か
を判定し、イグニッションスイッチ23がオン状態(エ
ンジン運転中)であれば、ステップ302〜305の判
定処理によって、エンジン運転中のリーク診断実行条件
が成立しているか否かを判定する。このエンジン運転中
のリーク診断実行条件は、次の4つの条件〜が全て
満たされることである。
0secが経過していること(ステップ302) 現時点の冷却水温が所定温度、例えば70℃以上であ
ること(ステップ303) 現時点の吸気温(外気温)が所定温度、例えば50℃
よりも低いこと(ステップ304) 現時点の燃料温度推定値Ton(i) が所定温度、例えば
40℃よりも低いこと(ステップ305)
したエンジン運転状態でリーク診断を実行するための条
件である。また、外気温や燃料タンク11内の燃料温度
が高くなりすぎると、燃料タンク11内のエバポガス発
生量が多くなり過ぎて、少量リーク時の燃料タンク内圧
の変化と正常時の燃料タンク内圧の変化との差が少なく
なって、両者を区別しにくくなるため、上記条件、
は、少量リーク時の燃料タンク内圧の変化と正常時の燃
料タンク内圧の変化との差を確保するための条件であ
る。
たさない条件があれば、リーク診断実行条件が不成立と
なり、リーク診断を実行することなく、本ルーチンを終
了する。
されれば、リーク診断実行条件が成立して、ステップ3
06以降のリーク診断処理を次のようにして実行する。
まず、ステップ306で、大気開閉弁14を閉弁してエ
バポ系を密閉する(このときパージ制御弁16は閉弁状
態に維持されている)。この後、ステップ307に進
み、パージ制御弁16を開弁してエンジン吸気系からエ
バポ系内に負圧を導入し、燃料タンク内圧が所定圧力ま
で低下した時点でパージ制御弁16を閉弁して負圧導入
を終了し、エバポ系を再び密閉する。
終了から所定時間(例えば15sec)経過するまでの
燃料タンク内圧変化量ΔP(タンク内圧センサ17の検
出値の変化量)を計測する。そして、次のステップ30
9で、燃料タンク内圧変化量ΔPを予め設定したリーク
判定値K1 と比較し、燃料タンク内圧変化量ΔPがリー
ク判定値K1 以下であれば、リーク無し(正常)と判断
して、本ルーチンを終了する。
判定値K1 よりも大きければ、リーク発生(異常)と判
断して、ステップ310に進み、警告ランプ(図示せ
ず)を点灯して運転者に警告すると共に、異常コードを
制御回路21のバックアップRAM(図示せず)に記憶
し、更に、次のステップ311で、エバポ系の密閉を継
続して、本ルーチンを終了する。
(OFF)されてエンジンが停止すると、ステップ30
1で「No」と判定され、図6のステップのステップ3
12〜315の判定処理によって、エンジン停止中のリ
ーク診断実行条件が成立しているか否かを判定する。こ
のエンジン停止中のリーク診断実行条件は、次の4つの
条件〜が全て満たされることである。
00secが経過していること(ステップ312) 現時点の冷却水温が所定温度、例えば70℃以上であ
ること(ステップ313) 現時点の吸気温(外気温)が所定温度、例えば50℃
よりも低いこと(ステップ314) エンジン停止後の燃料温度初期値Toff(0)[エンジン
停止直前に最後に図2のテップ108で記憶された値]
が所定温度、例えば35℃以上であること(ステップ3
15)
ため、その熱で燃料タンク11内の燃料温度が暫く上昇
し続けるため、上記の条件は、燃料タンク11内の燃
料温度が下がり始めるまで待ってリーク診断を開始する
ための条件である。また、上記の条件は、燃料タンク
11内の燃料温度が排気熱で十分に温度上昇した状態で
リーク診断を開始するための条件である。
1内の燃料温度が低すぎると、燃料タンク11内の燃料
温度と外気温との差が少なくなって、エンジン停止中の
放熱による燃料温度の低下が少なくなるため、リーク診
