JP2003034783A - 防曇剤及びそれを用いた防曇性成形体 - Google Patents

防曇剤及びそれを用いた防曇性成形体

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JP2003034783A JP2001223957A JP2001223957A JP2003034783A JP 2003034783 A JP2003034783 A JP 2003034783A JP 2001223957 A JP2001223957 A JP 2001223957A JP 2001223957 A JP2001223957 A JP 2001223957A JP 2003034783 A JP2003034783 A JP 2003034783A
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JP2001223957A
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Takeshi Sajiyo
猛 砂上
Masatoshi Usui
政利 臼井
Nobuyuki Hayashi
信行 林
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Koei Chemical Co Ltd
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Koei Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防曇性と高い膜強度を有する防曇性塗
膜を形成し得る防曇剤及び当該防曇剤を含有する防曇性
塗膜を基材表面に形成させた防曇性成形体を提供するこ
と。 【解決手段】 平均粒子径100nm以下の樹脂微粒子
からなる防曇剤、及び平均粒子径100nm以下の樹脂
微粒子からなる防曇剤を主成分として含有する防曇性塗
膜を基材の表面に形成させた防曇性成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は持続性に優れた防曇
性を有する防曇剤及びそれを用いた防曇性材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用ハウスやトンネルなどに透
明材料として用いられている樹脂材料、無機ガラス等の
欠点として、該透明材料の表面温度が使用環境の露点以
下となると曇りを生じるということがある。その場合、
材料の透明性が失われることによって太陽光の透過率が
低下して作物の生育が遅れるなどの悪影響があるほか、
付着した水滴が作物上に落下して病気が発生する原因と
なるなどの問題があった。また、ハウス、トンネル内で
の作業者に対しても衣服が濡れてしまうといった不快感
を与えていた。農業用防曇性フィルムのような樹脂材料
の場合には、表面に防曇性を付与するため、あらかじめ
樹脂中に界面活性剤を添加しておき、そのブリードによ
って防曇性を発揮させる方法が一般に用いられている。
しかし、この方法では、樹脂中の界面活性剤が全て出て
しまえば効果がなくなるため、長期間、効果を持続させ
るのには不十分である。そこで特に長期間の効果の持続
を目的として、基材表面に防曇性塗膜をコーティングす
る方法が研究され種々の試みがなされてきた。例えば、
ヒドロキシエチルメタクリレートの重合体や、ポリビニ
ルアルコールを主成分とする防曇性塗膜を形成させる方
法が知られている。また、特開平7−53747号公
報、特開平7−266518号公報に記載のごとく、基
材表面にコロイド状アルミナ及びコロイド状シリカから
なる混合コロイド溶液を塗布して防曇性を付与する方法
などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ヒドロキシエ
チルメタクリレート共重合体やポリビニルアルコールを
主成分とする防曇性塗膜を基材表面にコーティングする
方法は、防曇性の持続性の面ではある程度満足できては
いるが、いまだ十分であるとは言えない。また、コロイ
ド状アルミナ及びコロイド状シリカ混合溶液を基材表面
に塗布する方法は、防曇性の持続性の面では、満足でき
るものであるが、無機コロイドを主成分とするものは、
膜強度が低く、摩擦による傷付きや剥離の問題があり、
さらに基材の透明性を損なわないようにするために、コ
ロイド粒子径が小さいものを選択したり、膜厚が厚くな
りすぎないようコントロールすることが必要であった。
したがって本発明は、優れた防曇性と高い膜強度を有す
る防曇性塗膜を形成し得る防曇剤及び当該防曇剤を主成
分とする防曇性塗膜を基材表面に形成させた防曇性成形
体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな現状に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の粒子径
の樹脂微粒子が防曇剤として使用できること、当該樹脂
微粒子からなる防曇剤を主成分とする塗膜を基材表面に
形成させると、当該塗膜が持続性に優れた防曇性を有
し、しかも膜強度が高く、傷つきにくいことを見いだし
本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は、平均粒子径100n
m以下の樹脂微粒子からなる防曇剤、及び平均粒子径1
00nm以下の樹脂微粒子からなる防曇剤を主成分とす
る防曇性塗膜を基材の表面に形成せしめたことを特徴と
する防曇性成形体に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防曇剤は、平均粒子径が100nm以下の樹脂
微粒子からなる。当該樹脂微粒子は、エチレン性不飽和
結合を有する単量体を、好ましくはラジカル重合性界面
活性剤と共に乳化重合する方法及び単量体は溶解するが
生成する重合体は溶解しない有機溶媒中でいわゆる非水
系分散重合する方法等により製造することができる。
【0007】エチレン性不飽和結合を有する単量体とし
ては、エチレン性不飽和結合を1個有する単量体及びエ
チレン性不飽和結合を2個以上有する単量体の公知のい
ずれのものも使用することができる。
【0008】エチレン性不飽和結合を1個有する単量体
としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−エチルスチレン、2、4
−ジメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレ
ン、p−クロロスチレン、2、4−ジクロロスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p
−オクチルスチレン、スチレンスルホン酸、スチレンス
ルホン酸ナトリウム等のビニル芳香族系化合物;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等
のアクリル酸の炭素数1〜10のアルキルエステル;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エ
チルヘキシル等のメタクリル酸の炭素数1〜10のアル
キルエステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキ
シブチルアクリレート、ヒドロキシプチルメタクリレー
ト等の水酸基を有する不飽和化合物;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有不飽和化合
物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の有機酸ビニル
化合物;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテ
ン、イソブテン等の不飽和モノオレフィン類;ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等のジエン化合物;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等
