JP2003033982A - 容器の成型装置 - Google Patents

容器の成型装置

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JP2003033982A JP2002205174A JP2002205174A JP2003033982A JP 2003033982 A JP2003033982 A JP 2003033982A JP 2002205174 A JP2002205174 A JP 2002205174A JP 2002205174 A JP2002205174 A JP 2002205174A JP 2003033982 A JP2003033982 A JP 2003033982A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器に加える力を低減させつつ所望の大きさ
の突条部を形成できる成型装置を提供する。 【解決手段】 容器2の側壁2aにその周方向へ延びる
突条部を形成可能な成型装置において、容器2をその内
側から保持しつつ容器2の中心線の周りに回転可能な保
持具20と、保持具20を回転駆動する回転駆動機構3
0と、保持具20の側方に配置され、容器2の中心線と
平行な軸線の周りに回転可能な型押しローラ46A,4
6Bおよびその型押しローラ46A,46Bを容器2の
半径方向に往復運動させるエアーシリンダ42を備えた
型押し機構40A,40Bとを設ける。型押しローラ4
6A,46Bの外周には、突条部の凸面側を成型する溝
部46a,46bを設け、保持具20には、突条部の凹
面側を成型する突部26a,26bを溝部46a,46
bと前記中心線の方向に位置を合わせて設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙等で形成された
容器にピータ線やリブ等の突条部を形成する成型装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置として、例えば特開平4−
97833号公報には、紙カップの内部に半径方向へ拡
大および収縮が可能なチャックを挿入し、容器内の所定
位置でチャックを半径方向外側に拡大させて容器を外側
に押し広げ、それによりピータ線やリブ等の突条部を形
成するものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置で
は、容器の側壁をその全周に亘って同時に押し広げて突
条部を形成しているため、比較的小さな突条部を形成す
る場合でも、くさびのような力の拡大手段を利用して容
器に大きな力を加える必要がある。そのため、あまり大
きな突条部を形成できない。また、容器の内部でチャッ
クを駆動する必要があるため、その駆動機構の少なくと
も一部を容器内の狭い空間に収める必要があり、機構が
複雑化し易い。しかも、チャックを容器に出し入れする
作業に時間がかかり、突条部を効率よく形成することが
できない。
【0004】本発明は、容器に加える力を従来よりも低
減させつつ所望の大きさの突条部を形成でき、容器内に
おける部材の駆動を不要として成型装置の構成を簡素化
でき、特に容器の外周側に膨らむ突条部であっても容器
の外周側からの操作によって形成でき、さらには容器に
対する型等の出し入れを省略して作業効率を改善できる
成型装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】請求項1の発明は、容器(2)の側壁(2
a)にその周方向へ延びる突条部(2d,2e)を形成
可能な成型装置であって、側壁(2a)を挟むように対
向させて配置され、互いの対向部分には突条部(2d,
2e)の凹面側を成型するための突部(26a,27
a)および突条部の凸面側を成型するための溝部(46
a,46b)がそれぞれ形成された雄型部材(26,2
7)および雌型部材(46A,46B)と、雄型部材
(26,27)と雌型部材(46A,46B)とを容器
(2)の半径方向に相対的に接近および離間させる半径
方向駆動手段(42)と、雄型部材(26,27)と雌
型部材(46A,46B)とによって側壁(2a)が挟
まれる位置が前記周方向に変化するように雄型部材(2
6,27)または雌型部材(46A,46B)の少なく