断に必要な燃料温度低下量を確保するのが難しくなる。
これを避けるため、上記条件,は、リーク診断に必
要な燃料温度低下量を確保するための条件である。
たさない条件があれば、リーク診断実行条件が不成立と
なる。この際、条件、(ステップ313、315)
は、一旦、「No」と判定されると、今回のエンジン停
止中に時間が経過しても「Yes」と判定される可能性
がないため、ステップ321に進み、メインリレー22
をオフ(OFF)して、制御回路21等への電源供給を
オフし、本ルーチンを終了する。また、条件、(ス
テップ312、314)は、一旦、「No」と判定され
ても、その後、時間が経過すれば「Yes」と判定され
る可能性があるため、メインリレー22をオフ(OF
F)せずに、本ルーチンを終了する。
ば、リーク診断実行条件が成立して、ステップ316以
降のリーク診断処理を次のようにして実行する。まず、
ステップ316で、大気開閉弁14を閉弁してエバポ系
を密閉する(このときパージ制御弁16は閉弁状態に維
持されている)。この後、ステップ317に進み、エバ
ポ系密閉時から燃料温度推定値Toff が所定温度(例え
ば10℃)低下するまでの燃料タンク内圧変化量ΔP
(タンク内圧センサ17の検出値の変化量)を計測す
る。
ク内圧変化量ΔPを予め設定されたリーク判定値K2 と
比較して、エバポ系のリーク診断を行う。図7に示すよ
うに、エバポ系にリークが発生していると、リーク診断
期間中の燃料タンク内圧変化量ΔPが非常に小さくな
り、リークが無ければ、燃料タンク内圧変化量ΔPがあ
る程度大きくなる。このような特性から、燃料タンク内
圧変化量ΔPがリーク判定値K2 以上であれば、リーク
無し(正常)と判断して、ステップ321に進み、メイ
ンリレー22をオフ(OFF)して、制御回路21等へ
の電源供給をオフし、本ルーチンを終了する。
リーク判定値K2 よりも小さければ、リーク発生(異
常)と判断して、ステップ319に進み、警告ランプ
(図示せず)を点灯して運転者に警告すると共に、異常
コードを制御回路21のバックアップRAM(図示せ
ず)に記憶する。そして、次のステップ320で、大気
開閉弁14を開弁してエバポ系の密閉を解除した後、ス
テップ321に進み、メインリレー22をオフ(OF
F)して、制御回路21等への電源供給をオフし、本ル
ーチンを終了する。
温度センサを設けなくても、エンジン運転中及びエンジ
ン停止中に燃料温度を判定することができ、低コスト化
の要求を満たすことができる。しかも、燃料温度センサ
を設けなくても、燃料温度を考慮してエバポ系のリーク
診断を行うことができ、リーク診断精度を向上すること
ができる。
転中に加え、エンジン停止中も、燃料温度を考慮してエ
バポ系のリーク診断を行うようにしたので、リーク診断
の回数を増やすことができて、リークの早期発見の要求
も満たすことができる。しかしながら、本発明は、エン
ジン運転中とエンジン停止中のいずれか一方のみでエバ
ポ系のリーク診断を行うようにしても良い。
止中にエバポ系密閉時から燃料温度推定値Toff が所定
温度低下するまでの燃料タンク内圧変化量ΔPに基づい
てリーク診断を行うようにしたが、エバポ系密閉時から
所定期間内の燃料温度推定値Toff の低下率(低下の傾
き)と燃料タンク内圧の変化率(変化の傾き)とに基づ
いてエバポ系のリーク診断を行うようにしても良い。要
するに、エンジン停止中に推定した燃料温度推定値Tof
f の変化と燃料タンク内圧の変化との関係に基づいてエ
バポ系のリーク診断を行うようにすれば良い。また、エ
ンジン運転中のリーク診断の方法も適宜変更しても良
い。
は、エンジン運転中やエンジン停止中に推定した燃料温
度推定値をエバポ系のリーク診断に用いたが、燃料温度
推定値の用途はエバポ系のリーク診断に限定されるもの