のハロゲン化ビニル;ビニルメチルケトン、ビニルエチ
ルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニル
ピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルカルバ
ゾール、N−ビニルピロール等のN−ビニル化合物;ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアミノ
エチルメタクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド等のアミド基を有する不
飽和化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等
の不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−
(メチル)フェニルマレイミド、N−(ヒドロキシ)フ
ェニルマレイミド、N−(メトキシ)フェニルマレイミ
ド、N−安息香酸マレイミド、N−メチルマレイミド、
N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、
N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミ
ド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイ
ミド等のマレイミド系化合物;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基を有する
不飽和化合物、N−ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ジ
エチルアミノエチルアクリレート、N−ジエチルアミノ
エチルメタクリレート、N−ビニルオキサゾリン、4−
ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、モノアリルアミ
ン等の窒素含有不飽和化合物並びに、これらの誘導体、
例えば、塩酸塩、4級アンモニウム塩などが挙げられ
る。これらは、1種又は2種以上使用可能である。
【0009】またエチレン性不飽和結合を2個以上有す
る単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン等の芳香
族ジビニルモノマー;多価アルコールとメタクリル酸或
いはアクリル酸とのエステル、例えば、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ト
リメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート;或いは、アリル(メタ)アク
リレート、アリルマレート、ジアリルフマレート、ジア
リルイタコネート、トリアリルイソシアヌレートなどの
アリル化合物;或いは、N、N−メチレンジ(メタ)ア
クリルアミド、N、N−エチレンジ(メタ)アクリルア
ミド;或いは、ジアリルアミン、トリアリルアミン及び
これらの誘導体、例えば、塩酸塩、塩化ベンジル等との
4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは1種、又
は2種以上使用することができる。
【0010】エチレン性不飽和結合を有する単量体は、
耐熱性、耐溶剤性を付与するために、エチレン性不飽和
結合を1個有する単量体とエチレン性不飽和結合を2個
以上有する単量体を併用するのが好ましい。
【0011】本発明の防曇剤である樹脂微粒子を製造す
るに際しては、上記エチレン性不飽和結合を有する単量
体をラジカル重合性界面活性剤と共に乳化重合すること
がより好ましい。ラジカル重合性界面活性剤は、本発明
において必須成分ではないが、それを用いることにより
防曇性をより長期間持続することができる。ラジカル重
合性界面活性剤としては、アニオン性及びノニオン性の
いずれも使用することができ、例えば、(メタ)アリル
基、(メタ)アクリル基、スチリル基などのラジカル重
合性不飽和基を有する界面活性剤が単独で又は2種以上
組合わせて使用できる。
【0012】アニオン性のラジカル重合性界面活性剤と
しては、例えば、下記一般式(1)、(2)、(3
a)、(3b)及び(4)で示される反応性界面活性剤
を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】上記一般式(1)、(2)、(3a)、
(3b)及び(4)において、式中、R1は水素又はメ
チル基を、R2及びR3はそれぞれ炭素数6〜18のアル
キル基、アルケニル基アリル基又はアラキル基を、−E
O−は−CH2CH2−O−を、X1は単結合又はメチレ
ン基を、Mはアルカリ金属、アンモニウム又は有機アン
モニウムを表し、m及びnは1〜50の整数、qは0又
は1である。
【0019】上記一般式(1)で示される界面活性剤の
具体例としては、例えば、「アデカリアソープ SE−
10N」、「アデカリアソープ SE−20N」、「ア
デカリアソープ SE−30N」〔以上、商品名、旭電
化工業(株)製〕を;上記一般式(2)で示される界面
活性剤の具体例としては、例えば、「アクアロン HS
−05」、「アクアロン HS−10」、「アクアロン
HS−20」、「アクアロン HS−30」〔以上、
商品名、第一工業製薬(株)製〕を;上記一般式(3)
の界面活性剤の具体例としては、例えば、「ラテムル
S−120」、「ラテムル S−120A」、「ラテム
ル S−180」、「ラテムル S−180A」〔以
上、商品名、花王(株)製〕、「エレミノール JS−
2」〔商品名、三洋化成工業(株)製〕等を、上記一般
式(4)の界面活性剤の具体例としては、例えば、「ア
ントックス HS−60」〔商品名、日本乳化剤(株)
製〕等を;それぞれ挙げることができる。
【0020】また、上記の他のアニオン性の重合性界面
活性剤としては、例えば、「ラテムル ASK」〔商品
名、花王(株)製〕等のアルキルアルケニルコハク酸エ
ステル塩系重合性界面活性剤;例えば、「エレミノール
RS−30」〔商品名、三洋化成工業(株)製〕等の
ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート硫酸エステ
ル塩系重合性界面活性剤;例えば、「RA−112
0」、「RA−2614」〔以上、商品名、日本乳化剤
(株)製〕等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル
脂肪族不飽和ジカルボン酸エステル塩系重合性界面活性
剤;例えば、「アントックス HS−2N」〔商品名、
日本乳化剤(株)製〕等の(メタ)アクリル酸スルホア
ルキルエステル塩系重合性界面活性剤;フタル酸ジヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート硫酸エステル塩系
重合性界面活性剤;例えば、「H−3330PL」〔商
品名、第一工業製薬(株)製〕等のモノ若しくはジ(グ
リセロール−1−アルキルフェニル−3−アリル−2−
ポリオキシアルキレンエーテル)リン酸エステル塩系重
合性界面活性剤;などを挙げることができる。
【0021】本発明で用いることのできるノニオン性の
ラジカル重合性界面活性剤としては、例えば、下記一般
式(5)及び(6)で示される重合性界面活性剤を挙げ
ることができる。
【0022】
【化6】
【0023】
【化7】
【0024】上記一般式(5)及び(6)において、式
中、R1、R2、EO、X1及びmは、上記一般式(1)
〜(4)のそれらと同様である。
【0025】上記一般式(5)で示される界面活性剤の
具体例としては、例えば、「アデカリアソープ NE−
10」、「アデカリアソープ NE−20」、「アデカ
リアソープ NE−30」、「アデカリアソープ NE
−40」〔以上、商品名、旭電化工業(株)製〕等を;
上記一般式(6)で示される界面活性剤の具体例として
は、例えば、「アクアロンRN−10」、「アクアロン
RN−20」、「アクアロン RN−30」、「アク
アロン RN−50」〔以上、商品名、第一工業製薬
(株)製〕等を;それぞれ挙げることができる。