ともいずれか一方と容器(2)との間に相対的な回転運
動を与える周方向駆動手段(31,32,25)とを具
備する容器の成型装置により、上述した課題を解決す
る。
【0007】この発明によれば、雄型部材と雌型部材と
で側壁を挟み込み、その状態で雄型部材または雌型部材
と容器とを相対回転させると、容器の側壁が型部材の突
部と溝部とによって周方向に順次くせ付けされてピータ
線(2d)やリブ(2e)等の突条部が容器の周方向に
徐々に形成される。従って、突条部をその全長に亘って
同時に形成する場合と比較して容器に加わる力を低減さ
せつつ所望の大きさの突条部を形成できる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の容器の
成型装置において、容器(2)をその内側から保持しつ
つ容器(2)の中心線の周りに回転可能な保持具(2
0)を具備し、保持具(20)には雄型部材(26,2
7)または雌型部材(46A,46B)のいずれか一方
の型部材が設けられ、雄型部材(26,27)または雌
型部材(46A,46B)のいずれか他方の型部材が容
器(2)の外周側に配置され、半径方向駆動手段(4
2)は容器(2)の外周側に配置された前記他方の型部
材を容器(2)の半径方向に駆動し、周方向駆動手段
(31,32,25)は保持具(20)を回転駆動する
ことを特徴とする。
【0009】この発明によれば、容器の外側に配置され
た雌型部材または雄型部材を駆動して両型部材の間に側
壁を挟みつつ、保持具を介して容器およびその内周側に
配置された雄型部材または雌型部材を回転させることに
より、容器の側壁に突条部を形成することができる。容
器の内部で型部材を駆動する必要がなく、容器の外側の
型部材は容器の半径方向に沿って駆動するだけでよい。
従って、成型装置の構成が簡素化される。
【0010】請求項3の発明は、請求項2記載の容器の
成型装置において、保持具(20)に設けられた前記一
方の型部材(例えば26,27)が保持具(20)の全
周に亘って設けられていることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、容器を一回転以上させ
るとその側壁を一周する突条部が形成される。
【0012】請求項4の発明は、請求項2記載の容器の
成型装置において、容器(2)の外周側に設けられた前
記他方の型部材が容器(2)の中心線と平行な軸線の周
りに回転自在なローラ(46A,46B)として構成さ
れていることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、容器の側壁に押し付け
られた型部材としてのローラが容器の回転に伴って自転
する。そのため、型部材と容器の側壁との間の摩擦抵抗
が減少し、突条部を形成する際の容器の負荷をより減少
させることができる。
【0014】請求項5の発明は、請求項2記載の容器の
成型装置において、保持具(20)からの容器(2)の
浮き上がりを防止する抜け止め機構(50)を備えたこ
とを特徴とする。
【0015】この発明によれば、テーパ状の側壁を雄型
部材と雌型部材とで挟み込む際に生じる容器の浮き上が
りを阻止し、突条部の蛇行等の加工不良の発生を防止で
きる。
【0016】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かに記載の成型装置において、容器(2)の内周側に雄
型部材(26,27)が、容器(2)の外周側に雌型部
材(46A,46B)がそれぞれ配置されていることを
特徴とする。
【0017】この発明によれば、容器の外周側から雌型
部材を側壁に押し付けつつその押し付け力を容器の内側
に配置された雄型部材で受けることにより、容器の側壁
にその外周側へ膨らむ突条部が生じるようにくせ付けす
ることができる。このくせ付けされた部分の周囲が容器
の弾性により元の形状に復帰することにより、くせ付け
された部分が容器の外周側へ突出して突条部が形成され
る。従って、容器の内側から突条部を押し出す操作は不
要である。
【0018】請求項7の発明は、容器(2)の側壁(2
a)にその周方向へ延びる突条部(2d,2e)を形成
可能な成型装置であって、容器(2)をその内側から保
持しつつ当該容器の中心線の周りに回転可能な保持具