ではなく、例えば、空燃比制御(燃料噴射量制御)等の
エンジン制御に用いるようにしても良い。
温度を検出する燃料温度センサを備えたシステムに適用
しても良い。以下、これを具体化した本発明の実施形態
(2)を図8及び図9に基づいて説明する。本実施形態
(2)では、燃料温度推定値を燃料温度センサの異常診
断に用いる。
であれば、燃料温度推定値Tと燃料温度センサの検出値
Tsen との誤差が小さいが、燃料温度センサが故障して
燃料温度センサの検出値Tsen が異常値を示すようにな
ると、燃料温度推定値Tと燃料温度センサの検出値Tse
n との誤差が大きくなる。そこで、本実施形態(2)で
は、図8の燃料温度センサ異常診断ルーチンによって燃
料温度推定値Tと燃料温度センサの検出値Tsen との誤
差に基づいて燃料温度センサの異常診断を実施する。
は、イグニッションスイッチ23のオン後に所定時間毎
(例えば50msec毎)に起動され、特許請求の範囲
でいう異常診断手段としての役割を果たす。尚、燃料温
度の推定方法は前記実施形態(1)と同じである。
401で、エンジン始動から所定時間(例えば5se
c)が経過したか否かを判定し、経過前であれば、ステ
ップ402に進み、燃料温度推定値の初期値Tstとして
その時点の燃料温度推定値Tをセットし、次のステップ
403で、燃料温度センサ検出値の初期値Tsenst とし
てその時点の燃料温度センサ検出値Tsen をセットす
る。
ば5sec)が経過した後は、ステップ401からステ
ップ404に進み、エンジン始動後の燃料温度推定値の
上昇量(T−Tst)が例えば10℃以上であるか否かを
判定し、10℃未満であれば、以降の処理を行うことな
く、本ルーチンを終了する。
の上昇量(T−Tst)が10℃以上になった時点で、ス
テップ405に進み、エンジン始動後の燃料温度センサ
検出値の上昇量(Tsen −Tsenst )が例えば5℃未満
であるか否かを判定する。もし、エンジン始動後の燃料
温度センサ検出値の上昇量(Tsen −Tsenst )が5℃
以上であれば、燃料温度センサ検出値の上昇量(Tsen
−Tsenst )と燃料温度推定値の上昇量(T−Tst)と
の誤差が正常時の誤差範囲内であるため、燃料温度セン
サが正常であると判断して、本ルーチンを終了する。
ンサ検出値の上昇量(Tsen −Tsenst )が5℃未満で
あれば、燃料温度センサ検出値の上昇量(Tsen −Tse
nst)と燃料温度推定値の上昇量(T−Tst)との誤差
が正常時の誤差範囲を越えているため、燃料温度センサ
が異常であると判断して、ステップ406に進み、警告
ランプ(図示せず)を点灯して運転者に警告すると共
に、異常コードを制御回路21のバックアップRAM
(図示せず)に記憶する。そして、次のステップ407
で、リーク診断を禁止して本ルーチンを終了する。
ーク診断を行う際に、燃料温度推定値の代わりに、燃料
温度センサの検出値を用いて前記実施形態(1)と同様
の方法でエバポ系のリーク診断を行う。
温度推定値を用いて燃料温度センサの異常診断を行うよ
うにしたので、燃料温度センサを備えたシステムの信頼
性を向上できる。
後の燃料温度センサ検出値の上昇量と燃料温度推定値の
上昇量との関係から燃料温度センサの異常診断を行うよ
うにしたが、エンジン停止後の燃料温度センサ検出値の
変化量と燃料温度推定値の変化量との関係から燃料温度
センサの異常診断を行うようにしても良い。或は、エン
ジン運転中やエンジン停止後に、随時、燃料温度推定値
と燃料温度センサの検出値との誤差を判定し、その誤差
が正常時の誤差範囲を越えているか否かで、燃料温度セ
ンサの異常の有無を判定するようにしても良い。
ージシステムの構成を示す図
の流れを示すフローチャート(その1)
の流れを示すフローチャート(その2)
ーチンの処理の流れを示すフローチャート