【0026】またその他のノニオン性のラジカル重合性
界面活性剤としては、例えば、「RMA−564」、
「RMA−568」〔以上、商品名、日本乳化剤(株)
製〕等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテ
ル(メタ)アクリレート系重合性界面活性剤;例えば、
「RMA−1114」[商品名、日本乳化剤(株)製〕
等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル
(メタ)アクリレート系重合性界面活性剤;などを挙げ
ることができる。
【0027】これらのラジカル重合性界面活性剤の使用
量は、エチレン性不飽和結合を有する単量体100重量
部に対して、通常200重量部以下、好ましくは5〜1
50重量部、さらに好ましくは10〜100重量部であ
る。ラジカル重合界面活性剤の使用量が200重量部よ
り多い場合及び5重量部より少ない場合には、目的とす
る粒子径の粒子が得られないため好ましくない。
【0028】エチレン性不飽和結合を有する単量体をラ
ジカル重合性界面活性剤と共に乳化重合する方法として
は、公知の乳化重合法のいずれも採用することができ
る。ラジカル重合性界面活性剤を使用しない場合は、通
常のアニオン性及び/又はノニオン性乳化剤を使用す
る。また、上記ラジカル重合性界面活性剤を使用する場
合でも、必要に応じて、通常のアニオン性及び/又はノ
ニオン性乳化剤を併用することができる。
【0029】ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類;例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモ
ノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビ
タン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソ
ルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエ
チレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステア
レート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;
例えば、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モ
ノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;
例えば、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・
ブロックコポリマー;等を例示することができる。
【0030】またアニオン性乳化剤としては、例えば、
オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えば、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリ
ールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム
等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリエキシエ
チレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリ
ウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキ
シエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアル
キルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を
例示することができる。
【0031】これらの乳化剤の使用量は、乳化重合の溶
媒である水100重量部に対して、通常10重量部以
下、好ましくは5重量部以下である。乳化剤の使用量が
10重量部より多い場合は激しい泡立ちが生じたり、経
済的に問題があるため好ましくない。
【0032】更に、以上述べたラジカル重合性界面活性
剤及び必要に応じて用いる前記通常のアニオン性及び/
又はノニオン性乳化剤とともに水溶性保護コロイドを併
用することもできる。
【0033】水溶性保護コロイドとしては、例えば、部
分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニル
アルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニル
アルコール類;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等
のセルロース誘導体;及ぴグアガムなどの天然多糖類な
どが挙げられ、これらは、単独でも複数種併用の態様で
も利用できる。
【0034】乳化重合の重合開始剤としては、熱的に分
解して遊離ラジカルを発生させる化合物、又は、酸化剤
と還元剤の反応によって遊離ラジカルを発生させるレド
ックス触媒を使用することが可能である。
【0035】熱的に分解して遊離ラジカルを発生させる
化合物としては、例えば、過酸化水素、ジベンゾイルペ
ルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジシクロヘキシル
ペルオキシシカーボネート、ジラウリルペルオキシド、
メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペ
ルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒ
ドロペルオキシド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシ
ル)パーオキシカーボネート、t−ブチルペルネオデカ
ノエート、t−アミルペルピパレート、t−ブチルペル
ピパレート、t−ブチルペルネオヘキサノエート、t−
ブチルペル−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペ
ルベンゾエート、ペルオキソニ硫酸リチウム、ペルオキ
ソニ硫酸ナトリウム、ペルオキソニ硫酸カリウム、ペル
オキソニ硫酸アンモニウム等の過酸化物類、アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾヒス−(2−アミジ
ノプロパン)二塩酸塩、2−(カルパモイルアゾ)イソ
ブチロニトリル及び4,4’−アゾピス(4−シアノ吉
草酸)等のアゾ化合物が挙げられる。
【0036】これら重合開始剤としての熱的に分解して
遊離ラジカルを発生させる化合物の使用量は、エチレン
性不飽和結合を有する単量体100重量部に対して、通
常0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜15重
量部である。当該重合開始剤の使用量が0.01重量部
より少ないと重合速度が遅くなったり、未反応のモノマ
ーが多いといった問題があり、20重量部より多いと経
済的に問題があるので好ましくない。
【0037】重合開始剤としてレドックス触媒を用いる
場合、酸化剤としては、例えば、上記熱的に分解して遊
離ラジカルを発生させる化合物が挙げられる。また酸化
剤と組み合わせて用いられる還元剤としては、例えば、
遷移金属の塩、具体的には、例えば、硫酸鉄(II)、
塩化コバルト(II)硫酸ニッケル(II)、塩化銅
(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸バナジウム(II
I)等が挙げられる。他の適当な還元剤は、アスコルビ
ン酸、還元性硫黄化合物、例えば、アルカリ金属及びア
ンモニウム化合物の亜硫酸塩、二亜硫酸塩、チオ硫酸
塩、ジ亜ジチオン酸塩及びテトラチオン酸塩等、又は燐
が酸化状態1〜4を有する還元性隣化合物、例えば、リ
ン酸及び亜リン酸塩等が挙げられ、更には、窒素含有化