(20)と、保持具(20)を回転駆動する回転駆動機
構(30)と、保持具(20)の側方に配置され、容器
(2)の中心線と平行な軸線の周りに回転可能な型押し
ローラ(46A,46B)およびその型押しローラ(4
6A,46B)を容器(2)の半径方向に往復運動させ
る駆動手段(42)を備えた型押し機構(40A,40
B)と、を具備し、突条部(2d,2e)の凸面側を成
型するための溝部(46a,46b)または突条部(2
d,2e)の凹面側を成型するための突部(26a,2
7a)のいずれか一方が型押しローラ(46A,46
B)の外周に設けられ、保持具(20)には溝部(46
a,46b)または突部(26a,27a)のいずれか
他方が型押しローラに設けられた前記溝部または前記突
部と前記中心線の方向に位置を合わせて設けられている
ことを特徴とする容器の成型装置により、上述した課題
を解決する。
【0019】この発明によれば、容器をその内側から保
持具で保持しつつ、その外周側から型押しローラを側壁
に押し付けて溝部と保持具の突部との間で側壁を挟み込
み、その状態で保持具およびこれに保持された容器を一
体的に回転させると、請求項1の発明と同様にピータ線
(2d)やリブ(2e)等の突条部が容器の周方向に徐
々に形成される。従って、突条部をその全長に亘って同
時に形成する場合と比較して容器に加わる力を低減させ
つつ所望の大きさの突条部を形成できる。保持具を回転
させ、型押しローラを外周側から側壁に押し付ける構成
としたので、請求項2の発明と同様に成型装置の構成が
簡素化される。型押しローラが自転できるので、請求項
4の発明と同様に摩擦抵抗も減少する。なお、本発明に
おいて請求項3、請求項5、6の発明の構成をさらに追
加してもよい。
【0020】請求項8の発明は、請求項7記載の容器の
成型装置において、複数の工程間で保持具(20)を移
動させる搬送手段(11)を具備し、回転駆動機構(3
0)および型押し機構(40A,40B)が搬送手段
(11)による保持具(20)の搬送経路の途中に設置
されていることを特徴とする。
【0021】この発明によれば、保持具が複数工程に亘
って容器を搬送するために使用され、突条部を形成する
工程よりも前の工程で保持具に容器が装着され、突条部
の形成よりも後の工程で保持具から容器が取り外され
る。従って、突条部を形成する工程では容器に対して保
持具や型部材を出し入れする必要がなく、その分、作業
効率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図4は本発明が適用された
紙カップの成型装置を、図5はその成型装置により加工
される紙カップを、図6はその紙カップの製造工程をそ
れぞれ示している。
【0023】まず、紙カップについて図5および図6を
参照して説明する。紙カップ1は容器としてのカップ本
体2とその外周を覆うスリーブ3とを組み合わせて構成
される。カップ本体2は側壁2aと底部2bとを有する
略円錐台形に形成される。カップ本体2の口部には外側
に向かってカール部2cが形成され、その成型後、側壁
2aに突条部としてのピータ線2dおよびリブ2eがそ
れぞれ紙カップ1の半径方向外周に膨らむように形成さ
れる。ピータ線2dはカップ本体2への注入物(例えば
湯)の適量位置を示すために設けられ、リブ2eはカッ
プ本体2を補強するために設けられる。リブ2eはピー
タ線2dよりも幾らか大きく形成される。カップ本体2
の素材には例えば坪量150〜400g/cm2の紙が
使用され、少なくともその内面は耐熱性や耐水性を高め
るための被覆層(例えばポリエチレン層)にて覆われ
る。
【0024】スリーブ3は紙カップ1の断熱性を高める
ために設けられる。図6から明らかなように、扇状のブ
ランク3′の両端を貼り合わせ、その下端に内向きのカ
ール部3aを形成してスリーブ3が形成される。そし
て、カップ本体2のカール部2cよりも下の一定範囲
(図6のハッチング領域)に接着剤4を塗布してカップ
本体2とスリーブ3とを組み合わせ、スリーブ3の上端
部と側壁2aとを相互に接着して紙カップ1が形成され
る。スリーブ3の素材には例えば坪量150〜400g
/cm2の紙が用いられる。なお、スリーブ3は特に湯
や水に触れないため、カップ本体2のような被覆層は省
略してよい。