の処理の流れを示すフローチャート(その1)
の処理の流れを示すフローチャート(その2)
ーク診断の一例を示すタイムチャート
チンの処理の流れを示すフローチャート
ンサ検出値との関係を示すタイムチャート
タ、14…大気開閉弁、15…パージ通路、16…パー
ジ制御弁、17…タンク内圧センサ、18…燃料レベル
センサ、19…水温センサ、20…吸気温センサ、21
…制御回路(燃温上昇分推定手段,燃温下降分推定手
段,燃温推定手段,補正手段,異常診断手段)、22…
メインリレー、23…イグニッションスイッチ、24…
バックアップ電源、25…ソークタイマ。
Claims (20)
- 【請求項1】 内燃機関の運転中に燃料タンク内の燃料
温度を推定する燃料温度推定装置において、 内燃機関の運転中にその運転状態に基づいて前記燃料タ
ンク内の燃料温度の上昇分を推定する燃温上昇分推定手
段と、 車速及び/又は吸気温又はこれらと相関関係のある情報
に基づいて前記燃料タンク内の燃料温度の下降分を推定
する燃温下降分推定手段と、 前記燃温上昇分推定手段及び前記燃温下降分推定手段で
推定した燃料温度の上昇分と下降分とに基づいて現在の
燃料温度の推定値を更新する燃温推定手段とを備えてい
ることを特徴とする燃料温度推定装置。 - 【請求項2】 前記燃温上昇分推定手段は、排気熱が前
記燃料タンク内に伝わることによる燃料温度の上昇分を
推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料温度推
定装置。 - 【請求項3】 前記燃温上昇分推定手段は、内燃機関の
回転速度及び/又は負荷に基づいて前記燃料タンク内の
燃料温度の上昇分を推定することを特徴とする請求項1
又は2に記載の燃料温度推定装置。 - 【請求項4】 前記燃料タンク内から燃料ポンプで燃料
噴射弁へ送られた燃料の余剰分が該燃料タンク内に戻さ
れる構成の燃料系に適用され、 前記燃温上昇分推定手段は、排気熱による前記燃料タン
ク内の燃料温度の上昇分の他に、前記燃料噴射弁側から
前記燃料タンク内に戻される燃料による燃料温度の上昇
分も推定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
かに記載の燃料温度推定装置。 - 【請求項5】 前記燃料タンク内に燃料ポンプを配置し
た構成の燃料系に適用され、 前記燃温上昇分推定手段は、前記燃料ポンプの発熱によ
る前記燃料タンク内の燃料温度の上昇分も推定すること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料温
度推定装置。 - 【請求項6】 前記燃温推定手段は、前記燃料タンク内
の燃料残量及び/又は前回の燃料温度推定値に基づいて
今回の燃料温度推定値を補正する補正手段を備えている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃
料温度推定装置。 - 【請求項7】 前記燃温推定手段は、前回の内燃機関運
転停止時に推定した燃料温度推定値と、前回の内燃機関
運転停止から今回の内燃機関始動までの経過時間と、外
気温又はこれと相関関係のある情報に基づいて今回の内
燃機関始動時の燃料温度の初期値を推定することを特徴
とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃料温度推定
装置。 - 【請求項8】 内燃機関の停止中に燃料タンク内の燃料
温度を推定する燃料温度推定装置において、 内燃機関の運転を停止してからの経過時間又はこれと相
関関係のある情報に基づいて内燃機関停止中の燃料温度
の推定値を更新する燃温推定手段を備えていることを特
徴とする燃料温度推定装置。 - 【請求項9】 前記燃温推定手段は、内燃機関の運転を
停止してからの経過時間及び外気温又はこれらと相関関