合物、例えば、アンモニア水、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチルアンモニウムクロライド
等が挙げられる。
【0038】本発明の樹脂微粒子を非水系分散重合で製
造する際には、公知の方法、例えば、特開平5−436
04号公報、特開平6−228205号公報等に記載の
方法を採用できる。
【0039】非水系分散重合で用いられる有機溶媒とし
ては、使用するエチレン性不飽和結合を有する単量体は
溶解し、生成する重合体は溶解しないものが用いられ、
使用する単量体に応じて適宜選択される。
【0040】具体的には、メチルアルコール、エチルア
ルコール、iso−プロピルアルコール、n−プロピル
アルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、t−プチルアルコール、iso−アミル
アルコール、sec−アミルアルコール又はt−アミル
アルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルプロピルケトン、イソプロピルメチル
ケトン、ブチルメチルケトン、イソブチルメチルケト
ン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソプロピ
ルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケ
トン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ
又はブチルセロソルブ等のセロソルブ類、ヘキサン、シ
クロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素類、ピリジン、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン等の含窒素有機化合物、ジメチル
スルホキシド等の含硫黄有機化合物等が挙げられる。こ
れらは1種又は2種以上使用することができる。
【0041】非水系分散重合における上記有機溶媒の使
用量には特に制限はないが、エチレン性不飽和結合を有
する単量体100重量部に対して、通常100〜200
00重量部、好ましくは1000〜10000重量部で
ある。
【0042】上記非水系分散重合の際には、生成した粒
子の、凝集、変形、癒着を防ぐために、分散安定剤を用
いることが好ましい。当該分散重合における分散安定剤
としては、使用する溶媒に溶解するものが用いられ、使
用する溶媒に応じて適宜選択される。具体的には、メチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース等のセルロース類;(メタ)アク
リル酸、α−シアノ(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピル、スチレン、メチルス
チレン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイ
ミダゾール、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエー
テル、ビニルプロピルエーテル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ブタジエン、イソプレン等から選ばれる1
種又は2種以上の単量体を用いた重合体が挙げられる。
分散安定剤が上記単量体を2種以上用いた重合体である
共重合体としては、ランダム共重合体、グラフト共重合
体及びブロック共重合体のいずれの共重合体も使用する
ことができ、当該共重合体の具体例としては、例えば、
スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イ
ソプレンプロック共重合体、スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体及びこれらの水素添加物(スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、
スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体等)
等が挙げられる。更には、分散安定剤として挙げた上記
の1種又は2種以上の単量体を用いた重合体のケン化物
(例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体等)及び該重合体のマクロモノマーを
分散安定剤として使用することもできる。これらの分散
安定剤の分子量については特に制限はない。非水系分散
重合には、分散安定剤として、これらの1種又は2種以
上の重合体を使用できる。また、前述したラジカル重合
性界面活性剤を分散安定剤と共に併用することもでき
る。
【0043】また分散安定剤を使用するとき、その使用
量はエチレン性不飽和結合を有する単量体100重量部
に対して、通常1〜100重量部、好ましくは15〜5
0重量部である。分散安定剤の使用量が、1重量部より
少ないと目的とする粒子径の樹脂微粒子が得られにく
く、また100重量部より多いと経済的に問題があるの
で好ましくない。
【0044】上記非水系分散重合に使用できる重合開始
剤としては、前述の乳化重合の重合開始剤として挙げた
熱的に分解して遊離ラジカルを発生させる化合物(過酸
化物類、アゾ系化合物)又はレドックス触媒を用いるこ
とができる。重合開始剤の使用量は、エチレン性不飽和
結合を有する単量体100重量部に対して、通常0.1
〜20重量部、好ましくは、5〜15重量部である。重
合開始剤の使用量が0.1重量部より少ないと、目的と
する粒子径の樹脂微粒子が得られにくく、また20重量
部より多いと経済的に問題があるので好ましくない。
【0045】このようにして得られた樹脂微粒子は、そ
の平均粒子径が100nm以下、好ましくは80nm以
下、さらに好ましくは50nm以下であるものが、本発
明の防曇剤として用いられる。樹脂微粒子の平均粒子径
が100nm以上となると、防曇性能が悪くなる傾向を
示す。
【0046】本発明における樹脂微粒子の平均粒子径
は、レーザードップラー/周波数解析法により測定され
る。測定原理は、懸濁溶液中において、ブラウン運動を
している粒子にレーザー光を当てると、その散乱光の周
波数はドップラー効果により変調する。この周波数変調
と強度を測定し、周波数解析により粒度分布を求めるも
のである。このようにして得られた粒度分布のメジアン
径を平均粒子径とする。ここで粒度分布のピークが複数
である場合には、その小さい方のピークから求められる
メジアン径を平均粒子径とする。
【0047】本発明の樹脂微粒子からなる防曇剤を使用
する際には、基材への防曇性塗膜の造膜性をより高める
目的で、本発明の樹脂微粒子を主成分とし、更に例え
ば、溶剤、各種レベリング剤、各種界面活性剤、各種バ
インダー等を含有する防曇剤含有混合物を使用すること
ができる。溶剤、レベリング剤、界面活性剤及びバイン
ダー等は、これらの1種又は2種以上使用することが可
能である。そして上記防曇剤含有混合物を基材に塗布
し、基材表面に本発明の樹脂微粒子からなる防曇剤を主
成分として含有する防曇性塗膜を形成させる。なお、防
曇剤含有混合物が溶剤を含有するときには、当該防曇剤
含有混合物を基材に塗布した後、乾燥して溶剤を除去し
た防曇性塗膜を基材表面に形成させる。
【0048】基材表面に形成させる防曇性塗膜の厚み
は、防曇性、耐傷性の観点から、重量厚みで0.01g
/m2以上が好ましく、0.02g/m2以上がより好ま
しく、0.05g/m2以上が特に好ましい。そして該
防曇性塗膜の透明性の観点から、10g/m2以下が好
ましく、5g/m2以下がより好ましく、2g/m2以下
が特に好ましい。
【0049】上記防曇剤含有混合物に使用できる溶剤と
しては、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オ
クチルアルコール等のアルコール類、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が
挙げられる。
【0050】上記防曇剤含有混合物に使用できるレベリ