【0025】上述したカップ本体2のピータ線2dおよ
びリブ2eは図1〜図3に示す成型装置10によりそれ
ぞれ形成される。成型装置10は、軸11aを中心とし
て旋回可能な搬送手段としてのターンテーブル11と、
そのターンテーブル11上に一定の角度ピッチ(図示例
では45°刻み)で周方向に並べて取り付けられた複数
のカップ保持具20…とを有している。ターンテーブル
11の軸11aは装置10のフレーム12に取り付けら
れた不図示のテーブル駆動機構と連結され、その駆動機
構によりターンテーブル11がカップ保持具20の並ぶ
ピッチと同一角度ずつ間欠的に回転駆動される。これに
より、ターンテーブル11の周囲にはカップ保持具20
と同数(図示例では8箇所)のカップ停止位置Ps1〜
Ps8が設けられる。
【0026】停止位置Ps1ではカップ本体2が保持具
20に上下逆向きにして装着され、その次のカップ停止
位置Ps2には図1に示す回転駆動機構30、型押し機
構40Aおよび抜け止め機構50が設けられ、さらにそ
の次のカップ停止位置Ps3には図2に示す回転駆動機
構30、型押し機構40Bおよび抜け止め機構50が設
けられる。なお、図1および図2の回転駆動機構30お
よび抜け止め機構50はそれぞれ共通である。型押し機
構40A,40Bはピータ線2dおよびリブ2eの形成
位置および大きさの相違に応じて細部の仕様が変更され
ているものの、基本的な構成は共通する。
【0027】図1および図2に示すように、カップ保持
具20は、ターンテーブル11の外周にベアリング21
を介して上下方向の軸線を中心に回転自在に取り付けら
れる支持軸23と、その支持軸23とターンテーブル1
1の下面側で連結されて支持軸23を抜け止めする止め
具24と、支持軸23の上端に取り付けられたホイール
25と、上下逆向きに装着されるカップ本体2の側壁2
aを内周側から支持するための上下一対のフランジ2
6,27と、カップ本体2の底部2bを内側から支える
底部支持板28とを有している。ホイール25、フラン
ジ26,27および底部支持板28はいずれも支持軸2
3と同軸であり、保持具20に被せられたカップ本体2
の中心線は支持軸23の軸線と一致する。
【0028】底部支持板28にカップ本体2を被せたと
き、フランジ26,27はピータ線2dおよびリブ2e
の形成位置にて側壁2aの内面にほぼ接触する。フラン
ジ26,27の厚さ(図1の上下方向の寸法)はそれぞ
れピータ線2dおよびリブ2eの幅に応じて設定され、
それぞれの外周部26a,27aは断面略円弧状に丸め
られている。これにより、フランジ26,27が雄型部
材として機能し、それらの外周部26a,27aがピー
タ線2dおよびリブ2eの凹面側を形成するための突部
として機能する。
【0029】回転駆動機構30は、モータ31と、その
出力軸31aに取り付けられた駆動ホイール32とを有
している。駆動ホイール32は保持具20のホイール2
5と接触し、それによりモータ出力軸31aの回転がホ
イール32,25を介して保持具20およびそれに装着
されたカップ本体2が回転駆動される。これらモータ3
1,ホイール32,25により周方向駆動手段が実現さ
れる。ターンテーブル11が回転を始めるとホイール2
5が駆動ホイール32から離間して両者間の回転伝達が
断ち切られる。そして、ターンテーブル11が保持具2
0のピッチだけ回転して停止すると、次の保持具20の
ホイール25と駆動ホイール32とが接触して両者間の
回転伝達が可能となる。
【0030】図1および図2に示すように、型押し機構
40A,40Bは、フレーム12に取り付けられたロッ
ド13に沿って上下方向に位置調整可能に設けられたブ
ラケット41と、このブラケット41に取り付けられた
半径方向駆動手段としてのエアーシリンダ42と、この
エアーシリンダ42のピストンロッド42aに取り付け
られたホルダ43と、このホルダ43に上下方向のピン
45を介して回転自在に取り付けられた型押しローラ4
6Aまたは46Bとを有している。型押しローラ46
A,46Bは雌型部材として機能し、それらの外周面は
カップ本体2の側壁2aに沿って傾斜するテーパ面とし
て形成される。そして、図1の型押しローラ46Aの外
周面の中央にはフランジ26の外周部26aと相補的な
略円弧状の断面を有する溝部46aが形成され、図2の