係のある情報に基づいて内燃機関停止中の燃料温度の推
定値を更新することを特徴とする請求項8に記載の燃料
温度推定装置。 - 【請求項10】 前記燃温推定手段は、前記燃料タンク
内の燃料残量に基づいて今回の燃料温度推定値を補正す
る補正手段を備えていることを特徴とする請求項8又は
9に記載の燃料温度推定装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至7のいずれかに記載の燃
料温度推定装置(以下「機関運転中燃料温度推定装置」
という)と、請求項8乃至10のいずれかに記載の燃料
温度推定装置(以下「機関停止中燃料温度推定装置」と
いう)とを備えていることを特徴とする燃料温度推定装
置。 - 【請求項12】 前記機関停止中燃料温度推定装置の燃
温推定手段は、内燃機関の運転停止時に前記機関運転中
燃料温度推定装置の燃温推定手段で推定した燃料温度推
定値を初期値として内燃機関停止中の燃料温度の推定値
を更新することを特徴とする請求項11に記載の燃料温
度推定装置。 - 【請求項13】 請求項1乃至7のいずれかに記載の燃
料温度推定装置と、内燃機関の運転中にエバポガスパー
ジシステムの異常診断を行う異常診断手段とを備えた異
常診断装置において、 前記異常診断手段は、前記燃料温度推定装置で推定した
燃料温度推定値を異常診断実行条件判定パラメータ及び
/又は異常診断パラメータとして用いることを特徴とす
る異常診断装置。 - 【請求項14】 前記燃料温度推定装置で推定した燃料
温度推定値が所定温度以下であることを異常診断実行条
件の1つとすることを特徴とする請求項13に記載の異
常診断装置。 - 【請求項15】 請求項8乃至12のいずれかに記載の
燃料温度推定装置と、内燃機関停止中にエバポガスパー
ジシステムの異常診断を行う異常診断手段とを備えた異
常診断装置において、 前記異常診断手段は、前記燃料温度推定装置で推定した
燃料温度推定値を異常診断実行条件判定パラメータ及び
/又は異常診断パラメータとして用いることを特徴とす
る異常診断装置。 - 【請求項16】 前記異常診断手段は、内燃機関停止中
に前記燃料温度推定装置で推定した燃料温度推定値の変
化と前記燃料タンクの内圧の変化との関係に基づいてエ
バポガスパージシステムの異常診断を行うことを特徴と
する請求項15に記載の異常診断装置。 - 【請求項17】 前記異常診断手段は、内燃機関停止中
に異常診断を開始してから前記燃料温度推定装置で推定
した燃料温度推定値が所定温度低下するまでの前記燃料
タンクの内圧変化量に基づいてエバポガスパージシステ
ムの異常診断を行うことを特徴とする請求項16に記載
の異常診断装置。 - 【請求項18】 内燃機関の停止直前又は停止直後の燃
料温度推定値が所定温度以上であることを異常診断実行
条件の1つとすることを特徴とする請求項15乃至17
のいずれかに記載の異常診断装置。 - 【請求項19】 燃料タンク内の燃料温度を検出する燃
料温度センサの異常診断を行う異常診断装置において、 請求項1乃至12のいずれかに記載の燃料温度推定装置
と、 前記燃料温度推定装置で推定した燃料温度推定値と前記
燃料温度センサの検出値との関係に基づいて前記燃料温
度センサの異常診断を行う異常診断手段とを備えている
ことを特徴とする異常診断装置。 - 【請求項20】 前記異常診断手段は、所定期間内の燃
料温度推定値の変化量と前記燃料温度センサの検出値の
変化量との関係に基づいて前記燃料温度センサの異常診
断を行うことを特徴とする請求項19に記載の異常診断
装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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