ング剤としては、テルペン類、シリコーン系化合物等が
挙げられる。
【0051】また上記防曇剤含有混合物に使用できる界
面活性剤としては、従来より公知の例えば、アニオン
性、カチオン性、ノニオン性、両性等の各種界面活性剤
が使用できる。
【0052】アニオン性界面活性剤としては、例えば、
カプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、デカン酸
ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナト
リウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸テトラメチ
ルアンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、ベヘン酸カ
リウムなどの炭素原子数が6〜24のアルキル鎖を有す
るカルボン酸の金属塩又はアンモニウム塩、オクチルス
ルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸アンモニウムなどの炭素原子数が6〜2
4のアルキル鎖を有するスルホン酸の金属塩又はアンモ
ニウム塩、炭素原子数6〜24のアルキル鎖を有するリ
ン酸エステルの金属塩又はアンモニウム塩、炭素原子数
6〜24のアルキル鎖を有するホウ酸エステルの金属塩
又はアンモニウム塩等の炭化水素系アニオン性界面活性
剤、パープルオロデカン酸ナトリウム、パープルオロオ
クチルスルホン酸ナトリウムなどのフッ素系アニオン性
界面活性剤、ポリジメチルシロキサン基とアルキレンオ
キシド付加物の縮合体、ポリジメチルシロキサン基とカ
ルボン酸金属塩など陰イオン性基を有するシリコン系ア
ニオン性界面活性剤などが挙げられ、特に、炭素原子数
6〜10のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカリ金
属塩が好ましい。
【0053】カチオン性界面活性剤としては、例えば、
塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシ
ルジメチルアンモニウム、臭化−N−オクタデシルピリ
ジニウム、臭化セチルトリエチルホスホニウムなどがあ
げられる。
【0054】ノニオン性界面活性剤としては、例えば、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテ
ート、ソルビタンモノベヘネートなどのソルビタン脂肪
酸エステル系界面活性剤、グリセリンモノラウレート、
グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレ
ート、ジグリセリンジステアレート、トリグリセリンモ
ノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル系界面
活性剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポ
リエチレングリコールモノステアレートなどのポリエチ
レングリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのア
ルキレンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合
物と有機酸とのエステル、パーフルオロデカン酸のジグ
リセリンエステルなどのフッ素系ノニオン性界面活性剤
等が挙げられる。その他、両性界面活性剤も使用するこ
とができる。
【0055】さらに上記防曇剤含有混合物に使用できる
バインダーとしては、例えば、熱可塑性樹脂を挙げるこ
とができる。かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、α−シアノ(メタ)アクリル酸、
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)
アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリ
ル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−
3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、エチレン、プロ
ピレン、ブテン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニリデン、スチレン、メチルスチレ
ン、酢酸ビニル、ブタジエン、イソプレン等から選ばれ
る1種又は2種以上の単量体を用いた重合体が挙げられ
る。更には、それらの重合体のケン化物(例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレン−ビニルアルコール共
重合体等)も使用することができる。また上記以外の熱
可塑性樹脂、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、石油系炭化
水素樹脂、植物系炭化水素樹脂等もバインダーとして使
用することができる。これらバインダーとして使用され
る熱可塑性樹脂は、後述するような添加剤を含んでいて
もよい。また、これら熱可塑性樹脂が、例えば、水等の
溶剤中に粒子状に分散したエマルジョンを形成したもの
や、溶剤中に溶解したものが、バインダーとして特に好
適に使用できる。
【0056】基材表面に形成された防曇性塗膜中におけ
る本発明の特定粒子径の樹脂微粒子の含有量は、長期の
防曇性能持続の観点から、50重量%以上が好ましく、
特に60重量%以下が好ましく、さらに70重量%以下
が最も好ましい。
【0057】本発明における基材は、使用の目的に応
じ、フィルム、シート、板などの平面を有するもの、立
体的な構造を有するものなどいずれでもよく、その材料
としては樹脂、木材、セラミック、布、紙、金属及びガ
ラスなどが挙げられる。なかでも特に、基材としては樹
脂基材が好ましく、防曇性塗膜の密着性やリサイクル成
形時の相溶性、分散性、安定性において優れている。
【0058】樹脂基材としては通常熱可塑性樹脂が用い
られ、その具体例としては、例えば、ポリオレフィン系
樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−メチルメタクリレ
ート共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどの塩素系樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
トなどのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレー
トなどのアクリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネ
ート系樹脂などが例示される。上記ポリオレフィン系樹
脂としては、α−オレフィンの単独又は共重合体、α−
オレフィンを主成分とするα−オレフィンと異種単量体
との共重合体が挙げられ、具体的には、例えば、ポリエ
チレン及びポリプロピレン、並びにエチレン−プロピレ
ン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン
−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−ヘキ
セン−1共重合体及びエチレン−オクテン−1共重合体
等のエチレン/α−オレフィン共重合体、さらに異種単
量体が極性ビニルモノマーであるエチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体及びエチレン−酢酸ビニ
ル−メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂
等を挙げることができる。これら熱可塑性樹脂は1種又
は2種以上の樹脂をブレンドして用いてもよい。
【0059】なお、本発明の樹脂微粒子からなる防曇剤
を主成分として含有する防曇性塗膜を基材表面に形成さ
せた防曇性成形体は、特に農業用防曇性フィルム又はシ