型押しローラ46Bの外周面の中央にはフランジ27の
外周部27aと相補的な略円弧状の断面を有する溝部4
6bが形成されている。図1のブラケット41の高さは
溝部46aがフランジ26と上下方向に一致するよう調
整され、図2のブラケット41の高さは溝部46bがフ
ランジ27と上下方向に一致するよう調整されている。
【0031】抜け止め機構50は、ロッド13の上端部
に取り付けられたブラケット51と、そのブラケット5
1の先端に下向きに取り付けられた駆動源としてのエア
ーシリンダ52と、そのエアーシリンダ52のピストン
ロッド52aと連結された押さえ板53とを有してい
る。エアーシリンダ52のピストンロッド52aを下方
に伸ばすと押さえ板53がカップ本体2の底部2bに当
接する。これにより、ピータ線2dやリブ2eを形成す
る際のカップ本体2の浮き上がりが防止される。なお、
押さえ板53はピストンロッド52aの軸線を中心とし
て回転可能な状態でピストンロッド52aに連結するこ
とが望ましい。
【0032】以上の装置10において、ターンテーブル
11が所定角度回転してカップ本体2が停止位置Ps2
に繰り出されると、上述したように駆動ホイール32と
保持具20のホイール25とが接触して保持具20およ
びカップ本体2が保持具20の軸線周りに回転駆動され
る。この状態から抜け止め機構50のエアーシリンダ5
2が起動されて押さえ板53がカップ本体2の底部2b
に突き当てられ、それと同時にエアーシリンダ42のピ
ストンロッド42aが伸ばされて図4(a)に矢印で示
したように型押しローラ46Aが側壁2aに向けて駆動
される。この結果、図4(b)に示すように型押しロー
ラ46Aが側壁2aに当接して側壁2aが内側に押し込
まれる。これにより溝部46aとフランジ26の外周部
26aとの間に側壁2aが挟み込まれ、ピータ線2dが
生じるように側壁2aにくせが付けられる。このとき、
カップ本体2およびフランジ26は回転しているため、
型押しローラ46Aとカップ本体2の側壁2aとの接触
位置が周方向に逐次変化し、ピータ線2dがカップ本体
2の周方向に徐々に形成される。従って、ピータ線2d
をその全周に亘って同時に形成する場合と比較して、容
器2に加わる力を大幅に低減させつつ所定の大きさのピ
ータ線2dを形成できる。また、カップ本体2の回転に
伴って型押しローラ46Aがピン45の周りに自転する
ため、型押しローラ46Aと側壁2aとの間に生じる摩
擦抵抗が減少し、ピータ線2dを形成する際の容器2に
加わる負荷をさらに減少させることができる。
【0033】型押しローラ46Aがカップ本体2の周り
を一周以上するとピストンロッド42aが縮められ、図
4(c)に矢印で示すよう型押しローラ46Aが側壁2
aから離される。溝部46aとフランジ26との間で挟
まれた部分以外の側壁2aはその弾性により元の形状に
復帰し、これによりピータ線2dがその全周に亘って側
壁2aの外側に突出する。型押しローラ46Aの駆動と
同時に抜け止め機構50の押さえ板53も上方に引き上
げられる。
【0034】ピータ線2dが形成されたカップ本体2は
次のターンテーブル11の回転により図2の停止位置P
s3に移送される。この停止位置Ps3でも上記と同一
手順により型押し機構40Bおよび抜け止め機構50が
駆動されてリブ2eが側壁2aに形成される。このとき
の型押しローラ46B、側壁2aおよびフランジ27の
関係は図4と同様であり、詳細は省略する。
【0035】リブ2eが形成されたカップ本体2はター
ンテーブル11の回転により次の停止位置Ps4(図3
参照)へ送られる。この停止位置Ps3からPs4へと
カップ本体2が移動する際に保持具20のホイール25
が駆動ホイール32から離れて回転伝達が絶たれるが、
慣性により保持具20は停止位置Ps4で暫く回転を続
ける。停止位置Ps4には接着剤4(図6参照)を吹き
付ける不図示のノズルが設置されており、カップ本体2
の回転により、その全周にほぼ均等に接着剤4が塗布さ
れる。以降の停止位置Ps5〜Ps7ではスリーブ3の
組み付けや検査が行われ、最後の停止位置Ps8で紙カ
ップ1が保持具20から取り出される。
【0036】本発明は上述した形態に限定されることな
く、種々の形態にて実施できる。例えば図7に示したよ
うに型押しローラ46A、46Bを同一の停止位置に設
置してピータ線2dおよびリブ2eを同時に形成しても
よい。この場合には、型押しローラ46Aと型押しロー
ラ46Bとをカップ本体2の半径方向反対側に設置して
各ローラ46A,46Bがカップ本体2を押し込む力を
互いに逆向きに作用させ、それによりカップ本体2の偏
りやずれを防ぐことができる。
【0037】フランジ26,27の外周に溝部46a,
46bをそれぞれ形成し、型押しローラ46A,46B
の外周に図1および図2のフランジ26,27の外周部
26a,27aに相当する突部を形成した場合には、ピ
ータ線2dやリブ2eをカップ本体2の内側に膨らむよ
うに形成することができる。なお、カップ本体2の内径
に余裕があるときは、型押し機構40A,40Bをカッ
プ本体2の内側に配置し、カップ本体2の外周側にフラ
ンジ26,27に相当する型部材を設けてカップ本体2
を保持してもよい。この場合、型押しローラ46A,4
6Bに溝部46a,46bを、カップ本体2の外周の型
部材にフランジ26,27の外周部26a,27aに相
当する突部をそれぞれ設けたならばカップ本体2の内側
に突出する突条部を形成でき、その逆にフランジ26,
27の外周部26a,27aに相当する突部を型押しロ
ーラ46A,46Bに、溝部46a,46bをカップ本
体2の外周の型部材にそれぞれ設けたならばカップ本体
2の外側に突出する突条部を形成できる。
【0038】本発明はカップ本体2とスリーブ3とを組
み合わせた紙カップ1の成型に限らず、ピータ線2dや
リブ2eのような突条部を必要とする各種の容器の成型
に利用できる。容器を一周する突条部に限らず、周方向
に沿って部分的に設けられる突条部の成型にも本発明は
適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の成型装
置によれば、容器の周方向に沿って徐々に突条部を形成
するため、突条部をその周方向の全長に亘って同時に形
成する場合よりも容器に加わる力を低減させつつ所望の
大きさの突条部を形成できる。そして、特に容器を内側
から保持して回転させつつその外周側から型部材を押し
付けて突条部を形成する場合には、容器の内部における
型部材の駆動を不要として成型装置の構成を簡素化で
き、容器の外側の型部材を回転可能なローラとして構成
した場合には容器の負荷をより低減させることができ
る。さらに、容器の浮き上がりを防止した場合には突条
部の蛇行等の加工不良を防止できる。そして、容器の外
周側に雌型部材を配置した場合には、容器の外周側から
の操作だけで容器の外周側に膨らむ突条部を形成でき
る。また、特に容器を保持具の装着したまま複数の工程
間で搬送し、その搬送経路の途中に突条部を形成するた
めの各種の機構を設けた場合には、突条部の形成の前後
で容器内に保持具や型部材を出し入れする必要がなく、
作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された紙カップの成型装置のう
ち、ピータ線を成型する部分の構成を示す図。
【図2】本発明が適用された紙カップの成型装置のう
ち、リブを成型する部分の構成を示す図。
【図3】図1および図2に示したターンテーブルとカッ
プ保持具との関係を示す平面図。
【図4】図1に示した機構によりピータ線を成型する手
順を示した図。
【図5】図1〜図3の成型装置で成型される紙カップの
断面図。
【図6】図5の紙カップの製造工程を示す図。
【図7】図1の変形例を示す図。
【符号の説明】
1 紙カップ 2 カップ本体(容器) 2a 側壁 2b 底部 2d ピータ線(突条部) 2e リブ(突条部) 3 スリーブ 4 接着剤 10 成型装置 11 ターンテーブル(搬送手段) 20 カップ保持具 21 ベアリング 23 支持軸 24 止め具 25 ホイール(周方向駆動手段) 26,27 フランジ(雄型部材) 26a,27a フランジの外周部(突部) 28 底部支持板 30 回転駆動機構 31 モータ(周方向駆動手段) 32 駆動ホイール(周方向駆動手段) 40A,40B 型押し機構 42 エアーシリンダ(半径方向駆動手段) 46A,46B 型押しローラ(雌型部材) 46a,46b 溝部 50 抜け止め機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 