ート等の農業用被覆材料として好適であり、農業用防曇
性フィルム又はシートとして用いる場合、熱可塑性樹脂
を基材とするのが好ましい。
【0060】本発明の防曇性成形体を鉄骨ハウスなどに
用いられる農業用硬質フィルム等の用途に用いる場合、
基材の熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレー
トなどのアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、フッ素系
樹脂など透明性に優れる樹脂が好ましい。また強度、剛
性等が求められる場合には、2軸延伸されたフィルム又
はシートが基材として好ましい。
【0061】また、本発明の防曇性成形体をハウス、カ
ーテン、トンネルなどに用いられる農業用軟質フィルム
又はシートの用途に用いる場合、基材の熱可塑性樹脂と
しては、軟質塩化ビニルやフッ素系樹脂、ポリオレフィ
ン系樹脂が好ましく、特にポリオレフィン系樹脂が基材
として好ましく用いられる。ポリオレフィン系樹脂は、
密度が0.935g/cm3以下の、低密度ポリエチレ
ン、エチレン/α−オレフィン共重合体及び酢酸ビニル
含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合
体などが透明性や柔軟性に優れ、かつ低コストで農業用
軟質フィルム又はシートが得られる点で特に好ましい。
【0062】本発明の防曇性成形体を農業用防曇性フィ
ルム又はシートとして用いる場合、熱可塑性樹脂に輻射
線遮断剤、光安定剤、紫外線吸収剤、従来公知の防曇
剤、防霧剤及び近赤外線遮断剤等から選ばれる1種又は
2種以上の添加剤を含有させた熱可塑性樹脂組成物を用
い、当該組成物をフィルム又はシート状に成形したもの
を防曇性成形体の基材フィルム又はシートとして使用す
るのがよい。
【0063】輻射線遮断剤としては、例えば、赤外線反
射剤及び赤外線吸収剤等が例示できる。ここで、輻射線
とは、昼間、主に太陽の可視光等により暖められたハウ
ス等の施設内の地面等から、夜間、波長2〜25μmの
領域の赤外線として放射されるものであり、輻射線遮断
剤とはこの輻射線を吸収又は反射する性質を有するもの
である。
【0064】赤外線反射剤としては、上記波長領域のう
ちの少なくともいずれかの波長を反射するものであれば
特に制限はなく、例えば、酸化亜鉛等の無機系赤外線反
射剤が例示できる。
【0065】また赤外線吸収剤としては、無機系赤外線
吸収剤及び有機系赤外線吸収剤のいずれも使用すること
ができる。無機系赤外線吸収剤としては、リチウムアル
ミニウム複合水酸化物、ハイドロタルサイト類化合物な
どの複合水酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタンなどの金
属の酸化物、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水
酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸アルミ
ニウム(例えば、特開平9−279131号公報に記載
の塩基性炭酸アルミニウム複塩等)などの炭酸塩類、硫
酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸
亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩類、燐酸リチウ
ム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、
燐酸ジルコニウム(例えば、特開平8−67774号公
報記載のH型燐酸ジルコニウム等)などの燐酸塩類、珪
酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、
珪酸チタンなどの珪酸塩類、アルミン酸ナトリウム、ア
ルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミ
ン酸塩類、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリ
ウム、アルミノ珪酸カルシウムなどのアルミノ珪酸塩
類、カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱物、複合酸
化物などが挙げられる。有機系赤外線吸収剤としては、
ポリアセタール、ポリビニルアルコール及びその誘導
体、エチレン/ビニルアルコール共重合体などが挙げら
れる。これらの赤外線吸収剤の中でも、密度が約3g/
cm3以下、特に約2.4g/cm3以下のものが、基材
フィルム又はシートのリサイクル効率の観点から好まし
く、また赤外線吸収能の観点から無機系赤外線吸収剤が
より好ましい。
【0066】赤外線吸収剤が無機系赤外線吸収剤である
場合には、光線透過性の観点から、その屈折率は基材フ
ィルム又はシートに使用する熱可塑性樹脂の屈折率によ
り近いこと、また保温性の観点から、幅広い波長域に吸
収性能をもつことが好ましい。これらの観点から、ハイ
ドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水
酸化物、アルミノ珪酸塩類、塩基性炭酸アルミニウム複
塩などが好ましい。
【0067】また上記熱可塑性樹脂組成物中での赤外線
吸収剤の分散性を向上させるために、高級脂肪酸や高級
脂肪酸のアルカリ金属塩等を用いて赤外線吸収剤に表面
処理を施してもよい。
【0068】赤外線吸収剤の配合量は、23℃において
基材フィルム又はシートに所望される輻射線透過指数、
使用する赤外線吸収剤の種類や基材フィルム又はシート
の層構成などを考慮して適宜設定される。例えば、赤外
線吸収剤として上記の複合水酸化物を使用する場合、そ
の配合量は基材に用いる熱可塑性樹脂100重量部に対
して通常、0.03〜25重量部、好ましくは1〜15
重量部である。
【0069】また光安定剤としては、ニッケル錯体系光
安定剤及びヒンダードアミン系化合物が挙げられ、好ま
しくはヒンダードアミン系化合物であり、特に好ましく
は分子量が約1500以上のヒンダードアミン系化合物
である。光安定剤を使用する場合、その量は、耐候性改
良効果とブルーミング抑制のバランスの観点から、基材
の熱可塑性樹脂組成物中に通常は約0.02〜約5重量
%、好ましくは約0.1〜約2重量%、より好ましくは
約0.5〜約2重量%の範囲である。耐候性改良効果の
観点から、光安定剤は、紫外線吸収剤と併用することが
より好ましい。
【0070】紫外線吸収剤は、無機系紫外線吸収剤であ
っても有機系紫外線吸収剤であってもよく、従来公知の
ものが使用できる。無機系紫外線吸収剤は、酸化セリウ
ムや酸化チタンなどの金属酸化物を含有するものでよ
く、例えば、日本無機化学工業(株)製の商品名:セリ
ガードとして市販されている紫外線吸収剤を使用するこ
とができる。紫外線吸収剤を使用する場合、その使用量
は、耐候性改良効果とブルーミング抑制のバランスの観
点から、基材の熱可塑性樹脂組成物中に、通常は約0.
01〜約3重量%、好ましくは約0.05〜約1重量%
の範囲である。
【0071】また従来公知の防曇剤は、優れた初期防曇
性を達成する目的で、熱可塑性樹脂組成物中に含有させ
ることができる。従来公知の防曇剤を使用するとき、そ
の含有量は、熱可塑性樹脂組成物中に通常約0.1〜約
4重量%、好ましくは約0.5〜約3重量%、さらに好
ましくは約1.5〜約3重量%、特に好ましくは約2.
2〜約2.8重量%である。特に液状の防曇剤を配合す
る場合、該熱可塑性樹脂組成物中に通常は約0.2〜約
3重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の範囲とな
るようにする。常温で液体状の防曇剤を含有する熱可塑
性樹脂組成物を基材とする農業用防曇性フィルム又はシ
ートは、その保管時及び展張時における光線透過性の損
失を抑制することができる。
【0072】防霧剤としては、パープルオロアルキル
基、ω一ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素化
合物(特にフッ素系界面活性剤)、アルキルシロキサン
基を有するシリコン系化合物(特にシリコン系界面活性
剤)等が挙げられる。防霧剤を含有させるとき、その含
有量は熱可塑性樹脂組成物中に通常は約0.01〜約3
重量%、好ましくは約0.02〜約1重量%の範囲であ
る。
【0073】さらに本発明の防曇性成形体を農業用防曇
性フィルム又はシートとして用いる場合は、基材に用い
る熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、上記以外の一
般に使用されている各種安定剤(例えば、酸化防止剤
等)、帯電防止剤、滑剤、顔料、難燃剤等の添加剤を含
有することができる〔参考文献:「ポリマー添加剤の分
離・分析技術および別冊」日本科学情報(株)出版(1
987年)、「プラスチックおよびゴム用添加剤実用便
覧」(株)化学工業出版(1970年)〕。また、これ
らの添加剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用
することもできる。
【0074】本発明の基材表面に樹脂微粒子を主成分と
する防曇性塗膜を形成させた防曇性成形体の厚みは、力
学的強度や透明性、柔軟性など目的に応じて適宜選択で
きるが、たとえばハウス等の農業用施設に使用する場
合、通常10〜400μm、好ましくは、30〜300
μmである。
【0075】さらに本発明の防曇性成形体における基材
としては、例えば、上記熱可塑性樹脂及び熱可塑性樹脂
組成物から選ばれる1種の基材のほか、それらから選ば
れる2種以上の樹脂及び/又は樹脂組成物の層から構成
される基材、例えば、3種3層(3種の樹脂及び/又は
樹脂組成物を用いた3層の層構成を有する基材)、3種
5層、4種5層及び5種5層等の層構成を有する基材が
例示でき、基材の層構成については特に限定はない。
【0076】本発明の防曇性成形体の基材をフィルム又
はシート状に成形する方法としては、例えば、インフレ
ーション成形法、Tダイ成形法などの通常の成形方法が
挙げられる。多層の基材を得るには、目的に応じていろ
いろな組合せで成形して用いることができる。例えば、
ダイスの構成が多層になったインフレーション成形機や
Tダイを用いた場合は異なる樹脂をそれぞれのダイスの
層から押し出すことにより、多種多層の基材を得ること
ができる。また、Tダイ成形法で得られたシートにイン
フレーション成形で得られたフィルムを接着剤や溶融樹
脂によって貼り合わせることによっても多層の基材が得
られる。
【0077】本発明の防曇性成形体を製造するにあた
り、基材表面に防曇性塗膜を形成させる方法は、防曇性
塗膜を基材に接着させることができる方法であればよ
く、例えば、従来から採用されているラミネート法、コ
ーティング法等の方法が挙げられる〔参考文献:「コー
ティング方式」原崎勇次著 槙書店発行 1979
年〕。
【0078】上記コーティングとは、例えば、本発明の
防曇剤である樹脂微粒子をバインダーとともに分散媒体
中に分散させた防曇剤含有液を基材表面に塗布した後、
乾燥して分散媒又は溶媒を除去し、本発明の防曇剤を主
成分として含有する防曇性塗膜の層を形成させる方法で
ある。コーティング法としては、例えば、グラビア方
式、ディッピング方式、スプレー方式などのコーティン
グ方式が挙げられる。例えば、インフレーションフィル
ムにコーティングする場合には、製造効率の観点から、
チューブ状のフィルム基材を用いて、これにコーティン
グすることが好ましいが、基材の形状によって方法は種
々選択できる。
【0079】上記コーティング法によって防曇性塗膜を
基材表面に形成させる場合には、防曇剤含有混合物と基
材表面とのぬれ性を良好にしてはじきによる欠陥を無く
し、乾燥後の基材に対する防曇性塗膜の接着強度も高く
なるという観点から、防曇性塗膜を塗工する該基材の表
面張力が0.036N/m以上であることが好ましい。
表面張力の上限は特には制限されないが通常、0.06
0N/m程度であり、好ましくは0.040〜0.05
0N/mである。
【0080】基材として熱可塑性樹脂を用いるとき、一
般に熱可塑性樹脂は表面張力が低い場合が多いため、熱
可塑性樹脂基材の表面を表面処理して、表面張力を高め
ておくことが好ましい。基材の表面を表面処理をする方
法としては、コロナ処理、プラズマ処理、フレームプラ
ズマ処理、UV処理、EB(電子線照射)処理など、一
般的に行なわれている方法のいずれも適用でき、処理後
の表面張力が、所望の値となるような条件で実施すれば
よい。一般に表面処理の効果は時間が経つとともに低下
するので、表面処理後はできるだけ速やかに基材表面に
防曇性塗膜を形成させることが望ましい。従って、表面
処理部と、例えば、コーティング部はインラインで連続
であることが好ましい。
【0081】また、表面処理をして表面張力を高める方
法以外に、ぬれ性をよくする目的で、基材の表面に予め
各種アンカーコート剤をコーティングした後、その上に
コーティング等によって防曇性塗膜を積層してもよい。
【0082】
【発明の効果】本発明の平均粒子径100nm以下の樹
脂微粒子からなる防曇剤は、これを主成分として含有す
る防曇剤含有混合物を基材表面に塗布して防曇性塗膜を
形成させることにより、基材の表面に優れた防曇性を付
与することができる。本発明の防曇性成形体が有する防
曇性塗膜は、透明性に優れ、かつ摩擦などによって傷つ
きにくい膜強度を有する。本発明の防曇性成形体を結露
を生じやすい部分、例えば、エアコンのフィンや、壁に
使用した場合は、優れた防曇性により水滴の付着を防止
することができ、例えば、結露水が原因で生じるカビな
どの細菌の繁殖を抑制することができる。また、本発明
の防曇性成形体を、農業用被覆資材として防曇性塗膜側
がハウス内面になるように用いた場合は、展張作業時に
パイプと摩擦があったとしても塗膜が傷つきにくく、透
明性が優れているため太陽光線をよく通し作物の生育を
促進することができる。また、長期問にわたって安定し
た防曇性を発揮するため、使用期間が長く、張替えの手
間が少なくなる。さらに、本発明の防曇性成形体の基材
が熱可塑性樹脂であるとき、本発明の防曇性成形体の製
造時に発生する屑等を基材の原料として再使用する場合
には、防曇剤である本発明の樹脂微粒子が基材と同様の
熱可塑性樹脂であるため、熱安定性に優れている。
【0083】
【実施例】以下に実施例により本発明をより詳しく説明
する。樹脂微粒子の平均粒子径の測定 樹脂微粒子の粒子径は、得られた樹脂微粒子分散液を、
日機装(株)製 粒度分析計 マイクロトラック934
0UPAにより測定した。
【0084】樹脂微粒子の合成 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び窒素導入管を具備し
た反応容器にて、水833.3重量部にアニオン性反応
性界面活性剤〔商品名 アデカリアソープ SE10
N、旭電化工業(株)製〕31.4重量部を溶解した。
反応容器内に窒素ガスを導入し、反応系内の酸素を除去
した後、メタクリル酸メチル60重量部、ペンタエリス
リトールトリアクリレート40重量部を加え、窒素気流
中、30分撹拌して乳化液を得た。これとは別に、過硫
酸カリウム2.5重量部、トリエタノールアミン2.5
重量部をそれぞれ水58.3重量部に溶解し、得られた
溶液を、上記乳化液に加えた。窒素気流中、30℃に昇
温し、同温度で4時間反応を行い、メタクリル酸メチル
/ペンタエリスリトールトリアクリレート共重合体であ
る樹脂微粒子が微分散したエマルジョンを得た。この
樹脂微粒子の平均粒子径は、約20nmであった。得
られたエマルジョンを樹脂微粒子分散液とする。
【0085】樹脂微粒子の合成 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び窒素導入管を具備し
た反応容器にて、メチルイソブチルケトン1800重量
部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート40
重量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート60重
量部、ラジカル重合性界面活性剤〔商品名 アデカリア
ソープ NE40、旭電化工業(株)製〕18重量部、