裕一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 望月 洋一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 遠藤 憲一 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E075 AA05 BA33 BA38 CA01 DC70 GA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器の側壁にその周方向へ延びる突条部
    を形成可能な成型装置であって、 前記側壁を挟むように対向させて配置され、互いの対向
    部分には前記突条部の凹面側を成型するための突部およ
    び前記突条部の凸面側を成型するための溝部がそれぞれ
    形成された雄型部材および雌型部材と、 前記雄型部材と前記雌型部材とを前記容器の半径方向に
    相対的に接近および離間させる半径方向駆動手段と、 前記雄型部材と前記雌型部材とによって前記側壁が挟ま
    れる位置が前記周方向に変化するように前記雄型部材ま
    たは前記雌型部材の少なくともいずれか一方と前記容器
    との間に相対的な回転運動を与える周方向駆動手段と、
    を具備することを特徴とする容器の成型装置。
  2. 【請求項2】 前記容器をその内側から保持しつつ当該
    容器の中心線の周りに回転可能な保持具を具備し、前記
    保持具には前記雄型部材または前記雌型部材のいずれか
    一方の型部材が設けられ、前記雄型部材または前記雌型
    部材のいずれか他方の型部材が前記容器の外周側に配置
    され、前記半径方向駆動手段は前記容器の外周側に配置
    された前記他方の型部材を前記容器の半径方向に駆動
    し、前記周方向駆動手段は前記保持具を回転駆動するこ
    とを特徴とする請求項1記載の容器の成型装置。
  3. 【請求項3】 前記保持具に設けられた前記一方の型部
    材が前記保持具の全周に亘って設けられていることを特
    徴とする請求項2記載の容器の成型装置。
  4. 【請求項4】 前記容器の外周側に設けられた前記他方
    の型部材が前記容器の中心線と平行な軸線の周りに回転
    自在なローラとして構成されていることを特徴とする請
    求項2記載の容器の成型装置。
  5. 【請求項5】 前記保持具からの前記容器の浮き上がり
    を防止する抜け止め機構を備えたことを特徴とする請求
    項2記載の容器の成型装置。
  6. 【請求項6】 前記容器の内周側に前記雄型部材が、前
    記容器の外周側に雌型部材がそれぞれ配置されているこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成型装
    置。
  7. 【請求項7】 容器の側壁にその周方向へ延びる突条部
    を形成可能な成型装置であって、 前記容器をその内側から保持しつつ当該容器の中心線の
    周りに回転可能な保持具と、 前記保持具を回転駆動する回転駆動機構と、 前記保持具の側方に配置され、前記容器の中心線と平行
    な軸線の周りに回転可能な型押しローラおよびその型押
    しローラを前記容器の半径方向に往復運動させる駆動手
    段を備えた型押し機構と、を具備し、 前記突条部の凸面側を成型するための溝部または前記突
    条部の凹面側を成型するための突部のいずれか一方が前
    記型押しローラの外周に設けられ、前記保持具には前記
    溝部または前記突部のいずれか他方が前記型押しローラ
    に設けられた前記溝部または前記突部と前記中心線の方
    向に位置を合わせて設けられていることを特徴とする容
    器の成型装置。
  8. 【請求項8】 複数の工程間で前記保持具を移動させる
    搬送手段を具備し、前記回転駆動機構および前記型押し
    機構が前記搬送手段による前記保持具の搬送経路の途中
    に設置されていることを特徴とする請求項7記載の容器
    の成型装置。
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