メタクリル酸メチルマクロモノマー〔商品名 AA−
6、東亞合成(株)製〕9重量部及び2,2’−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル10重量部を混合
して溶解した。反応容器内に窒素ガスを導入し、反応系
内の酸素を除去した後、窒素気流中、80℃に昇温して
同温度で4時間反応を行い、N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート/ペンタエリスリトールトリアクリ
レート共重合体である樹脂微粒子が微分散した重合液
を得た。この樹脂微粒子の平均粒子径は約30nmで
あった。得られた重合液を樹脂微粒子分散液とする。
【0086】樹脂微粒子の合成 撹拌機、冷却器、温度制御装置及び窒素導入管を具備し
た反応容器にて、水232.6重量部にドデシル硫酸ナ
トリウム1.2重量部を溶解し、反応容器内に窒素ガス
を導入し、撹拌しながら70℃に昇温した。70℃に到
達した後、過硫酸カリウム0.5重量部を水10重量部
に溶かした溶液を加え、更にスチレン95重量部及びジ
ビニルベンゼン5重量部の混合物を3時間かけて滴下し
た。滴下終了後、4時間、70℃での重合を行い、スチ
レン/ジビニルベンゼン共重合体である樹脂微粒子が
微分散したエマルジョンを得た。この樹脂微粒子の平
均粒子径は、約150nmであった。得られたエマルジ
ョンを樹脂微粒子分散液とする。
【0087】防曇剤含有混合物A 水83.4重量部、樹脂微粒子分散液12.4重量部
及びバインダーとして石油系ワックスを主成分とする水
分散液〔商品名 KEK−T、固形分12.1重量%、
広栄化学工業(株)製〕4.2重量部を混合して防曇剤
含有混合物A(固形分2重量%)とする。
【0088】防曇剤含有混合物B 水18重量部、樹脂微粒子分散液62重量部及びバイ
ンダーとして石油系ワックスを主成分とする水分散液
〔商品名 KEK−T、固形分12.1重量%、広栄化
学工業(株)製〕20重量部を混合して防曇剤含有混合
物B(固形分10重量%)とする。
【0089】防曇剤含有混合物C 樹脂微粒子分散液95重量部とオクタノール5重量%
を混合して防曇剤含有混合物C(固形分5重量%)とす
る。
【0090】防曇剤含有混合物D 樹脂微粒子分散液95重量部及びバインダーとしての
ポリメタクリル酸メチル(平均分子量10万)5重量部
を混合して防曇剤含有混合物Dとする。
【0091】防曇剤含有混合物E 水88.584重量部、コロイド状アルミナ水分散液
〔商品名 アルミナゾル520、固形分20重量%、コ
ロイド状アルミナ粒子径20nm、日産化学工業(株)
製〕9重量部、コロイド状シリカ水分散液〔商品名 ス
ノーテックス20、固形分20重量%、コロイド状シリ
カ粒子径20nm、日産化学工業(株)製〕2.4重量
部、バインダーとしてのアニオン性界面活性剤(カプリ
ル酸ナトリウム)0.014重量部及びパラトルエンス
ルホン酸ナトリウム0.002重量部を混合して防曇剤
含有混合物E(固形分10重量%)とする。
【0092】防曇剤含有混合物F 水51重量部、樹脂微粒子分散液24重量部、バイン
ダーとして石油系ワックスを主成分とする水分散液〔商
品名 KEK−T、広栄化学工業(株)製、固形分1
2.1重量%〕25重量部を加えたものを防曇剤含有混
合物F(固形分10重量%)とする。
【0093】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体〔商品名 エパテートH
2031、酢酸ビニル含量19重量%、MFR1.5g
/10分、住友化学工業(株)製〕に、防曇剤含有混合
物Aをバーコート法によって乾燥後の塗布量(固形分と
して)1.0g/m2となるように塗布し、70℃の熱
風中に5分間滞留させ、溶媒を飛散させてエチレン−酢
酸ビニル共重合体フィルム表面に防曇性塗膜を形成した
防曇性成形体を得た。得られた防曇性成形体は表1に示
すように優れたものであった。
【0094】実施例2 実施例1において、防曇剤含有混合物Aに代えて防曇剤
含有混合物Bを用いた以外は実施例1と同様に行った。
得られた防曇性成形体は表1に示すように優れたもので
あった。
【0095】実施例3 防曇剤含有混合物Cをポリカーボネート板表面にバーコ
ート法によって乾燥後の塗布量(固形分として)0.5
g/m2となるように塗布し、70℃の熱風中に5分間
滞留させ、溶媒を飛散させてポリカーボネート板表面に
防曇性塗膜を形成した防曇性成形体を得た。得られた防
曇性成形体は表1に示すように優れたものであった。
【0096】実施例4 実施例3において、防曇剤含有混合物Cに代えて防曇剤
含有液Dを使用し、基材としてポリカーボネート板に代
えてポリメタクリル酸メチル板を用いた以外は実施例3
と同様に行った。得られた防曇性成形体は表1に示すよ
うに優れたものであった。
【0097】比較例1 実施例1において、防曇剤含有混合物Aに代えて防曇剤
含有液Eを用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れた防曇性成形体は表1に示すように耐傷性が劣るもの
であった。
【0098】比較例2 実施例1において、防曇剤含有混合物Aに代えて防曇剤
含有液Fを用いた以外は実施例1と同様に行った。得ら
れた防曇性成形体は表1に示すように防曇性が劣るもの
であった。
【0099】
【表1】
【0100】防曇性 試験方法:傾斜15°で防曇性塗膜側を下にして防曇性
成形体を、室温23℃にて40℃の水槽上に配置し、曇
りの有無を見た。 ○:曇り無し ×:曇り有り 尚、実施例1〜4については、上記試験を2年間続けた
後も曇りは認められなかった。
【0101】耐傷性 試験方法:防曇性成形体の防曇性塗膜側を、布及び金属
片で軽くこすったときの塗膜の傷の有無を調べた。 ○:傷がつかなかった ×:傷がついた
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/18 C09K 3/18 // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 2B024 DB01 DB10 EA01 2B029 DB10 EB01 EC02 EC03 EC05 EC06 EC09 EC14 EC16 4F006 AA22 AA35 AA36 AB13 AB16 AB23 AB24 BA10 CA06 DA04 4H020 AA03 AB02 AB05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径100nm以下の樹脂微粒子
    からなる防曇剤。
  2. 【請求項2】 樹脂微粒子が、2個以上の不飽和結合を
    有する単量体と1個の不飽和結合を有する単量体の共重
    合体である請求項1記載の防曇剤。
  3. 【請求項3】 樹脂微粒子が、2個以上の不飽和結合を
    有する単量体と1個の不飽和結合を有する単量体をラジ
    カル重合性界面活性剤の存在下で重合して得られるもの
    である請求項1記載の防曇剤。
  4. 【請求項4】 平均粒子径100nm以下の樹脂微粒子
    からなる防曇剤を主成分とする防曇性塗膜を基材の表面
    に形成せしめたことを特徴とする防曇性成形体。
  5. 【請求項5】 基材が、熱可塑性樹脂又はガラスである
    請求項4記載の防曇性成形体。
  6. 【請求項6】 基材が、熱可塑性樹脂のフィルム又はシ
    ートである請求項4記載の防曇性成形体。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂が、アクリレート系樹脂又
    はポリエステル系樹脂である請求項6記載の防曇性成形
    体。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂が、ポリメチルメタクリレ
    ート又はポリカーボネートである請求項6記載の防曇性
    成形体。
  9. 【請求項9】 農業用被覆材料として用いる請求項4〜
    8のいずれか1項に記載の防曇性成形体。
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